車椅子用リフト装置とそれを備えた福祉車両
【課題】 構造が簡単かつ乗降時に車椅子利用者に不安感を与えることの少ない車椅子用リフト装置とそれを備えた福祉車両を提供することを課題とする。
【解決手段】 車両開口部の左右に固定される基台と、基台に対して水平な回転軸の回りに回転自在に取り付けられ、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在な案内レールと、当該案内レールの各々に、案内レールに沿って移動自在に取り付けられた一対の移動体と、一対の移動体の間に位置し、移動体に対して水平軸の回りに回動自在に取り付けられたプラットフォームと、プラットフォームが水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材と、左右一対の移動体をプラットフォームとともに案内レールに沿って移動させる駆動装置とを備えた車椅子用リフト装置、及び、当該車椅子用リフト装置を取り付けた福祉車両を提供することによって解決する。
【解決手段】 車両開口部の左右に固定される基台と、基台に対して水平な回転軸の回りに回転自在に取り付けられ、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在な案内レールと、当該案内レールの各々に、案内レールに沿って移動自在に取り付けられた一対の移動体と、一対の移動体の間に位置し、移動体に対して水平軸の回りに回動自在に取り付けられたプラットフォームと、プラットフォームが水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材と、左右一対の移動体をプラットフォームとともに案内レールに沿って移動させる駆動装置とを備えた車椅子用リフト装置、及び、当該車椅子用リフト装置を取り付けた福祉車両を提供することによって解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子用リフト装置とそれを備えた福祉車両に関するものであり、詳細には、自動車などの車両に車椅子を容易に乗降させることができる車椅子用リフト装置とそれを備えた福祉車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車椅子用のリフト装置は多数提案されている。例えば特許文献1には、車椅子を載せたプラットフォームをリンク機構で車両床面と同じ高さまで持ち上げた後、スライド機構によって水平に移動させ、車両内部へと収容するリフト装置が開示されている。しかし、このリフト装置では、プラットフォームを上下動させるリンク機構と、水平移動させるスライド機構の双方を必要とし、装置が大掛かりになるという欠点がある。
【0003】
また、特許文献2には、単一の駆動機構によって、車椅子を載せたプラットフォームをインナーガイドに沿って水平状態のまま斜めに上昇させ、次いでアウターガイドに沿って水平に移動させて車両内に収容するようにしたリフト装置が開示されている。しかし、この特許文献2に開示されたリフト装置では、駆動機構は単一で済むものの、プラットフォームをインナーガイドからアウターガイドへと乗り移らせるための機構が複雑で、部品点数が多く、装置が高価になるという問題点がある。
【0004】
一方、特許文献3においては、単純に、車両と路面との間にスロープ板を掛け渡し、このスロープ板に沿って車椅子をベルト巻き取り装置によって引き上げるようにした車椅子乗降補助装置が開示されている。この装置は、機構が簡単であるが、車椅子をスロープに沿って引き上げるので、乗降時に車椅子が斜めになることが避けられず、車椅子利用者に転倒等の不安感を与えるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−304703号公報
【特許文献2】特開2002−36938号公報
【特許文献3】特開2008−154631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来の車椅子用リフト装置が有する欠点を解決するために為されたもので、構造が簡単で、しかも、乗降時に車椅子利用者に不安感を与えることの少ない車椅子用リフト装置とそれを備えた福祉車両を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を、車両開口部の左右に固定される基台と、基台に対して水平軸の回りに回動自在に取り付けられた一対の案内レールであって、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在な案内レールと、当該一対の案内レールの各々に、案内レールに沿って移動自在に取り付けられた一対の移動体と、一対の移動体の間に位置し、移動体に対して水平軸の回りに回動自在に取り付けられたプラットフォームと、プラットフォームが水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材と、左右一対の移動体をプラットフォームとともに案内レールに沿って移動させる駆動装置とを備えた車椅子用リフト装置を提供するとともに、そのような車椅子用リフト装置を取り付けた福祉車両を提供することによって解決するものである。
【0008】
すなわち、本発明の車椅子用リフト装置においては、車椅子が搭載されるプラットフォームには、プラットフォームが水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材が備えられているので、プラットフォームを水平状態に維持したまま、移動体とともに、案内レールに沿って斜めに上昇又は下降させることができる。このため、乗降時に車椅子が斜めになることがない。また、案内レールは、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在であるので、乗降が終了すると、案内レールを水平軸の回りに回動させて、車両内に収容することができる。このとき、移動体に対して回動自在に取り付けられているプラットフォームも、移動体に対して回転させて折り畳んで、案内レールとともに、車両内にコンパクトに収容することができる。
【0009】
本発明の車椅子用リフト装置は、その好ましい態様において、一対の案内レールがその各々に腕を有し、腕を介して、基台に対して水平な回転軸の回りに回転自在に取り付けられる。これにより、案内レールは基台から腕の長さ分だけ離れた円周上を回動することになるので、案内レールと車両との間に距離をあけることが可能となり、車両の取付部近傍にバンパー等の突出物が存在していても、本発明の車椅子用リフト装置を問題なく車両に取り付けることができる。また、案内レールを腕を介して基台に取り付けることによって、乗降時の案内レールの勾配を大きくすることが可能となるので、案内レールの長さを短くして、車両内への収納をより容易にすることができる。
【0010】
さらに、本発明の車椅子用リフト装置は、その好ましい態様において、プラットフォームの車両側の先端部に、プラットフォームと車両床面との間に掛け渡される渡り板が水平軸の回りに回動自在に取り付けられている。この渡り板によって、車椅子及びその利用者はより安全にプラットフォームと車両床面との間を移行することが可能になる。
【0011】
また、本発明の車椅子用リフト装置は、その好ましい態様において、一対の案内レールが少なくとも1つの曲折可能な関節部を備えており、このように関節部を備える場合には、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置では関節部を伸ばして案内レールの長さを長くして、案内レールの勾配を緩やかなものとし、先端部が車両内に収容される収容位置では、関節部を曲げて案内レールの長さを短くしてコンパクトに車両内に収容することができる。
【0012】
