説明

金型冷却装置

【課題】バイパス回路を用いた金型冷却装置において、鋳造サイクル毎にモータ駆動ポンプを適切に起動・停止させることにより、金型の冷却水路に供給される冷却水の温度上昇を抑制する金型冷却装置の提供。
【解決手段】冷却水を吐出するモータ駆動ポンプの流入ヘッダ側と流出ヘッダ側にわたりバイパス回路を設けてなり、鋳造サイクルタイムを鋳造毎に計測し直前の鋳造サイクルタイムと比較した値がそれぞれ所定の範囲内にある状態が所定回数続いた場合に比較した値の小さい方を小値(T1min)として記憶し、当該小値(T1min)時間内にポンプを起動して1回の冷却水吐出を行うものとし、鋳造サイクルタイムの小値(T1min)から冷却水吐出時間(T2)を引いた値(T1min−T2)をポンプが停止してもよい時間(T3)とし、ポンプの起動を冷却水吐出スタートの所定時間(α)前に行い(T3−α)ポンプが実際に停止する時間(T4)を求めることによりポンプの起動・停止を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカスト鋳造や樹脂成形等に用いられる金型の冷却装置に関し、更に詳しくは、金型に穿設された冷却水路内に冷却水を流通させることにより金型を冷却するようにした鋳造用金型の冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の金型を冷却する場合、健全な鋳造品を得るためには、金型キャビティ内に供給された溶湯の熱を受けて高温になった金型を鋳造品の形状等に応じて適正に冷却して金型温度を常時適正に制御する必要があり、そのために従来からいろいろな金型温度の制御方法が提案されている。
【0003】
その中で、金型に穿設された冷却水路内に冷却水をモータ駆動ポンプを使って流通させることにより金型温度を制御する方法が一般的に行なわれているが、その場合に、金型に穿設された冷却水路内に鋳造工程中連続して冷却水を流通させるのではなく、当該金型が装着された鋳造機の鋳造サイクル毎に電磁弁を開閉して間欠的に流通させて金型を冷却することがある。
【0004】
モータ駆動ポンプを使って冷却水を間欠的に吐出する場合に、従来からインバータやアキュームレータ、リリーフ弁、またはバイパス回路を用いる方法が提案されている(例えば、バイパス回路を用いてなる金型温度調節装置として特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】実公平6−50168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に、バイパス回路を用いた金型冷却装置では、金型への冷却が必要でない時(吐出制御弁が閉状態の時)にはポンプ(の流出ヘッダ側)から吐出された冷却水を当該バイパス回路を通してポンプの流入ヘッダ側に返すことによりウォータハンマの衝撃を回避する仕組みになっている。
その為に、バイパス回路を経由した冷却水は再びポンプ(の流出ヘッダ側)を通って吐出されることになるので、冷却水の温度が徐々に上昇し金型を適切に冷却できないことがあった。
【0007】
一方、鋳造機の鋳造サイクルタイムは、鋳造トラブルがない限り、ほぼ一定であり、鋳造トラブルの発生によって伸びる傾向にある。そこで、鋳造機の鋳造サイクルタイムがほぼ一定となっていることを継続して計測、比較、判定するという確認を行いながらポンプが停止をしても良い時間を判定して当該ポンプを休止(停止)させることにより、冷却水がバイパス回路とポンプで形成される閉回路を循環することがなくなり、結果として冷却水の無用な温度上昇を抑制できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
本発明の目的は、バイパス回路を用いた金型冷却装置において、金型が装着された鋳造機の鋳造サイクル毎にモータ駆動ポンプを適切に起動・停止させることにより、金型の冷却水路に供給される冷却水の温度上昇を抑制することが可能な金型冷却装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
