説明

農業用、園芸用および獣医学用の組成物

少なくとも1つの獣医学的、農学的および/または園芸学的に活性な有機化合物と、第2の元素がドープされている二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛、かつ/あるいは還元された酸化亜鉛とを含む、獣医学用使用、農業用使用または園芸用使用のために好適な組成物、ならびに、少なくとも1つの有機殺生物剤と、指定された酸化物の1つとを含む、家庭用使用のために好適な組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業、園芸および獣医学における使用のために好適な組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
獣医学用組成物、農業用組成物および園芸用組成物(例えば、除草剤および殺昆虫剤など)の有効成分の多くはUV光によってひどく影響を受けることが広く知られている。そのような有機化合物は、不活性な化合物、または、処理されている領域に対する有害な作用を有する化合物のいずれかに、UV光の影響下で破壊または分解される傾向がある。結果として、UV光の侵入を許さない特別な容器でこれらの製造物を保存することが必要である。そうでない場合、製造物の貯蔵寿命はあまりにも短すぎる。
【発明の開示】
【0003】
今回、驚くべきことに、本発明によれば、そのような有機化合物に対するUV光の有害な影響が、第2の元素がドープされている二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛、かつ/あるいは還元された酸化亜鉛とを組成物に配合することによって低下させ、かつ/または排除することができることが見出された。すなわち、この特定の酸化物を配合物において含めることによって、特別な容器の使用をなくし、かつ/または製造物の寿命を延ばすことが可能である。加えて、その存在により、使用者は製造物のより少ない量を使用することが可能になる。
【0004】
従って、本発明は、少なくとも1つの獣医学的、農学的および/または園芸学的に活性な有機化合物と、第2の元素がドープされている二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛と、かつ/あるいは還元された酸化亜鉛とを含む、獣医学用使用または農業用使用または園芸用使用のために好適な組成物、ならびに、ある場所における動物種、農業種または園芸種を処理するための方法であって、そのような組成物により前記場所を処理することを含む方法を提供する。
【0005】
UV吸収の損失の何らかの低下は利点である一方で、本発明の酸化物の存在により、UV吸収率が少なくとも5%(好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、特に少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも40%)の量ほど低下させられることが一般には望ましい。
【0006】
酸化物粒子に対するドーパントは、好ましくは、マンガン(これが特に好ましく、例えば、Mn2+であり、特にMn3+)、バナジウム(例えば、V3+またはV5+)、クロムおよび鉄であり、しかし、使用することができる他の金属には、ニッケル、銅、スズ、アルミニウム、鉛、銀、ジルコニウム、亜鉛、コバルト、ガリウム、ニオブ(例えば、Nb5+)、アンチモン(例えば、Sb3+)、タンタル(例えば、Ta5+)、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、モリブデン(例えば、Mo3+、Mo5+またはMo6+)、ならびにケイ素が含まれる。マンガンは、好ましくは、Mn2+だけでなく、Mn3+としても存在し、コバルトはCo2+として、スズはSn4+として存在する。これらの金属は、単独で、あるいは、2つまたは3つまたはそれ以上の組合せで含むことができる。これらのドープ処理された酸化物のさらなる詳細を国際特許出願公開WO99/60994号ならびに同WO01/40114号に見出すことができる。
【0007】
ホスト格子における第2成分の最適な量は日常的な実験によって決定することができる。0.1モル%以下もの低い量(例えば、0.05モル%)または1モル%以上もの高い量(例えば、5モル%または10モル%)を一般に使用することができる。典型的な濃度は0.5〜2重量モル%である。
【0008】