本発明の車椅子用リフト装置は、自動車を始め、鉄道車両、船舶などの交通手段への乗降の際に利用できることは勿論、空港や駅などの公共施設、又は、一般家庭やビル、レストランなどを含め、車椅子での移行が困難な段差が存在するあらゆる場所に適用することが可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車椅子用リフト装置によれば、プラットフォームを、水平状態に維持したまま上昇又は下降させることができるので、車両への乗降に際し車椅子が斜めになることがなく、車椅子利用者に転倒等の不安感を与えることがないという利点が得られる。また、プラットフォームの上昇又は下降は、プラットフォームが取り付けられた移動体を案内レールに沿って移動させるだけで良いので、構造が簡単であり、駆動機構が単一で済み、製造コストが安価であるという利点が得られる。
【0014】
さらに、案内レールを腕を介して基台に取り付ける場合には、本発明の車椅子用リフト装置を車両に取り付ける際、バンパー等の突出物が邪魔にならず、また、乗降時の案内レールの勾配を大きくすることが可能となるので、案内レールの長さを短くして、車両内に収納し易くすることができるという利点が得られる。さらに、案内レールに関節部を設ける場合には、折り畳んで車両内にコンパクトに収容することができるので、車両に取り付けても大きなスペースを必要としない上に、乗降時には、関節部を伸ばして案内レールを長くすることができるので、車両と路面とを連絡する案内レールの勾配を小さくして、車椅子を搭載したプラットフォームの昇降に必要な動力を小さくすることができるという利点が得られる。さらに、本発明の車椅子用リフト装置を取り付けた福祉車両によれば、車椅子利用者の乗降を、より簡便に、かつ、車椅子利用者に不安感を与えることなく行うことができるという優れた利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の車椅子用リフト装置の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の車椅子用リフト装置の一例を示す平面図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】図3のX−X’断面図である。
【図5】図4のA−A’断面図である。
【図6】図3のY−Y’断面図である。
【図7】移動体が移動する状態を示す図である。
【図8】図3のZ−Z’断面図である。
【図9】プラットフォームが移動体に対して回動する状態を示す図である。
【図10】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図11】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図12】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図13】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図14】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図15】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図16】本発明の車椅子用リフト装置の他の一例を示す側面図である。
【図17】本発明の車椅子用リフト装置の他の一例を示す平面図である。
【図18】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図19】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図20】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図21】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図22】本発明の車椅子用リフト装置の案内レールの更に他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明が図示のものに限られないことは勿論である。
【0017】
図1は車両に取り付けられた状態にある本発明の車椅子用リフト装置の一例を示す側面図であり、図2はその平面図である。図1、図2において、1は本発明の車椅子用リフト装置、2は車両であり、車両2は後部ハッチが開いた状態にある。3は車両2の床面であり、床面3には基台4、4が固定されている。5、5は左右一対の案内レール、6、6は案内レール5、5のそれぞれに取り付けられた腕、7、7は水平な回転軸であり、案内レール5、5は、それぞれの腕6、6を介して、基台4、4に対し、水平な回転軸7、7の回りに回動自在に取り付けられている。図示の状態では、案内レール5、5は先端部が車両2外の路面Mに当接する乗降位置にある。
【0018】
このように、本例の車椅子リフト装置1においては、一対の案内レール5、5が、そのそれぞれに設けられた腕6、6を介して基台4、4に取り付けられているので、案内レール5、5は、基台4、4から腕6、6の長さ分だけ離れた位置で、水平軸7、7の回りに回動することができる。このため、本発明の車椅子用リフト装置1を、例えば図1、図2に示すように、車両2の後部に取り付ける場合には、案内レール5、5の下面と車両2の後端2rとの間に距離を取ることができるので、車両2の後端2rに例えばバンパー等が存在しても、それらの障害物を十分に避けて、車椅子リフト装置1を車両2に取り付けることができる。
【0019】
また、案内レール5、5を、腕6、6を介して基台4、4に取り付けることによって、乗降位置における案内レール5、5の勾配を比較的急なものとすることができるので、案内レール5、5の長さを短くして、収容位置において車両2内にコンパクトに収容することが可能である。極端な場合には、乗降位置における案内レール5、5の勾配は、路面Mに対して垂直であっても良い。なお、図示の例においては、腕6、6は、案内レール5、5に対して直角に取り付けられているが、角度をもって取り付けても良い。また、図示の例においては、腕6、6は、案内レール5、5の回転軸7、7に近い側の端部近傍に取り付けられているが、腕6、6は、案内レール5、5を水平な回転軸7、7の回りに回転させて、その先端部が車両2内に収容される収容位置に回動させることができる限り、案内レール5、5のどの位置に取り付けられても良い。
【0020】
8、8は一対の移動体であり、それぞれ、案内レール5、5の各々に、案内レール5、5に沿って移動自在に取り付けられている。9は車椅子を載せるプラットフォームであり、一対の移動体8、8の間に位置し、両側部の各々において、移動体8、8に対して水平な回転軸の回りに回動自在に取り付けられている。10は、車椅子のプラットフォームへの乗降を容易にするフラップ板、11は渡り板である。図1、図2において、渡り板11は立ち上がった状態にある。12は支持柱、13は可撓体である。可撓体13は、柔軟に曲折するものの、伸縮はしない材料で構成されており、本例においては、支持柱12及び可撓体13とで、プラットフォーム9が水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材を構成している。
【0021】
14はギヤボックスを備えた電動機、15、15は回転リール、16は床面3の下に配置された回転伝達軸であり、電動機14の回転は、直接又は回転伝達軸16を介して、回転リール15、15に伝達され、回転リール15、15を正方向又は逆方向に回転させる。17はワイヤーであり、ワイヤー17の一方端は移動体8、8に連結され、他方端は回転リール15、15に結合されている。これら電動機14、回転リール15、15、伝達軸16、及びワイヤー17によって、巻き上げ機を構成し、車椅子を搭載したプラットフォーム9を、移動体8、8ともに、上昇又は下降させることができる。
【0022】
図3は、図2における上側の移動体8の周辺を拡大して示す部分拡大図である。なお、図2における下側の移動体8とその周辺部の構造は、図3に示す上側のものと同じであるので、以下、上側の移動体8とその周辺部の構造についてのみ説明する。
