軽量気泡コンクリートパネル取付用の取付金物及び軽量気泡コンクリートパネルの取付構造並びに軽量気泡コンクリートパネルの取付方法
【課題】 ALCパネルを敷設した後に取付金物を溶接固定することを可能とし、溶接作業のための足場が不要となり、高所作業の危険性を軽減するとともに、作業能率の向上を図ることができる屋根・床パネルの取付構造、取付方法及びそのための取付金物を提供する。
【解決手段】 平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を使用し、ALCパネルを梁上に水平に敷き並べた後に、前記取付金物を建物駆体の梁に溶接固定し、再びALCパネルを敷設する作業を順次繰り返す。取付金物は、厚さ8mm以上20mm以下、長さ30mm以上の平鋼板からなり、高さと厚さの比が3以下であるのが好ましい。また、ナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有していても良い。
【解決手段】 平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を使用し、ALCパネルを梁上に水平に敷き並べた後に、前記取付金物を建物駆体の梁に溶接固定し、再びALCパネルを敷設する作業を順次繰り返す。取付金物は、厚さ8mm以上20mm以下、長さ30mm以上の平鋼板からなり、高さと厚さの比が3以下であるのが好ましい。また、ナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有していても良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物の屋根・床として軽量気泡コンクリート(ALC)パネル(以下、ALCパネル、あるいは単にパネルという。)等を使用する場合におけるパネルの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の屋根・床としてALCパネル等を使用する場合において、建築躯体の梁上に複数のパネルを水平方向に敷き並べ、パネルを該梁に固着する方法としては、従来から湿式工法の取付構造が採用されている。すなわち、モルタル等を使用して両者を接合する湿式工法において、取付金物であるスラブプレート、マルカン等の両側下部を梁に溶接固定する構造である。
【0003】
また、床用または屋根用のALCパネルの目地部の連結構造として、従来から例えば図9に示すような構造が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、図9に示すようにH型鋼の梁1の上部フランジ面上に複数のパネル2が敷設されており、そのパネル2の目地部23の位置に固定金具であるスラブプレート24の両側下部が梁1の上部フランジ面上に溶接されて固定されている。また、そのスラブプレート24の上部には穴27が設けられていて、目地鉄筋25が挿通されているとともに、目地部23にはモルタル26が充填されている構造である。
【0004】
図9における固定金具としては、図10(a)に示すスラブプレート24の他に、図10(b)に示すような丸カン28を用いても良い。スラブプレート24は平鋼片20に上部に横長の穴27をあけたものであり、丸カン28は棒鋼21をL字型に曲げ、一方の先端に穴27を形成したものである。いずれも下端を梁1のフランジ面に溶接して固定する。これらの固定金具では、図中矢印の方向に倒れやすく、梁上に自立静止することは難しい。図11は図10(a)に示すスラブプレート24を梁1の上部フランジ面上に溶接固定した状態を示す外観斜視図である。梁1の上部フランジ面上にスラブプレート24の下端を溶接し、スラブプレート24上部中央に設けた横長の穴27に目地鉄筋25を貫通させる。図中18は溶接ビートを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−177195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなパネルの取付構造において、取付金物の両側下部を梁に溶接固定するためには、パネルを敷き並べる前に予め金物を溶接固定しておく必要がある。この溶接作業は、高所にある細い梁上で多数の金物に対して行う必要があることから、足場が必要となり、高所作業となり危険、かつ作業能率も悪くなる。
また、スラブプレートは板厚が薄く、丸カンは底部が平坦ではないことから、梁上に自立した状態で載置することができないため、溶接作業において取付位置を調整し、垂直に自立させて溶接固定することが困難である。
この点を改良するため、図12に示すようにスラブプレートの平鋼片の平面に、転倒を防止するための突出片22を形成することも提案されている。突出片22は図12(a)に示すように平鋼片の両端を直角に曲げ加工して形成しても良いし、あるいは図12(b)に示すように平鋼片の中央に溶接でつけても良い。このように、平面から直角に張り出した突出片を設けることにより、梁上面にスラブプレートが自立可能となり、梁上での作業時に両手は使えるようになるので、作業が容易になる。
図13は、図12(a)に示す固定金具35を用いて梁1の上部フランジ面上に溶接固定した状態を示す外観斜視図である。梁1の上部フランジ面上に固定金具35の下端を溶接し、固定金具35上部中央に設けた横長の穴27に目地鉄筋25を貫通させる。図中18は溶接ビートを示す。
