農作業機用無線受信制御装置及び農作業機用リモコン装置
【課題】無線受信制御装置の電源スイッチを入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる農作業機用無線受信制御装置及び農作業機用リモコン装置を提供する。
【解決手段】農作業機用無線受信制御装置70は、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置60からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段を備え、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段200aを備える。
【解決手段】農作業機用無線受信制御装置70は、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置60からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段を備え、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段200aを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機の作動を制御する電子基板を備えた無線受信制御装置及び無線受信制御装置が設けられた農作業機を遠隔操作するための指令信号を送信する農作業機用リモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、耕耘作業や畦塗り作業等の農作業を行う場合、これらの農作業に対応した農作業機を走行機体の後部に接続し、走行機体の走行とともに農作業機が進行して、これら各種の農作業が行われる。このような農作業機には、走行機体の運転席に搭乗した作業者が遠隔操作によって農作業機を操作可能に構成されたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
この遠隔操作が可能な農作業機用制御装置は、走行機体の運転席等に設けられた指令装置(リモコン装置)と、農作業機に設けられ、指令装置からの指令信号に応じて農作業機の作動を制御する受信制御装置とを有してなる。指令装置と受信制御装置は電線等を介して電気的に接続された有線方式や、指令装置の操作指令を無線信号によって受信制御装置に伝達する無線方式がある。
【0004】
受信制御装置は、指令装置からの指令信号に応じて農作業機の作動を制御する電子基板を内部に収容した制御ボックスを備えている。有線方式の場合、制御ボックスに収容された電子基板に電線等が接続されて指令装置からの指令信号が電子基板に伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−337102公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の無線受信制御装置とリモコン装置(指令装置)では、それらの装置の電源を入れる順番に関係なく、通信が確立する設定であった。そのような場合、リモコン装置の電源が入っており、指令スイッチがすでに押された状態で、無線受信制御装置の電源を入れたときに農作業機のその指令スイッチに対応する動作が、操作者が意図せずに、いきなり実行される可能性があるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、無線受信制御装置の電源スイッチを入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる農作業機用無線受信制御装置及び農作業機用リモコン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る農作業機用無線受信制御装置及び農作業機用リモコン装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
【0009】
第1の農作業機用無線受信制御装置(請求項1に対応)は、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段を備え、通信手段と制御手段への電力の供給をオンオフする電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
上記の農作業機用無線受信制御装置では、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段を備え、通信手段と制御手段への電力の供給をオンオフする電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段を備えているため、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に電源をオフするので、電源を入れる順番を間違えて、リモコン装置の電源が先に入っていたとしても、無線受信制御装置の電源スイッチを入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0011】
第2の農作業機用無線受信制御装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、リモコン装置の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータを記憶する記憶手段を備え、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、記憶手段からエラーコマンドデータを読み込み、通信手段から、エラーコマンドデータを載せた信号を送信することを特徴とする。
【0012】
第3の農作業機用無線受信制御装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー音を発するブザー手段を備えることを特徴とする。
【0013】
第4の農作業機用無線受信制御装置(請求項4に対応)は、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段と、ブザー音を発するブザー手段を備え、制御手段は、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー手段を駆動し、ブザー音を発することを特徴とする。
【0014】
第5の農作業機用無線受信制御装置(請求項5に対応)は、上記の構成において、好ましくは、リモコン装置の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータを記憶する記憶手段を備え、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、記憶手段からエラーコマンドデータを読み込み、通信手段から、エラーコマンドデータを載せた信号を送信することを特徴とする。
【0015】
第1の農作業機用リモコン装置(請求項6に対応)は、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられた、アンテナで受信した電波に含まれ得る指令信号に応じて農作業機の作動を制御する無線受信制御装置に、指令信号を含んだ電波を送信するリモコン装置であって、電源と、電源をオンオフする電源スイッチと、農作業機の各種作動を制御するための指令信号を送るための指令スイッチと、各種作動を制御するための指令信号データを記憶する記憶手段と、電源スイッチがオン状態のとき、指令信号を搬送するための電波を送信し、指令スイッチがオンされたとき指令信号データに基づいて指令信号を電波に載せて送信する通信手段と、指令スイッチに応じた指令信号データを記憶手段から読み込み、指令信号データを通信手段に送る制御手段を備え、制御手段は、通信手段が受信した無線受信制御装置からの返信の信号にエラーコマンドデータが載せられているか否かを判断する判断手段を備え、判断手段が返信の信号にエラーコマンドデータが載せられていると判断したときに電源をオフする電源停止手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係わる農作業機用無線受信制御装置によれば、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段を備え、通信手段と制御手段への電力の供給をオンオフする電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段を備えているため、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に電源をオフするので、無線受信制御装置の電源スイッチを入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0017】
また、本発明に係わる農作業機用無線受信制御装置によれば、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段と、ブザー音を発するブザー手段を備え、制御手段は、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー手段を駆動し、ブザー音を発し、エラーコマンドを送り続けるため、通信が確立せず、リモコン装置からの指令信号を受け付けないので、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、無線受信制御装置の電源スイッチを入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0018】
さらに、本発明に係わる農作業機用リモコン装置によれば、制御手段は、通信手段が受信した無線受信制御装置からの返信の信号にエラーコマンドデータが載せられているか否かを判断する判断手段を備え、判断手段が返信の信号にエラーコマンドデータが載せられていると判断したときに電源をオフする電源停止手段を備えるため、リモコン装置の電源がすでに入っており、リモコン装置からの信号を受信できる受信圏内で農作業機用無線受信制御装置の電源スイッチをオンにしたときは、農作業機用無線受信制御装置からエラーコマンドデータを載せた返信の信号が送られ、その返信の信号を受信したリモコン装置の電源は自動的にオフになるので、農作業機用無線受信制御装置の電源をオンにしたときにいきなり農作業機の動作が起こることがなくなり、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機の平面図を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機を示し、同図(a)は耕耘作業機の延長作業機体が格納位置にあるときの耕耘作業機の側面図であり、同図(b)は耕耘作業機の延長作業機体が作業位置にあるときの耕耘作業機の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機の背面図を示す。
【図4】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を示し、同図(a)は耕耘作業機が作業状態にあるときの無線受信制御装置の平面図であり、同図(b)は同図(a)のI−I矢視に相当する部分の断面図を示す。
【図5】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置の制御ボックスを示し、同図(a)は制御ボックスの裏面図であり、同図(b)は制御ボックスの長手方向の側面図であり、同図(c)は制御ボックスの幅方向の側面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機がキャスタスタンドに保持された状態にあるときの耕耘作業機の平面図を示す。
【図7】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載し、キャスタスタンドに保持された耕耘作業機を示し、同図(a)は耕耘作業機の延長作業機体が格納位置にあるときの耕耘作業機の側面図であり、同図(b)は耕耘作業機の延長作業機体が作業位置にあるときの耕耘作業機の側面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置の機能ブロック図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置の外観図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置の機能ブロック図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置の制御部の機能ブロック図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置における立ち上げ時制御プログラムと農作業機用無線受信制御装置によって実行される手順を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置における各スイッチが押されたときに制御プログラムによって実行される手順を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態に係る農作業機用リモコン装置における立ち上げ時制御プログラムと農作業機用無線受信制御装置によって実行される手順を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の第3実施形態に係る農作業機用リモコン装置における立ち上げ時制御プログラムと農作業機用無線受信制御装置によって実行される手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
先ず、農作業機用リモコン装置を説明する前に、無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機について説明する。なお、本実施例では、農作業機として、圃場の耕土を耕耘する耕耘作業機を例にして説明する。農作業機の例としては、耕耘作業機に限るものではなく、畦塗り作業機や溝掘り作業機でもよい。
【0022】
耕耘作業機1は、図1(平面図)、図2(a)(側面図)、図3(背面図)に示すように、走行機体90の後部に装着されて走行機体90の前進走行とともに進行して耕耘作業を行うものである。図2(a)は、耕耘作業機1の延長作業機体30が折り畳まれた状態にあるときの図1のIIa−IIa矢視に相当する耕耘作業機1の側面図を示す。なお、図2(a)には図面の理解を容易にする観点から延長作業機体30の記載を省略している。耕耘作業機1は、進行方向に対して左右方向(以下、単に「左右方向」と記す)に延びる作業機本体10と、作業機本体10の左右両側に上下方向に折り畳み自在に取り付けられた延長作業機体30を有して構成される。
【0023】
耕耘作業機1の作業機本体10は左右方向に延びる本体フレーム11を有する。本体フレーム11の前側には走行機体90の後部に設けられた3点リンク連結機構に連結されるトップマストとロアーリンク連結部が設けられて、耕耘作業機1は走行機体90の後部に対して昇降可能に装着される。
【0024】
本体フレーム11の左右方向の両側には伝動ケース14及びサポートフレーム15が設けられ、これらの下側間に耕耘ロータ17が回転自在に支持されている。また本体フレーム11の左右方向の両側には、前後方向に延びる側枠5が設けられ、側枠5の前端部には、走行機体90に対して耕耘作業機1を着脱するときに、その姿勢を一定に保持するためのキャスタ付スタンド7(図6(a)参照)を取り付けるためのホルダ16が設けられている。
【0025】
本体フレーム11の左右方向中央部には走行機体90からの動力を入力する入力軸19aを備えたギヤボックス19が設けられ、走行機体90から取り出された動力はユニバーサルジョイント等を介して入力軸19aに伝達される。入力軸19aに伝達された動力は、本体フレーム11及び伝動ケース14内に設けられた動力伝達機構を介して耕耘ロータ17を回転させる。
【0026】
耕耘ロータ17の上方にはシールドカバー18が配設され、シールドカバー18の後端部には前端部が回動自在に取り付けられて後側が斜め後方へ延びる本体側エプロン20が設けられている。本体側エプロン20の後端部には上下方向に回動自在に取り付けられた本体側レベラー22が設けられている。
【0027】
耕耘ロータ17は、伝動ケース14及びサポートフレーム15間に回転自在に支持された本体側回転軸17aに複数の耕耘爪を放射状に取り付け構成されている。耕耘ロータ17の本体側回転軸17aの両端部には、駆動側ドグクラッチ40が取り付けられている。
【0028】
延長作業機体30は、作業機本体10との間に連結された回動機構50を介して折り畳み可能であり、回動機構50に設けられ前後方向に延びる回動軸56を回動支点として、作業機本体10の上方位置に格納される格納位置と、作業機本体10の側方位置に配置されて作業が可能な作業位置Ps(図1参照)との間を回動可能である。
【0029】
回動機構50は、作業機本体10の延長作業機体30側の上部と延長作業機体30の作業機本体10側の上部との間に設けられたヒンジ機構部51と、作業機本体10の延長作業機体側端部の上部に回動自在に設けられた回動板53と、ロッド側端部が回動板53に枢結され、ボトム側端部が作業機本体10に枢結された回動シリンダ57を有してなる。回動シリンダ57は、電動油圧式であり、後述する無線受信制御装置によってその作動が制御される。
【0030】
延長作業機体30は、図1、図2(b)(側面図)、図3に示すように、左右方向に延びて回転自在に支持された延長耕耘ロータ32と、延長耕耘ロータ32の上方を覆う延長側シールドカバー33と、この後部に回動自在に設けられた延長側エプロン34と、延長側エプロン34の後端部に上下方向に回動自在に取り付けられた第1延長レベラー35と、第1延長レベラー35の端部に上下方向に回動自在に取り付けられた第2延長レベラー36とを有してなる。なお、図2(b)は、延長作業機体30が作業位置Psに位置するときの耕耘作業機1の側面図を示す。