【0023】
図3において、8a、8aは移動体8に対して回転自在に取り付けられた車輪である。車輪8a、8aは、案内レール5内に収容され、案内レール5の内部を回転移動し、それに伴い、移動体8は案内レール5に沿って移動することになる。18は移動体8に固定された水平な回転軸であり、回転軸18は、支持柱12を貫通して、支持柱12を移動体8に対して回転自在に支持するとともに、プラットフォーム9の側壁を貫通し、プラットフォーム9を、その側部において、移動体8に対して回転自在に支持している。13a、13b、13cは可撓体13の係止体であり、それぞれ、移動体8、支持柱12、プラットフォーム9の側壁に固定されている。
【0024】
図4は図3のX−X’断面図、図5は図4のA−A’断面図である。図4、図5に示すとおり、移動体8の車輪8a、8aは、案内レール5内に収容されており、案内レール5の内部底面に接し、内部底面上を回転移動する。5aは、車輪8a、8aの車軸を通す間隙である。
【0025】
図6は図3のY−Y’断面図であり、図7は移動体8が案内レール5に沿って移動する状態を示す図である。図6、図7に示すとおり、移動体8は、車輪8a、8aが回転して案内レール5に沿って移動すると、それとともに、図7の矢印で示すように、案内レール5に沿って移動する。
【0026】
なお、移動体8を案内レール5に沿って移動可能に取り付ける機構は図示のものに限られない。例えば、案内レール5内にチェーンを設置し、車輪8a、8aに代えてスプロケットを用い、スプロケットの歯をチェーンに係合させながら回転させることで、移動体8を案内レール5に沿って移動させるようにしても良い。或いは、案内レール5内にベアリングを配置し、車輪8a、8aの代わりに設けた移動部材を、ベアリング上を滑らせることで、移動体8を案内レール5に沿って移動させるようにしても良い。
【0027】
図8は図3のZ−Z’断面図である。図8に示すとおり、プラットフォーム9は、移動体8に固定された回転軸18によって水平軸の回りに回動自在に支持されている。しかし、その一方で、移動体8、支持柱12、及びプラットフォーム9の側壁に固定された係止体13a、13b、13c間には、可撓体13が張架されており、プラットフォーム9は、水平面よりも下向きにならないように、その回動が阻止されている。可撓体13としては、曲折はするものの、プラットフォーム9に利用者を載せた車椅子を搭載しても、伸縮することなく、かつ、破断しない強度を備えたものであれば良く、例えば、チェーン、金属ワイヤーなどを可撓体13として用いることができる。
【0028】
図9は、プラットフォーム9を持ち上げて回転軸18の回りに回転させた状態を示している。このように可撓体13は、曲折可能であるので、プラットフォーム9は、水平面よりも上向きになる方向には自在に回動させることができ、支持柱12とともに、移動体8に対して折り畳むことができる。
【0029】
次に図10〜図15を用いて本例の車椅子用リフト装置1の動作を説明する。図10は、一対の案内レール5、5が、その先端が車両2の外の路面Mに当接する乗降位置へと回動した状態にあり、車椅子利用者が車椅子19とともに、プラットフォーム9上に移動した状態を示している(車椅子利用者は図示していない)。車椅子19がプラットフォーム9上に位置すると、フラップ板10が立てられ、車椅子19は、図示しない適宜の係止具でプラットフォーム9上に固定される。なお、プラットフォーム9の先端部にある渡り板11も立てられた状態にある。
【0030】
車椅子19の固定が終わると、電動機14がオンされ、回転リール15、15が回転を開始してワイヤー17を巻き上げる。ワイヤー17が巻き上げられると、ワイヤー17の先端が連結されている移動体8、8は案内レール5、5に沿って引き上げられ、移動体8、8間に位置し、移動体8、8に対して水平軸18の回りに回動自在に取り付けられているプラットフォーム9も、図11に示すように、車椅子19を載せたまま、案内レール5に沿って斜め方向に上昇する。このとき、プラットフォーム9と、移動体8、8との間には、支持柱12を介して、可撓体13が張架されているので、プラットフォーム9は、水平面よりも下向きに回動することなく、水平状態を維持したまま、斜めに上昇する。このように、車椅子19を搭載したプラットフォーム9が、水平状態を維持したまま、斜めに上昇するので、車椅子19の利用者は転倒等の不安を抱くことなく、車椅子19ごと車両2に搭乗することができる。
【0031】
図12は、プラットフォーム9がその上昇位置に達し、車椅子19の固定が解除され、渡り板11が倒されて、車椅子19が渡り板11を渡って車両2の内部に搭乗した状態を示している。プラットフォーム9の上昇位置は、車両2の床面3と同じ高さか、若干高い位置とするのが望ましい。また、渡り板11は、プラットフォーム9が上昇位置に達したのを確認して、周囲の介護者等が手動で倒すようにしても良いし、プラットフォーム9が上昇位置に達したときに、例えば、プラットフォーム9の位置を検知するなどして、自動的に倒れるようにしても良い。
【0032】
図13は、車椅子19の車両2への搭乗が完了し、車椅子用リフト装置1の車両2内への収容を開始した状態を示している。すなわち、車椅子19の車両2への搭乗が完了すると、電動機14を逆回転して移動体8を案内レール5の下方まで下降させ、その位置において、プラットフォーム9を、図中矢印で示すように、移動体8に固定されている回転軸18の回りに上向きに回転させる。このとき、同じく回転軸18に回転自在に支持されている支持柱12も同時に回転し、また、図示しない可撓体13も自在に曲折して、プラットフォーム9は、案内レール5に対して折り畳まれることになる。
【0033】
図14は、プラットフォーム9が折り畳まれた案内レール5を、水平軸7の回りに回転させて持ち上げ、案内レール5、5の先端部を車両2内に収容される収容位置へと回転させた状態を示している。この状態で、案内レール5、5は、移動体8、8、及び折り畳まれたプラットフォーム9とともに、図示しない固定具によって、車両2に対して固定される。
【0034】
図15は、案内レール5の収容位置への回転が完了し、本発明の車椅子用リフト装置1が完全に車両2内に収容され、後部ハッチ20が閉じられた状態を示している。このように、本発明の車椅子用リフト装置1は、プラットフォーム9を移動体8に対して回転させて折り畳み、かつ、案内レール5を水平軸7の回りに回転させて車両2内に収容することができる。特に、案内レール5が腕6を介して基台4に回転自在に取り付けられており、乗降時における案内レール5の長さを比較的短くすることができるので、収容時において、本発明の車椅子用リフト装置1は、非常にコンパクトになり、それほどのスペースを必要とすることなく、車両2の内部に収容することができる。
【0035】
なお、車椅子19を車両2から降ろすときには、上述したのと逆の手順で操作すれば良い。すなわち、まず案内レール5を回転させてその先端が路面Mに当接する乗降位置へと移動させ、次いで、プラットフォーム9を水平位置まで引き出し、電動機14によって上昇位置まで引き上げた後、渡り板11を渡して、車椅子19を車両2からプラットフォーム9へと移動させ、そのまま、水平状態を維持したまま路面M上へと下降させれば良い。
【0036】
図16は、本発明の車椅子用リフト装置1の他の一例を示す側面図であり、図17はその平面図である。図16及び図17において、図1及び図2と同じ部材には同じ符号を付してある。本例における車椅子用リフト装置1は、案内レール5、5が、腕6、6を介さずに、直接、基台4、4に水平な回転軸7、7の回りに回転自在に取り付けられている点、及び、案内レール5、5の長さ方向のほぼ中央に、関節部21、21が設けられている点で、先に説明したものと異なっており、その他の構造は先に説明した車椅子用リフト装置1と同じである。なお、22、22は関節部21、21を構成する蝶番である。
【0037】
