説明

通信装置

【課題】外部からの不要電波の影響を低減する共に、情報漏洩を防止する通信装置及び電子装置を提供すること。
【解決手段】通信装置は、平面投影においてループ状を形成する第1ループ及び第2ループを有する第1アンテナ線と、平面投影においてループ状を形成する第3ループ及び第4ループを有する第2アンテナ線と、を備える。第1アンテナ線と第2アンテナ線とは磁気結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気を用いる通信装置に関し、特に半導体チップ間の通信に適用可能な通信装置に関する。また、本発明は、当該通信装置を備える電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1つの半導体パッケージにおける半導体チップ間の接続、例えばMPU(Micro Processor Unit)の半導体チップとDRAM(Dynamic Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の半導体メモリチップとの接続、には、ワイアボンディングが用いられている。
【0003】
ワイアボンディング以外による情報伝達として磁気結合を用いた情報伝達も提案されている(非特許文献1)。この方式においては、半導体チップにコイルを形成し、半導体チップ間でトランスを形成して磁気的に結合させている。
【0004】
磁気的結合を用いて信号伝送する場合、単純なコイルによる結合では、結合すべき半導体チップ間以外の外部から電波(ノイズ)が入った場合に誘起される電圧も受信回路に入ってしまう。そこで、伝送信号に特殊な信号処理をして、例えば搬送周波数を変調し、その変調成分だけ取り出すようにして、ノイズを低減することが行われている。また、伝送信号を符号化して(例えばハミングコード)ある程度のビット欠陥があっても正確な信号を再現することも行われている。さらに、受信信号を送信側に送り返して元の情報と照合し、合致していれば取りこみ、不一致ならば再送信する手段もある。
【0005】
特許文献1には、ループ・アンテナ同士の電磁誘導作用による非接触通信を行う通信装置が開示されている。特許文献1通信装置は、導体面と、導体面の一方の面に、第1の磁性体シートを介して配設された第1のループ・アンテナと、第1のループ・アンテナとは逆のループ方向でほぼ同形状の開口構造からなり、導体面の他方の面に、第1のループ・アンテナとはほぼ重なるように第2の磁性体シートを介して配設された、第2のループ・アンテナと、第1及び第2のループ・アンテナで送受信される通信信号を処理する通信回路と、を具備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−278518号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】三浦典之ら、"A 0.7V 20fJ/bit Inductive-Coupling Data Link with Dual-Coil Transmission Scheme"、2010 IEEE Symposium on VLSI Circuits/Technical Digest of Technical Papers、2010年、pp.201−202
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
【0009】
ワイアボンディング方式においては、構造が複雑化すると共に、半導体チップ間の情報伝達を高速かつ低電力で実現することが困難となる。例えば、複数の半導体チップが積層するようにパッケージ化されている場合、特に半導体記憶装置の大容量化に対応するSSD(Solid-State Drive)等においては、ボンディングパッドの位置は半導体チップの周縁領域に限られることになる。この場合、半導体チップ中心付近にある回路に接続するためには、半導体チップの内部配線でボンディングパッドと中心付近にある回路とを電気的に接続する必要がある。このため、配線長が長くなり、情報伝達が遅れると共に電力ロスが生じることになる。
【0010】
また、ワイアボンディングによる構造の複雑化を避けるため、半導体チップを貫通する貫通孔を形成し、貫通孔に導電体を充填することにより半導体チップ間を電気的に接続するTSV(Through Silicon Via)が検討されている。しかし、この方式においては製造プロセスが複雑化してしまう。
【0011】
一方、磁気的結合による信号伝送においては、3つの問題がある。第1には、ノイズ対策として符号化又は情報の確認を行うと、最終的な情報伝達完了までに時間を要してしまうことである。第2に、外部から強力な磁界が与えられると入力回路に大きな入力信号が入り、当該回路が飽和し、回復までに時間を要してしまうことである。さらに悪い場合には、入力回路が過大入力により破壊されるおそれもある。第3に、磁気結合部分から外部に漏れる微弱な電磁波を検知して半導体装置内部の情報を盗み出すサイドチャネルアタックが可能となってしまうことである。サイドチャネルアタック対策としては、漏洩する電磁波を最小限に抑える対策を講じる必要がある。また、サイドチャネルアタック対策として信号を暗号化することが考えられるが、信号を暗号化するとその伝送が遅れることになってしまう。さらに、磁気的結合による信号伝送においては、外部から不正に侵入して虚偽の信号を入力することも可能である。
