説明

車載機

【課題】車両走行中においても計時手段の計時機能を作動させ、利便性を高める。
【解決手段】車載機1は、車両の車速が所定速度以上であることを条件としてユーザが表示部4の表示画面の全域のうち何れかの領域を操作したこと、ユーザが予め登録しておいた地点を車両が通過したこと、アクセルの開度が所定開度以上になったことの何れかを条件としてストップウォッチの機能を作動させる。車両走行中においても、ユーザが所定の計時開始釦や所定の計時終了釦を操作することなく車両状態に基づいてストップウォッチの機能を作動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時手段の計時動作を制御する制御手段を備えた車載機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、ユーザが所定釦を操作することに応じて計時動作を開始・終了する所謂ストップウォッチの機能を有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−76068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車載機におけるGUI(Graphical User Interface)の技術が向上していることに伴い、特許文献1に開示されているようなストップウォッチの機能を車載機に搭載することが想定される。その場合、ユーザは固定的に配置されている所定の計時開始釦を操作することで計時動作を開始させ、固定的に配置されている所定の計時終了釦を操作することで計時動作を終了させることになる。その場合、所定の計時開始釦や計時終了釦が固定的に配置されている構成では、ユーザが車両停止中に操作する場合には何ら不都合は生じないが、ユーザが車両走行中に操作する場合を想定すると、運転に注意しながら計時開始釦や計時終了釦の位置を探索し、それら計時開始釦や計時終了釦の位置を確認した上で操作しなければならず、利便性が良いとは言い難い。その結果、ストップウォッチの機能を車載機に搭載したとしても、現実的には車両走行中ではストップウォッチの機能が作動されない等の問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両走行中においても計時手段の計時機能を作動させることができ、利便性を高めることを可能とする車載機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、制御手段は、車両状態取得手段により取得された車両状態に基づいて計時動作の開始条件が成立したと判定すると、計時手段の計時動作を開始させ、車両状態取得手段により取得された車両状態に基づいて計時動作の終了条件が成立したと判定すると、計時手段の計時動作を終了させる。これにより、車両走行中においても、ユーザが所定の計時開始釦や所定の計時終了釦を操作することなく車両状態に基づいて計時手段の計時機能を作動させることができ、利便性を高めることができる。
【0007】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、車両状態取得手段により取得された操作情報に基づいて車両の車速が所定速度以上であることを条件として操作受付手段として有効化される表示手段の表示画面の全域のうち何れかの領域が押下されたと判定すると、計時動作の開始条件が成立したとして計時手段の計時動作を開始させ、計時手段が計時動作を実行中であるときに、車両状態取得手段により取得された操作情報に基づいて車両の車速が所定速度以上であることを条件として操作受付手段として有効化される表示手段の表示画面の全域のうち何れかの領域が押下されたと判定すると、計時動作の終了条件が成立したとして計時手段の計時動作を終了させる。これにより、ユーザが表示手段の表示画面の全域のうち何れかの領域を押下することで、計時手段の計時動作を開始させることができ、計時手段が計時動作を実行中であるときに、ユーザが表示手段の表示画面の全域のうち何れかの領域を押下することで、計時手段の計時動作を終了させることができる。
【0008】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、車両状態取得手段により取得された登録地点通過情報に基づいて自機を搭載している車両が登録地点を通過したと判定すると、計時動作の開始条件が成立したとして計時手段の計時動作を開始させ、計時手段が計時動作を実行中であるときに、車両状態取得手段により取得された登録地点通過情報に基づいて自機を搭載している車両が登録地点を通過したと判定すると、計時動作の終了条件が成立したとして計時手段の計時動作を終了させる。これにより、車両が登録地点を通過することで、計時手段の計時動作を自動的に開始させたり終了させたりすることができる。
