説明

遮蔽布着脱テーブル

【課題】温風暖房機から吹き出される温風を利用し、テーブル下部空間と部屋全体を暖かくし、テーブルに対し遮蔽布を付けても天板ががたつかない遮蔽布着脱テーブルを提供することにある。
【解決手段】テーブル天板の裏面部またはやぐら部または脚部間に、着脱自在の遮蔽布を配し、温風暖房機から吹き出される温風をテーブル下部空間に充満させ、連続的に吹き込む温風によって、テーブル下部空間に充満させた温風を押出し、押出した温風によって、温風暖房機を設置している部屋全体をも暖めることを最も主要な特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルの脚間の開口部を遮蔽する遮蔽布を配し、こたつとして使用可能な遮蔽布着脱テーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のこたつは、胡坐または、足を投げ出した状態で足膝を入れる和式こたつと、いすに腰掛けた状態で足膝を入れる洋式こたつに大別できる。双方において、気候が温暖な時期には食卓テーブル、あるいは座敷机(しっぷく台)であっても、冬季にはこたつ蒲団を掛け、食卓テーブルこたつ、座敷机こたつとする方法が知られている。
【0003】
上記こたつは、気候が温暖な時期に使用する際、やぐら部と天板は、やぐら部の裏面より、天板に対し、ボルトなどを使用し固定している。しかし冬季はやぐら部の上にこたつ蒲団を乗せ、さらに蒲団の上に天板を置くだけとなっていた。このため天板はこたつ蒲団の上で安定せず、天板は横からの加圧によりずれやすくなっていた。
【0004】
また、こたつ蒲団は、テーブルの上面から、床面までの長さに加え、床面の一部まで覆うようにかなり長く設定されている。これは、こたつに対して、足膝を入れた際、持ち上げた蒲団と足膝の間に暖気を逃がす隙間の発生を抑えるためであった。しかし、床面にまでおよぶこたつ蒲団の先端付近は、汚れやすいものであった。
【0005】
発熱体を有するこたつの場合、こたつ内は暖かいが、こたつを置いている部屋は暖まらなかった。これに対し、部屋全体を暖める方法の一つに温風暖房機がある。
【0006】
温風暖房機の場合、温風を下向きに吹き出しているが、温風は軽く、結果的に部屋の天井付近と、部屋の床付近の温度差があり、温風暖房機の温風噴出し口付近以外では、足元は寒いままであった。この為一つの部屋の中で、こたつと温風暖房機を同時に使用する場合もあった。
【0007】
また、発熱体を有するこたつの熱源を入れず、温風暖房器具の温風をこたつ内に誘導する方法も知られている。そこで、温風暖房器具の温風導入ダクトについての提案もされている。特開平10−111021号では、こたつ用温風引込ダクトを、特開2002―221082号は、こたつ用温風導入ダクトを紹介している。
【特許文献1】特開平10−111021号公報
【特許文献1】特開2002―221082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、温風暖房機から吹き出される温風を利用し、テーブル下部空間と部屋全体を暖かくし、テーブルに対し遮蔽布を付けても天板ががたつかない遮蔽布着脱テーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の遮蔽布着脱テーブルは、テーブル天板の裏面部またはやぐら部または脚部間に、着脱自在の遮蔽布を配し、温風暖房機から吹き出される温風をテーブル下部空間に充満させ、連続的に吹き込む温風によって、テーブル下部空間に充満させた温風を押出し、押出した温風によって、温風暖房機を設置している部屋全体をも暖めることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遮蔽布着脱テーブルは、テーブル天板の裏面部またはやぐら部または脚部間に、着脱自在の遮蔽布を配することで、遮蔽布の有無による天板のがたつきは発生せず、温風温風暖房器具から吹き出されるの温風をテーブル下部空間に充満させ、テーブル下部空間を暖め、さらに温風の持つ熱量はテーブルの天板の裏面、遮蔽布を温めるためにも使われ、暖められた天板裏面、遮蔽布からの輻射熱も発生し、テーブル下部空間はこたつ状態になり、さらに連続的に送り込まれる温風によって、テーブル下部空間に充満していた温風が押出され、押出された温風によって、温風暖房機を設置している部屋全体をも暖める効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
