説明

遮光性農業用フィルム

【課題】 本発明は、遮光性に優れ且つカーテン資材として使用した際にコンパクトに収納することができると共に、ボタ落ち現象を生じさせにくい遮光性農業用フィルムを提供する。
【解決手段】 本発明の遮光性農業用フィルムは、所定のポリエチレン系樹脂、白色顔料及び黒色顔料を含有してなる樹脂組成物(a)からなる層(A)、所定のエチレン−酢酸ビニル共重合体部、白色顔料及び黒色顔料を含有してなる樹脂組成物(b)からなる層(B)、並びに、所定のエチレン−酢酸ビニル共重合体及び白色顔料を含有し且つ黒色顔料を含有せずになる樹脂組成物(c)からなる層(C)が、この順に積層一体化されてなる遮光性農業用フィルムであって、上記樹脂組成物(a)、(b)及び(c)のうちの少なくとも一つに非イオン系界面活性剤が所定量含有されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物の栽培施設(農業用ハウス)に使用される遮光性農業用フィルムに関する。詳しくは、金属製のパイプなどにより構成された栽培施設内において、太陽からの採光を調整するために栽培施設内に展張される遮光性農業用フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、植物の栽培方法として植物の習性を利用した栽培方法が提案されている。このような栽培方法の一つとして、植物の光周性を利用した栽培方法が挙げられ、これは太陽からの採光を適宜調整することにより、陽の当たる時間(明期)と陽の当たらない時間(暗期)とを調整して、花芽の生育や開花を早めたり逆に遅らせたりする方法である。
【0003】
上記植物の光周性を利用した栽培方法は、例えば、暗期を長くすることによって花芽がつきやすくなるキクの栽培などに用いられている。ここで、暗期を長くする方法としては、昼間に遮光性の高いフィルムで農業用ハウス内を覆う方法が採られている。
【0004】
このような暗期を長くして行う栽培方法に使用される遮光率の高いフィルムとしては、例えば、特許文献1に、三層以上の多層フィルムにおいて、白色層(酸化チタン含有)、黒色層(カーボンブラック含有)銀色層(アルミニウム含有)がこの順に積層された農業用フィルムが、特許文献2に、透明層、白色層(酸化チタン含有)、灰色層(酸化チタン、カーボンブラック含有)、銀色層(アルミニウム含有)及び透明層がこの順に積層された農業用フィルムが開示されている。
【0005】
しかしながら、アルミニウムを含有してなる農業用フィルムは、フィルムの腰が強くなっているため、農業用ハウス内張り資材(以下、「カーテン資材」という)として使用した場合、カーテン資材を収納する際にコンパクトに収納することができないという問題があった。
【0006】
又、上述のような農業用フィルムは、防曇性が不十分であるため、農業用フィルムの農業用ハウス内面側の表面に付着した結露水が作物の上に落下する、所謂、ボタ落ち現象により作物に病害が発生するという問題も生じた。
【0007】
防曇性に優れた農業用フィルムとしては、特許文献3や特許文献4に、フィルム表面にコロイダルシリカやコロイダルアルミナなどの無機微粒子を主成分とする防曇層を形成してなる農業用フィルムが提案されている。
【0008】
しかしながら、上記無機微粒子を主成分とする防曇層を形成してなる農業用フィルムは、カーテン資材として使用した場合、カーテンの開閉時に無機微粒子が防曇層に擦れて擦れ傷が発生し、その傷部分に結露水が停滞して、ボタ落ち現象が発生してしまうという問題があった。
【0009】
【特許文献1】特許第3127116号公報
【特許文献2】特開2002−247922号公報
【特許文献3】特許第3365828号公報
【特許文献4】特開平11−240112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、遮光性に優れ且つカーテン資材として使用した際にコンパクトに収納することができると共に、ボタ落ち現象を生じさせにくい遮光性農業用フィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の遮光性農業用フィルムは、密度が0.900〜0.930g/cm3で且つメルトフローレイト(MFR)が0.3〜5.0g/10分であるポリエチレン系樹脂100重量部、白色顔料5.0〜30重量部及び黒色顔料0.1〜5.0重量部を含有してなる樹脂組成物(a)からなる層(A)、酢酸ビニル含有量が5.0〜25重量%で且つメルトフローレイト(MFR)が0.5〜4.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部、白色顔料1.0〜10重量部及び黒色顔料0.1〜5.0重量部を含有してなる樹脂組成物(b)からなる層(B)、並びに、酢酸ビニル含有量が3.0〜10重量%で且つメルトフローレイト(MFR)が0.5〜4.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部及び白色顔料5.0〜30重量部を含有し且つ黒色顔料を含有せずになる樹脂組成物(c)からなる層(C)が、この順に積層一体化されてなる遮光性農業用フィルムであって、上記樹脂組成物(a)、(b)及び(c)のうちの少なくとも一つに、上記樹脂組成物を構成している樹脂成分100重量部に対して非イオン系界面活性剤が0.1〜10重量部含有されていることを特徴とする。