【0009】
請求項4に記載した発明によれば、制御手段は、車両状態取得手段により取得されたアクセル開度情報に基づいてアクセルの開度が所定開度以上になったと判定すると、計時動作の開始条件が成立したとして計時手段の計時動作を開始させ、計時手段が計時動作を実行中であるときに、車両状態取得手段により取得されたアクセル開度情報に基づいてアクセルの開度が所定開度未満になったと判定すると、計時動作の終了条件が成立したとして計時手段の計時動作を終了させる。これにより、アクセルの開度が変動することで、計時手段の計時動作を自動的に開始させたり終了させたりすることができる。
【0010】
請求項5に記載した発明によれば、制御手段は、計時手段の計時動作を行った後に、今回の計時動作の計時結果と、今回の計時動作における計時区間と同一区間での過去の計時動作の計時結果とを比較可能に報知手段から報知させる。これにより、今回の計時動作の計時結果と過去の計時動作の計時結果とを比較可能な情報をユーザに提供することができる。
【0011】
請求項6に記載した発明によれば、制御手段は、車幅方向加速度取得手段により取得された車両の車幅方向の加速度が所定値以下であることを条件として、今回の計時動作の計時結果と、今回の計時動作における計時区間と同一区間での過去の計時動作の計時結果とを比較可能に報知手段から報知させる。これにより、例えば車両が直線道路を走行しており、車両の車幅方向の加速度が所定値以下となる車両の走行が安定しているときに、今回の計時動作の計時結果と過去の計時動作の計時結果とを比較可能な情報をユーザに提供することができる。
【0012】
請求項7に記載した発明によれば、制御手段は、車長方向加速度取得手段により取得された車両の車長方向の加速度が所定値以下であることを条件として、今回の計時動作の計時結果と、今回の計時動作における計時区間と同一区間での過去の計時動作の計時結果とを比較可能に報知手段から報知させる。これにより、例えば車両が急な加減速することなく走行しており、車両の車長方向の加速度が所定値以下となる車両の走行が安定しているときに、今回の計時動作の計時結果と過去の計時動作の計時結果とを比較可能な情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】フローチャート
【図3】図2相当図
【図4】図2相当図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は車載機の全体構成を機能ブロック図により示している。車載機1は、車両に搭載されており、制御部2(本発明でいう計時手段、制御手段)と、ガジェット記憶部3と、表示部4(本発明でいう表示手段、報知手段)と、操作受付部5(本発明でいう操作受付手段)と、通信部6と、USBインタフェース(IF)部7と、車載LANインタフェース(IF)部8(本発明でいう車両状態取得手段、車幅方向加速度取得手段、車長方向加速度取得手段)と、フラッシュプレイヤー記憶部9とが相互接続されて構成されている。
【0015】
制御部2は、CPU、RAM及びROM等を有し、制御プログラムを実行することで車載機1の動作全般(データ管理動作や通信動作等)を制御する。ガジェット記憶部3は、サーバ10から例えば広域無線通信回線(移動通信回線や固定通信回線等)を介して通信部6に受信されたガジェットや、車載機1に対して着脱可能なUSBメモリ11からUSBインタフェース部7に転送されたガジェットを記憶可能に構成されている。ガジェットとはユーザが頻繁に使用するツールに簡単にアクセスすることを可能とする小規模なプログラム(ソフトウェア)であり、ウィジェットとも称される。
【0016】
表示部4は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成され、制御部2から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいた表示画面を表示する。操作受付部5は、例えば表示部4に表示される表示画面上に形成されるタッチスイッチ等から構成され、ユーザがタッチスイッチを操作すると(タッチスイッチに触れると)、その操作内容を示す操作検知信号を制御部2に出力する。
【0017】
