説明

酸性ゲル状食品及びその製造方法

【課題】高カロリーで、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えがあり、余韻の残る食感を呈することができる酸性ゲル状食品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】平均加重重合度6.1以下の糖類を含む糖溶液に、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グルコマンナンから選ばれる2種以上のゲル化剤を添加し、混合溶解してゲル化剤溶液を調製し、前記ゲル化剤溶液に、他の原料を混合溶解してゲル状食品原料溶液とし、このゲル状食品原料溶液を冷却固化して、ブリックスが15〜60であり、ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が9.0〜15.0mmである酸性ゲル状食品を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えを有する酸性ゲル状食品及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
運動後等において、エネルギー補給のため、また、小腹がすいた時、あるいは、腹持ちを良くするために、糖類を多く含有する高エネルギー補給用のゼリー等のゲル状食品が知られている。これらのゲル状食品は、飲料等を併用することなく単独で摂取可能であるため、市場で良好な支持を得ている。
【0003】
しかしながら、高エネルギー補給用のゲル状食品を作るには、好ましい甘味とするため、甘味度の高くない澱粉等の平均加重重合度の高い糖類等を使用する必要がある。しかしながら、平均加重重合度の高い糖類とゲル化剤とを溶解させて得られるゲル状食品は、ぼそぼそした食感のゲル状食品となる傾向にあり、摂取に適した形態のゲル状食品は得られにくかった。
【0004】
また、従来のゲル状食品は、舌触りが良い、口どけが良いといった食感を有するが、弾力性や歯応えがなく、そのため、食感に物足りなさを感じるものであった。
【0005】
ゲル状食品の弾力性や歯応えを増すためには、ゲル化剤の含有量を増加させることが考えられる。しかしながら、ゲル化剤の含有量を増加させるに伴い、ゲル状食品を製造する際、ゲル化剤の凝集物が発生しやすくなる傾向にあり、ゲル化剤を均一に溶解させることは困難であった。
【0006】
一方、下記特許文献1には、コンニャク様の食感を有するゲル状食品の製造方法が開示されており、グルコマンナン及び水を含む混合物を加熱した後、前記混合物にグルコマンナン反応性増粘多糖類を添加してゲル状食品としている。
【特許文献1】特開平11−239453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に開示されているゲル状食品は、弾力性は有するものの、歯応えが不十分であり、そのため、食感に物足りなさを感じるものであった。また、これまで、高カロリーで、歯応えがあるゲル状食品は知られていなかった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、高カロリーで、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えがあり、余韻の残る食感を呈する酸性ゲル状食品及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するにあたって種々の検討の結果、ゲル状食品の歯応え感は、ゲル強度及び破断距離と相関を有し、特定のゲル化剤と糖質とを含有する酸性ゲル状食品は、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えを有することを見出し、本発明を達成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の酸性ゲル状食品は、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グルコマンナンから選ばれる2種以上のゲル化剤と、平均加重重合度6.1以下の糖類とを含有し、ブリックスが15〜60であり、ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が9.0〜15.0mmであることを特徴とする。
【0011】
本発明の酸性ゲル状食品は、ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が10.0〜15.0mmであるか、もしくは、ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が9.0〜13.0mmであるか、もしくは、ゲル強度が8.0〜20.0Nであり、破断距離が9.5〜13.0mmであることが好ましい。
【0012】
本発明の酸性ゲル状食品は、高カロリーで、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えがあり、従来これまでにない、新規な食感を有している。
