通信装置、プログラム及び通信制御方法
【課題】周波数帯(スペクトラム)の二次利用を効率的に行うこと。
【解決手段】第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する、通信装置を提供する。
【解決手段】第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する、通信装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、プログラム及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一次利用される周波数帯(スペクトラム)の利用状況に応じて、その周波数帯を二次的な通信サービスに利用できるようにするための議論が進められている。例えば、米国のデジタルTV放送の周波数帯に含まれる未使用のチャネル(TVホワイトスペース)を無線通信に開放するための標準規格がIEEE802.22ワーキンググループにおいて検討されている(下記非特許文献1参照)。また、2008年11月のFCC(Federal Communications Commission)からの報告によれば、一定の条件を満たして許可を受けた通信装置を用いてTVホワイトスペースを二次利用することが認められる方向にある(下記非特許文献2参照)。また、EUを中心として、DSA(Dynamic Spectrum Access)を実現するためのCPC(Cognitive Pilot Channel)と呼ばれる専用の制御チャネルを全世界共通で割当てようとする動きもある。さらに、DSAを行う二次利用システムのための技術検討はIEEEのSCC(Standards Coordinating Committee)41においても進められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「IEEE802.22 WG on WRANs」、[online]、[2009年1月5日検索]、インターネット<URL:http://www.ieee802.org/22/>
【非特許文献2】「SECOND REPORT AND ORDER AND MEMORANDUM OPINION AND ORDER」、[online]、[2009年1月5日検索]、インターネット<URL:http://hraunfoss.fcc.gov/edocs_public/attachmatch/FCC-08-260A1.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、二次利用システムを実現する上で、システムに参加する通信装置が有すべき機能を分類し、その分類に基づいて周波数帯の二次利用を効率的に運用できるシステムモデルを提示した事例は未だ報告されていない。
【0005】
そこで、本発明は、周波数帯の二次利用を効率的に運用することのできる、新規かつ改良された仕組みを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施形態によれば、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する、通信装置が提供される。
【0007】
また、別の実施形態によれば、通信装置を制御するコンピュータを、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する、制御部として機能させるための、プログラムが提供される。
【0008】
また、別の実施形態によれば、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求することと、前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可することと、を含む通信制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本開示に係る技術によれば、周波数帯の二次利用を効率的に運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態に係る通信装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図3】図2の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態の一変形例に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図5】図4の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図7】図6の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図8】第3の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図9】図8の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図10】第4の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図11】図10の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図12】第5の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図13】図12の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図14】周波数帯の二次利用を実現する一般的な通信システムの構成を示す模式図である。
【図15】図14の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.周波数帯の二次利用のための機能分類
2.通信装置の構成例
3.通信システムの構成例
4.ノード間で送受信されるデータの例
【0013】
<1.周波数帯の二次利用のための機能分類>
まず、周波数帯の二次利用を実現するために、システムに参加する通信装置が有すべき主な機能(FC:Function Class)を以下に列挙する。なお、システムに参加する通信装置は、ここに列挙する7つの機能(FC1〜FC7)のうちいずれか1つ又は複数の機能を有するものとする。
・FC1:二次通信許可ノード
・FC2:一次通信中継ノード
・FC3:拡張判定ノード
・FC4:判定ノード
・FC5:協調測定ノード
・FC6:測定ノード
・FC7:通信ノード
【0014】
[1−1.二次通信許可ノード(FC1)]
二次通信許可ノード(FC1)は、後述する拡張判定ノード又は判定ノードにより周波数帯の二次利用が可能であると判定された場合に、周波数利用規定(スペクトラムポリシー)に従って二次利用に係る通信サービス(以下、第2の通信サービスという)の開始又は拡張を許可する。例えば、二次通信許可ノードは、過去にスペクトラムの不正利用を行った装置の認証ID、端末ID、デバイスID又はセンサIDなどを一覧化したブラックリストを予め保持している。そして、二次通信許可ノードは、第2の通信サービスの開始又は拡張を要求したノードのIDを当該ブラックリストに照合し、そのノードのIDがブラックリストに存在しない場合に、第2の通信サービスの開始又は拡張を許可してもよい。また、第1の通信サービスのトラフィックを把握している基地局が二次通信許可ノードである場合には、当該二次通信許可ノードは、ユーザトラフィックの履歴に基づいて多くのチャネルが空いている時間帯又は地域を認識する。そして、当該二次通信許可ノードは、多くのチャネルが空いている時間帯又は地域について二次利用を許可することにより、その時間帯又は地域におけるスペクトラムの有効利用を図ってもよい。また、二次通信許可ノードは、拡張判定ノード又は判定ノードにより二次利用可否の判定に使用される情報を生成若しくは取得し、又は更新して、拡張判定ノード又は判定ノードへ配信してもよい。二次利用可否の判定に使用される情報には、例えば、センシングに使用できる電力レベルなどの地域ごと若しくはサービスエリアごとの周波数利用規制情報(Regulatory情報)、並びに隣接セルの基地局が提供するシステム情報(使用している帯域及び帯域幅など)が含まれる。即ち、二次通信許可ノードは、第2の通信サービスの所謂コーディネータとして動作し得る。
【0015】
なお、二次通信許可ノードには、永続的な二次通信許可ノードと一時的な二次通信許可ノードの2種類が含まれる。永続的な二次通信許可ノードとは、法令などで定められた一定の基準を満たすことで第2の通信サービスのコーディネートを認められた通信装置をいう。一方、一時的な二次通信許可ノードとは、通信状況等に応じた所定の基準を満たすことで永続的な二次通信許可ノードから権限を与えられた場合に、与えられたその権限の範囲内(例えば、限られた周波数チャネル若しくはリソースブロックの範囲内、又は所定の限度の送信電力の範囲内、など)で一時的に第2の通信サービスのコーディネートを行う通信装置をいう。通信サービスの“コーディネート”とは、例えば、通信サービスに対するリソースの割り当て(即ちスケジューリング)を含み得る。一時的な二次通信許可ノードは、例えば、永続的な二次通信許可ノードと相互にスケジューリング情報を交換しながら、協調的に第2の通信サービスへのリソースの割り当てを行ってもよい。また、永続的な二次通信許可ノードは、一時的な二次通信許可ノードに第2の通信サービスのコーディネートを行う権限を与えるに際して、権限を受け取るノードが把握しているトラフィックと自らが保持しているトラフィックとを照合することにより、そのノードの信頼性を検証してもよい。ここでの信頼性の検証は、権限を受け取るノードによるセンシング機能が二次利用しようとするチャネルの状況を正確に把握できているかを確認するためのものである。この場合、例えば、まず、一時的な権限を要求するノードが、トラフィックの測定結果と当該トラフィックの測定期間を表す情報とを永続的な二次通信許可ノードへ送信する。次に、永続的な二次通信許可ノードは、受信したトラフィックの測定結果を、自ら保持している(正解の)トラフィック値と照合する。そして、永続的な二次通信許可ノードは、受信したトラフィックの測定結果が正しいことが確認された場合にのみ、第2の通信サービスのコーディネートを行う権限を一時的に付与する。このとき、永続的な二次通信許可ノードは、一時的な二次通信許可ノードに対して、二次利用可能なチャネル、帯域又は時間スロットなどの情報の提供を通じて、間接的に権限を与えてもよい。
【0016】
[1−2.一次通信中継ノード(FC2)]
一次通信中継ノード(FC2)は、一次利用に係る通信サービス(以下、第1の通信サービスという)と接続されている場合に、周囲のノードが第1の通信サービスを利用するための擬似的な基地局又はアクセスポイントとして動作する。
【0017】
[1−3.拡張判定ノード(FC3)]
拡張判定ノード(FC3)は、後述する判定ノードから収集した二次通信プロファイルに基づいて、二次利用に係る通信ネットワーク(以下、第2の通信ネットワークという)の拡張が可能か否かを判定する。二次通信プロファイルには、典型的には、後に具体的に説明する測定データ(測定データから統計的に計算されるリンクデータをも含む)が含まれる。また、二次通信プロファイルには、第2の通信ネットワークのそれぞれにおけるスケジューリング情報が含まれてもよい。また、二次通信プロファイルには、各判定ノードが保持する周波数利用規定の識別子などが含まれてもよい。拡張判定ノードは、例えば、複数の判定ノードが準拠する周波数利用規定により指定される指標値又は使用されるデータベースサーバなどが共通している場合に、1つの第2の通信ネットワークの範囲を他の第2の通信ネットワークに属すノードにまで拡張することが可能であると判定してもよい。また、拡張判定ノードは、例えば、複数の周波数利用規定により指定される指標値のうちの最も厳しい値を全ての第2の通信ネットワークが満たしている場合に、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定してもよい。また、拡張判定ノードは、例えば、周波数利用規定に従って認可されたデータベースサーバに問い合わせた結果、共通して利用可能な周波数帯が存在していることが確認された場合に、当該周波数帯を共通的に利用して第2の通信ネットワークを拡張することを決定してもよい。さらに、拡張判定ノードは、例えば、1つの第2の通信ネットワークに属すノードが他の第2の通信ネットワークに属すノードとの間のデータの送受信を希望している場合に、目的とするデータをリレー又はマルチホップするという目的に限って、1つの第2の通信ネットワークの範囲を他の第2の通信ネットワークに属すノードにまで拡張してもよい。また、拡張判定ノードは、ビームフォーミング又は送信電力制御に基づく干渉制御技術を使用して、第1の通信サービスに悪影響を与えることなく最大送信電力を引き上げることができる場合に、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定してもよい。拡張判定ノードは、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定すると、第2の通信ネットワークの拡張の許可を二次通信許可ノードへ要求する。また、拡張判定ノードは、典型的には、後述する判定ノードの機能をも有する。なお、拡張判定ノードと二次通信許可ノードとが物理的に同一の装置上に存在する場合には、拡張判定ノードと二次通信許可ノードとの間の通信は、論理的な機能間の通信として行われ得る(又は省略され得る)。一方、拡張判定ノードと二次通信許可ノードとが物理的に異なる装置上に存在する場合には、拡張判定ノードと二次通信許可ノードとの間の通信は、無線リンク及び有線リンクのいずれかを用いて行われ得る。ここでの無線リンクとは、例えば、第1の通信サービスに基づく無線リンクであってもよい。また、有線リンクとは、プライベートネットワーク(例えばコアネットワークなど)又はパブリックネットワーク(例えば、ADSLなど)のいずれかの上のリンクであってもよい。
【0018】
[1−4.判定ノード(FC4)]
判定ノード(FC4)は、後述する協調測定ノード又は測定ノード(判定ノードと同一の装置上に実装されてもよい)により測定され又は収集された測定データに基づいて、周波数利用規定に従って周波数帯の二次利用が可能か否かを判定する。判定ノードは、例えば、二次利用をしようとする周波数帯において測定された受信信号の電力レベルあるいはエネルギー(又はその一定期間にわたる平均値)が周波数利用規定(又は周波数利用規定により認可されたデータベースサーバなど)により指定される指標値を下回っている場合に、当該周波数帯の二次利用が可能であると判定してもよい。また、判定ノードは、ダウンリンクのリファレンス信号に含まれるスケジューリング情報を取得し、当該スケジューリング情報から空いていると判断されるチャネルについて、二次利用が可能であると判定してもよい。判定ノードは、例えば、測定され又は収集された測定データに基づいて二次利用の対象として選定した周波数帯について、周波数帯の二次利用が可能であると判定すると、第2の通信サービスの開始の許可を二次通信許可ノードへ要求する。そして、判定ノードは、二次通信許可ノードから第2の通信サービスの開始を許可されると、例えば周囲の通信装置へビーコンを送信して第2の通信サービスのユーザを募り、第2の通信サービスを開始する。判定ノードから送信されるビーコンは、周囲の通信装置による第2の通信サービスの検出、同期、及びシステム情報の取得などのために用いられ得る。例えば、セルラ通信システムにおける一次同期信号及び二次同期信号、又はPBCH(物理ブロードキャストチャネル)上の信号などは上述したビーコンの一例である。即ち、判定ノードは、第1の通信サービスから第2の通信サービスへの切替えを行うコグニティブ無線のためのエンジンとして動作する。また、判定ノードは、上述した拡張判定ノードからの指示に応じて、二次通信プロファイルを生成して拡張判定ノードへ送信する。なお、拡張判定ノードに関連する上述した説明と同様、判定ノードと二次通信許可ノードとの間の通信もまた、論理的な機能間の通信(同一の装置上の場合。但し、この場合には上述した処理は省略され得る)、又は無線リンク若しくは有線リンクを用いた通信(異なる装置上の場合)として行われ得る。
