説明

車両用灯具のクリーナ装置

【課題】従来の車両用灯具のクリーナ装置では、カバーとバンパーの外側面との間に隙間やがたなどが発生する虞がある。
【解決手段】カバーホルダ7がカバー8を常時ノズル6方向側に付勢させるとともに全方向に揺動可能に保持する。この結果、カバーホルダ7により、カバー8がノズル6に対して全方向に揺動可能である。このために、カバー8がバンパー2の外側面に確実に追従することが可能となり、その分、カバー8とバンパー2の外側面との間の隙間やがたの発生を確実に防ぐことができる。このカバー8とバンパー2の外側面との間の隙間やがたなどを無くすることにより、見栄えが向上される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ノズルから洗浄液を車両用灯具のレンズに噴射させてこのレンズを洗浄する車両用灯具のクリーナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具のクリーナ装置は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具のクリーナ装置について説明する。なお、括弧つきの符号は、特許文献1に対応する。この従来の車両用灯具のクリーナ装置(1)は、車両の外装部品としてのバンパー(11)の内側に装備されるシリンダ(2)と、前記シリンダ(2)に伸縮可能に装備されており、洗浄液の圧送により伸長するピストン(32)と、前記ピストン(32)に装備されており、前記ピストン(32)の伸長により前記バンパー(11)の開口部(74)から外側に突出して洗浄液を車両用灯具のレンズに噴射するノズル(67)と、前記ノズル(67)にカバーホルダを介して装備されており、非作動時には前記開口部(74)を覆うカバー(75)と、を備えるものである。前記カバーホルダは、相互に回動可能に嵌合された球部(65)とジョイント(80)とから構成されている。
【0003】
以下、前記の従来の車両用灯具のクリーナ装置(1)の作用について説明する。洗浄液タンク内の洗浄液をポンプによりシリンダ(2)内に圧送すると、ピストン(32)がシリンダ(2)から伸び、ノズル(67)がバンパー(11)の開口部(74)から外側に突出して、このノズル(67)から洗浄液が車両用灯具のレンズに噴射される。これにより、車両用灯具のレンズが洗浄液で洗浄される。洗浄が終了して洗浄液の圧送を止めると、ノズル(67)からの洗浄液の噴射が停止して、ピストン(32)がシリンダ(2)内に縮んで収納され、また、ノズル(67)がバンパー(11)の開口部(74)から内側に収納され、かつ、カバー(75)がバンパー(11)の開口部(74)を覆う。このとき、カバー(75)は、カバーホルダの球部(65)とジョイント(80)との相互の回動作用により、バンパー(11)の外側面に追従して開口部(74)を覆うので、カバー(75)とバンパー(11)の外側面との間には、隙間やがたなどが無い。
【0004】
ところが、前記の従来の車両用灯具のクリーナ装置(1)は、球部(65)の板形状の回転防止部(66)をジョイント(80)のスリット(84)に係合させて球部(65)とジョイント(80)との相互の横回転を防止するように構成されている。このために、前記の従来の車両用灯具のクリーナ装置(1)では、カバー(75)をバンパー(11)に対して、相互に係合している回転防止部(66)およびスリット(84)の平面方向の一方向においてはある程度の角度内で回動可能であるが、その他の方向においては回転防止部(66)とスリット(84)との相互間の小さな隙間分しか回動しない。このために、従来の車両用灯具のクリーナ装置(1)では、カバー(75)とバンパー(11)の外側面との間に隙間やがたなどが発生する虞がある。
【0005】
【特許文献1】特開平8−58532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用灯具のクリーナ装置(1)では、カバー(75)とバンパー(11)の外側面との間に隙間やがたなどが発生する虞があると言う点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、カバーホルダがカバーを常時ノズル方向側に付勢させるとともに全方向に揺動可能に保持する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の車両用灯具のクリーナ装置は、カバーホルダにより、カバーがノズルに対して全方向に揺動可能である。このために、この発明の車両用灯具のクリーナ装置は、一方向に回動機能を有する従来の車両用灯具のクリーナ装置と比較して、カバーが車両の外装部品の外側面に確実に追従することが可能となり、その分、カバーと外装部品の外側面との間の隙間やがたの発生を確実に防ぐことができる。このカバーと外装部品の外側面との間の隙間やがたなどを無くすることにより、見栄えが向上される。