【0013】
また、本発明の酸性ゲル状食品は、前記酸性ゲル状食品のpHが、3.5〜4.6であることが好ましい。これによれば、微生物的な安全性が高くなり、保存性が向上するとともに、適度な酸味、風味を有する酸性ゲル状食品とすることができる。
【0014】
また、本発明の酸性ゲル状食品は、前記ゲル化剤の含有量が、1.0〜3.0質量%であることが好ましい。これによれば、より食感が良好で、歯応えを有する酸性ゲル状食品とすることができる。
【0015】
一方、本発明の酸性ゲル状食品の製造方法は、平均加重重合度6.1以下の糖類を含む糖溶液に、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グルコマンナンから選ばれる2種以上のゲル化剤を添加し、混合溶解してゲル化剤溶液を調製し、前記ゲル化剤溶液に、他の原料を混合溶解してゲル状食品原料溶液とし、このゲル状食品原料溶液を冷却固化して、ブリックスが15〜60であり、ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が9.0〜15.0mmである酸性ゲル状食品を得ることを特徴とする。
【0016】
本発明の酸性ゲル状食品の製造方法において、ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が10.0〜15.0mmであるか、もしくは、ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が9.0〜13.0mmであるか、もしくは、ゲル強度が8.0〜20.0Nであり、破断距離が9.5〜13.0mmである酸性ゲル状食品を得ることが好ましい。
【0017】
本発明の酸性ゲル状食品の製造方法によれば、ゲル化剤を溶解させる際、平均加重重合度6.1以下の糖類を含む糖溶液に溶解させることで、ゲル化剤の凝集物の発生を抑制でき、ゲル化剤が均一に溶解したゲル化剤溶液を容易に調製することができる。また、このゲル化剤溶液は、粘度がさほど高くないので、酸味料等のその他の原料と、速やかに溶解混合できる。そして、このゲル状食品原料溶液を冷却固化することで、高カロリーで、上記ゲル強度及び破断距離を有した、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えのある酸性ゲル状食品を得ることができる。
【0018】
また、本発明の酸性ゲル状食品の製造方法において、酸性ゲル状食品のpHを3.5〜4.6とすることが好ましい。これによれば、更に微生物的な安全性が高くなり、保存性が向上するとともに、適度な酸味、風味を有する酸性ゲル状食品を得ることができる。
【0019】
また、本発明の酸性ゲル状食品の製造方法において、ゲル化剤を、酸性ゲル状食品の全量に対し、1.0〜3.0質量%含有させることが好ましい。これによれば、より食感が良好で、歯応えを有する酸性ゲル状食品を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グルコマンナンから選ばれる2種以上を含むゲル化剤を用い、該ゲル化剤を平均加重重合度6.1以下の糖類を含む糖溶液に溶解させることで、ゲル化剤の凝集物の発生を抑制でき、ゲル化剤が均一に溶解したゲル化剤溶液を容易に調製することができる。また、このゲル化剤溶液は、粘度がさほど高くないので、酸味料等のその他の原料と、速やかに溶解混合できる。そして、このゲル状食品原料溶液を冷却固化することで、高カロリーで、上記ゲル強度及び破断距離を有した、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えのある酸性ゲル状食品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(平均加重重合度についての定義)
ブドウ糖、果糖といった単糖や、ショ糖といった二糖類は、単一成分により構成されているが、水飴、オリゴ糖、マルトデキストリンなどにおいては、単糖、二糖、三糖といった重合度の異なる糖類が混合した組成となっていることが知られている。
【0022】
よって、本発明においては、混合成分である水飴などの糖類における物性を規定する一手法として、平均加重重合度という概念を用いることにした。すなわち、本発明において、糖の平均加重重合度は、下記式(1)で算出される数値を意味する。
【0023】
【数1】

【0024】
(ブリックスについての定義)
本発明においてブリックスとは、20°Cにおける屈折率を測定し、純ショ糖溶液(サッカロース)の重量/重量パーセントに換算(国際砂糖分析法標準化委員会の換算表を使用)した値を意味する。
【0025】
(ゲル強度及び破断距離についての定義)
本発明においてゲル強度とは、レオメーター(例えばサン科学製:CR−500DX)を用いて、プランジャー直径10mm、移動速度60mm/分、進入距離20mmの条件で圧縮試験を行い、ゲルが破断したときの破断強度(N)を意味し、破断距離とは、同圧縮試験によって、ゲルが破断するまでに要した距離を意味する。
