説明

農作業機

【課題】代掻き作業後の浮遊塵を高い精度で集塵除去することができる。
【解決手段】湛水圃場内を走行可能な走行体1における進行方向の前方に上下昇降自在に装着される作業部10を備え、作業部10は、走行体1に上下昇降自在に装着された支持枠11と、支持枠11に支持され、作業時に湛水圃場の水面に沿って保持される底面12Aと底面12Aの側方及び進行方向の後方を囲う側面12Bとを有して、進行方向の前方に開口12Cを有する集塵バケット12と、支持枠12に設けられ、開口12Cの進行方向の前方に位置して、開口12Cの前方から集塵バケット12内に向かう水流を形成する水流形成手段13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機に関するもので、特には、水田において代掻き作業後、田植え作業前に行われる作業を担う農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、水田での稲作は、収穫後の耕起作業、湛水後の代掻き作業、田植え作業、管理作業、収穫作業の各作業が機械化され、作業効率の向上と労力の軽減が実現されている。一方で、前述した各作業の繋ぎに補助作業を行う場合があり、これに大きな労力と作業時間を要することが問題になっている。
【0003】
特に、代掻き作業では、泥土層表面を均平化することに加えて、湛水面上に浮遊する稲藁等の塵(以下、浮遊塵という)を除去することが求められており、代掻きか作業が終わった後に、畦際から手持ちレーキ等による手作業で浮遊塵を畦に引き上げる補助作業が行われている。
【0004】
代掻き後の浮遊塵を無くすためには、下記特許文献1に記載されるように、稲藁等を土中に埋め込む技術が開発されている。この従来技術では、代掻き作業を行うロータリの後方に、浮遊塵を土中に押しつける埋め込み装置を付加的に装着したものが示されている。
【特許文献1】特開平7−255210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術のように付加的な埋め込み装置によって一時的に土中に浮遊塵を埋め込んだとしても、時間経過に伴って再び塵が浮き上がってくることがあり、根本的な問題解決にはなっていない。また、代掻き用のロータリ作業機の改善によって、完全に代掻き後の浮遊塵を無くすことが検討されているが、浮遊塵の形態も地域によって様々であり、現実問題として、ロータリ作業機のすき込みによって完全に浮遊塵を無くすことは困難である。
【0006】
代掻き後の浮遊塵が存在すると、田植え作業時に、田植機の植え付け爪に浮遊塵が絡まって植え付け作業の精度が低下するという問題や、植え付け不良によって浮き苗が発生するという問題があると共に、浮遊塵が風で移動して正規に植えられた苗を押し倒すという問題があり、浮遊塵の存在が田植え作業の作業精度を大きく悪化させることが問題視されている。
【0007】
現状では、畦際からの手作業で浮遊塵を畦に引き上げることが行われているが、浮遊塵は風によって任意の方向に移動するので、畦際からは手の届かない所に移動し停滞してしまうことがあり、畦際からの手作業では完全に浮遊塵を除去することができない問題がある。
【0008】
また、生産性向上のために圃場面積は拡大する傾向にあるので、畦の周囲を回りながらの手作業による浮遊塵の集塵作業は、かなりの重労働であり、この作業の労働負荷を軽減することが求められている。
【0009】
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものである。すなわち、代掻き作業後の浮遊塵を高い精度で集塵除去することができること、これによって、その後に行われる田植え作業の作業精度を向上させることができること、浮遊塵を除去する作業の労力を削減することができること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明による農作業機は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
【0011】
