説明

配電システムおよびそれに用いられる配線器具

【課題】連系運転と自立運転との切替時にユーザが負荷をつなぎ替える作業が不要であり、また、自立運転時には必要な負荷にのみ電力供給できるようにする。
【解決手段】コンセント4は、連系給電路7の分岐線72上における特定点73と幹線71からの分岐点74との間に挿入された第1の開閉器41、および第1の開閉器41を接続した特定点73と自立給電路8との間に挿入された第2の開閉器42を有している。第1の開閉器41は、パワーコンディショナ3の連系出力端子33および商用電力系統6に対して負荷2の接続・非接続を切り替え、第2の開閉器42は、パワーコンディショナ3の自立出力端子34に対して負荷2の接続・非接続を切り替える。コントローラ5は、連系運転時には第1の開閉器41がオン、第2の開閉器42がオフするように、パワーコンディショナ3の運転状態に基づいて第1の開閉器41、第2の開閉器42を開閉制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散電源からの電力を変換するパワーコンディショナを備えた配電システムおよびそれに用いられる配線器具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の配電システムとして、パワーコンディショナが、分散電源を商用電力系統に系統連系させる(系統)連系運転と、分散電源を商用電力系統から系統分離する自立運転とを切り替え可能に構成されたシステムが提案されている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1では、パワーコンディショナは、自立運転用給電装置からのモード切替信号に応じて連系運転と自立運転との切替を行い、自立運転時には商用電力系統から分離された自立運転用コンセントに給電を行う。
【0003】
そのため、上記配電システムによれば、停電時などにおいても、パワーコンディショナが自立運転に切り替わることにより、自立運転用コンセントに接続された電気機器を動作させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−259170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、通常のコンセントと別に自立運転用コンセントが設けられている場合、ユーザは、通常時(連系運転時)には通常のコンセントに接続されている負荷を、停電などで自立運転に切り替わった際に自立運転用コンセントにつなぎ替える作業が必要である。したがって、ユーザにおいては負荷をつなぎ替える手間が掛かり、さらに、ユーザが負荷をつなぎ替えるまでは負荷への電力供給が途切れるという問題もある。また、移動が困難であるなどの理由から、負荷によっては自立運転用コンセントに接続できないこともあり、パワーコンディショナの自立運転時に、ユーザが所望する負荷に電力供給できないことも考えられる。
【0006】
また、パワーコンディショナは、自立運転時においては、分散電源の容量などによって負荷に供給可能な電力量が制限されるので、通常時と変わらず全ての負荷に電力供給することは望ましくなく、必要な負荷にのみ電力供給できるようにすることが望ましい。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されており、連系運転と自立運転との切替時にユーザが負荷をつなぎ替える作業が不要であり、また、自立運転時には必要な負荷にのみ電力供給することができる配電システムおよびそれに用いられる配線器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の配電システムは、分散電源からの電力を変換し、商用電力系統と連系する連系運転および前記商用電力系統から切り離される自立運転を切替可能なパワーコンディショナと、前記商用電力系統に接続された幹線および当該幹線から複数に分岐した分岐線からなり前記連系運転時に前記パワーコンディショナからの電力供給路になる連系給電路のうち、1以上の前記分岐線上において特定点と前記幹線からの分岐点との間に挿入された第1の開閉器と、前記自立運転時に前記パワーコンディショナからの電力供給路になる自立給電路と前記第1の開閉器を接続した前記特定点との間に挿入された第2の開閉器と、前記第1の開閉器および前記第2の開閉器の開閉を制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、少なくとも前記連系運転時には前記第1の開閉器がオンし前記第2の開閉器がオフするように、前記パワーコンディショナの運転状態に応じて前記第1の開閉器および前記第2の開閉器の開閉を制御することを特徴とする。
【0009】
この配電システムにおいて、前記第1の開閉器を接続した前記特定点から負荷へ出力される電気量を計測する計測部をさらに備え、前記第1の開閉器と前記第2の開閉器と前記計測部とは2以上の前記分岐線について前記特定点ごとに設けられており、前記コントローラは、前記計測部の計測結果を通信により取得する結果取得部を有しており、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、少なくとも前記計測部の計測結果に応じて給電対象の負荷を選択し、前記給電対象の前記負荷が前記自立給電路に接続されるように複数の前記第2の開閉部の開閉を個別に制御することが望ましい。
【0010】
この配電システムにおいて、前記コントローラは、前記パワーコンディショナの前記連系運転時において、前記計測部の計測結果に基づいて前記負荷で消費される消費電力の大きさを求め、且つ前記パワーコンディショナから定格出力電力の大きさを取得し、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記消費電力の総和が前記定格出力電力を超えないように前記給電対象の前記負荷を選択することがより望ましい。