車載LANインタフェース部8は、車両に搭載されている各種ECUや各種センサと車載LANを介して接続されており、車速センサから出力される車速パルスに応じた車速信号を入力し、アクセルの開度を検知するアクセル開度センサからアクセルの開度を示すアクセル開度信号を入力する。又、車載LANインタフェース部8は、車載機1が周知のナビゲーション機能を有するナビゲーション装置と接続されていることに応じて当該ナビゲーション装置からユーザが予め登録しておいた地点を車両が通過したことを示す登録地点通過信号を入力する。更に、車載LANインタフェース部8は、車両の車幅方向の加速度を検知する車幅方向加速度センサから車幅方向の加速度を示す車幅方向加速度信号を入力し、車両の車長方向の加速度を検知する車長方向加速度センサから車長方向の加速度を示す車長方向加速度信号を入力する。フラッシュプレイヤー記憶部9は、Adobe社のFlash(登録商標)を使用して作成されたswfファイルを表示するためのプログラムであるフラッシュプレイヤーを記憶している。
【0018】
制御部2は、フラッシュプレイヤー記憶部9に記憶されているフラッシュプレイヤーを起動することでガジェット記憶部3に記憶されているガジェットに対応するアイコンを表示部4の表示画面上に表示させている状態では、当該アイコンをタッチスイッチとして機能させており、そのアイコンが操作された(タッチされた)ことを検知すると、そのガジェットに対応する機能を呼出したりプログラムを実行したりする。即ち、制御部2は、ガジェット記憶部3に例えばストップウォッチのガジェットを記憶させており、ストップウォッチを視覚的に表すアイコンを表示部4の表示画面上に表示させている状態で、そのアイコンが操作されたことを検知すると、そのストップウォッチの機能を作動させる。
【0019】
上記した車載機1は、例えばACC(アクセサリ)スイッチがオンしている状態で起動状態(電源オン状態)となり、ACCスイッチがオフしている状態で停止状態(電源オフ状態)となる。又、車載機1自体が、地図を表示させる機能、車両の現在位置を特定する機能、車両の現在位置を地図上に表示させる機能、目的地を設定する機能、現在位置から目的地に至るまでの経路を探索する機能等を実現するナビゲーション機能を有する機器であっても良い。
【0020】
次に、上記した構成の作用として、ストップウォッチの機能を作動させる場合について、図2乃至図4を参照して説明する。ここで、ストップウォッチの機能を作動させる条件として、
(1)車両の車速が所定速度以上であることを条件として表示部4の表示画面の全域のうち何れかの領域が押下されたことに応じてストップウォッチの機能を作動させる場合
(2)車両が登録地点を通過したことに応じてストップウォッチの機能を作動させる場合
(3)アクセルの開度に応じてストップウォッチの機能を作動させる場合
について順次説明する。
【0021】
(1)車両の車速が所定速度以上であることを条件として表示部4の表示画面の全域のうち何れかの領域が押下されたことに応じてストップウォッチの機能を作動させる場合
制御部2は、例えばACCスイッチがオンしていることで電源オン状態にあるときには、ユーザがストップウォッチのアイコンを操作したか(選択したか)否かを判定している(ステップS1)。ここで、制御部2は、操作受付部5から入力された操作検知信号に基づいてユーザがストップウォッチのアイコンを操作したと判定すると(ステップS1にて「YES」)、ストップウォッチによる計時の開始を待機する。次いで、制御部2は、車速センサから車載LANを介して車載LANインタフェース部8に入力された車速信号に基づいて車速が所定速度(例えば10[km/時])以上であるか否かを判定し(ステップS2)、車速が所定速度以上であると判定すると(ステップS2にて「YES」)、表示部4の表示画面の全域をタッチパネルとして有効化する(ステップS3)。即ち、制御部2は、ユーザ(運転者)が表示部4の表示画面の全域のうち何れかの領域を操作することを待機する。
【0022】
次いで、制御部2は、操作受付部5から入力された操作検知信号に基づいてユーザが表示部4の表示画面の全域のうち何れかの領域を操作したか否かを判定し(ステップS4)、ユーザが表示部4の表示画面の全域のうち何れかの領域を操作したと判定すると(ステップS4にて「YES」)、その時点でストップウォッチによる計時を実行中であるか否かを判定する(ステップS5)。そして、制御部2は、ストップウォッチによる計時を実行中でないと判定すると(ステップ5にて「NO」)、ストップウォッチによる計時を開始させ(ステップS6)、上記したステップS2に戻る。一方、制御部2は、ストップウォッチによる計時を実行中であると判定すると(ステップ5にて「YES」)、ストップウォッチによる計時を終了させ(ステップS7)、上記したステップS2に戻る。