【0012】
上記層(A)を構成する樹脂組成物(a)には、ポリエチレン系樹脂が含有される。上記ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。これらのポリエチレン系樹脂の中でもエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。
【0013】
上記直鎖状低密度ポリエチレンは、Ziegler触媒や、メタロセン触媒などのシングルサイト系触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合して得られ、α−オレフィンの種類や量を調整することによって密度範囲を制御することができる。
【0014】
なお、上記α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0015】
そして、上記ポリエチレン系樹脂の密度は、低いと、遮光性農業用フィルムを畳んで保管する際にブロッキングが発生する一方、高いと、遮光性農業用フィルムは腰が強くなって、カーテン資材として使用した際にコンパクトに収納することができなくなるので、0.900〜0.930g/cm3に限定され、0.905〜0.925g/cm3が好ましく、0.910〜0.920g/cm3がより好ましい。
【0016】
なお、本発明における熱可塑性樹脂の密度は、JIS K7112「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準拠して測定された値をいう。
【0017】
又、上記ポリエチレン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、小さいと、層(A)ひいては遮光性農業用フィルムの製膜性が悪化する一方、大きいと、層(A)ひいては遮光性農業用フィルムの機械的強度が低下するので、0.3〜5.0g/10分に限定され、0.5〜3.0g/10分が好ましく、0.8〜2.0g/10分がより好ましい。
【0018】
ここで、本発明におけるポリエチレン系樹脂及びエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイト(MFR)は、JIS K7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト及びメルトボリュームフローレイトの試験方法」に準拠して、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定された値をいう。
【0019】
なお、上記樹脂組成物(a)に複数種類のポリエチレン系樹脂が含有されている場合、ポリエチレン系樹脂の密度及びメルトフローレイト(MFR)とはそれぞれ、ポリエチレン系樹脂の混合物の見かけ上の密度及びメルトフローレイト(MFR)をいう。
【0020】
そして、上記樹脂組成物(a)には、遮光性農業用フィルムの遮光性及び遮熱性を高める目的で白色顔料が含有される。上記白色顔料としては、白色を呈する顔料であれば特に限定されず、例えば、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタンなどの酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、硫化亜鉛、鉛白、モリブデンホワイト、リトポンなどが挙げられ、これらの中でも遮光性に優れた酸化チタンが好ましく、特に遮光性に優れたルチル型酸化チタンがより好ましい。なお、上記白色顔料は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。なお、本発明において、白色とは、いわゆるマンセル表色系でいう明度が8〜10である色を意味する。
【0021】
又、上記白色顔料の平均粒子径は、小さいと、白色顔料が凝集しやすくなって、樹脂組成物(a)中に白色顔料を均一に分散させることが困難になったり、遮光性農業用フィルムの取扱性が悪化することがある一方、大きいと、層(A)ひいては遮光性農業用フィルムの機械的強度が低下することがあるので、100〜300nmが好ましく、150〜250nmがより好ましい。
【0022】