【0026】
(酸性ゲル状食品の製造方法)
本発明の酸性ゲル状食品は、糖溶液に、ゲル化剤を添加し、ゲル化剤溶液を調製するゲル化剤溶液調製工程(a)と、該ゲル化剤溶液に、ゲル状食品に必要な他の原料を混合溶解してゲル状食品原料溶液とするゲル状食品原料溶液調製工程(b)と、該ゲル状食品原料溶液を冷却固化して、ゲル化させるゲル化工程(c)によって製造される。
【0027】
すなわち、まず、ゲル化剤溶液調製工程(a)において、平均加重重合度が6.1以下の糖類(以下、「低加重重合糖類」と記す)を水等の溶媒に溶解させた糖溶液に、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンから選ばれる2種以上のゲル化剤を溶解してゲル化剤溶液を調製する。
【0028】
上記低加重重合糖類を含む糖溶液に、上記ゲル化剤を溶解させると、「だま」と称するゲル化剤の凝集が発生することなく、ゲル化剤が均一に溶解したゲル化剤溶液を容易に調製することができる。そして、上記ゲル化剤溶液に、後述する平均加重重合度に拘束されない糖類を始めとするその他の原料を加えてゲル化させることで、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えのある酸性ゲル状食品とすることができる。なお、上記糖溶液において、平均加重重合度の低い低加重重合糖類を用いることで、得られるゲル状食品の破断距離が大きくなる傾向になる。
【0029】
ここで、本発明の酸性ゲル状食品における構造のメカニズムとしては、定かではないが以下を考えることができる。
【0030】
まず、水和性の高い上記低加重重合糖類が水分子と結合して糖溶液を形成することにより、その後に投入されるゲル化剤と結合する水分子の数を相対的に減少させることになる。これにより、ゲル化剤の水和の速度が適度に抑制され、ゲル化剤が凝集することなく、均一なゲル化剤溶液を得ることができる。
更に、ゲル化剤溶液に存在する上記糖類の分子量が比較的小さいため、ゲル化剤の溶解の際、ゲル化剤分子のほぐれが、上記糖類によりほとんど阻害されることなく達成される。ここに言う、ゲル化剤の溶解とは、ゲル化剤の分子のほぐれが達成される手段であれば何れも採用しうるが、例えば加温が挙げられる。
従って、ゲル化剤がほぐれた状態で溶解しているゲル化剤溶液に、その他の原料を混合溶解したゲル状食品原料溶液は、例えその他の原料として平均加重重合度の高い糖類を用いたとしても、冷却固化で規則正しいゲルネットワークを形成できるものと推測される。
【0031】
平均加重重合度が6.1以下の低加重重合糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖等の単糖類、ショ糖等の二糖類、オリゴ糖類、澱粉分解物等が好ましく使用できる。これらは単独又は2種類以上を使用できる。
【0032】
また、ゲル化剤は、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンから選ばれた2種以上を用いる。そして、その組み合わせとしては、目的とする酸性ゲル状食品のゲル強度及び破断距離に応じて適宜選択することができる。例えば、カラギーナンとローカストビーンガムとの組み合わせ、カラギーナン、ローカストビーンガム及びキサンタンガムから選ばれた1種以上とグルコマンナンとの組み合わせなどが挙げられる。なかでも、グルコマンナンを含む組み合わせは、得られるゲル状食品の離水を少なくできることからより好ましい。
【0033】
例えば、ゲル化剤として、カラギーナンとローカストビーンガムとを少なくとも含有し、カラギーナンとローカストビーンガムとの質量比が、カラギーナン/ローカストビーンガムで、1/9〜9/1、好ましくは3/7〜7/3であるものを用いることで、後述するゲル強度が6.5〜20.0Nで、破断距離が10.0〜15.0mm、好ましくは、ゲル強度が6.5〜20.0Nで、破断距離が11.0〜14.5mmとなる酸性ゲル状食品を得やすくできる。
【0034】
また、ゲル化剤としてグルコマンナンを少なくとも含有し、カラギーナンとローカストビーンガムとキサンタンガムとの合計と、グルコマンナンとの質量比が、グルコマンナン/(カラギーナン+ローカストビーンガム+キサンタンガム)で、1/9〜9/1、好ましくは1/9〜7/3であるものを用いることで、後述するゲル強度が6.5〜20.0Nで、破断距離が9.0〜13.0mm、好ましくは、ゲル強度が7.0〜20.0Nで、破断距離が9.5〜13.0mmとなり、離水率が5%未満の酸性ゲル状食品を得やすくできる。ここで、より弾力性が高く、かつ、歯に粘りつくような歯応え感の良い酸性ゲル状食品のゲル強度及び破断距離としては、ゲル強度が8.0〜20.0Nで、破断距離が9.5〜13.0mm、好ましくは、ゲル強度が9.0〜20.0Nで、破断距離が10.0〜13.0mm、より好ましくは、ゲル強度が9.0〜20.0Nで、破断距離が10.0〜12.0mmが挙げられる。
【0035】
本発明において、ゲル化剤を溶解させる際に用いる糖溶液は、ブリックスが30を超える糖溶液であることが好ましい。
