説明

遊技機構を備えたボールゲーム玩具

【課題】本発明は、ボールゲーム玩具に係る。
【解決手段】本発明は、ボールゲーム玩具に係り、水平に広がる遊技面と、遊技面上において上方に突出しニュートラル位置から離れるよう曲げられるとともにスプリング力によってニュートラル位置に戻るように配置された玩具人形の形態からなる遊技機構とを有し、機構から離れるようボールを移動させ遊技面の上面を横切らせる目的で、機構上の面からボールにエネルギを伝えることができる。遊技機構は、垂直軸まわりに回転することが可能で、玩具人形の顔をキックの方向に向けることが可能である。本機構からアームが跨ぐよう突出し、指による垂直方向に作用する力に対応してニュートラル位置から離れ機構の曲げがなされるよう構成される。機構の正面には、ボールに一致する凹部が設けられ、その結果ボールは凹部の位置に確実に留まることが可能で、該ボールは機構の正面に常に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールドもしくは遊技面を備えたボールゲーム玩具に係り、前記遊技面は、1または複数の遊技面の上に押し出す機構を有する。このボールゲームは、フットボールとすることが可能で、この場合では該機構はフィールド上のプレイヤーを模し、遊技面上で弾力を持つようにマウントされ、ユーザによって手動でニュートラルの位置から離れ、曲げられるように配置される。機構がその後解放されるとスプリングの力によって、ニュートラルの位置に戻る。機構の戻り動作は、該機構の近くで遊技面上、すなわちフットボールプレイヤーに模した足に置かれたボールに運動エネルギを与え、それによってキックを模し、遊技面を横切るようボールを移動させる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4は、フィールド上のプレイヤーが人間の容貌をした人形を備えたボールゲーム玩具を開示しており、これらは人形の足に円板形状、球形もしくは樽状のベース要素が備えられ、該ベース要素は円形の水平断面を有している。このような人形が、ニュートラルの位置から離れるように曲げられ、そして解放されると、次にスプリング力はそれらをニュートラル位置に戻すようにする。ベース要素は「キック」をボールに与え、それによってボールが人形から離れるように移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3086778号明細書
【特許文献2】米国特許第3118673号明細書
【特許文献3】西独国特許出願公告第1163712号明細書
【特許文献4】西独国特許出願公開第2263398号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のボールゲーム玩具は、いくつかの問題点があった。従来技術のボールゲーム玩具における全ての遊技人形は、フィールド上に垂直な垂直軸まわりに回転不能な方法でフィールド上にマウントされる。そして顔は、例えば自身の攻撃方向に向けられている。プレイヤーが攻撃方向と異なる方向にボールを蹴る際、人形は攻撃方向を向いたままボールを側方もしくは後方に蹴ってしまう。これは不自然である。
【0005】
従来技術のボールゲーム玩具における更なる問題点は、遊技人形がたびたび狙いが外れる正確性の無いキックをするので、正確な狙いを定めるのが難しいことである。
【0006】
従来技術のボールゲーム玩具における更なる問題点は、ユーザは、その垂直状態、すなわちニュートラル位置から人形を曲げるために自然に人形の頭を掴むであろう。人形が屈曲した状態では、ユーザは、曲げ方向の変更もしくは調整によって狙いを定めるが、それと同時に人形の頭の上にある手もしくは少なくとも指が、クリアな視界と正確な狙いを妨げていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これら従来の問題点は、フィールドに垂直もしくは直立した軸まわりに人形が回転することができる本発明を適用したボールゲーム玩具によって解消される。この結果、ユーザは、本発明による方法で遊技人形を回転させることができ、ボールを蹴るための人形を狙いの方向の正面へと回転させるので、ゲームはさらに現実味を増す。
【0008】
遊技人形から水平に突出するアームは、ユーザによってニュートラル位置から離れるよう人形が曲げられる。そして曲げは通常、垂直方向であり、アームを下方に押しやることでなされる。この結果、ユーザの手は、該ユーザが人形の頭を掴む場合よりもかなり下方に置かれ、故に手は、狙う方向のクリアな視界を得るのを妨げない。この結果、ユーザは良好なゲームの全体像を得るとともに、さらに正確な狙いが得られる。
【0009】
本発明において遊技人形のベース要素は凹部を有しており、ボールがベース要素の正面に接触する際、安定した状態でボールを確保するための凹部は、該ボールに一致する。ユーザが遊技人形の回転によって狙う方向を変更する際、ボールはこれに伴い、そして人形の前に常に正確且つ着実に位置決めされる。そしてユーザは、望む方向に正確にボールを蹴ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の接合に使用するための土台の部分図である。