なお、本発明における白色顔料の平均粒子径は、レーザー回折法により測定された値をいう。
【0023】
上記樹脂組成物(a)中における白色顔料の含有量は、上記密度が0.900〜0.930g/cm3で且つメルトフローレイト(MFR)が0.3〜5.0g/10分であるポリエチレン系樹脂100重量部に対して5.0〜30重量部に限定され、10〜25重量部が好ましい。これは、上記樹脂組成物(a)における白色顔料の含有量が、少ないと、層(A)における黒色顔料の割合が高くなって層(A)が黒っぽくなり、ひいては層(C)の色目が黒くなって、遮光性農業用フィルムの遮熱性が低下する一方、多いと、層(A)ひいては遮光性農業用フィルムの製膜性及び機械的強度が低下するからである。
【0024】
そして、上記樹脂組成物(a)には、遮光性農業用フィルムの遮光性を高める目的で黒色顔料が含有される。上記黒色顔料としては、黒色を呈する顔料であれば特に限定されず、例えば、塗料用、ペースト用、プラスチックへの充填用などの用途に使用されているカーボンブラック、アニリンブラックなどが挙げられ、安全性及び経済性からカーボンブラックが好ましい。なお、上記黒色顔料は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。なお、本発明において、黒色とは、いわゆるマンセル表色系でいう明度が0〜2である色を意味する。
【0025】
又、上記樹脂組成物(a)中における黒色顔料の含有量は、上記密度が0.900〜0.930g/cm3で且つメルトフローレイト(MFR)が0.3〜5.0g/10分であるポリエチレン系樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部に限定され、0.5〜3.0重量部が好ましく、1.0〜2.5重量部がより好ましい。これは、上記樹脂組成物(a)における黒色顔料の含有量が、少ないと、遮光性農業用フィルムの遮光性が低下する一方、多いと、層(A)が黒っぽくなり、ひいては層(C)の色目が黒くなって、遮光性農業用フィルムの遮熱性が低下するからである。
【0026】
本発明の遮光性農業用フィルムの層(B)を構成する樹脂組成物(b)には、エチレン−酢酸ビニル共重合体が含有される。上記エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル成分の含有量は、少ないと、層(B)ひいては遮光性農業用フィルムは柔軟性が不十分になって、遮光性農業用フィルムをカーテン資材として使用した際にコンパクトに収納することができないという問題が生じる一方、多いと、層(B)ひいては遮光性農業用フィルムの製膜性が悪化したり、機械的強度が低下したりするので、5.0〜25重量%に限定され、10〜20重量%が好ましい。
【0027】
又、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイト(MFR)は、小さいと、層(B)ひいては遮光性農業用フィルムの製膜性が低下する一方、大きいと、層(B)ひいては遮光性農業用フィルムの機械的強度が低下するので、0.5〜4.0g/10分に限定され、0.8〜2.0g/10分が好ましい。
【0028】
なお、上記樹脂組成物(b)に複数種類のエチレン−酢酸ビニル共重合体が含有されている場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル成分の含有量及びメルトフローレイト(MFR)とはそれぞれ、エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物の見かけ上の酢酸ビニル成分の含有量及びメルトフローレイト(MFR)をいう。
【0029】
そして、上記樹脂組成物(b)には、遮光性農業用フィルムの遮光性及び遮熱性を向上させる目的で白色顔料が含有される。上記白色顔料としては、上記樹脂組成物(a)に含有される白色顔料と同様のものが挙げられ、中でも遮光性に優れた酸化チタンが好ましく、特に遮光性に優れたルチル型酸化チタンがより好ましい。なお、上記白色顔料は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0030】
又、上記白色顔料の平均粒子径は、小さいと、白色顔料が凝集しやすくなって、樹脂組成物(b)中に白色顔料を均一に分散させることが困難になったり、遮光性農業用フィルムの取扱性が悪化することがある一方、大きいと、層(B)ひいては遮光性農業用フィルムの機械的強度が低下することがあるので、100〜300nmが好ましく、150〜250nmがより好ましい。
【0031】