図示の状態では、案内レール5、5は、関節部21、21を伸ばして、先端部が車両2外の路面Mに当接する乗降位置にある。この状態で案内レール5、5に下向きの力が加わっても、蝶番22、22が案内レール5、5の下側に取り付けられているので、案内レール5、5は、関節部21、21において、下向きに折れ曲がることはない。必要であれば、関節部21、21をカバーする、例えば断面コの字状の補強部材を案内レール5、5に対してスライド自在に取り付け、案内レール5、5を伸ばした状態で関節部21、21の部分にスライドさせて、その位置で固定し、案内レール5、5が関節部21、21で下向きに曲がらないように補強しても良い。なお、案内レール5、5は、関節部21、21において、関節部21、21が頂点となる山折り状態に曲折させることができる。
【0038】
本例の車椅子用リフト装置1においては、案内レール5、5には、関節部21、21が設けられており、車両2内に収容するときには関節部21、21で曲折させてコンパクトに折り畳むことができるので、車両2に取り付ける車椅子用のリフト装置でありながら、案内レール5、5の長さを長くすることができるという利点がある。このため、車両2の床面3と路面Mとをつなぐ案内レール5、5の勾配を比較的小さく抑えることが可能であり、案内レール5、5の勾配を利用して、車椅子19を搭載したプラットフォーム9を比較的小さな力で上昇又は下降させることができる。このため、回転リール15、15を回転させる電動機14としては出力の小さなものを使用することができ、設備費を低くすることができるばかりでなく、その消費電力を押さえ、電動機14を車両2に搭載されているバッテリーで駆動するときには、その消耗を抑制することができる。
【0039】
次に図18〜図21を用いて本例の車椅子用リフト装置1の動作を説明する。図18は、車椅子利用者とともに車椅子19を搭載したプラットフォーム9がその上昇位置に達し、車椅子19の固定が解除され、渡り板11が倒されて、車椅子19が渡り板11を渡って車両2の内部に搭乗した状態を示している。ここまでの動作は、先に図10〜図12を用いて説明したのと同じである。
【0040】
図19は、車椅子19の車両2への搭乗が完了し、車椅子用リフト装置1の車両2内への収容を開始した状態を示している。すなわち、車椅子19の車両2への搭乗が完了すると、電動機14を逆回転して移動体8を案内レール5の関節部21のやや上方まで下降させ、その位置において、プラットフォーム9を、図中矢印で示すように、移動体8に固定されている回転軸18の回りに上向きに回転させる。このとき、同じく回転軸18に回転自在に支持されている支持柱12も同時に回転し、また、可撓体13も自在に曲折して、プラットフォーム9は、案内レール5に対して折り畳まれることになる。
【0041】
図20は、プラットフォーム9が折り畳まれた案内レール5を、基台4に取り付けられている回転軸7の回りに回転させて持ち上げ、さらに、関節部21において、関節部21が頂点となるように、山折り状態に曲折された状態を示している。
【0042】
図21は、案内レール5の持ち上げと折り畳みが完了し、本発明の車椅子用リフト装置1が完全に車両2内に収容され、後部ハッチ20が閉じられた状態を示している。なお、図には示していないが、車両2内には適宜のストッパ及び固定具が設けられており、折り畳まれた案内レール5が車椅子19の方へも、また車両2の後方へも倒れないように、その回転及び移動を阻止している。このように、本例の車椅子用リフト装置1は、プラットフォーム9を案内レール5に対して折り畳み、さらに、案内レール5を関節部21で折り畳むことによって、非常にコンパクトな大きさとなり、それほどのスペースを必要とすることなく、車両2の内部に収容可能である。
【0043】
なお、以上の例では、関節部21、21を備えた案内レール5、5は、基台4、4の水平な回転軸7、7に直接取り付けられているが、先に述べた例におけると同様に、案内レール5、5に腕6、6を取り付け、腕6、6を介して、基台4、4の水平な回転軸7、7に直接取り付けるようにしても良い。
【0044】
図22は、本発明の車椅子用リフト装置1における案内レール5の更に他の一例を示す図である。図22の例においては、案内レール5の関節部21の近傍には、案内レール5を下から支える支持脚23が設けられている。支持脚23は、その上面が案内レール5の下面に固定され、収容時には、回動軸24の回りに図中矢印で示す方向に回動して、折り畳むことが可能である。このように、案内レール5の関節部21の近傍に支持脚23を設ける場合には、案内レール5にプラットフォーム9及び車椅子19による下向きの荷重が掛かった場合でも、案内レール5をより安全、確実に支えることができる。
【0045】
図22の案内レール5には、さらにもう一つの関節部21’が設けられている。22’は関節部21’を構成する蝶番である。このように、案内レール5に関節部を2個以上設ける場合には、案内レール5の折り畳み箇所が増し、案内レール5をより長くして、車椅子19の乗降時の案内レール5の勾配をより小さくすることが可能である。この第2の関節部21’の近傍にも、回動軸24’の回りに回動して折り畳み可能な支持脚23’を設けることができ、関節部の数を増しても、案内レール5を安全、確実に支えることができる。
【0046】
なお、以上の例では、本発明の車椅子用リフト装置1は、車両2の後部開口付近に取り付けられ、後部ハッチを介して、車椅子19の乗降が行われるようになっているが、本発明の車椅子用リフト装置1の取り付け位置は、車両2の後部開口付近に限られない。例えば、車両2が側方に開口部を備えている場合には、側部開口付近に本発明の車椅子用リフト装置1を取り付け、車両2の側部開口を介して、車椅子19の乗降を行うようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明したように、本発明の車椅子用リフト装置によれば、簡単な構造で、車椅子利用者に無用な不安を抱かせることなく、車椅子利用者を車椅子ごと車両に搭乗させ、また、車両から降ろすことが可能になる。本発明の車椅子用リフト装置は、部品点数が少なく、比較的安価に製造することができるので、その産業上の利用可能性は大きい。また、本発明の車椅子用リフト装置を取り付けた福祉車両によれば、安全かつ簡便に車椅子利用者を車両に搭乗させ、また、車両から降ろすことができるので、車椅子利用者の活動範囲を広げる一助ともなり、やはり、その産業上の利用可能性には大きいものがある。
【符号の説明】
【0048】
1 車椅子用リフト装置
2 車両
3 床面
4 基台
5 案内レール
6 腕
7、18、24 回転軸
8 移動体
9 プラットフォーム
10 フラップ板
11 渡り板
12 支持柱
13 可撓体
14 電動機
15 回転リール
16 回転伝達軸
17 ワイヤー
19 車椅子
20 後部ハッチ
21 関節部
22 蝶番
23 支持脚
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子用リフト装置とそれを備えた福祉車両に関するものであり、詳細には、自動車などの車両に車椅子を容易に乗降させることができる車椅子用リフト装置とそれを備えた福祉車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車椅子用のリフト装置は多数提案されている。例えば特許文献1には、車椅子を載せたプラットフォームをリンク機構で車両床面と同じ高さまで持ち上げた後、スライド機構によって水平に移動させ、車両内部へと収容するリフト装置が開示されている。しかし、このリフト装置では、プラットフォームを上下動させるリンク機構と、水平移動させるスライド機構の双方を必要とし、装置が大掛かりになるという欠点がある。
【0003】
また、特許文献2には、単一の駆動機構によって、車椅子を載せたプラットフォームをインナーガイドに沿って水平状態のまま斜めに上昇させ、次いでアウターガイドに沿って水平に移動させて車両内に収容するようにしたリフト装置が開示されている。しかし、この特許文献2に開示されたリフト装置では、駆動機構は単一で済むものの、プラットフォームをインナーガイドからアウターガイドへと乗り移らせるための機構が複雑で、部品点数が多く、装置が高価になるという問題点がある。