【0012】
情報漏洩や不正侵入を防ぐ手段として、パーマロイ等の透磁率の高い材料で囲み、磁気シールドを形成する方式が考えられるが、プラスチックパッケージに比べてコストが高くなってしまう。また、磁気シールドを外してしまうと情報漏洩や不正侵入を防止することができなくなってしまう。
【0013】
特許文献1通信装置においては、磁性体シートが存在するので、通信方向(垂直方向)から入射した電波は磁性体シートによって曲げられてしまう。したがって、通信方向から入射したノイズを第1のループ・アンテナと第2のループ・アンテナとで打ち消すことはできない。すなわちノイズを低減することはできない。一方、特許文献1通信装置において磁性体シート及び導体面を設けないとすると、通信方向から入射した通信用の信号を打消しにより低減することになってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1視点によれば、平面投影においてループ状を形成する第1ループ及び第2ループを有する第1アンテナ線と、平面投影においてループ状を形成する第3ループ及び第4ループを有する第2アンテナ線と、を備える通信装置が提供される。第1アンテナ線と第2アンテナ線とは磁気結合されている。
【0015】
本発明の第2視点によれば、第1ループ及び第1ループとは逆向きの磁界に対応する第2ループを有する第1アンテナ線と、第3ループ及び第3ループとは逆向きの磁界に対応する第4ループを有する第2アンテナ線と、を備える通信装置が提供される。第1アンテナ線と第2アンテナ線とは磁気結合されている。
【0016】
本発明の第3視点によれば、本発明の通信装置と、第1電子素子と、第1電子素子に積層された第2電子素子と、を備える電子装置が提供される。第1アンテナ線は第1電子素子に設けられている。第2アンテナ線は第2電子素子に設けられている。
【0017】
本発明の第4視点によれば、本発明の通信装置と、第1基板と、第1基板に積層された第2基板と、を備える電子装置が提供される。第1アンテナ線は第1基板に設けられている。第2アンテナ線は第2基板に設けられている。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以下の効果のうち少なくとも1つを有する。
【0019】
本発明においては、1つのアンテナ線において逆向きの磁界対を発生させることができる。これにより、外部からの不要電波の影響を低減することができる。例えば、外部からノイズ電波が入射しても、磁界対で打ち消し合いノイズを低減することができる。また、外部から侵入されても磁界対で打ち消し合い、不正侵入を抑制することができる。また、外部から強力な磁界が加えられても、磁界対で打ち消し合い、入力回路の飽和状態や破壊を抑制することができる。
【0020】
本発明においては、2つのアンテナ線で外部に対して閉じた磁界を形成することができる。これにより、外部で発生磁界を検知されることを抑制して、情報漏洩を防止することができる。
【0021】
また、上記効果により、信号の符号化等の措置を講じる必要がないので、迅速な信号伝送を実現することができる。また、磁気シールドのような措置も講じる必要がないので、コストの増大を抑制することができる。
【0022】
本発明においては、磁気結合により信号伝送するので、高速かつ低電力で信号を伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子装置の模式図。
【図2】図1に示すアンテナ線の概略上面図。
【図3】図1に示すアンテナ線の概略側面図。
【図4】第1実施形態に係る電子装置の図1〜図3とは異なる態様の電子装置の模式図。
【図5】本発明の通信装置の模式図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る電子装置の模式図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る電子装置の模式図。
【図8】本発明の第4実施形態に係る電子装置の模式図。
【図9】本発明の第5実施形態に係る電子装置及び通信装置におけるアンテナ線の概略平面図。
【図10】本発明の第6実施形態に係る電子装置及び通信装置におけるアンテナ線の概略平面図。
【図11】本発明の第6実施形態に係る電子装置の検査方法を示す模式図。
【図12】本発明の第6実施形態に係る電子装置の検査方法を示す模式図。
【図13】本発明の第7実施形態に係る電子装置及び通信装置におけるアンテナ線の概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記各視点の好ましい形態について以下に記載する。
【0025】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1ループと第2ループとは、互いが発生した磁界を打ち消し合うような形状を有する。第3ループと第4ループとは、互いが発生した磁界を打ち消し合うような形状を有する。
【0026】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、平面投影において、第1ループにおける電流方向と第2ループにおける電流方向とは逆向きである。第3ループにおける電流方向と第4ループにおける電流方向とは逆向きである。