斯かる目的を達成する本発明の金型冷却装置は、金型に穿設された冷却水路内に冷却水を当該金型が装着された鋳造機の鋳造サイクル毎に1回流通させて当該金型を冷却する鋳造用金型の冷却装置であって、前記金型の冷却水路内に冷却水を吐出するモータ駆動ポンプの流入ヘッダ側と流出ヘッダ側にわたりバイパス回路を設けてなり、鋳造機の鋳造サイクルタイム(T1-1,T1-2,T1-3,…T1-n)を鋳造毎に計測して直前の鋳造サイクルタイムと比較した値((T1-1−T1-2),(T1-2−T1-3),(T1-3−T1-4),…)がそれぞれ所定の範囲内にある状態が所定回数続いた場合に前記比較した値の小さい方を小値(T1min)として記憶し、当該小値(T1min)時間内に前記ポンプを起動して1回の冷却水吐出を行うものとし、前記鋳造サイクルタイムの小値(T1min)から冷却水吐出時間(T2)を引いた値(T1min−T2)を前記ポンプが停止してもよい時間(T3)とし、前記ポンプの起動を冷却水吐出スタートの所定時間(α)前に行い(T3−α)前記ポンプが実際に停止する時間(T4)を求めることにより前記ポンプの起動・停止を制御することを特徴としたものである(請求項1)。
この際、前記鋳造サイクルタイムを比較して得られた小値(T1min)に前記ポンプのON-OFF許容回数(N)を乗じて単位時間を超える場合に前記ポンプのON-OFFが許容されているものと判定するように設定することが好ましい(請求項2)。
また、前記ポンプの停止時間(T4)が、所定の時間(β)より長い場合(T4≧β)に前記ポンプを停止するように設定することが好ましい(請求項3)。
更に、前記鋳造サイクルタイムを比較してほぼ同等と判定できない場合に前記ポンプの停止制御を解除して当該ポンプを起動するように設定することが好ましい(請求項4)。
また、前記ポンプが起動して冷却水吐出スタート指令が出された後、所定時間経過しても冷却水が吐出されない場合に当該ポンプを停止させるように設定することが好ましい(請求項5)。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る金型冷却装置は斯様に、モータ駆動ポンプの起動・停止を当該金型が装着された鋳造機の鋳造サイクルタイムを基にして制御して、ポンプが停止をしても良い時間を判定して当該ポンプを休止(停止)させるように構成してなるので、冷却水がバイパス回路とポンプで形成される閉回路を循環することがなくなり、その結果、金型の冷却水路に供給される冷却水の温度上昇を抑制することが可能となる。
即ち、従来のバイパス回路を用いた方法では冷却水の吐出を必要としない時間もポンプを作動させており、その電力は冷却水の温度上昇を発生させていたが、本発明によればそのような無駄な電力の使用を避けることが出来る。
更に、鋳造する製品を替えたため鋳造サイクルタイムが変更された場合でも、本発明に係る金型冷却装置によれば、継続して鋳造サイクルタイムを計測、比較、判定するという確認を行いながら、ポンプが停止してもよい時間を算出しポンプの停止・起動を行うようにしたので、金型冷却装置に鋳造サイクルタイムを入力し直すといった煩わしさを回避することができる。
また、ウォータハンマと冷却水の温度上昇の両方を解決する手段として、アキュームレータを用いる方法やインバータを用いる方法があるが、本発明によればアキュームレータ、インバータを必要としないため低コストで済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の具体的な好適実施例を、図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は図示した実施例のものに限定されるものではなく、いろいろなバリエーションが考えられる。
【0012】
図1において、符号1は金型の冷却水路(図示せず)内に冷却水を吐出供給するためのポンプであり、電動モータ2により駆動される。そして、モータ駆動ポンプ1の流入ヘッダ側と流出ヘッダ側とにわたってバイパス回路3が設けられている。
【0013】