これらの粒子は、ドープ処理された酸化物および塩を調製するための標準的なプロセスのいずれかによって得ることができる。従って、これらの粒子は、ホスト格子(TiO/ZnO)の粒子を、塩化物または酸素含有アニオン(例えば、過塩素酸塩または硝酸塩)などの塩の形態にある第2成分と、溶液または懸濁物において、典型的には、水溶液において一緒にし、その後、典型的には少なくとも300℃の温度で焼成することによる焼成技術によって得ることができる。ドープ処理物を調製するために使用することができる他の経路には、J.Mat.Sci.(1997)36、6001〜6008に記載されるタイプの析出プロセスが含まれ、このプロセスでは、ドーパント塩の溶液と、ホスト金属(Ti/Zn)のアルコキシドの溶液とが混合され、混合された溶液が、その後、アルコキシドを酸化物に変換するために加熱される。加熱は、ドープ処理物の析出物が得られるまで続けられる。調製のさらなる詳細を上記の特許明細書に見出すことができる。
【0009】
ルチル形態のチタニアが、アナターゼ形態よりも光に安定であることが知られており、従って好ましい。
【0010】
還元された酸化亜鉛粒子(すなわち、酸素イオンに対して過剰な亜鉛イオンを有する粒子)は、酸化亜鉛の粒子を還元性雰囲気中で加熱して、UV光(特に、390nm未満の波長を有するUV光)を吸収し、緑色で、好ましくは約500nmで光を出す還元された酸化亜鉛粒子を得ることによって容易に得ることができる。還元された酸化亜鉛粒子は、前記粒子が水性環境でUV光にさらされたとき、ヒドロキシルラジカルの生成が上記で議論されたように実質的に低下するように粒子の表面への電子および/または正荷電空孔の移動を最小限に抑えることと矛盾しない還元された酸化亜鉛を含有することが理解される。
【0011】
還元性雰囲気は、低下した酸素含有量または増大した水素含有量を有する空気であり得るが、好ましくは、水素および不活性気体(例えば、窒素またはアルゴンなど)の混合物である。典型的には、水素濃度は容積比で1%〜20%(特に5%〜15%)であり、残りが不活性気体(特に窒素)である。好ましい還元性雰囲気は容積比で約10%の水素および約90%の窒素である。酸化亜鉛は、この雰囲気において、例えば、500℃〜1000℃(一般には750℃〜850℃、例えば、約800℃)で5分間〜60分間(一般には10分間〜30分間)加熱される。典型的には、酸化亜鉛は約800℃で約20分間加熱される。
【0012】
還元された酸化亜鉛粒子は過剰なZn2+イオンを吸収コア内に有することが考えられる。これらは局在化状態であり、そのため、バンドギャップ内に存在し得る。このことのさらなる議論を国際特許出願公開WO99/60994に見出すことができる。
【0013】
本発明において使用される酸化物粒子は無機または有機の被覆を有してもよい。例えば、粒子は、アルミニウム、ジルコニウムまたはケイ素などの元素の酸化物により被覆することができる。金属酸化物の粒子はまた、ポリオール、アミン、アルカノールアミン、ポリマー状有機ケイ素化合物(例えば、RSi[{OSi(Me)}xOR(式中、RはC〜C10アルキルであり、Rはメチルまたはエチルであり、xは4〜12の整数である))、親水性ポリマー(例えば、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースおよびキサンタンガムなど)、または界面活性剤(例えば、TOPOなど)などの1つまたは複数の有機物質により被覆することができる。
【0014】
粒子の平均一次粒子サイズは一般には約1nm〜200nmであり、例えば、約1nm〜150nm、好ましくは約1nm〜100nm、より好ましくは約1nm〜50nm、最も好ましくは約20nm〜50nmである。
【0015】
粒子が実質的に球状である場合、粒子サイズは、直径を表すことが理解される。しかしながら、本発明はまた、非球状である粒子を包含し、そのような場合、粒子サイズは最大長さの大きさを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、有機有効成分を含有する農業用使用または園芸用使用のために意図される任意の組成物に対して適用可能であり、そして同様に、一般には局所適用される有機有効成分を含有する獣医学用組成物に対しても適用可能である。一般に、有効成分は殺生物剤であり、しかし、例えば、植物成長促進剤または植物成長調節剤が可能である。従って、本発明の組成物は、典型的には、除草剤、殺真菌剤、殺昆虫剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、軟体動物駆除剤、殺ダニ剤または殺鼠剤であり、これらは広範囲であり得るか、または選択的であり得る。本発明は、UV光によって悪影響を受ける早分解性殺昆虫剤のために特に有用である。獣医学用組成物は、例えば、防腐剤調製物または創傷治療調製物の形態を取ることができる。
【0017】
本発明の組成物はまた、例えば、殺昆虫剤および殺鼠剤のように、家庭用使用のために配合することができる。従って、本発明はまた、少なくとも1つの有機殺生物剤と、第2の元素がドープされている二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛と、かつ/あるいは、還元された酸化亜鉛とを含む、家庭用使用のために好適な組成物を提供する。