【0007】
図12に示す固定金具は薄肉の板材で構成されており、固定金具を転倒させようとする力に対抗する金具自体の重量が軽く、金具が自立する上で不利な形状である。固定金具の厚さ方向の転倒しやすさは、金具の重心から端までの厚み方向距離が短いほど不利であるが、重心が平板体のある側にずれているため、平板体側への厚み方向の力に対しては転倒しやすい形状となっている。
本発明は、さらに進んでパネルを敷設した後に金物を溶接固定することを可能とし、よって溶接作業のための足場が不要となり、高所作業の危険性を軽減するとともに、作業能率の向上を図ることができる屋根・床パネルの取付構造を提供するものである。
本発明の固定金具は厚肉の板材で構成し、断面を矩形としさらに固定金具の厚さ寸法(従来技術の場合突出片の幅寸法)に対する金物重量の割合が大きくなるように構成してあり、重心は固定金具の厚み方向のほぼ中央にあるため転倒しにくい構造となっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つは、軽量気泡コンクリートパネルを建物駆体の梁上に水平に敷き並べ、梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造に使用するための取付金物であって、平坦な底部を有し、以て梁上に自立した状態で安定して載置可能に構成したパネルの取付金物とした。
本発明の取付金物は、厚さ8mm以上20mm以下、長さ30mm以上の平鋼板からなり、高さと厚さの比が3以下であることが好ましい。
取付金物をこのように構成することにより、取付金物が建物駆体の梁上に自立した状態で安定して載置可能になる。
また本発明の取付金物は、ナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有することが好ましい。
ALCパネルを確実に固定するためである。
【0009】
本発明のもう一つは、軽量気泡コンクリートパネルを梁上に水平に敷き並べ、建物駆体の梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造であって、平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を建物駆体の梁に溶接固定し、以て軽量気泡コンクリートパネルを挟持してなるパネルの取付構造である。
本発明のパネルの取付構造においては、取付金物としてナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有しているものを使用し、該取付金物に座金若しくは目地鉄筋を介して軽量気泡コンクリートパネルを挟持してなる取付構造とすることもできる。
このようなパネルの取付構造とすれば、パネルを敷設した後に金物を溶接固定することが可能となり、よって溶接作業のための足場が不要となり、高所作業の危険性も軽減するとともに、作業能率の向上を図ることができる。
【0010】
さらに別の本発明の一つは、軽量気泡コンクリートパネルを建物駆体の梁上に水平に敷き並べ、梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定するパネルの取付方法であって、平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を梁上に載置する際、予め軽量気泡コンクリートパネルが梁上に敷き込まれており、該軽量気泡コンクリートパネル側面に前記取付金物を略当接させるとともに、該取付金物が軽量気泡コンクリートパネルに接していない3側面の下部において梁に溶接固定した後、別の軽量気泡コンクリートパネルを敷き詰める操作を順次繰り返す軽量気泡コンクリートパネルの取付方法である。
本発明の軽量気泡コンクリートパネルの取付方法によれば、建物駆体上で必要なパネルを順次施工することができるので、作業能率が良くなる利点がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明のパネルの取付構造によれば、取付金物の溶接固定において、片側下部と直交方向に巻き込み溶接を行う構造であるため、パネルを敷き込んだ後に取付金物を溶接固定することが可能となり、よって溶接作業を梁上に敷設したパネルに乗って行うことで足場が不要となり、高所作業の危険性を軽減するとともに、作業能率の向上を図ることができる。従って、本発明のパネルの取付構造は、特に屋根パネルや床パネル等の用途において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のパネルの取付構造の一例を示す一部破断斜視図である。
【図2】本発明の取付金物の一例を示す外観斜視図である。
【図3】図1の線A−A’に沿った断面図である。
【図4】本発明の取付金物の他の例を示す外観斜視図である。
【図5】図4に示す取付金物を使用した場合の断面図である。
【図6】本発明の取付金物の別の例を示す外観斜視図で、(a)は取付金物の一端にねじ穴を有するもの、(b)は取付金物の中央部に縦方向のねじ穴を有し、ねじ穴の下端の直交方向に横穴を有するものである。
【図7】本発明のパネルの取付方法の施工手順を説明する図である。