【0031】
延長耕耘ロータ32は、耕耘ロータ17と同様に構成され、延長作業機体30の左右両側に設けた部材間に回転自在に支持された延長側回転軸に複数の耕耘爪を放射状に取り付けて構成されている。延長耕耘ロータ32の延長側回転軸の作業機本体側端部には、従動側ドグクラッチが取り付けられている。従動側ドグクラッチは、延長作業機体30が作業位置Psに移動したときに対向する駆動側ドグクラッチ40(図2(a)参照)と噛合可能に構成されている。
【0032】
延長作業機体30には延長作業機体ロック装置42が設けられている。この延長作業機体ロック装置42は、延長作業機体30が作業位置Psに移動すると、作業機本体10に対する延長作業機体30の回動をロックし、延長作業機体30が作業位置Psから格納位置側に移動すると、作業機本体10に対する延長作業機体30のロック状態を解除するようになっている。
【0033】
また、延長作業機体30は、これを作業位置Psに移動させると、作業機本体10の本体側エプロン20の左右方向端部に延長作業機体30の延長側エプロン34が連結されるとともに、作業機本体10の本体側レベラー22の左右方向端部に延長作業機体30の第1延長レベラー35が連結されるようになっている。さらに、作業位置Psに移動した延長作業機体30を格納位置側に移動させると、これらの連結が解除されるようになっている。
【0034】
第1延長レベラー35の左右方向端部には、前後方向に延びる回動軸を中心として上下方向に回動自在に取り付けられた第2延長レベラー36が設けられている。第2延長レベラー36は、第1延長レベラー35の上方位置に格納される格納位置と、第1延長レベラー35の側方位置に配置されて作業が可能な作業位置Ps(図1参照)との間を回動可能である。第2延長レベラー36は、延長作業機体30の延長側シールドカバー33上に設けられた回動装置44によって格納位置と作業位置Psとの間を回動可能である。
【0035】
回動装置44は、駆動モータ46と、駆動モータ46の駆動軸と第2延長レベラー36との間に接続され、駆動軸の回転によって第2延長レベラー36を回動させるリンク機構部45とを有してなる。駆動モータ46は、後述する無線受信制御装置によって作動が制御される。
【0036】
次に、本発明の本実施形態に係る無線受信制御装置について説明する。無線受信制御装置70は、耕耘作業機1の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令する手動操作式の無線指令装置(リモコン装置)60からの指令信号を受信し、受信した指令信号に応じて耕耘作業機1の作動を制御するものである。つまり、無線受信制御装置70は、無線指令装置60からの指令信号を受信する受信装置であるとともに、受信した指令信号に応じて耕耘作業機1の作動を制御するコントローラ装置でもある。
【0037】
先ず、無線受信制御装置70について説明する前に、無線指令装置60について概説する。無線指令装置60は、図1に示すように、走行機体90の運転席91に搭乗した作業者Mが操作できるように、複数の操作釦61の押圧操作に応じた操作指令の無線信号を出力するように構成されている。無線指令装置60は、作業者Mが手で把持可能な大きさを有した操作ボックス62を有し、この操作ボックス62の表面に複数の操作釦61が配設されている。操作ボックス62の内部には、無線信号を出力する信号出力部や、電源を供給するバッテリ等が収容され、操作釦61を押圧操作すると、操作釦61に応じた操作指令(コマンド)を無線信号で出力部から出力されるようになっている。無線信号は、FM波長域の微弱電波や赤外線等の無線媒体が用いられる。
【0038】
無線受信制御装置70は、図4(a)(平面図)、図4(b)(断面図)、図1に示すように、作業機本体10の本体フレーム11の左右方向一方側の端部に設けられた取付板71に固定されている。取付板71は、その裏面側の上部に脚部72が張り出すように設けられている。この脚部72は本体フレーム11に固着された逆U字状の固定部73にボルト74等の締結手段を介して固定されて、取付板71は本体フレーム11に固定されている。固定部73には、本体フレーム11と取付板71との間の隙間75や、本体フレーム11とシールドカバー18との間に形成された隙間76を塞ぐ補助カバー77がボルト74によって固定されて、これらの隙間75,76に水が侵入し難くしている。
【0039】
取付板71は、耕耘作業機1の作業状態において、上下方向上向きに傾斜する。この取付板71の傾斜角度θは、耕耘作業機1を装着する走行機体90の運転席に搭乗する作業者側に向く角度になっている。なお、取付板71は、その傾斜角度が調節可能に本体フレーム11に取り付けられてもよい。
【0040】
取付板71は、矩形状をなし、後述する制御ボックス82全体を設置可能な大きさを有する。取付板71の四隅には、制御ボックス82を取り付けるための貫通孔が設けられている。また取付板71の裏面の略中央部には、取付板71の裏側の上部から下部側に流れる水の向きを下方向に変えて流す水流方向変更板79が設けられている。水流方向変更板79は、板金等を折り曲げて形成され、取付板71の裏面に沿って上下方向に延びるとともに取付板幅方向に延びる固定部79aと、固定部79aの先端部から屈曲して斜め下方へ延びる方向変更部79bを有してなる。
【0041】
方向変更部79bは固定部79aに対して鈍角βを有して屈曲している。方向変更部79bの屈曲角度βは、取付板71の裏側の上部から下部側に流れる水が方向変更部79bに当たって向きを変えて下方へ流れて、取付板71の裏面側の下部に配置された後述する基板側コネクタ104及び駆動側コネクタ106に水が掛からない角度である。
【0042】
この取付板71上に無線受信制御装置70が取り付けられている。無線受信制御装置70は、内部に電子基板100を収容した制御ボックス82を有して構成される。制御ボックス82は、図5(a)(裏面図)、図5(b)(側面図)、図5(c)(側面図)に示すように、内部に収容凹部82aが形成されてキャップ状をなし、外観形状は箱状に形成され、矩形状に形成された天板部83と、天板部83の周縁部から天板部83に対して略直交する方向に延びる側板部84とを有してなる。天板部83と側板部84によって囲まれた内側の空間部が収容凹部82aとなっている。
【0043】
収容凹部82aは、直方体状に形成され、制御ボックス82の底部において矩形状の開口部82bが開口している。収容凹部82a及び開口部82bは、電子基板100を収容可能な大きさを有する。このため、電子基板100は、開口部82bから挿入されて収容凹部82a内に収容される。収容凹部82aを形成する天板部83の裏面の四隅には、電子基板100を取り付けるための略同一長さを有した係止突起部83aが形成されている。この係止突起部83aの長さは収容凹部82aの深さと比較して短い。このため、電子基板100が係止突起部83aに取り付けられると、電子基板100は天板部83の内側近傍の位置に配置されて、天板部83に沿って延びた状態で支持される。
【0044】
制御ボックス82の長手方向一方側の側板部84には、収容凹部82aに連通し、制御ボックス幅方向に所定間隔を有して配置された一対の挿通孔84aが形成されている。これらの挿通孔84aは、収容凹部82a内に収容された電子基板100に接続された電線を通すための孔である。
【0045】
収容凹部82aの開口部82bの外周には、底面が平面状に形成されて外側へ延びるフランジ部84bが環状に形成されている。このフランジ部84bは、制御ボックス82を取付板71に取り付ける際に、取付板71に面した状態で接触する。フランジ部84bの底面は制御ボックス82の天板部83と略平行に延びる。このため、制御ボックス82を取付板71に取り付けられると、天板部83は取付板71と略平行に延びた状態になる。一対の挿通孔84aの制御ボックス幅方向内側の側板部84'にはフランジ部84bはなく、この側板部84'は収容凹部82aの開口部82bまで延びている。
【0046】
制御ボックス82の四隅には段部82cが形成され、この段部82cにはボルト85(図4(b)参照)を通すための貫通孔82dが設けられている。この貫通孔82dと取付板71に設けられた貫通孔にボルト85を挿通し、取付板71の裏側から突出するボルト先端部にナット86(図4(b)参照)を螺合することで、制御ボックス82が取付板71に取り付けられる。制御ボックス82が取付板71に取り付けられると、制御ボックス82内に収容された電子基板100は取付板71と略平行な姿勢に維持されて、耕耘作業機1の作業状態において、電子基板100は走行機体90に搭乗した作業者M側に向いた姿勢になる。
【0047】
制御ボックス82は、取付板71に取り付けられるに際に、フランジ部84bと取付板71との間にパッキン87を介して取り付けられる。パッキン87は、図5(a)に示すように、フランジ部84bと同様に環状に形成され、一対の挿通孔84a間の側板部84'にパッキン87が介在しないようにC字状に形成されている。このため、パッキン87が介在しない一対の挿通孔84a間の側板部84'の先端と取付板71との間には、図5(c)に示すように、制御ボックス82の収容凹部82aと外部が連通する貫通孔88が形成される。この貫通孔88によって収容凹部82a内の湿気を外部に排出することができる。パッキン87は、弾性変形可能なゴムやコルクラバー等が用いられる。制御ボックス82は、樹脂、合成樹脂(ABS樹脂、FRP)等で一体成型され、無線指令装置60から送信される指令信号を透過可能である。
【0048】
制御ボックス82内に収容される電子基板100には、無線指令装置60からの指令信号を受信するアンテナ101や、アンテナ101で受信した指令信号に応じて電動式油圧シリンダ57(図1参照)、駆動モータ等のアクチュエータの作動を制御する制御部200が設けられている。アンテナ101は、電子基板100の表面側に形成され、アンテナ101の長さは無線指令装置60から送信される電磁波の波長によって設定される。
【0049】
電子基板100には、図4(b)を更に追加して説明すると、制御部102と電気的に接続された基板側電線103が接続され、この基板側電線103の先端部に基板側コネクタ104が取り付けられている。この基板側電線103は、制御ボックス82に設けられた貫通孔84aを通って制御ボックス外側へ延び、その先端側は取付板71の下端部外側を回り、基板側コネクタ104は取付板71の裏面側の下端部周辺に配置される。基板側コネクタ104は、アクチュエータに接続された駆動側電線105の先端部に取り付けられた駆動側コネクタ106に接続される。
【0050】
取付板71に取り付けられた制御ボックス82は、図4(a)及び図4(b)に示すように、カバー110によって覆われている。カバー110は、制御ボックス82の天板部83及び側板部84を覆うように構成されて、取付板71に着脱可能に取り付けられる。カバー110は、天板部83を覆う上壁部111と、上壁部111の外周から下方へ延びる側壁部112a、112bとを有して形成される。
【0051】
上壁部111は平面状に形成され、カバー110が取付板71に取り付けられた状態で天板部83に近接して略平行に延びる。側壁部112のうち制御ボックス82の上側を覆う側壁部112aは、その先端部が制御ボックス82の上側を取り付けた取付板71の周縁部に係止されている。側壁部112aの先端部には段部113が形成され、この段部113によって取付板71の周縁部に側壁部112aの先端部が係止される。
【0052】
側壁部112のうち制御ボックス82の下側を覆う側壁部112bは、制御ボックス82の下側を取り付けた取付板71の周縁部に係止される段部114を有するとともに、側壁部112bの先端部は取付板71を超えてさらに下方へ延びて、基板側コネクタ104及び駆動側コネクタ106の周りを囲んでいる。カバー110は、制御ボックス82と同様に、樹脂、合成樹脂(ABS樹脂、FRP)等で一体成型され、無線指令装置60から送信される指令信号を透過可能である。
【0053】
このように、無線受信制御装置70に収容された電子基板100は、図4(b)及び図1に示すように、耕耘作業機1の作業状態において、走行機体90に搭乗した作業者側に向いた姿勢に維持されるので、走行機体90の運転席91に搭乗した作業者Mが農作業機側へ向くと、無線受信制御装置70内の電子基板100は作業者側に向いているため、作業者Mは無線指令装置60を電子基板100側に向けた状態で無線指令装置60を操作することができる。このため、無線指令装置60から送信される無線信号を確実に電子基板100に受信させることができる。
【0054】
また無線受信制御装置70の制御ボックス82は、パッキン87を介してフランジ部84bが取付板71に取り付けられるので、収容凹部82aの開口部82bを取付板71に対して液密に塞ぐことができる。このため、フランジ部84bと取付板71との間から水が収容凹部82a内に侵入する事態を抑えることができる。
【0055】
また電子基板100は、制御ボックス82の天板部83の内側近傍に配置されて天板部83に沿って上下方向に延びるので、電子基板100は取付板71から離れている。このため、水が取付板71とフランジ部84bの間から収容凹部82a内に侵入したとしても、この水は取付板71上を流れるので電子基板100に付着する事態を抑えることができる。
【0056】
また制御ボックス82の下端部には、図5(a)に示すように、貫通孔88が設けられているので、収容凹部82a内の湿気を排出することができ、電子基板100に水が付着する事態をより抑えることができる。
【0057】
さらに、制御ボックス82は、図4(b)に示すように、その天板部83及び側板部84を囲むカバー110によって覆われているので、耕耘作業機1を洗車する際に、水が制御ボックス82の表面側に付着する事態を防止することができる。また、取付板71の裏面に水流方向変更板79が設けられているので、取付板71の裏面の上部から下部側に流れる水は、水流方向変更板79に当たって向きを下方に変えて落下する。また、カバー110のうち水流方向変更板79よりも下方のカバー110の下側部分は、取付板71を超えて更に下方へ延びている。このため、取付板71の下側の裏面側に洗車時の水が掛けられても、この水はカバー110の下側部分に当たって跳ね返る。従って、取付板71の裏面側の下方に配置された基板側コネクタ104及び駆動側コネクタ106等の配線部品に水が付着することを軽減することができる。
【0058】
さて、図6、図7(a)(側面図)、図7(b)(側面図)には、走行機体90から取り外されてキャスタスタンド7で保持された耕耘作業機1が示されている。キャスタスタンド7で保持された耕耘作業機1の姿勢は、耕耘作業時の姿勢(図2(a)参照)と比較して、さらに上下方向下側に傾いている。このため、制御ボックス82を覆うカバー110は略垂直方向に延びた姿勢となり、制御ボックス82内に収容された電子基板100も同様に略垂直方向に延びた姿勢となる。従って、耕耘作業機1の前方から無線指令装置60を電子基板側に向けた状態で操作することで、走行機体90の運転席に搭乗した作業者Mが無線指令装置60を操作する場合と同様に、無線指令装置60から送信される無線信号を確実に電子基板100に受信させることができる。
【0059】
また、制御ボックス82の姿勢が略垂直方向に延びた状態になっても、制御ボックス82の表面側(天板部側及び側板部側)はカバー110によって覆われ、制御ボックス82はパッキン87(図5(a)参照)を介して取付板71に取り付けられ、制御ボックス82の裏面側の下部に配置された基板側コネクタ104及び駆動側コネクタ106等の配線部品(図4(b)参照)は水流方向変更板79(図4(b)参照)及び延長されたカバー110の下側部分によって覆われていることには変わりがない。このため、耕耘作業機1の洗車時に水が制御ボックス82内に侵入する事態を抑えることができるとともに、配線部品に水が付着することを軽減することができる。
【0060】
図8は、無線受信制御装置70の機能ブロック図である。無線受信制御装置70は、制御部200と記憶部201と通信部202とI/Oユニット203を備えている。また、図8では、無線受信制御装置70に電源204と電源スイッチ205を設けているが、電源204としてトラクタバッテリを用い、電源スイッチ205として、トラクタのキースイッチを利用することができる。そして、I/Oユニット203には、図1に示した電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44が接続されている。
【0061】
通信部202は、アンテナ101を介して、リモコン装置60からの電波(電波以外に赤外線でもよいが、この実施形態では電波により説明する。)を受信し、復調し、リモコン装置60からの電波に載せられたコマンドを制御部200に送る。また、リモコン装置60の立ち上げ時の電波を受信し、その電波に載せられたID情報を制御部200に送る。制御部200は、コマンドデータを記憶部201に記憶されたコマンドデータに従って解読し、そのコマンドに従って、I/Oユニット203を介して、電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44の制御を行う。また、制御部200は、受信した電波から抽出したIDを記憶部201に記憶されたIDと照合し、一致していたならば、通信部202から返信の電波をリモコン装置60に送る。記憶部201は、制御部200が行う制御で用いられるプログラム、設定などを格納する。また、記憶部201は、ID情報、電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44を動作するコマンドのデータを格納する。I/Oユニット203は、電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44の制御信号を制御部200と各部位との間で中継する。電源204は、通信部202、制御部200、I/Oユニット203、記憶部201に電力を供給する。また、電源スイッチ205は、電源のオンオフを行うスイッチである。なお、電源として走行機体(トラクタ)のバッテリ、電源スイッチとして走行機体(トラクタ)のキースイッチを利用することもできる。
