説明

農作業機の延長補助整地板回動装置

【課題】損傷等した連動アームを交換する場合、コストの増大を抑えることが可能な農作業機の延長補助整地板回動装置を提供する。
【解決手段】機体5に回転自在に支持された耕耘ロータの上部を覆うシールドカバー23に上下方向に回動自在に支持された第1延長整地板24の後端部に回動可能に支持された第2延長整地板の機体幅方向の端部に前後方向に延びる軸部を回動中心として回動自在に設けられた延長補助整地板を備えた代掻き作業機1において、シールドカバー23に、正逆回転用モータ43とこの回転軸に取り付けられた歯車伝動機構47と歯車伝動機構47の出力側の大歯車50に取り付けられたジョイント60を設けてユニット化し、シールドカバー23に、ジョイント60に接続されてジョイント60の回動に伴って回動する連動アーム53をユニット化された正逆回転用モータ43等と別体に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘ロータの耕耘幅より広い幅に亘って圃場の表面を平らに整地可能な延長補助整地板を回動させる農作業機の延長補助整地板回動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような延長補助整地板回動装置を備えた農作業機としては、特許文献1に記載されているように、機枠に耕耘ロータを回転可能に設け、この機枠に耕耘ロータの上部を覆うカバー部を設け、耕耘ロータの進行方向後側に配置されてカバー部の後端部に第1整地板を回動自在に設け、第1整地板の後端部に第2整地板を回動可能に設け、第2整地板の機体幅方向の端部に前後方向に延びる軸部を回動中心として延長補助整地板を回動可能に設けたものが知られている。
【0003】
延長補助整地板回動装置は、機体幅方向に延びる主枠に取り付けられたブラケットに連動アームを回動自在に軸支し、この連動アームに連動体を介して延長補助整地板を連結し、ブラケットに連動アームを回動させる正逆回転用モータを設け、このモータを制御する遠隔操作用のスイッチをトラクタの運転席に設けて構成されている。
【0004】
連動アームはその回動中心側に歯車体が一体的に形成され、歯車体はモータに設けられたウォームギアに歯合するピニオンに歯合されている。このため、モータが回転すると、ウォームギア、ピニオンを介して歯車体が回動して、連動アームが歯車体側を回動中心として回動して延長補助整地板を第2整地板の上方に折り畳んだ折り畳み位置と第2整地板の長手方向の側方に張り出した展開位置との間で回動させることができる。
【0005】
【特許文献1】特許2872530号公報(段落0009〜0017、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来の延長補助整地板回動装置では、延長補助整地板上に多量の泥土等が載置された状態で延長補助整地板を折り畳み位置側へ回動させると、連動アームに過負荷が作用して、連動アームが曲がったり破損したりする虞がある。この場合に、一体成形された歯車体を有した連動アームを交換するのは非経済的である。
【0007】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、損傷等した連動アームを交換する場合、コストの増大を抑えることが可能な農作業機の延長補助整地板回動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため、本発明は、機体に回転可能に支持された耕耘ロータ(例えば、実施形態における耕耘ロータ11')と、機体に設けられ耕耘ロータの上部を覆うカバー部(例えば、実施形態におけるシールドカバー23)と、耕耘ロータの進行方向後側に配置されてカバー部に上下方向に回動自在に支持された第1整地板(例えば、実施形態における第1延長整地板24)と、該第1整地板の後端部に回動可能に支持された第2整地板(例えば、実施形態における第2延長整地板25)と、該第2整地板の機体幅方向の端部に前後方向に延びる軸部を回動中心として回動自在に設けられた延長補助整地板を備えた農作業機(例えば、実施形態における代掻き作業機1)において、カバー部に設けられた正逆回転用モータと、正逆回転用モータの回転軸に取り付けられた歯車伝動機構と、カバー部に回動自在に支持されて歯車伝動機構からの回転力を受けて回動する連動アームと、連動アームと延長整地板との間に接続された連結体とを有し農作業機の延長補助整地板回動装置であって、歯車伝動機構のうちの出力側の歯車(例えば、実施形態における大歯車50)に該歯車の回動中心軸と略同軸上に配置されて歯車の回動とともに回動可能なジョイントを設け、連動アームは、ジョイントに接続されて該ジョイントの回動に伴って回動し、延長補助整地板を第2整地板の上方に折り畳んだ折り畳み位置と第2整地板の長手方向の側方に張り出した展開位置との間を回動させることを構成要件とする。
【0009】