【0011】
この配電システムにおいて、前記コントローラは、前記パワーコンディショナの前記連系運転時において、前記計測部の計測結果に基づいて前記負荷に供給される高調波電流の大きさを求め、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、所定の閾値以上の前記高調波電流が生じる前記負荷については前記給電対象から外すように、前記給電対象の前記負荷を選択することがより望ましい。
【0012】
この配電システムにおいて、前記コントローラは、前記パワーコンディショナの前記連系運転時において、前記計測部の計測結果に基づいて力率を求め、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記力率が所定の閾値以下の前記負荷については前記給電対象から外すように、前記給電対象の前記負荷を選択することがより望ましい。
【0013】
この配電システムにおいて、前記コントローラは、前記パワーコンディショナの前記連系運転時において、前記計測部の計測結果に基づいて瞬時電流のピーク値を求め、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記ピーク値が所定の閾値以上の前記負荷については前記給電対象から外すように、前記給電対象の前記負荷を選択することがより望ましい。
【0014】
この配電システムにおいて、前記第1の開閉器と前記第2の開閉器とは2以上の前記分岐線について前記特定点ごとに設けられており、前記コントローラは、前記第1の開閉器を接続した前記特定点に接続された負荷が保持している負荷情報を通信により取得する情報取得部を有しており、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、少なくとも前記負荷情報に応じて給電対象の負荷を選択し、前記給電対象の前記負荷が前記自立給電路に接続されるように複数の前記第2の開閉部の開閉を個別に制御することがより望ましい。
【0015】
この配電システムにおいて、前記コントローラは、前記負荷の通常動作時に当該負荷で消費される消費電力の大きさを前記負荷情報として取得し、且つ前記パワーコンディショナから定格出力電力の大きさを取得し、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記消費電力の総和が前記定格出力電力を超えないように前記給電対象の前記負荷を選択することがより望ましい。
【0016】
この配電システムにおいて、前記コントローラは、前記負荷に流れる負荷電流の大きさを前記負荷情報として取得し、且つ前記パワーコンディショナから定格出力電流の大きさを取得し、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記負荷電流の総和が前記定格出力電流を超えないように前記給電対象の前記負荷を選択することがより望ましい。
【0017】
この配電システムにおいて、前記コントローラは、前記負荷の優先度を前記負荷情報として取得し、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記優先度が高い前記負荷を優先的に前記給電対象とするように前記給電対象の前記負荷を選択することがより望ましい。
【0018】
本発明の配線器具は、上記の配電システムに用いられ、前記第1の開閉器および前記第2の開閉器を具備し前記分岐線に接続されることを特徴とする。
【0019】
本発明の配線器具は、上記の配電システムに用いられ、前記第1の開閉器と前記第2の開閉器と前記計測部とを具備し前記分岐線に接続されることを特徴とする。
【0020】
この配線器具において、負荷を接続可能なコンセントからなることが望ましい。
【0021】
この配線器具において、分電盤に収納される分岐ブレーカからなることがより望ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、連系運転と自立運転との切替時にユーザが負荷をつなぎ替える作業が不要であり、また、自立運転時には必要な負荷にのみ電力供給することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1に係る配電システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】実施形態1に係る配電システムの要部を示すブロック図である。
【図3】実施形態1に係る配電システムの他の構成を示すシステム構成図である。
【図4】実施形態2に係る配電システムの要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態1)
本実施形態の配電システムは、図1に示すように、分散電源1と、分散電源1からの電力を変換して負荷2に供給するパワーコンディショナ3と、配線器具としてのコンセント4と、後述するコントローラ5とを備えている。なお、本実施形態では、配電システムが一般的な戸建住宅に用いられる場合を例として説明するが、これに限らず、配電システムは集合住宅の各住戸や施設、事業所等に用いられてもよい。
【0025】
分散電源1は、ここでは直流電力を出力する太陽電池および蓄電池からなり、1台のパワーコンディショナ3に対して同時に複数接続可能である。分散電源1は、燃料電池あるいは風力発電設備などであってもよい。
【0026】
負荷2は、照明器具や冷蔵庫、テレビやパーソナルコンピュータ、医療機器、携帯電話端末の充電器など様々な電気機器であって、本実施形態では、パワーコンディショナ3あるいは商用電力系統6から交流電力の供給を受けて動作する交流駆動型の電気機器からなる。なお、たとえばパワーコンディショナ3が直流電力を出力可能に構成されているのであれば、負荷2は直流電力の供給を受けて動作する直流駆動型の電気機器であってもよい。
【0027】