[請求項1]湛水圃場内を走行可能な走行体における進行方向の前方に上下昇降自在に装着される作業部を備え、前記作業部は、前記走行体に上下昇降自在に装着された支持枠と、前記支持枠に支持され、作業時に湛水圃場の水面に沿って保持される底面と該底面の側方及び前記進行方向の後方を囲う側面とを有して、前記進行方向の前方に開口を有する集塵バケットと、前記支持枠に設けられ、前記開口の前記進行方向の前方に位置して、前記開口の前方から前記集塵バケット内に向かう水流を形成する水流形成手段とを備え、前記集塵バケットは、前記水流を通過させ、該水流によって当該集塵バケット内に入った浮遊塵を集塵することを特徴とする農作業機。
【0012】
[請求項6]湛水圃場を走行可能な乗用型の走行体と、該走行体における進行方向の前方に上下昇降自在に連結された作業部を備え、前記作業部は、前記走行体に上下昇降自在に連結された支持枠と、前記支持枠に支持され、作業時に湛水圃場の水面に沿って保持される底面と該底面の側方及び前記進行方向の後方を囲う側面とを有して、前記進行方向の前方に開口を有する集塵バケットと、前記支持枠に設けられ、前記開口の前記進行方向の前方に位置して、前記開口の前方から前記集塵バケット内に向かう水流を形成する水流形成手段とを備え、前記集塵バケットは、前記水流を通過させ、該水流によって当該集塵バケット内に入った浮遊塵を集塵することを特徴とする農作業機。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る農作業機の構成を示す説明図である(同図(a)が側面概念図、同図(b)が平面作用図)。本発明の実施形態に係る農作業機は、湛水圃場内を走行可能な走行体1における進行方向の前方に上下昇降自在に装着される作業部10を備え、作業部10は、走行体1に上下昇降自在に装着された支持枠11と、支持枠11に支持され、作業時に湛水圃場の水面に沿って保持される底面12Aと底面12Aの側方及び進行方向の後方を囲う側面12Bとを有して、進行方向の前方に開口12Cを有する集塵バケット12と、支持枠11に設けられ、開口12Cの進行方向の前方に位置して、開口12Cの前方から集塵バケット12内に向かう水流(同図(b)の矢印参照)を形成する水流形成手段13とを備え、集塵バケット12は、前記水流を通過させ、該水流によって集塵バケット12内に入った浮遊塵を集塵する機能を有する。
【0014】
ここで、湛水圃場とは、例えば、代掻き作業終了後の水田を指し、湛水圃場を走行可能とは、湛水状態の圃場内を意図した進行方向に沿って走行できることを指す。代掻き作業後の水田を対象とする場合には、走行体1は、代掻きによって均平化された圃場面を荒らさない走行部を備えていることが好ましく、例えば、田植え作業等に用いられる汎用ビークルのような比較的車輪幅の狭い走行部を備えたものが好ましい。また、走行体1は、3点リンク昇降機構等の昇降手段を備えている。
【0015】
ここでいう、走行体1の進行方向とは、走行体1自身の前進走行であっても後進方向であっても良い。すなわち、走行体1を前進させながら作業を行う場合は、走行体1の前側に作業部10が装着されることになり、走行体1を後進させながら作業を行う場合は、走行体1の後側に作業部10が装着されることになる。
【0016】
作業部10の支持枠11は、前述した走行体1に装備される昇降手段に装着される装着部11A,11Bを具備している。支持枠11は、走行体1の進行方向前方が開放されたコの字状の枠体であり、その枠体の進行方向後方側の辺に前述した装着部11A,11Bが備えられている。前述した走行体1の昇降手段に装着された支持枠11は、昇降手段によって略平行に上下に昇降されることが好ましい。
【0017】
集塵バケット12は、前述したように底面12Aと側面12Bを備えて、走行体1の進行方向前方に開口12Cを備えるもので、集塵バケット12内に流れ込む水流が通過するように、網状に形成されるか或いは設定された大きさの水通過孔を有するものである。
【0018】
水流形成手段13は、必要に応じて付加される駆動力によって、開口12Cの前方から集塵バケット12内に向かう水流を形成する機能を有するものであれば、どのような形態であっても良い。例えば、走行体1から伝達された駆動力或いは走行体1の前進推進力によって回転して水流を形成する水掻き手段等が有効である。水流形成手段13を強制駆動させる場合は、走行体1からの駆動力を利用することが有効であり、例えば、必要な動力伝達系13Aを介して、走行体1のPTO(Power Take Off)軸に接続するか、或いは、走行体11のバッテリによって支持枠11に搭載させる駆動モータを駆動させる等の手段を採用することができる。
【0019】