【図2】図1に示される土台の上に設置するための遊技機構の上部透視図である。
【図3】図2に示される遊技機構の底部透視図である。
【図4】図2および図3に示される遊技機構の底面図である。
【図5】遊技機構が搭載された土台を通る部分断面図である。
【図6】図5に示される遊技機構を有する土台の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、以下の好ましい実施例と図面による言及にて明確にされるであろう。
【0012】
図1は、土台の部分図であり、その形態は、互いに隣接配置された2つの矩形土台要素10、11から成る。土台要素11は正方形状で、そして土台要素10は長方形状であり、該土台要素10の短辺側は正方形要素11と同じ長さであり、長辺側の割合は短辺側の2倍である。土台要素10と11の側面には複数の矩形キャビティが設けられ、各キャビティ13の底面には2つの円筒形の連結用スタッド14が備えられている。土台要素10と11は、各端部を互いに接するようにして配置され、そして2つの土台要素によるキャビティ13の突合せは、正方形で水平に組み合わされた領域からなるキャビティを形成する。知られているように、正方形の建造要素15は、底面に結合用キャビティ(図示せず)を有しており、連結用スタッドのある2つの土台要素上にある2つの長方形状のキャビティ13からなるキャビティ内に配置することが可能である。それ自体知られているように、結合用キャビティの側面と摺動によって、建造要素15の底面における結合用キャビティに受け入れられる。これによって、建造要素15の上面は、土台要素10と11の上面と同一高さになる。
【0013】
土台要素10と11のそれぞれは、窪みもしくはキャビティ16を備えた上面を有しており、そして該窪み16の中央、すなわち最下点に、以下に説明される中空スリーブが配置される。
【0014】
図2および図3は、それ自体の底部に円筒形スタッドが備わっている遊技機構20を示し、自由端部では、突出するスナップビード22と、弾力性や圧縮性をスタッドの端部に持たせるためのスロットが形成されている。遊技機構は、円板形状のベース要素23を有しており、上面と底面の両面はアーチもしくはドーム形状となっている。遊技機構のベース要素23の上面には、ほぼ結合用キャビティ14と同様の、概して2つの円筒形の結合用キャビティ24が設けられている。その周囲においては、ベース要素23は、キャビティ26を有しており、そして底面には対応するキャビティ27が設けられている。遊技機構のベース要素23は、板バネ28などのスプリングの手段によってスタッド21に固定される。遊技機構は、キャビティ26、27の反対側に配置されたアームを有している。
【0015】
図5は、四角の土台要素11上に配置された遊技機構20を示し、スタッド21はスリーブ17の中に案内されている。このような方法においては、スナップビード22は、スリーブ内に交換が容易に可能なスナップ機構を備えた遊技機構を取り付ける目的から、中空スリーブ17の最底部の下側に位置決めされる。該遊技機構は、スリーブの内側で回転することが可能である。従来の玩具人形25は、遊技機構20の上に配置され、結合用スタッド24が玩具人形の足の裏にある対応の結合用キャビティに受容される。玩具人形はフットボール選手をまねており、そしてそれは容易に遊技機構から取り外すことができ、他の玩具人形に取り替えることが可能である。
【0016】
図5は、例えば指でアームを押下するなど、下方に働く力がアーム29上に加わると、どのような作用が働くかを示しており、点線に示されるようなニュートラル位置から、実線に示されるような屈曲位置へと、遊技機構25を曲げることが可能である。
【0017】
図5は、またボールもしくは他の球体30を示しており、キャビティ16内で位置決めされるであろう。すなわち重力のため、ベース要素23のキャビティ26と27によって定まるように、最下点に移動する。ベース要素の他の部分は全て水平方向に突き出ているので、ボールはベース要素に接触している他の全ての位置では、キャビティ16内で、キャビティ26もしくは27に接触している際の場合より高く位置決めされる。遊技人形のニュートラル位置では、ボールは、ベース要素の縁辺におけるキャビティ26に接触しており、遊技人形が屈曲位置にあるときは、ボールはキャビティ26から延在するキャビティ27に接触する。
【0018】
