説明

部分的に結晶化した重縮合物の製造方法

本発明は、部分的に結晶化した重縮合物、特には、次の工程によるポリエステルまたはポリアミドの製造方法に関する。重縮合プレポリマーが最初に製造される。これはダイ−フェイス造粒装置によって、平均粒径が2mm未満の粒子にされる。結晶度と分子量がついで固相重縮合プロセスにより増大される。造粒に際し、重縮合プレポリマー溶融物が、好ましくは少なくとも1つの環状に配置される多数のダイ穴を有するダイプレートを通して押し出される。切断は液体ジェットで回転するナイフ手段で達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部分的に結晶化した重縮合物、特には、次の工程によるポリエステルまたはポリアミドの製造方法に関する:
a) 重縮合物プレポリマー溶融物の製造;
b) 造粒化装置による重縮合物プレポリマー溶融物の粒子の形成および固形化、ここで、粒子は造粒装置のノズルからの出口で切断される;
c) プレポリマー粒子の結晶化度の増大;および
d) 固相重縮合による粒子の分子量の増大。
【0002】
最も最近の背景技術
WO 01/42334(Schiavone)は、コモノマーの高い割合の追加によって達成される、PET製造を最適化し、改良された特性を有するプリフォームの製造方法を記載する。しかしながら、粒子製造工程に関する最適化は行なわれていない。また、粒子サイズの正しい選択によって改良された特性の物を生産する可能性は認識されていない。したがって、プロセスは、高い共重合体割合のポリエチレンテレフタレートに制限されている。それはSSPの処理に悪影響を与え、製造されるPETの製造範囲に限定を与える。
【0003】
Geierらの、DE 198 49 485、およびMatthaeiらのDE 100 19 508は、落下方法、および落下塔でのポリエステル類の結晶化方法を記載する。しかしながら、落下塔では、個々の粒子が互いに衝突し、互いに固着する危険がある。そのような方法を実行するただ一つの可能性は、落下の際の離隔距離を非常に大きくし、粒子の衝突を許容される程度まで減少することである。工業規模装置については、達成可能な性能に対する装置サイズ(落下ノズル、および落下塔の直径)の比率は非常に大きく、複数の高価な落下塔を平行して操作しなければならない。
【0004】
本発明
一方、本発明のゴールは、多種の重縮合物に使用可能な方法を提供することであり、現在達成されている状態に対して改良された製品特性を達成し、およびより簡単な技術で効率的に実行することができる方法を提供することである。
この目的は、請求項1に従う方法によって解決される。この方法では、最初に記載された本発明の工程b)において、平均直径が2mm未満の粒子が形成される。
そのために、粒子状物質の十分に大きな表面/容積比率が保証され、それによって単位時間当たりの拡散量が大きくなり、重縮合物の迅速なIV増加または分子量増加を起こすことができる。
更に、重縮合物の分解反応が非常に抑えられる。
【0005】
好ましくは工程b)において0.4−1.7mmの平均直径、特には0.6−1.2mmの平均直径を有する粒子が形成される。
この目的のために、重縮合物プレポリマー溶融物は複数のノズル穴を有するノズルプレートを通してプレスすることができる。好ましくはノズル穴は少なくとも1つの環状の軌道上に配置される。
造粒工程b)における切断は、円周上のナイフによって行なうことができる。
好ましくは、造粒工程b)の中で行われる切断は流体ジェット、特には液体ジェットによって行われる。
【0006】
ポリエステルについては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートまたはそれらの1つのコポリマーが取り扱われる。
好ましくは、重縮合物プレポリマー溶融物の場合には、我々はポリエステル溶融物、特にポリエチレンテレフタレートまたはそのコポリマーの溶融物で、0.18から0.45 dl/gのIV数値と一致する重合度を備えたものに対処している。
好ましくは、結晶化工程c)の開始に際して、プレポリマー粒子は、10%未満の結晶度を持っている。
結晶化工程c)は流動ガスの作用による流動層または流動床の中で行うことができる。
好ましくは、造粒工程b)から結晶化工程c)までの間のプレポリマー粒子の平均温度は、溶融温度の1/4以下の値になるべきでない。