【0027】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1ループと第2ループとは、平面投影において線対称又は点対称のような関係にある。第3ループと第4ループとは、平面投影において線対称又は点対称のような関係にある。
【0028】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1アンテナ線と第2アンテナ線とは、平面投影において第1ループと第4ループとが重複すると共に、第2ループと第3ループとが重複するように配置されている。
【0029】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1ループにおいて発生する磁界方向と第4ループにおいて発生する磁界方向は同じである。第2ループにおいて発生する磁界方向と第3ループにおいて発生する磁界方向は同じである。
【0030】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1アンテナ線と第2アンテナ線は同一形状を有する。
【0031】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1アンテナ線及び第2アンテナ線は8の字形状を有する。8の字の交点は接触していない。
【0032】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1アンテナ線及び第2アンテナ線は、一方のループと他方のループとを接続するために各ループから突出した平行線を有する。平行線の間隔は、各ループの大きさより狭い。
【0033】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1アンテナ線及び第2アンテナ線において、一方のループと他方のループは別個の導体によって形成されている。
【0034】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1アンテナ線及び第2アンテナ線において、一方のループと他方のループとはスイッチ回路を介して接続されている。スイッチ回路は、第1ループと第2ループとで発生する磁界の相対的向きを切り替える。
【0035】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、第1〜第4ループのうち少なくとも1つは多重巻きの導体を有する。
【0036】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、通信装置は、第1アンテナ線と第2アンテナ線との磁気結合を強化する磁性材料をさらに備える。
【0037】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、磁性材料は、第1アンテナ線と第2アンテナ線の間であり、平面投影において第1〜第4ループのうち少なくとも1つのループ内に配置されている。
【0038】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、磁性材料は、2つのアンテナ線に挟まれていない領域において、平面投影において1つのアンテナ線の2つのループに掛かるように配置されている。
【0039】
上記第1視点又は第2視点の好ましい形態によれば、1つのアンテナ線における2つのループの中心間距離は、隣接するアンテナ線の間隔以上である。
【0040】
上記第3視点又は第4視点の好ましい形態によれば、第1電子素子及び第2電子素子のうち少なくとも一方又は第1基板及び第2基板のうち少なくとも一方は、第1アンテナ線及び第2アンテナ線のうち少なくとも一方における少なくとも1つのループ内に形成された貫通孔を有する。貫通孔内に磁性材料が挿入されている。
【0041】
本発明の第1実施形態に係る通信装置及び電子装置について説明する。図1に、本発明の第1実施形態に係る電子装置の模式図を示す。図2に、図1に示すアンテナ線の概略上面図を示し、図3に、図1に示すアンテナ線の概略側面図を示す。
【0042】
電子装置100は、第1電子素子11と、第2電子素子21と、を備える。電子装置100としては、例えば半導体装置を挙げることができる。この場合、第1電子素子11及び第2電子素子21としては、例えば、積層された半導体チップを挙げることができる。
【0043】
第1電子素子11は、第1アンテナ線12と、第1アンテナ線12に接続された第1送受信回路13を有する。第2電子素子21は、第2アンテナ線22と、第2アンテナ線22に接続された第2送受信回路23を有する。本発明の通信装置は、第1アンテナ線12、第1送受信回路13、第2アンテナ線22及び第2送受信回路23を有する。第1送受信回路13及び第2送受信回路23は、送信回路及び受信回路であってもよい。第1アンテナ線12と第2アンテナ線22のうち、一方が送信アンテナとなり、他方が送信アンテナからの電波を受信する受信アンテナとなる。
【0044】
次に、本発明の通信装置におけるアンテナ線について説明する。以下の説明においては、第1アンテナ線12を例にして説明するが、第2アンテナ線22についても同様である。
【0045】
