説明

転倒防止機構

【課題】簡単な構成で、連結作業も容易であり、しかも、前後左右のいずれの方向に対しても付属装置の転倒を確実に防止することができる転倒防止機構を提供する。
【解決手段】付属装置側の手動操作レバーを起こしていくと、軸27が回転され、ロックレバー22が(a)に示すアンロック位置P1から矢印方向に徐々に倒伏していく。(c)に示すように、ロックレバー22の環状係合部26の窓部26aが、画像形成装置側の係止ブロック20の抜け止め20aを上方から下方に越えると、ロックレバー22のカムフォロア部25がカム部材21のカム面21aにガイドされて、ロックレバー22全体が左方に後退する。これにより、ロックレバー22は、(d)に示すロック位置P2に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に隣接して配設される付属装置を画像形成装置に連結することで付属装置の転倒を防止する転倒防止機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置において、画像形成後のシートをステイプル処理したり、折り処理したり、穴明け処理したりするために、画像形成装置に隣接して、後処理装置(付属装置)を配設することがある。この場合に、付属装置の転倒を防止するための転倒防止機構を設けることが必要になる。このような転倒防止機構として、特許文献1,2,3には、それぞれ以下のようなものが開示されている。
【0003】
特許文献1は、シート後処理装置(付属装置)のステイプユニットの前カバーに、下部に足部が設けてある。装置本体からステイプルユニットを前側に引き出すと、足部が着地して、ステイプルユニットの重量を支えるので、転倒を防止することができる。
【0004】
特許文献2は、画像形成装置本体の角孔部に、シート後処理装置を支持するスライドユニットの先端に設けたフック部を係合させ、角孔部の隙間に位置決め板を嵌合させることで、スライドユニットを位置決め固定し、このスライドユニットを介して、画像形成装置本体にシート後処理装置を連結して支持するものである。
【0005】
特許文献3は、シート後処理装置の下部に、水平方向に移動可能なフットを設け、シート後処理装置に付属装置を取り付けることにより移動されるフット移動部材によって、フットを外側に押し出すものである。
【特許文献1】特開平10−129921号公報
【特許文献1】特開2000−219415号公報
【特許文献1】特開2001−185864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1,2,3のものは、以下のような問題があった。
【0007】
特許文献1のものは、前後方向の転倒に対しては十分対処することができるものの、左右方向に対しては、必ずしも十分ではない。
【0008】
特許文献2のものは、シート後処理装置が固定されるスライドユニットと、画像形成装置本体とが、角孔にフックを係合させた構成で連結されているので、転倒に対する連結強度を不足するおそれがある。また、連結作業も煩雑である。
【0009】
特許文献3のものは、フットを外側に押し出すための構成が複雑であるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、簡単な構成で、連結作業も容易であり、しかも、前後左右のいずれの方向に対しても付属装置の転倒を確実に防止することができる転倒防止機構を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、画像形成装置の左側壁と右側壁とのうちの一方の側壁に隣接して配設される付属装置を前記画像形成装置に連結することで前記付属装置の転倒を防止する転倒防止機構に関する。この発明に係る転倒防止機構は、前記画像形成装置側に立設された係止ブロックと、前記付属装置側に配設されたカム部材及びロックレバーと、を備え、前記係止ブロックは、上部に前記付属装置から遠ざかる方向に張り出した抜け止めを有し、前記ロックレバーは、基端側に形成されたカムフォロア部と先端側に形成された環状係合部とを有し、カムフォロア側を揺動基準として、前記環状係合部を起立させたアンロック位置と、倒伏させて前記係止ブロックに係合させたロック位置とを取ることができ、前記アンロック位置から前記ロック位置に倒伏する際に、前記カムフォロア部が前記カム部材にガイドされることにより、前記環状係合部が前記係止ブロックの上方から前記抜け止めを通過した後に、前記画像形成装置から遠ざかる方向に後退し、前記係止ブロックにおける前記抜け止めの下方に係合されて前記ロック位置に配置される、ことを特徴としている。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る転倒防止機構において、前記環状係合部は、前記係止ブロックに係合されることで、前記付属装置の前後方向に位置を位置決めする位置決め部を有する、ことを特徴としている。