【0019】
[1−5.協調測定ノード(FC5)]
協調測定ノード(FC5)は、自装置の周囲の測定ノード又は協調測定ノードから、各ノードが保持している通信状況に関する測定データを収集する。また、協調測定ノードは、自ら測定した測定データを、収集した測定データに加えてもよい(又は自ら測定した測定データのみを使用してもよい)。即ち、協調測定ノードは、周囲のノードと協調して二次利用の判定に必要となる測定データを収集可能な拡張されたセンサとして動作する。また、協調測定ノードは、協調測定ノード又は判定ノードからの指示に応じて、保持している測定データを送信する。
【0020】
[1−6.測定ノード(FC6)]
測定ノード(FC6)は、自装置の周囲の通信状況を測定(センシング)し、測定データを生成する。なお、測定データとは、後に詳しく説明するように、典型的には、第1の通信サービスについての周囲の通信状況を表すデータである。例えば、第1の通信サービスの受信信号の電力レベルあるいはエネルギー、又はスケジューリング情報なども、周囲の通信状況を表すデータとして使用され得る。即ち、測定ノードは、二次利用の判定に必要となる測定データを測定するセンサとして動作する。また、測定ノードは、協調測定ノード又は判定ノードからの指示に応じて、生成した測定データを送信する。
【0021】
[1−7.通信ノード(FC7)]
通信ノード(FC7)は、周波数帯の二次利用が可能である場合に、第2の通信サービスを使用して通信を行う。即ち、通信ノードは、一般的な通信装置として動作する。なお、第2の通信サービスに使用される通信プロトコルは、例えば、IEEE802.11a/b/g/n/s、Zigbee、又はWiMediaなどの任意の通信プロトコルであってよい。
【0022】
[1−8.二次利用という用語の範囲]
ここで、本明細書において、“二次利用”という用語は、典型的には、上述したように、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部を使用して追加的あるいは代替的な通信サービス(第2の通信サービス)を利用することをいう。そして、“二次利用”という用語の意味において、第1の通信サービスと第2の通信サービスとは、異なる種類の通信サービスであってもよく、又は同一の種類の通信サービスであってもよい。異なる種類の通信サービスとは、例えば、デジタルTV放送サービス、衛星通信サービス、移動体通信サービス、無線LANアクセスサービス、又はP2P(Peer To Peer)接続サービスなどの任意の通信サービスから選択し得る2以上の異なる種類の通信サービスをいう。一方、同一の種類の通信サービスとは、例えば、移動体通信サービスにおける、通信事業者により提供されるマクロセルによるサービスと、ユーザ又はMVNO(Mobile Virtual Network Operator)により運用されるフェムトセルによるサービスとの間の関係を含み得る。また、同一の種類の通信サービスとは、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−A(LTE−Advanced)などに準拠した通信サービスにおける、基地局により提供されるサービスと、スペクトラムホールをカバーするために中継局(リレーノード)により提供されるサービスとの間の関係をも含み得る。さらに、第2の通信サービスは、スペクトラムアグリゲーション技術を用いて集約された複数の断片的な周波数帯を利用するものであってもよい。さらに、第2の通信サービスは、基地局により提供されるサービスエリア内に存在する、フェムトセル群、中継局群、基地局よりも小さなサービスエリアを提供する中小基地局群により提供される補助的な通信サービスであってもよい。本明細書において説明する本発明の各実施形態の要旨は、このようなあらゆる種類の二次利用の形態に広く適用可能なものである。
【0023】
<2.通信装置の構成例>
次に、前節で列挙したFC1〜FC7のうちいずれか1つ又は複数の機能をそれぞれ有する通信装置の構成について、以下に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図1を参照すると、一実施形態に係る通信装置は、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)24、RAM(Random Access Memory)26、バス30、入出力インタフェース32、入力装置40、出力装置42、記憶装置44、通信インタフェース(I/F)46、及びドライブ50を備える。
【0025】
図1において、CPU22は、汎用コンピュータの動作全般を制御する。ROM24は、CPU22により実行されるプログラムやデータなどを記憶している。RAM26は、CPU22による処理の実行時にプログラムやデータなどを一時的に記憶する。
【0026】
CPU22、ROM24、及びRAM26は、バス30を介して相互に接続される。バス30にはさらに、入出力インタフェース32が接続される。
【0027】
入出力インタフェース32は、CPU22、ROM24、及びRAM26と、入力装置40、出力装置42、記憶装置44、通信インタフェース46、及びドライブ50とを接続する。
【0028】
入力装置40は、例えばボタン、スイッチ、レバー、マウスやキーボード、又はタッチパネルなどを介して、ユーザからの指示や情報入力を受け付ける。出力装置42は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)などの表示装置、ランプなどの発光装置、又はスピーカなどの音声出力装置を介してユーザに情報を出力する。記憶装置44は、例えばハードディスクドライブ又はフラッシュメモリなどにより構成され、プログラムやデータなどを記憶する。通信インタフェース46は、第1の通信サービス又は第2の通信サービスのための通信処理を仲介する。ドライブ50には、必要に応じてリムーバブルメディア52が装着される。
【0029】
ここで、前節で列挙したFC1〜FC7の各機能は、例えば、ソフトウェアとして実現されてもよい。各機能がソフトウェアとして実現される場合には、ソフトウェアを構成するプログラムが、例えば図1に示したROM24又は記憶装置44に格納され、実行時にRAM26に読み込まれた後、CPU22により実行される。即ち、CPU22は、例えば、二次通信許可部(FC1)、一次通信中継部(FC2)、拡張判定部(FC3)、判定部(FC4)、協調測定部(FC5)、測定部(FC6)、又は通信部(FC7)として動作し得る。その代わりに、各機能は、通信装置に追加的に設けられる専用の処理回路を用いてハードウェアとして実現されてもよい。
【0030】
<3.通信システムの構成例>
次に、FC1〜FC7の各機能のうちいずれか1つ又は複数の機能をそれぞれ有する通信装置により構成される通信システムについて、以下に説明する。
【0031】
[3−1.一般的なシステム構成]
図14は、IEEE802.22の標準仕様に従って構成される一般的な通信システム9の構成の一例を示す模式図である。図14における丸付き数字は、上述した機能(FC)の番号に対応している。また、図15は、図14に示す通信システム9における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0032】
図14を参照すると、通信システム9には、基地局900、3つの通信装置910、及び測定装置920が含まれる。このうち、3つの通信装置910及び測定装置920は、基地局900との間で通信可能な領域902の内部に位置している。また、基地局900は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0033】
情報処理装置10は、ネットワーク12を介して接続された基地局900を用いて、基地局900の周囲に位置する通信装置に対して第1の通信サービスを提供する。第1の通信サービスは、例えば、デジタルTV放送サービスであってもよく、その他の種類の通信サービスであってもよい。
【0034】
基地局900は、領域902の内部に位置する装置に対して、上述した第1の通信サービスを提供する。また、基地局900は、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯の二次利用をコーディネートする。
【0035】
より具体的には、図15に示されているように、基地局900は、上述した二次通信許可ノード(FC1)、判定ノード(FC4)、及び測定ノード(FC6)として動作する。即ち、基地局900は、例えば、自装置の周囲に位置する通信装置910と通信を行い、通信状況を測定(センシング)して測定データを生成する。また、基地局900は、例えば、測定装置920から測定データを収集し、自ら測定した測定データと集約した後、周波数利用規定に従って周波数帯の二次利用が可能か否かを判定する。さらに、基地局900は、測定データに基づいて二次利用が可能であると判定した場合に、二次利用に係る通信サービス、即ち第2の通信サービスを開始する。
【0036】
なお、この場合、固定ネットワーク12に接続された基地局900は、法令などで定められた一定の基準を満たすことで、上述した永続的な二次通信許可ノードとして動作し得る。その代わりに、基地局900は、第2の通信サービスの開始を許可する権限を情報処理装置10から与えられる上述した一時的な二次通信許可ノードであってもよい。
【0037】
一方、通信装置910は、上述した通信ノード(FC7)として動作する。即ち、通信装置910は、基地局900との間で無線信号を送受信する。それにより、基地局900は、領域902内の通信状況を測定することができる。
【0038】
測定装置920は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置920は、自装置の周囲の通信状況を測定し、測定データを生成する。そして、測定装置920は、生成した測定データを基地局900へ送信する。なお、通信システム9において、測定装置920が省略されてもよい。
【0039】
かかる通信システム9の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて、通信装置910及び測定装置920に第2の通信サービスを提供することができる。
【0040】
しかしながら、この場合、基地局900が通信状況の測定及び測定データの収集、二次利用の可否の判定、並びに二次利用の開始を行うため、基地局900に処理の負荷が集中することが懸念される。また、基地局900は移動端末ではないため、周波数帯の二次利用の範囲を通信状況に応じて柔軟に決定し又は拡張することが難しい。そこで、以下に述べる本発明の第1〜第5の実施形態に係るいずれかのシステム構成を採用することが好適である。
【0041】
[3−2.第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る通信システム1の構成の一例を示す模式図である。また、図3は、図2に示す通信システム1における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0042】
図2を参照すると、通信システム1には、基地局100、3つの測定装置120、及び協調測定装置130が含まれる。このうち、3つの測定装置120及び協調測定装置130は、基地局100との間で通信可能な領域102の内部に位置している。また、基地局100は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0043】
基地局100は、領域102の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。また、基地局100は、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯の二次利用をコーディネートする。
【0044】
より具体的には、図3に示されているように、基地局100は、上述した二次通信許可ノード(FC1)、判定ノード(FC4)、及び測定ノード(FC6)として動作する。即ち、基地局100は、例えば、自装置の周囲に位置する協調測定装置130から測定データを収集する。また、基地局100は、例えば、自装置の周囲に位置する測定装置120と通信し、自ら追加的に通信状況を測定して測定データを生成してもよい。そして、基地局100は、例えば、協調測定装置130から収集した測定データと自ら測定した測定データとを集約した後(必ずしも集約しなくてもよい)、周波数利用規定に従って周波数帯の二次利用が可能か否かを判定する。さらに、基地局100は、測定データに基づいて二次利用が可能であると判定した場合に、第2の通信サービスを開始する。
【0045】
測定装置120は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置120は、例えば協調測定装置130からの指示に応じて、自装置の周囲の通信状況を測定し、測定データを生成する。そして、測定装置120は、生成した測定データを協調測定装置130へ送信する。
【0046】
協調測定装置130は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。即ち、協調測定装置130は、自装置の周囲の測定装置120に通信状況の測定を指示し、測定装置120から測定データを収集する。さらに、協調測定装置130は、自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを、収集したデータに追加してもよい。このとき、協調測定装置130は、複数の測定データを集約して1つの測定データを生成してもよい。そして、協調測定装置130は、測定データを基地局100へ送信する。
【0047】
かかる通信システム1の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて、測定装置120及び協調測定装置130に第2の通信サービスを提供することができる。また、測定データの少なくとも一部を基地局100の代わりに協調測定装置130が収集するため、基地局100に負荷が集中することなく、第2の通信サービスを迅速に開始することが可能となる。
【0048】
[3−3.第1の実施形態(変形例)]
図4は、図2に示した第1の実施形態に係る通信システム1の一変形例を示す模式図である。また、図5は、図4に示す通信システム1の変形例における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0049】
図4を参照すると、図2に示した通信システム1において、協調測定装置130の代わりに協調測定装置132及び134が含まれている。
【0050】
かかる変形例において、協調測定装置132及び134は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。このうち、協調測定装置132は、自装置の周囲の測定装置120から測定データを収集し、例えば自ら測定した測定データと集約した後、当該データを協調測定装置134へ送信する。
【0051】
一方、協調測定装置134は、自装置の周囲の測定装置120及び協調測定装置132から測定データを収集し、例えば自ら測定した測定データと集約した後、当該データを基地局100へ送信する。ここで、協調測定装置132及び134のうちいずれの装置が代表して測定データを基地局100へ送信するかは、例えば互いの通信状況からより基地局100へのアクセスが容易な装置を識別することにより決定される。
【0052】