また、ポンプ1の流入ヘッダ側には冷却水の水源(図示せず)との間に介在設置されるフィルタ4が接続され、ポンプ1の流出ヘッダ側には複数の金型冷却水路に通じる冷却水路5a〜5eがチェック弁6を介して連通接続されると共に、各冷却水路5a〜5eにそれぞれ独立して吐出電磁弁7a〜7eが接続されている。なお、符号8は圧力センサを示し、符号9は圧力計を示す。
【0014】
冷却水は金型に穿設された冷却水路内にポンプ1でもって吐出供給されるが、本発明に係る金型冷却装置では、冷却水を連続して吐出供給するのではなく、当該金型が装着された鋳造機の鋳造サイクル毎に1回だけポンプ1の起動と停止を行い所定の時間だけ流通させて当該金型を冷却するものである。
【0015】
ポンプ1を鋳造機の鋳造サイクル毎に1回だけ起動と停止を行う制御は、次のように行われる。
(1) 先ず、鋳造機の鋳造サイクルタイム(T1-1,T1-2,T1-3,…T1-n)を鋳造のたびに計測し、計測した鋳造サイクルタイムを直前の鋳造サイクルタイムと比較する。
(T1-1−T1-2),(T1-2−T1-3),(T1-3−T1-4),…(T1-n-1−T1-n)
(2) そして、直前の鋳造サイクルタイムと比較した値((T1-1−T1-2),(T1-2−T1-3),(T1-3−T1-4),…)がそれぞれ所定の範囲(例えば、±3秒)内にある状態が所定回数(例えば、3回)続いた場合に、鋳造サイクルタイムが安定をしたとみなし、前記比較した値の小さい方を小値(T1min)として記憶する。
例えば、T1-1<T1-2のときT1-1が小値(T1min)となり、T1-2≧T1-3のときT1-3が小値(T1min)となる
(3) 前記比較した値の小値(T1min)時間内にポンプ1を起動して1回の冷却水吐出を行うものとする。この時、小値(T1min)にポンプ1のON-OFF許容回数(N)を乗じて単位時間を超える場合にポンプ1のON-OFFが許容されているものと判定する。
なお、ポンプ1のON-OFF許容回数(N)は、使用するポンプの仕様により決定される固有の値であり、回数/時のように単位時間当たりのON-OFF回数として与えられるものである。
(4) 次に、前記鋳造サイクルタイムの小値(T1min)から冷却水吐出時間(T2)を引いた値を前記ポンプが停止してもよい時間(T3)とする。
即ち、ポンプが停止してもよい時間(T3)=小値(T1min)−冷却水吐出時間(T2)、となる。
(5)また、ポンプ1の起動を冷却水吐出スタートの所定時間(α=例えば、3秒)前に行い、ポンプ1が実際に停止する時間(T4)を求める。
即ち、ポンプ1が実際に停止する時間(T4)=ポンプ1が停止してもよい時間(T3)−所定時間(α)、となる。
(6) ポンプ1の停止条件が満たされていれば、ポンプ1が実際に停止する時間(T4)を計算して、冷却水吐出スタートから冷却水吐出時間(T2)経過後に、ポンプ1を実際に停止する時間(T4)だけ停止させる。
(7) 以上により、ポンプ1の起動・停止が制御される。
【0016】
なお、実際のポンプ停止時間(T4)が短すぎる場合には、ポンプ1の停止直後にポンプを起動しなければならない。この様な状況では、ポンプ起動による突入の過電流が発生し電力コストが上がるだけであるため、実際のポンプ停止時間(T4)にある程度の長さを持たせる必要がある。そこで、実際のポンプ1の停止時間(T4)が、所定の時間(例えば、5秒)(β)より長い場合(T4≧β)には、ポンプ1を停止するように設定する。
【0017】
また、鋳造サイクルタイムが人為的に変更された場合や、何らかのトラブルが発生して鋳造機を手動に切替えて作業している場合など、鋳造毎の鋳造サイクルタイム(T1-1,T1-2,T1-3,…T1-n)を比較してほぼ同等であると判定できない場合には、ポンプ1の停止制御を解除して当該ポンプ1を起動するようにする。
即ち、特に鋳造サイクルタイムが早まった場合にポンプ休止制御を行っていると、必要な金型冷却水を供給できないことになるので、起動するようにする。
【0018】
また、ポンプ1は一旦休止後、次の冷却水吐出スタートに備えて起動するが、鋳造が終了して鋳造機が停止状態であったり、何らかのトラブルのために鋳造機が停止した状態にある時にポンプ1が動作し続けると、冷却水の温度が上昇してしまうので、ポンプ1が起動し所定時間(δ)経過しても冷却水が吐出されない場合には、ポンプ1を停止させるようにする。