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る転倒防止機構において、前記ロックレバーの前記カムフォロア部を前後方向に貫通する径方向に長い長孔と、前記長孔を前後方向に貫通する軸と、を有し、前記ロックレバーは、前記長孔が前記カムフォロアの基端側から前記環状係合部の先端側に向かう方向に長く形成されることにより、前記軸によって相対回転不能でかつ径方向移動可能に支持される、ことを特徴としている。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る転倒防止機構において、前記軸と前記ロックレバーとの間に、前記ロックレバーの前記環状係合部を前記軸から遠ざける方向に付勢する付勢部材が介装されている、ことを特徴としている。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項3又は4のいずれか1項に係る転倒防止機構において、前記軸における前後方向の異なる位置に、複数の前記ロックレバーが取り付けられ、それぞれの前記ロックレバーごとに、これに対応する前記カム部材、前記係止ブロックが配設されている、ことを特徴としている。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項3乃至5のいずれか1項に係る転倒防止機構において、前記軸の端部に、前記軸を回転させるための手動操作レバーが取り付けられている、ことを特徴としている。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る転倒防止機構において、前記手動操作レバーを操作して前記軸を介して前記ロックレバーを前記ロック位置に配置した状態で、前記手動操作レバーを固定するための固定手段を有する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、ロックレバーを起立姿勢のアンロック位置から倒伏姿勢のロック位置に揺動させて移動させる際、ロックレバーは、カムフォロア部がカム部材にガイドされることにより、環状係合部が係止ブロックの上方から抜け止めを通過した後、後退して係止ブロックにおける抜け止めの可能に係合されるので、係合後に環状係合部が抜け止めを超えて外れることはない。すなわち、簡単な構成及び簡単な連結作業で、付属部材を画像形成装置に確実に連結させて付属部材の前後方向及び左右方向の転倒を防止することができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、ロックレバーは、環状係合部が係止ブロックに係合されることで、左右方向の位置決めがなされ、また、位置決め部により、前後方向の位置決めもなされる。
【0020】
請求項3の発明によれば、ロックレバーは、長孔を介して軸により、相対回転不能でかつ径方向移動可能に支持されているので、軸を回転させることにより、ロックレバーを揺動させてアンロック位置からロック位置に移動させることができるとともに、ロックレバーを後退させて、その環状係合部を係止ブロックにおける抜け止めの下方に係合させることができる。
【0021】
請求項4の発明によると、ロックレバーは、付勢部材によって、環状係合部が軸から遠ざかる方向に付勢されているので、単に、軸を回転させるだけの簡単な操作で、ロックレバーをアンロック位置からロック位置に移動させて、画像形成装置に対する付属装置の連結を完了することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、軸に対してロックレバーが複数取り付けられているので、共通の軸を回転させることで、前後方向の異なる位置で、付属装置を画像形成装置に連結することができ、連結を一層確実なものとすることができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、手動操作レバーを回転させることで、軸を回転させることができ、ロックレバーを、係止ブロックに係合させるロック位置に配置することができる。
【0024】
請求項7の発明によれば、ロックレバーをロック位置に配置した後、手動操作レバーを固定手段によって固定することができるので、ロックレバーによるロックが不要に解除されることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
【0026】
<実施形態1>
図1〜図5を参照して、本発明に係る転倒防止機構1について説明する。このうち、図1は、パネルを取り外した状態の付属装置(不図示)のフレーム(装置本体)10を前側右斜め上方から見た斜視図である。なお、以下の説明では、同図中の下部に示す矢印方向を、フレーム10の前後左右上下とする。図2は、図1中のフレーム10の右側の下部の拡大図であり、ロックレバー22が起立姿勢のアンロック位置P1に配置された状態の転倒防止機構1を説明する斜視図である。図3は、転倒防止機構1を右側から見た断面図である。図4は、図1中のフレーム10の右側の下部の拡大図であり、ロックレバー22が倒伏姿勢のロック位置P2に配置された状態の転倒防止機構1を説明する斜視図である。図5(a),(b),(c),(d)は、前側から見た転倒防止機構1の動作説明図である。
【0027】