【0004】
一方、特許文献3においては、単純に、車両と路面との間にスロープ板を掛け渡し、このスロープ板に沿って車椅子をベルト巻き取り装置によって引き上げるようにした車椅子乗降補助装置が開示されている。この装置は、機構が簡単であるが、車椅子をスロープに沿って引き上げるので、乗降時に車椅子が斜めになることが避けられず、車椅子利用者に転倒等の不安感を与えるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−304703号公報
【特許文献2】特開2002−36938号公報
【特許文献3】特開2008−154631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来の車椅子用リフト装置が有する欠点を解決するために為されたもので、構造が簡単で、しかも、乗降時に車椅子利用者に不安感を与えることの少ない車椅子用リフト装置とそれを備えた福祉車両を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を、車両開口部の左右に固定される基台と、基台に対して水平軸の回りに回動自在に取り付けられた一対の案内レールであって、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在な案内レールと、当該一対の案内レールの各々に、案内レールに沿って移動自在に取り付けられた一対の移動体と、一対の移動体の間に位置し、移動体に対して水平軸の回りに回動自在に取り付けられたプラットフォームと、プラットフォームが水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材と、左右一対の移動体をプラットフォームとともに案内レールに沿って移動させる駆動装置とを備えた車椅子用リフト装置を提供するとともに、そのような車椅子用リフト装置を取り付けた福祉車両を提供することによって解決するものである。
【0008】
すなわち、本発明の車椅子用リフト装置においては、車椅子が搭載されるプラットフォームには、プラットフォームが水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材が備えられているので、プラットフォームを水平状態に維持したまま、移動体とともに、案内レールに沿って斜めに上昇又は下降させることができる。このため、乗降時に車椅子が斜めになることがない。また、案内レールは、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在であるので、乗降が終了すると、案内レールを水平軸の回りに回動させて、車両内に収容することができる。このとき、移動体に対して回動自在に取り付けられているプラットフォームも、移動体に対して回転させて折り畳んで、案内レールとともに、車両内にコンパクトに収容することができる。
【0009】
本発明の車椅子用リフト装置は、その好ましい態様において、一対の案内レールがその各々に腕を有し、腕を介して、基台に対して水平な回転軸の回りに回転自在に取り付けられる。これにより、案内レールは基台から腕の長さ分だけ離れた円周上を回動することになるので、案内レールと車両との間に距離をあけることが可能となり、車両の取付部近傍にバンパー等の突出物が存在していても、本発明の車椅子用リフト装置を問題なく車両に取り付けることができる。また、案内レールを腕を介して基台に取り付けることによって、乗降時の案内レールの勾配を大きくすることが可能となるので、案内レールの長さを短くして、車両内への収納をより容易にすることができる。
【0010】
さらに、本発明の車椅子用リフト装置は、その好ましい態様において、プラットフォームの車両側の先端部に、プラットフォームと車両床面との間に掛け渡される渡り板が水平軸の回りに回動自在に取り付けられている。この渡り板によって、車椅子及びその利用者はより安全にプラットフォームと車両床面との間を移行することが可能になる。
【0011】
また、本発明の車椅子用リフト装置は、その好ましい態様において、一対の案内レールが少なくとも1つの曲折可能な関節部を備えており、このように関節部を備える場合には、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置では関節部を伸ばして案内レールの長さを長くして、案内レールの勾配を緩やかなものとし、先端部が車両内に収容される収容位置では、関節部を曲げて案内レールの長さを短くしてコンパクトに車両内に収容することができる。
【0012】
本発明の車椅子用リフト装置は、自動車を始め、鉄道車両、船舶などの交通手段への乗降の際に利用できることは勿論、空港や駅などの公共施設、又は、一般家庭やビル、レストランなどを含め、車椅子での移行が困難な段差が存在するあらゆる場所に適用することが可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車椅子用リフト装置によれば、プラットフォームを、水平状態に維持したまま上昇又は下降させることができるので、車両への乗降に際し車椅子が斜めになることがなく、車椅子利用者に転倒等の不安感を与えることがないという利点が得られる。また、プラットフォームの上昇又は下降は、プラットフォームが取り付けられた移動体を案内レールに沿って移動させるだけで良いので、構造が簡単であり、駆動機構が単一で済み、製造コストが安価であるという利点が得られる。
【0014】
さらに、案内レールを腕を介して基台に取り付ける場合には、本発明の車椅子用リフト装置を車両に取り付ける際、バンパー等の突出物が邪魔にならず、また、乗降時の案内レールの勾配を大きくすることが可能となるので、案内レールの長さを短くして、車両内に収納し易くすることができるという利点が得られる。さらに、案内レールに関節部を設ける場合には、折り畳んで車両内にコンパクトに収容することができるので、車両に取り付けても大きなスペースを必要としない上に、乗降時には、関節部を伸ばして案内レールを長くすることができるので、車両と路面とを連絡する案内レールの勾配を小さくして、車椅子を搭載したプラットフォームの昇降に必要な動力を小さくすることができるという利点が得られる。さらに、本発明の車椅子用リフト装置を取り付けた福祉車両によれば、車椅子利用者の乗降を、より簡便に、かつ、車椅子利用者に不安感を与えることなく行うことができるという優れた利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の車椅子用リフト装置の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の車椅子用リフト装置の一例を示す平面図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】図3のX−X’断面図である。
【図5】図4のA−A’断面図である。
【図6】図3のY−Y’断面図である。
【図7】移動体が移動する状態を示す図である。
【図8】図3のZ−Z’断面図である。
【図9】プラットフォームが移動体に対して回動する状態を示す図である。
【図10】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図11】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図12】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図13】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図14】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図15】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図16】本発明の車椅子用リフト装置の他の一例を示す側面図である。