パワーコンディショナ3は、分散電源1の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路30を有しており、商用電力系統6と連系する連系運転と、商用電力系統6から切り離される自立運転との2つの運転状態を切替可能に構成されている。このパワーコンディショナ3は、商用電力系統6の異常の有無を検知する異常検知部31と、異常検知部31の検知結果に応じて連系運転・自立運転を自動的に切り替えるモード切替部32とを有している。モード切替部32は、商用電力系統6の正常時には連系運転を選択し、停電などの商用電力系統6の異常時に自立運転に切り替える。さらに、パワーコンディショナ3は、連系運転時に電力の出力端になる連系出力端子33と、自立運転時に電力の出力端になる自立出力端子34とを個別に有している。
【0028】
なお、パワーコンディショナ3は、分散電源1としての蓄電池の充電機能も有している。つまり、パワーコンディショナ3は、たとえば昼間に太陽電池の出力によって蓄電池を充電し、夜間には蓄電池に蓄積された電力をインバータ回路30にて交流電力に変換して出力する。
【0029】
図1に示す配電システムにおいては、パワーコンディショナ3の連系出力端子33には、連系運転時に負荷2への電力供給路になる連系給電路7が接続され、自立出力端子34には、自立運転時に負荷2への電力供給路になる自立給電路8が接続されている。
【0030】
連系給電路7は、商用電力系統6に接続された幹線71と、幹線71から複数に分岐した分岐線72とからなり、このうち1以上(図1の例では2つ)の分岐線72がコンセント4に接続されている。本実施形態では、連系給電路7上に分電盤9が設けられている。この分電盤9は、幹線71に挿入された主幹ブレーカ91と、幹線71における主幹ブレーカ91の二次側(負荷2側)に接続された複数の分岐ブレーカ92とを備えている。分岐ブレーカ92は各分岐線72に挿入されており、各分岐ブレーカ92の一次側端子が各分岐線72における幹線71からの分岐点になる。なお、図1では、複数個の分岐ブレーカ92のうち2個の分岐ブレーカ92にのみ分岐線72が接続されているが、全ての分岐ブレーカ92に図示しない分岐線が接続されていてもよい。
【0031】
自立給電路8は、パワーコンディショナ3の自立運転時に使用可能なコンセント4と自立出力端子34との間を接続しており、自立運転時に使用可能なコンセント4の数に合わせて分岐されている。図1の例では、図示されている2個のコンセント4の両方に対して自立給電路8が接続されている。
【0032】
ただし、分岐線72に接続されている全てのコンセントを自立運転時に使用可能とすることは必須ではなく、分岐線72に接続されている複数のコンセントのうち少なくとも1つのコンセントに対して自立給電路8が接続されていればよい。つまり、自立給電路8には接続されずに連系給電路7にのみ接続されたコンセントがあってもよい。また、連系給電路7には接続されず自立給電路8にのみ接続されたコンセントがあってもよい。以下、各コンセントを区別するため、連系給電路7と自立給電路8との両方に接続されたコンセントを「コンセント4」、連系給電路7にのみ接続されたコンセントを「連系専用コンセント」、自立給電路8にのみ接続されたコンセントを「自立専用コンセント」という。
【0033】
上記構成により、パワーコンディショナ3の連系運転時(商用電力系統6の正常時)には、パワーコンディショナ3の連系出力端子33および商用電力系統6からの電力が、連系給電路7を通してコンセント4および連系専用コンセント(図示せず)に供給される。一方、パワーコンディショナ3の自立運転時(商用電力系統6の異常時)には、パワーコンディショナ3の自立出力端子34からの電力が、自立給電路8を通してコンセント4および自立専用コンセント(図示せず)に供給される。
【0034】
コンセント4は、負荷(電気機器)2を着脱自在に接続可能な配線器具であって、宅内あるいは宅外の壁等に設置されている。ここで、コンセント4は複数口のコンセントであってもよく、この場合、1つのコンセント4に対して複数の負荷2を同時に接続することも可能である。なお、コンセント4に接続する負荷2は、ユーザが任意に選択可能であって、基本的には常時コンセント4に接続されている場合を想定する。
【0035】
ここにおいて、コンセント4は、分岐線72上における特定点73と幹線71からの分岐点74との間に挿入された第1の開閉器41、および第1の開閉器41を接続した特定点73と自立給電路8との間に挿入された第2の開閉器42を有している。本実施形態では、分岐線72上の特定点73はコンセント4における負荷2の接続点であって、幹線71からの分岐点74は分岐ブレーカ92の一次側端子である。これにより、第1の開閉器41は、パワーコンディショナ3の連系出力端子33および商用電力系統6に対して負荷2の接続・非接続を切り替え、第2の開閉器42は、パワーコンディショナ3の自立出力端子34に対して負荷2の接続・非接続を切り替える。
【0036】
さらに、コンセント4は、図2に示すように、コントローラ5との間で通信を行う通信部43と、第1の開閉器41および第2の開閉器42を開閉させる切替部44と、負荷2へ出力される電気量(電力、電流等)を計測する計測部45とを有している。切替部44は、通信部43がコントローラ5から受信する制御信号に従って、第1の開閉器41と第2の開閉器42とを個別に開閉させる。計測部45の計測結果は、通信部43からコントローラ5へ送信される。
【0037】
なお、1つの分岐線72に複数のコンセント4が接続されている場合など、分岐線72がさらに複数に分岐されている場合には、特定点73は分岐線72の分岐ごとに設定されていてもよい。この場合、第1の開閉器41および第2の開閉器42は、分岐線72の分岐ごとに挿入されることになる。
【0038】