更に、上記樹脂組成物(b)における白色顔料の含有量は、上記酢酸ビニル含有量が5.0〜25重量%で且つメルトフローレイト(MFR)が0.5〜4.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して1.0〜10重量部に限定され、3.0〜8.0重量部が好ましく、4.0〜6.0重量部がより好ましい。これは、上記樹脂組成物(b)における白色顔料の含有量が、少ないと、層(B)における黒色顔料の割合が高くなって層(B)が黒っぽくなり、ひいては層(C)の色目が黒くなって、遮光性農業用フィルムの遮熱性が低下する一方、多いと、層(B)ひいては遮光性農業用フィルムの製膜性及び機械的強度が低下するからである。
【0032】
又、上記樹脂組成物(b)には、遮光性農業用フィルムの遮光性を高める目的で黒色顔料が含有される。上記黒色顔料としては、上記樹脂組成物(a)に含有される黒色顔料と同様のものが挙げられ、安全性及び経済性からカーボンブラックが好ましい。なお、上記黒色顔料は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0033】
そして、上記樹脂組成物(b)における黒色顔料の含有量は、上記酢酸ビニル含有量が5.0〜25重量%で且つメルトフローレイト(MFR)が0.5〜4.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、0.1〜5.0重量部に限定され、0.5〜3.0重量部が好ましく、1.0〜2.0重量部がより好ましい。これは、上記樹脂組成物(b)における黒色顔料の含有量が、少ないと、遮光性農業用フィルムの遮光性が低下する一方、多いと、層(B)が黒っぽくなり、ひいては層(C)の色目が黒くなって、遮光性農業用フィルムの遮熱性が低下するからである。
【0034】
本発明の遮光性農業用フィルムの層(C)を構成する樹脂組成物(c)には、エチレン−酢酸ビニル共重合体が含有される。上記エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル成分の含有量は、少ないと、層(C)ひいては遮光性農業用フィルムの柔軟性が不十分になって、遮光性農業用フィルムをカーテン資材として使用した際にコンパクトに収納することができないという問題が生じる一方、多いと、層(C)ひいては遮光性農業用フィルムの製膜性及び機械的強度が低下するので、3.0〜10重量%に限定され、5.0〜8.0重量%が好ましい。
【0035】
又、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイト(MFR)は、小さいと、層(C)ひいては遮光性農業用フィルムの製膜性が悪化する一方、大きいと、層(C)ひいては遮光性農業用フィルムの機械的強度が低下するので、0.5〜4.0g/10分に限定され、0.8〜2.0g/10分であることが好ましい。
【0036】
ここで、上記樹脂組成物(c)に複数種類のエチレン−酢酸ビニル共重合体が含有されている場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル成分の含有量及びメルトフローレイト(MFR)とはそれぞれ、エチレン−酢酸ビニル共重合体の混合物の見かけ上の酢酸ビニル成分の含有量及びメルトフローレイト(MFR)をいう。
【0037】
なお、本発明の遮光性農業用フィルムを共押出によって製膜する場合、遮光性農業用フィルムの製膜性の面から、樹脂組成物(a)中のポリエチレン系樹脂、樹脂組成物(b)中のエチレン−酢酸ビニル共重合体、及び、樹脂組成物(c)中のエチレン−酢酸ビニル共重合体は、互いにメルトフローレイト(MFR)の値が近いものを用いるのが好ましく、具体的には、上記樹脂組成物(a)中のポリエチレン系樹脂、樹脂組成物(b)中のエチレン−酢酸ビニル共重合体及び樹脂組成物(c)中のエチレン−酢酸ビニル共重合体のうち、メルトフローレイト(MFR)が最も大きいものと最も小さいものとのメルトフローレイト(MFR)の差が2.0g/10分以下であるのが好ましい。
【0038】
上記樹脂組成物(c)には、遮光性農業用フィルムの遮光性及び遮熱性を向上させる目的で白色顔料が含有される。上記白色顔料としては、上記樹脂組成物(a)に含有される白色顔料と同様のものが挙げられ、中でも遮光性に優れた酸化チタンが好ましく、特に遮光性に優れたルチル型酸化チタンがより好ましい。なお、上記白色顔料は、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0039】
又、上記白色顔料の平均粒子径は、小さいと、白色顔料が凝集しやすくなって、樹脂組成物(c)中に白色顔料を均一に分散させることが困難になったり、遮光性農業用フィルムの取扱性が悪化することがある一方、大きいと、層(C)ひいては遮光性農業用フィルムの機械的強度が低下することがあるので、100〜300nmが好ましく、150〜250nmがより好ましい。
【0040】
