説明

近赤外分光分析用サンプルの前処理設備、前処理方法および分析方法

【課題】 オンラインNIR分析計でリアルタイムに測定する際に、油水混合サンプルを簡易な油水分離装置で前処理することにより、油水混合物中の油相に含まれる分析対象成分を、混在する遊離水分によって阻害されること無く、かつ、測定時間遅れが少なく、安定的、継続的に測定結果を得ることができるNIR分析計の分析サンプルの前処理設備、前処理方法および該方法を用いたオンラインNIR計のよる有機化合物の分析方法を提供する。
【解決手段】 下記第1手段〜第3手段を用いる。
第1手段:油水混合溶液のサンプルを冷却して油相の飽和水分濃度を低下させる冷却手段
第2手段:第1手段で冷却された油水混合溶液の油相と水相の分離を行う粗油水分離手段
第3手段:第2手段で大部分の水相と分離された油相を再度昇温し、油相の飽和水分濃度を上昇させる加熱手段

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油水混合溶液中の油相に含まれる分析対象成分をオンライン近赤外分光分析計(以下NIR分析計と省略する。)を用いて分析する際における、分析サンプルの前処理設備、前処理方法および分析方法に関するものである。更に詳しくは、油水混合物中の油相に含まれる分析対象成分を、混在する水分によって阻害されること無く、かつ、測定時間遅れが少なく、安定的、継続的に測定結果を得ることができるという優れた特徴を有するNIR分析計の分析サンプルの前処理設備、前処理方法および分析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近赤外分光(NIR)による分析は分光法分析の一つで、目的成分の高速分析が可能なため、オンライン分析として化学プラントではしばしば用いられる分析方法である。しかし、NIR分析計に供給される分析サンプルは、NIRの不安定な散乱を避けるために均一相、または、NIRの散乱が許容範囲でなければならない。一方、化学プラントにおいては、しばしばプロセスから採取された油水混合状態のサンプルの分析要求があるが、そのままではサンプル中の目的成分の分析を行うことが困難な事が多い。そこで、バッチサンプル分析では、遠心分離機による前処理を行い油水を分離したり、オンライン分析においては、重力を利用した油水分離装置を用いたり、レイノールズ数を430以上に上げて測定する(特許文献1参照)等の手段が取られる。しかし、遠心分離機による方法は、オンライン分析に適用するのは困難であり、重力を利用した油水分離装置を用いる場合は、油相と水相の相互親和性の比較的高い混合液のときは、分離時間(滞留時間)を長くとらなくてはならず、油水分離設備が大型化し、分析時間遅れが問題となる。また、レイノールズ数を430以上に上げて測定する方法は、特定の系に適用される方法であり、分析対象が限定される等の問題がある。
【0003】
油水分離速度を改善するために、測定サンプルをフィルター状のエレメントに通過させることで油中の微細な水をコアレッシングして大きな水滴に成長させるコアレッサーを設置して、重力による沈降時間を改善する方法もあるが、目詰まりを起こすとエレメントの交換メンテナンスが必要となることや、エレメントのコストを要する等の問題がある。また油水分離装置からNIR分析計までの導管でサンプル液温度が下がった場合は油相の飽和水分濃度が低下し、微細な水滴が遊離してくるため、安定した測定結果が得られない等の問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2005−17055号公報(第1頁〜第3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる状況において、本発明は、オンラインNIR分析計でリアルタイムに測定する際に、油水混合物中の油相に含まれる分析対象成分を、混在する遊離水分によって阻害されること無く、かつ、測定時間遅れが少なく、安定的、継続的に測定結果を得ることができるNIR分析計の分析サンプルの前処理設備、前処理方法および該方法を用いたオンラインNIR計のよる有機化合物の分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明の第1は、下記第1手段〜第3手段を有することを特徴とする、オンライン近赤外分光分析計用サンプルの前処理設備に係るものである。
第1手段:油水混合溶液のサンプルを冷却して油相の飽和水分濃度を低下させる冷却手段
第2手段:第1手段で冷却された油水混合溶液の油相と水相の分離を行う粗油水分離手段
第3手段:第2手段で大部分の水相と分離された油相を再度昇温し、油相の飽和水分濃度を上昇させる加熱手段
【0007】
本発明の第2は、前記の前処理設備を用いる方法であって、油水混合溶液を冷却して油相の飽和水分濃度を低下させ、次いで重力沈降を利用した粗油水分離を行い、分離された油相を再度昇温することにより、油相の飽和水分濃度を上昇させ、油中に残存する微量の遊離水分を油中に溶解させることにより実質的に近赤外線を散乱させる微細な水滴を無くすることを特徴とするオンライン近赤外分光分析計用サンプルの前処理方法に係るものである。前記油水混合溶液が、クメンをアルカリ水の存在下、酸素含有ガスで酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液である場合、前記油水混合溶液が下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法の酸化工程で得られ、クメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液である場合には、本発明は一層効果的である。