コントローラ5は、図2に示すように、パワーコンディショナ3およびコンセント4との間で通信を行う通信部51と、第1の開閉器41および第2の開閉器42の制御内容を決定する指示決定部52と、制御信号を生成する信号生成部53とを有している。
【0039】
このコントローラ5は、パワーコンディショナ3から運転状態(連系運転、自立運転の別)を通信部51経由で取得する状態取得部54を有しており、指示決定部52は、基本的には、パワーコンディショナ3の運転状態に応じて制御内容を決定する。状態取得部54は、パワーコンディショナ3の運転状態が変化する度に、パワーコンディショナ3から通信部51経由で信号を受信し、現在のパワーコンディショナ3の運転状態を把握する。
【0040】
さらに、本実施形態のコントローラ5は、コンセント4から計測部45の計測結果を通信部51経由で取得する結果取得部55を有しており、指示決定部52は、パワーコンディショナ3の自立運転時には計測部45の計測結果も考慮して制御内容を決定する。信号生成部53は、指示決定部52で決定された制御内容に従って制御信号を生成し、この制御信号を通信部51からコンセント4(の通信部43)へ送信する。
【0041】
本実施形態では、コントローラ5はマイコン(マイクロコンピュータ)を主構成としており、メモリ(図示せず)に記憶されているプログラムを実行することによって、上記各部の機能を実現する。なお、コントローラ5の通信部51と、コンセント4(の通信部43)並びにパワーコンディショナ3との間の通信は、専用の通信線を用いた有線通信であってもよいし、自立給電路8を通信線に兼用する電力線搬送通信や、無線通信であってもよい。
【0042】
以下に、本実施形態の配電システムに関し、第1の開閉器41および第2の開閉器42を開閉制御するためのコントローラ5の動作について説明する。
【0043】
コントローラ5は、状態取得部54が取得したパワーコンディショナ3の運転状態に基づいて、少なくとも連系運転時には第1の開閉器41がオン(閉成)で第2の開閉器42がオフ(開放)するように、指示決定部52にて制御内容を決定する。つまり、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の連系運転時には、第1の開閉器41をオン、第2の開閉器42をオフに開閉制御する。これにより、コンセント4に接続されている負荷2は、パワーコンディショナ3の連系運転時には、パワーコンディショナ3の連系出力端子33および商用電力系統6に接続され、自立出力端子34からは切り離されることになる。
【0044】
一方、コントローラ5は、状態取得部54が取得したパワーコンディショナ3の運転状態が自立運転のときには、第1の開閉器42がオフするように、指示決定部52にて制御内容を決定する。このとき(自立運転時)、指示決定部52は、第2の開閉器42の制御内容については、少なくとも計測部45の計測結果も考慮して決定する。すなわち、コントローラ5は、自立運転時には、少なくとも結果取得部55で取得する計測部45の計測結果に応じて給電対象の負荷2を選択し、給電対象の負荷2が自立給電路8に接続されるように、複数の第2の開閉器42の開閉を個別に制御する。これにより、コンセント4に接続されている負荷2は、パワーコンディショナ3の自立運転時には、パワーコンディショナ3の連系出力端子33および商用電力系統6からは切り離され、且つ給電対象として選択された負荷2のみが自立出力端子34に接続される。
【0045】
自立運転時における給電対象の負荷2の選択方法は以下に説明するように幾つかあり、指示決定部52は、下記のいずれかの選択方法、あるいはこれらを組み合わせた選択方法により、給電対象の負荷2を選択する。
【0046】
第1の選択方法としては、コントローラ5は、負荷2で消費される消費電力とパワーコンディショナ3の定格出力電力とを比較することによって、給電対象の負荷2を選択する。この場合、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の連系運転時において、計測部45の計測結果に基づいて負荷2ごとに消費電力の大きさを予め求め、且つパワーコンディショナ3から定格出力電力の大きさを通信部51経由で取得しておく。ここでいう定格出力電力は、パワーコンディショナ3がその動作を停止することなく動作可能な最大の出力電力であって、その大きさがパワーコンディショナ3内のメモリ(図示せず)に予め登録されている。
【0047】
コントローラ5は、パワーコンディショナ3が自立運転に切り替わると、消費電力の総和がパワーコンディショナ3の定格出力電力を超えないように、給電対象の負荷2を選択する。つまり、コントローラ5は、計測部45の計測結果に基づいて予め求めておいた消費電力の大きさの総和が、パワーコンディショナ3の定格出力電力を超えない範囲で最大になるように、指示決定部52にて給電対象とする負荷2の組み合わせを決定する。
【0048】
これにより、コントローラ5は、需用電力(つまり負荷2の消費電力の総和)がパワーコンディショナ3の定格出力電力を超えないように、パワーコンディショナ3の自立運転時における給電対象の負荷2を適切に選択することができる。その結果、パワーコンディショナ3は、その運転状態が連系運転から自立運転に切り替わったときに、自立出力端子34からの出力電力が定格出力電力を超えて異常停止してしまうことを回避できる。
【0049】
第2の選択方法としては、コントローラ5は、各負荷2に流れる高調波電流と所定の閾値とを比較することによって、給電対象の負荷2を選択する。この場合、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の連系運転時において、計測部45の計測結果に基づいて負荷2に供給される高調波電流の大きさを予め負荷2ごとに求めておく。コントローラ5は、パワーコンディショナ3が自立運転に切り替わると、所定の閾値以上の高調波電流が生じる負荷2については給電対象から外すように給電対象の負荷2を選択する。つまり、コントローラ5は、計測部45の計測結果に基づいて予め求めておいた高調波電流の大きさが閾値未満の負荷2のみを給電対象とするように、指示決定部52にて給電対象とする負荷2の組み合わせを決定する。