【0062】
電動式油圧シリンダ57は、延長作業機体30の開閉を行う。駆動モータ46は、第2延長レベラ36の開閉を行うモータである。回動装置44は、第2延長レベラ36の上下の切替を行って土寄せ状態と代掻き状態を切り替える装置である。
【0063】
また、制御部200は、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に電源をオフする電源停止制御部200aを備えている。さらに、記憶部201は、リモコン装置60の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータ201aを記憶している。また、無線受信制御装置70は、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー音を発するブザー手段206を備えている。
【0064】
電源停止制御部200aは、電源スイッチ205をオンして所定時間以内、例えば1秒以内にリモコン装置60からの電波を受信したとき、ブザー206をオンしてブザー音を出力し、記憶部201からエラーコマンドデータを読み込み、通信部202から、エラーコマンドデータを載せた信号を送信して、電源204をオフする。
【0065】
これにより、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に電源204をオフするので、無線受信制御装置70の電源スイッチ205を入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0066】
図9は、本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置(無線指令装置)(以下、リモコン装置という)60の外観図である。また、図10は、リモコン装置60の機能ブロック図である。リモコン装置60は、電源スイッチ210、電源ランプ(LED)211、左右切替スイッチ212、左右モードランプ213,214、作業機開閉スイッチ215,216、延長レベラ開閉スイッチ217,218、レベラ土寄せ切替スイッチ219、レベラ代掻き作業スイッチ220を備えている。また、リモコン装置60は、制御部221と記憶部222と通信部223と電源224とブザー225を備えている。また、通信部223は出力制御部226を備えている。電源スイッチ210以外のスイッチである左右切替スイッチ212、作業機開閉スイッチ215,216、延長レベラ開閉スイッチ217,218、レベラ土寄せ切替スイッチ219、レベラ代掻き作業スイッチ220を総称して指令スイッチという。
【0067】
電源スイッチ210は、リモコン装置60の電源224の入り切りを行うスイッチである。電源スイッチ210を押して電源投入、再度押すと電源が切れる。電源ランプ(LED)211は、電源が投入されると、電波圏内で通信が確立された場合に点灯する。電波圏外で通信が確立されなかった場合には、通信エラーとなり点滅する。
【0068】
左右切替スイッチ212は、延長作業機体30の開閉、第2延長レベラ36開閉のモードを切り替えるスイッチである。また、左右切替スイッチ212は、延長作業機体30の開閉と第2延長レベラ36の左右操作を切り替える。スイッチを押すと左右同時、右、左、左右同時と順次操作モードの切替ができる。電源投入時は、左右同時モードで立ち上がる。
【0069】
左右モードランプ213,214は、左右同時モードの時は、左右のランプを点灯し、右モードの時は、右のランプ213が点灯し、左モードの時は、左のランプ214が点灯する。
【0070】
作業機開閉スイッチ215,216は、押しているときだけ作動し、延長作業機体30が閉じている状態で開を押すと延長作業機体30が開き作業状態となる。延長作業機体30が開いている状態で閉を押すと延長作業機体30が閉じ格納状態となる。左右切替スイッチ212により左右同時、右のみ、左のみの開閉が行える。
【0071】
延長レベラ開閉スイッチ217,218は、押しているときだけ作動し、第2延長レベラ36が閉じている状態で開を押すと第2延長レベラ36が開く。第2延長レベラ36が開いている状態で閉を押すと第2延長レベラ36が閉じる。左右切替スイッチ212により左右同時、右のみ、左のみの開閉が行える。
【0072】
レベラ土寄せ切替スイッチ219は、押しているときだけ作動し、第2延長レベラ36が閉じた代掻き状態で土寄せを押すとレベラ22及び延長レベラ35が土寄せ状態となる。
【0073】
レベラ代掻き作業スイッチ220は、押しているときだけ作動し、土寄せ状態で代掻きを押すとレベラ22及び延長レベラ35が代掻き状態となる。
【0074】
通信部223は、アンテナ227を介して、各スイッチが押されたときに記憶部222に記憶されるコマンドデータまたはIDデータを電波に載せ、アンテナ227を介して送信する。また、通信部223は、無線受信制御装置70からの信号を受信する。制御部221は、各スイッチが押されたときに、記憶部222に記憶された各スイッチに対応するコマンドデータを読み込み、通信部223に送る。また、電源スイッチ210が押されたときは、記憶部222に記憶されるIDデータを通信部223に送る。記憶部222は、制御部221が行う制御で用いられるプログラム、設定などを格納する。また、記憶部222は、ID情報、電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44を動作するコマンドのデータを格納する。電源224は、通信部223、制御部221、記憶部222に電力を供給する。さらに、リモコン装置60は、電源224の停止を制御する電源停止制御部221aを備えている。
【0075】
通信部223の出力制御部226は、電源スイッチ210が入れられた立ち上げ時には、電源スイッチ210以外の各スイッチを操作するときに出力する電波の強度よりも小さい強度で出力する制御を行う。特に、電源スイッチ210が入れられた立ち上げ時には、第1の電波出力で電波を送信し、電源スイッチ210以外の各スイッチを操作するときには第2の電波出力で電波を送信する。このとき、第1の電波出力の強度は、第2の電波出力の強度よりも小さい。それらの第1の電波出力の強度データと第2の電波出力の強度データは、記憶部222に記憶されている。
【0076】
図11は、制御部221の機能ブロック図である。制御部221には、CPU230とメモリ231と入力部232と出力部233を備えている。入力部232には、左右切替スイッチ212と、作業機開閉スイッチ215,216と、延長レベラ開閉スイッチ217,218と、レベラ土寄せ切替スイッチ219と、レベラ代掻き作業スイッチ220と、通信部223からの信号が入力される。
【0077】
出力部233は、通信部223と、電源ランプ211と、右モードランプ213と、左モードランプ214と、ブザー225に信号を出力する。記憶部231は、各スイッチを押したときの動作を制御する制御プログラム240と、電源スイッチ210を押してリモコン装置60を立ち上げるときに実行される立ち上げ時制御プログラム241を記憶している。
【0078】
また、記憶部231は、左切替スイッチ212が押されたときに送信するコマンドである左切替コマンドデータ242と、右切替スイッチ212が押されたときに送信するコマンドである右切替コマンドデータ243と、作業機開スイッチ215が押されたときに送るコマンドである作業機開コマンドデータ244と、作業機閉スイッチ216が押されたときに送信するコマンドである作業機閉コマンドデータ245を記憶している。
【0079】
さらに、記憶部231は、延長レベラ開スイッチ217が押されたときに送信するコマンドである延長レベラ開コマンドデータ246と、延長レベラ閉スイッチ218が押されたときに送信するコマンドである延長レベラ閉コマンドデータ247と、レベラ土寄せ切替スイッチ219が押されたときに送信するレベラ土寄せ切替コマンドデータ248と、レベラ代掻き作業スイッチ220が押されたときに送信するレベラ代掻き作業コマンドデータ249を記憶する。
【0080】
また、記憶部231は、第1電波出力強度データ250と第2電波出力強度データ251とIDデータ252を記憶する。
【0081】
「制御プログラム」240は、例えば、作業機開閉スイッチ215の開215を押したときに、記憶部231に記憶される作業機開コマンドデータ244をCPU230が読み出し、出力部233から通信部223にそのデータを送り、通信部223では、搬送波にその作業機開コマンドデータを載せ、アンテナ227から送信する。このとき、CPU230は記憶部231から第2電波出力データ(例えば、10mW)を読み込み、通信部223の出力制御部226は送信する電波の出力を第2電波出力に設定する。
【0082】
無線受信制御装置70での通信部202はアンテナ101を介して、その電波を受信し、復調し、作業機開コマンドデータを制御部200に送り、制御部200では、そのコマンドデータを解読し、作業機開コマンドを実行し、I/Oユニット203を介して、電動式油圧シリンダ57を動作し、延長作業機体30を開閉動作する。リモコン装置60の他のスイッチも同様にして操作される。
【0083】
「立ち上げ時制御プログラム」241は、電源をオンにしたときに実行されるプログラムであり、電源をオンにすると、制御部221から通信部223へ電波を送信する命令が送られる。そのとき、通信部223の出力制御部226に第1電波出力データ(例えば、2mW)が送られる。このとき、IDデータも電波に載せられる。それにより、通信部223からは、第1電波出力の電波がアンテナ227を介して送信される。所定の時間後に無線受信制御装置70からの返信の電波を受信しないときには、すなわち、無線受信制御装置70に電波がとどかないか、無線受信制御装置70がオフか、IDが異なるときには、電源ランプ(LED)211を点滅させる。
【0084】
無線受信制御装置70に電波がとどいたとき、無線受信制御装置70は、受信した電波からIDデータを取り出し、IDデータを記憶部201のIDデータと照合する。IDデータが一致しない場合には、返信の電波は送らず、IDデータが一致したとき、返信の電波を送る。リモコン装置60は、その無線受信制御装置70からの電波を受信したとき、電源ランプ(LED)211を点灯する。
【0085】
また、「立ち上げ時制御プログラム」241は、電源スイッチ210を入れたときに、通信部223が無線受信制御装置70からの返信の信号を受信したときに、返信の信号にエラーコマンドデータが載せられているか否かを判断する判断ステップ(判断手段)241aを備え、判断ステップ241aが返信の信号にエラーコマンドデータが載せられていると判断したときに電源224をオフする電源停止ステップ(電源停止手段)241bを備えている。
【0086】
それにより、リモコン装置60の電源がすでに入っており、リモコン装置60からの信号を受信できる受信圏内で農作業機用無線受信制御装置70の電源スイッチ205をオンにしたときは、農作業機用無線受信制御装置70からエラーコマンドデータを載せた返信の信号が送られ、その返信の信号を受信したリモコン装置60の電源224は自動的にオフになるので、農作業機用無線受信制御装置70の電源スイッチ205をオンにしたときにいきなり農作業機の動作が起こることがなくなり、安全性を高めることができる。
【0087】
以上のようにして、リモコン装置60の操作による作業機の制御がなされる。
【0088】
次に、リモコン装置60における立ち上げ時制御プログラム241と無線受信制御装置70によって実行される手順を図12のフローチャートを用いて説明する。この立ち上げ時制御プログラムは作業者がリモコン装置60の電源をオンにすることによってスタートする。また、無線受信制御装置70の制御プログラムも無線受信制御装置70の電源をオンにすることによってスタートする。
【0089】
ステップS11:制御部221は、記憶部231からIDデータを読み込み、通信部223に送る。
ステップS12:制御部221は、記憶部231の第1電波出力データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、電波にIDデータを載せて、出力制御部226によって第1電波出力になるように制御してアンテナ227から送信する。
【0090】
ステップS13:制御部221は、無線受信制御装置70からの返信の電波を受信したか否かを判断する。
ステップS14:ステップS13で、もし、返信の電波を受信していなければ、電源ランプ(LED)211を点滅させる。
【0091】
ステップS15:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、ステップS13を実行する。電源オフ条件が成立すれば、ステップS22を実行し、電源をオフする。
【0092】
ステップS16:無線受信制御装置70の制御部200の電源停止制御部200aは、電源スイッチ205をオンにして所定の時間内(例えば、1秒以内)にリモコン装置60からの電波を受信したか否か判断する。
ステップS17:もし、電源スイッチ205をオンして所定の時間内に電波を受信したならば、ブザーをオンする。
【0093】
ステップS18:電源停止制御部200aは、記憶部201に記憶されるエラーコマンドデータ201aを読み出し、通信部202から、エラーコマンドデータを電波に載せて返信の電波を送信する。
ステップS19:電源停止制御部200aは、電源204からの電力の供給を遮断する。そして処理を終了する。
【0094】
ステップS20:リモコン装置60は、ステップS13で返信の電波を受信したとき、その電波にエラーコマンドデータが載せられているか否か判断する。
ステップS21:返信された電波にエラーコマンドデータが載せられていたときは、リモコン装置60は、断続的ブザー音で所定の時間、例えば5秒間ブザーをならす。
ステップS22:リモコン装置60の制御部221は、電源224をオフし、この処理を終了する。
【0095】
ステップS23:無線受信制御装置70は、ステップS16で電源スイッチ205をオンにして所定の時間内に電波を受信しない場合、その所定の時間を過ぎてからリモコン装置60からの電波を受信したか否かを判断する。もし、受信しなければ、リターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
ステップS24:ステップS23で、リモコン装置60からの電波を受信したならば、通信部202は、受信電波からIDデータを取り出し、制御部200に送る。
【0096】
ステップS25:制御部200は、記憶部201に記憶されるIDデータと受信電波からのIDデータと照合する。
ステップS26:制御部200は、ステップS25で照合したIDデータが一致するか否か判断する。もし、IDデータが一致しなければリターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
【0097】
ステップS27:ステップS26でIDデータが一致すれば、制御部200は、通信部202から返信の電波を送信する。そして、リターンし、受信割り込み処理を終了する。
ステップS28:リモコン装置60の制御部221は、通信部223によって無線受信制御装置70からの電波を受信したならば、電源ランプ(LED)211を点灯する。
【0098】
ステップS29:制御部221は、ブザー225をオンにする。例えば、2秒間、ブザーをオンにする。
ステップS30:制御部221は、記憶部231から第2電波出力強度データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、出力制御部226によって電波の出力を第2電波出力強度にする。
【0099】
ステップS31:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、再びステップS31を実行する。これにより、電源スイッチを押す等の電源オフ条件が確立するか、各スイッチが押されるまで待機状態となる。ステップS31で電源オフ条件が成立すれば、電源をオフし(ステップS22)、このプログラムを終了する。
【0100】
以上のように、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、必ず所定時間以内に電波を受信するため、自動的に電源204をオフするので、無線受信制御装置70の電源スイッチ205を入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0101】
次に、図13のフローチャートにより各スイッチが押されたときの手順を説明する。ここでは、作業機開閉スイッチの開を押したときを例に説明する。他のスイッチを押したときの手順は、それぞれのスイッチに対応するコマンドは異なるが、手順としてはほぼ同様であるので説明を省略する。
【0102】
ステップS41:制御部221は、作業者により作業機開閉スイッチ215が押されているかどうかの状態をチェックする。
ステップS42:作業機開閉スイッチ215が押されているとき、記憶部231に記憶される作業機開コマンドデータをCPU230が読み出す。
【0103】
ステップS43:制御部221は通信部222にそのデータを送り、通信部223では、搬送波にその作業機開コマンドデータを載せ、アンテナ227から送信する。このとき、通信部223の出力制御部226は送信する電波の出力を第2電波出力に設定している。
ステップS44:無線受信制御装置70での通信部202はアンテナ101を介して、その電波を受信したか否か判断する。電波を受信しなければ、リターンし、この受信割り込み処理を終了する。
【0104】
ステップS45:ステップS44で電波を受信したならば、通信部202は、返信電波を送信する。
ステップS46:通信部202は、作業機開コマンドデータを抽出し制御部200に送る。
【0105】
ステップS47:制御部200は、そのコマンドデータを記憶する。そして、リターンし、この受信割り込み処理を終了する。
ステップS48:リモコン装置60の制御部221は、無線受信制御装置70からの返信の電波を受信したか否か判断する。もし、返信の電波を受信しなければ、リターンする。これにより、この割り込み処理を終了する。そして、所定時間後、例えば10msec後にこのプログラムをスタートする。