【図8】本発明の取付金物を梁上に溶接固定する方法を説明する図で、(a)は図2に示した横長で上面にネジ穴7を備えた取付金物3を梁上に溶接固定する場合、(b)は図4に示した縦長で平面に穴8を備えた取付金物31を梁上に溶接固定する場合を示している。
【図9】従来のパネルの取付構造の一例を示す一部破断斜視図である。
【図10】従来の固定金物の例を示す図で、(a)はスラブプレート、(b)はマルカンを示す。
【図11】図10(a)のスラブプレートを梁上に溶接固定する方法を説明する図である。
【図12】固定金物の改良例を示す図で、(a)はスラブプレートの両端に突出片を設けた例、(b)は平板体の中央に突出片を設けた例を示す。
【図13】図12(a)に示す固定金物を使用して、パネルの目地部を固定する例を示す一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明の具体例を図面に従って説明する。
なお、本発明で使用するパネルとしては、ALCパネル、中空パネルおよびPCパネルなどが挙げられ、これらを建築物の屋根または床として使用する場合があるが、以下はその代表例としてALCパネルを屋根として使用する場合について説明する。
まず、本発明のパネルの取付構造について説明する。
図1は本発明のパネルの取付構造の一例を示す一部破断斜視図である。本発明のパネルの取付構造10は、座掘部2cを設けたALCパネル2を建築物駆体の梁1上に水平に配列し、該梁1上にネジ孔を有する取付金物3をネジ孔の軸方向が垂直になるように固定し、該取付金物3に座金4を介してボルト5を螺合させ、ALCパネル2を前記梁1と前記座金4との間で狭持した取付構造である。
【0014】
図2は、図1に示す取付構造で使用した本発明の取付金物の一例を示す外観斜視図である。
図2に示す取付金物3は、平鋼片6からなり、上面6aにネジ穴7が設けてある。また、取付金物5は安定して自立させ、かつ通常20mm程度の目地幅に埋設させるためには厚さ(W)は8〜20mm程度とするのが適当である。安定して自立させるためにはさらに取付金物の高さ(H)を、高さ(H)と厚さ(W)との比:H/Wを3以下に構成するのが好ましい。取付金物をこのように構成することにより、取付金物の重心位置は厚さ方向のほぼ中央になる。梁上に取り付け金物を安定して自立させるために、底面6bは平滑面にしておく必要がある。金具の長さ(L)は、溶接長を確保できるよう30mm以上が望ましい。
【0015】
図3は、図1の取付金物を含む線A−A’に沿った断面図である。図3に示すとおり建築物駆体の梁1上にネジ孔を有する取付金物3をネジ孔の軸方向が垂直になるように固定し、両側から座掘部2cを設けたALCパネル2を水平に配列し、該梁1上に該取付金物3に座金4を介してボルト5を螺合させ、ALCパネル2を前記梁1と前記座金4との間で狭持している。ここで取付金物3の背面はALCパネル2の一方の端面に当接し、取付金物3の他の面の下部は溶接により梁1に固定されている。図中17は目地部を、18は溶接ビートを示す。
【0016】
図4は取付金物の他の例を示す外観斜視図である。図4に示す取付金物31は、縦長の平鋼片からなり、平面6cの上部に穴8が設けてある。梁上で取付金物を安定して自立させるために、取付金物31の底面6bも平滑面にしておく必要がある。また、取付金物31は安定して自立させ、かつ通常20mm程度の目地幅に埋設させるためには厚さ(W)は8〜20mm程度とするのが適当である。安定して自立させるためにはさらに取付金物の高さ(H)を、高さ(H)と厚さ(W)との比:H/Wを3以下にするのが好ましい。取付金物をこのように構成することにより、取付金物の重心位置は厚さ方向のほぼ中央になる。梁上に取り付け金物を安定して自立させるために、底面6bは平滑面にしておく必要がある。金具の長さ(L)は、溶接長を確保できるよう30mm以上が望ましい。
穴8は目地鉄筋25を貫通させてALCパネルの目地部を固定するのに使用する。
【0017】
図5は、取付金物31を使用してALCパネルの目地部を固定する場合の取付金物を含む線に沿った断面図である。
建築物駆体の梁1上にネジ孔を有する取付金物31をネジ孔の軸方向が垂直になるように固定し、両側からALCパネル2を水平に配列してある。取付金物31の穴8には目地鉄筋25を貫通させてあり、該目地鉄筋25をALCパネルの目地部にくるように配置して、ALCパネルの目地部を固定している。ここでも取付金物3の背面はALCパネル2の一方の端面に当接し、取付金物3の他の面の下部は溶接により梁1に固定されている。図中18は溶接ビートを示す。
【0018】
図6は、取付金物の他の例を示す外観斜視図であって、(a)の取付金物32はネジ穴7が取付金物上面32aの端部に設けられているもの、(b)の取付金物33は取付金物上面33aの中央にネジ穴7が、該ネジ穴7の下端にネジ穴7に直行する方向に穴8が取付金物の平面33cに向けて貫通させてある。
これら(a)、(b)の取付金物においても、安定して自立させかつ通常20mm程度の目地幅に埋設させるためには厚さ(W)8〜20mm程度とするのが適当である。安定して自立させるためにはさらに取付金物の高さ(H)を、高さ(H)と厚さ(W)との比:H/Wを3以下にするのが好ましい。取付金物をこのように構成することにより、取付金物の重心位置は厚さ方向のほぼ中央になる。梁上に取り付け金物を安定して自立させるために、底面33bは平滑面にしておく必要がある。金具の長さ(L)は、溶接長を確保できるよう30mm以上が望ましい。