このような基本構成を備えた農作業機によると、湛水圃場の水面Wに浮いた浮遊塵を効果的に集塵することができる。すなわち、作業時には、図1(a)に示すように、走行体1の昇降手段を降下させて、集塵バケット12の底面12Aが水面Wに沿って保持されるように支持枠11の位置を設定する。底面12Aの保持位置は水面下であっても水面上であっても良いが、水流形成手段13によって、集塵バケット12内に流れ込む水流が形成されることが必要である。
【0020】
この状態で走行体1を進行方向に走行させると、水流形成手段13によって形成された水流が開口12Cから集塵バケット12内に流れ込むことになり、その水流に乗った水面W上の浮遊塵が集塵バケット12内に集められることになる。この際、集塵バケット12は、水流の方向を乱さないことが要求され、水流を通過させて進行方向後方に逃がすのに適当な構造が必要になり、また、言うまでもなく、集められた浮遊塵を集塵バケット12内に止める集塵構造が必要になる。
【0021】
図2は、本発明の他の実施形態に係る農作業機の構造を示す説明図である。この実施形態に係る農作業機は、乗用型の走行体1Aと前述した作業部10とを連結して、乗用型自走式の農作業機を構成したものである。すなわち、この実施形態における農作業機は、湛水圃場を走行可能な乗用型の走行体1Aと、走行体1Aにおける進行方向の前方に上下昇降自在に連結された作業部10を備えており、走行体1Aと作業部10の支持枠11とが昇降手段1A1によって連結されている。
【0022】
走行体1Aは、運転席1A2,ハンドル1A3,湛水圃場での走行を可能にする走行部1A4を備える乗用型自走式走行体である。作業部10は前述した実施形態と同様であるから、同じ符号を付して重複説明を省略する。このような乗用型の自走式農作業機によると、進行方向前方に作業部10が連結されているので、作業者は、浮遊塵の存在位置を確認して、その箇所に作業部10を移動させて作業を行うことができ、安全且つ効率的に浮遊塵の集塵作業を実行することができる。
【0023】
以下に、作業部10の構造をより具体的に説明する。以下の具体例は本発明の一実施例であって、特にこの例に本発明が限定されるものではない。また、以下に説明する作業部10は、図1及び図2の実施形態の両方に適用できるものである。なお、以下の説明では、走行体1(又は1A)のバッテリによって駆動される駆動モータを水流形成手段13の駆動源にしているが、これに換えて、前述したように、走行体1(又は1A)の駆動力を機械的な動力伝達機構によって伝達して水流形成手段13を駆動するようにしても良い。
【0024】
図3〜図5は、本発明の実施例における作業部10の全体構造を示す説明図(図3は斜視図、図4,5は側面図)である。基本構成は前述したとおりであり、装着部11A,11Bを備えた支持枠11、底面12A,側面12B(12B,12B)を備えた集塵バケット12、水流形成手段13を備えている。
【0025】
集塵バケット12は、この実施例では、左右の側面12Bには、縦横に整列した水通過孔aが形成されており、進行方向後側の側面12Bは、網材によって形成されている。また、底面12Aには、長穴状の水通過孔bが散在して形成されている。進行方向後側の側面12Bを網材で形成することで水通しを良好にしており、これによって、水流形成手段13で形成された水流が滞ることなく、円滑に進行方向後方に向けて流れるようにしている。
【0026】
また、集塵バケット12には、その底面12Aの下方に、湛水圃場を滑走するフロート20を配備している。フロート20は、進行に伴って集塵バケット12の開口12Cの底面が圃場面に食い込むのを防止すると共に、集塵バネット12の底面12Aが圃場面に接する場合の抵抗を低くするために設けられるものであり、プラスチック成形体等の低比重で表面摩擦抵抗の低い材料で形成することができる。
【0027】
そして、集塵バケット12は、開口12Cを下に向けるように支持枠11に回転自在に軸支されていると共に、底面12Aが水平に保持されるように支持枠11に解除自在に係合されている。すわなち、集塵バケット12の左右側面12Bが支持軸12Dによって、支持枠11の左右両側部に固着された支持部材12E,12E間に軸支されている。また、集塵バケット12の左右側面12Bに設けられた係止部12Fが支持枠11の左右両側部に固着された係止部材12G,12Gに解除自在に係止されている。係止部材12Gには、回動可能に係止片12G1が取り付けられており、この係止片12G1を回動させることによって、図5に示すように、集塵バケット12が開口12Cを下に向けるように自重で回転するようになっている。