【0106】
ステップS49:ステップS48で返信の電波を受信したならば、ブザーをオンする等の返信完了処理を行い、リターンする。
【0107】
以上のリモコン装置60での処理は、所定時間毎、例えば、10msec毎に繰り返し実行される。
【0108】
図13(b)は、無線受信制御装置70の制御部200が所定時間毎、例えば、20msec毎に実行するタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【0109】
ステップS51:制御部200は、ステップS37で記憶されたコマンドをチェックし、コマンドを解読する。この実施例では、作業機開コマンドが記憶されていることを読み出す。
ステップS52:制御部200は、動作処理を実行する。この実施例では、制御部200は、作業機開コマンドを実行し、I/Oユニット203を介して、電動式油圧シリンダ57を作動させ、延長作業機体30を開く。そして、リターンする。
リモコン装置60の他のスイッチ操作による手順も、コマンドと動作は異なるが、ほぼ同様にして実行される。
【0110】
次に、本発明の第2実施形態に係るリモコン装置60を説明する。第2実施形態では、電源をオンにしたときに、電波の出力がゼロから徐々に大きくなり、通信が確立したときに第2電波出力になるものである。立ち上げ処理のプログラムのみが異なるだけであり、装置構成は、第1の実施形態と同様であるので、立ち上げ処理を説明するのみで他の説明を省略する。
【0111】
図14は、第2実施形態に係るリモコン装置60における立ち上げ時制御プログラムと無線受信制御装置70によって実行される手順を説明するフローチャートである。この立ち上げ時制御プログラムは作業者がリモコン装置60の電源をオンにすることによってスタートする。また、無線受信制御装置70の制御プログラムも無線受信制御装置70の電源をオンにすることによってスタートする。
【0112】
ステップS61:制御部221は、記憶部231からIDデータを読み込み、通信部223に送る。
ステップS62:制御部221は、通信部223の出力制御部226に記憶部231から読み出した第1電波出力強度データを送り、通信部223は、電波にIDデータを載せて、出力制御部226によって出力強度がゼロから漸増するように制御してアンテナ227から送信する。
【0113】
ステップS63:制御部221は、無線受信制御装置70からの返信の電波を受信したか否かを判断する。
ステップS64:ステップS63で、もし、返信の電波を受信していなければ、電源ランプ(LED)211を点滅させる。
【0114】
ステップS65:通信部223の出力制御部226は、出力する電波の強度が第1電波出力強度になったか否かを判断する。もし、第1電波出力強度になっていなければ、ステップS57を実行する。
ステップS66:ステップS65で出力する電波の強度が第1電波出力強度になっていれば、出力する電波の強度を第1電波出力強度で一定に保つ。
【0115】
ステップS67:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、ステップS63を実行する。電源オフ条件が成立すれば、ステップS74を実行し、電源をオフする。
【0116】
ステップS68:無線受信制御装置70の制御部200の電源停止制御部200aは、電源スイッチ205をオンにして所定の時間内(例えば、1秒以内)にリモコン装置60からの電波を受信したか否か判断する。
ステップS69:もし、電源スイッチ205をオンして所定の時間内に電波を受信したならば、ブザーをオンする。
【0117】
ステップS70:電源停止制御部200aは、記憶部201に記憶されるエラーコマンドデータ201aを読み出し、通信部202から、エラーコマンドデータを電波に載せて返信の電波を送信する。
ステップS71:電源停止制御部200aは、電源204をオフする。そして処理を終了する。
【0118】
ステップS72:リモコン装置60は、ステップS13で返信の電波を受信したとき、その電波にエラーコマンドデータが載せられているか否か判断する。
ステップS73:返信された電波にエラーコマンドデータが載せられていたときは、リモコン装置60は、断続的ブザー音で所定の時間、例えば5秒間ブザーをならす。
ステップS74:リモコン装置60の制御部221は、電源224をオフし、この処理を終了する。
【0119】
ステップS75:無線受信制御装置70は、ステップS68で電源スイッチ205をオンにして所定の時間内に電波を受信しない場合、その所定の時間を過ぎてからリモコン装置60からの電波を受信したか否かを判断する。もし、受信しなければ、リターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
ステップS76:ステップS58で、リモコン装置60からの電波を受信したならば、通信部202は、受信電波からIDデータを取り出し、制御部200に送る。
【0120】
ステップS77:制御部200は、記憶部201に記憶されるIDデータと受信電波からのIDデータと照合する。
ステップS78:制御部200は、ステップS18で照合したIDデータが一致するか否か判断する。もし、IDデータが一致しなければリターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
【0121】
ステップS79:ステップS78でIDデータが一致すれば、制御部200は、通信部202から返信の電波を送信する。そして、リターンし、受信割り込み処理を終了する。
ステップS80:リモコン装置60の制御部221は、通信部223によって無線受信制御装置70からの電波を受信したならば、電源ランプ(LED)211を点灯する。
【0122】
ステップS81:制御部221は、ブザー225をオンにする。例えば、2秒間ブザーをオンにする。
ステップS82:制御部221は、記憶部231から第2電波出力強度データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、出力制御部226によって電波の出力を第2電波出力強度にする。
【0123】
ステップS83:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、再びステップS83を実行する。これにより、電源スイッチを押す等の電源オフ条件が確立するか、各スイッチが押されるまで待機状態となる。ステップS83で電源オフ条件が成立すれば、電源をオフし、このプログラムを終了する。
【0124】
以上のように、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、必ず所定時間以内に電波を受信するため、自動的に電源204をオフするので、無線受信制御装置70の電源スイッチ205を入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0125】
次に、本発明の第3実施形態に係る農作業機用無線受信制御装置を説明する。第3実施形態では、農作業機用無線受信制御装置70が、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段と、ブザー音を発するブザー手段を備え、制御手段は、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー手段を駆動し、ブザー音を発する。第3実施形態は、無線受信制御装置70の電源をオンしたときのプログラムの一部が異なるだけであり、装置構成は、第1の実施形態と同様であるので、無線受信制御装置70の電源をオンしたときの処理を説明するのみで他の説明を省略する。
【0126】
図15は、第3実施形態に係るリモコン装置60における立ち上げ時制御プログラムと無線受信制御装置70によって実行される手順を説明するフローチャートである。この立ち上げ時制御プログラムは作業者がリモコン装置60の電源をオンにすることによってスタートする。また、無線受信制御装置70の制御プログラムも無線受信制御装置70の電源をオンにすることによってスタートする。図15に示すフローチャートは、無線受信制御装置70の電源をオンしたときの処理の一部が異なるのみであるため、第1実施形態の図12で示した各処理と同一の処理は、同一のステップ番号を付して説明する。
【0127】
ステップS11:制御部221は、記憶部231からIDデータを読み込み、通信部223に送る。
ステップS12:制御部221は、記憶部231の第1電波出力データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、電波にIDデータを載せて、出力制御部226によって第1電波出力になるように制御してアンテナ227から送信する。
【0128】
ステップS13:制御部221は、無線受信制御装置70からの返信の電波を受信したか否かを判断する。
ステップS14:ステップS13で、もし、返信の電波を受信していなければ、電源ランプ(LED)211を点滅させる。
【0129】
ステップS15:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、ステップS13を実行する。電源オフ条件が成立すれば、ステップS22を実行し、電源をオフする。
【0130】
ステップS16:無線受信制御装置70の制御部200の電源停止制御部200aは、電源スイッチ205をオンにして所定の時間内(例えば、1秒以内)にリモコン装置60からの電波を受信したか否か判断する。
ステップS17:もし、電源スイッチ205をオンして所定の時間内に電波を受信したならば、ブザーをオンする。
【0131】
ステップS18:電源停止制御部200aは、記憶部201に記憶されるエラーコマンドデータ201aを読み出し、通信部202から、エラーコマンドデータを電波に載せて返信の電波を送信する。そしてリターンする。
【0132】
ステップS20:リモコン装置60は、ステップS13で返信の電波を受信したとき、その電波にエラーコマンドデータが載せられているか否か判断する。
ステップS21:返信された電波にエラーコマンドデータが載せられていたときは、リモコン装置60は、断続的ブザー音で所定の時間、例えば5秒間ブザーをならす。
ステップS22:リモコン装置60の制御部221は、電源224をオフし、この処理を終了する。
【0133】
ステップS23:無線受信制御装置70は、ステップS16で電源スイッチ205をオンにして所定の時間内に電波を受信しない場合、その所定の時間を過ぎてからリモコン装置60からの電波を受信したか否かを判断する。もし、受信しなければ、リターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
ステップS24:ステップS23で、リモコン装置60からの電波を受信したならば、通信部202は、受信電波からIDデータを取り出し、制御部200に送る。
【0134】
ステップS25:制御部200は、記憶部201に記憶されるIDデータと受信電波からのIDデータと照合する。
ステップS26:制御部200は、ステップS25で照合したIDデータが一致するか否か判断する。もし、IDデータが一致しなければリターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
【0135】
ステップS27:ステップS26でIDデータが一致すれば、制御部200は、通信部202から返信の電波を送信する。そして、リターンし、受信割り込み処理を終了する。
ステップS28:リモコン装置60の制御部221は、通信部223によって無線受信制御装置70からの電波を受信したならば、電源ランプ(LED)211を点灯する。
【0136】
ステップS29:制御部221は、ブザー225をオンにする。例えば、2秒間、ブザーをオンにする。
ステップS30:制御部221は、記憶部231から第2電波出力強度データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、出力制御部226によって電波の出力を第2電波出力強度にする。
【0137】
ステップS31:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、再びステップS31を実行する。これにより、電源スイッチを押す等の電源オフ条件が確立するか、各スイッチが押されるまで待機状態となる。ステップS31で電源オフ条件が成立すれば、電源をオフし(ステップS22)、このプログラムを終了する。
【0138】
以上のように、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、必ず所定時間以内に電波を受信するため、電源スイッチ205をオンした後、ブザーをオンし、リモコン装置との通信を確立しないので、無線受信制御装置70の電源スイッチ205を入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0139】
なお、第3実施形態では、ステップS18で、エラーコマンドをのせて返信し、リモコン装置を自動的に電源がオフになるようにしたが、それに限らず、無線受信制御装置70のブザーが鳴ったとき、リモコン装置を手動で、電源をオフにし、再び、リモコン装置の電源をオンにすることにより、無線受信制御装置70との通信を確立するようにしてもよい。
【0140】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)等については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 耕耘作業機(農作業機)
44 回動装置
46 駆動モータ
57 電動式油圧シリンダ
60 無線指令装置(リモコン装置)
70 無線受信制御装置
101 アンテナ
200 制御部
200a 電源停止制御部
201 記憶部
201a エラーコマンドデータ
202 通信部
203 I/Oユニット
204 電源
205 電源スイッチ
206 ブザー
210 電源スイッチ
221 制御部
222 記憶部
223 通信部
224 電源
226 出力制御部
241a 判断手段
241b 電源停止手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機の作動を制御する電子基板を備えた無線受信制御装置及び無線受信制御装置が設けられた農作業機を遠隔操作するための指令信号を送信する農作業機用リモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、耕耘作業や畦塗り作業等の農作業を行う場合、これらの農作業に対応した農作業機を走行機体の後部に接続し、走行機体の走行とともに農作業機が進行して、これら各種の農作業が行われる。このような農作業機には、走行機体の運転席に搭乗した作業者が遠隔操作によって農作業機を操作可能に構成されたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
この遠隔操作が可能な農作業機用制御装置は、走行機体の運転席等に設けられた指令装置(リモコン装置)と、農作業機に設けられ、指令装置からの指令信号に応じて農作業機の作動を制御する受信制御装置とを有してなる。指令装置と受信制御装置は電線等を介して電気的に接続された有線方式や、指令装置の操作指令を無線信号によって受信制御装置に伝達する無線方式がある。
【0004】
受信制御装置は、指令装置からの指令信号に応じて農作業機の作動を制御する電子基板を内部に収容した制御ボックスを備えている。有線方式の場合、制御ボックスに収容された電子基板に電線等が接続されて指令装置からの指令信号が電子基板に伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−337102公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の無線受信制御装置とリモコン装置(指令装置)では、それらの装置の電源を入れる順番に関係なく、通信が確立する設定であった。そのような場合、リモコン装置の電源が入っており、指令スイッチがすでに押された状態で、無線受信制御装置の電源を入れたときに農作業機のその指令スイッチに対応する動作が、操作者が意図せずに、いきなり実行される可能性があるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、無線受信制御装置の電源スイッチを入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる農作業機用無線受信制御装置及び農作業機用リモコン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る農作業機用無線受信制御装置及び農作業機用リモコン装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
【0009】
第1の農作業機用無線受信制御装置(請求項1に対応)は、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段を備え、通信手段と制御手段への電力の供給をオンオフする電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
上記の農作業機用無線受信制御装置では、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段を備え、通信手段と制御手段への電力の供給をオンオフする電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段を備えているため、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に電源をオフするので、電源を入れる順番を間違えて、リモコン装置の電源が先に入っていたとしても、無線受信制御装置の電源スイッチを入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0011】