図1に、複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置(不図示)の左側壁に隣接して配設される付属装置(不図示)のフレーム10を示す。ここで、付属装置としては、例えば、画像形成装置によって画像が形成されたシート(紙、透明フィルム等の記録媒体)に対して、ステイプル処理、折り処理、製本(糊付け)処理、穴明け処理等を施す装置があげられる。同図は、付属装置から、合成樹脂製の表面パネルや上述の各処理を行う装置を取り外した状態を示している。
【0028】
図1に示すように、フレーム10は、直方体状に形成されており、板金で形成された底板11、前側板12、後側板13、右側板14、左側板15を備えている。フレーム10は、適宜、補強部材によって補強され、全体として強度メンバーを構成している。なお、右側板の上端部近傍には、前後方向に異なる2箇所に、位置決め孔30が穿設されている。この位置決め孔30は、画像形成装置の左側壁(不図示)に突設された係合凸部(不図示)に係合させることで、画像形成装置に対して付属装置の大まかな位置決めを行うためのものである。フレーム10の底板11の裏面の4隅には、キャスタ16,17が配設されている。このうち、左端側の2個のキャスタ(ただし、前側のもののみ図示)16は、左右方向にのみ転動し、右端側の2個のキャスタ17は、転動方向が自由に変えられるようになっている。
【0029】
転倒防止機構1は、図5(a)〜(d)に示すように、画像形成装置の底板23側に配設された係止ブロック20と、付属装置の底板11側に配設されたカム部材21及びロックレバー22を備えている。
【0030】
係止ブロック20は、縦長のほぼ直方体状に形成されていて、画像形成装置の底板23の左端部に立設するようにして固定されている。係止ブロック20の上部には、付属装置から遠ざかる方向(図5(a)〜(d)中の右方向)に張り出すように抜け止め20aが形成されている。係止ブロック20は、図2,図3に示すように、次に説明するカム部材21に対応する位置に、それぞれ1つずつ、計2個が配設されている。
【0031】
カム部材21は、付属装置の底板11の右端部に固定されている。つまり、カム部材21は、上述の係止ブロック20に対して対向するように配置されている。カム部材21は、係止ブロック20に対面する面が垂直に形成されるとともに、これと反対の面は、右端側が高く、左端側が低く、これらの間が上方に向かって凹状に湾曲したカム面21aとなっている。カム部材21は、前後方向の異なる位置にそれぞれ1つずつ、合計2個のものが配設されている。各カム部材21の上方には、それぞれロックレバー22が配設されている。
【0032】
ロックレバー22は、ブロック状のカムフォロア部25と、図2に示す状態において、このカムフォロア部25の先端側(上端側)から上方に延びる枠状の環状係合部26とを有している。図2では、ロックレバー22は、環状係合部26を起立させた姿勢のアンロック位置P1をとっている。この起立姿勢における図2中のロックレバー22の上下方向を適宜「径方向」という。カムフォロア部25は、図4中では、環状係合部26を倒伏させた姿勢のロック位置P2をとっている。カムフォロア部25は、図2に示す状態において、右側に位置する部分に、上述のカム部材21のカム面21に倣って摺動する被ガイド面25aを有している。被ガイド面25aは、カム面21に向かって凸状の曲面に形成されている。カムフォロア部25の基端側には、図2に示すように、径方向に長い長孔25bが形成されている。長孔26bは、2本に平行線の一方の端部を半円で連結し、同様に他方の端部も半円で連結した、いわゆる陸上競技場の「トラック形」に形成されている。なお、後述する軸27の中間部27bも長手方向に直交する方向の断面形状が同様に「トラック形」に形成されているが、この中間部27bのトラック形は、長孔26bのトラック形と比較して、2本の平行線の長さが短く形成されている。これにより、ロックレバー22は、径方向に移動できるようになっている。
【0033】
環状係合部26は、カムフォロア部25の先端から径方向に延びる「門」形に形成されていて、カムフォロア部25と相俟って閉ループを構成している。この閉ループの内側には、窓部26aが形成されている。この窓部26aの前後方向の幅は、上述の係止ブロック20の前後方向の幅よりも僅かに広くなるように設定されていて、後述するようにロックレバー22をロック位置P2に配置したときに、画像形成装置に対する付属装置の前後方向の位置が規制されるようになっている。つまり、ロックレバー22がロック位置P2に配置された際の、環状係合部26における係止ブロック20の前後に位置する部分が、位置決め部として作用することになる。
【0034】
ロックレバー22は、2個のカム部材21のそれぞれに対応するように、計2個が配設されている。ロックレバー22のカムフォロア部25の長孔25bには、共通の軸27が貫通されている。ロックレバー22は、軸27に固定された位置決め部材(不図示)によって軸27の長手方向に沿っての位置が規制されている。
【0035】