【0050】
これにより、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の自立運転時に給電対象とする負荷2を、高調波電流が比較的小さくパワーコンディショナ3の出力波形に歪みを生じにくい負荷2の中から、適切に選択することができる。その結果、パワーコンディショナ3は、その運転状態が連系運転から自立運転に切り替わったときに、自立出力端子34からの出力波形に高調波電流による歪みが生じにくくなるという利点がある。
【0051】
第3の選択方法としては、コントローラ5は、各負荷2の力率と所定の閾値とを比較することによって、給電対象の負荷2を選択する。この場合、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の連系運転時において、計測部45の計測結果に基づいて力率を予め負荷2ごとに求めておく。コントローラ5は、パワーコンディショナ3が自立運転に切り替わると、力率が所定の閾値以下の負荷2については給電対象から外すように給電対象の負荷2を選択する。つまり、コントローラ5は、計測部45の計測結果に基づいて予め求めておいた力率が閾値より大きい負荷2のみを給電対象とするように、指示決定部52にて給電対象とする負荷2の組み合わせを決定する。
【0052】
これにより、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の自立運転時に給電対象とする負荷2を、力率が比較的大きい負荷2の中から、適切に選択することができる。その結果、パワーコンディショナ3は、その運転状態が連系運転から自立運転に切り替わったときに、力率の悪化を改善し、電力を有効に利用できるという利点がある。
【0053】
第4の選択方法としては、コントローラ5は、各負荷2に流れる瞬時電流のピーク値と所定の閾値とを比較することによって、給電対象の負荷2を選択する。この場合、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の連系運転時において、計測部45の計測結果に基づいて負荷2に供給される瞬時電流のピーク値を予め負荷2ごとに求めておく。コントローラ5は、パワーコンディショナ3が自立運転に切り替わると、瞬時電流のピーク値が所定の閾値以上である負荷2については給電対象から外すように給電対象の負荷2を選択する。つまり、コントローラ5は、計測部45の計測結果に基づいて予め求めておいた瞬時電流のピーク値が閾値未満の負荷2のみを給電対象とするように、指示決定部52にて給電対象とする負荷2の組み合わせを決定する。
【0054】
これにより、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の自立運転時に給電対象とする負荷2を、瞬時電流のピーク値が比較的小さく突入電流を生じにくい負荷2の中から、適切に選択することができる。その結果、パワーコンディショナ3は、その運転状態が連系運転から自立運転に切り替わったときに、負荷2に流れる突入電流で自立出力端子34からの出力電流が定格出力電流を超えて異常停止してしまうことを回避できる。
【0055】
以上説明した本実施形態の構成によれば、連系給電路7のうち1以上の分岐線72上において特定点73と幹線71からの分岐点74との間に挿入された第1の開閉器41と、自立給電路8と特定点73との間に挿入された第2の開閉器42とが設けられている。さらに、これら第1の開閉器41および第2の開閉器42の開閉を制御するコントローラ5が設けられている。ここで、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の運転状態に応じて第1の開閉器41、第2の開閉器42の開閉を制御するので、連系運転と自立運転との切替時にユーザが負荷2をつなぎ替える作業が不要になる。
【0056】
したがって、ユーザにおいては負荷2をつなぎ替える手間が省け、さらに、ユーザが負荷2をつなぎ替えるまでは負荷2への電力供給が途切れるという問題も解決できる。また、移動が困難であるなどの理由からコンセント4へのつなぎ替えが困難な負荷2であっても、パワーコンディショナ3の連系運転時、自立運転時の両方で電力供給を受けることが可能になる。
【0057】
しかも、第1の開閉器41および第2の開閉器42は、連系給電路7の分岐線72上の特定点73に接続されているので、パワーコンディショナ3の自立運転時に、負荷2をパワーコンディショナ3に接続するか否かを分岐線72単位で切り替えることができる。これにより、パワーコンディショナ3は、自立運転時には必要な負荷2にのみ電力供給することができ、分散電源1の限られた電気エネルギを有効に使用することができる。
【0058】
さらに、本実施形態では、コントローラ5は、パワーコンディショナ3の自立運転時に、少なくとも計測部45の計測結果に応じて給電対象の負荷2を選択し、給電対象の負荷2が自立給電路8に接続されるように複数の第2の開閉器42の開閉を個別制御している。そのため、パワーコンディショナ3は、自立運転時にはコントローラ5が自動的に選択した給電対象の負荷2にのみ電力供給することができる。具体的には、コントローラ5は、上記第1〜4の選択方法を適用することにより、パワーコンディショナ3の異常停止を回避したり、自立出力端子34からの出力波形に歪みを生じにくくしたり、電力を有効に利用できるといった利点がある。
【0059】