第1アンテナ線12は、1本の導体によって8の字状に形成されている。すなわち、例えば、図2に示す形態においては、1本の導体は、接続線12cの上側、第2ループ12bの上側、第1ループ12a、第2ループ12bの下側、及び接続線12cの下側の順に第1アンテナ線12を構成している。第1アンテナ線の両端は第1送受信回路13に接続されている。図2に示すような平面投影において、第1アンテナ線12は、環状をなす第1ループ12a及び第2ループ12bを有し、さらに第1アンテナ線12と第1送受信回路13とを接続する接続線12cを有する。第1ループ12aと第2ループ12bとは隣接している。図2に示す平面図においては、第1ループ12aと第2ループ12bは交差点Xで接続しているような形状となっている。交差点Xにおいて、第1アンテナ線12は、図3に示すように接触していない。
【0046】
第1アンテナ線12に電流が流れたとき、第1ループ12aと第2ループ12bとでは異なる方向に電流が流れる。例えば、図2に示す矢印方向のように、第1ループ12aでは右回り方向に、第2ループ12bでは左回り方向に電流が流れる。このため、第1ループ12aと第2ループ12bとでは、第1ループ12aと第2ループ12bが形成するループ面(図2が示す平面と同等の面)に対して異なる向きの磁力線(磁束)が形成されることになる。
【0047】
第1ループ12a及び第2ループ12bの形状は、種々の形状を採ることができる。例えば、図1及び図2に示すような多角形であってもよいし、円形、楕円形等であってもよい。第1ループ12aと第2ループ12bの形状は類似の形状であると好ましく、同一の形状であるとより好ましい。また、第1ループ12aの大きさと第2ループ12bの大きさは同等であると好ましく、同一であるとより好ましい。例えば、図2に示す形態においては、第1送受信回路13に接続するための接続線12c部分以外を除き、第1ループ12aと第2ループ12bとは交差点Xを対称点とする点対称、又は交差点Xを通る軸に対して線対称となっている。第1ループ12aと第2ループ12bが同一形状及び同一の大きさを有すると、外部から第1アンテナ線12に対してループ面方向からノイズ電波(侵入電波含む)が入射してきたとしても、第1ループ12aと第2ループ12bとで逆向きの磁力線を発生することにより打ち消し合い、ノイズ電波の影響を低減することができる。
【0048】
第1アンテナ線12と第2アンテナ線22とは、磁気結合するように配置すると好ましい。また、このため、第1アンテナ線12の形状と第2アンテナ線22の形状は類似すると好ましく、同一であるとより好ましい。さらに、第1アンテナ線12の大きさと第2アンテナ線22の大きさは類似すると好ましく、同一であるとより好ましい。
【0049】
図2に示す形態においては、第1アンテナ線12及び第1送受信回路13と、第2アンテナ線22と第2送受信回路23とは、点対称の関係にあるように配置されている。第1アンテナ線12及び第2アンテナ線22を垂直方向から見た平面投影において、第1アンテナ線12の第1ループ12aと第2アンテナ線22の第4ループ22bとは重複するように配置すると好ましい。同様に、第1アンテナ線12の第2ループ12bと第2アンテナ線22の第3ループ22aとは重複するように配置すると好ましい。
【0050】
第1アンテナ線12の第1ループ12a第1中心12dと第2ループ12bの第2中心12eとの距離をAとし、第1電子素子11と第2電子素子21との距離、すなわち第1アンテナ線12と第2アンテナ線22との距離をDとすると、D≦Aであると好ましい。D>Aである場合、送信アンテナは自分自身の周囲に閉じた磁界を作り、受信アンテナに届く磁界が微弱になってしまうおそれがあるからである。電子素子11,21が半導体チップである場合、その厚さは例えば30μmとすることができる。この場合、例えば、第1アンテナ線12と第2アンテナ線22間の距離Dは100μm以内とすることができ、中心間距離Aは例えば100μm〜200μmとすることができる。
【0051】
電子素子11,21は、半導体チップ等を実装する基板であってもよい。図4に、第1実施形態に係る電子装置の図1〜図3とは異なる態様の電子装置の模式図を示す。電子装置600は、第1基板121、及び第1基板121に積層された第2基板131をさらに備える。第1電子素子11及び第1アンテナ線12は第1基板121に形成されている。第2電子素子21及び第2アンテナ線22は、第2基板131に形成されている。第1電子素子11は、第1送受信回路13を含んでいる。第2電子素子21は、第2送受信回路23を含んでいる。この場合、第1アンテナ線12及び第2アンテナ線22は、第1基板121及び第2基板131上に形成するプリント配線として形成することができる。以下の説明においては、アンテナ素子を形成する基材として電子素子を例にして説明するが、図4に示すように電子素子を基板に置き換えて適用することもできる。
【0052】
図1〜3においては、2つのループを有するアンテナ線を示したが、4以上(偶数)のループを有するアンテナ線にしてもよい。
【0053】
次に、本発明に通信装置の動作について説明する。図5に、本発明の通信装置の模式図を示す。ここでは、第1アンテナ線12を送信用のアンテナ線、第2アンテナ線22を受信用のアンテナ線とし、第1電子素子11と第2電子素子21間の信号伝送について説明する。
【0054】