図2,図3,図4に示すように、軸27は、前端部27aと後端部27cとが円柱上に形成され、これらの中間に位置する中間部27bが、その長手方向に直交する方向の断面がトラック形になるように形成されている。軸27は、前端部27aが前側板20によって、また後端部27cが後側板21によってそれぞれ回転自在に支持されている。一方、断面形状がトラック形の中間部27bは、上述のロックレバー22のカムフォロア部23の長孔25bに貫通されている。この貫通により、ロックレバー22は、軸27の中間部27bにより、相対回転不能で、かつ径方向に移動可能に支持されていることになる。
【0036】
図3に示すように、ロックレバー22の長孔25bの内部には、圧縮ばね28が配設されている。圧縮ばね28は、長孔25b内における、軸27の中間部27bと、カムフォロア部25の先端側との間に介装されている。これにより、ロックレバー22は、径方向外側に付勢されていることになり、図2,図3に示すようにロックレバー22が起立姿勢のアンロック位置P1をとった場合でも、中間部27bに対して上方の持ち上げられた状態、すなわち軸27の中間部27bが長孔25bの下方に位置する状態を維持することができるようになっている。これにより、後述するように、ロックレバー22をアンロック位置P1からロック位置P2に移動させた場合に、環状係合部26の窓部26aが、上述の画像形成装置側の係止ブロック20の抜け止め20bを超えるようになっている。
【0037】
図2,図4に示すように、軸27の前端部27の前側の端縁には、回り止め用の「Dカット」が施されていて、このDカットに、手動操作レバー29の前板29aが嵌合されている。手動操作レバー29が図2に示す倒伏位置にあるときは、ロックレバー22は、アンロック位置P1に配置されている。一方、手動操作レバー29が図4に示す起立位置にあるときは、ロックレバー22は、ロック位置P2に配置されるようになっている。図2に示すように、前側板12における手動操作レバー29の少し上には、手動操作レバー29を固定するための固定手段としてのねじ孔12aが螺設されている。一方、手動操作レバー29には、その後板29bに、図2に示す倒伏位置から図4に示す起立位置に手動操作レバー29を起こしたときに、上述のねじ孔12と一致する透孔(不図示)が穿設されている。図4に示すように、ねじ30を透孔に貫通させて、ねじ孔12aに螺合させることにより、手動操作レバー29を起立位置に固定することができる。これにより、上述のロックレバー22をロック位置P2に保持して、不要に係止ブロック20から外れないようにすることができる。
【0038】
つぎに、図5(a)〜(b)を主に参照し、適宜、図1〜図4を援用して、転倒防止機構1の動作、及び作用効果について説明する。
【0039】
付属装置を底板11のキャスタ16,17を利用して移動し、画像形成装置の左側壁に隣接するように配設する。この際、図1に示すフレーム10の右側壁14に形成されている位置決め孔30を、画像形成装置側の係合凸部(不図示)係合させる。これにより、画像形成装置に対して付属装置を大まかに位置決めすることができる。
【0040】
このとき、転倒防止機構1は、各構成要素が図5(a)に示すような位置に配置される。図5(a)に示す状態では、ロックレバー22は、起立姿勢をとるアンロック位置P1に配置される。このとき、ロックレバー22は、長孔25の内側に配設されている圧縮ばね28(図3参照)により、軸27の中間部27bに対して上方に持ち上げられた状態、すなわち径方向外側に配置された状態となっている。図2に示す、倒伏位置にある手動操作レバー29を右回り(時計回り)に徐々に起こしていくと、軸27が回転される。これにより、ロックレバー22は、(b)に示すように、中間部27bを中心として、矢印方向(時計回り)に揺動(回転)する。さらに、手動操作レバー29を起こすと、(c)に示すように、ロックレバー22がさらに倒伏する。これにより、ロックレバー22の環状係合部26の窓部26aが、係止ブロック20の抜け止め20aを上方から下方に超える。さらに、このとき、カムフォロア部25の被ガイド面25aがカム部材21のカム面21aに当接し、カム面21aに倣って移動する。これにより、軸27の中間部27bに対して、ロックレバー22全体が後退する。ここで後退するとは、係止ブロック20から遠ざかる方向に移動することである。さらに、手動操作レバー29を起こすと、(d)に示すように、ロックレバー22は、環状係合部26が、係止ブロック20における抜け止め20aの下方に位置する部分に係合されるとともに、さらにロックレバー22全体が後退し、その結果、(d)に示すロック位置P2に配置される。その後、図4に示すように、手動操作レバー29をねじ30によって、起立位置に固定する。これにより、ロックレバー22がロック位置P2から不要に移動して、係止ブロック20との係合を解除するようなことはない。
【0041】
以上のように本発明に係る転倒防止機構1は、簡単な構成で、また、手動操作レバー29を倒伏位置から起立位置に起こすだけの簡単な作業で、付属装置の前後左右の方向に対する転倒を確実に防止することができる。
【0042】