また、本実施形態では、第1の開閉器41と第2の開閉器42と計測部45とが全て配線器具としてのコンセント4に備わっているので、既存の配電システムにコンセント4およびコントローラ5を付加するだけで、上述の機能を実現することができる。ただし、第1の開閉器41、第2の開閉器42、計測部45は配線器具としてのコンセント4とは別に設けられていてもよい。たとえば計測部45がコンセント4と別に設けられている場合、コンセント4は、通信部43にて計測部45と通信し、計測部45の計測結果を収集するように構成される。
【0060】
ところで、第1の開閉器41と第2の開閉器42と計測部45とを備える配線器具は、上記実施形態ではコンセント4からなるが、コンセントに限らず分岐線42に接続される配線器具であればよい。第1の開閉器41と第2の開閉器42と計測部45とを備える配線器具が分電盤9内の分岐ブレーカ92からなる場合、配電システムは、図3に示すように構成される。なお、図3では、負荷2が分岐ブレーカ92に分岐線72によって直接接続されているが、この構成に限らず、分岐線72をコンセントに接続し、このコンセントに負荷2が接続されていてもよい。
【0061】
すなわち、図3の配電システムでは、自立給電路8は、コンセントに代えて分電盤9に収納された分岐ブレーカ92と自立出力端子34との間を接続しており、自立運転時に使用可能な分岐ブレーカ92の数に合わせて分岐されている。図3の例では、図示されている6個の分岐ブレーカ92の全てに対して自立給電路8が接続されている。ただし、全ての分岐ブレーカ92を自立運転時に使用可能とすることは必須ではなく、分岐線72に接続されている複数の分岐ブレーカ92のうち少なくとも1つの分岐ブレーカ92に対して自立給電路8が接続されていればよい。つまり、自立給電路8には接続されずに連系給電路7にのみ接続された分岐ブレーカ(連系専用ブレーカ)があってもよい。
【0062】
分岐ブレーカ92は、分岐線72上における特定点73と幹線71からの分岐点74との間に挿入された第1の開閉器41、および特定点73と自立給電路8との間に挿入された第2の開閉器42を有している。図3の構成では、分岐線72上の特定点73は分岐ブレーカ92の二次側端子であって、幹線71からの分岐点74は分岐ブレーカ92の一次側端子である。さらに、図3では図示を省略するが、分岐ブレーカ92は通信部43と切替部44と計測部45とを有している。
【0063】
以上説明した図3の配電システムでは、既存の配電システムに分岐ブレーカ92およびコントローラ5を付加するだけで、上記実施形態と同等の機能を実現することができる。しかも、自立給電路8は、パワーコンディショナ3と分電盤9との間を接続し、分電盤9内で分岐ブレーカ92ごとに分岐されていればよいので、コンセントごとに分岐される場合に比べて、引き回しが容易になる。既存の分岐ブレーカ92がリモコンブレーカのように遠隔制御可能な開閉器からなる場合、既存の分岐ブレーカ92を第1の開閉器41として使用すれば、開閉器の必要数を減らすことも可能である。
【0064】
(実施形態2)
本実施形態の配電システムは、パワーコンディショナ3の自立運転時において、コントローラ5が給電対象の負荷2を選択する方法が、実施形態1の配電システムと相違する。以下、実施形態1と同様の構成については共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0065】
すなわち、実施形態1では、コントローラ5は、自立運転時における給電対象の負荷2を計測部45の計測結果に応じて選択していたのに対し、本実施形態では、コントローラ5は、負荷2が保持している負荷情報に応じて給電対象の負荷2を選択する。
【0066】
本実施形態においては、図4に示すように、コントローラ5は、結果取得部55(図2参照)に代えて、第1の開閉器41を接続した特定点73に接続された負荷2が保持している負荷情報を通信により取得する情報取得部56を有している。ここでいう負荷情報は、負荷2がメモリ(図示せず)に予め保持している情報であって、この負荷2に関する消費電力の大きさ、負過電流の大きさ、後述する優先度などの情報を含んでいる。情報取得部56は、配線器具としてのコンセント4が通信部43での通信により負荷2から取得した負荷情報を、通信部51経由で通信によりコンセント4から取得する。なお、本実施形態では、結果取得部55、計測部45(図2参照)は不要であるから、これらは図4では省略されている。
【0067】
コントローラ5は、パワーコンディショナ3の自立運転時には、少なくとも情報取得部56で取得する負荷情報に応じて給電対象の負荷2を選択し、給電対象の負荷2が自立給電路8に接続されるように、複数の第2の開閉器42の開閉を個別に制御する。これにより、コンセント4に接続されている負荷2は、パワーコンディショナ3の自立運転時には、パワーコンディショナ3の連系出力端子33および商用電力系統6からは切り離され、且つ給電対象として選択された負荷2のみが自立出力端子34に接続される。
【0068】
本実施形態においても、自立運転時における給電対象の負荷2の選択方法は以下に説明するように幾つかあり、指示決定部52は、下記のいずれかの選択方法、あるいはこれらを組み合わせた選択方法により、給電対象の負荷2を選択する。
【0069】
第1の選択方法としては、コントローラ5は、負荷2で消費される消費電力とパワーコンディショナ3の定格出力電力とを比較することによって、給電対象の負荷2を選択する。この場合、コントローラ5は、負荷2の通常動作時(連系運転時)において、消費電力の大きさを負荷2ごとに負荷情報として予め取得し、且つパワーコンディショナ3から定格出力電力の大きさを通信部51経由で取得しておく。コントローラ5は、パワーコンディショナ3が自立運転に切り替わると、消費電力の総和がパワーコンディショナ3の定格出力電力を超えないように、給電対象の負荷2を選択する。つまり、コントローラ5は、負荷情報として予め取得しておいた消費電力の大きさの総和が、パワーコンディショナ3の定格出力電力を超えない範囲で最大になるように、指示決定部52にて給電対象とする負荷2の組み合わせを決定する。
【0070】