【0019】
図7は、本発明のパネルの取り付け方法の施工手順を説明する図である。
まず、梁1上にALCパネル2−1、2−1,・・・を敷き込む。次に取付金物3−1,3−1・・・をALCパネル2−1、2−1,・・・の短辺小口面に当接させて梁上に載置する。しかる後に取付金物3−1,3−1・・・の片側下部を直交方向に巻き込み溶接を行う。なお、この溶接作業は、通常は作業用足場を組まずに作業者がパネル上に乗った状態で行う。
取付金物3−1,3−2は、平坦な底部を有し安定した形状をなしているので、梁上に鉛直に自立することができる。梁上に鉛直に自立することで角度を正確に保ちながら溶接できる。
取付金物の固定方法としては溶接が一般的であり、梁上に敷き込んだパネル上に乗って溶接作業を行うことで、作業用足場を組む必要がなくなり、かつ安全である。前記取付金物を梁上に載置する際、予めパネルが梁上に敷き込まれており、該パネル側面に取付金物を略当接させるとともに、取付金物がパネルに接していない3側面の下部を梁に溶接固定することで強度が確保できる。
【0020】
図8は、取付金物を梁上に溶接固定する方法を説明する図である。図8(a)は図2に示した横長で上面にネジ穴7を備えた取付金物3を溶接固定する場合、図8(b)は図4に示した縦長で平面に穴8を備えた取付金物31を溶接固定する場合を示している。いずれの場合にも、取付金物の背面をALCパネルの小口面に当接させ、取付金物下端の3方を直交方向に巻き込み溶接を行うことが有効である。
図中18は溶接ビートである。
【0021】
取付金物3−1,3−1・・・の溶接固定が終わったら、次のALCパネル2−2、2−2,・・・を梁1上に敷き込む。しかる後上記と同様にして取付金物3−2,3−2・・・をALCパネル2−2、2−2,・・・の短辺小口面に当接させて梁上に載置し、取付金物がパネルに接していない3側面の下部を梁に溶接固定する。
以上の作業を繰り返し、必要なALCパネルを敷き込む。
【0022】
本発明のALCパネルの取付方法によれば、取付金物を溶接固定する際に、取付金物の片側下部を直交方向に巻き込み溶接を行う方法であるため、ALCパネルを敷き込んだ後に金物を溶接固定することが可能となり、よって溶接作業を梁上に敷設したALCパネルに乗って行うことで足場が不要となり、高所作業の危険性を軽減するとともに、作業能率の向上を図ることができる。従って、特に屋根パネルや床パネル等の用途において極めて有用である。
【符号の説明】
【0023】
1 梁
2 ALCパネル
3 取付金物
4 座金
5 ボルト
6 平鋼片
7 ネジ穴
8、27 穴
10 取付構造
17 目地部
18 溶接ビート
20 平鋼片
21 丸棒鋼
22 突出片
24 スラブプレート
25 目地鉄筋
28 丸カン
31、32、33、34 取付金物
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物の屋根・床として軽量気泡コンクリート(ALC)パネル(以下、ALCパネル、あるいは単にパネルという。)等を使用する場合におけるパネルの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の屋根・床としてALCパネル等を使用する場合において、建築躯体の梁上に複数のパネルを水平方向に敷き並べ、パネルを該梁に固着する方法としては、従来から湿式工法の取付構造が採用されている。すなわち、モルタル等を使用して両者を接合する湿式工法において、取付金物であるスラブプレート、マルカン等の両側下部を梁に溶接固定する構造である。
【0003】
また、床用または屋根用のALCパネルの目地部の連結構造として、従来から例えば図9に示すような構造が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、図9に示すようにH型鋼の梁1の上部フランジ面上に複数のパネル2が敷設されており、そのパネル2の目地部23の位置に固定金具であるスラブプレート24の両側下部が梁1の上部フランジ面上に溶接されて固定されている。また、そのスラブプレート24の上部には穴27が設けられていて、目地鉄筋25が挿通されているとともに、目地部23にはモルタル26が充填されている構造である。
【0004】
図9における固定金具としては、図10(a)に示すスラブプレート24の他に、図10(b)に示すような丸カン28を用いても良い。スラブプレート24は平鋼片20に上部に横長の穴27をあけたものであり、丸カン28は棒鋼21をL字型に曲げ、一方の先端に穴27を形成したものである。いずれも下端を梁1のフランジ面に溶接して固定する。これらの固定金具では、図中矢印の方向に倒れやすく、梁上に自立静止することは難しい。図11は図10(a)に示すスラブプレート24を梁1の上部フランジ面上に溶接固定した状態を示す外観斜視図である。梁1の上部フランジ面上にスラブプレート24の下端を溶接し、スラブプレート24上部中央に設けた横長の穴27に目地鉄筋25を貫通させる。図中18は溶接ビートを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−177195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなパネルの取付構造において、取付金物の両側下部を梁に溶接固定するためには、パネルを敷き並べる前に予め金物を溶接固定しておく必要がある。この溶接作業は、高所にある細い梁上で多数の金物に対して行う必要があることから、足場が必要となり、高所作業となり危険、かつ作業能率も悪くなる。