第2の農作業機用無線受信制御装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、リモコン装置の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータを記憶する記憶手段を備え、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、記憶手段からエラーコマンドデータを読み込み、通信手段から、エラーコマンドデータを載せた信号を送信することを特徴とする。
【0012】
第3の農作業機用無線受信制御装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー音を発するブザー手段を備えることを特徴とする。
【0013】
第4の農作業機用無線受信制御装置(請求項4に対応)は、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段と、ブザー音を発するブザー手段を備え、制御手段は、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー手段を駆動し、ブザー音を発することを特徴とする。
【0014】
第5の農作業機用無線受信制御装置(請求項5に対応)は、上記の構成において、好ましくは、リモコン装置の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータを記憶する記憶手段を備え、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、記憶手段からエラーコマンドデータを読み込み、通信手段から、エラーコマンドデータを載せた信号を送信することを特徴とする。
【0015】
第1の農作業機用リモコン装置(請求項6に対応)は、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられた、アンテナで受信した電波に含まれ得る指令信号に応じて農作業機の作動を制御する無線受信制御装置に、指令信号を含んだ電波を送信するリモコン装置であって、電源と、電源をオンオフする電源スイッチと、農作業機の各種作動を制御するための指令信号を送るための指令スイッチと、各種作動を制御するための指令信号データを記憶する記憶手段と、電源スイッチがオン状態のとき、指令信号を搬送するための電波を送信し、指令スイッチがオンされたとき指令信号データに基づいて指令信号を電波に載せて送信する通信手段と、指令スイッチに応じた指令信号データを記憶手段から読み込み、指令信号データを通信手段に送る制御手段を備え、制御手段は、通信手段が受信した無線受信制御装置からの返信の信号にエラーコマンドデータが載せられているか否かを判断する判断手段を備え、判断手段が返信の信号にエラーコマンドデータが載せられていると判断したときに電源をオフする電源停止手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係わる農作業機用無線受信制御装置によれば、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段を備え、通信手段と制御手段への電力の供給をオンオフする電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段を備えているため、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に電源をオフするので、無線受信制御装置の電源スイッチを入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0017】
また、本発明に係わる農作業機用無線受信制御装置によれば、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段と、ブザー音を発するブザー手段を備え、制御手段は、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー手段を駆動し、ブザー音を発し、エラーコマンドを送り続けるため、通信が確立せず、リモコン装置からの指令信号を受け付けないので、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、無線受信制御装置の電源スイッチを入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0018】
さらに、本発明に係わる農作業機用リモコン装置によれば、制御手段は、通信手段が受信した無線受信制御装置からの返信の信号にエラーコマンドデータが載せられているか否かを判断する判断手段を備え、判断手段が返信の信号にエラーコマンドデータが載せられていると判断したときに電源をオフする電源停止手段を備えるため、リモコン装置の電源がすでに入っており、リモコン装置からの信号を受信できる受信圏内で農作業機用無線受信制御装置の電源スイッチをオンにしたときは、農作業機用無線受信制御装置からエラーコマンドデータを載せた返信の信号が送られ、その返信の信号を受信したリモコン装置の電源は自動的にオフになるので、農作業機用無線受信制御装置の電源をオンにしたときにいきなり農作業機の動作が起こることがなくなり、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機の平面図を示す。
【図2】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機を示し、同図(a)は耕耘作業機の延長作業機体が格納位置にあるときの耕耘作業機の側面図であり、同図(b)は耕耘作業機の延長作業機体が作業位置にあるときの耕耘作業機の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機の背面図を示す。
【図4】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を示し、同図(a)は耕耘作業機が作業状態にあるときの無線受信制御装置の平面図であり、同図(b)は同図(a)のI−I矢視に相当する部分の断面図を示す。
【図5】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置の制御ボックスを示し、同図(a)は制御ボックスの裏面図であり、同図(b)は制御ボックスの長手方向の側面図であり、同図(c)は制御ボックスの幅方向の側面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機がキャスタスタンドに保持された状態にあるときの耕耘作業機の平面図を示す。
【図7】本発明の一実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置を搭載し、キャスタスタンドに保持された耕耘作業機を示し、同図(a)は耕耘作業機の延長作業機体が格納位置にあるときの耕耘作業機の側面図であり、同図(b)は耕耘作業機の延長作業機体が作業位置にあるときの耕耘作業機の側面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係わる農作業機用リモコン装置を用いて操作する無線受信制御装置の機能ブロック図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置の外観図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置の機能ブロック図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置の制御部の機能ブロック図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置における立ち上げ時制御プログラムと農作業機用無線受信制御装置によって実行される手順を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置における各スイッチが押されたときに制御プログラムによって実行される手順を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態に係る農作業機用リモコン装置における立ち上げ時制御プログラムと農作業機用無線受信制御装置によって実行される手順を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の第3実施形態に係る農作業機用リモコン装置における立ち上げ時制御プログラムと農作業機用無線受信制御装置によって実行される手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
先ず、農作業機用リモコン装置を説明する前に、無線受信制御装置を搭載した耕耘作業機について説明する。なお、本実施例では、農作業機として、圃場の耕土を耕耘する耕耘作業機を例にして説明する。農作業機の例としては、耕耘作業機に限るものではなく、畦塗り作業機や溝掘り作業機でもよい。
【0022】
耕耘作業機1は、図1(平面図)、図2(a)(側面図)、図3(背面図)に示すように、走行機体90の後部に装着されて走行機体90の前進走行とともに進行して耕耘作業を行うものである。図2(a)は、耕耘作業機1の延長作業機体30が折り畳まれた状態にあるときの図1のIIa−IIa矢視に相当する耕耘作業機1の側面図を示す。なお、図2(a)には図面の理解を容易にする観点から延長作業機体30の記載を省略している。耕耘作業機1は、進行方向に対して左右方向(以下、単に「左右方向」と記す)に延びる作業機本体10と、作業機本体10の左右両側に上下方向に折り畳み自在に取り付けられた延長作業機体30を有して構成される。
【0023】
耕耘作業機1の作業機本体10は左右方向に延びる本体フレーム11を有する。本体フレーム11の前側には走行機体90の後部に設けられた3点リンク連結機構に連結されるトップマストとロアーリンク連結部が設けられて、耕耘作業機1は走行機体90の後部に対して昇降可能に装着される。
【0024】
本体フレーム11の左右方向の両側には伝動ケース14及びサポートフレーム15が設けられ、これらの下側間に耕耘ロータ17が回転自在に支持されている。また本体フレーム11の左右方向の両側には、前後方向に延びる側枠5が設けられ、側枠5の前端部には、走行機体90に対して耕耘作業機1を着脱するときに、その姿勢を一定に保持するためのキャスタ付スタンド7(図6(a)参照)を取り付けるためのホルダ16が設けられている。
【0025】
本体フレーム11の左右方向中央部には走行機体90からの動力を入力する入力軸19aを備えたギヤボックス19が設けられ、走行機体90から取り出された動力はユニバーサルジョイント等を介して入力軸19aに伝達される。入力軸19aに伝達された動力は、本体フレーム11及び伝動ケース14内に設けられた動力伝達機構を介して耕耘ロータ17を回転させる。
【0026】
耕耘ロータ17の上方にはシールドカバー18が配設され、シールドカバー18の後端部には前端部が回動自在に取り付けられて後側が斜め後方へ延びる本体側エプロン20が設けられている。本体側エプロン20の後端部には上下方向に回動自在に取り付けられた本体側レベラー22が設けられている。
【0027】
耕耘ロータ17は、伝動ケース14及びサポートフレーム15間に回転自在に支持された本体側回転軸17aに複数の耕耘爪を放射状に取り付け構成されている。耕耘ロータ17の本体側回転軸17aの両端部には、駆動側ドグクラッチ40が取り付けられている。
【0028】
延長作業機体30は、作業機本体10との間に連結された回動機構50を介して折り畳み可能であり、回動機構50に設けられ前後方向に延びる回動軸56を回動支点として、作業機本体10の上方位置に格納される格納位置と、作業機本体10の側方位置に配置されて作業が可能な作業位置Ps(図1参照)との間を回動可能である。
【0029】
回動機構50は、作業機本体10の延長作業機体30側の上部と延長作業機体30の作業機本体10側の上部との間に設けられたヒンジ機構部51と、作業機本体10の延長作業機体側端部の上部に回動自在に設けられた回動板53と、ロッド側端部が回動板53に枢結され、ボトム側端部が作業機本体10に枢結された回動シリンダ57を有してなる。回動シリンダ57は、電動油圧式であり、後述する無線受信制御装置によってその作動が制御される。
【0030】
延長作業機体30は、図1、図2(b)(側面図)、図3に示すように、左右方向に延びて回転自在に支持された延長耕耘ロータ32と、延長耕耘ロータ32の上方を覆う延長側シールドカバー33と、この後部に回動自在に設けられた延長側エプロン34と、延長側エプロン34の後端部に上下方向に回動自在に取り付けられた第1延長レベラー35と、第1延長レベラー35の端部に上下方向に回動自在に取り付けられた第2延長レベラー36とを有してなる。なお、図2(b)は、延長作業機体30が作業位置Psに位置するときの耕耘作業機1の側面図を示す。
【0031】
延長耕耘ロータ32は、耕耘ロータ17と同様に構成され、延長作業機体30の左右両側に設けた部材間に回転自在に支持された延長側回転軸に複数の耕耘爪を放射状に取り付けて構成されている。延長耕耘ロータ32の延長側回転軸の作業機本体側端部には、従動側ドグクラッチが取り付けられている。従動側ドグクラッチは、延長作業機体30が作業位置Psに移動したときに対向する駆動側ドグクラッチ40(図2(a)参照)と噛合可能に構成されている。
【0032】
延長作業機体30には延長作業機体ロック装置42が設けられている。この延長作業機体ロック装置42は、延長作業機体30が作業位置Psに移動すると、作業機本体10に対する延長作業機体30の回動をロックし、延長作業機体30が作業位置Psから格納位置側に移動すると、作業機本体10に対する延長作業機体30のロック状態を解除するようになっている。
【0033】
また、延長作業機体30は、これを作業位置Psに移動させると、作業機本体10の本体側エプロン20の左右方向端部に延長作業機体30の延長側エプロン34が連結されるとともに、作業機本体10の本体側レベラー22の左右方向端部に延長作業機体30の第1延長レベラー35が連結されるようになっている。さらに、作業位置Psに移動した延長作業機体30を格納位置側に移動させると、これらの連結が解除されるようになっている。
【0034】
第1延長レベラー35の左右方向端部には、前後方向に延びる回動軸を中心として上下方向に回動自在に取り付けられた第2延長レベラー36が設けられている。第2延長レベラー36は、第1延長レベラー35の上方位置に格納される格納位置と、第1延長レベラー35の側方位置に配置されて作業が可能な作業位置Ps(図1参照)との間を回動可能である。第2延長レベラー36は、延長作業機体30の延長側シールドカバー33上に設けられた回動装置44によって格納位置と作業位置Psとの間を回動可能である。
【0035】
回動装置44は、駆動モータ46と、駆動モータ46の駆動軸と第2延長レベラー36との間に接続され、駆動軸の回転によって第2延長レベラー36を回動させるリンク機構部45とを有してなる。駆動モータ46は、後述する無線受信制御装置によって作動が制御される。
【0036】
次に、本発明の本実施形態に係る無線受信制御装置について説明する。無線受信制御装置70は、耕耘作業機1の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令する手動操作式の無線指令装置(リモコン装置)60からの指令信号を受信し、受信した指令信号に応じて耕耘作業機1の作動を制御するものである。つまり、無線受信制御装置70は、無線指令装置60からの指令信号を受信する受信装置であるとともに、受信した指令信号に応じて耕耘作業機1の作動を制御するコントローラ装置でもある。
【0037】
先ず、無線受信制御装置70について説明する前に、無線指令装置60について概説する。無線指令装置60は、図1に示すように、走行機体90の運転席91に搭乗した作業者Mが操作できるように、複数の操作釦61の押圧操作に応じた操作指令の無線信号を出力するように構成されている。無線指令装置60は、作業者Mが手で把持可能な大きさを有した操作ボックス62を有し、この操作ボックス62の表面に複数の操作釦61が配設されている。操作ボックス62の内部には、無線信号を出力する信号出力部や、電源を供給するバッテリ等が収容され、操作釦61を押圧操作すると、操作釦61に応じた操作指令(コマンド)を無線信号で出力部から出力されるようになっている。無線信号は、FM波長域の微弱電波や赤外線等の無線媒体が用いられる。
【0038】
無線受信制御装置70は、図4(a)(平面図)、図4(b)(断面図)、図1に示すように、作業機本体10の本体フレーム11の左右方向一方側の端部に設けられた取付板71に固定されている。取付板71は、その裏面側の上部に脚部72が張り出すように設けられている。この脚部72は本体フレーム11に固着された逆U字状の固定部73にボルト74等の締結手段を介して固定されて、取付板71は本体フレーム11に固定されている。固定部73には、本体フレーム11と取付板71との間の隙間75や、本体フレーム11とシールドカバー18との間に形成された隙間76を塞ぐ補助カバー77がボルト74によって固定されて、これらの隙間75,76に水が侵入し難くしている。
【0039】
取付板71は、耕耘作業機1の作業状態において、上下方向上向きに傾斜する。この取付板71の傾斜角度θは、耕耘作業機1を装着する走行機体90の運転席に搭乗する作業者側に向く角度になっている。なお、取付板71は、その傾斜角度が調節可能に本体フレーム11に取り付けられてもよい。
【0040】
取付板71は、矩形状をなし、後述する制御ボックス82全体を設置可能な大きさを有する。取付板71の四隅には、制御ボックス82を取り付けるための貫通孔が設けられている。また取付板71の裏面の略中央部には、取付板71の裏側の上部から下部側に流れる水の向きを下方向に変えて流す水流方向変更板79が設けられている。水流方向変更板79は、板金等を折り曲げて形成され、取付板71の裏面に沿って上下方向に延びるとともに取付板幅方向に延びる固定部79aと、固定部79aの先端部から屈曲して斜め下方へ延びる方向変更部79bを有してなる。