そして、上記樹脂組成物(c)における白色顔料の含有量は、上記酢酸ビニル含有量が3.0〜10重量%で且つメルトフローレイト(MFR)が0.5〜4.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、5.0〜30重量部に限定され、10〜25重量部が好ましく、15〜20重量部がより好ましい。これは、上記樹脂組成物(c)における白色顔料の含有量が、少ないと、層(C)の白色性が不十分になって、遮光性農業用フィルムの遮熱性が低下する一方、多いと、層(C)ひいては遮光性農業用フィルムの製膜性及び機械的強度が低下するからである。
【0041】
又、上記樹脂組成物(c)には、黒色顔料が含有されない。これは、遮光性農業用フィルムに黒色顔料が含有されると、層(C)の白色性が損なわれ、層(C)が赤外線、遠赤外線を十分に反射できなくなり、遮光性農業用フィルムの遮熱性が低下するからである。
【0042】
本発明の遮光性農業用フィルムには、その防曇性を向上させる目的で非イオン系界面活性剤が含有される。上記非イオン系界面活性剤としては、防曇性を付与できるものであれば特に限定されないが、多価アルコール脂肪酸エステルや、多価アルコール脂肪酸エステルにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加してなるアルキレンオキサイド付加多価アルコール脂肪酸エステルが好適に用いられる。
【0043】
そして、上記多価アルコール脂肪酸エステルとしては、特に限定されず、グリセリンステアリン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、ソルビトールステアリン酸エステルなどの多価アルコール飽和脂肪酸エステル;グリセリンオレイン酸エステル、ジグリセリンオレイン酸エステルなどの多価アルコール不飽和脂肪酸エステルなどが挙げられ、多価アルコール飽和脂肪酸エステルが好ましい。
【0044】
又、上記アルキレンオキサイド付加多価アルコール脂肪酸エステルとしては、上述の多価アルコール脂肪酸エステルに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させたものが挙げられる。
【0045】
そして、上記アルキレンオキサイド付加多価アルコール脂肪酸エステルにおけるアルキレンオキサイドの付加モル数は、0.1〜10モルが好ましい。これは、アルキレンオキサイドの付加モル数が少ないと、遮光性農業用フィルムの防曇性が低下することがある一方、多いと、アルキレンオキサイド付加多価アルコール脂肪酸エステルの水に対する溶解性が高くなり、アルキレンオキサイド付加多価アルコール脂肪酸エステルが結露水に溶解して流れ出し、遮光性農業用フィルムの防曇性が低下することがあるからである。
【0046】
そして、上記非イオン系界面活性剤は、上記遮光性農業用フィルムを構成する樹脂組成物(a)、(b)又は(c)のうちの少なくとも一つの樹脂組成物に、好ましくは全ての樹脂組成物に、各樹脂組成物を構成している樹脂成分100重量部に対して0.1〜10重量部含有され、好ましくは1.0〜5.0重量部含有される。
【0047】
これは、上記遮光性農業用フィルムを構成する樹脂組成物(a)、(b)及び(c)の全てにおいて、非イオン系界面活性剤の含有量が、各樹脂組成物を構成している樹脂成分100重量部に対して0.1重量部未満である場合、遮光性農業用フィルムの防曇性が不十分となり、遮光性農業用フィルムの表面に付着した結露水が農業用ハウス内で栽培している作物の上に直接落下する、所謂、ボタ落ち現象によって作物に病害が発生しやすくなるからである。
【0048】
一方、上記遮光性農業用フィルムを構成する樹脂組成物(a)、(b)又は(c)の何れかの樹脂組成物において、非イオン系界面活性剤の含有量が、各樹脂組成物を構成している樹脂成分100重量部に対して10重量部を超える場合にあっては、遮光性農業用フィルムの表面に非イオン系界面活性剤がブリードアウトし過ぎて遮光性農業用フィルムがべたつき、遮光性農業用フィルムの取扱性が低下する。
【0049】
又、上記のようにして遮光性農業用フィルム中に含有されている非イオン系界面活性剤は、ブリードアウトして遮光性農業用フィルムの表面に滲出するため、遮光性農業用フィルムは優れた防曇性を発揮する。
【0050】
なお、上記遮光性農業用フィルムには、必要に応じて物性を損なわない範囲においてヒンダードアミン系光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤などが添加されてもよい。
【0051】
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、従来公知の任意のものが使用され、単独あるいは二種以上を混合して使用することができる。具体的には、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]}などが挙げられる。