かかる通信システム1の構成によれば、より広い範囲の測定データの収集を基地局100の代わりに協調測定装置132及び134が協調して行う。それにより、周波数帯の二次利用の可否の判定をより多くの情報量に基づいて行うことが可能となる。
【0053】
[3−4.第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る通信システム2の構成の一例を示す模式図である。また、図7は、図6に示す通信システム2における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0054】
図6を参照すると、通信システム2には、基地局200、2つの測定装置220、2つの測定装置222、協調測定装置230、及び判定装置240が含まれる。このうち、2つの測定装置220、協調測定装置230、及び判定装置240は、基地局200との間で通信可能な領域202の内部に位置している。また、基地局200は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0055】
基地局200は、領域202の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。また、基地局200(又は情報処理装置10)は、後述する判定装置240に対し、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち使用されていない一部(又は全部)の周波数帯の二次利用を許可する権限を、通信状況に応じて一時的に与えることができる。即ち、基地局200は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)として動作する。なお、基地局200が二次通信許可ノードである代わりに、ネットワーク12上の他のノードが二次通信許可ノードであって、基地局200が当該ノードからの判定装置240への権限の付与を仲介してもよい。
【0056】
測定装置220は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置220は、自装置の周囲の通信状況を測定し、測定データを生成する。そして、測定装置220は、生成した測定データを協調測定装置230又は判定装置240へ送信する。同様に、測定装置222もまた、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置222は、協調測定装置230又は判定装置240からの指示に応じて、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、協調測定装置230又は判定装置240へ送信する。
【0057】
協調測定装置230は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。即ち、協調測定装置230は、判定装置240からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置220及び222から測定データを収集する。また、協調測定装置230は、自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを収集したデータに追加する。そして、協調測定装置230は、測定データを判定装置240へ送信する。
【0058】
判定装置240は、上述した一次通信中継ノード(FC2)及び判定ノード(FC4)として動作する。さらに、判定装置240は、上述した一時的な二次通信許可ノード(FC1)として動作し得る。即ち、判定装置240は、自装置の周囲の測定装置220及び222、並びに協調測定装置230から測定データを収集する。そして、判定装置240は、収集した測定データに基づいて、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち現に使用されていない周波数帯を用いた第2の通信サービスの提供が可能か否かを判定する。ここで、測定データから第2の通信サービスの提供が可能と判定された場合には、判定装置240は、さらに基地局200に第2の通信サービスの開始を許可する権限の一時的な付与を要求する。このとき、判定装置240は、収集した測定データや追加的に取得した自装置の位置データなどを基地局200へ送信する。そして、送信されたデータに応じて権限が付与されると、判定装置240は、自装置の周囲(例えば領域204)に位置する通信装置との間で、第2の通信サービスを開始する。
【0059】
また、判定装置240は、一次通信中継ノードとして第1の通信サービスのための擬似的な基地局又はアクセスポイントとして動作し、例えば測定装置222から送信される第1の通信サービスに応じた通信パケットを基地局200に中継することができる。
【0060】
ここで、図6に示したように、2つの測定装置222は、基地局200との間で無線信号を送受信可能な領域202の外部に位置している。即ち、2つの測定装置222は基地局200にとって通信不可能な位置にいるため、基地局200が2つの測定装置222に二次利用に係る第2の通信サービスを提供することは難しい。これに対し、本実施形態に係る通信システム2の構成によれば、判定装置240が判定ノードとして動作することで、領域204の内部に位置する通信装置を対象として柔軟に周波数帯の二次利用を開始することができる。
【0061】
なお、ここまでに説明した第1及び第2の実施形態では、固定ネットワーク12に接続された装置が第1の通信サービスに使用される周波数帯の二次利用の開始の許可を与える権限を有している。これに対し、以下に説明する第3及び第4の実施形態では、予め許可を受けた移動端末である通信装置が、周波数帯の二次利用の開始を許可する。
【0062】
[3−5.第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る通信システム3の構成の一例を示す模式図である。また、図9は、図8に示す通信システム3における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0063】
図8を参照すると、通信システム3には、基地局300、2つの測定装置320、2つの測定装置322、協調測定装置330、及び判定装置350が含まれる。このうち、2つの測定装置320、協調測定装置330、及び判定装置350は、基地局300との間で通信可能な領域302の内部に位置している。また、基地局300は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0064】
基地局300は、領域302の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。
【0065】
一方、図9に示されているように、測定装置320及び測定装置322は、それぞれ上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置320は、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、生成した測定データを協調測定装置330又は判定装置350へ送信する。同様に、測定装置322は、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、生成した測定データを協調測定装置330又は判定装置350へ送信する。
【0066】
協調測定装置330は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。即ち、協調測定装置330は、判定装置350からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置320及び322から測定データを収集する。また、協調測定装置330は、自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを収集したデータに追加する。そして、協調測定装置330は、測定データを判定装置350へ送信する。
【0067】
判定装置350は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)、一次通信中継ノード(FC2)、及び判定ノード(FC4)として動作する。即ち、判定装置350は、自装置の周囲の測定装置320及び322、並びに協調測定装置330から測定データを収集する。そして、判定装置350は、収集した測定データに基づいて、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち現に使用されていない周波数帯を用いた第2の通信サービスの提供が可能か否かを判定する。ここで、測定データから第2の通信サービスの提供が可能と判定されると、判定装置350は、自装置の周囲(例えば領域304)に位置する通信装置との間で、第2の通信サービスを開始する。
【0068】
また、判定装置350は、一次通信中継ノードとして第1の通信サービスのための擬似的な基地局又はアクセスポイントとして動作し、例えば測定装置322から送信される第1の通信サービスに応じた通信パケットを基地局300に中継することができる。なお、本実施形態において、判定装置350は、一次通信中継ノードとして動作しなくてもよい。
【0069】
かかる通信システム3の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて第2の通信サービスを提供することができる。このとき、法令などで定められた一定の基準を満たすことで予め第2の通信サービスのコーディネートを認められた判定装置350が二次利用の開始を決定するため、第2の通信サービスの提供を迅速に開始することができる。また、判定装置350が移動端末である場合には、判定装置350の位置に応じて第2の通信ネットワークの範囲を柔軟に設定することができる。なお、本実施形態において、永続的な二次通信許可ノードである判定装置350は、必ずしも第1の通信サービスが提供される通信領域302の内部に位置していなくてもよい。
【0070】
[3−6.第4の実施形態]
図10は、本発明の第4の実施形態に係る通信システム4の構成の一例を示す模式図である。また、図11は、図10に示す通信システム4における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0071】
図10を参照すると、通信システム4には、基地局400、5つの測定装置420、協調測定装置430、判定装置450、及び拡張判定装置460が含まれる。また、基地局400は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0072】
基地局400は、領域402の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。
【0073】
一方、図11に示されているように、測定装置420は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置420は、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、生成した測定データを協調測定装置430、判定装置450、又は拡張判定装置460へ送信する。
【0074】
協調測定装置430は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。即ち、協調測定装置430は、判定装置450からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置420から測定データを収集する。また、協調測定装置430は、収集したデータに自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを追加する。そして、協調測定装置430は、測定データを判定装置450へ送信する。
【0075】
判定装置450は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)及び判定ノード(FC4)として動作する。即ち、判定装置450は、自装置の周囲の測定装置420及び協調測定装置430から測定データを収集する。また、判定装置450は、収集した測定データに基づいて周波数帯の二次利用の可否を判定する。そして、判定装置450は、第2の通信サービスの提供の開始が可能であると判定すると、自装置の周囲(例えば領域404)に位置する通信装置に対し、第2の通信サービスの提供を開始する。また、判定装置450は、拡張判定装置460からの要求に応じて、収集した測定データ、当該測定データから計算されるリンクデータ、又は周波数利用規定などを含む二次通信プロファイルを生成して拡張判定装置460へ送信する。ここで送信される二次通信プロファイルは、後述する拡張判定装置460による第2の通信ネットワークの拡張可否の判定に使用される。
【0076】
拡張判定装置460は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)及び拡張判定ノード(FC3)として動作する。即ち、拡張判定装置460は、まず、判定装置450に対し、二次通信プロファイルの送信を指示する。そして、拡張判定装置460は、判定装置450から受信した二次通信プロファイルに基づいて、第2の通信ネットワークの拡張が可能であるか否かを判定する。そして、拡張判定装置460は、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定した場合には、自装置及び判定装置450の周囲に位置する通信装置に対し、ネットワークの範囲の拡張された第2の通信サービスの提供を開始する。
【0077】
かかる通信システム4の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて、領域404及び406を含む領域408において第2の通信サービスを提供することができる。このとき、拡張判定装置460及び判定装置450が協調して第2の通信サービスを提供するため、第2の通信サービスのサービスエリアが拡張される。なお、本実施形態において、判定装置450は、第1の通信サービスが提供される領域402の外部に位置していてもよい。
【0078】
[3−7.第5の実施形態]
図12は、本発明の第5の実施形態に係る通信システム5の構成の一例を示す模式図である。また、図13は、図12に示す通信システム5における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0079】
図12を参照すると、通信システム5には、基地局500、5つの測定装置520、協調測定装置530及び532、判定装置550、並びに拡張判定装置560が含まれる。また、基地局500は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0080】
基地局500は、領域502の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。また、基地局500は、後述する判定装置550及び拡張判定装置560に対し、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち使用されていない一部(又は全部)の周波数帯の二次利用を許可する権限を、通信状況に応じて一時的に与えることができる。即ち、基地局500は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)として動作する。
【0081】
一方、図13に示されているように、測定装置520は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置520は、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、生成した測定データを協調測定装置530若しくは532、判定装置550、又は拡張判定装置560へ送信する。