造粒工程b)では、切断のために液体を使用することができる。液体は、結晶化工程c)に行く前に、プレポリマー粒子からほとんど分離される。特に水が液体として使用される。重縮合物には、ジカルボン酸成分の96mol%よりも多くがテレフタル酸であり、ジオール成分の94mol%よりも多いか、または84mol%未満がエチレングリコールであるポリエチレンテレフタレートの共重合体も含まれる。
【0007】
重縮合物には、ジオール成分の98mol%よりも多くがエチレングリコールであるポリエチレンテレフタレートの共重合体も含まれる。
重縮合物には、ジカルボン酸成分の96から99mol%がテレフタル酸であるポリエチレンテレフタレートの共重合体も含まれる。
好ましくは、結晶化工程c)と同時に、固相重縮合が起こるのに適当な温度に加熱する。
多孔性の粒子も生産することができる。この際には、溶融物中に、好ましくは工程a)および/または工程b)において発泡剤を使用する。
本発明の他の利点、態様および用途の可能性は次の非制限的な包括的な記述から明らかになる。
【0008】
重縮合物
重縮合物は結晶化可能な熱可塑性の重縮合物、例えばポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリラクチド類を包含し、これらは低分子量反応生成物を分離することによる重縮合反応によって生産される。重縮合は、モノマー間で直接起こることができ、または中間体を介して起こることができ、エステル交換反応を介して反応し、結合する。エステル交換反応は、低分子量反応生成物の分離または開環重合により、再び起こることができる。このようにして生産された重縮合物は、本質的に直線状であり、少量の分岐はあってもよい。
【0009】
ポリアミドの場合には、ポリマーはそのモノマー、ジアミン成分およびジカルボン酸成分、あるいは、アミン基およびカルボン酸基を備えた二官能性のモノマーの重縮合により製造される。
ポリエステル類の場合には、ポリマーはそのモノマー、ジオール成分およびジカルボン酸成分の重縮合により製造される。ほとんどの直線状のジオール成分または環状のジオール成分の、異なるジオール成分が使用できる。同様に、ほとんどの芳香族ジカルボン酸成分も使用できる。ジカルボン酸の代わりに、それらの対応するジメチルエステルも使用することができる。
【0010】
ポリエステル類の代表的な例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)およびポリエチレンナフタレート(PEN)があげられ、これらはホモポリマーとして、または共重合体として使用することができる。 実施態様では、ポリエステルはポリエチレンテレフタレートの共重合体で構成され:ジオール成分は、98mol%を越えるエチレングリコールを含む、またはジカルボン酸成分は、96mol%を越えるテレフタル酸を含み、ジオール成分は94mol%よりも多いか、もしくは84mol%よりも少ないエチレングリコールを含む、または
ジカルボン酸成分は96〜99mol%のテレフタル酸を含む。
【0011】
プレポリマー溶融物
第1工程では、重縮合物モノマーは液相中でプレポリマーに重合または重縮合される。
従来では、プレポリマー溶融物の調製は、連続法で行われ、エステル化工程がプレ重縮合段階に続く。公知のポリエステル製造工程の中で使用される重縮合段階は、高粘度反応器(フィニッシャーとも呼ばれる)では行われない(Modern Polyesters,Wiley series in Polymer Science,John Scheirs編、J.Wiley & Sons Ltd,2003; 図2.37、参照)。
【0012】
そこで達成された重合度(DP)は、その後の固相処理の後の重縮合物の重合度よりも明確に低い。プレポリマーの重合度は、固相で後縮合された重縮合物の重合度よりも60%以上小さく、特には50%以上小さい。プレポリマーの重合度は、10から50の間、特には25から40の間にある。
【0013】
PETの場合には、0.18から0.45 dl/gのIV数値と対応する重合度が達成される。PETについては、0.30〜0.42 dl/gの間のIV数値が好まれる。PETでのIV数値からの重合度の計算については、Stoufferらの米国特許5,532,333から、DP=155.5*IV1.466の関係が使用される。
【0014】