酸化工程:クメンをアルカリ水の存在下、空気酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液を得る工程
エポキシ化工程:酸化工程で得たクメンハイドロパーオキサイドを含むクメン溶液とプロピレンとを反応させることにより、プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
クメン回収工程:エポキシ化工程で得たクミルアルコールと水素を反応してクメンとし、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
【0008】
さらに、本発明の第3は、前記の前処理方法を用いて処理した、油水混合液中の有機化合物をオンライン近赤外分光分析計により測定することを特徴とする有機化合物の分析方法に係るものである。前記油水混合溶液が、クメンをアルカリ水の存在下、酸素含有ガスで酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液である場合、前記油水混合溶液が下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法の酸化工程で得られ、クメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液である場合、本発明はより効果的に実施される。
酸化工程:クメンをアルカリ水の存在下、空気酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液を得る工程
エポキシ化工程:酸化工程で得たクメンハイドロパーオキサイドを含むクメン溶液とプロピレンとを反応させることにより、プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
クメン回収工程:エポキシ化工程で得たクミルアルコールと水素を反応してクメンとし、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
【発明の効果】
【0009】
本発明により、オンラインNIR分析計でリアルタイムに測定する際に、油水混合サンプルを簡易な油水分離装置で前処理することにより、油水混合物中の油相に含まれる分析対象成分を、混在する遊離水分によって阻害されること無く、かつ、測定時間遅れが少なく、安定的、継続的に測定結果を得ることができるNIR分析計の分析サンプルの前処理設備、前処理方法および該方法を用いたオンラインNIR計のよる有機化合物の分析方法を提供することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の第1は、オンラインNIR分析計用サンプルの前処理設備であり、下記の第1手段〜第3手段を有する設備により構成されている。
【0011】
第1手段は、油水混合溶液のサンプルを冷却して油相の飽和水分濃度を低下させる冷却手段であって、対象の油水混合物の温度にもよるが通常は80℃から150℃の油水混合物を約40℃程度まで冷却できればよい。冷媒として冷却水を用いた冷却熱交換器やジャケットクーラー等を利用することができる。
【0012】
第2手段は、第1手段で冷却された油水混合溶液の油相と水相の分離を行う粗油水分離手段である。サンプル液冷却工程で所望の温度まで冷却され、油相における水分の溶解度が低下した油水混合溶液を、重力沈降を利用して粗油水分離を行う手段であって、油水分離槽、油水分離管等を利用することができる。ここでいう油水分離槽、油水分離管とは、油水混合液を装置内で充分流速の遅い状態とし、重力沈降により油相と水相を重力分離し、油水界面を作ることで油水を上層と下層に分離することができる装置であり、横型ドラムや、縦型垂直管などを用いることができる。
【0013】
第3手段は、第2手段で大部分の水相と分離された油相を再度昇温し、油相の飽和水分濃度を上昇させる加熱手段である。粗油水分離手段で大部分の水相と分離された油相を再度昇温し、油相の飽和水分濃度を上げて油相に残存する微細な遊離水分を油中に溶解させてNIRを散乱させる要因となる微細な液滴を測定に問題のない程度まで除去する手段であって、約40℃に冷却された主として油相からなるサンプル液を約70℃に加熱できればよい。温水を加熱媒体として用いた熱交換器、スチーム加熱器、スチームトレース、電気ヒーター等を利用することができる。
【0014】
本発明の第2は、分析用サンプルをNIR分析計に供するに際して、前記の前処理設備を用いて油水混合液を分離し、近赤外線を散乱させる微細な水滴が油分中に実質的に存在しないように前処理する方法である。
【0015】
以下本発明の実施態様の一例を示す流れ図(図1)に基づいて説明する。プロセス1は、油水混合液が中間体あるいは製品を含んで生成する化学プロセスであって、多くの有機化学合成プロセスが該当する。例えば、クメンをアルカリ水の存在下、空気酸化してクメンハイドロパーオキサイドを得る、フェノール製造のクメン酸化プロセスや、イソプロピルベンゼンをアルカリ水の存在下、空気酸化してイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを得る、ハイドロキノン/レゾルシン製造における酸化プロセス等が挙げられる。
【0016】