【0023】
又、制御部2は、車速が所定速度以上でないと判定すると(ステップS2にて「NO」)、表示部4の表示画面の全域をタッチパネルとして有効化しているか否かを判定し(ステップS8)、表示部4の表示画面の全域をタッチパネルとして有効化していると判定すると(ステップS8にて「YES」)、表示部4の表示画面の全域をタッチパネルとして無効化し(ステップS9)、上記したステップS2、S3に戻る。
【0024】
上記した処理により、車両の車速が所定速度以上であることを条件としてユーザが表示部4の表示画面の全域のうち何れかの領域を操作することで、ユーザが所定の計時開始釦や所定の計時終了釦を操作することなく、ストップウォッチの機能を作動させることができる。
【0025】
(2)車両が登録地点を通過したことに応じてストップウォッチの機能を作動させる場合
制御部2は、ユーザがストップウォッチのアイコンを操作したと判定すると(ステップS11にて「YES」)、ストップウォッチによる計時の開始を待機し、この場合は、ナビゲーション装置から車載LANを介して車載LANインタフェース部8に入力された登録地点通過信号に基づいてユーザが予め登録しておいた地点を車両が通過したか否かを判定する(ステップS12)。ここで、制御部2は、ユーザが予め登録しておいた地点を車両が通過したと判定すると(ステップS12にて「YES」)、ストップウォッチによる計時を実行中であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0026】
次いで、制御部2は、ストップウォッチによる計時を実行中でないと判定すると(ステップ13にて「NO」)、ストップウォッチによる計時を開始させ(ステップS14)、上記したステップS12に戻る。一方、制御部2は、ストップウォッチによる計時を実行中であると判定すると(ステップ13にて「YES」)、ストップウォッチによる計時を終了させ(ステップS15)、この場合は、今回の計時結果を所定の記憶領域に記憶させる(ステップS16)。
【0027】
次いで、制御部2は、今回と同一の登録地点で過去に計時した計時結果が所定の記憶領域に記憶されているか否かを判定する(ステップS17)。そして、制御部2は、今回と同一の登録地点で過去に計時した計時結果が記憶されていると判定すると(ステップS17にて「YES」)、車幅方向加速度センサから車載LANインタフェース部8を介して入力された車幅方向加速度信号に基づいて車幅方向の加速度が所定値以下であるか否か判定し(ステップS18)、車両の車幅方向の加速度が所定値以下であると判定すると(ステップS18にて「YES」)、車長方向加速度センサから車載LANインタフェース部8を介して入力された車長方向加速度信号に基づいて車長方向の加速度が所定値以下であるか否か判定し(ステップS19)、車両の車長方向の加速度が所定値以下であると判定すると(ステップS19にて「YES」)、今回の計時結果と過去の計時結果とを比較可能な情報を例えば表示部4の表示画面上に表示させ(ステップS20)、上記したステップS12に戻る。
【0028】
上記した処理により、ユーザが予め登録しておいた地点を車両が通過する毎に、ユーザが所定の計時開始釦や所定の計時終了釦を操作することなく、ストップウォッチの機能を自動的に作動させることができる。
【0029】
(3)アクセルの開度に応じてストップウォッチの機能を作動させる場合
制御部2は、ユーザがストップウォッチのアイコンを操作したと判定すると(ステップS21にて「YES」)、ストップウォッチによる計時の開始を待機し、この場合は、アクセル開度センサから車載LANを介して車載LANインタフェース部8に入力されたアクセル開度信号に基づいてアクセルの開度が所定開度以上になったか否かを判定し(ステップS22)、アクセルの開度が所定開度以上になったと判定すると(ステップS22にて「YES」)、ストップウォッチによる計時を開始させ(ステップS23)、そのアクセルの開度が所定開度以上になった地点、即ち、ストップウォッチによる計時を開始させた地点を計時開始地点として所定の記憶領域に記憶させる(ステップS24)。
【0030】