そのプロセスは、慣習的に、高い温度で行われ、それによってプレポリマーはプレポリマー溶融物として形成される。しかしながら、プレポリマー溶融物を固形化したプレポリマーを加熱することにより生産することもできる。異なるプレポリマーの混合物も、プレポリマー溶融物として考えることができ、リサイクルされたクルード製品を使用することもできる。
プレポリマー溶融物は様々な添加剤を含むことができ、例えば触媒、安定化剤、着色剤、反応性鎖延長剤などを含むことができる。
【0015】
造粒
造粒については、プレポリマー溶融物は、複数の開口を有するノズルを通って押し出され、引き続いて切断される。ノズルは好ましくは少なくとも1つのノズル本体およびノズルプレートを含む。ノズル本体中では、プレポリマー溶融物は、開口が位置するノズルプレート領域に分布し、均一に分布させる手段、均一に適当な温度に保つ手段、流速を均一にする手段が見い出される。ノズルプレート中には、複数の開口(ノズル穴)が位置し、これを通ってプレポリマー溶融物が流れる。穴寸法は、ノズルプレート全体にわたって一定である。
【0016】
開口を通る流れの不規則性を正すためには、開口の位置に応じて、異なる開口長さおよび開口直径を提供することが有利になりえる。開口は入口側でより広くすることができる。出口側では、直線の切断端が有利であるが、広くなるものおよび/または丸められたものも使用できる。
【0017】
ノズルプレートは、プレポリマー溶融物の瞬間的な冷却と、それによる開口のブロッキングを防止するために、例えば電気的にまたは熱媒で十分に加熱されなければならない。同時に、ノズルの外側は熱の損失を減少させるために絶縁されるべきである。
【0018】
ノズルプレートは、たとえば、金属、セラミック、または金属とセラミックとの組み合わせからなることができる。開口は通常丸であるが、たとえば、スリット形状開口のような、他の形状を有することもできる。
【0019】
生じる粒子は例えば球形、ボール形、レンズ形、シリンダー形である。
たとえば、プレポリマー溶融物が発泡剤(ガスまたはガス発生化学発泡剤)で処理される場合、さらに多孔性の粒子も想定される。
個々の粒子の平均直径として測定された粒子サイズは、2mm未満、好ましくは0.4−1.7mm、特には0.6−1.2mmであるべきである。
【0020】
本発明では切断はノズル出口で行うべきである。切断のために、たとえば、回転するカッターヘッドのような、回転切断装置を使用することができる。カッターヘッドに、1つまたは複数の切断要素(例えばナイフ)が固定される。それはノズル開口から出てくるプレポリマー溶融物を切断する。ノズルプレートと切断要素の間には、ノズルプレートと切断要素の「摩砕」を一定して防ぐために、小さな距離を取ることができる。切断要素は、様々な物質で作ることができる。たとえば、金属、ガラスまたはセラミックから作ることができるが、金属製のナイフが好ましい。
【0021】
本発明において、切断も、1つまたは複数の高圧流体ジェットまたは液体ジェット(ウォータージェット切断システム、ジェット切断)によって行うこともできる。任意に、摩耗性の切断助剤を加えることができる。
さらに、ガスジェットおよび液体ジェットの組み合わせは「混合流体ジェット」切断として使用することができる。
更に、造粒は、1つまたは複数のレーザジェット(レーザジェット切断またはレーザー切断)の使用により行なうことができる。
所望の粒子サイズのスループットに応じて、穴の数および切断の周波数を調節しなければならない。複数の切断要素を使用することによって、切断周波数を切断装置の周波数の倍数とすることができる。
次の表が得られる強い依存性を示す:
【0022】
【表1】

【0023】
スループット0.1−2kg/(時間*穴)、および80―400Hzの切断周波数が好ましい。
切断された粒子が互いに固着することを防ぐために、これらは、液体により直ちに囲まれる。そのため、造粒は液体中で行うことができる。または、粒子は液体リング中で遠心分離にかけることができる。
適当な造粒装置は、「ヘッド造粒」、「ホットフェイス造粒」または「水中造粒」、「水リング造粒」の名で公知である。
造粒装置の名称での「水」の用語の使用にもかかわらず、他の流体、流体混合物、液体、液体混合物または、液体中に溶解、乳化または懸濁された物質を有する液体も使用できる。
【0024】
流体または液体は、条件(温度、圧力、組成)が造粒のための改良された適用のために保持されるループの中で、通常少なくとも部分的に使用される。重縮合溶融物は冷却に際して固形化する。これは、好ましくは、造粒プロセスの中で使用される液体によって生じる。しかしながら、他の冷却媒体の使用または複数の冷却媒体の組み合わせの使用も考えられる。