【0018】
本発明の組成物は、そのような組成物のために現在用いられる有機有効成分のいずれかを含有することができる。
【0019】
本発明において使用することができる好適な除草剤には、トリアジン系、アミド系(特にハロアセトアニリド系)、カルバメート系、トルイジン系(ジニトロアニリン系)、ウレア系、植物成長ホルモン(特にフェノキシ酸系)およびジフェニルエーテル系が含まれる。従って、使用することができる除草剤には、フェノキシアルカン酸系、ビピリジニウム系、フタル酸化合物を伴うベンゾニトリル系、ジニトロアニリン系、酸アミド系、カルバメート系、チオカルバメート系、複素環窒素化合物(トリアジン系、ピリジン系、ピリダジノン系、スルホニルウレア系、イミダゾール系および置換ウレア系を含む)、そして同様に、ハロゲン化脂肪族カルボン酸系、いくつかの無機物質および有機物質、ならびに生物学的に重要なアミノ酸の誘導体が含まれる。本発明において使用することができる具体的な除草剤には、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)および2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)が含まれる。好適なトリアジン系には、2−クロロ−4,6−ビス(アルキルアミノ)−s−トリアジン、2−メチルチオ−4,6−ビス(アルキルアミノ)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(アルキルアミノ)−s−トリアジン、ならびにいくつかの2−アジド置換トリアジン系が含まれる。典型的なウレア系除草剤には、モヌロン(3−p−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア)、ならびに、ジウロン、ネブロン、フェヌロンおよびクロロクスロンが含まれる。好適なカルバメート系には、N−フェニルカルバメートおよびカルバニリド酸イソプロピル(プロファム)およびそれらの置換誘導体(m−クロロカルバニリド酸イソプロピル(クロルプロファム)を含む)、ならびに、バーバン、スエップ(swep)、ジクロルマートおよびテルブトールが含まれる。好適なチオカルバメート系には、EPTC、メタム、バーノレート、CDEC、ペブレート、ダイアレート、トリアレート、ブチレート、モリネート、シクロエート、チオベンカルブおよびエチオレートが含まれる。好適なアミド系除草剤には、ソラン、ジクリル、プロパニル、ジペハミド、プロパクロール、アラクロール、CDAA、ナプタラム、ブタクロル、プリナクロルおよびナプロパミドが含まれる。好適な塩素化脂肪族酸系には、トリクロロ酢酸(TCA)、ダラポンおよび2,2,3−トリクロロプロピオン酸が含まれる。好適な塩素化安息香酸系には、クロラムベン、DCPA、ジカンバ、ジクロベニルおよび2,3,6−TBAが含まれる。使用することができるフェノール系除草剤には、ブロモキシニル、アイオキシニル、DNOCおよびジノセブが含まれる。使用することができる好適なジニトロアニリン系には、ベネフィン、トリフルラリン、ニトラリン、オリザリン、イソプロパリン、ジニトラミン、フルクロラリン、プロフルラリンおよびブトラリンが含まれる。好適なビピリジニウム系除草剤には、ジクワット塩およびパラコート塩ならびにそれらの誘導体が含まれる。
【0020】
本発明において使用することができる好適な殺昆虫剤には、ニコチノイド、ロテノイド、サバジラおよび植物リアニア・スペシオサ(ryania speciosa)の種子の誘導体、ならびにピレスロイド、そして同様に、有機塩素系殺昆虫剤、有機リン系殺昆虫剤、カルバメート系殺昆虫剤、および様々な昆虫成長調節剤が含まれる。
【0021】
好適なニコチノイドには、硫酸ニコチンおよびイミドクロプリドが含まれる。ピレスロイドは、そのほとんどが今や合成である殺昆虫剤の大きな一群を構成しており、これらには、レスメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、エムペントリン、プラレトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、テトラメトリンおよびデルタテトラメトリン(それらの異性体(特に光学活性な異性体)を含む)、ならびに、これらの誘導体が含まれる。好適な有機塩素系殺昆虫剤には、DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)、ならびに、メトキシクロルおよびペルタン、そして同様に、リンデン、トキサフェン、クロルデン、ヘプタクロル、アルドリン、ディルドリンおよびエンドリンが含まれる。好適な有機リン系殺昆虫剤には、無水リン酸および無水ホスホロチオン酸、脂肪族ホスホロチオアートエステル、ならびに、フェニルホスホロチオアートエステル、フェニルホスホロジチオアートエステル、フェノール類のホスホロチオアートエステル、ビニルホスファート類、複素環エノールのホスホロチオアートエステル、およびs−メチル複素環のホスホロチオアートエステルが含まれる。