【0036】
次に、ゲル状食品原料溶液調製工程(b)において、上記ゲル化剤溶液調製工程(a)で得られたゲル化剤溶液に、ゲル状食品に必要な他の原料を混合溶解させてゲル状食品原料溶液を調製する。
【0037】
上記ゲル状食品に必要な他の原料としては、例えば、糖類、酸味料、ビタミン類、アミノ酸、ミネラル、タンパク質、コラーゲン、コラーゲンペプチド、果汁、香料、色素等が挙げられる。これらの他の原料は、予め、水等の溶媒に溶解させて用いることが好ましい。これら他の原料を、溶液に調製して用いることで、ゲル化剤溶液に速やかに混合させることができる。
【0038】
上記糖類としては、上記平均加重重合度に拘束されず、単糖、二糖、オリゴ糖、マルトデキストリン、糖アルコール等いずれの糖類も使用できる。なお、好ましい態様として、マルトデキストリンを用いることにより、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えを有する特徴を有したまま、甘味を抑えて、より高カロリーのゲル状食品とすることができる。これらの糖類は単独又は2種類以上を使用できる。
【0039】
上記酸味料としては、特に限定はなく、種々のものを用いることができ、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、アスコルビン酸、グルコン酸、リン酸及びそれらの塩等が挙げられる。これらの酸味料は単独又は2種類以上を使用できる。
【0040】
上記ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンH、ビタミンK、ビタミンP、パントテン酸、コリン、葉酸、イノシトール、ナイアシン、パラアミノ安息香酸(PABA)等が挙げられる。これらのビタミン類は単独又は2種類以上を使用できる。
【0041】
上記アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等が挙げられる。これらのアミノ酸は単独又は2種類以上を使用できる。
【0042】
上記ミネラルとしては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム等が挙げられる。これらのミネラルは単独又は2種類以上を使用できる。
【0043】
上記タンパク質としては、乳由来のたんぱく質であるホエイたんぱく質分離物(WPI)、ホエイたんぱく質濃縮物(WPC)、大豆由来のたんぱく質である、分離大豆たんぱく質(SPI)、あるいはそれらの加水分解物等が挙げられる。これらを単独又は2種類以上を使用できる。
【0044】
上記ゲル化剤溶液と上記他の原料とを混合して得られるゲル状食品原料溶液中のゲル化剤の含有量は、1.0〜3.0質量%とすることが好ましく、1.5〜2.5質量%とすることがより好ましい。ゲル化剤の含有量が上記範囲内であれば、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えを有し、均質性の高い酸性ゲル状食品とすることができる。
【0045】
また、ゲル状食品原料溶液のブリックスが15〜60となるように、調整することが好ましく、ブリックスが20〜55となるように調製することがより好ましい。
【0046】
そして、ゲル化工程(c)において、上記ゲル状食品原料溶液調製工程(b)で得られたゲル状食品原料溶液を、包装容器等に充填し、冷却固化して、ゲル化させる。
【0047】
ゲル状食品原料溶液を充填させる包装容器としては、特に限定されないが、酸性ゲル状食品を喫食するのに適している容器が好ましく、容器素材としては金属、ガラス、紙、プラスチック等いずれも使用可能である。また、容器の形態についてもゲル状食品を喫食するのに適した形態であれば制限はなく、缶、ビン、紙パック、プラスチックカップ、ピロー包装、フィルム包装等が使用できる。
【0048】
以上の製造方法によって得られる、本発明の酸性ゲル状食品は、必要に応じて殺菌処理等が行なわれ、流通、販売される。
【0049】
殺菌方法としては、ゲル状食品原料溶液を加熱殺菌しながら容器に充填する方法、ゲル状食品原料溶液を容器に充填密封後、加熱殺菌する方法、ゲル状食品原料溶液を容器に充填する前に加熱殺菌し、その後無菌条件下で充填する無菌充填等いずれの方法も可能である。
【0050】
(酸性ゲル状食品)
本発明の酸性ゲル状食品は、上記のような方法で得られるものであり、ブリックスが15〜60で、ゲル強度が6.5〜20.0Nで、破断距離が9.0〜15.0mmであることを特徴とする。弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えを有する食感とするには、破断距離を9.0〜15.0mmとし、かつ、ゲル強度を6.5〜20.0Nにすることが必要である。なお、ゲル強度が6.5Nを下まわると、弾力性が不十分であり、20.0Nを超える場合には、硬すぎて喫食に適さない。一方、破断距離が9.0mmを下まわると、歯に粘りつくような歯応えがなく、15.0mmを超えると、もちのような食感となり、いわゆる前述の歯応えとは異なるものとなる。
【0051】