次いで、制御部2は、アクセル開度センサから車載LANを介して車載LANインタフェース部8に入力されたアクセル開度信号に基づいてアクセルの開度が所定開度未満になったか否かを判定し(ステップS25)、アクセルの開度が所定開度未満になったと判定すると(ステップS25にて「YES」)、ストップウォッチによる計時を終了させ(ステップS26)、そのアクセルの開度が所定開度未満になった地点、即ち、ストップウォッチによる計時を終了させた地点を計時終了地点として所定の記憶領域に記憶させる(ステップS27)。
【0031】
次いで、制御部2は、計時開始地点から計時終了地点までの区間を今回の計時区間として特定し(ステップS28)、その特定した計時区間と対応付けて今回の計時結果を所定の記憶領域に記憶させ(ステップS29)、今回と同一の計時区間で過去に計時した計時結果が所定の記憶領域に記憶されているか否かを判定する(ステップS30)。そして、制御部2は、今回と同一の計時区間で過去に計時した計時結果が所定の記憶領域に記憶されていると判定すると(ステップS30にて「YES」)、車幅方向加速度センサから車載LANインタフェース部8を介して入力された車幅方向加速度信号に基づいて車幅方向の加速度が所定値以下であるか否か判定し(ステップS31)、車両の車幅方向の加速度が所定値以下であると判定すると(ステップS31にて「YES」)、車長方向加速度センサから車載LANインタフェース部8を介して入力された車長方向加速度信号に基づいて車長方向の加速度が所定値以下であるか否か判定し(ステップS32)、車両の車長方向の加速度が所定値以下であると判定すると(ステップS32にて「YES」)、今回の計時結果と過去の計時結果とを比較可能な情報を表示部4の表示画面上に表示させ(ステップS33)、上記したステップS22に戻る。
【0032】
上記した処理により、ユーザがアクセルを操作する毎に、ユーザが所定の計時開始釦や所定の計時終了釦を操作することなく、ストップウォッチの機能を自動的に作動させることができる。
【0033】
尚、制御部2は、上記した(1)〜(3)で説明した処理を並列に行っても良い。即ち、制御部2は、ストップウォッチによる計時の開始を待機している状態で、車速が所定速度以上であるか否かを判定し、ユーザが予め登録しておいた地点を車両が通過したか否かを判定し、アクセルの開度が所定開度以上になったか否かを判定し、何れかの条件が成立したときに該当する処理を行っても良い。
【0034】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載機1において、車両の車速が所定速度以上であることを条件としてユーザが表示部4の表示画面の全域のうち何れかの領域を操作したこと、ユーザが予め登録しておいた地点を車両が通過したこと、アクセルの開度が所定開度以上になったことの何れかを条件としてストップウォッチの機能を作動させるように構成したので、車両走行中においても、ユーザが所定の計時開始釦や所定の計時終了釦を操作することなく車両状態に基づいてストップウォッチの機能を作動させることができ、利便性を高めることができる。
【0035】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
車両の車速が所定速度以上であることを条件として表示部4の表示画面の全域のうち何れかの領域が押下されたことに応じてストップウォッチの機能を作動させる場合においても、計時開始地点と計時終了地点とを記憶させ、時開始地点から計時終了地点までの区間を今回の計時区間として特定し、その特定した計時区間と対応付けて今回の計時結果を記憶させることで、今回の計時結果と過去の計時結果とを比較可能な情報を表示部4の表示画面上に表示させても良い。
【0036】
今回の計時結果と過去の計時結果とを比較可能な情報を表示部4の表示画面上に表示させることに限らず、今回の計時結果と過去の計時結果とを比較可能な音声をスピーカ(図示せず)から音声出力させても良い。又、今回の計時結果と過去の計時結果とを比較可能な情報を表示部4の表示画面上に表示させると同時に音声をスピーカから音声出力させても良い。
【符号の説明】
【0037】
図面中、1は車載機、2は制御部(計時手段、制御手段)、4は表示部(表示手段、報知手段)、5は操作受付部(操作受付手段)、8は車載LANインタフェース部(車両状態取得手段、車幅方向加速度取得手段、車長方向加速度取得手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時動作を行う計時手段と、
前記計時手段の計時動作を制御する制御手段とを備えた車載機であって、
車両状態を取得する車両状態取得手段を備え、