プロセス1から油水混合液の一部をボトムポンプ2により、サンプリング循環配管3を通じてプロセス1へ循環する。液温度は反応温度であり、通常80℃〜150℃程度である。循環流量は、流速が速いほど分析時間遅れが短くなるが、流量が多くなると配管での圧力損失も大きくなり、配管サイズが大きくなることや循環動力がロスするため、循環液流量計4で1〜10L/minの流量で流量管理するとよい。
【0017】
サンプリング循環配管3から循環液の一部をサンプリング配管5へ分岐し、冷却器6で冷却する。サンプリング流量は、NIR測定器の要求範囲流量範囲であれば特に制限はないが、流量が小さすぎると時間遅れが問題となり、逆に大きすぎると後段の冷却設備、油水分離設備、加熱設備が過大になるので100〜1000ml/min程度に設定する。この流量はNIR計出口に設置した流量計14で決定する。
【0018】
冷却器6により、充分冷却して油中の飽和水分濃度を下げる。冷却温度は、後段のNIR測定器に供給される温度以下であればよいが、過剰に冷却することは、冷却設備の大型化につながるため、通常40℃程度まで冷却する。冷却された油水混合液を、油水分離器8に供給して粗油水分離を行う。この目的には、目的の油水混合液の性質に応じた滞留時間を有するように設計した縦型油水分離配管を用いるのが簡便である。すなわち、予め目的の油水混合液を所定の温度、例えば、一旦攪拌した油水混合サンプルを40℃で静置して粗油水分離するのに必要充分な滞留時間を測定して設計することができる。粗油水分離された油相は油水分離器8の上部から抜出され、加熱器11により再度昇温し、微量の残存遊離水分を油相へ溶解させる。
【0019】
昇温の温度は、NIR分析計の耐熱上限以下であって、温度計10で測定された油水分離器の内温度よりも高ければよく、通常70℃程度である。所定温度まで再加熱された油分のサンプル液は、NIR分析計で測定された後にプロセスへ戻される。加熱器とNIR分析計の間の配管は油分の温度が保たれるように断熱保温材やスチームトレース等による保温を行うとよい。
【0020】
油水分離器で分離された水相は、分離水還流配管9を経てサンプリング循環配管3に戻されるが、逆流防止のためU字配管で水シール(図示せず)することにより、水と油の比重差により特にポンプを用いることなくプロセスへ戻すことができる。
【0021】
本発明の第3は、前記の前処理方法を用いて油水混合物を前処理して、分離された油分中に含まれる有機化合物をオンラインNIR分析計で測定する有機化合物の分析方法である。前記のように、有機合成化学プロセスにおいては、生成物が油水混合物である場合、測定対象の有機化合物は主として有機相である油相に含まれるので、プロセス管理に有用であるNIR分析計では、油水混合物をそのまま分析することは困難である。油水混合物を連続的に分離して、油相中の特定の化合物をNIR分析計により的確に測定することにより、プロセス管理をより好適に行うことが本発明の方法により可能になった。
【0022】
本発明が有用に適用される場合を、以下具体的に説明する。スチレンモノマー等を併産しない有用なプロピレンオキサイドの製造方法の一つとして、下記のプロセスがある。
【0023】
クメンをアルカリ水の存在下、空気酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液を得る酸化工程と酸化工程で得たクメンハイドロパーオキサイドを含むクメン溶液とプロピレンとを反応させることにより、プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得るエポキシ化工程とエポキシ化工程で得たクミルアルコールと水素を反応してクメンとし、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルするクメン回収工程よりなるプロピレンオキサイド製造方法である。
【0024】
この製造方法において、酸化工程で得られる油水混合物中の油相には、次のエポキシ化工程で使用されるクメンハイドロパーオキサイドが含まれるので、油相中のクメンハイドロパーオキサイドをオンラインで迅速に分析し、プロセス管理を行う必要がある。そこで本発明の油水混合物の前処理方法を用いて、実質的にNIR測定に問題を生じさせる遊離水分を含まない油分を連続的に取り出して、オンラインNIR分析計で分析することによって、油水分離による大幅な時間遅れを生じることなく分析することが可能であり、製造プロセス管理が有効に行われる。
【実施例】
【0025】
以下、具体的な実施例に基づき、発明の詳細を説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
プロピレンオキサイド製造におけるクメン酸化プロセスで、クメンをアルカリ水の存在下、空気酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液の油相中のクメンハイドロパーオキサイド濃度測定を、本発明の実施態様の一例を示す流れ図(図1)に基づいて製作した装置を用いて実施した。冷却器6は円筒容器をジャケットとし、中に直径10/8φmmのステンレス管をスパイラル状に巻き、約29℃の冷水で冷却するようにしたものを用いた。加熱器11は同様にしてスチームで加熱した。ここで、冷却器6、加熱器11は、ともにサンプル液をチューブ側に通すとサンプルが装置を通過する時間が短くて済むため望ましい。油水分離器8は、滞留時間約300secになるように設計した。