これにより、コントローラ5は、需用電力(つまり負荷2の消費電力の総和)がパワーコンディショナ3の定格出力電力を超えないように、パワーコンディショナ3の自立運転時における給電対象の負荷2を適切に選択することができる。その結果、パワーコンディショナ3は、その運転状態が連系運転から自立運転に切り替わったときに、自立出力端子34からの出力電力が定格出力電力を超えて異常停止してしまうことを回避できる。
【0071】
第2の選択方法としては、コントローラ5は、負荷2に流れる負荷電流とパワーコンディショナ3の定格出力電流の大きさとを比較することによって、給電対象の負荷2を選択する。この場合、コントローラ5は、負荷2の通常動作時(連系運転時)において、負荷電流の大きさを負荷2ごとに負荷情報として予め取得し、且つパワーコンディショナ3から定格出力電流の大きさを通信部51経由で取得しておく。ここでいう定格出力電流は、パワーコンディショナ3がその動作を停止することなく動作可能な最大の出力電流であって、その大きさがパワーコンディショナ3内のメモリ(図示せず)に予め登録されている。
【0072】
コントローラ5は、パワーコンディショナ3が自立運転に切り替わると、負荷電流の総和がパワーコンディショナ3の定格出力電流を超えないように、給電対象の負荷2を選択する。つまり、コントローラ5は、負荷情報として予め取得しておいた負荷電流の大きさの総和が、パワーコンディショナ3の定格出力電流を超えない範囲で最大になるように、指示決定部52にて給電対象とする負荷2の組み合わせを決定する。
【0073】
これにより、コントローラ5は、負荷電流の総和がパワーコンディショナ3の定格出力電流を超えないように、パワーコンディショナ3の自立運転時における給電対象の負荷2を適切に選択することができる。その結果、パワーコンディショナ3は、その運転状態が連系運転から自立運転に切り替わったときに、自立出力端子34からの出力電流が定格出力電流を超えて異常停止してしまうことを回避できる。
【0074】
第3の選択方法としては、コントローラ5は、負荷2ごとに予め決められた優先度に応じて、給電対象の負荷2を選択する。この場合、コントローラ5は、負荷2の通常動作時(連系運転時)において、優先度を負荷2ごとに負荷情報として予め取得しておく。コントローラ5は、パワーコンディショナ3が自立運転に切り替わると、優先度が高い負荷2から順に給電対象の負荷2を選択する。つまり、コントローラ5は、負荷情報として予め取得しておいた優先度が高い負荷2ほど優先的に給電対象となるように、指示決定部52にて給電対象とする負荷2の組み合わせを決定する。なお、この場合に、給電対象とする負荷2の数は、予め決められていてもよいし、上記第1,2の選択方法と組み合わされることで、消費電力や負過電流によって上限が決められてもよい。
【0075】
これにより、コントローラ5は、たとえば照明器具や医療機器など優先度が高い負荷2ほど優先的に給電対象となるように、パワーコンディショナ3の自立運転時における給電対象の負荷2を適切に選択することができる。その結果、パワーコンディショナ3の運転状態が連系運転から自立運転に切り替わったときに、優先度の高い負荷2が使えなくなることを回避できる。
【0076】
以上説明した本実施形態の配電システムによれば、コントローラ5は、負荷2が保持している負荷情報に応じて給電対象の負荷2を選択するので、配線器具(コンセント4)から測定部を省略することができ、配線器具の構成を簡略化することができる。
【0077】
また、情報取得部56は、上述したようにコンセント4が負荷2から取得した負荷情報をコンセント4から取得する構成に限らず、通信部51で負荷2と直接通信することにより負荷情報を取得する構成であってもよい。
【0078】
なお、本実施形態においても、第1の開閉器41と第2の開閉器42とを備える配線器具は、コンセントに限らずたとえば分岐ブレーカ92であってもよい。
【0079】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【符号の説明】
【0080】
2 負荷
3 パワーコンディショナ
33 連系出力端子
34 自立出力端子
4 コンセント
41 第1の開閉器
42 第2の開閉器
45 計測部
5 コントローラ
55 結果取得部
56 情報取得部
6 商用電力系統
7 連系給電路
71 幹線
72 分岐線
73 特定点
74 分岐点
8 自立給電路
9 分電盤
92 分岐ブレーカ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散電源からの電力を変換し、商用電力系統と連系する連系運転および前記商用電力系統から切り離される自立運転を切替可能なパワーコンディショナと、前記商用電力系統に接続された幹線および当該幹線から複数に分岐した分岐線からなり前記連系運転時に前記パワーコンディショナからの電力供給路になる連系給電路のうち、1以上の前記分岐線上において特定点と前記幹線からの分岐点との間に挿入された第1の開閉器と、前記自立運転時に前記パワーコンディショナからの電力供給路になる自立給電路と前記第1の開閉器を接続した前記特定点との間に挿入された第2の開閉器と、前記第1の開閉器および前記第2の開閉器の開閉を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、少なくとも前記連系運転時には前記第1の開閉器がオンし前記第2の開閉器がオフするように、前記パワーコンディショナの運転状態に応じて前記第1の開閉器および前記第2の開閉器の開閉を制御する
ことを特徴とする配電システム。
【請求項2】
前記第1の開閉器を接続した前記特定点から負荷へ出力される電気量を計測する計測部をさらに備え、
前記第1の開閉器と前記第2の開閉器と前記計測部とは2以上の前記分岐線について前記特定点ごとに設けられており、