【0082】
協調測定装置530及び532は、それぞれ上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。このうち、協調測定装置530は、判定装置550からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置520から測定データを収集する。また、協調測定装置530は、収集したデータに自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを追加する。そして、協調測定装置530は、測定データを判定装置550へ送信する。同様に、協調測定装置532は、拡張判定装置560からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置520から測定データを収集する。また、協調測定装置532は、収集したデータに自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを追加する。そして、協調測定装置532は、測定データを拡張判定装置560へ送信する。
【0083】
判定装置550は、上述した判定ノード(FC4)として動作する。さらに、判定装置550は、上述した一時的な二次通信許可ノード(FC1)として動作し得る。即ち、判定装置550は、自装置の周囲の測定装置520及び協調測定装置530から測定データを収集する。また、判定装置550は、収集した測定データに基づいて周波数帯の二次利用の可否を判定する。そして、判定装置550は、第2の通信サービスの提供の開始が可能であると判定すると、さらに基地局500に第2の通信サービスの開始を許可する権限の一時的な付与を要求する。このとき、判定装置550は、収集した測定データや追加的に測定された自装置の位置データなどを基地局500へ送信する。そして、送信されたデータに応じて権限が付与されると、判定装置550は、自装置の周囲(例えば領域504)に位置する通信装置に対し、第2の通信サービスの提供を開始する。また、判定装置550は、拡張判定装置560からの要求に応じて、収集した測定データ、当該測定データから計算されるリンクデータ、又は周波数利用規定などを含む二次通信プロファイルを生成して拡張判定装置560へ送信する。ここで送信される二次通信プロファイルは、後述する拡張判定装置560による第2の通信ネットワークの拡張可否の判定に使用される。
【0084】
拡張判定装置560は、上述した拡張判定ノード(FC3)として動作する。さらに、拡張判定装置560は、上述した一時的な二次通信許可ノード(FC1)として動作し得る。即ち、拡張判定装置560は、まず、判定装置550に対し、二次通信プロファイルの送信を指示する。また、拡張判定装置560は、自装置の周囲の測定装置520及び協調測定装置532から測定データを収集する。そして、拡張判定装置560は、判定装置550から受信した二次通信プロファイル及び自装置の周囲から収集した測定データに基づいて、第2の通信ネットワークの拡張が可能であるか否かを判定する。そして、拡張判定装置560は、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定すると、さらに基地局500に第2の通信ネットワークの拡張を許可する権限の一時的な付与を要求する。このとき、拡張判定装置560は、第2の通信ネットワークの拡張が可能であるという判定結果又は判定に使用したデータなどを、基地局500へ送信する。そして、そのデータなどに応じて権限が付与されると、拡張判定装置560は、自装置及び判定装置550の周囲に位置する通信装置に対し、ネットワークの範囲の拡張された第2の通信サービスの提供を開始する。
【0085】
かかる通信システム5の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて、領域504及び506を含む領域508において第2の通信サービスを提供することができる。このとき、判定装置550と拡張判定装置560との間で通信状況の測定データがマルチホップにより連携されるため、より広い範囲の通信状況を正確に把握した上で第2の通信サービスのサービスエリアの拡張の可否を判定することができる。なお、本実施形態において、判定装置550又は拡張判定装置560のいずれか一方又は両方が、さらに一次通信中継ノード(FC2)として動作してもよい。また、ここでは、判定装置550及び拡張判定装置560が一時的な二次通信許可ノードである例について説明したが、判定装置550及び拡張判定装置560は、それぞれ永続的な二次通信許可ノードであってもよい。なお、本実施形態において、判定装置550又は拡張判定装置560が永続的な二次通信許可ノードである場合には、永続的な二次通信許可ノードである装置は、必ずしも第1の通信サービスが提供される通信領域502の内部に位置していなくてもよい。
【0086】
ここまで、図2〜図13を用いて、本発明の第1〜第5の実施形態に係る通信システム1〜5の構成について説明した。次に、かかる通信システムにおいてノード間で送受信されるデータについて説明する。
【0087】
<4.ノード間で送受信されるデータの例>
本発明の一実施形態において、ノード間で送受信されるデータには、大きく分けて測定データと制御データの2種類が含まれる。
【0088】
[4−1.測定データ]
測定データとは、上述した測定ノード又は協調測定ノードにより測定される通信状況に関するデータである。測定ノード又は協調測定ノードによる測定の対象となる通信リソースは、第1の通信サービスが使用している可能性のある通信リソースであって、例えば、周波数チャネル、リソースブロック又は符号などの単位で設定され得る。どういった範囲の通信リソースを測定の対象とすべきかは、例えば、第1の通信サービスのダウンリンクの報知チャネル(LTEにおけるPBCH(Physical Broadcast CHannel)など)を観測することにより決定されてよい。測定データには、通信状況を測定した装置の識別子と測定結果の他に、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて取得された装置の位置データ、測定アルゴリズムの種類、及びタイムスタンプなどが含まれてもよい。また、これら測定データを統計的に集計することにより得られるリンクデータ、及び第1の通信サービスについての周囲の通信状況を表すスケジューリング情報なども、広義の測定データに含まれ得る。
【0089】
装置の位置データは、例えば、通信状況の測定を行った装置の測定時の位置を表すデータである。かかる位置データは、例えば、判定ノード(又は拡張判定ノード)による周波数帯の二次利用の可否の判定に用いられる。より具体的には、例えば、判定ノードは、予め外部に用意された位置情報データベースを自装置にダウンロードしておく。そのデータベースには、位置データと関連付けて、第1の通信サービスのチャネル割当てやチャネルの使用履歴などが保持されている。そこで、判定ノードは、例えば、位置データをキーとして位置情報データベースからチャネル割当てやチャネルの使用履歴を取得し、二次利用によって第1の通信サービスに悪影響を与える可能性を評価することができる。また、判定ノードは、位置情報データベースを予め自装置にダウンロードしておく代わりに、例えば、二次利用の可否の判定時に位置データをキーとして外部のデータベースに問合せをしてもよい。
【0090】
測定アルゴリズムの種類とは、例えば、無線信号のエネルギー、雑音パワーレベル、雑音比率(例えばSNRやCNR)、エラー率(例えばBERやPER)など、どういった種類の値を測定すべきか(又は測定したか)を表す。
【0091】
測定結果には、上述した測定アルゴリズムの種類に応じた測定結果の値が含まれる。ここで、測定結果の値は、ソフトビット(Soft Bit:軟判定値)で表現されてもよく、又はハードビット(Hard Bit:硬判定値)で表現されてもよい。例えば、判定ノード(又は拡張判定ノード)は、二次通信許可ノードに送信する測定結果をハードビットで表現するのが好適である。その場合、測定値に応じて二次利用の可否等を判定した結果が、“0”、“1”などの論理値で表現される。そうすることにより、ノード間のトラフィックを減少させることができる。一方、測定ノード(又は協調測定ノード)から判定ノード(又は拡張判定ノード)へ送信される測定結果は、典型的には、ソフトビットで表現される。
【0092】
タイムスタンプには、例えば、通信状況の測定が開始された時刻、及び通信状況の測定が終了した時刻などが含まれる。
【0093】
[4−2.制御データ]
制御データとは、二次利用システムを構成する上述した1のノードが他のノードを制御し、又は1のノードが他のノードから制御を受けるために使用されるデータである。制御データには、例えば、測定開始又は停止の指示、測定データ送信の指示、測定アルゴリズムの種類の指定、二次通信プロファイル送信の指示、又は位置情報データベースへのアクセス要求などが含まれ得る。
【0094】
また、拡張判定ノード、判定ノード又は協調測定ノードが複数のノードから収集した測定データを集約した場合には、例えば、平均化や標準偏差など、どのような方法で測定データを集約したかを示す情報が制御データに含められ得る。
【0095】
また、二次通信許可ノード、拡張判定ノード、又は判定ノードは、1のノードで測定又は収集された測定データと他のノードで測定又は収集された測定データとを比較することで、各測定データの信頼性を評価してもよい。例えば、近隣に位置する複数のノードにより測定又は収集された測定結果にばらつきが大きい場合には、その測定データの信頼性は低いと評価され得る。そうした場合には、測定データの信頼性の評価結果が制御データに含められる。また、1のノードで測定又は収集された測定データと他のノードで測定又は収集された測定データとを比較することで、隠れ端末の状態にあるノードを検出してもよい。
【0096】
さらに、協調測定ノードは、他の協調測定ノードとの間で、許容するホップ数及び許容する測定ノード数の上限値、並びに最低限必要とする測定ノード数などの制御データを交換してもよい。それにより、測定データの品質を一定のレベルに維持しながら、第2の通信サービスに使用されるセンシングエリアを拡張することができる。
【0097】
[4−3.通信プロトコルの選択]
なお、協調測定ノード間、又は拡張判定ノード間で上述した測定データ又は制御データを送受信する場合には、IEEE802.11sやWiMediaなどの自律分散型の通信プロトコルが使用されてもよい。その代わりに、最初にビーコンを送信した協調測定ノード又は拡張判定ノードの制御に従い、Zigbeeなどの階層管理型の通信プロトコルが使用されてもよい。上述したFC1〜FC7の機能分類における同レベルのノード間で自律分散型の通信プロトコルを使用すれば、二次利用システムのトポロジーを装置の位置に応じて変化させることが容易となる。一方、FC1〜FC7の機能分類における異なるレベルのノード間では、上位のノードの制御に従った階層管理型の通信プロトコルを用いるのが好適である。
【0098】
ここまで、図1〜図13を用いて、本発明の第1〜第5の実施形態に係る通信システムと各通信システムを構成する通信装置について詳細に説明した。ここで説明したいずれかの通信システムの構成によれば、周波数帯の二次利用のための通信状況の測定、二次利用開始の可否の判定、又は二次利用の範囲の拡張可否の判定といった処理が複数の通信装置により分散して行われる。それにより、周波数帯の二次利用を効率的に運用することが可能となる。
【0099】
本明細書において説明した各実施形態の要旨は、上述したように様々な二次利用の形態に広く適用可能である。例えば、上述したように、第1の通信サービスのスペクトラムホールをカバーするためのリレーノード又はフェムトセルの運用は、周波数帯の二次利用の一形態ということができる。また、互いに共通する周波数帯を使用するマクロセル、RRH(Remote Radio Head)、Hotzone、リレーノード又はフェムトセルなどの相互の関係も、周波数帯の二次利用の一形態(例えば、ヘテロジーニアスネットワークなど)を形成し得る。
【0100】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0101】
1、2、3、4、5 通信システム
100、200、300、400、500 基地局
120、220、222、320、322、420、520 測定装置
130、132、134、230、330、430、530、532 協調測定装置
240、450、550 判定装置
350、460、560 拡張判定装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、プログラム及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一次利用される周波数帯(スペクトラム)の利用状況に応じて、その周波数帯を二次的な通信サービスに利用できるようにするための議論が進められている。例えば、米国のデジタルTV放送の周波数帯に含まれる未使用のチャネル(TVホワイトスペース)を無線通信に開放するための標準規格がIEEE802.22ワーキンググループにおいて検討されている(下記非特許文献1参照)。また、2008年11月のFCC(Federal Communications Commission)からの報告によれば、一定の条件を満たして許可を受けた通信装置を用いてTVホワイトスペースを二次利用することが認められる方向にある(下記非特許文献2参照)。また、EUを中心として、DSA(Dynamic Spectrum Access)を実現するためのCPC(Cognitive Pilot Channel)と呼ばれる専用の制御チャネルを全世界共通で割当てようとする動きもある。さらに、DSAを行う二次利用システムのための技術検討はIEEEのSCC(Standards Coordinating Committee)41においても進められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「IEEE802.22 WG on WRANs」、[online]、[2009年1月5日検索]、インターネット<URL:http://www.ieee802.org/22/>
【非特許文献2】「SECOND REPORT AND ORDER AND MEMORANDUM OPINION AND ORDER」、[online]、[2009年1月5日検索]、インターネット<URL:http://hraunfoss.fcc.gov/edocs_public/attachmatch/FCC-08-260A1.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、二次利用システムを実現する上で、システムに参加する通信装置が有すべき機能を分類し、その分類に基づいて周波数帯の二次利用を効率的に運用できるシステムモデルを提示した事例は未だ報告されていない。
【0005】
そこで、本発明は、周波数帯の二次利用を効率的に運用することのできる、新規かつ改良された仕組みを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施形態によれば、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する、通信装置が提供される。
【0007】
また、別の実施形態によれば、通信装置を制御するコンピュータを、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する、制御部として機能させるための、プログラムが提供される。
【0008】