【0052】
そして、上記熱安定剤としては、従来公知の任意のものが使用され、具体的には、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、有機亜燐酸エステルなどのキレーターなどが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0053】
そして、上記紫外線吸収剤としては、従来公知の任意のものが使用され、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系などを単独あるいは二種以上を混合して使用することができる。具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0054】
又、上記滑剤としては、従来公知の任意のものが使用され、ステアリン酸アマイドなどの飽和脂肪酸アマイド、エルカ酸アマイド、オレイン酸アマイドなどの不飽和脂肪酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイドなどのビスアマイドなどが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0055】
上記遮光性農業用フィルムの厚みは、薄いと、遮光性農業用フィルムの機械的強度が低下することがある一方、厚いと、遮光性農業用フィルムの裁断、接合、展張作業などが困難になり、取扱性が低下するので、50〜150μmが好ましく、70〜120μmがより好ましい。
【0056】
次に、上記遮光性農業用フィルムの製膜方法について説明する。上記遮光性農業用フィルムの製造方法としては、特に限定されず、例えば、多層インフレーション法、多層Tダイ法、多層ラミネート法、カレンダー法などの従来公知の方法が挙げられる。
【0057】
上記製膜方法の中でも、各層を構成する樹脂組成物をそれぞれ別々の押出機内で溶融混練させた後、それぞれの押出機から溶融状態の樹脂組成物を円形の多層ダイスに供給し、円形の多層ダイスから溶融状態の樹脂組成物を共押出して円筒状のフィルムを製膜すると共に、この円形の多層ダイスの中心部から圧縮空気を供給し、共押出製膜された円筒状のフィルムを周方向に延伸することによって遮光性農業用フィルムを製膜する多層インフレーション法が好ましい。
【0058】
そして、本発明の遮光性農業用フィルムは、農業用ハウス内において植物の光周性を利用した栽培方法に使用される。具体的には、遮光性農業用フィルムは、農業用ハウス内において栽培されている植物に日光が照射されないようにするために用いられ、層(A)を内側にして農業用ハウスに張設された農業用フィルムの内面に沿って配設されて用いられる。
【0059】
このようにして農業用ハウス内に照射される日光を遮光性農業用フィルムによって遮蔽し或いは調整し、植物の光周性を利用すると共に農業用ハウス内の温度を調整することによって、例えば、花芽の形成や開花時期を調整することができる。
【0060】
一方、農業用ハウス内において栽培されている植物に日光を照射させる場合には、遮光性農業用フィルムを除去すればよく、植物に対する日光の照射及び遮蔽を遮光性農業用フィルムの配設、除去によって容易に調整することができる。
【発明の効果】
【0061】
本発明の遮光性農業用フィルムは、各層に白色顔料が含有されると共に、層(A)及び層(B)に黒色顔料が含有されているため、層(C)が白色に、層(A)及び(B)が灰色になるように構成されている。従って、上記遮光性農業用フィルムの層(C)にて日光の一部が反射されると共に、層(B)を透過した日光は、層(A)及び(B)にて吸収されるので、優れた遮光性を有している。
【0062】
又、上記遮光性農業用フィルムは、各層に白色顔料を含有し且つ層(C)が白色であり、熱線である赤外線や遠赤外線を反射するので、遮熱性に優れている。
【0063】
そして、本発明の遮光性農業用フィルムは、アルミニウムを含有せず、柔軟性に優れているため、コンパクトに収納することができ、カーテン資材として好適に使用することができる。
【0064】
更に、本発明の遮光性農業用フィルムは、その表面に無機微粒子を有する防曇剤を塗布していないので、カーテン資材として使用した場合、カーテン資材の開閉によりフィルム表面が擦れても、フィルム表面に擦れ傷が生じにくい。そのため、上記遮光性農業用フィルムの表面に付着した結露水が、擦れ傷部分で停滞して植物の上に落下することなく、フィルム表面を伝って円滑に地面へと流れるため、作物に病害が発生するようなことはほとんどない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0066】