前記コントローラは、前記計測部の計測結果を通信により取得する結果取得部を有しており、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、少なくとも前記計測部の計測結果に応じて給電対象の負荷を選択し、前記給電対象の前記負荷が前記自立給電路に接続されるように複数の前記第2の開閉部の開閉を個別に制御することを特徴とする請求項1に記載の配電システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記パワーコンディショナの前記連系運転時において、前記計測部の計測結果に基づいて前記負荷で消費される消費電力の大きさを求め、且つ前記パワーコンディショナから定格出力電力の大きさを取得し、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記消費電力の総和が前記定格出力電力を超えないように前記給電対象の前記負荷を選択することを特徴とする請求項2に記載の配電システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記パワーコンディショナの前記連系運転時において、前記計測部の計測結果に基づいて前記負荷に供給される高調波電流の大きさを求め、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、所定の閾値以上の前記高調波電流が生じる前記負荷については前記給電対象から外すように、前記給電対象の前記負荷を選択することを特徴とする請求項2に記載の配電システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記パワーコンディショナの前記連系運転時において、前記計測部の計測結果に基づいて力率を求め、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記力率が所定の閾値以下の前記負荷については前記給電対象から外すように、前記給電対象の前記負荷を選択することを特徴とする請求項2に記載の配電システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記パワーコンディショナの前記連系運転時において、前記計測部の計測結果に基づいて瞬時電流のピーク値を求め、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記ピーク値が所定の閾値以上の前記負荷については前記給電対象から外すように、前記給電対象の前記負荷を選択することを特徴とする請求項2に記載の配電システム。
【請求項7】
前記第1の開閉器と前記第2の開閉器とは2以上の前記分岐線について前記特定点ごとに設けられており、
前記コントローラは、前記第1の開閉器を接続した前記特定点に接続された負荷が保持している負荷情報を通信により取得する情報取得部を有しており、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、少なくとも前記負荷情報に応じて給電対象の負荷を選択し、前記給電対象の前記負荷が前記自立給電路に接続されるように複数の前記第2の開閉部の開閉を個別に制御することを特徴とする請求項1に記載の配電システム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記負荷の通常動作時に当該負荷で消費される消費電力の大きさを前記負荷情報として取得し、且つ前記パワーコンディショナから定格出力電力の大きさを取得し、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記消費電力の総和が前記定格出力電力を超えないように前記給電対象の前記負荷を選択することを特徴とする請求項7に記載の配電システム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記負荷に流れる負荷電流の大きさを前記負荷情報として取得し、且つ前記パワーコンディショナから定格出力電流の大きさを取得し、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記負荷電流の総和が前記定格出力電流を超えないように前記給電対象の前記負荷を選択することを特徴とする請求項7に記載の配電システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記負荷の優先度を前記負荷情報として取得し、前記パワーコンディショナの前記自立運転時には、前記優先度が高い前記負荷を優先的に前記給電対象とするように前記給電対象の前記負荷を選択することを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の配電システム。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の配電システムに用いられ、
前記第1の開閉器および前記第2の開閉器を具備し前記分岐線に接続されることを特徴とする配線器具。
【請求項12】
請求項2ないし6のいずれか1項に記載の配電システムに用いられ、
前記第1の開閉器と前記第2の開閉器と前記計測部とを具備し前記分岐線に接続されることを特徴とする配線器具。
【請求項13】
負荷を接続可能なコンセントからなることを特徴とする請求項11または12に記載の配線器具。
【請求項14】
分電盤に収納される分岐ブレーカからなることを特徴とする請求項11または12に記載の配線器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−90455(P2013−90455A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228993(P2011−228993)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】