これらのなかで、特に、パラチオン、メチルパラチオン、ジカプトン、クロルチオン、フェニトロチオン、フェンチオンおよびフェンスルホチオン、ならびに、フェンクロルホス、シアノホス、プロパホスおよびテメホスを挙げることができる。使用することができる好適なカルバメート系殺昆虫剤には、カルバリル、カルボフラン、プロポクスル、ジオキサカルブ、ベンダイオカルブ、メキサカルバート、イソプロカルブおよびエチオフェンカルブが含まれる。好適なダニ駆除剤には、クロルフェネトール、クロロベンジレート、ジコホル、テトラジホン、スルフェノン、オベックス(ovex)、プロパルギット、シヘキサチンおよびジエノクロルが含まれる。
【0022】
上記に示された殺昆虫剤のいくつかは、齧歯類を殺すために好適るが、使用することができる他の殺鼠剤には、急性殺鼠剤および慢性毒(抗凝固剤を含む)が含まれる。これらは、胃毒、接触毒、またはくん蒸剤であり得る。そのような抗凝固剤には、ジクマロール、ワルファリン、クマテトラリ、クマクロル、ジフェナクム、ブロジファクム、ブロマジオロン、ピンドン、ジファシノンおよびクロロファシノンが含まれる。
【0023】
本発明の組成物において使用することができる殺昆虫剤はまた、昆虫は多くの病原体によって攻撃されるので、微生物剤の形態が可能である。これらには、細菌剤(具体的にはバチルス属の微生物、特にバチルス・チューリンギエンシス(bacillus thuringiensis)(b.t.)の様々な株、例えば、b.t.aizawa、b.t.israelensis、b.t.kurstakiおよびb.t.tenebrionisなど)、真菌剤、原生動物およびウイルスが含まれる。
【0024】
本発明の組成物において使用することができる好適な抗真菌剤には、イオウ、銅、水銀およびスズなどの元素、ならびに、チオカルバメート誘導体およびチウラム誘導体、フタルイミド系およびトリクロロメチルチオカルボキシミド系、芳香族炭化水素およびジカルボキシミド系が含まれる。具体的な例には、フェルバム、ジラム、チラム、ゼネブ、マネブおよびマンコゼブ、ならびに、ジメチルチオカルバメート系およびエチレンビス−(ジチオカルバメート)系が含まれる。他の有用な抗真菌剤には、キャプタン、ホルペット、カプタホルおよびジクロフルアニドが含まれる。好適な芳香族炭化水素には、キントゼン、ジノカップ、クロロネブ、ジクロラン、ジクロンおよびクロロタロニル、ならびに、オキサゾリジンジオン系(例えば、ビンクロゾリン、クロゾリネートなど)、ヒダントイン系(例えば、イプロジオンなど)、およびスクシンイミド系(例えば、プロシミドンなど)が含まれる。使用することができる他の抗真菌剤には、グアニジン塩(例えば、ドジンなど)、キノン系(例えば、ジチアノンなど)、キノキサリン系(例えば、キノメチオナートなど)、ピリダジン系(例えば、ジクロメジンなど)、チアジアゾール系(例えば、エトリジアゾールなど)、ピロール系(例えば、フェンピクロニルなど)、キノリン系(例えば、エトキシキンなど)、およびトリアジン系(例えば、アニラジンなど)が含まれる。使用することができる他の抗真菌剤には、一般にはカルボキサニリドであるミトコンドリア呼吸阻害剤が含まれ、これには、カルボクス、オキシカルボキシン、フルトラニル、フェンフラム、メプロニル、メタフロキサムおよびメトスルホバックスが含まれる。使用することができるさらなる抗真菌剤には、微小管重合阻害剤が含まれ、これには、チアベンダゾール、フベリダゾール、カルベンダジム、ベノミルおよびチオファネートメチルが含まれる。他の好適な抗真菌剤には、ステロール生合成の阻害剤が含まれ、これには、1−窒素を介して大きな親油性基に結合している1,2,4−トリアゾール基を有するトリアゾール系などのC−14脱メチル化阻害剤、特に、トリアジメホン、プロピコナゾール、テブコナゾール、シプロコナゾールおよびテトラコナゾール、ならびに、ケイ素原子を取り込むフルシラゾール、ミクロブタニル、フルトリアホールおよびイミベンコナゾールが含まれる。使用することができる他の抗真菌剤には、RNA生合成阻害剤、リン脂質生合成阻害剤、メラニン生合成阻害剤、真菌タンパク質生合成阻害剤、および細胞壁生合成阻害剤が含まれる。
【0025】
本発明の組成物は液体または固体の形態であり得る。液体組成物は水性または非水性であり得るが、一方、固体形態には、散剤または粉剤、顆粒および錠剤が含まれる。殺鼠剤については、特に、組成物は、殺鼠剤および特別な酸化剤により処理されている餌(特に食物、例えば、穀粒)の形態を取ることができる。
【0026】
組成物における有効成分の濃度は広い範囲で変化させることができ、しかし、典型的には0.5〜95重量%(例えば、1〜50重量%)である。
【0027】
本発明による組成物は、好ましくは、0.5%〜95重量%(w/w)の有効成分を含有する。