第1アンテナ線12においては、第1ループ12aと第2ループ12bとでは逆向きの磁界対が発生される。同様に、第2アンテナ線22においても、第3ループ22aと第4ループ22bとでは逆向きの磁界対が発生される。このとき、磁気結合することにより、1つのループに発生した誘導起電力と別のループに発生した誘導起電力は合成して信号成分として再生される。これにより、送信アンテナから受信アンテナへ信号が伝送される。
【0055】
第1アンテナ線12と第2アンテナ線22とでは、磁気結合されることにより、図5に示すような磁界ループ41が形成される。磁界ループ41の形成により、第1アンテナ線12及び第2アンテナ線22で発生した磁界は外部へ漏洩しにくくなっている。これにより、サイドチャネルアタックを困難にし、情報漏洩を抑止することができる。
【0056】
本発明の通信装置に外部から強力な磁界が加えられたり、ノイズ電波が入ってきたり、不正侵入があったりした場合であっても、各アンテナ線において形成された磁界対によって打ち消し合い、起電力が発生することを抑制することができる。したがって、外部から強力な磁界が加えられたとしても入力回路が飽和状態となることを抑制することができる。ノイズ電波が入ってきたとしてもノイズの影響を低減することができる。不正侵入があったとしても虚偽情報の伝送を抑制することができる。
【0057】
内部からの電波漏洩対策や外部からの不要電波の流入対策として信号の符号化や変調を行う必要がないので、信号伝送の遅延を抑制することができる。また、磁気シールドのような遮蔽が不要であり、コスト増大を防止することができる。
【0058】
次に、本発明の第2実施形態に係る通信装置及び電子装置について説明する。図6に、本発明の第2実施形態に係る電子装置の模式図を示す。図6において、図1〜図5に示す要素と同じ要素には同じ符号を付してある。
【0059】
本発明の第2実施形態に係る通信装置及び電子装置200は、第1実施形態に係る通信装置及び電子装置の他に、さらに第1アンテナ線12と第2アンテナ線22との磁気結合を促進する磁性材料51a,51bをさらに備える。磁性材料51a,51bは、磁気結合を強化可能な透磁率を有するものであればよく、磁性材料51a,51bとしては例えばフェライトを挙げることができる。
【0060】
磁性材料51a,51bは、第1アンテナ線12と第2アンテナ線22との間に配置することができる。図6に示す形態においては、平面投影において、第1磁性材料51aが、第2電子素子21における第2アンテナ線22の第3ループ22a内に配置され、第2磁性材料51bが、第2アンテナ線22の第4ループ22b内に配置されている。
【0061】
磁性材料51a,51bは、例えば、第1電子素子11と第2電子素子21とを積層接合する接着材(不図示)中に配置することができる。
【0062】
第2実施形態によれば、磁界ループの形成を促進することができる。
【0063】
次に、本発明の第3実施形態に係る通信装置及び電子装置について説明する。図7に、本発明の第3実施形態に係る電子装置の模式図を示す。図7において、図1〜図6に示す要素と同じ要素には同じ符号を付してある。
【0064】
第1及び第2実施形態においては、2つの電子素子が積層されていたが、第3実施形態においては3つの電子素子が積層されている。すなわち、本発明の第3実施形態に係る通信装置及び電子装置300は、第2実施形態に係る通信装置及び電子装置の他に、第3電子素子31、第3電子素子31に設けられ、第5ループ32a及び第6ループ32bを有する第3アンテナ線32、第3アンテナ線32に接続された第3送受信回路33、並びに第5ループ32a及び第6ループ32b内に設けられた第3磁性材料52a及び第4磁性材料52bをさらに備える。これにより、3以上の電子素子間で信号伝送を行うことができる。
【0065】
また、本発明の第3実施形態に係る通信装置及び電子装置300は、さらに、磁気結合の形成を強化する第5磁性材料53及び第6磁性材料54を備える。第5磁性材料53及び第6磁性材料54は、磁気結合を強化可能な透磁率を有するものであればよく、磁性材料53,54としては例えばフェライトを挙げることができる。第5磁性材料53及び第6磁性材料54は最上位及び最下位のアンテナ線よりも外側に配置されている。すなわち、第5磁性材料53は、第1アンテナ線12よりも上に配置されている。第6磁性材料54は、第3アンテナ線32よりも下に配置されている。
【0066】
第5磁性材料53及び第6磁性材料54は、平面投影において2つのループに掛かるように配置されている。すなわち、第5磁性材料53は、第1アンテナ線12上に、第1ループ12aと第2ループ12bの両方に掛かるように配置されている。これにより、第1ループ12aと第2ループ12b間の磁気結合を強化することができる。また、第6磁性材料54は、第3アンテナ線32の下に、第5ループ32aと第6ループ32bの両方に掛かるように配置されている。これにより、第5ループ32aと第6ループ32b間の磁気結合を強化することができる。
【0067】
次に、本発明の第4実施形態に係る通信装置及び電子装置について説明する。図8に、本発明の第4実施形態に係る電子装置の模式図を示す。図8において、図1〜図7に示す要素と同じ要素には同じ符号を付してある。第4実施形態においては、TSV技術を用いて磁気結合を促進させている。
【0068】