(実施例1〜7、比較例1〜9)
〔樹脂組成物(a)の調製〕
表1、2に示した所定量の、直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.920g/cm3、メルトフローレイト:1.2g/10分)、低密度ポリエチレンA(密度:0.920g/cm3、メルトフローレイト:1.2g/10分)、非イオン系界面活性剤マスターバッチ(理研ビタミン社製 商品名「S71−D」、非イオン系界面活性剤含有量:20重量%、低密度ポリエチレン含有量:80重量%、非イオン系界面活性剤の主成分:ジグリセリンステアリン酸エステル、低密度ポリエチレンの密度:0.920g/cm3、低密度ポリエチレンのメルトフローレイト:4.0g/10分)、白色顔料マスターバッチ(東京インキ社製 商品名「PEX6800」、ルチル型酸化チタン含有量:60重量%、低密度ポリエチレン含有量:40重量%、ルチル型酸化チタンの平均粒子径:230nm、低密度ポリエチレンの密度:0.919g/cm3、低密度ポリエチレンのメルトフローレイト:2.0g/10分)及び黒色顔料マスターバッチ(東京インキ社製 商品名「PEX998020」、カーボンブラック含有量:40重量%、低密度ポリエチレン含有量:60重量%、低密度ポリエチレンの密度:0.919g/cm3、低密度ポリエチレンのメルトフローレイト:2.0g/10分)からなる樹脂組成物(a)を調製した。なお、表1、2中における「低密度ポリエチレンM」の含有量とは、白色顔料マスターバッチ、黒色顔料マスターバッチ及び非イオン系界面活性剤マスターバッチに含有されている低密度ポリエチレンの合計量を示す。
【0067】
〔樹脂組成物(b)の調製〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体B(酢酸ビニル成分含有量:10重量%、密度:0.930g/cm3、メルトフローレイト:1.0g/10分)100重量部、非イオン系界面活性剤マスターバッチ(理研ビタミン社製 商品名「S71−D」、非イオン系界面活性剤含有量:20重量%、低密度ポリエチレン含有量:80重量%、非イオン系界面活性剤の主成分:ジグリセリンステアリン酸エステル、低密度ポリエチレンの密度:0.920g/cm3、低密度ポリエチレンのメルトフローレイト:4.0g/10分)10重量部、並びに、表1、2に示した所定量の、白色顔料マスターバッチ(東京インキ社製 商品名「PEX6800」、ルチル型酸化チタン含有量:60重量%、低密度ポリエチレン含有量:40重量%、ルチル型酸化チタンの平均粒子径:230nm、低密度ポリエチレンの密度:0.919g/cm3、低密度ポリエチレンのメルトフローレイト:2.0g/10分)及び黒色顔料マスターバッチ(東京インキ社製 商品名「PEX998020」、カーボンブラック含有量:40重量%、低密度ポリエチレン含有量:60重量%、低密度ポリエチレンの密度:0.919g/cm3、低密度ポリエチレンのメルトフローレイト:2.0g/10分)からなる樹脂組成物(b)を調製した。
【0068】
〔樹脂組成物(c)の調製〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体C(酢酸ビニル成分含有量:5重量%、密度:0.930g/cm3、メルトフローレイト:1.0g/10分)100重量部、非イオン系界面活性剤マスターバッチ(理研ビタミン社製 商品名「S71−D」、非イオン系界面活性剤含有量:20重量%、低密度ポリエチレン含有量:80重量%、非イオン系界面活性剤の主成分:ジグリセリンステアリン酸エステル、低密度ポリエチレンの密度:0.920g/cm3、低密度ポリエチレンのメルトフローレイト:4.0g/10分)10重量部、及び、表1、2に示した所定量の白色顔料マスターバッチ(東京インキ社製 商品名「PEX6800」、ルチル型酸化チタン含有量:60重量%、低密度ポリエチレン含有量:40重量%、ルチル型酸化チタンの平均粒子径:230nm、低密度ポリエチレンの密度:0.919g/cm3、低密度ポリエチレンのメルトフローレイト:2.0g/10分)からなる樹脂組成物(c)を調製した。
【0069】
(遮光性農業用フィルムの製膜)
層(A)用、層(B)用、層(C)用の三機の押出機の先端を同一の円形の多層ダイスに接続させてなる多層製膜装置を用意し、この多層製膜装置の層(A)用の押出機に樹脂組成物(a)を、層(B)用の押出機に樹脂組成物(b)を、層(C)用の押出機に樹脂組成物(c)を供給して、上記三機の押出機内でそれぞれ溶融混練させた後、各押出機から溶融状態の樹脂組成物を円形の多層ダイスに供給し、円形の多層ダイスから溶融状態の樹脂組成物を、層(A)、層(B)、層(C)がこの順に積層一体化された状態となるように共押出製膜すると共に、円形の多層ダイスの中心部から圧縮空気を供給して、共押出製膜された円筒状のフィルムを周方向に延伸した後、冷却空気により円筒状のフィルムを冷却し、円筒状のフィルムを切り開いて巻き取ることにより、全体厚みが100μm、各層の厚み比(層(A)/層(B)/層(C))が1/3/1である遮光性農業用フィルムを製膜した。