【0028】
本発明による農業用使用または園芸用使用のための組成物は一般には、処理される場所(これは、例えば、植物、種子または土壌であり得る)への適用を容易にするために、あるいは、貯蔵、輸送または取り扱いを容易にするためにキャリアを含む。キャリアは、固体または液体、ならびに、通常の場合には気体であるが、圧縮されて液体を形成している物質であり得る。
【0029】
組成物は、例えば、エマルション高濃度物、溶液、水中油型エマルション、水和剤、溶解可能な粉末、懸濁高濃度物、粉剤、顆粒、水分散性顆粒、マイクロカプセルおよびゲルの形態であり得る。他の物質、例えば、増量剤、溶媒、固体キャリア、表面活性化合物(界面活性剤)、ならびに、必要な場合には固体および/または液体の助剤および/または佐剤を存在させることができる。組成物は、例えば、吹き付け、噴霧、分散または流し込みによる散布のために配合することができる。
【0030】
使用することができる溶媒には、芳香族炭化水素(例えば、置換されたナフタレンなど)、フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジブチルまたはフタル酸ジオクチルなど)、脂肪族炭化水素(例えば、シクロヘキサンまたはパラフィン)、アルコールおよびグリコールならびにそれらのエーテルおよびエステル(例えば、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルおよびエチレングリコールジメチルエーテル)、ケトン(例えば、シクロヘキサノンなど)、強極性溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドンまたはγ−ブチロラクトンなど)、高級アルキルピロリドン(例えば、n−オクチルピロリドンまたはシクロヘキシルピロリドン)、エポキシ化された植物油エステル(例えば、メチル化されたココナツ油またはダイズ油)、および水が含まれる。混合物もまた使用することができる。
【0031】
粉剤、水和剤、水分散性顆粒または顆粒のために使用することができる固体キャリアには、鉱物系増量剤(例えば、シリカ、方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイトまたはアタパルガイトなど)が含まれる。物理的性質を、高分散シリカゲルまたはポリマーの添加によって改善することができる。顆粒のためのキャリアは多孔性物質(例えば、軽石、カオリン、海泡石、ベントナイト)であり得る。非収着性キャリアは方解石または砂であり得る。
【0032】
組成物は高濃度物として配合することができる。この場合、高濃度物は、その後、適用前に使用者によって希釈することができる。界面活性剤であるキャリアの少量の存在はこの希釈プロセスを容易にする。従って、好ましくは、本発明による組成物は好ましくは界面活性剤を含有する。例えば、組成物は2つ以上のキャリアを含有することができ、この場合、そのうちの少なくとも1つが界面活性剤である。そのような界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性または双性イオン性であり得る。
【0033】
本発明の組成物は、例えば、水和剤、水分散性顆粒、粉剤、顆粒、溶液、乳化可能な高濃度物、エマルション、懸濁高濃度物およびエアロゾルとして配合することができる。水和剤は通常、5〜90%w/wの有効成分と、3〜10%w/wの分散化剤および/または湿潤化剤と、望ましい場合には0〜10%w/wの安定化剤および/または他の添加物(例えば、浸透剤または増粘剤など)とを含有する。粉剤は通常、水和剤の組成と類似する組成を有するが、分散剤を伴わない粉剤高濃度物として配合される。水分散性顆粒は通常、0.15mm〜2.0mmのサイズを有し、かつ、0.5〜90%w/wの有効成分と、0〜20%w/wの添加物(例えば、安定化剤、界面活性剤、徐放性改質剤および結合剤など)とを含有するように調製される。乳化可能な高濃度物は通常、溶媒または溶媒混合物に加えて、1〜80%w/vの有効成分と、2〜20%w/vの乳化剤と、0〜20%w/vの他の添加物(例えば、安定化剤、浸透剤および腐食防止剤など)とを含有する。懸濁高濃度物は通常、5〜75%w/vの有効成分と、0.5〜15%w/vの分散化剤と、0.1〜10%w/vの懸濁化剤(例えば、保護コロイドおよびチキソトロピー剤など)と、0〜10%w/vの他の添加物(例えば、消泡剤、腐食防止剤、安定化剤、浸透剤および増粘剤など)と、有効成分が実質的に不溶である水または有機液体とを含有する。特定の有機固体または無機固体を、沈降および結晶化を防止することを助けるために、または、水に対する凍結防止剤として、配合物に溶解させて存在させることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの獣医学的、農学的および/または園芸学的に活性な有機化合物と、第2の元素がドープされている二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛、かつ/あるいは還元された酸化亜鉛とを含む、獣医学用使用または農業用使用または園芸用使用のために好適な組成物。