また、スラブプレートは板厚が薄く、丸カンは底部が平坦ではないことから、梁上に自立した状態で載置することができないため、溶接作業において取付位置を調整し、垂直に自立させて溶接固定することが困難である。
この点を改良するため、図12に示すようにスラブプレートの平鋼片の平面に、転倒を防止するための突出片22を形成することも提案されている。突出片22は図12(a)に示すように平鋼片の両端を直角に曲げ加工して形成しても良いし、あるいは図12(b)に示すように平鋼片の中央に溶接でつけても良い。このように、平面から直角に張り出した突出片を設けることにより、梁上面にスラブプレートが自立可能となり、梁上での作業時に両手は使えるようになるので、作業が容易になる。
図13は、図12(a)に示す固定金具35を用いて梁1の上部フランジ面上に溶接固定した状態を示す外観斜視図である。梁1の上部フランジ面上に固定金具35の下端を溶接し、固定金具35上部中央に設けた横長の穴27に目地鉄筋25を貫通させる。図中18は溶接ビートを示す。
【0007】
図12に示す固定金具は薄肉の板材で構成されており、固定金具を転倒させようとする力に対抗する金具自体の重量が軽く、金具が自立する上で不利な形状である。固定金具の厚さ方向の転倒しやすさは、金具の重心から端までの厚み方向距離が短いほど不利であるが、重心が平板体のある側にずれているため、平板体側への厚み方向の力に対しては転倒しやすい形状となっている。
本発明は、さらに進んでパネルを敷設した後に金物を溶接固定することを可能とし、よって溶接作業のための足場が不要となり、高所作業の危険性を軽減するとともに、作業能率の向上を図ることができる屋根・床パネルの取付構造を提供するものである。
本発明の固定金具は厚肉の板材で構成し、断面を矩形としさらに固定金具の厚さ寸法(従来技術の場合突出片の幅寸法)に対する金物重量の割合が大きくなるように構成してあり、重心は固定金具の厚み方向のほぼ中央にあるため転倒しにくい構造となっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つは、軽量気泡コンクリートパネルを建物駆体の梁上に水平に敷き並べ、梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造に使用するための取付金物であって、平坦な底部を有し、以て梁上に自立した状態で安定して載置可能に構成したパネルの取付金物とした。
本発明の取付金物は、厚さ8mm以上20mm以下、長さ30mm以上の平鋼板からなり、高さと厚さの比が3以下であることが好ましい。
取付金物をこのように構成することにより、取付金物が建物駆体の梁上に自立した状態で安定して載置可能になる。
また本発明の取付金物は、ナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有することが好ましい。
ALCパネルを確実に固定するためである。
【0009】
本発明のもう一つは、軽量気泡コンクリートパネルを梁上に水平に敷き並べ、建物駆体の梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造であって、平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を建物駆体の梁に溶接固定し、以て軽量気泡コンクリートパネルを挟持してなるパネルの取付構造である。
本発明のパネルの取付構造においては、取付金物としてナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有しているものを使用し、該取付金物に座金若しくは目地鉄筋を介して軽量気泡コンクリートパネルを挟持してなる取付構造とすることもできる。
このようなパネルの取付構造とすれば、パネルを敷設した後に金物を溶接固定することが可能となり、よって溶接作業のための足場が不要となり、高所作業の危険性も軽減するとともに、作業能率の向上を図ることができる。
【0010】
さらに別の本発明の一つは、軽量気泡コンクリートパネルを建物駆体の梁上に水平に敷き並べ、梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定するパネルの取付方法であって、平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を梁上に載置する際、予め軽量気泡コンクリートパネルが梁上に敷き込まれており、該軽量気泡コンクリートパネル側面に前記取付金物を略当接させるとともに、該取付金物が軽量気泡コンクリートパネルに接していない3側面の下部において梁に溶接固定した後、別の軽量気泡コンクリートパネルを敷き詰める操作を順次繰り返す軽量気泡コンクリートパネルの取付方法である。