また、別の実施形態によれば、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求することと、前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可することと、を含む通信制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本開示に係る技術によれば、周波数帯の二次利用を効率的に運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態に係る通信装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図3】図2の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態の一変形例に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図5】図4の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図7】図6の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図8】第3の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図9】図8の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図10】第4の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図11】図10の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図12】第5の実施形態に係る通信システムの構成を示す模式図である。
【図13】図12の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【図14】周波数帯の二次利用を実現する一般的な通信システムの構成を示す模式図である。
【図15】図14の通信システムにおける機能配置の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
また、以下の順序にしたがって当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.周波数帯の二次利用のための機能分類
2.通信装置の構成例
3.通信システムの構成例
4.ノード間で送受信されるデータの例
【0013】
<1.周波数帯の二次利用のための機能分類>
まず、周波数帯の二次利用を実現するために、システムに参加する通信装置が有すべき主な機能(FC:Function Class)を以下に列挙する。なお、システムに参加する通信装置は、ここに列挙する7つの機能(FC1〜FC7)のうちいずれか1つ又は複数の機能を有するものとする。
・FC1:二次通信許可ノード
・FC2:一次通信中継ノード
・FC3:拡張判定ノード
・FC4:判定ノード
・FC5:協調測定ノード
・FC6:測定ノード
・FC7:通信ノード
【0014】
[1−1.二次通信許可ノード(FC1)]
二次通信許可ノード(FC1)は、後述する拡張判定ノード又は判定ノードにより周波数帯の二次利用が可能であると判定された場合に、周波数利用規定(スペクトラムポリシー)に従って二次利用に係る通信サービス(以下、第2の通信サービスという)の開始又は拡張を許可する。例えば、二次通信許可ノードは、過去にスペクトラムの不正利用を行った装置の認証ID、端末ID、デバイスID又はセンサIDなどを一覧化したブラックリストを予め保持している。そして、二次通信許可ノードは、第2の通信サービスの開始又は拡張を要求したノードのIDを当該ブラックリストに照合し、そのノードのIDがブラックリストに存在しない場合に、第2の通信サービスの開始又は拡張を許可してもよい。また、第1の通信サービスのトラフィックを把握している基地局が二次通信許可ノードである場合には、当該二次通信許可ノードは、ユーザトラフィックの履歴に基づいて多くのチャネルが空いている時間帯又は地域を認識する。そして、当該二次通信許可ノードは、多くのチャネルが空いている時間帯又は地域について二次利用を許可することにより、その時間帯又は地域におけるスペクトラムの有効利用を図ってもよい。また、二次通信許可ノードは、拡張判定ノード又は判定ノードにより二次利用可否の判定に使用される情報を生成若しくは取得し、又は更新して、拡張判定ノード又は判定ノードへ配信してもよい。二次利用可否の判定に使用される情報には、例えば、センシングに使用できる電力レベルなどの地域ごと若しくはサービスエリアごとの周波数利用規制情報(Regulatory情報)、並びに隣接セルの基地局が提供するシステム情報(使用している帯域及び帯域幅など)が含まれる。即ち、二次通信許可ノードは、第2の通信サービスの所謂コーディネータとして動作し得る。
【0015】
なお、二次通信許可ノードには、永続的な二次通信許可ノードと一時的な二次通信許可ノードの2種類が含まれる。永続的な二次通信許可ノードとは、法令などで定められた一定の基準を満たすことで第2の通信サービスのコーディネートを認められた通信装置をいう。一方、一時的な二次通信許可ノードとは、通信状況等に応じた所定の基準を満たすことで永続的な二次通信許可ノードから権限を与えられた場合に、与えられたその権限の範囲内(例えば、限られた周波数チャネル若しくはリソースブロックの範囲内、又は所定の限度の送信電力の範囲内、など)で一時的に第2の通信サービスのコーディネートを行う通信装置をいう。通信サービスの“コーディネート”とは、例えば、通信サービスに対するリソースの割り当て(即ちスケジューリング)を含み得る。一時的な二次通信許可ノードは、例えば、永続的な二次通信許可ノードと相互にスケジューリング情報を交換しながら、協調的に第2の通信サービスへのリソースの割り当てを行ってもよい。また、永続的な二次通信許可ノードは、一時的な二次通信許可ノードに第2の通信サービスのコーディネートを行う権限を与えるに際して、権限を受け取るノードが把握しているトラフィックと自らが保持しているトラフィックとを照合することにより、そのノードの信頼性を検証してもよい。ここでの信頼性の検証は、権限を受け取るノードによるセンシング機能が二次利用しようとするチャネルの状況を正確に把握できているかを確認するためのものである。この場合、例えば、まず、一時的な権限を要求するノードが、トラフィックの測定結果と当該トラフィックの測定期間を表す情報とを永続的な二次通信許可ノードへ送信する。次に、永続的な二次通信許可ノードは、受信したトラフィックの測定結果を、自ら保持している(正解の)トラフィック値と照合する。そして、永続的な二次通信許可ノードは、受信したトラフィックの測定結果が正しいことが確認された場合にのみ、第2の通信サービスのコーディネートを行う権限を一時的に付与する。このとき、永続的な二次通信許可ノードは、一時的な二次通信許可ノードに対して、二次利用可能なチャネル、帯域又は時間スロットなどの情報の提供を通じて、間接的に権限を与えてもよい。
【0016】
[1−2.一次通信中継ノード(FC2)]
一次通信中継ノード(FC2)は、一次利用に係る通信サービス(以下、第1の通信サービスという)と接続されている場合に、周囲のノードが第1の通信サービスを利用するための擬似的な基地局又はアクセスポイントとして動作する。
【0017】
[1−3.拡張判定ノード(FC3)]
拡張判定ノード(FC3)は、後述する判定ノードから収集した二次通信プロファイルに基づいて、二次利用に係る通信ネットワーク(以下、第2の通信ネットワークという)の拡張が可能か否かを判定する。二次通信プロファイルには、典型的には、後に具体的に説明する測定データ(測定データから統計的に計算されるリンクデータをも含む)が含まれる。また、二次通信プロファイルには、第2の通信ネットワークのそれぞれにおけるスケジューリング情報が含まれてもよい。また、二次通信プロファイルには、各判定ノードが保持する周波数利用規定の識別子などが含まれてもよい。拡張判定ノードは、例えば、複数の判定ノードが準拠する周波数利用規定により指定される指標値又は使用されるデータベースサーバなどが共通している場合に、1つの第2の通信ネットワークの範囲を他の第2の通信ネットワークに属すノードにまで拡張することが可能であると判定してもよい。また、拡張判定ノードは、例えば、複数の周波数利用規定により指定される指標値のうちの最も厳しい値を全ての第2の通信ネットワークが満たしている場合に、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定してもよい。また、拡張判定ノードは、例えば、周波数利用規定に従って認可されたデータベースサーバに問い合わせた結果、共通して利用可能な周波数帯が存在していることが確認された場合に、当該周波数帯を共通的に利用して第2の通信ネットワークを拡張することを決定してもよい。さらに、拡張判定ノードは、例えば、1つの第2の通信ネットワークに属すノードが他の第2の通信ネットワークに属すノードとの間のデータの送受信を希望している場合に、目的とするデータをリレー又はマルチホップするという目的に限って、1つの第2の通信ネットワークの範囲を他の第2の通信ネットワークに属すノードにまで拡張してもよい。また、拡張判定ノードは、ビームフォーミング又は送信電力制御に基づく干渉制御技術を使用して、第1の通信サービスに悪影響を与えることなく最大送信電力を引き上げることができる場合に、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定してもよい。拡張判定ノードは、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定すると、第2の通信ネットワークの拡張の許可を二次通信許可ノードへ要求する。また、拡張判定ノードは、典型的には、後述する判定ノードの機能をも有する。なお、拡張判定ノードと二次通信許可ノードとが物理的に同一の装置上に存在する場合には、拡張判定ノードと二次通信許可ノードとの間の通信は、論理的な機能間の通信として行われ得る(又は省略され得る)。一方、拡張判定ノードと二次通信許可ノードとが物理的に異なる装置上に存在する場合には、拡張判定ノードと二次通信許可ノードとの間の通信は、無線リンク及び有線リンクのいずれかを用いて行われ得る。ここでの無線リンクとは、例えば、第1の通信サービスに基づく無線リンクであってもよい。また、有線リンクとは、プライベートネットワーク(例えばコアネットワークなど)又はパブリックネットワーク(例えば、ADSLなど)のいずれかの上のリンクであってもよい。
【0018】
[1−4.判定ノード(FC4)]
判定ノード(FC4)は、後述する協調測定ノード又は測定ノード(判定ノードと同一の装置上に実装されてもよい)により測定され又は収集された測定データに基づいて、周波数利用規定に従って周波数帯の二次利用が可能か否かを判定する。判定ノードは、例えば、二次利用をしようとする周波数帯において測定された受信信号の電力レベルあるいはエネルギー(又はその一定期間にわたる平均値)が周波数利用規定(又は周波数利用規定により認可されたデータベースサーバなど)により指定される指標値を下回っている場合に、当該周波数帯の二次利用が可能であると判定してもよい。また、判定ノードは、ダウンリンクのリファレンス信号に含まれるスケジューリング情報を取得し、当該スケジューリング情報から空いていると判断されるチャネルについて、二次利用が可能であると判定してもよい。判定ノードは、例えば、測定され又は収集された測定データに基づいて二次利用の対象として選定した周波数帯について、周波数帯の二次利用が可能であると判定すると、第2の通信サービスの開始の許可を二次通信許可ノードへ要求する。そして、判定ノードは、二次通信許可ノードから第2の通信サービスの開始を許可されると、例えば周囲の通信装置へビーコンを送信して第2の通信サービスのユーザを募り、第2の通信サービスを開始する。判定ノードから送信されるビーコンは、周囲の通信装置による第2の通信サービスの検出、同期、及びシステム情報の取得などのために用いられ得る。例えば、セルラ通信システムにおける一次同期信号及び二次同期信号、又はPBCH(物理ブロードキャストチャネル)上の信号などは上述したビーコンの一例である。即ち、判定ノードは、第1の通信サービスから第2の通信サービスへの切替えを行うコグニティブ無線のためのエンジンとして動作する。また、判定ノードは、上述した拡張判定ノードからの指示に応じて、二次通信プロファイルを生成して拡張判定ノードへ送信する。なお、拡張判定ノードに関連する上述した説明と同様、判定ノードと二次通信許可ノードとの間の通信もまた、論理的な機能間の通信(同一の装置上の場合。但し、この場合には上述した処理は省略され得る)、又は無線リンク若しくは有線リンクを用いた通信(異なる装置上の場合)として行われ得る。
【0019】
[1−5.協調測定ノード(FC5)]
協調測定ノード(FC5)は、自装置の周囲の測定ノード又は協調測定ノードから、各ノードが保持している通信状況に関する測定データを収集する。また、協調測定ノードは、自ら測定した測定データを、収集した測定データに加えてもよい(又は自ら測定した測定データのみを使用してもよい)。即ち、協調測定ノードは、周囲のノードと協調して二次利用の判定に必要となる測定データを収集可能な拡張されたセンサとして動作する。また、協調測定ノードは、協調測定ノード又は判定ノードからの指示に応じて、保持している測定データを送信する。
【0020】
[1−6.測定ノード(FC6)]
測定ノード(FC6)は、自装置の周囲の通信状況を測定(センシング)し、測定データを生成する。なお、測定データとは、後に詳しく説明するように、典型的には、第1の通信サービスについての周囲の通信状況を表すデータである。例えば、第1の通信サービスの受信信号の電力レベルあるいはエネルギー、又はスケジューリング情報なども、周囲の通信状況を表すデータとして使用され得る。即ち、測定ノードは、二次利用の判定に必要となる測定データを測定するセンサとして動作する。また、測定ノードは、協調測定ノード又は判定ノードからの指示に応じて、生成した測定データを送信する。
【0021】
[1−7.通信ノード(FC7)]
通信ノード(FC7)は、周波数帯の二次利用が可能である場合に、第2の通信サービスを使用して通信を行う。即ち、通信ノードは、一般的な通信装置として動作する。なお、第2の通信サービスに使用される通信プロトコルは、例えば、IEEE802.11a/b/g/n/s、Zigbee、又はWiMediaなどの任意の通信プロトコルであってよい。
【0022】
[1−8.二次利用という用語の範囲]
ここで、本明細書において、“二次利用”という用語は、典型的には、上述したように、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部を使用して追加的あるいは代替的な通信サービス(第2の通信サービス)を利用することをいう。そして、“二次利用”という用語の意味において、第1の通信サービスと第2の通信サービスとは、異なる種類の通信サービスであってもよく、又は同一の種類の通信サービスであってもよい。異なる種類の通信サービスとは、例えば、デジタルTV放送サービス、衛星通信サービス、移動体通信サービス、無線LANアクセスサービス、又はP2P(Peer To Peer)接続サービスなどの任意の通信サービスから選択し得る2以上の異なる種類の通信サービスをいう。一方、同一の種類の通信サービスとは、例えば、移動体通信サービスにおける、通信事業者により提供されるマクロセルによるサービスと、ユーザ又はMVNO(Mobile Virtual Network Operator)により運用されるフェムトセルによるサービスとの間の関係を含み得る。また、同一の種類の通信サービスとは、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−A(LTE−Advanced)などに準拠した通信サービスにおける、基地局により提供されるサービスと、スペクトラムホールをカバーするために中継局(リレーノード)により提供されるサービスとの間の関係をも含み得る。さらに、第2の通信サービスは、スペクトラムアグリゲーション技術を用いて集約された複数の断片的な周波数帯を利用するものであってもよい。さらに、第2の通信サービスは、基地局により提供されるサービスエリア内に存在する、フェムトセル群、中継局群、基地局よりも小さなサービスエリアを提供する中小基地局群により提供される補助的な通信サービスであってもよい。本明細書において説明する本発明の各実施形態の要旨は、このようなあらゆる種類の二次利用の形態に広く適用可能なものである。