【0028】
この集塵バケット12の回転は、集塵バケット12に集められた浮遊塵を排出する際に行われる。集塵作業が終わると、作業部10を圃場から引き上げ、所定の排出場所で支持枠11を必要な高さに上昇させた後、係合部材12Gを解除して集塵バケット12を回転させる。これによると、集塵作業終了後には、走行体を走行させて作業部10を適切な場所に移動させ、集めた浮遊塵を排出することができるので、集塵から排出までの作業労力を軽減することができると共に、作業時間を短縮することができる。
【0029】
この実施例の水流形成手段13は、複数の水掻き板30とこの水掻き板を所定角度に保持しながら回動させる回動機構31とを備えている。図6は、実施例の水流形成手段13の構造を説明する説明図である。
【0030】
先ず、回動機構31は、支持枠11の左右両側に軸支された被回転駆動軸31A、この被回転駆動軸31Aに固着されて軸に対して放射状に腕部31B1を伸ばす左右一対の被回転駆動板31B、被回転駆動板31Bと同形状で、被回転駆動板31Bの一方側で被回転駆動板31Bとは偏心状態で支持枠11に回転自在に支持され、外周端部が被回転駆動板31Bの腕部31B1の先端部と平行リンク31C1で結合された偏心回転板31C、一対の被回転駆動板31B間で各腕部31B1,31B1に軸支され、平行リンク31C1に固着された作用棒31Dを備えている。被回転駆動軸31Aの端部には動力伝達部材31Eが取り付けられている。
【0031】
複数の水掻き板30は、各作用棒31Dに所定角度を保持するように固定されている。図示の例では、作業棒31Dには水掻き板30の下端から下方に突出するように掻き寄せタイン30Aが設けられている。各水掻き板30は走行体の進行方向に対して垂直方向に延びており、水掻き板30が水中で移動する間に板面が水を掻いて水流を形成する。
【0032】
この実施例における水流形成手段13の動作を説明すると、例えば、駆動モータ40の駆動力が動力伝達部材31Eに伝達されると、被回転駆動軸31Aが回転駆動され、これに伴って一対の被回転駆動板31Bが回転駆動される。そうすると、被回転駆動板31Bと平行リンク31C1で連結された偏心回転板31Cも回転することになり、平行リンク31C1に固着された作用棒31Dは、方向性を保持した状態で被回転駆動板31Bの腕部31B1の先端部軌跡に沿って回転する。これによって、各作用棒31Dに所定角度を保持するように固定されている水掻き板30が所定角度を維持したまま腕部31B1の先端部軌跡に沿って移動することになり、水掻き板30の水中での移動によって板面で水が掻かれて水流が形成される。水掻き板30は、水中で進行方向の前方から後方に向けて移動するように駆動されるので、水掻き板30の移動によって、集塵バケット12の開口12Cの前方から集塵バケット12内に向かう水流が形成されることになる。
【0033】
図示の実施例では、水掻き板30と併せて掻き寄せタイン30Aを設けているが、これによると、水流による浮遊塵の移動に加えて掻き寄せタイン30Aの掻き込み力が直接浮遊塵に作用するので、更に効果的に浮遊塵を集塵バケット12内に掻き入れることができる。
【0034】
更に、支持枠11には、開口12Cの前方左右両側に位置する側板50を設けている。この側板50によって、水流形成手段13によって形成された水流が側方に逃げることなく集塵バケット12内に向かって流れるようになる。また、側板50の下方には、側板50間に架け渡されて集塵バケット12の底面12Aの開口端に繋がる案内板51を設けている。これによって、水流形成手段13によって形成された水流が底面12A下に逃げることなく集塵バケット12内に向かって流れるようになる。
【0035】
また、側板50の進行方向前方には、一対の前方案内板52が前端を開放するように設けられている。これによって、側板50の前方から集塵バケット12の開口12Cに向かう水流の幅を拡げることができ、作業部10の移動に対して、その前方のみならず周辺に存在する浮遊塵を集塵バケット12内に集めることができる。