上記ゲル強度及び破断距離を備える酸性ゲル状食品は、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えがあり、余韻の残る食感を呈するものであり、従来にない新規な食感を有している。また、上記ブリックスを有することで摂取時に高エネルギー(高栄養)を付与することができる。
【0052】
本発明の酸性ゲル状食品の好ましい態様において、ゲル強度及び破断距離としては、以下の(1)〜(8)の態様がより好ましく、(3)、(5)、(6)、(7)、(8)の態様が更に好ましく、(7)、(8)の態様が特に好ましく、(8)の態様が最も好ましい。
【0053】
ゲル状食品の歯応え感を検討した結果、ゲル状食品の歯応え感は、ゲル強度と破断距離と相関を有することを見出し、これらのパラメータを下記(1)〜(8)の範囲に入るように調整することで、より歯応えのあるゲル状食品とすることができる。そして、下記(8)の範囲に入るゲル状食品は、歯に粘りつくような歯応えが最高にある食感が得られる。
【0054】
(1)ゲル強度が6.5〜20.0Nで、破断距離が9.5〜14.5mm
(2)ゲル強度が6.5〜20.0Nで、破断距離が10.0〜15.0mm
(3)ゲル強度が6.5〜20.0Nで、破断距離が11.0〜14.5mm
(4)ゲル強度が6.5〜20.0Nで、破断距離が9.0〜13.0mm
(5)ゲル強度が7.0〜20.0Nで、破断距離が9.5〜13.0mm
(6)ゲル強度が8.0〜20.0Nで、破断距離が9.5〜13.0mm
(7)ゲル強度が9.0〜20.0Nで、破断距離が10.0〜13.0mm
(8)ゲル強度が9.0〜20.0Nで、破断距離が10.0〜12.0mm
【0055】
また、pHとしては、3.5〜4.6が好ましい。pHが3.5未満であると、弾力性や歯応えが劣る傾向にあり、pHが4.6を超えると、生育可能な微生物の種類が増え、シェルフライフ(保存期間)が短くなり、長期の保存に適しにくくなる。
【0056】
また、離水率としては、5%以下であることが好ましい。なお、本発明において、離水率とは、以下のようにして測定した値(i)〜(iii)を、下式(2)を用いて算出した値である。
【0057】
【数2】

【0058】
本発明の酸性ゲル状食品の食品形態としては、特に限定はなく、ゼリー、ババロア、ムース、プリン、グミキャンディー等が挙げられる。
【0059】
本発明の酸性ゲル状食品は、容器から取り出した状態であっても自立性を有するものであることから、スプーン等を用いずに、容器から取り出し、そのままかぶりつくようにして喫食できる。ここで、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えを有する食感とするには、この酸性ゲル状食品の厚さを5〜40mmとすることが好ましく、8〜30mmとすることがより好ましい。ゲルの厚さが5mm未満であると上記食感が得られず、40mmを超えると厚すぎて喫食しにくくなる。
【実施例】
【0060】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0061】
(実施例1)
ブドウ糖(「ゴールドシュガー;商品名」 林原商事社製)(平均加重重合度1.0)を含有するブリックス38の糖溶液に、カラギーナン及びローカストビーンガムを溶解させてゲル化剤溶液を調整した。そして、このゲル化剤溶液に、マルトデキストリン(「TK−75;商品名」 松谷化学社製)(平均加重重合度6.1)、クエン酸(酸味料)及び塩化カリウムを含有する副原料溶液を混合して、ゲル状食品原料溶液を調整した。そして、このゲル状食品原料溶液をゲル化させて、ゲル化剤の含有量が1.5質量%(カラギーナン0.7質量%+ローカストビーンガム0.8質量%)、塩化カリウムの含有量が0.1質量%、ブリックスが35、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0062】
(実施例2)
実施例1において、ブドウ糖の代わりにショ糖(塩水港製糖社製)(平均加重重合度2.0)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0063】
(実施例3)
実施例1において、ブドウ糖の代わりに「ハイマルトースMC−45;商品名」(日本食品化工社製)(平均加重重合度2.0)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0064】
(実施例4)
実施例1において、ブドウ糖の代わりに「サンマルトS;商品名」(林原商事社製)(平均加重重合度2.0)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0065】
(実施例5)
実施例1において、ブドウ糖の代わりに「フジオリゴ#360;商品名」(日本食品化工社製)(平均加重重合度3.1)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0066】
(実施例6)