【0023】
<2.通信装置の構成例>
次に、前節で列挙したFC1〜FC7のうちいずれか1つ又は複数の機能をそれぞれ有する通信装置の構成について、以下に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図1を参照すると、一実施形態に係る通信装置は、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)24、RAM(Random Access Memory)26、バス30、入出力インタフェース32、入力装置40、出力装置42、記憶装置44、通信インタフェース(I/F)46、及びドライブ50を備える。
【0025】
図1において、CPU22は、汎用コンピュータの動作全般を制御する。ROM24は、CPU22により実行されるプログラムやデータなどを記憶している。RAM26は、CPU22による処理の実行時にプログラムやデータなどを一時的に記憶する。
【0026】
CPU22、ROM24、及びRAM26は、バス30を介して相互に接続される。バス30にはさらに、入出力インタフェース32が接続される。
【0027】
入出力インタフェース32は、CPU22、ROM24、及びRAM26と、入力装置40、出力装置42、記憶装置44、通信インタフェース46、及びドライブ50とを接続する。
【0028】
入力装置40は、例えばボタン、スイッチ、レバー、マウスやキーボード、又はタッチパネルなどを介して、ユーザからの指示や情報入力を受け付ける。出力装置42は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)などの表示装置、ランプなどの発光装置、又はスピーカなどの音声出力装置を介してユーザに情報を出力する。記憶装置44は、例えばハードディスクドライブ又はフラッシュメモリなどにより構成され、プログラムやデータなどを記憶する。通信インタフェース46は、第1の通信サービス又は第2の通信サービスのための通信処理を仲介する。ドライブ50には、必要に応じてリムーバブルメディア52が装着される。
【0029】
ここで、前節で列挙したFC1〜FC7の各機能は、例えば、ソフトウェアとして実現されてもよい。各機能がソフトウェアとして実現される場合には、ソフトウェアを構成するプログラムが、例えば図1に示したROM24又は記憶装置44に格納され、実行時にRAM26に読み込まれた後、CPU22により実行される。即ち、CPU22は、例えば、二次通信許可部(FC1)、一次通信中継部(FC2)、拡張判定部(FC3)、判定部(FC4)、協調測定部(FC5)、測定部(FC6)、又は通信部(FC7)として動作し得る。その代わりに、各機能は、通信装置に追加的に設けられる専用の処理回路を用いてハードウェアとして実現されてもよい。
【0030】
<3.通信システムの構成例>
次に、FC1〜FC7の各機能のうちいずれか1つ又は複数の機能をそれぞれ有する通信装置により構成される通信システムについて、以下に説明する。
【0031】
[3−1.一般的なシステム構成]
図14は、IEEE802.22の標準仕様に従って構成される一般的な通信システム9の構成の一例を示す模式図である。図14における丸付き数字は、上述した機能(FC)の番号に対応している。また、図15は、図14に示す通信システム9における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0032】
図14を参照すると、通信システム9には、基地局900、3つの通信装置910、及び測定装置920が含まれる。このうち、3つの通信装置910及び測定装置920は、基地局900との間で通信可能な領域902の内部に位置している。また、基地局900は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0033】
情報処理装置10は、ネットワーク12を介して接続された基地局900を用いて、基地局900の周囲に位置する通信装置に対して第1の通信サービスを提供する。第1の通信サービスは、例えば、デジタルTV放送サービスであってもよく、その他の種類の通信サービスであってもよい。
【0034】
基地局900は、領域902の内部に位置する装置に対して、上述した第1の通信サービスを提供する。また、基地局900は、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯の二次利用をコーディネートする。
【0035】
より具体的には、図15に示されているように、基地局900は、上述した二次通信許可ノード(FC1)、判定ノード(FC4)、及び測定ノード(FC6)として動作する。即ち、基地局900は、例えば、自装置の周囲に位置する通信装置910と通信を行い、通信状況を測定(センシング)して測定データを生成する。また、基地局900は、例えば、測定装置920から測定データを収集し、自ら測定した測定データと集約した後、周波数利用規定に従って周波数帯の二次利用が可能か否かを判定する。さらに、基地局900は、測定データに基づいて二次利用が可能であると判定した場合に、二次利用に係る通信サービス、即ち第2の通信サービスを開始する。
【0036】
なお、この場合、固定ネットワーク12に接続された基地局900は、法令などで定められた一定の基準を満たすことで、上述した永続的な二次通信許可ノードとして動作し得る。その代わりに、基地局900は、第2の通信サービスの開始を許可する権限を情報処理装置10から与えられる上述した一時的な二次通信許可ノードであってもよい。
【0037】
一方、通信装置910は、上述した通信ノード(FC7)として動作する。即ち、通信装置910は、基地局900との間で無線信号を送受信する。それにより、基地局900は、領域902内の通信状況を測定することができる。
【0038】
測定装置920は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置920は、自装置の周囲の通信状況を測定し、測定データを生成する。そして、測定装置920は、生成した測定データを基地局900へ送信する。なお、通信システム9において、測定装置920が省略されてもよい。
【0039】
かかる通信システム9の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて、通信装置910及び測定装置920に第2の通信サービスを提供することができる。
【0040】
しかしながら、この場合、基地局900が通信状況の測定及び測定データの収集、二次利用の可否の判定、並びに二次利用の開始を行うため、基地局900に処理の負荷が集中することが懸念される。また、基地局900は移動端末ではないため、周波数帯の二次利用の範囲を通信状況に応じて柔軟に決定し又は拡張することが難しい。そこで、以下に述べる本発明の第1〜第5の実施形態に係るいずれかのシステム構成を採用することが好適である。
【0041】
[3−2.第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る通信システム1の構成の一例を示す模式図である。また、図3は、図2に示す通信システム1における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0042】
図2を参照すると、通信システム1には、基地局100、3つの測定装置120、及び協調測定装置130が含まれる。このうち、3つの測定装置120及び協調測定装置130は、基地局100との間で通信可能な領域102の内部に位置している。また、基地局100は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0043】
基地局100は、領域102の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。また、基地局100は、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯の二次利用をコーディネートする。
【0044】
より具体的には、図3に示されているように、基地局100は、上述した二次通信許可ノード(FC1)、判定ノード(FC4)、及び測定ノード(FC6)として動作する。即ち、基地局100は、例えば、自装置の周囲に位置する協調測定装置130から測定データを収集する。また、基地局100は、例えば、自装置の周囲に位置する測定装置120と通信し、自ら追加的に通信状況を測定して測定データを生成してもよい。そして、基地局100は、例えば、協調測定装置130から収集した測定データと自ら測定した測定データとを集約した後(必ずしも集約しなくてもよい)、周波数利用規定に従って周波数帯の二次利用が可能か否かを判定する。さらに、基地局100は、測定データに基づいて二次利用が可能であると判定した場合に、第2の通信サービスを開始する。
【0045】
測定装置120は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置120は、例えば協調測定装置130からの指示に応じて、自装置の周囲の通信状況を測定し、測定データを生成する。そして、測定装置120は、生成した測定データを協調測定装置130へ送信する。
【0046】
協調測定装置130は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。即ち、協調測定装置130は、自装置の周囲の測定装置120に通信状況の測定を指示し、測定装置120から測定データを収集する。さらに、協調測定装置130は、自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを、収集したデータに追加してもよい。このとき、協調測定装置130は、複数の測定データを集約して1つの測定データを生成してもよい。そして、協調測定装置130は、測定データを基地局100へ送信する。
【0047】
かかる通信システム1の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて、測定装置120及び協調測定装置130に第2の通信サービスを提供することができる。また、測定データの少なくとも一部を基地局100の代わりに協調測定装置130が収集するため、基地局100に負荷が集中することなく、第2の通信サービスを迅速に開始することが可能となる。
【0048】
[3−3.第1の実施形態(変形例)]
図4は、図2に示した第1の実施形態に係る通信システム1の一変形例を示す模式図である。また、図5は、図4に示す通信システム1の変形例における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0049】
図4を参照すると、図2に示した通信システム1において、協調測定装置130の代わりに協調測定装置132及び134が含まれている。
【0050】
かかる変形例において、協調測定装置132及び134は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。このうち、協調測定装置132は、自装置の周囲の測定装置120から測定データを収集し、例えば自ら測定した測定データと集約した後、当該データを協調測定装置134へ送信する。
【0051】
一方、協調測定装置134は、自装置の周囲の測定装置120及び協調測定装置132から測定データを収集し、例えば自ら測定した測定データと集約した後、当該データを基地局100へ送信する。ここで、協調測定装置132及び134のうちいずれの装置が代表して測定データを基地局100へ送信するかは、例えば互いの通信状況からより基地局100へのアクセスが容易な装置を識別することにより決定される。
【0052】
かかる通信システム1の構成によれば、より広い範囲の測定データの収集を基地局100の代わりに協調測定装置132及び134が協調して行う。それにより、周波数帯の二次利用の可否の判定をより多くの情報量に基づいて行うことが可能となる。
【0053】
[3−4.第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る通信システム2の構成の一例を示す模式図である。また、図7は、図6に示す通信システム2における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0054】
図6を参照すると、通信システム2には、基地局200、2つの測定装置220、2つの測定装置222、協調測定装置230、及び判定装置240が含まれる。このうち、2つの測定装置220、協調測定装置230、及び判定装置240は、基地局200との間で通信可能な領域202の内部に位置している。また、基地局200は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0055】
基地局200は、領域202の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。また、基地局200(又は情報処理装置10)は、後述する判定装置240に対し、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち使用されていない一部(又は全部)の周波数帯の二次利用を許可する権限を、通信状況に応じて一時的に与えることができる。即ち、基地局200は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)として動作する。なお、基地局200が二次通信許可ノードである代わりに、ネットワーク12上の他のノードが二次通信許可ノードであって、基地局200が当該ノードからの判定装置240への権限の付与を仲介してもよい。
【0056】
測定装置220は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置220は、自装置の周囲の通信状況を測定し、測定データを生成する。そして、測定装置220は、生成した測定データを協調測定装置230又は判定装置240へ送信する。同様に、測定装置222もまた、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置222は、協調測定装置230又は判定装置240からの指示に応じて、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、協調測定装置230又は判定装置240へ送信する。
【0057】
協調測定装置230は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。即ち、協調測定装置230は、判定装置240からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置220及び222から測定データを収集する。また、協調測定装置230は、自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを収集したデータに追加する。そして、協調測定装置230は、測定データを判定装置240へ送信する。
【0058】