【請求項2】
少なくとも1つの有機殺生物剤と、第2の元素がドープされている二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛、かつ/あるいは還元された酸化亜鉛とを含む、家庭用使用のために好適な組成物。
【請求項3】
ドーパントが、マンガン、バナジウム、クロムまたは鉄である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
ドーパントがMn3+である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
ドーパントが0.05モル%〜10モル%の量で存在する、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ドーパントが重量比で0.5モル%〜2モル%の量で存在する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
ドープ処理された二酸化チタンを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
二酸化チタンがルチル形態である、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
還元された酸化亜鉛を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項10】
0.5〜20重量モル%の酸化物を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
酸化物が1nm〜200nmの粒子サイズを有する、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
活性な化合物が、除草剤、殺真菌剤、殺昆虫剤、ダニ駆除剤、殺ダニ剤または殺鼠剤である、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
活性な化合物が殺昆虫剤である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
1つまたは複数の増量剤、有機溶媒または界面活性剤を含有する、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
水性の液体もしくは非水性の液体、粉末、顆粒または錠剤の形態である、前記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
実質的には前記の請求項1または2に記載の組成物。
【請求項17】
獣医学用使用、農業用使用、園芸用使用または家庭用使用のために好適な組成物における1つまたは複数の獣医学的、農学的および/または園芸学的に活性な化合物の濃度を低下させるための、請求項1〜9のいずれか一項に記載されるドープ処理されたTiO/ZnOおよび/または還元された酸化亜鉛の使用。
【請求項18】
獣医学用使用、農業用使用、園芸用使用または家庭用使用のために好適な組成物における1つまたは複数の獣医学的、農学的および/または園芸学的に活性な化合物の貯蔵寿命を増大させるための、請求項1〜9のいずれか一項に記載されるドープ処理されたTiO/ZnOおよび/または還元された酸化亜鉛の使用。
【請求項19】
1つまたは複数の獣医学的、農学的または園芸学的あるいは家庭用に活性な有機化合物を含む、獣医学用使用、農業用使用、園芸用使用または家庭用使用のために好適な組成物の有効性を増大させる方法であって、請求項1〜9のいずれか一項に記載されるドープ処理されたTiO/ZnOおよび/または還元された酸化亜鉛を組成物に配合することを含む方法。
【請求項20】
ある場所における農業種または園芸種を処理するための方法であって、請求項1および3〜16のいずれか一項に記載される組成物により前記場所を処理することを含む方法。





【公表番号】特表2006−526598(P2006−526598A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508370(P2006−508370)
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002191
【国際公開番号】WO2004/105487
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(301062455)オクソニカ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】