実施例1において、ブドウ糖の代わりに「ハイマルトースMC−55;商品名」(日本食品化工社製)(平均加重重合度3.5)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0067】
(実施例7)
実施例1において、ブドウ糖の代わりに「ハローデックス;商品名」(林原商事社製)(平均加重重合度3.9)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0068】
(実施例8)
実施例1において、ブドウ糖の代わりに「ペントラップ;商品名」(林原商事社製)(平均加重重合度4.2)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0069】
(実施例9)
実施例1において、ブドウ糖の代わりにマルトデキストリン「TK−75;商品名」(松谷化学社製)(平均加重重合度6.1)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0070】
(実施例10)
果糖ブドウ糖「フジフラクトH−100;商品名」(日本食品化工社製)(平均加重重合度1.0)を含有するブリックス38の糖溶液に、キサンタンガム及びグルコマンナンを溶解させてゲル化剤溶液を調整した。そして、このゲル化剤溶液に、マルトデキストリン「TK−75;商品名」(松谷化学社製)(平均加重重合度6.1)、クエン酸(酸味料)及び塩化カリウムを含有する副原料溶液を混合して、ゲル状食品原料溶液を調整した。そして、このゲル状食品原料溶液をゲル化させて、ゲル化剤の含有量が2.0質量%(キサンタンガム1.0質量%+グルコマンナン1.0質量%)、塩化カリウムの含有量が0.1質量%、ブリックスが35、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0071】
(実施例11)
実施例10において、ゲル化剤としてカラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンを用いた以外は実施例10と同様にして、ゲル化剤の含有量が1.5質量%(カラギーナン0.5質量%+ローカストビーンガム0.6質量%+キサンタンガム0.2質量%+グルコマンナン0.2質量%)、塩化カリウムの含有量が0.1質量%、ブリックスが35、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0072】
(実施例12)
実施例10において、ゲル化剤としてカラギーナン、ローカストビーンガム及びグルコマンナンを用いた以外は実施例10と同様にして、ゲル化剤の含有量が1.7質量%(カラギーナン0.7質量%+ローカストビーンガム0.8質量%+グルコマンナン0.2質量%)、塩化カリウムの含有量が0.1質量%、ブリックスが35、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0073】
(実施例13)
果糖ブドウ糖「フジフラクトH−100;商品名」(日本食品化工社製)(平均加重重合度1.0)を含有するブリックス28の糖溶液に、カラギーナン及びローカストビーンガムを溶解させてゲル化剤溶液を調整した。そして、このゲル化剤溶液に、マルトデキストリン(「TK−75;商品名」 松谷化学社製)(平均加重重合度6.1)、クエン酸(酸味料)及び塩化カリウムを含有する副原料溶液を混合して、ゲル状食品原料溶液を調整した。そして、このゲル状食品原料溶液をゲル化させて、ゲル化剤の含有量が1.5質量%(カラギーナン0.7質量%+ローカストビーンガム0.8質量%)、塩化カリウムの含有量が0.1質量%、ブリックスが35、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0074】
(実施例14)
実施例13において、ゲル化剤を溶解させる糖溶液のブリックスを18とした以外は実施例13と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0075】
(実施例15)
「パインMC−2;商品名」(松谷化学社製)(平均加重重合度6.1)を含有するブリックス28の糖溶液に、カラギーナン及びローカストビーンガムを溶解させてゲル化剤溶液を調整した。そして、このゲル化剤溶液に、マルトデキストリン(「TK−75;商品名」 松谷化学社製)(平均加重重合度6.1)、クエン酸(酸味料)及び塩化カリウムを含有する副原料溶液を混合して、ゲル状食品原料溶液を調整した。そして、このゲル状食品原料溶液をゲル化させて、ゲル化剤の含有量が1.5質量%(カラギーナン0.7質量%+ローカストビーンガム0.8質量%)、塩化カリウムの含有量が0.1質量%、ブリックスが35、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0076】
(実施例16)
実施例15において、ゲル化剤を溶解させる糖溶液のブリックスを18とした以外は実施例15と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0077】
(実施例17)