【図17】本発明の車椅子用リフト装置の他の一例を示す平面図である。
【図18】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図19】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図20】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図21】本発明の車椅子用リフト装置の動作を説明する図である。
【図22】本発明の車椅子用リフト装置の案内レールの更に他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明が図示のものに限られないことは勿論である。
【0017】
図1は車両に取り付けられた状態にある本発明の車椅子用リフト装置の一例を示す側面図であり、図2はその平面図である。図1、図2において、1は本発明の車椅子用リフト装置、2は車両であり、車両2は後部ハッチが開いた状態にある。3は車両2の床面であり、床面3には基台4、4が固定されている。5、5は左右一対の案内レール、6、6は案内レール5、5のそれぞれに取り付けられた腕、7、7は水平な回転軸であり、案内レール5、5は、それぞれの腕6、6を介して、基台4、4に対し、水平な回転軸7、7の回りに回動自在に取り付けられている。図示の状態では、案内レール5、5は先端部が車両2外の路面Mに当接する乗降位置にある。
【0018】
このように、本例の車椅子リフト装置1においては、一対の案内レール5、5が、そのそれぞれに設けられた腕6、6を介して基台4、4に取り付けられているので、案内レール5、5は、基台4、4から腕6、6の長さ分だけ離れた位置で、水平軸7、7の回りに回動することができる。このため、本発明の車椅子用リフト装置1を、例えば図1、図2に示すように、車両2の後部に取り付ける場合には、案内レール5、5の下面と車両2の後端2rとの間に距離を取ることができるので、車両2の後端2rに例えばバンパー等が存在しても、それらの障害物を十分に避けて、車椅子リフト装置1を車両2に取り付けることができる。
【0019】
また、案内レール5、5を、腕6、6を介して基台4、4に取り付けることによって、乗降位置における案内レール5、5の勾配を比較的急なものとすることができるので、案内レール5、5の長さを短くして、収容位置において車両2内にコンパクトに収容することが可能である。極端な場合には、乗降位置における案内レール5、5の勾配は、路面Mに対して垂直であっても良い。なお、図示の例においては、腕6、6は、案内レール5、5に対して直角に取り付けられているが、角度をもって取り付けても良い。また、図示の例においては、腕6、6は、案内レール5、5の回転軸7、7に近い側の端部近傍に取り付けられているが、腕6、6は、案内レール5、5を水平な回転軸7、7の回りに回転させて、その先端部が車両2内に収容される収容位置に回動させることができる限り、案内レール5、5のどの位置に取り付けられても良い。
【0020】
8、8は一対の移動体であり、それぞれ、案内レール5、5の各々に、案内レール5、5に沿って移動自在に取り付けられている。9は車椅子を載せるプラットフォームであり、一対の移動体8、8の間に位置し、両側部の各々において、移動体8、8に対して水平な回転軸の回りに回動自在に取り付けられている。10は、車椅子のプラットフォームへの乗降を容易にするフラップ板、11は渡り板である。図1、図2において、渡り板11は立ち上がった状態にある。12は支持柱、13は可撓体である。可撓体13は、柔軟に曲折するものの、伸縮はしない材料で構成されており、本例においては、支持柱12及び可撓体13とで、プラットフォーム9が水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材を構成している。
【0021】
14はギヤボックスを備えた電動機、15、15は回転リール、16は床面3の下に配置された回転伝達軸であり、電動機14の回転は、直接又は回転伝達軸16を介して、回転リール15、15に伝達され、回転リール15、15を正方向又は逆方向に回転させる。17はワイヤーであり、ワイヤー17の一方端は移動体8、8に連結され、他方端は回転リール15、15に結合されている。これら電動機14、回転リール15、15、伝達軸16、及びワイヤー17によって、巻き上げ機を構成し、車椅子を搭載したプラットフォーム9を、移動体8、8ともに、上昇又は下降させることができる。
【0022】
図3は、図2における上側の移動体8の周辺を拡大して示す部分拡大図である。なお、図2における下側の移動体8とその周辺部の構造は、図3に示す上側のものと同じであるので、以下、上側の移動体8とその周辺部の構造についてのみ説明する。
【0023】
図3において、8a、8aは移動体8に対して回転自在に取り付けられた車輪である。車輪8a、8aは、案内レール5内に収容され、案内レール5の内部を回転移動し、それに伴い、移動体8は案内レール5に沿って移動することになる。18は移動体8に固定された水平な回転軸であり、回転軸18は、支持柱12を貫通して、支持柱12を移動体8に対して回転自在に支持するとともに、プラットフォーム9の側壁を貫通し、プラットフォーム9を、その側部において、移動体8に対して回転自在に支持している。13a、13b、13cは可撓体13の係止体であり、それぞれ、移動体8、支持柱12、プラットフォーム9の側壁に固定されている。
【0024】
図4は図3のX−X’断面図、図5は図4のA−A’断面図である。図4、図5に示すとおり、移動体8の車輪8a、8aは、案内レール5内に収容されており、案内レール5の内部底面に接し、内部底面上を回転移動する。5aは、車輪8a、8aの車軸を通す間隙である。
【0025】
図6は図3のY−Y’断面図であり、図7は移動体8が案内レール5に沿って移動する状態を示す図である。図6、図7に示すとおり、移動体8は、車輪8a、8aが回転して案内レール5に沿って移動すると、それとともに、図7の矢印で示すように、案内レール5に沿って移動する。
【0026】
なお、移動体8を案内レール5に沿って移動可能に取り付ける機構は図示のものに限られない。例えば、案内レール5内にチェーンを設置し、車輪8a、8aに代えてスプロケットを用い、スプロケットの歯をチェーンに係合させながら回転させることで、移動体8を案内レール5に沿って移動させるようにしても良い。或いは、案内レール5内にベアリングを配置し、車輪8a、8aの代わりに設けた移動部材を、ベアリング上を滑らせることで、移動体8を案内レール5に沿って移動させるようにしても良い。
【0027】
図8は図3のZ−Z’断面図である。図8に示すとおり、プラットフォーム9は、移動体8に固定された回転軸18によって水平軸の回りに回動自在に支持されている。しかし、その一方で、移動体8、支持柱12、及びプラットフォーム9の側壁に固定された係止体13a、13b、13c間には、可撓体13が張架されており、プラットフォーム9は、水平面よりも下向きにならないように、その回動が阻止されている。可撓体13としては、曲折はするものの、プラットフォーム9に利用者を載せた車椅子を搭載しても、伸縮することなく、かつ、破断しない強度を備えたものであれば良く、例えば、チェーン、金属ワイヤーなどを可撓体13として用いることができる。
【0028】
図9は、プラットフォーム9を持ち上げて回転軸18の回りに回転させた状態を示している。このように可撓体13は、曲折可能であるので、プラットフォーム9は、水平面よりも上向きになる方向には自在に回動させることができ、支持柱12とともに、移動体8に対して折り畳むことができる。
【0029】