判定装置240は、上述した一次通信中継ノード(FC2)及び判定ノード(FC4)として動作する。さらに、判定装置240は、上述した一時的な二次通信許可ノード(FC1)として動作し得る。即ち、判定装置240は、自装置の周囲の測定装置220及び222、並びに協調測定装置230から測定データを収集する。そして、判定装置240は、収集した測定データに基づいて、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち現に使用されていない周波数帯を用いた第2の通信サービスの提供が可能か否かを判定する。ここで、測定データから第2の通信サービスの提供が可能と判定された場合には、判定装置240は、さらに基地局200に第2の通信サービスの開始を許可する権限の一時的な付与を要求する。このとき、判定装置240は、収集した測定データや追加的に取得した自装置の位置データなどを基地局200へ送信する。そして、送信されたデータに応じて権限が付与されると、判定装置240は、自装置の周囲(例えば領域204)に位置する通信装置との間で、第2の通信サービスを開始する。
【0059】
また、判定装置240は、一次通信中継ノードとして第1の通信サービスのための擬似的な基地局又はアクセスポイントとして動作し、例えば測定装置222から送信される第1の通信サービスに応じた通信パケットを基地局200に中継することができる。
【0060】
ここで、図6に示したように、2つの測定装置222は、基地局200との間で無線信号を送受信可能な領域202の外部に位置している。即ち、2つの測定装置222は基地局200にとって通信不可能な位置にいるため、基地局200が2つの測定装置222に二次利用に係る第2の通信サービスを提供することは難しい。これに対し、本実施形態に係る通信システム2の構成によれば、判定装置240が判定ノードとして動作することで、領域204の内部に位置する通信装置を対象として柔軟に周波数帯の二次利用を開始することができる。
【0061】
なお、ここまでに説明した第1及び第2の実施形態では、固定ネットワーク12に接続された装置が第1の通信サービスに使用される周波数帯の二次利用の開始の許可を与える権限を有している。これに対し、以下に説明する第3及び第4の実施形態では、予め許可を受けた移動端末である通信装置が、周波数帯の二次利用の開始を許可する。
【0062】
[3−5.第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る通信システム3の構成の一例を示す模式図である。また、図9は、図8に示す通信システム3における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0063】
図8を参照すると、通信システム3には、基地局300、2つの測定装置320、2つの測定装置322、協調測定装置330、及び判定装置350が含まれる。このうち、2つの測定装置320、協調測定装置330、及び判定装置350は、基地局300との間で通信可能な領域302の内部に位置している。また、基地局300は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0064】
基地局300は、領域302の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。
【0065】
一方、図9に示されているように、測定装置320及び測定装置322は、それぞれ上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置320は、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、生成した測定データを協調測定装置330又は判定装置350へ送信する。同様に、測定装置322は、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、生成した測定データを協調測定装置330又は判定装置350へ送信する。
【0066】
協調測定装置330は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。即ち、協調測定装置330は、判定装置350からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置320及び322から測定データを収集する。また、協調測定装置330は、自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを収集したデータに追加する。そして、協調測定装置330は、測定データを判定装置350へ送信する。
【0067】
判定装置350は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)、一次通信中継ノード(FC2)、及び判定ノード(FC4)として動作する。即ち、判定装置350は、自装置の周囲の測定装置320及び322、並びに協調測定装置330から測定データを収集する。そして、判定装置350は、収集した測定データに基づいて、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち現に使用されていない周波数帯を用いた第2の通信サービスの提供が可能か否かを判定する。ここで、測定データから第2の通信サービスの提供が可能と判定されると、判定装置350は、自装置の周囲(例えば領域304)に位置する通信装置との間で、第2の通信サービスを開始する。
【0068】
また、判定装置350は、一次通信中継ノードとして第1の通信サービスのための擬似的な基地局又はアクセスポイントとして動作し、例えば測定装置322から送信される第1の通信サービスに応じた通信パケットを基地局300に中継することができる。なお、本実施形態において、判定装置350は、一次通信中継ノードとして動作しなくてもよい。
【0069】
かかる通信システム3の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて第2の通信サービスを提供することができる。このとき、法令などで定められた一定の基準を満たすことで予め第2の通信サービスのコーディネートを認められた判定装置350が二次利用の開始を決定するため、第2の通信サービスの提供を迅速に開始することができる。また、判定装置350が移動端末である場合には、判定装置350の位置に応じて第2の通信ネットワークの範囲を柔軟に設定することができる。なお、本実施形態において、永続的な二次通信許可ノードである判定装置350は、必ずしも第1の通信サービスが提供される通信領域302の内部に位置していなくてもよい。
【0070】
[3−6.第4の実施形態]
図10は、本発明の第4の実施形態に係る通信システム4の構成の一例を示す模式図である。また、図11は、図10に示す通信システム4における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0071】
図10を参照すると、通信システム4には、基地局400、5つの測定装置420、協調測定装置430、判定装置450、及び拡張判定装置460が含まれる。また、基地局400は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0072】
基地局400は、領域402の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。
【0073】
一方、図11に示されているように、測定装置420は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置420は、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、生成した測定データを協調測定装置430、判定装置450、又は拡張判定装置460へ送信する。
【0074】
協調測定装置430は、上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。即ち、協調測定装置430は、判定装置450からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置420から測定データを収集する。また、協調測定装置430は、収集したデータに自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを追加する。そして、協調測定装置430は、測定データを判定装置450へ送信する。
【0075】
判定装置450は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)及び判定ノード(FC4)として動作する。即ち、判定装置450は、自装置の周囲の測定装置420及び協調測定装置430から測定データを収集する。また、判定装置450は、収集した測定データに基づいて周波数帯の二次利用の可否を判定する。そして、判定装置450は、第2の通信サービスの提供の開始が可能であると判定すると、自装置の周囲(例えば領域404)に位置する通信装置に対し、第2の通信サービスの提供を開始する。また、判定装置450は、拡張判定装置460からの要求に応じて、収集した測定データ、当該測定データから計算されるリンクデータ、又は周波数利用規定などを含む二次通信プロファイルを生成して拡張判定装置460へ送信する。ここで送信される二次通信プロファイルは、後述する拡張判定装置460による第2の通信ネットワークの拡張可否の判定に使用される。
【0076】
拡張判定装置460は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)及び拡張判定ノード(FC3)として動作する。即ち、拡張判定装置460は、まず、判定装置450に対し、二次通信プロファイルの送信を指示する。そして、拡張判定装置460は、判定装置450から受信した二次通信プロファイルに基づいて、第2の通信ネットワークの拡張が可能であるか否かを判定する。そして、拡張判定装置460は、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定した場合には、自装置及び判定装置450の周囲に位置する通信装置に対し、ネットワークの範囲の拡張された第2の通信サービスの提供を開始する。
【0077】
かかる通信システム4の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて、領域404及び406を含む領域408において第2の通信サービスを提供することができる。このとき、拡張判定装置460及び判定装置450が協調して第2の通信サービスを提供するため、第2の通信サービスのサービスエリアが拡張される。なお、本実施形態において、判定装置450は、第1の通信サービスが提供される領域402の外部に位置していてもよい。
【0078】
[3−7.第5の実施形態]
図12は、本発明の第5の実施形態に係る通信システム5の構成の一例を示す模式図である。また、図13は、図12に示す通信システム5における装置間の機能配置の一例を示すブロック図である。
【0079】
図12を参照すると、通信システム5には、基地局500、5つの測定装置520、協調測定装置530及び532、判定装置550、並びに拡張判定装置560が含まれる。また、基地局500は、固定網であるネットワーク12を介して、情報処理装置10と接続されている。
【0080】
基地局500は、領域502の内部に位置する装置に対して、第1の通信サービスを提供することができる。また、基地局500は、後述する判定装置550及び拡張判定装置560に対し、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち使用されていない一部(又は全部)の周波数帯の二次利用を許可する権限を、通信状況に応じて一時的に与えることができる。即ち、基地局500は、上述した永続的な二次通信許可ノード(FC1)として動作する。
【0081】
一方、図13に示されているように、測定装置520は、上述した測定ノード(FC6)として動作する。即ち、測定装置520は、自装置の周囲の通信状況を測定して測定データを生成し、生成した測定データを協調測定装置530若しくは532、判定装置550、又は拡張判定装置560へ送信する。
【0082】
協調測定装置530及び532は、それぞれ上述した協調測定ノード(FC5)として動作する。このうち、協調測定装置530は、判定装置550からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置520から測定データを収集する。また、協調測定装置530は、収集したデータに自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを追加する。そして、協調測定装置530は、測定データを判定装置550へ送信する。同様に、協調測定装置532は、拡張判定装置560からの指示に応じて、自装置の周囲の測定装置520から測定データを収集する。また、協調測定装置532は、収集したデータに自ら周囲の通信状況を測定して得た測定データを追加する。そして、協調測定装置532は、測定データを拡張判定装置560へ送信する。
【0083】
判定装置550は、上述した判定ノード(FC4)として動作する。さらに、判定装置550は、上述した一時的な二次通信許可ノード(FC1)として動作し得る。即ち、判定装置550は、自装置の周囲の測定装置520及び協調測定装置530から測定データを収集する。また、判定装置550は、収集した測定データに基づいて周波数帯の二次利用の可否を判定する。そして、判定装置550は、第2の通信サービスの提供の開始が可能であると判定すると、さらに基地局500に第2の通信サービスの開始を許可する権限の一時的な付与を要求する。このとき、判定装置550は、収集した測定データや追加的に測定された自装置の位置データなどを基地局500へ送信する。そして、送信されたデータに応じて権限が付与されると、判定装置550は、自装置の周囲(例えば領域504)に位置する通信装置に対し、第2の通信サービスの提供を開始する。また、判定装置550は、拡張判定装置560からの要求に応じて、収集した測定データ、当該測定データから計算されるリンクデータ、又は周波数利用規定などを含む二次通信プロファイルを生成して拡張判定装置560へ送信する。ここで送信される二次通信プロファイルは、後述する拡張判定装置560による第2の通信ネットワークの拡張可否の判定に使用される。
【0084】
拡張判定装置560は、上述した拡張判定ノード(FC3)として動作する。さらに、拡張判定装置560は、上述した一時的な二次通信許可ノード(FC1)として動作し得る。即ち、拡張判定装置560は、まず、判定装置550に対し、二次通信プロファイルの送信を指示する。また、拡張判定装置560は、自装置の周囲の測定装置520及び協調測定装置532から測定データを収集する。そして、拡張判定装置560は、判定装置550から受信した二次通信プロファイル及び自装置の周囲から収集した測定データに基づいて、第2の通信ネットワークの拡張が可能であるか否かを判定する。そして、拡張判定装置560は、第2の通信ネットワークの拡張が可能であると判定すると、さらに基地局500に第2の通信ネットワークの拡張を許可する権限の一時的な付与を要求する。このとき、拡張判定装置560は、第2の通信ネットワークの拡張が可能であるという判定結果又は判定に使用したデータなどを、基地局500へ送信する。そして、そのデータなどに応じて権限が付与されると、拡張判定装置560は、自装置及び判定装置550の周囲に位置する通信装置に対し、ネットワークの範囲の拡張された第2の通信サービスの提供を開始する。
【0085】