【0019】
次に、本発明を図3に示した動作フロー図を参照しながら詳細に説明する。
#1ステップ
先ず、本金型冷却装置(以下、本装置と略称する。)を、鋳造機と連動して動作できるように設定しておく。
運転ボタンを押すと本装置のポンプ1が起動するので、作業者は鋳造機と連動して自動的に冷却水の吐出動作を行うモードを連動に切り替える。本装置は鋳造機からのスタート信号を受信して冷却水吐出動作を行える状態でもって待機する。本装置が待機している状態の時に、鋳造機からのスタート信号を受信せずに一定時間δ秒経過した場合は、吐出する冷却水の温度上昇を避けるために、本装置のポンプ1を停止させる。
【0020】
#2ステップ
鋳造機からのスタート信号を受信したら、ポンプ1を起動させ吐出電磁弁7a〜7eを開いて冷却水吐出動作を行う。なお、冷却水の吐出動作には、いろいろなパターンがあるが、図示したフローチャートでは説明のため最も単純な冷却パターンを表している。
そして、冷却水吐出時間に設定している時間(T2)が経過したら、吐出電磁弁7a〜7eを閉じて冷却水の吐出を停止する。
【0021】
#3ステップ
一方、鋳造機からのスタート信号を受信したら、鋳造サイクルタイム(T1)の計測を開始する。
鋳造サイクルタイム(T1-1)はスタート信号と次のスタート信号の間の時間としているので、次のスタート信号で鋳造サイクルタイム(T1)の計測を終了する。
ただしこの時、次の鋳造サイクルが始まっているので、それを次の鋳造サイクルタイム(T1-2)として計測を開始する。この様にして、毎回鋳造のたびに鋳造サイクルタイム(T1-n)を計測する。計測した鋳造サイクルタイム(T1-1,T1-2,T1-3,…T1-n)は、鋳造サイクルタイム同士の比較((T1-1−T1-2),(T1-2−T1-3),(T1-3−T1-4),…(T1-n-1−T1-n))並びに、鋳造サイクルタイム小値(T1min)を決定するために記憶しておく。
【0022】
#4ステップ
次に、鋳造サイクルタイム(T1-1,T1-2,T1-3,…T1-n)同士がほぼ一定であるかを比較する。その為に、鋳造サイクルタイムデータが2個以上記憶されているかを確認し、2個以上の鋳造サイクルタイムが記憶されている場合、比較のシーケンスを実行する。
鋳造サイクルタイム(T1-n)から前の鋳造サイクルタイム(T1-n-1)を差し引き、その値が±Yの範囲に入っていればT1比較カウンタの値Xをアップし、その値が±Yの範囲に入っていなければ、安定した状態の鋳造とはいえないので、鋳造サイクルタイムデータとT1比較カウンタの値Xをクリアする。
T1比較カウンタの値Xの値がγ以上になれば安定した鋳造を行っていると判断し、ポンプ休止制御の条件の一つを充たすので次のステップへ移行する。
【0023】
#5ステップ
次に、ポンプ1がON-OFFの許容回数を越えないかを判定する。
ポンプ1のON-OFFの許容回数は、100回/時のように時間当たりのON-OFF回数として与えられているので、N×T1min≧3600秒を充たせば許容回数を超えていないものとして、ポンプ休止制御の条件の一つを充たすので次のステップに移行する。
【0024】
#6ステップ
次に、ポンプ1が休止している時間を算出する。
ポンプが休止可能な時間(T3)は鋳造サイクルタイムの小値(T1min)から冷却吐出時間(T2)を差し引いた時間として求める。
そこで実際には、冷却水吐出動作直前までポンプが休止していると、ポンプの吐出能力が十分に発揮できない場合があるため、予めポンプ1を起動しておく必要がある。吐出動作前α秒にポンプを起動するとすれば、実際にポンプを休止している時間(T4)は(T3-α)として求められる。
【0025】
#7ステップ
次に、ポンプの休止時間が短くないか判断する。
実際のポンプの休止時間(T4)が短いと、ポンプが休止するという水温上昇防止の効果が薄れるばかりか、ポンプの起動には突入電流が定格電流の5〜6倍流れるため、消費する電力を増やす結果になる。
そこで、ポンプ休止時間(T4)がβ以上ない場合にはポンプ1の休止を行ず、(T4)≧βを充たす場合に次のステップに移行する。