【0041】
方向変更部79bは固定部79aに対して鈍角βを有して屈曲している。方向変更部79bの屈曲角度βは、取付板71の裏側の上部から下部側に流れる水が方向変更部79bに当たって向きを変えて下方へ流れて、取付板71の裏面側の下部に配置された後述する基板側コネクタ104及び駆動側コネクタ106に水が掛からない角度である。
【0042】
この取付板71上に無線受信制御装置70が取り付けられている。無線受信制御装置70は、内部に電子基板100を収容した制御ボックス82を有して構成される。制御ボックス82は、図5(a)(裏面図)、図5(b)(側面図)、図5(c)(側面図)に示すように、内部に収容凹部82aが形成されてキャップ状をなし、外観形状は箱状に形成され、矩形状に形成された天板部83と、天板部83の周縁部から天板部83に対して略直交する方向に延びる側板部84とを有してなる。天板部83と側板部84によって囲まれた内側の空間部が収容凹部82aとなっている。
【0043】
収容凹部82aは、直方体状に形成され、制御ボックス82の底部において矩形状の開口部82bが開口している。収容凹部82a及び開口部82bは、電子基板100を収容可能な大きさを有する。このため、電子基板100は、開口部82bから挿入されて収容凹部82a内に収容される。収容凹部82aを形成する天板部83の裏面の四隅には、電子基板100を取り付けるための略同一長さを有した係止突起部83aが形成されている。この係止突起部83aの長さは収容凹部82aの深さと比較して短い。このため、電子基板100が係止突起部83aに取り付けられると、電子基板100は天板部83の内側近傍の位置に配置されて、天板部83に沿って延びた状態で支持される。
【0044】
制御ボックス82の長手方向一方側の側板部84には、収容凹部82aに連通し、制御ボックス幅方向に所定間隔を有して配置された一対の挿通孔84aが形成されている。これらの挿通孔84aは、収容凹部82a内に収容された電子基板100に接続された電線を通すための孔である。
【0045】
収容凹部82aの開口部82bの外周には、底面が平面状に形成されて外側へ延びるフランジ部84bが環状に形成されている。このフランジ部84bは、制御ボックス82を取付板71に取り付ける際に、取付板71に面した状態で接触する。フランジ部84bの底面は制御ボックス82の天板部83と略平行に延びる。このため、制御ボックス82を取付板71に取り付けられると、天板部83は取付板71と略平行に延びた状態になる。一対の挿通孔84aの制御ボックス幅方向内側の側板部84'にはフランジ部84bはなく、この側板部84'は収容凹部82aの開口部82bまで延びている。
【0046】
制御ボックス82の四隅には段部82cが形成され、この段部82cにはボルト85(図4(b)参照)を通すための貫通孔82dが設けられている。この貫通孔82dと取付板71に設けられた貫通孔にボルト85を挿通し、取付板71の裏側から突出するボルト先端部にナット86(図4(b)参照)を螺合することで、制御ボックス82が取付板71に取り付けられる。制御ボックス82が取付板71に取り付けられると、制御ボックス82内に収容された電子基板100は取付板71と略平行な姿勢に維持されて、耕耘作業機1の作業状態において、電子基板100は走行機体90に搭乗した作業者M側に向いた姿勢になる。
【0047】
制御ボックス82は、取付板71に取り付けられるに際に、フランジ部84bと取付板71との間にパッキン87を介して取り付けられる。パッキン87は、図5(a)に示すように、フランジ部84bと同様に環状に形成され、一対の挿通孔84a間の側板部84'にパッキン87が介在しないようにC字状に形成されている。このため、パッキン87が介在しない一対の挿通孔84a間の側板部84'の先端と取付板71との間には、図5(c)に示すように、制御ボックス82の収容凹部82aと外部が連通する貫通孔88が形成される。この貫通孔88によって収容凹部82a内の湿気を外部に排出することができる。パッキン87は、弾性変形可能なゴムやコルクラバー等が用いられる。制御ボックス82は、樹脂、合成樹脂(ABS樹脂、FRP)等で一体成型され、無線指令装置60から送信される指令信号を透過可能である。
【0048】
制御ボックス82内に収容される電子基板100には、無線指令装置60からの指令信号を受信するアンテナ101や、アンテナ101で受信した指令信号に応じて電動式油圧シリンダ57(図1参照)、駆動モータ等のアクチュエータの作動を制御する制御部200が設けられている。アンテナ101は、電子基板100の表面側に形成され、アンテナ101の長さは無線指令装置60から送信される電磁波の波長によって設定される。
【0049】
電子基板100には、図4(b)を更に追加して説明すると、制御部102と電気的に接続された基板側電線103が接続され、この基板側電線103の先端部に基板側コネクタ104が取り付けられている。この基板側電線103は、制御ボックス82に設けられた貫通孔84aを通って制御ボックス外側へ延び、その先端側は取付板71の下端部外側を回り、基板側コネクタ104は取付板71の裏面側の下端部周辺に配置される。基板側コネクタ104は、アクチュエータに接続された駆動側電線105の先端部に取り付けられた駆動側コネクタ106に接続される。
【0050】
取付板71に取り付けられた制御ボックス82は、図4(a)及び図4(b)に示すように、カバー110によって覆われている。カバー110は、制御ボックス82の天板部83及び側板部84を覆うように構成されて、取付板71に着脱可能に取り付けられる。カバー110は、天板部83を覆う上壁部111と、上壁部111の外周から下方へ延びる側壁部112a、112bとを有して形成される。
【0051】
上壁部111は平面状に形成され、カバー110が取付板71に取り付けられた状態で天板部83に近接して略平行に延びる。側壁部112のうち制御ボックス82の上側を覆う側壁部112aは、その先端部が制御ボックス82の上側を取り付けた取付板71の周縁部に係止されている。側壁部112aの先端部には段部113が形成され、この段部113によって取付板71の周縁部に側壁部112aの先端部が係止される。
【0052】
側壁部112のうち制御ボックス82の下側を覆う側壁部112bは、制御ボックス82の下側を取り付けた取付板71の周縁部に係止される段部114を有するとともに、側壁部112bの先端部は取付板71を超えてさらに下方へ延びて、基板側コネクタ104及び駆動側コネクタ106の周りを囲んでいる。カバー110は、制御ボックス82と同様に、樹脂、合成樹脂(ABS樹脂、FRP)等で一体成型され、無線指令装置60から送信される指令信号を透過可能である。
【0053】
このように、無線受信制御装置70に収容された電子基板100は、図4(b)及び図1に示すように、耕耘作業機1の作業状態において、走行機体90に搭乗した作業者側に向いた姿勢に維持されるので、走行機体90の運転席91に搭乗した作業者Mが農作業機側へ向くと、無線受信制御装置70内の電子基板100は作業者側に向いているため、作業者Mは無線指令装置60を電子基板100側に向けた状態で無線指令装置60を操作することができる。このため、無線指令装置60から送信される無線信号を確実に電子基板100に受信させることができる。
【0054】
また無線受信制御装置70の制御ボックス82は、パッキン87を介してフランジ部84bが取付板71に取り付けられるので、収容凹部82aの開口部82bを取付板71に対して液密に塞ぐことができる。このため、フランジ部84bと取付板71との間から水が収容凹部82a内に侵入する事態を抑えることができる。
【0055】
また電子基板100は、制御ボックス82の天板部83の内側近傍に配置されて天板部83に沿って上下方向に延びるので、電子基板100は取付板71から離れている。このため、水が取付板71とフランジ部84bの間から収容凹部82a内に侵入したとしても、この水は取付板71上を流れるので電子基板100に付着する事態を抑えることができる。
【0056】
また制御ボックス82の下端部には、図5(a)に示すように、貫通孔88が設けられているので、収容凹部82a内の湿気を排出することができ、電子基板100に水が付着する事態をより抑えることができる。
【0057】
さらに、制御ボックス82は、図4(b)に示すように、その天板部83及び側板部84を囲むカバー110によって覆われているので、耕耘作業機1を洗車する際に、水が制御ボックス82の表面側に付着する事態を防止することができる。また、取付板71の裏面に水流方向変更板79が設けられているので、取付板71の裏面の上部から下部側に流れる水は、水流方向変更板79に当たって向きを下方に変えて落下する。また、カバー110のうち水流方向変更板79よりも下方のカバー110の下側部分は、取付板71を超えて更に下方へ延びている。このため、取付板71の下側の裏面側に洗車時の水が掛けられても、この水はカバー110の下側部分に当たって跳ね返る。従って、取付板71の裏面側の下方に配置された基板側コネクタ104及び駆動側コネクタ106等の配線部品に水が付着することを軽減することができる。
【0058】
さて、図6、図7(a)(側面図)、図7(b)(側面図)には、走行機体90から取り外されてキャスタスタンド7で保持された耕耘作業機1が示されている。キャスタスタンド7で保持された耕耘作業機1の姿勢は、耕耘作業時の姿勢(図2(a)参照)と比較して、さらに上下方向下側に傾いている。このため、制御ボックス82を覆うカバー110は略垂直方向に延びた姿勢となり、制御ボックス82内に収容された電子基板100も同様に略垂直方向に延びた姿勢となる。従って、耕耘作業機1の前方から無線指令装置60を電子基板側に向けた状態で操作することで、走行機体90の運転席に搭乗した作業者Mが無線指令装置60を操作する場合と同様に、無線指令装置60から送信される無線信号を確実に電子基板100に受信させることができる。
【0059】
また、制御ボックス82の姿勢が略垂直方向に延びた状態になっても、制御ボックス82の表面側(天板部側及び側板部側)はカバー110によって覆われ、制御ボックス82はパッキン87(図5(a)参照)を介して取付板71に取り付けられ、制御ボックス82の裏面側の下部に配置された基板側コネクタ104及び駆動側コネクタ106等の配線部品(図4(b)参照)は水流方向変更板79(図4(b)参照)及び延長されたカバー110の下側部分によって覆われていることには変わりがない。このため、耕耘作業機1の洗車時に水が制御ボックス82内に侵入する事態を抑えることができるとともに、配線部品に水が付着することを軽減することができる。
【0060】
図8は、無線受信制御装置70の機能ブロック図である。無線受信制御装置70は、制御部200と記憶部201と通信部202とI/Oユニット203を備えている。また、図8では、無線受信制御装置70に電源204と電源スイッチ205を設けているが、電源204としてトラクタバッテリを用い、電源スイッチ205として、トラクタのキースイッチを利用することができる。そして、I/Oユニット203には、図1に示した電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44が接続されている。
【0061】
通信部202は、アンテナ101を介して、リモコン装置60からの電波(電波以外に赤外線でもよいが、この実施形態では電波により説明する。)を受信し、復調し、リモコン装置60からの電波に載せられたコマンドを制御部200に送る。また、リモコン装置60の立ち上げ時の電波を受信し、その電波に載せられたID情報を制御部200に送る。制御部200は、コマンドデータを記憶部201に記憶されたコマンドデータに従って解読し、そのコマンドに従って、I/Oユニット203を介して、電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44の制御を行う。また、制御部200は、受信した電波から抽出したIDを記憶部201に記憶されたIDと照合し、一致していたならば、通信部202から返信の電波をリモコン装置60に送る。記憶部201は、制御部200が行う制御で用いられるプログラム、設定などを格納する。また、記憶部201は、ID情報、電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44を動作するコマンドのデータを格納する。I/Oユニット203は、電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44の制御信号を制御部200と各部位との間で中継する。電源204は、通信部202、制御部200、I/Oユニット203、記憶部201に電力を供給する。また、電源スイッチ205は、電源のオンオフを行うスイッチである。なお、電源として走行機体(トラクタ)のバッテリ、電源スイッチとして走行機体(トラクタ)のキースイッチを利用することもできる。
【0062】
電動式油圧シリンダ57は、延長作業機体30の開閉を行う。駆動モータ46は、第2延長レベラ36の開閉を行うモータである。回動装置44は、第2延長レベラ36の上下の切替を行って土寄せ状態と代掻き状態を切り替える装置である。
【0063】
また、制御部200は、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に電源をオフする電源停止制御部200aを備えている。さらに、記憶部201は、リモコン装置60の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータ201aを記憶している。また、無線受信制御装置70は、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー音を発するブザー手段206を備えている。
【0064】
電源停止制御部200aは、電源スイッチ205をオンして所定時間以内、例えば1秒以内にリモコン装置60からの電波を受信したとき、ブザー206をオンしてブザー音を出力し、記憶部201からエラーコマンドデータを読み込み、通信部202から、エラーコマンドデータを載せた信号を送信して、電源204をオフする。
【0065】
これにより、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に電源204をオフするので、無線受信制御装置70の電源スイッチ205を入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0066】
図9は、本発明の第1実施形態に係る農作業機用リモコン装置(無線指令装置)(以下、リモコン装置という)60の外観図である。また、図10は、リモコン装置60の機能ブロック図である。リモコン装置60は、電源スイッチ210、電源ランプ(LED)211、左右切替スイッチ212、左右モードランプ213,214、作業機開閉スイッチ215,216、延長レベラ開閉スイッチ217,218、レベラ土寄せ切替スイッチ219、レベラ代掻き作業スイッチ220を備えている。また、リモコン装置60は、制御部221と記憶部222と通信部223と電源224とブザー225を備えている。また、通信部223は出力制御部226を備えている。電源スイッチ210以外のスイッチである左右切替スイッチ212、作業機開閉スイッチ215,216、延長レベラ開閉スイッチ217,218、レベラ土寄せ切替スイッチ219、レベラ代掻き作業スイッチ220を総称して指令スイッチという。
【0067】
電源スイッチ210は、リモコン装置60の電源224の入り切りを行うスイッチである。電源スイッチ210を押して電源投入、再度押すと電源が切れる。電源ランプ(LED)211は、電源が投入されると、電波圏内で通信が確立された場合に点灯する。電波圏外で通信が確立されなかった場合には、通信エラーとなり点滅する。
【0068】
左右切替スイッチ212は、延長作業機体30の開閉、第2延長レベラ36開閉のモードを切り替えるスイッチである。また、左右切替スイッチ212は、延長作業機体30の開閉と第2延長レベラ36の左右操作を切り替える。スイッチを押すと左右同時、右、左、左右同時と順次操作モードの切替ができる。電源投入時は、左右同時モードで立ち上がる。
【0069】
左右モードランプ213,214は、左右同時モードの時は、左右のランプを点灯し、右モードの時は、右のランプ213が点灯し、左モードの時は、左のランプ214が点灯する。
【0070】
作業機開閉スイッチ215,216は、押しているときだけ作動し、延長作業機体30が閉じている状態で開を押すと延長作業機体30が開き作業状態となる。延長作業機体30が開いている状態で閉を押すと延長作業機体30が閉じ格納状態となる。左右切替スイッチ212により左右同時、右のみ、左のみの開閉が行える。
【0071】
延長レベラ開閉スイッチ217,218は、押しているときだけ作動し、第2延長レベラ36が閉じている状態で開を押すと第2延長レベラ36が開く。第2延長レベラ36が開いている状態で閉を押すと第2延長レベラ36が閉じる。左右切替スイッチ212により左右同時、右のみ、左のみの開閉が行える。
【0072】
レベラ土寄せ切替スイッチ219は、押しているときだけ作動し、第2延長レベラ36が閉じた代掻き状態で土寄せを押すとレベラ22及び延長レベラ35が土寄せ状態となる。
【0073】
レベラ代掻き作業スイッチ220は、押しているときだけ作動し、土寄せ状態で代掻きを押すとレベラ22及び延長レベラ35が代掻き状態となる。
【0074】