本発明の軽量気泡コンクリートパネルの取付方法によれば、建物駆体上で必要なパネルを順次施工することができるので、作業能率が良くなる利点がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明のパネルの取付構造によれば、取付金物の溶接固定において、片側下部と直交方向に巻き込み溶接を行う構造であるため、パネルを敷き込んだ後に取付金物を溶接固定することが可能となり、よって溶接作業を梁上に敷設したパネルに乗って行うことで足場が不要となり、高所作業の危険性を軽減するとともに、作業能率の向上を図ることができる。従って、本発明のパネルの取付構造は、特に屋根パネルや床パネル等の用途において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のパネルの取付構造の一例を示す一部破断斜視図である。
【図2】本発明の取付金物の一例を示す外観斜視図である。
【図3】図1の線A−A’に沿った断面図である。
【図4】本発明の取付金物の他の例を示す外観斜視図である。
【図5】図4に示す取付金物を使用した場合の断面図である。
【図6】本発明の取付金物の別の例を示す外観斜視図で、(a)は取付金物の一端にねじ穴を有するもの、(b)は取付金物の中央部に縦方向のねじ穴を有し、ねじ穴の下端の直交方向に横穴を有するものである。
【図7】本発明のパネルの取付方法の施工手順を説明する図である。
【図8】本発明の取付金物を梁上に溶接固定する方法を説明する図で、(a)は図2に示した横長で上面にネジ穴7を備えた取付金物3を梁上に溶接固定する場合、(b)は図4に示した縦長で平面に穴8を備えた取付金物31を梁上に溶接固定する場合を示している。
【図9】従来のパネルの取付構造の一例を示す一部破断斜視図である。
【図10】従来の固定金物の例を示す図で、(a)はスラブプレート、(b)はマルカンを示す。
【図11】図10(a)のスラブプレートを梁上に溶接固定する方法を説明する図である。
【図12】固定金物の改良例を示す図で、(a)はスラブプレートの両端に突出片を設けた例、(b)は平板体の中央に突出片を設けた例を示す。
【図13】図12(a)に示す固定金物を使用して、パネルの目地部を固定する例を示す一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明の具体例を図面に従って説明する。
なお、本発明で使用するパネルとしては、ALCパネル、中空パネルおよびPCパネルなどが挙げられ、これらを建築物の屋根または床として使用する場合があるが、以下はその代表例としてALCパネルを屋根として使用する場合について説明する。
まず、本発明のパネルの取付構造について説明する。
図1は本発明のパネルの取付構造の一例を示す一部破断斜視図である。本発明のパネルの取付構造10は、座掘部2cを設けたALCパネル2を建築物駆体の梁1上に水平に配列し、該梁1上にネジ孔を有する取付金物3をネジ孔の軸方向が垂直になるように固定し、該取付金物3に座金4を介してボルト5を螺合させ、ALCパネル2を前記梁1と前記座金4との間で狭持した取付構造である。
【0014】
図2は、図1に示す取付構造で使用した本発明の取付金物の一例を示す外観斜視図である。
図2に示す取付金物3は、平鋼片6からなり、上面6aにネジ穴7が設けてある。また、取付金物5は安定して自立させ、かつ通常20mm程度の目地幅に埋設させるためには厚さ(W)は8〜20mm程度とするのが適当である。安定して自立させるためにはさらに取付金物の高さ(H)を、高さ(H)と厚さ(W)との比:H/Wを3以下に構成するのが好ましい。取付金物をこのように構成することにより、取付金物の重心位置は厚さ方向のほぼ中央になる。梁上に取り付け金物を安定して自立させるために、底面6bは平滑面にしておく必要がある。金具の長さ(L)は、溶接長を確保できるよう30mm以上が望ましい。
【0015】
図3は、図1の取付金物を含む線A−A’に沿った断面図である。図3に示すとおり建築物駆体の梁1上にネジ孔を有する取付金物3をネジ孔の軸方向が垂直になるように固定し、両側から座掘部2cを設けたALCパネル2を水平に配列し、該梁1上に該取付金物3に座金4を介してボルト5を螺合させ、ALCパネル2を前記梁1と前記座金4との間で狭持している。ここで取付金物3の背面はALCパネル2の一方の端面に当接し、取付金物3の他の面の下部は溶接により梁1に固定されている。図中17は目地部を、18は溶接ビートを示す。
【0016】
図4は取付金物の他の例を示す外観斜視図である。図4に示す取付金物31は、縦長の平鋼片からなり、平面6cの上部に穴8が設けてある。梁上で取付金物を安定して自立させるために、取付金物31の底面6bも平滑面にしておく必要がある。また、取付金物31は安定して自立させ、かつ通常20mm程度の目地幅に埋設させるためには厚さ(W)は8〜20mm程度とするのが適当である。安定して自立させるためにはさらに取付金物の高さ(H)を、高さ(H)と厚さ(W)との比:H/Wを3以下にするのが好ましい。取付金物をこのように構成することにより、取付金物の重心位置は厚さ方向のほぼ中央になる。梁上に取り付け金物を安定して自立させるために、底面6bは平滑面にしておく必要がある。金具の長さ(L)は、溶接長を確保できるよう30mm以上が望ましい。
穴8は目地鉄筋25を貫通させてALCパネルの目地部を固定するのに使用する。
【0017】