【0026】
#8ステップ
上記の条件が充たされていれば、ポンプ休止動作を行う。
ポンプ1の休止動作は、冷却水吐出動作の終了から始まる。そのため、吐出電磁弁7a〜7eが閉状態にあることを確認して、ポンプ1の休止を行う。
ポンプ休止時間(T4)が経過したらば、ポンプ1を起動する。この時、鋳造サイクルタイムの変更や何らかのトラブルがあって手動で鋳造機を動かすなどの原因で鋳造サイクルタイムが短くなり、ポンプ休止時間(T4)が経過しないうちに、スタート信号を受信する場合が考えられる。そのため、ポンプ休止時間(T4)のタイムアップか又はスタート信号の受信でポンプ1を起動する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明実施の一例を示す回路図。
【図2】冷却水の吐出フロー図。
【図3A】本発明に係る金型冷却装置の動作フロー図で、#1〜#3までを示す。
【図3B】同、#4〜#8までを示す。
【符号の説明】
【0028】
1:モータ駆動ポンプ 2:モータ
3:バイパス回路 4:フィルタ
5a〜5e:冷却水路
6:チェック弁
7a〜7e:吐出電磁弁
8:圧力センサ 9:圧力計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型に穿設された冷却水路内に冷却水を当該金型が装着された鋳造機の鋳造サイクル毎に1回流通させて当該金型を冷却する鋳造用金型の冷却装置であって、
前記金型の冷却水路内に冷却水を吐出するモータ駆動ポンプの流入ヘッダ側と流出ヘッダ側にわたりバイパス回路を設けてなり、鋳造機の鋳造サイクルタイム(T1-1,T1-2,T1-3,…T1-n)を鋳造毎に計測して直前の鋳造サイクルタイムと比較した値((T1-1−T1-2),(T1-2−T1-3),(T1-3−T1-4),…)がそれぞれ所定の範囲内にある状態が所定回数続いた場合に前記比較した値の小さい方を小値(T1min)として記憶し、当該小値(T1min)時間内に前記ポンプを起動して1回の冷却水吐出を行うものとし、前記鋳造サイクルタイムの小値(T1min)から冷却水吐出時間(T2)を引いた値(T1min−T2)を前記ポンプが停止してもよい時間(T3)とし、前記ポンプの起動を冷却水吐出スタートの所定時間(α)前に行い(T3−α)前記ポンプが実際に停止する時間(T4)を求めることにより前記ポンプの起動・停止を制御することを特徴とする金型冷却装置。
【請求項2】
前記鋳造サイクルタイムを比較して得られた小値(T1min)に前記ポンプのON-OFF許容回数(N)を乗じて単位時間を超える場合に前記ポンプのON-OFFが許容されているものと判定することを特徴とする請求項1記載の金型冷却装置。
【請求項3】
前記ポンプの停止時間(T4)が、所定の時間(β)より長い場合(T4≧β)に前記ポンプを停止するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の金型冷却装置。
【請求項4】
前記鋳造サイクルタイムを比較してほぼ同等と判定できない場合に前記ポンプの停止制御を解除して当該ポンプを起動するようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金型冷却装置。
【請求項5】
前記ポンプが起動して冷却水吐出スタート指令が出された後、所定時間(δ)経過しても冷却水が吐出されない場合に当該ポンプを停止させるようにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の金型冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2008−114285(P2008−114285A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302579(P2006−302579)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000005256)株式会社アーレスティ (44)
【Fターム(参考)】