通信部223は、アンテナ227を介して、各スイッチが押されたときに記憶部222に記憶されるコマンドデータまたはIDデータを電波に載せ、アンテナ227を介して送信する。また、通信部223は、無線受信制御装置70からの信号を受信する。制御部221は、各スイッチが押されたときに、記憶部222に記憶された各スイッチに対応するコマンドデータを読み込み、通信部223に送る。また、電源スイッチ210が押されたときは、記憶部222に記憶されるIDデータを通信部223に送る。記憶部222は、制御部221が行う制御で用いられるプログラム、設定などを格納する。また、記憶部222は、ID情報、電動式油圧シリンダ57、駆動モータ46、回動装置44を動作するコマンドのデータを格納する。電源224は、通信部223、制御部221、記憶部222に電力を供給する。さらに、リモコン装置60は、電源224の停止を制御する電源停止制御部221aを備えている。
【0075】
通信部223の出力制御部226は、電源スイッチ210が入れられた立ち上げ時には、電源スイッチ210以外の各スイッチを操作するときに出力する電波の強度よりも小さい強度で出力する制御を行う。特に、電源スイッチ210が入れられた立ち上げ時には、第1の電波出力で電波を送信し、電源スイッチ210以外の各スイッチを操作するときには第2の電波出力で電波を送信する。このとき、第1の電波出力の強度は、第2の電波出力の強度よりも小さい。それらの第1の電波出力の強度データと第2の電波出力の強度データは、記憶部222に記憶されている。
【0076】
図11は、制御部221の機能ブロック図である。制御部221には、CPU230とメモリ231と入力部232と出力部233を備えている。入力部232には、左右切替スイッチ212と、作業機開閉スイッチ215,216と、延長レベラ開閉スイッチ217,218と、レベラ土寄せ切替スイッチ219と、レベラ代掻き作業スイッチ220と、通信部223からの信号が入力される。
【0077】
出力部233は、通信部223と、電源ランプ211と、右モードランプ213と、左モードランプ214と、ブザー225に信号を出力する。記憶部231は、各スイッチを押したときの動作を制御する制御プログラム240と、電源スイッチ210を押してリモコン装置60を立ち上げるときに実行される立ち上げ時制御プログラム241を記憶している。
【0078】
また、記憶部231は、左切替スイッチ212が押されたときに送信するコマンドである左切替コマンドデータ242と、右切替スイッチ212が押されたときに送信するコマンドである右切替コマンドデータ243と、作業機開スイッチ215が押されたときに送るコマンドである作業機開コマンドデータ244と、作業機閉スイッチ216が押されたときに送信するコマンドである作業機閉コマンドデータ245を記憶している。
【0079】
さらに、記憶部231は、延長レベラ開スイッチ217が押されたときに送信するコマンドである延長レベラ開コマンドデータ246と、延長レベラ閉スイッチ218が押されたときに送信するコマンドである延長レベラ閉コマンドデータ247と、レベラ土寄せ切替スイッチ219が押されたときに送信するレベラ土寄せ切替コマンドデータ248と、レベラ代掻き作業スイッチ220が押されたときに送信するレベラ代掻き作業コマンドデータ249を記憶する。
【0080】
また、記憶部231は、第1電波出力強度データ250と第2電波出力強度データ251とIDデータ252を記憶する。
【0081】
「制御プログラム」240は、例えば、作業機開閉スイッチ215の開215を押したときに、記憶部231に記憶される作業機開コマンドデータ244をCPU230が読み出し、出力部233から通信部223にそのデータを送り、通信部223では、搬送波にその作業機開コマンドデータを載せ、アンテナ227から送信する。このとき、CPU230は記憶部231から第2電波出力データ(例えば、10mW)を読み込み、通信部223の出力制御部226は送信する電波の出力を第2電波出力に設定する。
【0082】
無線受信制御装置70での通信部202はアンテナ101を介して、その電波を受信し、復調し、作業機開コマンドデータを制御部200に送り、制御部200では、そのコマンドデータを解読し、作業機開コマンドを実行し、I/Oユニット203を介して、電動式油圧シリンダ57を動作し、延長作業機体30を開閉動作する。リモコン装置60の他のスイッチも同様にして操作される。
【0083】
「立ち上げ時制御プログラム」241は、電源をオンにしたときに実行されるプログラムであり、電源をオンにすると、制御部221から通信部223へ電波を送信する命令が送られる。そのとき、通信部223の出力制御部226に第1電波出力データ(例えば、2mW)が送られる。このとき、IDデータも電波に載せられる。それにより、通信部223からは、第1電波出力の電波がアンテナ227を介して送信される。所定の時間後に無線受信制御装置70からの返信の電波を受信しないときには、すなわち、無線受信制御装置70に電波がとどかないか、無線受信制御装置70がオフか、IDが異なるときには、電源ランプ(LED)211を点滅させる。
【0084】
無線受信制御装置70に電波がとどいたとき、無線受信制御装置70は、受信した電波からIDデータを取り出し、IDデータを記憶部201のIDデータと照合する。IDデータが一致しない場合には、返信の電波は送らず、IDデータが一致したとき、返信の電波を送る。リモコン装置60は、その無線受信制御装置70からの電波を受信したとき、電源ランプ(LED)211を点灯する。
【0085】
また、「立ち上げ時制御プログラム」241は、電源スイッチ210を入れたときに、通信部223が無線受信制御装置70からの返信の信号を受信したときに、返信の信号にエラーコマンドデータが載せられているか否かを判断する判断ステップ(判断手段)241aを備え、判断ステップ241aが返信の信号にエラーコマンドデータが載せられていると判断したときに電源224をオフする電源停止ステップ(電源停止手段)241bを備えている。
【0086】
それにより、リモコン装置60の電源がすでに入っており、リモコン装置60からの信号を受信できる受信圏内で農作業機用無線受信制御装置70の電源スイッチ205をオンにしたときは、農作業機用無線受信制御装置70からエラーコマンドデータを載せた返信の信号が送られ、その返信の信号を受信したリモコン装置60の電源224は自動的にオフになるので、農作業機用無線受信制御装置70の電源スイッチ205をオンにしたときにいきなり農作業機の動作が起こることがなくなり、安全性を高めることができる。
【0087】
以上のようにして、リモコン装置60の操作による作業機の制御がなされる。
【0088】
次に、リモコン装置60における立ち上げ時制御プログラム241と無線受信制御装置70によって実行される手順を図12のフローチャートを用いて説明する。この立ち上げ時制御プログラムは作業者がリモコン装置60の電源をオンにすることによってスタートする。また、無線受信制御装置70の制御プログラムも無線受信制御装置70の電源をオンにすることによってスタートする。
【0089】
ステップS11:制御部221は、記憶部231からIDデータを読み込み、通信部223に送る。
ステップS12:制御部221は、記憶部231の第1電波出力データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、電波にIDデータを載せて、出力制御部226によって第1電波出力になるように制御してアンテナ227から送信する。
【0090】
ステップS13:制御部221は、無線受信制御装置70からの返信の電波を受信したか否かを判断する。
ステップS14:ステップS13で、もし、返信の電波を受信していなければ、電源ランプ(LED)211を点滅させる。
【0091】
ステップS15:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、ステップS13を実行する。電源オフ条件が成立すれば、ステップS22を実行し、電源をオフする。
【0092】
ステップS16:無線受信制御装置70の制御部200の電源停止制御部200aは、電源スイッチ205をオンにして所定の時間内(例えば、1秒以内)にリモコン装置60からの電波を受信したか否か判断する。
ステップS17:もし、電源スイッチ205をオンして所定の時間内に電波を受信したならば、ブザーをオンする。
【0093】
ステップS18:電源停止制御部200aは、記憶部201に記憶されるエラーコマンドデータ201aを読み出し、通信部202から、エラーコマンドデータを電波に載せて返信の電波を送信する。
ステップS19:電源停止制御部200aは、電源204からの電力の供給を遮断する。そして処理を終了する。
【0094】
ステップS20:リモコン装置60は、ステップS13で返信の電波を受信したとき、その電波にエラーコマンドデータが載せられているか否か判断する。
ステップS21:返信された電波にエラーコマンドデータが載せられていたときは、リモコン装置60は、断続的ブザー音で所定の時間、例えば5秒間ブザーをならす。
ステップS22:リモコン装置60の制御部221は、電源224をオフし、この処理を終了する。
【0095】
ステップS23:無線受信制御装置70は、ステップS16で電源スイッチ205をオンにして所定の時間内に電波を受信しない場合、その所定の時間を過ぎてからリモコン装置60からの電波を受信したか否かを判断する。もし、受信しなければ、リターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
ステップS24:ステップS23で、リモコン装置60からの電波を受信したならば、通信部202は、受信電波からIDデータを取り出し、制御部200に送る。
【0096】
ステップS25:制御部200は、記憶部201に記憶されるIDデータと受信電波からのIDデータと照合する。
ステップS26:制御部200は、ステップS25で照合したIDデータが一致するか否か判断する。もし、IDデータが一致しなければリターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
【0097】
ステップS27:ステップS26でIDデータが一致すれば、制御部200は、通信部202から返信の電波を送信する。そして、リターンし、受信割り込み処理を終了する。
ステップS28:リモコン装置60の制御部221は、通信部223によって無線受信制御装置70からの電波を受信したならば、電源ランプ(LED)211を点灯する。
【0098】
ステップS29:制御部221は、ブザー225をオンにする。例えば、2秒間、ブザーをオンにする。
ステップS30:制御部221は、記憶部231から第2電波出力強度データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、出力制御部226によって電波の出力を第2電波出力強度にする。
【0099】
ステップS31:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、再びステップS31を実行する。これにより、電源スイッチを押す等の電源オフ条件が確立するか、各スイッチが押されるまで待機状態となる。ステップS31で電源オフ条件が成立すれば、電源をオフし(ステップS22)、このプログラムを終了する。
【0100】
以上のように、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、必ず所定時間以内に電波を受信するため、自動的に電源204をオフするので、無線受信制御装置70の電源スイッチ205を入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0101】
次に、図13のフローチャートにより各スイッチが押されたときの手順を説明する。ここでは、作業機開閉スイッチの開を押したときを例に説明する。他のスイッチを押したときの手順は、それぞれのスイッチに対応するコマンドは異なるが、手順としてはほぼ同様であるので説明を省略する。
【0102】
ステップS41:制御部221は、作業者により作業機開閉スイッチ215が押されているかどうかの状態をチェックする。
ステップS42:作業機開閉スイッチ215が押されているとき、記憶部231に記憶される作業機開コマンドデータをCPU230が読み出す。
【0103】
ステップS43:制御部221は通信部222にそのデータを送り、通信部223では、搬送波にその作業機開コマンドデータを載せ、アンテナ227から送信する。このとき、通信部223の出力制御部226は送信する電波の出力を第2電波出力に設定している。
ステップS44:無線受信制御装置70での通信部202はアンテナ101を介して、その電波を受信したか否か判断する。電波を受信しなければ、リターンし、この受信割り込み処理を終了する。
【0104】
ステップS45:ステップS44で電波を受信したならば、通信部202は、返信電波を送信する。
ステップS46:通信部202は、作業機開コマンドデータを抽出し制御部200に送る。
【0105】
ステップS47:制御部200は、そのコマンドデータを記憶する。そして、リターンし、この受信割り込み処理を終了する。
ステップS48:リモコン装置60の制御部221は、無線受信制御装置70からの返信の電波を受信したか否か判断する。もし、返信の電波を受信しなければ、リターンする。これにより、この割り込み処理を終了する。そして、所定時間後、例えば10msec後にこのプログラムをスタートする。
【0106】
ステップS49:ステップS48で返信の電波を受信したならば、ブザーをオンする等の返信完了処理を行い、リターンする。
【0107】
以上のリモコン装置60での処理は、所定時間毎、例えば、10msec毎に繰り返し実行される。
【0108】
図13(b)は、無線受信制御装置70の制御部200が所定時間毎、例えば、20msec毎に実行するタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【0109】
ステップS51:制御部200は、ステップS37で記憶されたコマンドをチェックし、コマンドを解読する。この実施例では、作業機開コマンドが記憶されていることを読み出す。
ステップS52:制御部200は、動作処理を実行する。この実施例では、制御部200は、作業機開コマンドを実行し、I/Oユニット203を介して、電動式油圧シリンダ57を作動させ、延長作業機体30を開く。そして、リターンする。
リモコン装置60の他のスイッチ操作による手順も、コマンドと動作は異なるが、ほぼ同様にして実行される。
【0110】
次に、本発明の第2実施形態に係るリモコン装置60を説明する。第2実施形態では、電源をオンにしたときに、電波の出力がゼロから徐々に大きくなり、通信が確立したときに第2電波出力になるものである。立ち上げ処理のプログラムのみが異なるだけであり、装置構成は、第1の実施形態と同様であるので、立ち上げ処理を説明するのみで他の説明を省略する。
【0111】
図14は、第2実施形態に係るリモコン装置60における立ち上げ時制御プログラムと無線受信制御装置70によって実行される手順を説明するフローチャートである。この立ち上げ時制御プログラムは作業者がリモコン装置60の電源をオンにすることによってスタートする。また、無線受信制御装置70の制御プログラムも無線受信制御装置70の電源をオンにすることによってスタートする。
【0112】
ステップS61:制御部221は、記憶部231からIDデータを読み込み、通信部223に送る。
ステップS62:制御部221は、通信部223の出力制御部226に記憶部231から読み出した第1電波出力強度データを送り、通信部223は、電波にIDデータを載せて、出力制御部226によって出力強度がゼロから漸増するように制御してアンテナ227から送信する。
【0113】
ステップS63:制御部221は、無線受信制御装置70からの返信の電波を受信したか否かを判断する。
ステップS64:ステップS63で、もし、返信の電波を受信していなければ、電源ランプ(LED)211を点滅させる。
【0114】
ステップS65:通信部223の出力制御部226は、出力する電波の強度が第1電波出力強度になったか否かを判断する。もし、第1電波出力強度になっていなければ、ステップS57を実行する。
ステップS66:ステップS65で出力する電波の強度が第1電波出力強度になっていれば、出力する電波の強度を第1電波出力強度で一定に保つ。
【0115】
ステップS67:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、ステップS63を実行する。電源オフ条件が成立すれば、ステップS74を実行し、電源をオフする。
【0116】
ステップS68:無線受信制御装置70の制御部200の電源停止制御部200aは、電源スイッチ205をオンにして所定の時間内(例えば、1秒以内)にリモコン装置60からの電波を受信したか否か判断する。
ステップS69:もし、電源スイッチ205をオンして所定の時間内に電波を受信したならば、ブザーをオンする。
【0117】
ステップS70:電源停止制御部200aは、記憶部201に記憶されるエラーコマンドデータ201aを読み出し、通信部202から、エラーコマンドデータを電波に載せて返信の電波を送信する。
ステップS71:電源停止制御部200aは、電源204をオフする。そして処理を終了する。
【0118】
ステップS72:リモコン装置60は、ステップS13で返信の電波を受信したとき、その電波にエラーコマンドデータが載せられているか否か判断する。
ステップS73:返信された電波にエラーコマンドデータが載せられていたときは、リモコン装置60は、断続的ブザー音で所定の時間、例えば5秒間ブザーをならす。
ステップS74:リモコン装置60の制御部221は、電源224をオフし、この処理を終了する。
【0119】
ステップS75:無線受信制御装置70は、ステップS68で電源スイッチ205をオンにして所定の時間内に電波を受信しない場合、その所定の時間を過ぎてからリモコン装置60からの電波を受信したか否かを判断する。もし、受信しなければ、リターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
ステップS76:ステップS58で、リモコン装置60からの電波を受信したならば、通信部202は、受信電波からIDデータを取り出し、制御部200に送る。
【0120】
ステップS77:制御部200は、記憶部201に記憶されるIDデータと受信電波からのIDデータと照合する。