正逆回転用モータは、耕耘ロータの側部を覆う側板部やカバー部の上部等に設けられる。歯車伝動機構は、入力側が正逆回転用モータの回転軸に設けられた歯車と、この歯車に噛合する他の歯車等を有して構成される。具体的には、歯車伝動機構は、正逆回転用モータ側の歯車(例えば、実施形態における小歯車49)に対して出力側の歯車が減速可能なギア比を有して構成される(請求項3)。ギア比は延長補助整地板の回動速度に応じて設定される。
【0010】
ジョイントは、歯車と連動アームを連結して歯車の回動力を連動アームに伝達する機能を有するものである。具体的には、ジョイントは、歯車に一体的に取り付けられてキャップ状をなし、組立時においてキャップ状の部分を連動アームの上方から装着し、ジョイントに設けられた切り欠き部を連動アームのアーム部に係合し、歯車の回動力が切り欠き部を介して連動アームに伝達される。このように、歯車にジョイントを設け、連動アームには歯車が設けられない。このため、連動アームの構造を簡素化することができ、連動アームのコストを安価にすることができる。
【0011】
正逆回転用モータ、歯車伝動機構、ジョイントはユニット化され、連動アームは、ユニット化された正逆回転用モータ、歯車伝動機構、ジョイントとは別体に設けられる(請求項2)。例えば、ユニット化された正逆回転用モータ等がカバー部に設けられた場合、連動アームはユニット化された正逆回転用モータ等が設けられた部材と同じ部材又は異なる部材のいずれでもよい。連動アームをユニット化された正逆回転用モータ等と別体に設けることで、連動アームを交換する際にユニット化された正逆回転用モータ等を分解する必要がなく、連動アームの交換作業を容易に行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係わる農作業機の延長補助整地板回動装置によれば、歯車伝動機構のうちの出力側の歯車に該歯車の回動中心軸と略同軸上に配置されて歯車の回動とともに回動可能なジョイントを設け、連動アームは、ジョイントに接続されてジョイントの回動に伴って回動することで、連動アーム自体には歯車伝動機構の歯車と噛合する歯車体が形成されていないので、連動アームの構造を簡素化することができ、連動アーム自体のコストを安価にすることができる。このため、連動アームが損傷して連動アームの交換が必要になっても、コストアップを抑えた農作業機の延長補助整地板回動装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。先ず、本発明に係る延長補助整地板回動装置を説明する前に、延長補助整地板回動装置を搭載した農作業機の一例である代掻き作業機について説明する。
【0014】
代掻き作業機1は、図2(平面図)、図3(側面図)に示すように、機体前進方向に対して左右方向の中央部に配置された作業機本体2と、この左右両端部に上下方向に回動可能に取り付けられた延長作業体20と、延長作業体20の左右方向の外側端部に前後方向に延びる軸部21を回動中心として上下方向に回動可能に取り付けられた延長補助整地板30とを備え、作業機本体2及び延長作業体20,20によって3分割構造になっている。
【0015】
作業機本体2は、左右方向に延びる主フレーム3を有した機体5の前部に、走行機体90の後部に設けられた図示しない3点リンク連結機構に連結されるトップマスト4aとロアーリンク連結部4bを設けて、走行機体90の後部に対して昇降可能に装着される。主フレーム3の左右方向の中央部には前方へ突出する入力軸6aを備えたギアボックス6が設けられ、走行機体90のPTO軸からユニバーサルジョイント等の動力伝達手段を介して動力が入力軸6aに伝達されるようになっている。
【0016】
主フレーム3の進行方向左側端部には、チェーン伝動ケース8が垂設され、主フレーム3の右側端部には側部フレーム9がチェーン伝動ケース8と対向して垂設されている。チェーン伝動ケース8に接続された主フレーム3の左側部及びチェーン伝動ケース8内には伝動機構が設けられ、チェーン伝動ケース8と側部フレーム9の下端部間に多数の耕耘爪を取り付けた耕耘ロータ11が回転自在に設けられている。そして、入力軸6aに伝達された動力は、ギアボックス6を介して主フレーム3及びチェーン伝動ケース8内の伝動機構に伝達されて、耕耘ロータ11を所定方向に回転させる。耕耘ロータ11の上側はシールドカバー12によって覆われ、このシールドカバー12の左右方向両端部には側部カバー13が設けられている。
【0017】
シールドカバー12の後端部には、前端部が上下方向に回動自在に取り付けられて後側が斜め下方へ延びる第1整地板15が取り付けられている。第1整地板15の後端部15aは左右方向に略直線状に形成されており、この後端部15aによって耕土表面を平らに整地する。第1整地板15の後端部15aには、第2整地板17が上下方向に回動自在に取り付けられている。第2整地板17は板状に形成され、その裏面が圃場の表面に接触しながら耕土表面を平らに整地する。第2整地板17の左右両端部には、軸部18を回動中心として回動自在な延長作業体20,20が設けられている。