【0025】
冷却は、より長い期間にわたる粒子の貯蔵および/または輸送を許容する、重縮合物のガラス転移温度以下の温度で行うことができる。
しかしながら、プレ縮合粒子の平均温度は、プロセスのエネルギー効率を改善するためにより高いレベルに保持することができる。それは、冷却媒体の温度を上げるか、および/または冷却媒体中での保持時間を対応して短く(5秒より短い、特には2秒より短い)することにより可能である。
【0026】
平均粒子温度(℃)は、そのためには1/4TmPrPより高く、特には1/3TmPrPより高くあるべきである。TmPrPは重縮合物プレポリマーの融解温度(℃)を表わす。
プレポリマー粒子が液体に接している間、少なくとも部分的な結晶化が起こることができる。好ましくは、本質的に、反応速度に対する悪影響が後の固相重縮合プロセスで生じないように、プレポリマー粒子と液体の間の接触条件(温度と時間)が選ばれる。
例えば、沸点よりも1〜25℃低い温度の水中でのPETプレポリマーの接触時間は、10分を超えず、好ましくは2分以下であるべきである。
本発明の実施に際しては、ポリマー粒子の結晶化度が、引き続く結晶化工程への移行の前に、10%未満になるように、接触条件が選ばれる。
【0027】
結晶化
プレポリマー粒子の結晶化度の増大は、公知の方法の公知の状態により起こる。それについては、プレポリマー粒子は適当な結晶化温度で扱われなければならない。結晶化では、少なくとも互いの固着、または塊の形成をすることなく、引き続く固相重縮合中の処理を許容する程度の結晶化度が達成されるべきであり、それはクエンチングによって冷却された重縮合物の結晶化度よりも著しく大きい。
【0028】
結晶化度半減期(t1/2)が温度の関数として記録された場合、適温範囲は明白である。結晶化度半減期が最小結晶化度半減期のほぼ10倍になる温度に上限および下限が制限される。非常に短い結晶化度半減期(t1/2)は決定するのが難しいので、t1/2=1分が極小値として設定される。
PETについては、温度範囲は100から220℃で、結晶化度は少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%が達成される。
部分的な結晶化を達成した後に、粒子は、結晶化温度範囲外の温度にされることができる。しかしながら、結晶化範囲より下の温度への冷却は好ましくは回避されるべきである。
【0029】
それらが、造粒プロセスの中で使用される液体から分けられた後、プレポリマー粒子が適当な結晶化温度以下にある場合、プレポリマー粒子は暖められなければならない。これは、たとえば、結晶化反応器の壁の加熱、結晶化反応器中の加熱された要素、放射線によって、または熱プロセスガスのバブリングにより実行される。
結晶生成物および無定形生成物の間の十分な混合を達成するために、結晶化温度へ生成物を加熱するために必要な時間と、引き続く適当な結晶化時間と、少なくとも所定の温度での結晶化度半減期、好ましくは結晶化度半減期の2−20倍の時間が、加熱のためにとられる。
【0030】
結晶化ポリマー粒子が互いに固着することを回避するために、それらは互いに関して運いている状態で維持されるべきである。これは、たとえば、撹拌機、動くコンテナまたは流体ガスの作用によって実行することができる。
これらはほこりを形成する傾向がないので、流動層または流動床の結晶化反応器が特に適当である。同時に、結晶化度の増加に伴い、液体の残さはできるだけ造粒プロセスから取り除かれる。
液体の過度の吸着を防ぐために、プロセスガスが結晶化プロセスループの中で使用される場合、十分な新鮮なガスまたは浄化されたプロセスガスを加えなければならない。固相重縮合の中で使用されるプロセスガスは、さらに結晶化段階でも使用することができる。異なるプロセス段階において異なるプロセスガスを使用することができる。
【0031】
固相重縮合
重縮合物粒子の分子量は固相重縮合を介してより高い重合度にされ、少なくとも1.67倍、特には少なくとも2倍の重合度の増加が生じる。PETについては、少なくとも0.6 dl/g、通常は少なくとも0.7 dl/gのIV数値の増加を生じる。 固相重縮合は、公知の方法の公知の状態で行われ、少なくとも適当な後縮合温度まで加熱し、および後縮合反応を行う工程を含む。任意に、他の工程を結晶化または後の冷却に先立って行うことができる。連続的プロセスおよびバッチプロセスが使用でき、たとえば、流動床、バプル流動化床または固定床の反応器で行うことができ、並びに攪拌機を有する反応器、ロータリー炉または振動する容器のような自己動揺反応器で行うことができる。