図5は、取付金物31を使用してALCパネルの目地部を固定する場合の取付金物を含む線に沿った断面図である。
建築物駆体の梁1上にネジ孔を有する取付金物31をネジ孔の軸方向が垂直になるように固定し、両側からALCパネル2を水平に配列してある。取付金物31の穴8には目地鉄筋25を貫通させてあり、該目地鉄筋25をALCパネルの目地部にくるように配置して、ALCパネルの目地部を固定している。ここでも取付金物3の背面はALCパネル2の一方の端面に当接し、取付金物3の他の面の下部は溶接により梁1に固定されている。図中18は溶接ビートを示す。
【0018】
図6は、取付金物の他の例を示す外観斜視図であって、(a)の取付金物32はネジ穴7が取付金物上面32aの端部に設けられているもの、(b)の取付金物33は取付金物上面33aの中央にネジ穴7が、該ネジ穴7の下端にネジ穴7に直行する方向に穴8が取付金物の平面33cに向けて貫通させてある。
これら(a)、(b)の取付金物においても、安定して自立させかつ通常20mm程度の目地幅に埋設させるためには厚さ(W)8〜20mm程度とするのが適当である。安定して自立させるためにはさらに取付金物の高さ(H)を、高さ(H)と厚さ(W)との比:H/Wを3以下にするのが好ましい。取付金物をこのように構成することにより、取付金物の重心位置は厚さ方向のほぼ中央になる。梁上に取り付け金物を安定して自立させるために、底面33bは平滑面にしておく必要がある。金具の長さ(L)は、溶接長を確保できるよう30mm以上が望ましい。
【0019】
図7は、本発明のパネルの取り付け方法の施工手順を説明する図である。
まず、梁1上にALCパネル2−1、2−1,・・・を敷き込む。次に取付金物3−1,3−1・・・をALCパネル2−1、2−1,・・・の短辺小口面に当接させて梁上に載置する。しかる後に取付金物3−1,3−1・・・の片側下部を直交方向に巻き込み溶接を行う。なお、この溶接作業は、通常は作業用足場を組まずに作業者がパネル上に乗った状態で行う。
取付金物3−1,3−2は、平坦な底部を有し安定した形状をなしているので、梁上に鉛直に自立することができる。梁上に鉛直に自立することで角度を正確に保ちながら溶接できる。
取付金物の固定方法としては溶接が一般的であり、梁上に敷き込んだパネル上に乗って溶接作業を行うことで、作業用足場を組む必要がなくなり、かつ安全である。前記取付金物を梁上に載置する際、予めパネルが梁上に敷き込まれており、該パネル側面に取付金物を略当接させるとともに、取付金物がパネルに接していない3側面の下部を梁に溶接固定することで強度が確保できる。
【0020】
図8は、取付金物を梁上に溶接固定する方法を説明する図である。図8(a)は図2に示した横長で上面にネジ穴7を備えた取付金物3を溶接固定する場合、図8(b)は図4に示した縦長で平面に穴8を備えた取付金物31を溶接固定する場合を示している。いずれの場合にも、取付金物の背面をALCパネルの小口面に当接させ、取付金物下端の3方を直交方向に巻き込み溶接を行うことが有効である。
図中18は溶接ビートである。
【0021】
取付金物3−1,3−1・・・の溶接固定が終わったら、次のALCパネル2−2、2−2,・・・を梁1上に敷き込む。しかる後上記と同様にして取付金物3−2,3−2・・・をALCパネル2−2、2−2,・・・の短辺小口面に当接させて梁上に載置し、取付金物がパネルに接していない3側面の下部を梁に溶接固定する。
以上の作業を繰り返し、必要なALCパネルを敷き込む。
【0022】
本発明のALCパネルの取付方法によれば、取付金物を溶接固定する際に、取付金物の片側下部を直交方向に巻き込み溶接を行う方法であるため、ALCパネルを敷き込んだ後に金物を溶接固定することが可能となり、よって溶接作業を梁上に敷設したALCパネルに乗って行うことで足場が不要となり、高所作業の危険性を軽減するとともに、作業能率の向上を図ることができる。従って、特に屋根パネルや床パネル等の用途において極めて有用である。
【符号の説明】
【0023】
1 梁
2 ALCパネル
3 取付金物
4 座金
5 ボルト
6 平鋼片
7 ネジ穴
8、27 穴
10 取付構造
17 目地部
18 溶接ビート
20 平鋼片
21 丸棒鋼
22 突出片
24 スラブプレート
25 目地鉄筋
28 丸カン
31、32、33、34 取付金物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量気泡コンクリートパネルを建物駆体の梁上に水平に敷き並べ、梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造に使用するための取付金物であって、平坦な底部を有し、以て梁上に自立した状態で安定して載置可能に構成してなることを特徴とするパネルの取付金物。
【請求項2】
前記取付金物が、厚さ8mm以上20mm以下、長さが30mm以上の平鋼板からなり、高さと厚さの比が3以下であることを特徴とする請求項1に記載のパネルの取付金物。
【請求項3】
前記取付金物が、ナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有することを特徴とする請求項1または2に記載のパネルの取付金物。
【請求項4】