第1電子素子11は、第1アンテナ線12の第1ループ12a内に形成された第1貫通孔11a及び第2ループ12b内に形成された第2貫通孔11bを有する。同様に、第2電子素子21は、第2アンテナ線22の第1ループ22a内に形成された第3貫通孔21a及び第4ループ22b内に形成された第4貫通孔21bを有する。第3電子素子31は、第3アンテナ線32の第5ループ32a内に形成された第5貫通孔31a及び第6ループ32b内に形成された第6貫通孔31bを有する。図8に示す形態においては、第1貫通孔11a、第4貫通孔21b及び第6貫通孔31bは直線的に配置されている。同様に、第2貫通孔11b、第3貫通孔21a及び第5貫通孔31aは直線的に配置されている。第1磁性材料55aは、第1貫通孔11a、第4貫通孔21b及び第6貫通孔31bに挿入されている。同様に、第2磁性材料55bは、第2貫通孔11b、第3貫通孔21a及び第5貫通孔31aに挿入されている。第1磁性材料55a及び第2磁性材料55bは、磁気結合を強化可能な透磁率を有するものであればよく、第1磁性材料55a及び第2磁性材料55bとしては例えばフェライトを挙げることができる。
【0069】
本実施形態によれば、第1〜第3アンテナ線12〜32において一括して磁気結合を強化することができる。これにより、より少ない駆動電力で信号伝送を実現することができる。
【0070】
次に、本発明の第5実施形態に係る通信装置及び電子装置について説明する。図9に、本発明の第5実施形態に係る電子装置及び通信装置におけるアンテナ線の概略平面図を示す。本発明の第5実施形態に係る通信装置及び電子装置は、図1〜図8に示したアンテナ線とは異なる形態のアンテナ線について説明する。
【0071】
図1〜図8に示したアンテナ線は各ループが一重巻きであったが、本実施形態におけるアンテナ線62は、第1ループ62a及び第2ループ62b共に多重巻きとなっている。すなわち、第1ループ62a及び第2ループ62bはコイル状となっている。これにより、アンテナ線62が発生する磁界を強化することができる。なお、図9に示す交差点X,Yにおいて、アンテナ線は接触していない。
【0072】
また、アンテナ線62は、図1〜図8に示したアンテナ線とはループ間の接続態様が異なっている。第1ループ62a及び第2ループ62bからは、他方のループと接続するための2本の第2接続線62dが引き出されている。2本の第2接続線62dは途中で交差している。2本の第2接続線62d間の間隔D2は、第1ループ62a及び第2ループ62bの大きさより狭く、2本の接続線62dが接触しない程度に可能な限り近接させると好ましい。また、2本の接続線62dは平行にすると好ましい。これにより、第2接続線62dの部分で不要な磁界が形成されることを抑制し、情報漏えいを防止することができる。
【0073】
第5実施形態に係るアンテナ線は、第1〜第4実施形態に係る通信装置及び電子装置においてアンテナ線として使用することができる。
【0074】
次に、本発明の第6実施形態に係る通信装置及び電子装置について説明する。図10に、本発明の第6実施形態に係る電子装置及び通信装置におけるアンテナ線の概略平面図を示す。
【0075】
本発明の第6実施形態に係る電子装置及び通信装置におけるアンテナ線72は、第1ループ72aと第2ループ72bとの間に、第2接続線72dを介して各ループ72a,72bに接続されたスイッチ回路76を有する。第1ループ72aと第2ループ72bとは別個の導体で形成されている。図10においては多重巻き(コイル状)の第1ループ72aと第2ループ72bを図示しているが、第1ループ72a及び第2ループ72bは一重巻きであってもよい。
【0076】
スイッチ回路76は、第2ループ72bにおける電流方向に対する第1ループ72aの電流方向を変更させるものである。図10の下図に、スイッチ回路76の一例を示す。この場合、入力端子Eの電圧がハイのとき、第1ループ72aと第2ループ72bの電流は、逆方向に巻くようになる。入力端子Eの電圧がローのとき、第1ループ72aと第2ループ72bの電流は同じ方向に巻くようになる。各ループの相対的な電流方向を変化させることにより、通信装置の検査をすることができる。
【0077】
図10に示す形態は、第5実施形態におけるアンテナ線を基にしているが、第1実施形態において示したアンテナ線であっても同様である。
【0078】
図11及び図12に、本発明の第6実施形態に係る電子装置の検査方法を示す模式図を示す。電子装置500は、第1アンテナ線82、第1送受信回路83、第2アンテナ線92及び第2送受信回路93を備える。第1アンテナ線82は、各ループの間に第1スイッチ回路86を有する。第2アンテナ線92は、各ループの間に第2スイッチ回路96を有する。通常の動作の際には、第1スイッチ回路86及び第2スイッチ回路96は、各アンテナ線82,92の各ループ間において逆方向の磁界が発生させるように電流方向を設定する。一方、検査の際には、第1スイッチ回路86及び第2スイッチ回路96は、各アンテナ線82,92の各ループ間において同方向の磁界が発生するように電流方向を設定する。このとき、例えば、図11に示すように、外部送信アンテナ線101及び外部送信回路102により電子装置500外部から磁界を与えてメモリテストのための信号を磁気結合部分から入力することができる。また、図12に示すように、外部受信アンテナ線103及び外部受信回路104により電子装置500から外部に漏れる磁界を検知して第1アンテナ線82及び第2アンテナ線92間で伝送している情報を検知することができる。これにより、外部から非破壊で検査することが可能となる。