特に、この発明の車両用灯具のクリーナ装置は、カバーホルダにより、カバーを常時ノズル方向側に付勢するので、外装部品の外側面の位置がカバーおよびノズルの出し入れ方向に変動していても、この変動に対応することができ、カバーを外装部品の外側面に確実に密着させることができる。この結果、カバーと外装部品の外側面との間の隙間やがたの発生をさらに確実に防ぐことができ、見栄えがさらに向上される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、この発明にかかる車両用灯具のクリーナ装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0010】
以下、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置の構成について図1〜図3を参照して説明する。
【0011】
図において、符号1は、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置である。前記クリーナ装置1は、たとえば、自動車のヘッドランプのレンズ(図示せず)の表面の汚れを洗浄液で洗浄するものである。
【0012】
前記クリーナ装置1は、車両の外装部品、この例では、バンパー2の内側に装備されるシリンダ3と、前記シリンダ3に伸縮可能に装備されており、洗浄液の圧送により伸長するピストン4と、前記ピストン4に装備されており、前記ピストン4の伸長により前記バンパー2の開口部5から外側に突出して洗浄液を前記レンズに噴射するノズル6と、前記ノズル6にカバーホルダ7を介して装備されており、非作動時には前記開口部5を覆うカバー8と、を備えるものである。
【0013】
前記ノズル6は、図1に示すように、2個の噴射ノズル9と、前記2個の噴射ノズル9を前記ピストン4の一端に保持するノズルホルダ10とから構成されている。なお、前記2個の噴射ノズル9の噴射方向は、上下方向(前記ピストン4の伸縮方向)に同一であるが、変えても良い。
【0014】
前記カバーホルダ7は、図1および図2に示すように、前記カバー8を常時前記ノズル6方向側に付勢させるとともに全方向に揺動可能に保持するものである。すなわち、前記カバーホルダ7は、前記ノズル6に設けられかつテーパ面13を有する第1ホルダ11と、前記カバー8に設けられかつテーパ面14を有する第2ホルダ12と、前記第2ホルダ12のテーパ面14を常時前記第1ホルダ11のテーパ面13に付勢させるとともに全方向に揺動可能に保持するコイル状のスプリング15とから構成されている。
【0015】
前記ノズルホルダ10の一端面(上端面)には、筒形状の固定部16が一体に設けられている。
【0016】
第1ホルダ11は、いわゆるキャップであって、板部17と、前記板部17の一面(下面)の縁部に一体に設けられた筒形状の固定部18と、前記板部17の他面(上面)の中央部に一体に設けられた柱形状の取付部21とから構成されている。前記板部17の他面の前記取付部21の周囲には、前記テーパ面13がすり鉢形状に設けられている。
【0017】
前記第2ホルダ12は、一端(下端)が閉塞され、かつ、他端(上端)が開口された筒形状をなす。前記第2ホルダ12の閉塞部の中央には、前記取付部21より一回り大きい透孔22が設けられている。また、前記第2ホルダ12の側部の外面には、2個の係合爪23が一致体に設けられている。さらに、前記第2ホルダ12の閉塞部の一面(上面)の前記透孔22の周囲には、前記テーパ面14がすり鉢形状に設けられている。
【0018】
前記カバー8は、上から見てほぼ長方形形状をなす。前記カバー8の底面には、2枚の弾性板24が前記2個の係合爪23にそれぞれ対応して一体に設けられている。前記2枚の弾性板24には、係合孔25がそれぞれ設けられている。
【0019】
前記ノズルホルダ10の固定部16に前記第1ホルダ11の固定部18を固定する。一方、前記カバー8の2枚の弾性板24の係合孔25に前記第2ホルダ12の2個の係合爪23をそれぞれ弾性係合させる。前記第1ホルダ11の取付部21に前記第2ホルダ12の透孔22を外側から嵌合させるとともに、前記第1ホルダ11のテーパ面13に前記第2ホルダ12のテーパ面14を載せる。前記取付部21に前記スプリング15を外側から嵌合させる。前記第2ホルダ12のテーパ面14を設けた部分とプッシュナット26との間において前記スプリング15を圧縮させた状態で、前記プッシュナット26を前記取付部21の一端(上端)に固定させる。すると、圧縮状態の前記スプリング15のスプリング力により、前記カバー8および前記第2ホルダ12は、前記ノズル6側に付勢され、一方、前記プッシュナット26を介して前記第1ホルダ11は、前記カバー8側に付勢される。この結果、第1ホルダ11のテーパ面13と前記第2ホルダ12のテーパ面14とは、相互に圧接される。これにより、前記カバー8は、前記カバーホルダ7により、常時前記ノズル6方向側に付勢されるとともに全方向に揺動可能に保持される。