ステップS78:制御部200は、ステップS18で照合したIDデータが一致するか否か判断する。もし、IDデータが一致しなければリターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
【0121】
ステップS79:ステップS78でIDデータが一致すれば、制御部200は、通信部202から返信の電波を送信する。そして、リターンし、受信割り込み処理を終了する。
ステップS80:リモコン装置60の制御部221は、通信部223によって無線受信制御装置70からの電波を受信したならば、電源ランプ(LED)211を点灯する。
【0122】
ステップS81:制御部221は、ブザー225をオンにする。例えば、2秒間ブザーをオンにする。
ステップS82:制御部221は、記憶部231から第2電波出力強度データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、出力制御部226によって電波の出力を第2電波出力強度にする。
【0123】
ステップS83:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、再びステップS83を実行する。これにより、電源スイッチを押す等の電源オフ条件が確立するか、各スイッチが押されるまで待機状態となる。ステップS83で電源オフ条件が成立すれば、電源をオフし、このプログラムを終了する。
【0124】
以上のように、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、必ず所定時間以内に電波を受信するため、自動的に電源204をオフするので、無線受信制御装置70の電源スイッチ205を入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0125】
次に、本発明の第3実施形態に係る農作業機用無線受信制御装置を説明する。第3実施形態では、農作業機用無線受信制御装置70が、走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、通信手段によって受信された信号に従って農作業機の作動を制御する制御手段と、ブザー音を発するブザー手段を備え、制御手段は、電源スイッチをオンしたときに、リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー手段を駆動し、ブザー音を発する。第3実施形態は、無線受信制御装置70の電源をオンしたときのプログラムの一部が異なるだけであり、装置構成は、第1の実施形態と同様であるので、無線受信制御装置70の電源をオンしたときの処理を説明するのみで他の説明を省略する。
【0126】
図15は、第3実施形態に係るリモコン装置60における立ち上げ時制御プログラムと無線受信制御装置70によって実行される手順を説明するフローチャートである。この立ち上げ時制御プログラムは作業者がリモコン装置60の電源をオンにすることによってスタートする。また、無線受信制御装置70の制御プログラムも無線受信制御装置70の電源をオンにすることによってスタートする。図15に示すフローチャートは、無線受信制御装置70の電源をオンしたときの処理の一部が異なるのみであるため、第1実施形態の図12で示した各処理と同一の処理は、同一のステップ番号を付して説明する。
【0127】
ステップS11:制御部221は、記憶部231からIDデータを読み込み、通信部223に送る。
ステップS12:制御部221は、記憶部231の第1電波出力データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、電波にIDデータを載せて、出力制御部226によって第1電波出力になるように制御してアンテナ227から送信する。
【0128】
ステップS13:制御部221は、無線受信制御装置70からの返信の電波を受信したか否かを判断する。
ステップS14:ステップS13で、もし、返信の電波を受信していなければ、電源ランプ(LED)211を点滅させる。
【0129】
ステップS15:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、ステップS13を実行する。電源オフ条件が成立すれば、ステップS22を実行し、電源をオフする。
【0130】
ステップS16:無線受信制御装置70の制御部200の電源停止制御部200aは、電源スイッチ205をオンにして所定の時間内(例えば、1秒以内)にリモコン装置60からの電波を受信したか否か判断する。
ステップS17:もし、電源スイッチ205をオンして所定の時間内に電波を受信したならば、ブザーをオンする。
【0131】
ステップS18:電源停止制御部200aは、記憶部201に記憶されるエラーコマンドデータ201aを読み出し、通信部202から、エラーコマンドデータを電波に載せて返信の電波を送信する。そしてリターンする。
【0132】
ステップS20:リモコン装置60は、ステップS13で返信の電波を受信したとき、その電波にエラーコマンドデータが載せられているか否か判断する。
ステップS21:返信された電波にエラーコマンドデータが載せられていたときは、リモコン装置60は、断続的ブザー音で所定の時間、例えば5秒間ブザーをならす。
ステップS22:リモコン装置60の制御部221は、電源224をオフし、この処理を終了する。
【0133】
ステップS23:無線受信制御装置70は、ステップS16で電源スイッチ205をオンにして所定の時間内に電波を受信しない場合、その所定の時間を過ぎてからリモコン装置60からの電波を受信したか否かを判断する。もし、受信しなければ、リターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
ステップS24:ステップS23で、リモコン装置60からの電波を受信したならば、通信部202は、受信電波からIDデータを取り出し、制御部200に送る。
【0134】
ステップS25:制御部200は、記憶部201に記憶されるIDデータと受信電波からのIDデータと照合する。
ステップS26:制御部200は、ステップS25で照合したIDデータが一致するか否か判断する。もし、IDデータが一致しなければリターンする。これにより、受信割り込み処理を終了する。
【0135】
ステップS27:ステップS26でIDデータが一致すれば、制御部200は、通信部202から返信の電波を送信する。そして、リターンし、受信割り込み処理を終了する。
ステップS28:リモコン装置60の制御部221は、通信部223によって無線受信制御装置70からの電波を受信したならば、電源ランプ(LED)211を点灯する。
【0136】
ステップS29:制御部221は、ブザー225をオンにする。例えば、2秒間、ブザーをオンにする。
ステップS30:制御部221は、記憶部231から第2電波出力強度データを通信部223の出力制御部226に送り、通信部223は、出力制御部226によって電波の出力を第2電波出力強度にする。
【0137】
ステップS31:電源オフ条件になったか否か判断する。ここで、電源オフ条件は、電源スイッチが押されたか、無操作が所定時間(例えば、5分)継続したか、キー入力が所定時間(例えば、2分)以上継続したかである。もし、電源オフ条件ではなければ、再びステップS31を実行する。これにより、電源スイッチを押す等の電源オフ条件が確立するか、各スイッチが押されるまで待機状態となる。ステップS31で電源オフ条件が成立すれば、電源をオフし(ステップS22)、このプログラムを終了する。
【0138】
以上のように、電源スイッチ205をオンしたときに、リモコン装置60からの信号が受信圏内に存在するときには、必ず所定時間以内に電波を受信するため、電源スイッチ205をオンした後、ブザーをオンし、リモコン装置との通信を確立しないので、無線受信制御装置70の電源スイッチ205を入れたときにいきなり農作業機の動作が実行される可能性をなくし、安全性を高めることができる。
【0139】
なお、第3実施形態では、ステップS18で、エラーコマンドをのせて返信し、リモコン装置を自動的に電源がオフになるようにしたが、それに限らず、無線受信制御装置70のブザーが鳴ったとき、リモコン装置を手動で、電源をオフにし、再び、リモコン装置の電源をオンにすることにより、無線受信制御装置70との通信を確立するようにしてもよい。
【0140】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)等については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 耕耘作業機(農作業機)
44 回動装置
46 駆動モータ
57 電動式油圧シリンダ
60 無線指令装置(リモコン装置)
70 無線受信制御装置
101 アンテナ
200 制御部
200a 電源停止制御部
201 記憶部
201a エラーコマンドデータ
202 通信部
203 I/Oユニット
204 電源
205 電源スイッチ
206 ブザー
210 電源スイッチ
221 制御部
222 記憶部
223 通信部
224 電源
226 出力制御部
241a 判断手段
241b 電源停止手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、
該農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、前記リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、
前記通信手段によって受信された信号に従って前記農作業機の作動を制御する制御手段を備え、
前記通信手段と前記制御手段への電力の供給をオンオフする電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に前記制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段を備えていることを特徴とする農作業機用無線受信制御装置。
【請求項2】
前記リモコン装置の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータを記憶する記憶手段を備え、
前記電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、前記記憶手段から前記エラーコマンドデータを読み込み、前記通信手段から、前記エラーコマンドデータを載せた信号を送信することを特徴とする請求項1記載の農作業機用無線受信制御装置。
【請求項3】
前記電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー音を発するブザー手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の農作業機用無線受信制御装置。
【請求項4】
走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、
該農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、前記リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、
前記通信手段によって受信された信号に従って前記農作業機の作動を制御する制御手段と、
ブザー音を発するブザー手段を備え、
前記制御手段は、前記電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー手段を駆動し、ブザー音を発することを特徴とする農作業機用無線受信制御装置。
【請求項5】
前記リモコン装置の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータを記憶する記憶手段を備え、
前記電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、前記記憶手段から前記エラーコマンドデータを読み込み、前記通信手段から、前記エラーコマンドデータを載せた信号を送信することを特徴とする請求項4記載の農作業機用無線受信制御装置。
【請求項6】
走行機体の後部に装着される農作業機に設けられた、アンテナで受信した電波に含まれ得る指令信号に応じて前記農作業機の作動を制御する無線受信制御装置に、指令信号を含んだ電波を送信するリモコン装置であって、
電源と、該電源をオンオフする電源スイッチと、
前記農作業機の各種作動を制御するための指令信号を送るための指令スイッチと、
各種作動を制御するための指令信号データを記憶する記憶手段と、
前記電源スイッチがオン状態のとき、指令信号を搬送するための電波を送信し、前記指令スイッチがオンされたとき前記指令信号データに基づいて指令信号を前記電波に載せて送信する通信手段と、
該指令スイッチに応じた前記指令信号データを前記記憶手段から読み込み、前記指令信号データを前記通信手段に送る制御手段を備え、
前記制御手段は、前記通信手段が受信した前記無線受信制御装置からの返信の信号にエラーコマンドデータが載せられているか否かを判断する判断手段を備え、
前記判断手段が前記返信の信号にエラーコマンドデータが載せられていると判断したときに前記電源をオフする電源停止手段を備えることを特徴とする農作業機用リモコン装置。
【請求項1】
走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、
該農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、前記リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、
前記通信手段によって受信された信号に従って前記農作業機の作動を制御する制御手段を備え、
前記通信手段と前記制御手段への電力の供給をオンオフする電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、自動的に前記制御手段への電力の供給を遮断する電源停止制御手段を備えていることを特徴とする農作業機用無線受信制御装置。
【請求項2】
前記リモコン装置の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータを記憶する記憶手段を備え、
前記電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、前記記憶手段から前記エラーコマンドデータを読み込み、前記通信手段から、前記エラーコマンドデータを載せた信号を送信することを特徴とする請求項1記載の農作業機用無線受信制御装置。
【請求項3】
前記電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー音を発するブザー手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の農作業機用無線受信制御装置。
【請求項4】
走行機体の後部に装着される農作業機に設けられ、
該農作業機の動作を指令する操作指令を無線信号によって指令するリモコン装置からの信号を受信し、前記リモコン装置に返信の信号を送る通信手段と、
前記通信手段によって受信された信号に従って前記農作業機の作動を制御する制御手段と、
ブザー音を発するブザー手段を備え、
前記制御手段は、前記電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、ブザー手段を駆動し、ブザー音を発することを特徴とする農作業機用無線受信制御装置。
【請求項5】
前記リモコン装置の電源をオフするコマンドであるエラーコマンドデータを記憶する記憶手段を備え、
前記電源スイッチをオンしたときに、前記リモコン装置からの信号が受信圏内に存在するときには、前記記憶手段から前記エラーコマンドデータを読み込み、前記通信手段から、前記エラーコマンドデータを載せた信号を送信することを特徴とする請求項4記載の農作業機用無線受信制御装置。
【請求項6】
走行機体の後部に装着される農作業機に設けられた、アンテナで受信した電波に含まれ得る指令信号に応じて前記農作業機の作動を制御する無線受信制御装置に、指令信号を含んだ電波を送信するリモコン装置であって、
電源と、該電源をオンオフする電源スイッチと、
前記農作業機の各種作動を制御するための指令信号を送るための指令スイッチと、
各種作動を制御するための指令信号データを記憶する記憶手段と、
前記電源スイッチがオン状態のとき、指令信号を搬送するための電波を送信し、前記指令スイッチがオンされたとき前記指令信号データに基づいて指令信号を前記電波に載せて送信する通信手段と、
該指令スイッチに応じた前記指令信号データを前記記憶手段から読み込み、前記指令信号データを前記通信手段に送る制御手段を備え、
前記制御手段は、前記通信手段が受信した前記無線受信制御装置からの返信の信号にエラーコマンドデータが載せられているか否かを判断する判断手段を備え、
前記判断手段が前記返信の信号にエラーコマンドデータが載せられていると判断したときに前記電源をオフする電源停止手段を備えることを特徴とする農作業機用リモコン装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−4671(P2011−4671A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152075(P2009−152075)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(390010836)小橋工業株式会社 (198)
【出願人】(391018639)バブ日立工業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(390010836)小橋工業株式会社 (198)
【出願人】(391018639)バブ日立工業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
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