前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得された車両状態に基づいて計時動作の開始条件が成立したと判定したときに、前記計時手段の計時動作を開始させ、前記車両状態取得手段により取得された車両状態に基づいて計時動作の終了条件が成立したと判定したときに、前記計時手段の計時動作を終了させることを特徴とする車載機。
【請求項2】
請求項1に記載した車載機において、
前記車両状態取得手段は、自機を搭載している車両の車速が所定速度以上であることを条件として操作受付手段として有効化される表示手段の表示画面の全域のうち何れかの領域が押下されたか否かに関する操作情報を取得し、
前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得された操作情報に基づいて車両の車速が所定速度以上であることを条件として前記操作受付手段として有効化される前記表示手段の表示画面の全域のうち何れかの領域が押下されたと判定したときに、計時動作の開始条件が成立したとして前記計時手段の計時動作を開始させ、前記計時手段が計時動作を実行中であるときに、前記車両状態取得手段により取得された操作情報に基づいて車両の車速が所定速度以上であることを条件として前記操作受付手段として有効化される前記表示手段の表示画面の全域のうち何れかの領域が押下されたと判定したときに、計時動作の終了条件が成立したとして前記計時手段の計時動作を終了させることを特徴とする車載機。
【請求項3】
請求項1に記載した車載機において、
前記車両状態取得手段は、車両の現在位置と予め登録されている登録地点とに基づいて自機を搭載している車両が登録地点を通過したか否かに関する登録地点通過情報を取得し、
前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得された登録地点通過情報に基づいて自機を搭載している車両が登録地点を通過したと判定したときに、計時動作の開始条件が成立したとして前記計時手段の計時動作を開始させ、前記計時手段が計時動作を実行中であるときに、前記車両状態取得手段により取得された登録地点通過情報態に基づいて自機を搭載している車両が登録地点を通過したと判定したときに、計時動作の終了条件が成立したとして前記計時手段の計時動作を終了させることを特徴とする車載機。
【請求項4】
請求項1に記載した車載機において、
前記車両状態取得手段は、アクセルの開度に関するアクセル開度情報を取得し、
前記制御手段は、前記車両状態取得手段により取得されたアクセル開度情報に基づいてアクセルの開度が所定開度以上になったと判定したときに、計時動作の開始条件が成立したとして前記計時手段の計時動作を開始させ、前記計時手段が計時動作を実行中であるときに、前記車両状態取得手段により取得されたアクセル開度情報に基づいてアクセルの開度が所定開度未満になったと判定したときに、計時動作の終了条件が成立したとして前記計時手段の計時動作を終了させることを特徴とする車載機。
【請求項5】
請求項2乃至4の何れかに記載した車載機において、
前記制御手段は、前記計時手段の計時動作を行った後に、今回の計時動作の計時結果と、今回の計時動作における計時区間と同一区間での過去の計時動作の計時結果とを比較可能に報知手段から報知させることを特徴とする車載機。
【請求項6】
請求項5に記載した車載機において、
自機を搭載している車両の車幅方向の加速度を取得する車幅方向加速度取得手段を備え、
前記制御手段は、前記車幅方向加速度取得手段により取得された車両の車幅方向の加速度が所定値以下であることを条件として、今回の計時動作の計時結果と、今回の計時動作における計時区間と同一区間での過去の計時動作の計時結果とを比較可能に報知手段から報知させることを特徴とする車載機。
【請求項7】
請求項5又は6に記載した車載機において、
自機を搭載している車両の車長方向の加速度を取得する車長方向加速度取得手段を備え、
前記制御手段は、前記車長方向加速度取得手段により取得された車両の車長方向の加速度が所定値以下であることを条件として、今回の計時動作の計時結果と、今回の計時動作における計時区間と同一区間での過去の計時動作の計時結果とを比較可能に報知手段から報知させることを特徴とする車載機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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