固相重縮合は、加圧下で、減圧下で、または標準圧力下で実行することができる。
【0032】
公知の方法の公知の状態において、プロセスガスを使用して、加熱工程および後縮合反応の工程が行われ、加熱工程および後縮合反応の工程は分離され、加熱工程が多量のガス(mg/mp=2−15、特には2.5−10)条件下で行われ、生成物の温度は本質的にガスの温度に近似し、そして、後縮合反応工程は、より少ない量のガス(mg/mp=0.1−1、特には0.3−0.8)条件下で行われ、ガスの温度は生成物の温度に本質的に接近している。mpはプロセスに供給されたすべての生成物流れの合計である。また、mgは、プロセスに供給されたすべてのガス流の合計である。
【0033】
プロセスガスとしては、空気または不活性ガス、たとえば窒素またはCO、およびプロセスガスの混合物の使用も考慮される。プロセスガスは添加剤を含むことができ、それらは処理される生成物と積極的に反応するか、または処理される生成物上に、受動的に堆積したものである。好ましくは、プロセスガスは、少なくともループに部分的に供給される。
【0034】
重縮合反応への悪影響を減少させるために、プロセスガスから望ましくない生成物を除去することができ、特には重縮合反応からの分解産物を取り除くことができる。水、ジオール(例えばエチレングリコール、ブタンジオール)、ジアミンまたはアルデヒド(例えばアセトアルデヒド)のような典型的な分解産物は、100ppm以下、特には10ppm以下に減らされるべきである。精製は公知のガス精製システムによって行なうことができ、たとえば、触媒燃焼システム、ガス洗浄、吸着システム、またはコールドトラップにより行うことができる。
【0035】
適当な後縮合温度は、重縮合の最小の反応速度により低温側が制限され、上限は重縮合物の融解温度より若干低い温度により制限される。最小の反応速度は、重合度の所望の増加が経済的に受容可能な時間内に達成されることができる反応速度と考えられる。
PETについては、後縮合温度は、190℃から245℃までの範囲である。最も倹約した条件の下で、粒子を引き続いて最終生成物に処理することができるように、重縮合条件が選ばれるべきである。PETの製造用の対応する相互関係は、たとえばPCT/CH03/00686の中で説明されており、これは本明細書の一部とされる。
適当な後縮合時間は、2−100時間の間であり、効率性に基づいて6−30時間の保持時間が好ましい。
【0036】
任意に、結晶化工程および加熱工程は、適当な後縮合温度で同時にまたは少なくとも同じ反応器中で行うことができる。使用される反応器は異なるプロセス条件(例えば温度および保持時間が)を提供できる、複数のプロセスチャンバーに分割することができる。重縮合物が後縮合温度範囲へ熱される加熱速度が、重縮合反応が始まる前に過度の結晶化を防ぐために十分に大きい場合、それは有利である。PETについては、加熱速度は、少なくとも10℃/分、好ましくは少なくとも50℃/分である。
【0037】
生成物製造
固相重縮合の完了に引き続いて、例えばファイバー、バンド、フィルムまたは射出成形品のような様々な製品に加工することができる。
PETはたとえば、ボトルのような中空体に加工される大きな用途がある。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 重縮合物プレポリマー溶融物を製造する工程;
b) 造粒装置による粒子の形成および重縮合物プレポリマー溶融物の固形化工程であって、粒子は造粒装置のノズルからの出口で切断される;
c) プレポリマー粒子の結晶化度を増大する工程;および
d) 固相重縮合による粒子の分子量を増大する工程を含む、部分的に結晶化した重縮合物、特にポリエステルまたはポリアミドの製造方法であって、
工程b)において、2mm未満の平均直径の粒子が形成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
工程b)において、0.4−1.7mm、特には0.6−1.2mmの平均直径の粒子が形成されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