【0018】
延長作業体20,20は、左右対称の構造であり、左右に配設された一対の側板22間に回転自在に支持された耕耘ロータ11'と、耕耘ロータ11'の上部を覆い一対の側板22間に配設されたシールドカバー23と、耕耘ロータ11'の進行方向後側に配置されてシールドカバー23に上下方向に回動自在に支持された第1延長整地板24と、第1延長整地板24の後端部に回動可能に支持された第2延長整地板25を有してなる。
【0019】
第1延長整地板24は、第1整地板15と同様に構成され、第1延長整地板24の後端部24aによって耕土表面を平らに整地する。第2延長整地板25は、前述した第2整地板17と同様に構成されて整地作業を行う。この第2延長整地板25は延長作業体20の展開姿勢時に第2整地体17の外端部に接合して連結され、第2延長整地板25の折り畳み姿勢時には第2整地体17の外端部から離反して第2整地体17との接合が解除されるようになっている。
【0020】
また第2延長整地板25の外端部には、前述した延長補助整地板30が設けられている。この延長補助整地板30は、第2延長整地板25に延設された軸部21を回動中心として回動して、展開状態時には第2延長整地板25の外側に延びて第2延長整地板25の整地作業を補助し、折り畳んだ状態(不使用状態)時には第2延長整地板25の表面側に折り畳まれて第2延長整地板25と重なった状態となる。
【0021】
この延長補助整地板30を回動させる延長補助整地板回動装置40が延長作業体20のシールドカバー23上に設けられている。延長補助整地板回動装置40は、図1(部分断面図)及び図4(平面図)に示すように、シールドカバー23上に取り付けられた台座41と、台座41上に設けられた正逆回転用モータ43と、正逆回転用モータ43の回転軸に取り付けられた歯車伝動機構47と、台座41に臨むシールドカバー23上に回動自在に支持された連動アーム53と、連動アーム53と延長補助整地板30との間に接続された連結体57とを有してなる。
【0022】
台座41は、板金等を折り曲げて形成され、モータ等を取り付ける平面部41aと平面部41aの幅方向両側から下方に屈曲して下方へ延びる脚部41bとを有してなる。脚部41bはボルト41cによってシールドカバー23上に着脱可能に取り付けられている。正逆回転用モータ43は、巻線に供給される電流によってモータの回転軸が正逆回転するモータ本体部43aを有し、モータ本体部43aには回転軸の回転を減速して出力軸に伝達する歯車伝動機構47の一部をなす減速機構48が一体的に取り付けられている。
【0023】
正逆回転用モータ43は、減速機構48が平面部41aの幅方向端部に配置されるように図示しないブラケットを介して台座41の平面部41a上に取り付けられている。正逆回転用モータ43には遠隔操作用のスイッチ44が電気的に接続され、このスイッチ44は走行機体90(図2参照)の運転席の近くに配置されている。よって、スイッチ44の操作によって正逆回転用モータ43を駆動させると、連動アーム53が回動して延長補助整地板30を回動させることができる。
【0024】
減速機構48は、正逆回転用モータ43の回転軸に取り付けられたウォームギア(図示せず)と、ウォームギアに噛合する小歯車(ピニオン)49を有してなる。この小歯車49は平面部41aに回転自在に支持されて小歯車49よりも大径の大歯車50に噛合している。大歯車50は、平面部41aの後側に回動自在に支持されている。大歯車50の取付構造については後述する。つまり、ウォームギア、小歯車49、大歯車50によって歯車伝動機構47が構成されている。小歯車49と大歯車50のギア比は、正逆回転用モータ43の回転数と連動アーム53の回動速度から設定される。
【0025】
大歯車50の下面には、大歯車50の回転中心軸と同軸上に配置されて下方へ延びるジョイント60が溶接等によって一体的に取り付けられている。平面部41aにはこれを貫通した状態で支持されたスリーブ61が固着されており、このスリーブ61内にジョイント60が挿入されるとともに大歯車50の下面がスリーブ61の上部に載せられた状態で、大歯車50とジョイント60がスリーブ61に対して一体的に回動可能に支持されている。
【0026】
ジョイント60は、キャップ状に形成され、図6(側面図)に示すように、下部に連動アーム53のアーム部53aを通す逆U字状の切り欠き部60aが設けられている。切り欠き部60aはアーム部53aの断面形状よりも大きく、切り欠き部60aにアーム部53aが挿通された状態でアーム部53aと切り欠き部60aの内面との間に僅かの隙間が形成されるように構成されている。このため、正逆回転用モータ43が駆動すると、小歯車49及び大歯車50を介して減速されたジョイント60が回動し、切り欠き部60aの内面が連動アーム53のアーム部53aに当接して連動アーム53を回動させる。ジョイント60の形状は、キャップ状に限らず、筒状、角筒状でもよい。
【0027】