かかる通信システム5の構成により、第1の通信サービスに割当てられた周波数帯のうち、使用されていない一部(又は全部)の周波数帯を用いて、領域504及び506を含む領域508において第2の通信サービスを提供することができる。このとき、判定装置550と拡張判定装置560との間で通信状況の測定データがマルチホップにより連携されるため、より広い範囲の通信状況を正確に把握した上で第2の通信サービスのサービスエリアの拡張の可否を判定することができる。なお、本実施形態において、判定装置550又は拡張判定装置560のいずれか一方又は両方が、さらに一次通信中継ノード(FC2)として動作してもよい。また、ここでは、判定装置550及び拡張判定装置560が一時的な二次通信許可ノードである例について説明したが、判定装置550及び拡張判定装置560は、それぞれ永続的な二次通信許可ノードであってもよい。なお、本実施形態において、判定装置550又は拡張判定装置560が永続的な二次通信許可ノードである場合には、永続的な二次通信許可ノードである装置は、必ずしも第1の通信サービスが提供される通信領域502の内部に位置していなくてもよい。
【0086】
ここまで、図2〜図13を用いて、本発明の第1〜第5の実施形態に係る通信システム1〜5の構成について説明した。次に、かかる通信システムにおいてノード間で送受信されるデータについて説明する。
【0087】
<4.ノード間で送受信されるデータの例>
本発明の一実施形態において、ノード間で送受信されるデータには、大きく分けて測定データと制御データの2種類が含まれる。
【0088】
[4−1.測定データ]
測定データとは、上述した測定ノード又は協調測定ノードにより測定される通信状況に関するデータである。測定ノード又は協調測定ノードによる測定の対象となる通信リソースは、第1の通信サービスが使用している可能性のある通信リソースであって、例えば、周波数チャネル、リソースブロック又は符号などの単位で設定され得る。どういった範囲の通信リソースを測定の対象とすべきかは、例えば、第1の通信サービスのダウンリンクの報知チャネル(LTEにおけるPBCH(Physical Broadcast CHannel)など)を観測することにより決定されてよい。測定データには、通信状況を測定した装置の識別子と測定結果の他に、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて取得された装置の位置データ、測定アルゴリズムの種類、及びタイムスタンプなどが含まれてもよい。また、これら測定データを統計的に集計することにより得られるリンクデータ、及び第1の通信サービスについての周囲の通信状況を表すスケジューリング情報なども、広義の測定データに含まれ得る。
【0089】
装置の位置データは、例えば、通信状況の測定を行った装置の測定時の位置を表すデータである。かかる位置データは、例えば、判定ノード(又は拡張判定ノード)による周波数帯の二次利用の可否の判定に用いられる。より具体的には、例えば、判定ノードは、予め外部に用意された位置情報データベースを自装置にダウンロードしておく。そのデータベースには、位置データと関連付けて、第1の通信サービスのチャネル割当てやチャネルの使用履歴などが保持されている。そこで、判定ノードは、例えば、位置データをキーとして位置情報データベースからチャネル割当てやチャネルの使用履歴を取得し、二次利用によって第1の通信サービスに悪影響を与える可能性を評価することができる。また、判定ノードは、位置情報データベースを予め自装置にダウンロードしておく代わりに、例えば、二次利用の可否の判定時に位置データをキーとして外部のデータベースに問合せをしてもよい。
【0090】
測定アルゴリズムの種類とは、例えば、無線信号のエネルギー、雑音パワーレベル、雑音比率(例えばSNRやCNR)、エラー率(例えばBERやPER)など、どういった種類の値を測定すべきか(又は測定したか)を表す。
【0091】
測定結果には、上述した測定アルゴリズムの種類に応じた測定結果の値が含まれる。ここで、測定結果の値は、ソフトビット(Soft Bit:軟判定値)で表現されてもよく、又はハードビット(Hard Bit:硬判定値)で表現されてもよい。例えば、判定ノード(又は拡張判定ノード)は、二次通信許可ノードに送信する測定結果をハードビットで表現するのが好適である。その場合、測定値に応じて二次利用の可否等を判定した結果が、“0”、“1”などの論理値で表現される。そうすることにより、ノード間のトラフィックを減少させることができる。一方、測定ノード(又は協調測定ノード)から判定ノード(又は拡張判定ノード)へ送信される測定結果は、典型的には、ソフトビットで表現される。
【0092】
タイムスタンプには、例えば、通信状況の測定が開始された時刻、及び通信状況の測定が終了した時刻などが含まれる。
【0093】
[4−2.制御データ]
制御データとは、二次利用システムを構成する上述した1のノードが他のノードを制御し、又は1のノードが他のノードから制御を受けるために使用されるデータである。制御データには、例えば、測定開始又は停止の指示、測定データ送信の指示、測定アルゴリズムの種類の指定、二次通信プロファイル送信の指示、又は位置情報データベースへのアクセス要求などが含まれ得る。
【0094】
また、拡張判定ノード、判定ノード又は協調測定ノードが複数のノードから収集した測定データを集約した場合には、例えば、平均化や標準偏差など、どのような方法で測定データを集約したかを示す情報が制御データに含められ得る。
【0095】
また、二次通信許可ノード、拡張判定ノード、又は判定ノードは、1のノードで測定又は収集された測定データと他のノードで測定又は収集された測定データとを比較することで、各測定データの信頼性を評価してもよい。例えば、近隣に位置する複数のノードにより測定又は収集された測定結果にばらつきが大きい場合には、その測定データの信頼性は低いと評価され得る。そうした場合には、測定データの信頼性の評価結果が制御データに含められる。また、1のノードで測定又は収集された測定データと他のノードで測定又は収集された測定データとを比較することで、隠れ端末の状態にあるノードを検出してもよい。
【0096】
さらに、協調測定ノードは、他の協調測定ノードとの間で、許容するホップ数及び許容する測定ノード数の上限値、並びに最低限必要とする測定ノード数などの制御データを交換してもよい。それにより、測定データの品質を一定のレベルに維持しながら、第2の通信サービスに使用されるセンシングエリアを拡張することができる。
【0097】
[4−3.通信プロトコルの選択]
なお、協調測定ノード間、又は拡張判定ノード間で上述した測定データ又は制御データを送受信する場合には、IEEE802.11sやWiMediaなどの自律分散型の通信プロトコルが使用されてもよい。その代わりに、最初にビーコンを送信した協調測定ノード又は拡張判定ノードの制御に従い、Zigbeeなどの階層管理型の通信プロトコルが使用されてもよい。上述したFC1〜FC7の機能分類における同レベルのノード間で自律分散型の通信プロトコルを使用すれば、二次利用システムのトポロジーを装置の位置に応じて変化させることが容易となる。一方、FC1〜FC7の機能分類における異なるレベルのノード間では、上位のノードの制御に従った階層管理型の通信プロトコルを用いるのが好適である。
【0098】
ここまで、図1〜図13を用いて、本発明の第1〜第5の実施形態に係る通信システムと各通信システムを構成する通信装置について詳細に説明した。ここで説明したいずれかの通信システムの構成によれば、周波数帯の二次利用のための通信状況の測定、二次利用開始の可否の判定、又は二次利用の範囲の拡張可否の判定といった処理が複数の通信装置により分散して行われる。それにより、周波数帯の二次利用を効率的に運用することが可能となる。
【0099】
本明細書において説明した各実施形態の要旨は、上述したように様々な二次利用の形態に広く適用可能である。例えば、上述したように、第1の通信サービスのスペクトラムホールをカバーするためのリレーノード又はフェムトセルの運用は、周波数帯の二次利用の一形態ということができる。また、互いに共通する周波数帯を使用するマクロセル、RRH(Remote Radio Head)、Hotzone、リレーノード又はフェムトセルなどの相互の関係も、周波数帯の二次利用の一形態(例えば、ヘテロジーニアスネットワークなど)を形成し得る。
【0100】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0101】
1、2、3、4、5 通信システム
100、200、300、400、500 基地局
120、220、222、320、322、420、520 測定装置
130、132、134、230、330、430、530、532 協調測定装置
240、450、550 判定装置
350、460、560 拡張判定装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、
前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する、
通信装置。
【請求項2】
前記第2の通信サービスは、前記周波数帯のうち前記第1の通信サービスにより使用されていない一部又は全部の上で運用される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記1つ以上の通信ノードは、前記許可ノードとの間で直接的に通信することのできない領域に位置するノードを含む、請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、前記権限の付与を前記許可ノードへ要求する際に、周囲の通信状況についての測定データを前記許可ノードへ送信する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、前記二次利用を許可する権限を付与される他の通信装置へ、前記第2の通信サービスを開始するための情報を送信する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記他の通信装置へ送信される前記第2の通信サービスを開始するための前記情報は、周囲の通信状況についての測定データ、前記測定データから統計的に計算されるリンクデータ、スケジューリング情報及び周波数利用規定の識別子のうち少なくとも1つを含む、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記通信装置は、前記権限の付与を仲介する装置を介して、前記許可ノードへ前記権限の付与を要求する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記権限の付与を仲介する前記装置は、前記第1の通信サービスの基地局である、請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信装置は、前記第2の通信サービスが開始される際に、自装置の周囲へ前記第2の通信サービスのためのビーコンを送信する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記ビーコンは、前記第2の通信サービスの検出、同期、及びシステム情報の取得のうち少なくとも1つのために用いられる、請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
通信装置を制御するコンピュータを、
第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、
前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する制御部、
として機能させるための、プログラム。
【請求項12】
第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求することと、
前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可することと、
を含む通信制御方法。
【請求項1】
第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、
前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する、
通信装置。
【請求項2】
前記第2の通信サービスは、前記周波数帯のうち前記第1の通信サービスにより使用されていない一部又は全部の上で運用される、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記1つ以上の通信ノードは、前記許可ノードとの間で直接的に通信することのできない領域に位置するノードを含む、請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、前記権限の付与を前記許可ノードへ要求する際に、周囲の通信状況についての測定データを前記許可ノードへ送信する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、前記二次利用を許可する権限を付与される他の通信装置へ、前記第2の通信サービスを開始するための情報を送信する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記他の通信装置へ送信される前記第2の通信サービスを開始するための前記情報は、周囲の通信状況についての測定データ、前記測定データから統計的に計算されるリンクデータ、スケジューリング情報及び周波数利用規定の識別子のうち少なくとも1つを含む、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記通信装置は、前記権限の付与を仲介する装置を介して、前記許可ノードへ前記権限の付与を要求する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記権限の付与を仲介する前記装置は、前記第1の通信サービスの基地局である、請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信装置は、前記第2の通信サービスが開始される際に、自装置の周囲へ前記第2の通信サービスのためのビーコンを送信する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記ビーコンは、前記第2の通信サービスの検出、同期、及びシステム情報の取得のうち少なくとも1つのために用いられる、請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
通信装置を制御するコンピュータを、
第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求し、
前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可する制御部、
として機能させるための、プログラム。
【請求項12】
第1の通信サービスに割当てられた周波数帯の一部又は全部についての二次利用を許可する権限を有する許可ノードへ、前記二次利用を許可する権限の付与を要求することと、
前記許可ノードから前記権限が付与された場合に、自装置の周囲に位置する1つ以上の通信ノードに、前記二次利用に係る第2の通信サービスの開始を許可することと、
を含む通信制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−85288(P2013−85288A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−280803(P2012−280803)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2009−298150(P2009−298150)の分割
【原出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2009−298150(P2009−298150)の分割
【原出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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