【0079】
次に、本発明の第7実施形態に係る通信装置及び電子装置について説明する。図13に、本発明の第7実施形態に係る電子装置及び通信装置におけるアンテナ線の概略平面図を示す。
【0080】
第1〜第6実施形態においては一体的に形成されたアンテナ線において逆向きの磁界を形成していたが、第7実施形態においては、1つのアンテナ線を複数に分離して構成している。アンテナ線111は、第1ループ線112a、第1ループ線112aに接続された第1送受信回路113a、第2ループ線112b、及び第2ループ線112bに接続された第2送受信回路113bを有する。アンテナ線111は、第1〜第6実施形態における1つのアンテナ線及び1つの送受信回路に相当する。第1ループ線112a及び第2ループ線112bは、別個の導体で形成されているが、1つのアンテナ線の第1ループ及び第2ループに相当する。図13においては多重巻き(コイル状)の第1ループ線112a及び第2ループ線112bを図示しているが、第1ループ線112a及び第2ループ線112bは一重巻きであってもよい。
【0081】
アンテナ線111においては、第1送受信回路113a及び第2送受信回路113bは、第1ループ線112aと第2ループ線112bとで逆向きの磁界を発生させる。すなわち、第1送受信回路113a及び第2送受信回路113bは、第1ループ線112aに流れる電流と第2ループ線112bに流れる電流とを逆位相にする。これにより、2つのループ線を用いて第1〜第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0082】
スイッチ回路を用いずにアンテナ線を2つに分離することにより、スイッチ回路における寄生抵抗及び寄生容量による電力ロスを防止したり、信号反射を抑制したりすることができる。また、1つのアンテナ線111を第1ループ線112aと第2ループ線112bに分け、第1送受信回路113a及び第2送受信回路113bの2つの回路で駆動することにより、各ループにおける抵抗の影響を低減することができる。これにより、第1ループ線112a及び第2ループ線112bの導体を細くすることができ、アンテナ線111の占有体積を減少させることができる。
【0083】
本発明の通信装置及び電子装置は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、上記実施形態に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0084】
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、半導体チップを積層した半導体装置やインタポーザ基板を積層した半導体装置において、半導体チップ間の信号伝送又はインタポーザ基板間の信号伝送に適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
11 第1電子素子
11a 第1貫通孔
11b 第2貫通孔
12 第1アンテナ線
12a 第1ループ
12b 第2ループ
12c 接続線
12d 第1中心
12e 第2中心
13 第1送受信回路
21 第2電子素子
21a 第3貫通孔
21b 第4貫通孔
22 第2アンテナ線
22a 第3ループ
22b 第4ループ
23 第2送受信回路
31 第3電子素子
31a 第5貫通孔
31b 第6貫通孔
32 第3アンテナ線
32a 第5ループ
32b 第6ループ
33 第3送受信回路
41 磁界ループ
51a 第1磁性材料
51b 第2磁性材料
52a 第3磁性材料
52b 第4磁性材料
53 第5磁性材料
54 第6磁性材料
55a 第1磁性材料
55b 第2磁性材料
62 アンテナ線
62a 第1ループ
62b 第2ループ
62c 第1接続線
62d 第2接続線
72 アンテナ線
72a 第1ループ
72b 第2ループ
72c 第1接続線
72d 第2接続線
76 スイッチ回路
82 第1アンテナ線
83 第1送受信回路
86 第1スイッチ回路
92 第2アンテナ線
93 第2送受信回路
96 第2スイッチ回路
100,200,300,400,500,600 電子装置
101 外部送信アンテナ線
102 外部送信回路
103 外部受信アンテナ線
104 外部受信回路
111 アンテナ線
112a 第1ループ線
112b 第2ループ線
113a 第1送受信回路
113b 第2送受信回路
121 第1基板
131 第2基板
X,Y 交差点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面投影においてループ状を形成する第1ループ及び第2ループを有する第1アンテナ線と、
平面投影においてループ状を形成する第3ループ及び第4ループを有する第2アンテナ線と、を備え、
前記第1アンテナ線と前記第2アンテナ線とは磁気結合されていることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
第1ループ及び前記第1ループとは逆向きの磁界に対応する第2ループを有する第1アンテナ線と、
第3ループ及び前記第3ループとは逆向きの磁界に対応する第4ループを有する第2アンテナ線と、を備え、