このように正逆回転用モータ43、歯車伝動機構47、ジョイント60は、台座41に対して一体的に取り付けられてユニット化されている。このユニット化された正逆回転用モータ43等は、図5に示すように平面視矩形状のカバー55によって覆われる。
【0028】
連動アーム53は、図1に示すように、端部に設けられ円筒状の回動部53bと、回動部53bの側面から略水平方向に張り出すアーム部53aを有して構成されている。回動部53bは、平面部41aに臨むシールドカバー23に突設された軸部26に滑り軸受け27を介して挿着されて、軸部26を回動中心として回動自在である。この回動部53bから張り出すアーム部53aの回動部側がジョイント60の切り欠き部60aに挿通される。
【0029】
軸部26は、シールドカバー23に設けられたジョイント60の内側の孔60bに挿入可能な位置に設けられ、ジョイント60の孔60bは、回動部53bよりも大径に形成されている。このため、軸部26に対してジョイント60の位置が多少ずれても軸部26にジョイント60を挿着することができ、延長補助整地板回動装置40の組み立てを容易にしている。また図面では回動部53bが軸部26から抜脱しないように、軸部26の上端部にスペーサ62を装着したボルト63が取り付けられて、回動部53bの上方への移動を規制している。さらに台座41の平面部41aにはボルト64の軸部64aが平面部41aの下面から下方へ突出するようにボルト64が取り付けられている。この突出した軸部64aに連動アーム53のアーム部53aが当接して連動アーム53の反時計方向側への回動を規制して、折り畳まれた状態の延長補助整地板30に連結体57を介して不要な負荷が作用する事態を未然に防止している。
【0030】
連動アーム53の先端部には、図4(平面図)に示すように、連結体57としてのワイヤの一端部が取り付けられ、ワイヤの他端部が延長補助整地板30の前側端部に取り付けられている。
【0031】
このように連動アーム53は、ユニット化された正逆回転用モータ43等と同じシールドカバー23に取り付けられているが、ユニット化された正逆回転用モータ43等と別体に設けられている。
【0032】
このように構成された延長補助整地板回動装置40をシールドカバー23に設ける場合には、図1及び図4に示すように、シールドカバー23に突設された軸部26に連動アーム53の回動部53bを挿着し、台座41に正逆回転用モータ43、歯車伝動機構47の大歯車50、ジョイント60を取り付けてユニット化し、ユニット化された正逆回転用モータ43等をシールドカバー23の所定位置に取り付ける。この際、ジョイント60の孔60b内に連動アーム53の回動部53bを挿入する。そして、連動アーム53の先端部と延長補助整地板30との間に連結体57を接続する。
【0033】
一方、連動アーム53を軸部26から取り外す場合には、ユニット化された正逆回転用モータ43等をシールドカバー23から取り外し、軸部26の上部に螺合するボルト63を取り外し、連動アーム53の回動部53bを軸部26から抜脱する。
【0034】
また延長補助整地板30を展開した状態で代掻き作業を行う場合には、圃場において延長作業体20,20を展開姿勢にし(図2参照)、延長補助整地板回動装置40のスイッチ44を操作して正逆回転用モータ43を駆動し、歯車伝動機構47を介してジョイント60を時計方向に回動し(図4参照)、連動アーム53を回動させて連結体57を介して延長補助整地板30を回動して展開状態にする。
【0035】
代掻き作業機1の全体が展開姿勢になると、代掻き作業機1を装着した走行機体90を前進させ、耕耘ロータ11、11'よって圃場の耕土が耕耘され、第1整地板15及び第2整地板17によって圃場表面が均平にされる。また耕耘ロータ11、11'の軸方向外側の耕土表面は延長補助整地板30によって均平にされる。
【0036】
このように、本願発明の延長補助整地板回動装置40の連動アーム53は、ジョイント60を介して歯車伝動機構47に連結されるので、ジョイント60を連動アーム53の回動部53bから引き抜くだけで歯車伝動機構47との連結状態を容易に解くことができる。また連動アーム53は回動部53bとアーム部53aからなる簡素な構造であるので、連動アーム53自体のコストを安価にすることができる。従って、連動アーム53に過負荷等が作用して連動アーム53が損傷しても、これを簡単に交換することができ、またコストの増大を抑えることが可能な延長補助整地板回動装置40を提供することができる。
【0037】
なお、前述した実施の形態では、ユニット化された正逆回転用モータ43等と連動アーム53をシールドカバー23に設けた場合を示したが、これらの取り付け位置はこれに限るものではない。ユニット化された正逆回転用モータ43等を主フレーム3に取り付け、連動アーム53をシールドカバー23に取り付けたり、ユニット化された正逆回転用モータ43等を延長作業体20の幅方向外側端部の側板22に取り付け、連動アーム53をシールドカバー23に取り付けたりしてもよい。