短冊カットした遮蔽布の一端に穴部を配し、穴部にシャフトを通し、シャフトを通した遮蔽布を、テーブルの天板裏面部に着脱自在に配する。遮蔽布はテーブルの脚間の3面に吊り下げ、遮蔽布3枚と天板に囲まれたテーブル下部空間を作り、遮蔽布の無い1面から温風暖房機の温風をテーブル下空間に吹き込ませる。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、シャフトの実施例を示すの斜視図である。同図の11はシャフトを示し、12は滑り止めである。シャフト11内にはスプリングが内蔵されており、滑り止め12を軸方向に加圧したときシャフトの長さが縮み、圧力をなくした時、元の長さに戻る構造となっている。
【0013】
図2は、遮蔽布の穴にシャフトを通した実施例を示す斜視図である。同図の21は遮蔽布を示し、22は穴部、23はカット部である。穴部22は遮蔽布21の端部を折りたたみ、ミシン掛けで形成している。カット部23にて遮蔽布21を切り、図2では4本の短冊形状を形成している。遮蔽布21を表地、裏地の二枚で作成し、表地裏地のカット部23をずらして、作成する場合もある。本実施例で示す遮蔽布21は、羽毛蒲団、綿蒲団、毛布、キルティング、綿布など素材を限定する物ではない。
【0014】
遮蔽布21の短冊カットは、テーブルに対し、椅子に腰掛けて膝先を遮蔽布21内に入れたとき、遮蔽布の捲れ上がりを極力小さくする効果がある。
【0015】
遮蔽布21は天板裏面から床面まで全域をカバーする必要はない。温風暖房機からの温風は最終的にはテーブル下部空間から外へ排出されるわけであり、わずかな隙間からの温風の洩れは大勢において問題とはなりにくい。また遮蔽布21が床面まである場合、遮蔽布21の床面に接している下部は汚れやすいが、遮蔽布21を床面から浮かす事により、遮蔽布の下部は汚れにくくなる。
【0016】
図3は、テーブル脚に凹部を配した実施例を示す斜視図である。同図の1はテーブルを示し、2は脚、3は凹部である。
【0017】
図4は、テーブルの脚間1面に遮蔽布を配した実施例を示す斜視図である。図1のシャフト11を軸方向に圧縮し、滑り止め12を脚2の凹部3に合わせて圧力を解放する事により、シャフト11は、元の長さに戻ろうとして、シャフト両端の滑り止め12は凹部3に着脱可能に系合している。
【0018】
シャフトの固定方法は様々有り、脚2にコの字型の受け部を配し、コの字型の受け部にシャフト11を着脱可能に系合する場合もある。また、天板裏面にカーテンレールを配し、カーテン状の遮蔽布を天板裏面に吊り下げる場合もある。また、天板1の裏面または脚2にU字型のホルダを配し、U字型のホルダにシャフト11を着脱可能に系合する場合もある。以下にU字型保持部を持つ例を示す。
【0019】
図5は、シャフトホルダの形状実施例を示す斜視図である。同図の42はシャフトホルダを示し、43はU字受け部、44はビス穴である。
【0020】
図6は、シャフトホルダをテーブル天板裏面に固定した実施例を示す斜視図である。同図は天板1の裏面にシャフトホルダ42を2本のビスにて固定した状態を示している。
【0021】
図7は、図6のシャフトホルダにてシャフト保持した実施例を示す斜視図である。同図ではシャフトのみを保持している状態であるが、テーブル下部空間をこたつとして使用する際には遮蔽布を通したシャフトを保持する。
【0022】
また、シャフトの断面形状は丸型、方形もあり断面形状は特定しない。さらにシャフトをテーブルに対し作り付けとし、着脱せず、遮蔽布のみを着脱式とする場合もある。この時遮蔽布はシャフトに掛け、ボタンまたはチャックまたは面テープなどにてシャフトに対し着脱可能に固定する場合もある。
【0023】
図8は、テーブルの脚間3面に遮蔽布を配した実施例を示す斜視図である。また、テーブルの脚間4面全てに遮蔽布を配し、椅子によって遮蔽布を持上げ、椅子の座面下の脚部間より温風を吹き込ませる場合もある。椅子に座ってテーブル下部空間に足膝を挿入するとき、椅子の座面下の空間より暖気が逃げる事に対し、椅子の座面下の空間を遮断する板を配した椅子や、椅子の座面下の脚部を布で覆う方法も知られている。
【0024】
テーブルの1辺を壁に押し当てて設置する場合、壁に押し当てている面には遮蔽布は必要なく、この場合、脚間の2面に遮蔽布を配する事もある。同様に、部屋の角にテーブルを設置する場合、脚間の1面のみに遮蔽布を配する場合もある。
【0025】