軽量気泡コンクリートパネルを梁上に水平に敷き並べ、建物駆体の梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造であって、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を建物駆体の梁に溶接固定し、以て軽量気泡コンクリートパネルを挟持してなることを特徴とするパネルの取付構造。
【請求項5】
軽量気泡コンクリートパネルを梁上に水平に敷き並べ、建物駆体の梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造であって、前記請求項3に記載の平坦な底部を有し、ナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を建物駆体の梁に溶接固定し、該取付金物に座金若しくは目地鉄筋を介して軽量気泡コンクリートパネルを挟持してなることを特徴とするパネルの取付構造。
【請求項6】
軽量気泡コンクリートパネルを建物駆体の梁上に水平に敷き並べ、該梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定するパネルの取付方法であって、前記請求項1から請求項3に記載の平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を梁上に載置する際、予め軽量気泡コンクリートパネルが梁上に敷き込まれており、該軽量気泡コンクリートパネル側面に前記取付金物を略当接させるとともに、該取付金物が軽量気泡コンクリートパネルに接していない3側面の下部において梁に溶接固定した後、別の軽量気泡コンクリートパネルを敷き詰める操作を順次繰り返すことを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの取付方法。
【請求項1】
軽量気泡コンクリートパネルを建物駆体の梁上に水平に敷き並べ、梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造に使用するための取付金物であって、平坦な底部を有し、以て梁上に自立した状態で安定して載置可能に構成してなることを特徴とするパネルの取付金物。
【請求項2】
前記取付金物が、厚さ8mm以上20mm以下、長さが30mm以上の平鋼板からなり、高さと厚さの比が3以下であることを特徴とする請求項1に記載のパネルの取付金物。
【請求項3】
前記取付金物が、ナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有することを特徴とする請求項1または2に記載のパネルの取付金物。
【請求項4】
軽量気泡コンクリートパネルを梁上に水平に敷き並べ、建物駆体の梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造であって、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を建物駆体の梁に溶接固定し、以て軽量気泡コンクリートパネルを挟持してなることを特徴とするパネルの取付構造。
【請求項5】
軽量気泡コンクリートパネルを梁上に水平に敷き並べ、建物駆体の梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定する取付構造であって、前記請求項3に記載の平坦な底部を有し、ナット部、ボルト部、貫通孔の内の少なくとも一つ以上を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を建物駆体の梁に溶接固定し、該取付金物に座金若しくは目地鉄筋を介して軽量気泡コンクリートパネルを挟持してなることを特徴とするパネルの取付構造。
【請求項6】
軽量気泡コンクリートパネルを建物駆体の梁上に水平に敷き並べ、該梁に固定した取付金物を介して軽量気泡コンクリートパネルを梁に固定するパネルの取付方法であって、前記請求項1から請求項3に記載の平坦な底部を有し、梁上に自立した状態で安定して載置可能な取付金物を梁上に載置する際、予め軽量気泡コンクリートパネルが梁上に敷き込まれており、該軽量気泡コンクリートパネル側面に前記取付金物を略当接させるとともに、該取付金物が軽量気泡コンクリートパネルに接していない3側面の下部において梁に溶接固定した後、別の軽量気泡コンクリートパネルを敷き詰める操作を順次繰り返すことを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの取付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−275745(P2010−275745A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128041(P2009−128041)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(399117730)住友金属鉱山シポレックス株式会社 (195)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(399117730)住友金属鉱山シポレックス株式会社 (195)
【Fターム(参考)】
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