次に図10〜図15を用いて本例の車椅子用リフト装置1の動作を説明する。図10は、一対の案内レール5、5が、その先端が車両2の外の路面Mに当接する乗降位置へと回動した状態にあり、車椅子利用者が車椅子19とともに、プラットフォーム9上に移動した状態を示している(車椅子利用者は図示していない)。車椅子19がプラットフォーム9上に位置すると、フラップ板10が立てられ、車椅子19は、図示しない適宜の係止具でプラットフォーム9上に固定される。なお、プラットフォーム9の先端部にある渡り板11も立てられた状態にある。
【0030】
車椅子19の固定が終わると、電動機14がオンされ、回転リール15、15が回転を開始してワイヤー17を巻き上げる。ワイヤー17が巻き上げられると、ワイヤー17の先端が連結されている移動体8、8は案内レール5、5に沿って引き上げられ、移動体8、8間に位置し、移動体8、8に対して水平軸18の回りに回動自在に取り付けられているプラットフォーム9も、図11に示すように、車椅子19を載せたまま、案内レール5に沿って斜め方向に上昇する。このとき、プラットフォーム9と、移動体8、8との間には、支持柱12を介して、可撓体13が張架されているので、プラットフォーム9は、水平面よりも下向きに回動することなく、水平状態を維持したまま、斜めに上昇する。このように、車椅子19を搭載したプラットフォーム9が、水平状態を維持したまま、斜めに上昇するので、車椅子19の利用者は転倒等の不安を抱くことなく、車椅子19ごと車両2に搭乗することができる。
【0031】
図12は、プラットフォーム9がその上昇位置に達し、車椅子19の固定が解除され、渡り板11が倒されて、車椅子19が渡り板11を渡って車両2の内部に搭乗した状態を示している。プラットフォーム9の上昇位置は、車両2の床面3と同じ高さか、若干高い位置とするのが望ましい。また、渡り板11は、プラットフォーム9が上昇位置に達したのを確認して、周囲の介護者等が手動で倒すようにしても良いし、プラットフォーム9が上昇位置に達したときに、例えば、プラットフォーム9の位置を検知するなどして、自動的に倒れるようにしても良い。
【0032】
図13は、車椅子19の車両2への搭乗が完了し、車椅子用リフト装置1の車両2内への収容を開始した状態を示している。すなわち、車椅子19の車両2への搭乗が完了すると、電動機14を逆回転して移動体8を案内レール5の下方まで下降させ、その位置において、プラットフォーム9を、図中矢印で示すように、移動体8に固定されている回転軸18の回りに上向きに回転させる。このとき、同じく回転軸18に回転自在に支持されている支持柱12も同時に回転し、また、図示しない可撓体13も自在に曲折して、プラットフォーム9は、案内レール5に対して折り畳まれることになる。
【0033】
図14は、プラットフォーム9が折り畳まれた案内レール5を、水平軸7の回りに回転させて持ち上げ、案内レール5、5の先端部を車両2内に収容される収容位置へと回転させた状態を示している。この状態で、案内レール5、5は、移動体8、8、及び折り畳まれたプラットフォーム9とともに、図示しない固定具によって、車両2に対して固定される。
【0034】
図15は、案内レール5の収容位置への回転が完了し、本発明の車椅子用リフト装置1が完全に車両2内に収容され、後部ハッチ20が閉じられた状態を示している。このように、本発明の車椅子用リフト装置1は、プラットフォーム9を移動体8に対して回転させて折り畳み、かつ、案内レール5を水平軸7の回りに回転させて車両2内に収容することができる。特に、案内レール5が腕6を介して基台4に回転自在に取り付けられており、乗降時における案内レール5の長さを比較的短くすることができるので、収容時において、本発明の車椅子用リフト装置1は、非常にコンパクトになり、それほどのスペースを必要とすることなく、車両2の内部に収容することができる。
【0035】
なお、車椅子19を車両2から降ろすときには、上述したのと逆の手順で操作すれば良い。すなわち、まず案内レール5を回転させてその先端が路面Mに当接する乗降位置へと移動させ、次いで、プラットフォーム9を水平位置まで引き出し、電動機14によって上昇位置まで引き上げた後、渡り板11を渡して、車椅子19を車両2からプラットフォーム9へと移動させ、そのまま、水平状態を維持したまま路面M上へと下降させれば良い。
【0036】
図16は、本発明の車椅子用リフト装置1の他の一例を示す側面図であり、図17はその平面図である。図16及び図17において、図1及び図2と同じ部材には同じ符号を付してある。本例における車椅子用リフト装置1は、案内レール5、5が、腕6、6を介さずに、直接、基台4、4に水平な回転軸7、7の回りに回転自在に取り付けられている点、及び、案内レール5、5の長さ方向のほぼ中央に、関節部21、21が設けられている点で、先に説明したものと異なっており、その他の構造は先に説明した車椅子用リフト装置1と同じである。なお、22、22は関節部21、21を構成する蝶番である。
【0037】
図示の状態では、案内レール5、5は、関節部21、21を伸ばして、先端部が車両2外の路面Mに当接する乗降位置にある。この状態で案内レール5、5に下向きの力が加わっても、蝶番22、22が案内レール5、5の下側に取り付けられているので、案内レール5、5は、関節部21、21において、下向きに折れ曲がることはない。必要であれば、関節部21、21をカバーする、例えば断面コの字状の補強部材を案内レール5、5に対してスライド自在に取り付け、案内レール5、5を伸ばした状態で関節部21、21の部分にスライドさせて、その位置で固定し、案内レール5、5が関節部21、21で下向きに曲がらないように補強しても良い。なお、案内レール5、5は、関節部21、21において、関節部21、21が頂点となる山折り状態に曲折させることができる。
【0038】
本例の車椅子用リフト装置1においては、案内レール5、5には、関節部21、21が設けられており、車両2内に収容するときには関節部21、21で曲折させてコンパクトに折り畳むことができるので、車両2に取り付ける車椅子用のリフト装置でありながら、案内レール5、5の長さを長くすることができるという利点がある。このため、車両2の床面3と路面Mとをつなぐ案内レール5、5の勾配を比較的小さく抑えることが可能であり、案内レール5、5の勾配を利用して、車椅子19を搭載したプラットフォーム9を比較的小さな力で上昇又は下降させることができる。このため、回転リール15、15を回転させる電動機14としては出力の小さなものを使用することができ、設備費を低くすることができるばかりでなく、その消費電力を押さえ、電動機14を車両2に搭載されているバッテリーで駆動するときには、その消耗を抑制することができる。
【0039】
次に図18〜図21を用いて本例の車椅子用リフト装置1の動作を説明する。図18は、車椅子利用者とともに車椅子19を搭載したプラットフォーム9がその上昇位置に達し、車椅子19の固定が解除され、渡り板11が倒されて、車椅子19が渡り板11を渡って車両2の内部に搭乗した状態を示している。ここまでの動作は、先に図10〜図12を用いて説明したのと同じである。
【0040】
図19は、車椅子19の車両2への搭乗が完了し、車椅子用リフト装置1の車両2内への収容を開始した状態を示している。すなわち、車椅子19の車両2への搭乗が完了すると、電動機14を逆回転して移動体8を案内レール5の関節部21のやや上方まで下降させ、その位置において、プラットフォーム9を、図中矢印で示すように、移動体8に固定されている回転軸18の回りに上向きに回転させる。このとき、同じく回転軸18に回転自在に支持されている支持柱12も同時に回転し、また、可撓体13も自在に曲折して、プラットフォーム9は、案内レール5に対して折り畳まれることになる。
【0041】
図20は、プラットフォーム9が折り畳まれた案内レール5を、基台4に取り付けられている回転軸7の回りに回転させて持ち上げ、さらに、関節部21において、関節部21が頂点となるように、山折り状態に曲折された状態を示している。
【0042】