前記第1アンテナ線と前記第2アンテナ線とは磁気結合されていることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
前記第1ループと前記第2ループとは、互いが発生した磁界を打ち消し合うような形状を有し、
前記第3ループと前記第4ループとは、互いが発生した磁界を打ち消し合うような形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
平面投影において、前記第1ループにおける電流方向と前記第2ループにおける電流方向とは逆向きであり、
前記第3ループにおける電流方向と前記第4ループにおける電流方向とは逆向きであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記第1ループと前記第2ループとは、平面投影において線対称又は点対称のような関係にあり、
前記第3ループと前記第4ループとは、平面投影において線対称又は点対称のような関係にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第1アンテナ線と前記第2アンテナ線とは、平面投影において前記第1ループと前記第4ループとが重複すると共に、前記第2ループと前記第3ループとが重複するように配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記第1ループにおいて発生する磁界方向と前記第4ループにおいて発生する磁界方向は同じであり、
前記第2ループにおいて発生する磁界方向と前記第3ループにおいて発生する磁界方向は同じであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記第1アンテナ線と前記第2アンテナ線は同一形状を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記第1アンテナ線及び前記第2アンテナ線は8の字形状を有し、
8の字の交点は接触していないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記第1アンテナ線及び前記第2アンテナ線は、一方のループと他方のループとを接続するために各ループから突出した平行線を有し、
前記平行線の間隔は、各ループの大きさより狭いことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記第1アンテナ線及び前記第2アンテナ線において、一方のループと他方のループは別個の導体によって形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記第1アンテナ線及び前記第2アンテナ線において、一方のループと他方のループとはスイッチ回路を介して接続され、
前記スイッチ回路は、前記第1ループと前記第2ループとで発生する磁界の相対的向きを切り替えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記第1〜第4ループのうち少なくとも1つは多重巻きの導体を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記第1アンテナ線と前記第2アンテナ線との磁気結合を強化する磁性材料をさらに備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記磁性材料は、前記第1アンテナ線と前記第2アンテナ線の間であり、平面投影において前記第1〜第4ループのうち少なくとも1つのループ内に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
前記磁性材料は、2つのアンテナ線に挟まれていない領域において、平面投影において1つのアンテナ線の2つのループに掛かるように配置されていることを特徴とする請求項14又は15に記載の通信装置。
【請求項17】
1つのアンテナ線における2つのループの中心間距離は、隣接するアンテナ線の間隔以上であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の通信装置と、
第1電子素子と、
前記第1電子素子に積層された第2電子素子と、を備え、
前記第1アンテナ線は前記第1電子素子に設けられ、
前記第2アンテナ線は前記第2電子素子に設けられていることを特徴とする電子装置。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の通信装置と、
第1基板と、
前記第1基板に積層された第2基板と、を備え、
前記第1アンテナ線は前記第1基板に設けられ、
前記第2アンテナ線は前記第2基板に設けられていることを特徴とする電子装置。
【請求項20】
前記第1電子素子及び前記第2電子素子のうち少なくとも一方又は前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくとも一方は、前記第1アンテナ線及び前記第2アンテナ線のうち少なくとも一方における少なくとも1つのループ内に形成された貫通孔を有し、
前記貫通孔内に磁性材料が挿入されていることを特徴とする請求項18又は19に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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