図4、図5、図6は、キャビティ内でベース要素23に対向しながら静止しているボールが示されている。重力のために、ボールはキャビティ16における最下点に移動しようとし、キャビティ26を除いては全て円形である外周を備えたベース要素の形態によって、ボールは、ニュートラルの位置においては、ベース要素のキャビティ26内に確実に配置される。遊技人形の顔が他の方向を向くように、遊技人形25を備えた遊技機構20を回転させた際、ボールはベース要素のキャビティ26に、まだ留まる。これは遊技機構の屈曲位置にあるボールにもまた当てはまり、該ボールは、ベース要素の底面とキャビティ27内に留まるであろう。遊技機構上の遊技人形25の正面にボールが常に着実に配置されることを確実にするために、ベース要素にあるキャビティ26と27は、遊技面におけるキャビティ26に協同する。そして遊技機構が回転した際、ボールは遊技人形の正面に安定して追従し続ける。これはユーザがボールを蹴り出す前に、正確に狙いをつけることを可能にする。
【0019】
使用の際、本ゲームを2つのチームを有するフットボールゲームとすると、本ゲームの動作は以下に説明される。プレイヤーがボールを蹴ると、重力によりボールは他の(あるいは同一の)プレイヤーのキャビティ16に落ち込み、そこで該ボールは遊技機構のベース要素のどこかに接触する。そこでユーザはアーム29を用いて、キャビティがボールと接触するまで遊技機構を回転させることができる。これによりボールは、遊技人形の正面に正確に位置するキャビティの1つに静止する。ところでユーザは、遊技機構の回転によって特定の方向を狙うことができる。そのとき上述したようにボールは、遊技人形の正面に追従し留まる。その後、ユーザは、自身の指を使用し、ボールがベース要素23の底面上にあるキャビティ27に接触するまで、アーム29を下方へと押す。またこの屈曲位置にある遊技機構を回転させることで、狙う方向を変えることができる。スプリングによって自由位置に戻る遊技機構のアーム29の解放によって、ユーザは人形にボールを蹴らせ、この動作によりボールは遊技機構から離れるように蹴られる。
【0020】
ユーザは、キック前のニュートラルの位置からの遊技機構の曲げ量を多量もしくは少量に選択することができる。このようにユーザはキックに要する力の強弱を選ぶことができる。弱い力のキックは、遊技面を横切ってボールをただ転がし、強い力のキックは、遊技面におけるキャビティ16によって、ボールを遊技面の上方に浮かせることができる。
【0021】
プレイヤーを模した玩具人形25は、取り除かれ、他の人形によって取って代わることができる。これでユーザは、自身のプレイヤーをフィールド上の望みのところに置くことができる。遊技人形の有無にかかわらず遊技機構もまた、取り去り、望みのところに置くことができる。これは、プレイヤーはフィールド上の特定の位置に制限されないことを意味し、ユーザはゲーム前に自身のプレイヤーのための特定の位置を選択することができる。そしてゲーム中においては、もし望むのであれば、フィールド上の他の位置にプレイヤーを移動させることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールと遊技面とを有し、該遊技面は水平に広がる上面と、遊技面上において上方に突出しニュートラル位置から離れるよう選択的に曲げられるとともにスプリング力によってニュートラル位置に戻るように配置された機構とを有し、該機構から離れるようボールを移動させ遊技面の上面を横切らせる目的で、機構上の接触面からボールにエネルギを伝えることができるボールゲーム玩具であって、
機構上の接触面はボールに一致する凹部を有し、該ボールを凹部接触面に接触させ、その位置に安定させることができることを特徴とするボールゲーム玩具。
【請求項2】
遊技面の上面は最下点を備えるキャビティを有し、前記機構はキャビティの最下点に構成されることを特徴とする請求項1に記載のボールゲーム玩具。
【請求項3】
前記機構は、垂直軸まわりに選択的に回転可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボールゲーム玩具。
【請求項4】
前記機構は、該機構を跨ぐように突出するアームを有し、前記アームは垂直に作用する力を用い機構をニュートラル位置から曲げるために形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載のボールゲーム玩具。
【請求項5】
前記機構は、プレイヤーを模した玩具人形を着脱させることのできる結合手段、及び対応する結合手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載のボールゲーム玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−136196(P2011−136196A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45854(P2011−45854)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【分割の表示】特願2001−507556(P2001−507556)の分割
【原出願日】平成12年7月5日(2000.7.5)
【出願人】(594012623)レゴ エー/エス (19)
【Fターム(参考)】