重縮合物プレポリマー溶融物は複数のノズル穴を有するノズルプレートを通って押され、ノズル穴は好ましくは少なくとも1つの環状の経路上に配置される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
造粒工程b)における切断は円周上のナイフで行なわれる、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
造粒工程b)における切断は流体ジェット、特には液体ジェットで行なわれる、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
ポリエステルがポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートまたはそれらのコポリマーの1つを含んでいるという点で特徴づけられる、請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
重縮合物プレポリマー溶融物はポリエステル溶融物を含み、特に0.18から0.45 dl/gのIV数値と一致する重合度を備えたポリエチレンテレフタレートまたはそのコポリマーの1つを含む、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
結晶化工程c)への移行の際にプレポリマー粒子が10%未満の結晶化度を有する、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
流動ガスの作用による流動層または流動床の反応器中で結晶化工程c)が行なわれる、請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
造粒工程b)から結晶化工程c)までの間のプレポリマー粒子の平均温度(℃)が、融解温度Tmprp(℃)の1/4に対応する値以下にならない、請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
造粒工程b)において、液体が切断に使用され、それらが結晶化工程c)に供給される前に、ほとんどプレポリマー粒子から分離される、請求項1から10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
水が液体として使用される、請求項1から11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
重縮合物がポリエチレンテレフタレートのコポリマーであって、ジカルボン酸成分が96mol%よりも多いテレフタル酸を含み、ジオール成分が94mol%よりも多いか、または84mol%未満のエチレングリコールを含む、請求項1から12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
重縮合物がポリエチレンテレフタレートのコポリマーであって、ジオール成分が98mol%よりも多いエチレングリコールを含む請求項1から13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
重縮合物がポリエチレンテレフタレートのコポリマーであって、ジカルボン酸成分が96から99mol%のテレフタル酸を含む、請求項1から14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
結晶化工程c)と同時に、固相重縮合が起こる適当な温度に加熱する、請求項1から15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
好ましくは、工程a)および/または工程b)で、ポリマー溶融物に発泡剤を加え、多孔性の粒子が製造される、請求項1から16のいずれか1項記載の方法。


【公表番号】特表2007−528920(P2007−528920A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502164(P2007−502164)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000035
【国際公開番号】WO2005/087838
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(503070281)ビューラー アクチェンゲゼルシャフト (6)
【Fターム(参考)】