【0020】
前記バンパー2のうち、前記カバー8が位置する箇所には、凹部19が設けられている。前記凹部19は、上か見て前記カバー8よりも若干大きい長方形状をなし、かつ、深さが前記カバー8の厚さとほぼ同等をなす。この結果、前記カバー8は、前記凹部19中にほぼ隙間なく収容されると、前記カバー8の外側面と前記バンパー2の外側面とがほぼ面一となる。
【0021】
前記バンパー2の前記凹部19の底には、前記開口部5が設けられている。前記開口部5は、前記カバー8より一回り小さく、かつ、前記ノズル6および前記カバーホルダ7よりも一回り大きい形状をなす。前記凹部19の角部には、前記カバー8を前記凹部19中に収容ガイドする湾曲ガイド部20が設けられている。
【0022】
そして、前記シリンダ3を前記バンパー2の内側のブラケット(図示せず)に取り付ける。前記シリンダ3と洗浄液タンク(図示せず)とをポンプ(図示せず)を介して洗浄液圧送用配管(図示せず)で接続する。前記ノズル6を前記バンパー2の前記開口部5に臨ませる。また、前記カバー8を前記バンパー2の前記開口部5の上に位置させる。これにより、前記クリーナ装置1は、車両に装備される。
【0023】
この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1の構成は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0024】
クリーナ非作動時(クリーナ非使用時)には、図1(A)および図1(B)および図4(A)に示すように、ピストン用スプリング(図示せず)のスプリング力により、ピストン4がシリンダ3内に収納されており、かつ、閉止弁用スプリング(図示せず)のスプリング力により、閉止弁(図示せず)が閉じている。また、ピストン4がシリンダ3内に収納されていることにより、カバー8がバンパー2の凹部19中に収容されていてバンパー2の開口部5を覆っている。
【0025】
クリーナの作動時(クリーナの使用時)は、図3(B)に示すように、ポンプを作動させて洗浄液タンク中の洗浄液を洗浄液圧送用配管を介してシリンダ3中に圧送する。このシリンダ3内の洗浄液の圧力がピストン用スプリングのスプリング力よりも大きくなると、ピストン4がシリンダ3から伸びる。これにより、カバー8がバンパー2から離れてバンパー2の開口部5を開放し、この開口部5からノズル6が突出してヘッドランプのレンズに対向する。さらに、シリンダ3内の洗浄液の圧力が閉止弁用スプリングのスプリング力よりも大きくなると、閉止弁が開き、洗浄液がピストンを経て2個の噴射ノズル9から車両用灯具、たとえば、ヘッドランプのレンズに噴射される。これにより、ヘッドランプのレンズが洗浄液で洗浄される。
【0026】
洗浄が終了した時点で、ポンプの作動を停止させて洗浄液のシリンダ3への圧送を止める。シリンダ3内の洗浄液の圧力が閉止弁用スプリングのスプリング力よりも小さくなると、閉止弁が閉じ、2個の噴射ノズル9からの洗浄液の噴射が停止する。さらに、シリンダ3内の洗浄液の圧力がピストン用スプリングのスプリング力よりも小さくなると、ピストン4がシリンダ3内に縮んで収納され、図1(A)および図1(B)および図4(A)に示される状態となる。すなわち、ノズル6が開口部5からバンパー2内に収納され、かつ、カバー8がバンパー2の凹部19中に収容されてバンパー2の開口部5を覆う。
【0027】
この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、以上のごとき構成、作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0028】
この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、テーパ面13を有する第1ホルダ11と同じくテーパ面14を有する第2ホルダ12とスプリング15およびプッシュナット26から構成されているカバーホルダ7により、カバー8が2個の噴射ノズル9とノズルホルダ10とから構成されているノズル6に対して全方向に揺動可能である。このために、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、一方向に回動機能を有する従来の車両用灯具のクリーナ装置と比較して、カバー8がバンパー2の外側面に確実に追従することが可能となり、その分、カバー8とバンパー2の外側面との間の隙間やがたの発生を確実に防ぐことができる。このカバー8とバンパー2の外側面との間の隙間やがたなどを無くすることにより、見栄えが向上される。
【0029】