【0036】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る農作業機によると、代掻き作業後の浮遊塵を高い精度で集塵除去することができ、これによって、その後に行われる田植え作業の作業精度を向上させることができる。また、浮遊塵を除去する作業の労力を削減すると共に、作業を迅速に完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る農作業機の構成を示す説明図である(同図(a)が側面概念図、同図(b)が平面作用図)。
【図2】本発明の他の実施形態に係る農作業機の構造を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例における作業部の全体構造を示す説明図(斜視図)
【図4】本発明の実施例における作業部の全体構造を示す説明図(側面図)
【図5】本発明の実施例における作業部の全体構造を示す説明図(側面図)
【図6】本発明の実施例における水流形成手段の構造を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1,1A 走行体
10 作業部
11 支持枠
11A,11B 装着部
12 集塵バケット
12A 底面
12B 側面
12C 開口
13 水流形成手段
20 フロート
30 水掻き板
31 回動機構
40 駆動モータ
50 側板
51 案内板
52 前方側板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湛水圃場内を走行可能な走行体における進行方向の前方に上下昇降自在に装着される作業部を備え、
前記作業部は、
前記走行体に上下昇降自在に装着された支持枠と、
前記支持枠に支持され、作業時に湛水圃場の水面に沿って保持される底面と該底面の側方及び前記進行方向の後方を囲う側面とを有して、前記進行方向の前方に開口を有する集塵バケットと、
前記支持枠に設けられ、前記開口の前記進行方向の前方に位置して、前記開口の前方から前記集塵バケット内に向かう水流を形成する水流形成手段とを備え、
前記集塵バケットは、前記水流を通過させ、該水流によって当該集塵バケット内に入った浮遊塵を集塵することを特徴とする農作業機。
【請求項2】
前記水流形成手段は、複数の水掻き板と、前記支持枠に回転自在に軸支され、前記走行体からの駆動力によって回転駆動され、前記複数の水掻き板を所定角度に保持しながら回動させる回動機構とを備えることを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
前記集塵バケットは、前記開口を下方に向けるように前記支持枠に回転自在に軸支されると共に、前記底面を水平に保持するように前記支持枠に解除自在に係合されることを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項4】
前記集塵バケットの底面下方に湛水圃場を滑走するフロートを配備したことを特徴とする請求項1又は2記載の農作業機。
【請求項5】
前記支持枠に、前記開口の前方左右両側に位置する側板を設け、該側板間に架け渡され前記底面の開口端に繋がる案内板を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農作業機。
【請求項6】
湛水圃場を走行可能な乗用型の走行体と、
該走行体における進行方向の前方に上下昇降自在に連結された作業部を備え、
前記作業部は、
前記走行体に上下昇降自在に連結された支持枠と、
前記支持枠に支持され、作業時に湛水圃場の水面に沿って保持される底面と該底面の側方及び前記進行方向の後方を囲う側面とを有して、前記進行方向の前方に開口を有する集塵バケットと、
前記支持枠に設けられ、前記開口の前記進行方向の前方に位置して、前記開口の前方から前記集塵バケット内に向かう水流を形成する水流形成手段とを備え、
前記集塵バケットは、前記水流を通過させ、該水流によって当該集塵バケット内に入った浮遊塵を集塵することを特徴とする農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−50241(P2009−50241A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222597(P2007−222597)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000107653)株式会社IHIスター (36)
【Fターム(参考)】