実施例10において、ゲル化剤としてカラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンを用いた以外は実施例10と同様にして、ゲル化剤の含有量が1.4質量%(カラギーナン0.2質量%+ローカストビーンガム0.3質量%+キサンタンガム0.2質量%+グルコマンナン0.7質量%)、塩化カリウムの含有量が0.1質量%、ブリックスが35、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0078】
(実施例18)
実施例10において、ゲル化剤としてカラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンを用いた以外は実施例10と同様にして、ゲル化剤の含有量が2.4質量%(カラギーナン0.2質量%+ローカストビーンガム0.2質量%+キサンタンガム1.0質量%+グルコマンナン1.0質量%)、塩化カリウムの含有量が0.1質量%、ブリックスが35、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0079】
(実施例19)
実施例10において、ゲル化剤としてカラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンを用いた以外は実施例10と同様にして、ゲル化剤の含有量が1.8質量%(カラギーナン0.5質量%+ローカストビーンガム0.3質量%+キサンタンガム0.5質量%+グルコマンナン0.5質量%)、塩化カリウムの含有量が0.1質量%、ブリックスが35、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0080】
(比較例1)
実施例1において、ブドウ糖(平均加重重合度1.0)の代わりに「サンデック#70;商品名」(三和澱粉社製)(平均加重重合度7.4)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0081】
(比較例2)
実施例1において、カラギーナン及びローカストビーンガムを水に溶解させてゲル化剤溶液を調整した以外は、実施例1と同様にして酸性ゲル状食品を得た。
【0082】
(比較例3)
25°Cの水518質量部に、中心分布が30μm〜50μmのグルコマンナン粉末5質量部と、ジェランガム2質量部、ショ糖(平均加重重合度2.0)260質量部、クエン酸ナトリウム2質量部を添加し混合した後5分間保持して、グルコマンナン混合物787質量部を得た。次いで、前記混合物を70°Cまで加熱した。当該混合物の品温が70°Cに達温してから、カラギーナン8質量部及びローカストビーンガム2質量部を添加し、均一になるまで混合撹拌した。その後、当該混合物を昇温し、80°Cに達温してから、ブドウ果汁200質量部及びクエン酸3質量部を添加し、ゲル状食品原料溶液1000質量部を得た。このゲル状食品原料溶液を、ゲル化させて、ゲル化剤の含有量が1.7質量%(ジェランガム0.2質量%+グルコマンナン0.5質量%+カラギーナン0.8質量%+ローカストビーンガム0.2質量%)、ブリックスが40、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0083】
(比較例4)
25°Cの水518質量部に、比較例3と同じグルコマンナン粉末5質量部と、ジェランガム2質量部、カラギーナン8質量部、ローカストビーンガム2質量部、ショ糖(平均加重重合度2.0)260質量部、クエン酸ナトリウム2質量部を添加混合し、その後5分間保持してグルコマンナン混合物797質量部を得た。次いで、前記混合物を70°Cまで加熱した。その後、当該混合物を80°Cまで昇温させ、80°Cに達温してから、ブドウ果汁200重量部及びクエン酸3質量部を添加し、ゲル状食品原料溶液1000質量部を得た。このゲル状食品原料溶液をゲル化させて、ゲル化剤の含有量が1.7質量%(ジェランガム0.2質量%+グルコマンナン0.5質量%+カラギーナン0.8質量%+ローカストビーンガム0.2質量%)、ブリックスが40、pHが3.8となる酸性ゲル状食品を得た。
【0084】
(比較例5)
原料としてコンニャク粉、ローカストビーンガム、カラギーナンとを含有する市販のゲル状食品A。
【0085】
(比較例6)
原料としてコンニャク粉、ローカストビーンガム、カラギーナンとを含有する市販のゲル状食品B。
【0086】
(比較例7)
原料としてコンニャク粉、ローカストビーンガム、カラギーナンとを含有する市販のゲル状食品C。
【0087】
(比較例8)
原料としてコンニャク粉、アルギン酸、カラギーナンとを含有する市販のゲル状食品D。
【0088】
(比較例9)
原料としてコンニャク粉、アルギン酸、カラギーナンとを含有する市販のゲル状食品E。
【0089】
(比較例10)
原料としてコンニャク粉、アルギン酸、カラギーナンとを含有する市販のゲル状食品F。
【0090】
(比較例11)
原料としてコンニャク粉、アルギン酸、カラギーナンとを含有する市販のゲル状食品G。
【0091】
(比較例12)