また、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、カバーホルダ7のスプリング15により、カバー8を常時ノズル6方向側に付勢するので、カバー8をバンパー2の外側面に密着させることができる。特に、バンパー2の外側面の位置がカバー8およびノズル6の出し入れ方向(上下方向)に変動していてもまたは図1(B)に示すように傾斜していても、この変動または傾斜に対応することができ、カバー8を図1(A)および図1(B)に示すようにバンパー2の外側面に確実に密着させることができる。この結果、カバー8とバンパー2の外側面との間の隙間やがたの発生をさらに確実に防ぐことができ、見栄えがさらに向上される。
【0030】
さらに、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、スプリング15を有するカバーホルダ7により、カバー8を常時ノズル6方向側に付勢するとともに全方向に揺動可能に保持するので、クリーナ装置1の取付誤差、カバー8および凹部19などの寸法誤差を全方向において十分に吸収することができる。しかも、三次元形状をなすバンパー2の外側面(すなわち、バンパー2の長手方向の外側面が平面に近い曲面(曲率が小さい曲面)をなし、また、バンパー2の短手方向の外側面が曲面(曲率が長手方向の曲面の曲率よりも大きい曲面)をなす)に追従することができ、カバー8とバンパー2の外側面との間の隙間やがたの発生を確実に防ぐことができ、見栄えが向上される。
【0031】
特に、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、バンパー2のうちカバー8が位置する箇所に凹部19を設けたものである。このために、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、非作動時にカバー8が凹部19中にほぼ隙間なく収容され、かつ、カバー8の外側面とバンパー2の外側面とがほぼ面一となる。したがって、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、見栄えがさらに向上される。
【0032】
また、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、凹部19の角部に湾曲ガイド部20を設けたものであるから、非作動時にカバー8が凹部19中に収容される際に、カバー8が湾曲ガイド部20の収容ガイド作用により凹部19中に確実にかつ隙間なく収容され、かつ、カバー8の外側面とバンパー2の外側面とがほぼ面一となる。したがって、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、見栄えがさらに向上される。
【0033】
さらに、この実施例における車両用灯具のクリーナ装置1は、カバー8と第2ホルダ12とが弾性板24の係合孔25と係合爪23との弾性係合により取り付けられているので、カバー8をバンパー2のボディーカラーなどに合わせて揃えておき、一方、カバー8以外の部品、すなわち、シリンダ3、ピストン4、ノズル6およびカバーホルダ7を共通化(共有化)することができる。これにより、製造コストが安価となる。しかも、カバー8を任意に取り替えることができる。
【0034】
図4は、前記の実施例における車両用灯具のクリーナ装置の変形例を示す説明図である。なお、図4(A)は、非作動時の状態を示す説明図、図4(B)は、作動時の状態を示す説明図である。
【0035】
この変形例にかかる車両用灯具のクリーナ装置1Aは、車両の外装部品のバンパー2Aに凹部が設けられていないものである。すなわち、バンパー2Aのうちカバー8が位置する箇所の部分をほぼ平面とし、この平面部に開口部5を設けたものである。この変形例にかかる車両用灯具のクリーナ装置1Aは、前記の実施例における車両用灯具のクリーナ装置1とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0036】
前記の実施例における車両用灯具のクリーナ装置1および前記の変形例かかる車両用灯具のクリーナ装置1A(以下、単に前記クリーナ装置1、1Aと称する)においては、車両の外装部品としてバンパー2、2Aであるが、この発明においては、バンパー2、2A以外に、車両用灯具の意匠の一部であっても良い。たとえば、車両用灯具(ヘッドランプ)のレンズと一体もしくは別体のダミー用のレンズ(いわゆる、フィニッシャー)である。このダミー用のレンズに開口部5を設け、この開口部5をカバー8で開閉する。
【0037】