以上の実施形態においては、転倒防止機構1を構成する部材のうち、係止ブロック20が画像形成側に配設され、他の部材が付属装置側に配設される場合を例に説明したが、この逆に、係止ブロック20が付属装置側に配設され、他の部材が画像形成装置側に配設されるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上述では、本発明に係る転倒防止機構を、付属装置を画像形成装置に連結して付属装置の転倒を防止するために使用したが、本発明は、これに限定されるものではなく、任意の2つの装置を連結する際に、広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】パネルを取り外した状態の付属装置(不図示)のフレームを前側右斜め上方から見た斜視図である。
【図2】図1中のフレームの右側の下部の拡大図であり、ロックレバーが起立姿勢のアンロック位置に配置された状態の転倒防止機構を説明する斜視図である。
【図3】転倒防止機構を右側から見た断面図である。
【図4】図1中のフレームの右側の下部の拡大図であり、ロックレバーが倒伏姿勢のロック位置に配置された状態の転倒防止機構を説明する斜視図である。
【図5】(a),(b),(c),(d)は、前側から見た転倒防止機構の動作説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1……転倒防止機構、12a……ねじ孔(手動操作レバーの固定手段)、20……係止ブロック、20a……抜け止め、21……カム部材、22……ロックレバー、25……カムフォロア部、25b……長孔、26……環状係合部(位置決め部)、27……軸、28……圧縮ばね(付勢部材)、29……手動操作レバー、
P1……アンロック位置、P2……ロック位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の左側壁と右側壁とのうちの一方の側壁に隣接して配設される付属装置を前記画像形成装置に連結することで前記付属装置の転倒を防止する転倒防止機構において、
前記画像形成装置側に立設された係止ブロックと、
前記付属装置側に配設されたカム部材及びロックレバーと、を備え、
前記係止ブロックは、上部に前記付属装置から遠ざかる方向に張り出した抜け止めを有し、
前記ロックレバーは、基端側に形成されたカムフォロア部と先端側に形成された環状係合部とを有し、カムフォロア側を揺動基準として、前記環状係合部を起立させたアンロック位置と、倒伏させて前記係止ブロックに係合させたロック位置とを取ることができ、前記アンロック位置から前記ロック位置に倒伏する際に、前記カムフォロア部が前記カム部材にガイドされることにより、前記環状係合部が前記係止ブロックの上方から前記抜け止めを通過した後に、前記画像形成装置から遠ざかる方向に後退し、前記係止ブロックにおける前記抜け止めの下方に係合されて前記ロック位置に配置される、
ことを特徴とする転倒防止機構。
【請求項2】
前記環状係合部は、前記係止ブロックに係合されることで、前記付属装置の前後方向に位置を位置決めする位置決め部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の転倒防止機構。
【請求項3】
前記ロックレバーの前記カムフォロア部を前後方向に貫通する長孔と、
前記長孔を前後方向に貫通する軸と、を有し、
前記ロックレバーは、前記長孔が前記カムフォロアの基端側から前記環状係合部の先端側に向かう方向に長く形成されることにより、前記軸によって相対回転不能でかつ径方向移動可能に支持される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の転倒防止機構。
【請求項4】
前記軸と前記ロックレバーとの間に、前記ロックレバーの前記環状係合部を前記軸から遠ざける方向に付勢する付勢部材が介装されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の転倒防止機構。
【請求項5】
前記軸における前後方向の異なる位置に、複数の前記ロックレバーが取り付けられ、それぞれの前記ロックレバーごとに、これに対応する前記カム部材、前記係止ブロックが配設されている、
ことを特徴とする請求項3又は4のいずれか1項に記載の転倒防止機構。
【請求項6】
前記軸の端部に、前記軸を回転させるための手動操作レバーが取り付けられている、
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の転倒防止機構。
【請求項7】
前記手動操作レバーを操作して前記軸を介して前記ロックレバーを前記ロック位置に配置した状態で、前記手動操作レバーを固定するための固定手段を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の転倒防止機構。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−139391(P2008−139391A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323173(P2006−323173)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】