原料としてコンニャク粉、アルギン酸、カラギーナンとを含有する市販のゲル状食品H。
【0092】
(比較例13)
原料としてコンニャク粉を含有する市販のゲル状食品I。
【0093】
(比較例14)
原料としてコンニャク粉を含有する市販のゲル状食品J。
【0094】
[ゲル強度及び破断距離測定]
上記実施例1〜16、比較例1〜4の酸性ゲル状食品及び、比較例5〜14の市販のゲル状食品A〜Jについて、それぞれゲル強度及び破断距離を測定した。ゲル強度及び破断距離の測定は、レオメーター(サン科学製:CR−500DX)を用いて圧縮試験を行い、ゲルが破断したときの破断強度(N)をゲル強度とし、ゲルが破断するまでに要した距離を破断距離(mm)とした。なお、圧縮試験は、プランジャー直径10mmを用い、移動速度60mm/分、進入距離20mmの測定条件で行った。
【0095】
[離水率測定]
実施例1、10、11、12の酸性ゲル状食品について、離水率を測定した。離水率は、以下のようにして測定した値(i)〜(iii)を、下式(2)を用いて算出した。
【0096】
【数3】

【0097】
[歯応え感]
上記実施例1〜16、比較例1〜4の酸性ゲル状食品及び、比較例5〜14の市販のゲル状食品A〜Jについて官能試験を行い、歯応えが最高にあるものを◎、歯応えが十分あるものを○、歯応えのややあるものを●、歯応えが不十分であるものを△、歯応えの無いものを×とした。
【0098】
上記結果を表1、2にまとめて記す。
【0099】
【表1】

【0100】
【表2】

【0101】
上記結果より、ゲル化剤を溶解させる際に、平均加重重合度6.1以下の糖類を含む糖溶液に、ゲル化剤を溶解させて得られたゲル化剤溶液を固化させた実施例1〜19の酸性ゲル状食品は、ゲル強度が6.5〜20.0Nで、破断距離が9.0〜15.0mmとなるものであって、弾力性が高く、歯に粘りつくような歯応えがあり、余韻の残る食感を有するものであった。なかでも、ゲル化剤としてカラギーナンとローカストビーンガムを用いた実施例1〜8の酸性ゲル状食品は、歯応えが良く、また、グルコマンナンを少なくとも含むゲル化剤を用いた実施例10〜12、17〜19の酸性ゲル状食品は、離水率が低く、特に喫食しやすいものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンから選ばれる2種以上のゲル化剤と、平均加重重合度6.1以下の糖類とを含有し、ブリックスが15〜60であり、ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が9.0〜15.0mmであることを特徴とする酸性ゲル状食品。
【請求項2】
ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が10.0〜15.0mmである請求項1に記載の酸性ゲル状食品。
【請求項3】
ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が9.0〜13.0mmである請求項1に記載の酸性ゲル状食品。
【請求項4】
ゲル強度が8.0〜20.0Nであり、破断距離が9.5〜13.0mmである請求項1に記載の酸性ゲル状食品。
【請求項5】
前記酸性ゲル状食品のpHが、3.5〜4.6である請求項1〜4のいずれか一つに記載の酸性ゲル状食品。
【請求項6】
前記ゲル化剤の含有量が、1.0〜3.0質量%である請求項1〜5のいずれか一つに記載の酸性ゲル状食品。
【請求項7】
平均加重重合度6.1以下の糖類を含む糖溶液に、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンから選ばれる2種以上のゲル化剤を添加し、混合溶解してゲル化剤溶液を調製し、前記ゲル化剤溶液に、他の原料を混合溶解してゲル状食品原料溶液とし、このゲル状食品原料溶液を冷却固化して、ブリックスが15〜60であり、ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が9.0〜15.0mmである酸性ゲル状食品を得ることを特徴とする酸性ゲル状食品の製造方法。
【請求項8】
ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が10.0〜15.0mmである酸性ゲル状食品を得る請求項7に記載の酸性ゲル状食品の製造方法。
【請求項9】
ゲル強度が6.5〜20.0Nであり、破断距離が9.0〜13.0mmである酸性ゲル状食品を得る請求項7に記載の酸性ゲル状食品の製造方法。
【請求項10】
ゲル強度が8.0〜20.0Nであり、破断距離が9.5〜13.0mmである酸性ゲル状食品を得る請求項7に記載の酸性ゲル状食品の製造方法。
【請求項11】
前記酸性ゲル状食品のpHを3.5〜4.6とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の酸性ゲル状食品の製造方法。
【請求項12】
前記ゲル化剤を、酸性ゲル状食品の全量に対し、1.0〜3.0質量%含有させる請求項7〜11のいずれか一つに記載の酸性ゲル状食品の製造方法。