プロセスの酸化反応器の底部抜き出し液として、油/水比率が約20/1であるクメンハイドロパーオキサイド含有酸化油水混合液の一部をサンプリング循環配管3を通じて循環した。液温度は反応温度とほぼ等しく、約100℃程度であり、循環流量は、5L/minに設定した。サンプリング循環配管3からサンプリング配管5にて循環液の一部をNIR出口流量計で200ml/minに調整して採取し、冷却器6で40℃まで冷却した。冷却された油水混合液は、油水分離器8で分離された油相を上部から加熱器11へ送り、70℃に加熱した。次いで、NIR分析計13で測定し、プロセスへ還流した。
このようにして、NIR計で連続測定したクメン酸化油水混合液の油相中のクメンハイドロパーオキサイド濃度は、ヨードメトリー滴定法によるバッチ分析と良く一致し、大幅な測定時間遅れを生じることなく分析できた。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施態様の一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0027】
1…プロセス、2…ボトムポンプ、3…サンプリング循環配管、4…循環液流量計、5…サンプリング配管、6…冷却器、7…冷媒、8…油水分離器、9…分離水還流配管、10…温度計、11…加熱器、12…加熱媒体、13…NIR分析計、14…NIR出口流量計、15…温度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記第1手段〜第3手段を有することを特徴とする、オンライン近赤外分光分析計用サンプルの前処理設備。
第1手段:油水混合溶液のサンプルを冷却して油相の飽和水分濃度を低下させる冷却手段
第2手段:第1手段で冷却された油水混合溶液の油相と水相の分離を行う粗油水分離手段
第3手段:第2手段で大部分の水相と分離された油相を再度昇温し、油相の飽和水分濃度を上昇させる加熱手段
【請求項2】
請求項1記載の前処理設備を用いる方法であって、油水混合溶液を冷却して油相の飽和水分濃度を低下させ、次いで重力沈降を利用した粗油水分離を行い、分離された油相を再度昇温することにより、油相の飽和水分濃度を上昇させ、油中に残存する微量の遊離水分を油中に溶解させることにより実質的に近赤外線を散乱させる微細な水滴を無くすることを特徴とするオンライン近赤外分光分析計用サンプルの前処理方法。
【請求項3】
前記油水混合溶液が、クメンをアルカリ水の存在下、酸素含有ガスで酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液である請求項2記載の前処理方法。
【請求項4】
前記油水混合溶液が下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法の酸化工程で得られ、クメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液である請求項2または3記載の前処理方法。
酸化工程:クメンをアルカリ水の存在下、空気酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液を得る工程
エポキシ化工程:酸化工程で得たクメンハイドロパーオキサイドを含むクメン溶液とプロピレンとを反応させることにより、プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
クメン回収工程:エポキシ化工程で得たクミルアルコールと水素を反応してクメンとし、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載の前処理方法を用いて処理した、油水混合液中の有機化合物をオンライン近赤外分光分析計により測定することを特徴とする有機化合物の分析方法。
【請求項6】
前記油水混合溶液が、クメンをアルカリ水の存在下、酸素含有ガスで酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液である請求項5記載の分析方法。
【請求項7】
前記油水混合溶液が下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法の酸化工程で得られ、クメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液である請求項5または6記載の分析方法。
酸化工程:クメンをアルカリ水の存在下、空気酸化することにより得られるクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化油水混合液を得る工程
エポキシ化工程:酸化工程で得たクメンハイドロパーオキサイドを含むクメン溶液とプロピレンとを反応させることにより、プロピレンオキサイド及びクミルアルコールを得る工程
クメン回収工程:エポキシ化工程で得たクミルアルコールと水素を反応してクメンとし、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程

【図1】
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【公開番号】特開2006−242693(P2006−242693A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57366(P2005−57366)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】