【0070】
次に、上記のようにして得られた遮光性農業用フィルムの遮光性、層(C)の白色性、機械的強度を下記の要領で評価し、その結果を表1及び表2に示した。なお、表1及び表2中の樹脂組成物(a)、(b)及び(c)の「非イオン系界面活性剤含有量」の欄における括弧内の数値は、各樹脂組成物中に含有されている樹脂成分の総量を100重量部に換算したときの非イオン系界面活性剤の含有量(重量部)を示す。又、表1及び表2中の樹脂組成物(a)の「白色顔料含有量」及び「黒色顔料含有量」の欄における括弧内の数値は、樹脂組成物(a)中に含有されている、密度が0.900〜0.930g/cm3で且つメルトフローレイト(MFR)が0.3〜5.0g/10分であるポリエチレン系樹脂の総量を100重量部に換算したときの白色顔料含有量(重量部)又は黒色顔料含有量(重量部)を示す。
【0071】
(遮光性)
得られた遮光性農業用フィルムを用いて照度計(カスタム社製 商品名「LX−1332」)の受光部を隙間なく覆い、この照度計を用いて、外部照度10万ルクスの条件下における照度を測定して、下記基準に基づき、遮光性農業用フィルムの遮光性を評価した。
○:照度が2ルクス未満であった。
△:照度が2ルクス以上で且つ5ルクス未満であった。
×:照度が5ルクス以上であった。
【0072】
(層(C)の白色性)
得られた遮光性農業用フィルムの層(C)を目視観察し、下記基準に基づき、層(C)の白色性を評価した。
○:層(C)は、きれいな白色を呈している。
△:層(C)は、やや灰色っぽく見えるものの概ね白色である。
×:層(C)は、灰色っぽくなり、白色性が失われている。
【0073】
(機械的強度)
得られた遮光性農業用フィルムの引張破断点荷重を、ストログラフ(東洋精機製作所社製)を用いて、JIS K6781に準拠して測定し、下記基準に基づき、遮光性農業用フィルムの機械的強度を評価した。
○:破断点荷重は3000g以上であった。
△:破断点荷重は1000g以上で且つ3000g未満であった。
×:破断点荷重は1000g未満であった。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
密度が0.900〜0.930g/cm3で且つメルトフローレイト(MFR)が0.3〜5.0g/10分であるポリエチレン系樹脂100重量部、白色顔料5.0〜30重量部及び黒色顔料0.1〜5.0重量部を含有してなる樹脂組成物(a)からなる層(A)、酢酸ビニル含有量が5.0〜25重量%で且つメルトフローレイト(MFR)が0.5〜4.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部、白色顔料1.0〜10重量部及び黒色顔料0.1〜5.0重量部を含有してなる樹脂組成物(b)からなる層(B)、並びに、酢酸ビニル含有量が3.0〜10重量%で且つメルトフローレイト(MFR)が0.5〜4.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部及び白色顔料5.0〜30重量部を含有し且つ黒色顔料を含有せずになる樹脂組成物(c)からなる層(C)が、この順に積層一体化されてなる遮光性農業用フィルムであって、上記樹脂組成物(a)、(b)又は(c)のうちの少なくとも一つに、上記樹脂組成物を構成している樹脂成分100重量部に対して非イオン系界面活性剤が0.1〜10重量部含有されていることを特徴とする遮光性農業用フィルム。
【請求項2】
樹脂組成物(a)、(b)及び(c)に含有されている白色顔料の平均粒子径が100〜300nmであることを特徴とする請求項1に記載の遮光性農業用フィルム。
【請求項3】
樹脂組成物(a)、(b)及び(c)に含有される白色顔料がルチル型酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮光性農業用フィルム。
【請求項4】
非イオン系界面活性剤が多価アルコール飽和脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の遮光性農業用フィルム。

【公開番号】特開2009−45027(P2009−45027A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215567(P2007−215567)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(596111276)積水フイルム株式会社 (133)
【Fターム(参考)】