図21は、案内レール5の持ち上げと折り畳みが完了し、本発明の車椅子用リフト装置1が完全に車両2内に収容され、後部ハッチ20が閉じられた状態を示している。なお、図には示していないが、車両2内には適宜のストッパ及び固定具が設けられており、折り畳まれた案内レール5が車椅子19の方へも、また車両2の後方へも倒れないように、その回転及び移動を阻止している。このように、本例の車椅子用リフト装置1は、プラットフォーム9を案内レール5に対して折り畳み、さらに、案内レール5を関節部21で折り畳むことによって、非常にコンパクトな大きさとなり、それほどのスペースを必要とすることなく、車両2の内部に収容可能である。
【0043】
なお、以上の例では、関節部21、21を備えた案内レール5、5は、基台4、4の水平な回転軸7、7に直接取り付けられているが、先に述べた例におけると同様に、案内レール5、5に腕6、6を取り付け、腕6、6を介して、基台4、4の水平な回転軸7、7に直接取り付けるようにしても良い。
【0044】
図22は、本発明の車椅子用リフト装置1における案内レール5の更に他の一例を示す図である。図22の例においては、案内レール5の関節部21の近傍には、案内レール5を下から支える支持脚23が設けられている。支持脚23は、その上面が案内レール5の下面に固定され、収容時には、回動軸24の回りに図中矢印で示す方向に回動して、折り畳むことが可能である。このように、案内レール5の関節部21の近傍に支持脚23を設ける場合には、案内レール5にプラットフォーム9及び車椅子19による下向きの荷重が掛かった場合でも、案内レール5をより安全、確実に支えることができる。
【0045】
図22の案内レール5には、さらにもう一つの関節部21’が設けられている。22’は関節部21’を構成する蝶番である。このように、案内レール5に関節部を2個以上設ける場合には、案内レール5の折り畳み箇所が増し、案内レール5をより長くして、車椅子19の乗降時の案内レール5の勾配をより小さくすることが可能である。この第2の関節部21’の近傍にも、回動軸24’の回りに回動して折り畳み可能な支持脚23’を設けることができ、関節部の数を増しても、案内レール5を安全、確実に支えることができる。
【0046】
なお、以上の例では、本発明の車椅子用リフト装置1は、車両2の後部開口付近に取り付けられ、後部ハッチを介して、車椅子19の乗降が行われるようになっているが、本発明の車椅子用リフト装置1の取り付け位置は、車両2の後部開口付近に限られない。例えば、車両2が側方に開口部を備えている場合には、側部開口付近に本発明の車椅子用リフト装置1を取り付け、車両2の側部開口を介して、車椅子19の乗降を行うようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明したように、本発明の車椅子用リフト装置によれば、簡単な構造で、車椅子利用者に無用な不安を抱かせることなく、車椅子利用者を車椅子ごと車両に搭乗させ、また、車両から降ろすことが可能になる。本発明の車椅子用リフト装置は、部品点数が少なく、比較的安価に製造することができるので、その産業上の利用可能性は大きい。また、本発明の車椅子用リフト装置を取り付けた福祉車両によれば、安全かつ簡便に車椅子利用者を車両に搭乗させ、また、車両から降ろすことができるので、車椅子利用者の活動範囲を広げる一助ともなり、やはり、その産業上の利用可能性には大きいものがある。
【符号の説明】
【0048】
1 車椅子用リフト装置
2 車両
3 床面
4 基台
5 案内レール
6 腕
7、18、24 回転軸
8 移動体
9 プラットフォーム
10 フラップ板
11 渡り板
12 支持柱
13 可撓体
14 電動機
15 回転リール
16 回転伝達軸
17 ワイヤー
19 車椅子
20 後部ハッチ
21 関節部
22 蝶番
23 支持脚
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両開口部の左右に固定される基台と、基台に対して水平な回転軸の回りに回転自在に取り付けられた一対の案内レールであって、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在な案内レールと、当該一対の案内レールの各々に、案内レールに沿って移動自在に取り付けられた一対の移動体と、一対の移動体の間に位置し、移動体に対して水平軸の回りに回動自在に取り付けられたプラットフォームと、プラットフォームが水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材と、左右一対の移動体をプラットフォームとともに案内レールに沿って移動させる駆動装置とを備えた、車椅子用リフト装置。
【請求項2】
一対の案内レールがその各々に腕を有し、腕を介して、基台に対して水平な回転軸の回りに回転自在に取り付けられている請求項1記載の車椅子用リフト装置。
【請求項3】
プラットフォームの車両側先端部に、プラットフォームと車両床面との間に掛け渡される渡り板が、水平軸の回りに回動自在に取り付けられている請求項1又は2記載の車椅子用リフト装置。
【請求項4】
一対の案内レールが少なくとも1つの曲折可能な関節部を備え、関節部を伸ばして先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、関節部を曲げて先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在な案内レールである請求項1〜3のいずれかに記載の車椅子用リフト装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の車椅子用リフト装置が取り付けられている福祉車両。
【請求項1】
車両開口部の左右に固定される基台と、基台に対して水平な回転軸の回りに回転自在に取り付けられた一対の案内レールであって、先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在な案内レールと、当該一対の案内レールの各々に、案内レールに沿って移動自在に取り付けられた一対の移動体と、一対の移動体の間に位置し、移動体に対して水平軸の回りに回動自在に取り付けられたプラットフォームと、プラットフォームが水平面よりも下向きに回動するのを阻止する回動阻止部材と、左右一対の移動体をプラットフォームとともに案内レールに沿って移動させる駆動装置とを備えた、車椅子用リフト装置。
【請求項2】
一対の案内レールがその各々に腕を有し、腕を介して、基台に対して水平な回転軸の回りに回転自在に取り付けられている請求項1記載の車椅子用リフト装置。
【請求項3】
プラットフォームの車両側先端部に、プラットフォームと車両床面との間に掛け渡される渡り板が、水平軸の回りに回動自在に取り付けられている請求項1又は2記載の車椅子用リフト装置。
【請求項4】
一対の案内レールが少なくとも1つの曲折可能な関節部を備え、関節部を伸ばして先端部が車両外の路面に当接する乗降位置と、関節部を曲げて先端部が車両内に収容される収容位置との間で回動自在な案内レールである請求項1〜3のいずれかに記載の車椅子用リフト装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の車椅子用リフト装置が取り付けられている福祉車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−327(P2011−327A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146885(P2009−146885)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000108465)ソレックス株式会社 (8)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000108465)ソレックス株式会社 (8)
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