図9は、図8に対し、開口部から温風暖房機の温風を入れた場合の状況を示す概略図である。同図の31は温風暖房機であり、図中の矢印は温風の流れを示している。温風暖房機31から吹き出した温風はテーブルの開口部からテーブル下に吹き込み、天板および遮蔽布によって制限させたテーブル下に充満し、テーブルの裏面、遮蔽布などを温める。さらに連続的に吹き込む温風によって、テーブル下の暖気は、開口部から押出される形でテーブル下から出て部屋内に解放される。
【0026】
通常部屋に温風暖房機を置いた場合、温風暖房機から吹き出した温風は、そのまま部屋の上部に上昇し、熱量のほとんどは部屋の上部を温める事に使われていた。本発明の遮蔽布着脱テーブルを使用する事により、温風は、一旦テーブル下に充満する為、テーブル下に足膝を挿入したとき暖気を感じ、さらに温風の持つ熱量はテーブルの天板の裏面、遮蔽布を温めるためにも使われ、部屋の下部においても天板裏面、遮蔽布からの輻射熱も受けられ、よって部屋の上部と下部の温度差も小さくなり、快適に過ごせる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の遮蔽布着脱テーブルは、温風暖房機の熱量を有効に利用しテーブル下および部屋を暖房し、省エネルギーに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】シャフトの実施例を示すの斜視図である。
【図2】遮蔽布の穴にシャフトを通した実施例を示す斜視図である。
【図3】テーブル脚に凹部を配した実施例を示す斜視図である。
【図4】テーブルの脚間1面に遮蔽布を配した実施例を示す斜視図である。
【図5】シャフトホルダの形状実施例を示す斜視図である。
【図6】シャフトホルダをテーブル天板裏面に固定した実施例を示す斜視図である。
【図7】図6のシャフトホルダにてシャフト保持した実施例を示す斜視図である。
【図8】テーブルの脚間3面に遮蔽布を配した実施例を示す斜視図である。
【図9】図8に対し、開口部から温風暖房機の温風を入れた場合の状況を示す概略図である。
【符号の説明】
【0029】
1 天板
2 脚
3 凹部
11 シャフト
12 滑り止め
21 遮蔽布
22 穴部
23 カット部
13 裏地
14 カット部
21 シャフト
22 固定具
23 長さ調整部
31 温風暖房機
41 シャフト端部
42 シャフトホルダ
43 U字受け部
44 ビス穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
和式または洋式テーブルであって、天板と、脚部と、遮蔽布と、あるいはやぐら部を備え、該遮蔽布はテーブル天板の裏面またはやぐら部または脚部間に対し着脱自在に配したことを特徴とする遮蔽布着脱テーブル。
【請求項2】
請求項1に記載の遮蔽布着脱テーブルであって、テーブル天板の裏面またはやぐら部または脚部間にカーテンレールを配し、カーテンレールに対し遮蔽布を吊り下げる構造とした遮蔽布着脱テーブル。
【請求項3】
請求項1に記載の遮蔽布着脱テーブルであって、該遮蔽布にはシャフトを通す穴部を具備し、穴部を通したシャフトをテーブル天板の裏面またはやぐら部または脚部間に着脱自在に系合したことを特徴とする遮蔽布着脱テーブル。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遮蔽布着脱テーブルであって、テーブルが、食卓テーブルまたは座敷テーブルであることを特徴とする遮蔽布着脱テーブル。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の遮蔽布着脱テーブルであって、発熱器具を固定、または温風暖房器具の温風を取り込み、こたつとして使用する事を特徴とする遮蔽布着脱テーブル。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の遮蔽布。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の遮蔽布であって、遮蔽布はカット部を具備し、短冊切りとなった遮蔽布であることを特徴とする遮蔽布。

【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図9】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−190040(P2007−190040A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8143(P2006−8143)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(399003606)有限会社 オファ−設計事務所 (28)
【Fターム(参考)】