【0038】
また、前述した実施の形態では、図1に示すように、連動アーム53は、大歯車50に一体化されたジョイント60に設けられた切り欠き部60aに連動アーム53のアーム部53aを挿通することで、大歯車50と連動アーム53を連結状態にする場合を示したが、大歯車50と連動アーム53との連結はスプライン軸とこれが嵌合するスプライン溝を利用してもよい。具体的には、図7に示すように、大歯車50の裏側に筒状の支持部67を一体的に取り付け、下側が回動部53bの内面に形成されたスプライン溝53cに嵌合可能なスプライン軸68bを形成した軸部68を挿着し、下側のスプライン軸68bが形成された部分を回動部53bに挿入して、軸部68を介して大歯車50と連動アーム53とを連結してもよい。
【0039】
さらに前述した実施の形態では、延長作業体20が作業機本体2に対して折り畳み可能な構造の代掻き作業機1を例にしたが、延長作業体20を無くし作業機本体2の幅方向端部に延長補助整地板30を回動自在に取り付けてなる代掻き作業機でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】代掻き作業機に搭載された本発明の延長補助整地板回動装置の部分断面背面図である。
【図2】本発明の延長補助整地板回動装置を搭載した代掻き作業機の平面図である。
【図3】本発明の延長補助整地板回動装置を搭載した代掻き作業機の側面図である。
【図4】代掻き作業機に搭載された本発明の延長補助整地板回動装置の内部が露出した状態の平面図を示す。
【図5】代掻き作業機に搭載された本発明の延長補助整地板回動装置の平面図を示す。
【図6】代掻き作業機に搭載された本発明の延長補助整地板回動装置の側面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の延長補助整地板回動装置の部分断面背面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 代掻き作業機(農作業機)
5 機体
11' 耕耘ロータ
21 軸部
23 シールドカバー(カバー部)
24 第1延長整地板(第1整地板)
25 第2延長整地板(第2整地板)
30 延長補助整地板
40 延長補助整地板回動装置
43 正逆回転用モータ
47 歯車伝動機構
49 小歯車(歯車)
50 大歯車(歯車)
53 連動アーム
57 連結体
60 ジョイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に回転可能に支持された耕耘ロータと、前記機体に設けられ前記耕耘ロータの上部を覆うカバー部と、前記耕耘ロータの進行方向後側に配置されて前記カバー部に上下方向に回動自在に支持された第1整地板と、該第1整地板の後端部に回動可能に支持された第2整地板と、該第2整地板の機体幅方向の端部に前後方向に延びる軸部を回動中心として回動自在に設けられた延長補助整地板を備えた農作業機において、前記カバー部に設けられた正逆回転用モータと、前記正逆回転用モータの回転軸に取り付けられた歯車伝動機構と、前記カバー部に回動自在に支持されて前記歯車伝動機構からの回転力を受けて回動する連動アームと、前記連動アームと前記延長補助整地板との間に接続された連結体を有した農作業機の延長補助整地板回動装置であって、
前記歯車伝動機構のうちの出力側の歯車に該歯車の回動中心軸と略同軸上に配置されて前記歯車の回動とともに回動可能なジョイントを設け、
前記連動アームは、前記ジョイントに接続されて該ジョイントの回動に伴って回動し、前記延長補助整地板を前記第2整地板の上方に折り畳んだ折り畳み位置と前記第2整地板の長手方向の側方に張り出した展開位置との間を回動させることを特徴とする農作業機の延長補助整地板回動装置。
【請求項2】
前記正逆回転用モータ、前記歯車伝動機構、前記ジョイントはユニット化され、
前記連動アームは、ユニット化された前記正逆回転用モータ、前記歯車伝動機構、前記ジョイントとは別体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の農作業機の延長補助整地板回動装置。
【請求項3】
前記歯車伝動機構は、前記正逆回転用モータ側の歯車に対して前記出力側の歯車が減速可能なギア比を有して構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の農作業機の延長補助整地板回動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−124794(P2010−124794A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304951(P2008−304951)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(390010836)小橋工業株式会社 (198)
【Fターム(参考)】