前記クリーナ装置1、1Aは、洗浄対象の車両用灯具、たとえば、ヘッドランプが車両(自動車)の前部の左右両側にそれぞれ装備されているので、左右のヘッドランプごとに必要となる。一方、左右の前記クリーナ装置1、1Aがそれぞれ装備される車両の外装部品の外側面の形状は、左右で異なり、ほぼ左右対称となるので、左右の前記クリーナ装置1、1Aのカバー8の外側面の形状も、外装部品の外側面の形状と同様に、左右で異なり、ほぼ左右対称となる。このために、左右のヘッドランプにそれぞれ対応する左右専用の前記クリーナ装置1、1Aおよび前記カバー8が必要となるので、左右の前記クリーナ装置1、1Aに左右のカバー8を正確に組み付ける必要がある。そこで、前記カバー8と前記カバーホルダ7、たとえば、第2ホルダ12との間に誤組み付け防止構造を施すことにより、左右の前記クリーナ装置1、1Aに左右のカバー8を正確に組み付けることができる。なお、誤組み付け防止構造としては、たとえば、第2ホルダ12の係合爪23とカバー8の弾性板24の係合孔25との大きさや向きや形状などを左右専用にそれぞれ変えた構造、あるいは、第2ホルダ12とカバー8とに大きさや向きや形状などが左右専用にそれぞれ変えた凹凸などを設けた構造などがある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明にかかる車両用灯具のクリーナ装置の実施例を示す要部を拡大した説明図である。
【図2】同じく、要部の分解状態を示す説明図である。
【図3】同じく、クリーナ作動時の正面とクリーナ非作動時の正面とを示す説明図である。
【図4】この発明にかかる車両用灯具のクリーナ装置の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1、1A クリーナ装置
2、2A バンパー(車両の外装部品)
3 シリンダ
4 ピストン
5 開口部
6 ノズル
7 カバーホルダ
8 カバー
9 噴射ノズル
10 ノズルホルダ
11 第1ホルダ
12 第2ホルダ
13、14 テーパ面
15 スプリング
16 固定部
17 板部
18 固定部
19 凹部
20 湾曲ガイド部
21 取付部
22 透孔
23 係合爪
24 弾性板
25 係合孔
26 プッシュナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に装備される灯具のレンズを洗浄液で洗浄する車両用灯具のクリーナ装置において、
前記車両の外装部品の内側に装備されるシリンダと、
前記シリンダに伸縮可能に装備されており、洗浄液の圧送により伸長するピストンと、
前記ピストンに装備されており、前記ピストンの伸長により前記外装部品の開口部から外側に突出して洗浄液を前記レンズに噴射するノズルと、
前記ノズルにカバーホルダを介して装備されており、非作動時には前記開口部を覆うカバーと、
を備え、
前記カバーホルダは、前記カバーを常時前記ノズル方向側に付勢させるとともに全方向に揺動可能に保持する、ことを特徴とする車両用灯具のクリーナ装置。
【請求項2】
前記カバーホルダは、前記ノズルに設けられかつテーパ面を有する第1ホルダと、前記カバーに設けられかつテーパ面を有する第2ホルダと、前記第2ホルダのテーパ面を常時前記第1ホルダのテーパ面に付勢させるとともに全方向に揺動可能に保持するスプリングとから構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具のクリーナ装置。
【請求項3】
車両に装備される灯具のレンズを洗浄液で洗浄する車両用灯具のクリーナ装置において、
凹部の底に開口部が設けられている前記車両の外装部品と、
前記外装部品の内側に装備されるシリンダと、
前記シリンダに伸縮可能に装備されており、洗浄液の圧送により伸長するピストンと、
前記ピストンに装備されており、前記ピストンの伸長により前記外装部品の開口部から外側に突出して洗浄液を前記レンズに噴射するノズルと、
前記ノズルにカバーホルダを介して装備されており、非作動時には前記凹部に収容されて前記開口部を覆うカバーと、
を備え、
前記カバーホルダは、前記カバーを常時前記ノズル方向側に付勢させるとともに全方向に揺動可能に保持する、ことを特徴とする車両用灯具のクリーナ装置。
【請求項4】
前記カバーホルダは、前記ノズルに設けられかつテーパ面を有する第1ホルダと、前記カバーに設けられかつテーパ面を有する第2ホルダと、前記第2ホルダのテーパ面を常時前記第1ホルダのテーパ面に付勢させるとともに全方向に揺動可能に保持するスプリングとから構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具のクリーナ装置。
【請求項5】
前記凹部の角部には、前記カバーを収容ガイドする湾曲ガイド部が設けられている、ことを特徴とする請求項3または4に記載の車両用灯具のクリーナ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−130949(P2006−130949A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−318999(P2004−318999)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】