説明

釣り竿

【課題】 セラミック製塗膜層(または干渉薄膜層)での光輝性を良好にするとともに、持ち運び時、及び、格納時に傷つきを少なくする点にある。
【解決手段】 竿素材8の表面に螺旋状の凹凸面8Aを有するとともに、その上に塗料を施して複数の下塗り塗装層9A、9Bを形成し、複数の下塗り塗装層9A、9Bのうち上側に位置する第2下塗り塗装層9Bの表面に、セラミック材料を物理的又は化学的方法によって膜状に形成したセラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)を備える。セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の表面に、塗料を施して複数の上塗り塗装層10A、10B、10Cを形成し、第2下塗り塗装層9Bの表面、及び、下塗り塗装層における下側に位置する第1下塗り塗装層9Aと第2下塗り塗層層9Bとの境界面を、螺旋状凹凸面8Aを有しない平坦面に形成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック材料を物理的方法によって膜状に形成したセラミック製塗膜層又は干渉薄膜層を有する釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
竿の軽量化を図る目的と螺旋状凹凸面を研削削除する過程で強化繊維が切断されることによる竿自体の強度低下を回避する目的で、竿素材の表面に直接、物理蒸着による干渉薄膜層を備える釣り竿があった(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−172912号公報(段落番号〔0024〕、及び、図2)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確かに、上記した構成によって軽量化の達成及び強度維持が達成されたものであるが、竿素材の表面には、樹脂とともに強化繊維が表出しており、かつ、竿素材を焼成処理する前にその竿素材を巻き締める為の成形テープの巻締め跡である螺旋状の凹凸面が表出しているので、その上に直接干渉薄膜層を形成しても、強化繊維等の存在によって干渉薄膜層で干渉する光線による光輝性が十分で無かった面もあった。
【0005】
本発明の目的は、セラミック製塗膜層または干渉薄膜層を施す際に、竿素材の表面に対して工夫を凝らすことによって、装飾性の高い美観の保持と保管時の傷がつき難い釣り竿を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿素材の表面に螺旋状の凹凸面を有するとともに、その上に塗料を施して複数の下塗り塗装層を形成し、前記複数の下塗り塗装層のうち上側に位置する第2下塗り塗装層の表面に、セラミック材料を物理的又は化学的方法によって膜状に形成したセラミック製塗膜層を備え、前記セラミック製塗膜層の表面に、塗料を施して複数の上塗り塗装層を形成し、前記第2下塗り塗装層の表面、及び、前記下塗り塗装層における下側に位置する第1下塗り塗装層と前記第2下塗り塗層層との境界面を、螺旋状凹凸面を有しない平坦面に形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0007】
〔作用効果〕
つまり、竿素材の螺旋状凹凸面上に、セラミック製塗膜層を施す前に、下塗り塗装層を二層に亘って形成してある。これによって、第1下塗り層によって螺旋状凹凸面を覆うことができ、下塗り塗装層における第1下塗り塗装層の第2下塗り塗装層との境界面を、螺旋状凹凸面を有しない平坦面に形成することができる。
そうすると、第1下塗り塗装層の上に重ねられる第2下塗り塗装層も第1下塗り塗装層の前記境界面を基準に積層させることができるので、塗装層の厚みを釣り竿の全長に亘って所定の厚さのものにできる。
このように下塗り塗装層を二層に構成することによって、前記境界面では螺旋状凹凸面が表出しない限界まで薄い層にできるとともに、第1下塗り塗装層を第2下塗り塗装層の付着を強化するプライマーとして利用することができる。
したがって、第1下塗り塗装層の上に積層された第2下塗り塗装層は所定の厚みで処理され、その表面は平坦面となっているので、その上に施されたセラミック製塗膜層と第2下塗り塗装層との境界面で反射される光線の乱反射が抑えられ、発色効果を高めることができる。
一方、セラミック製塗膜層の表面と前記第2下塗り塗装層の表面とから反射される光線は上塗り塗装層の部分で屈折等を受けるところから、複雑な干渉等を行い、深みのある光沢を呈することとなる。
【0008】
〔効果〕
したがって、直接凹凸面上にセラミック製塗膜層や干渉薄膜層を施す場合に比べて、下塗り塗装層を介在させることによって、竿自体の重量化は招来するが、セラミック製塗膜層での光輝性を高めることができた。
しかも、セラミック製塗膜層を挟んで上下に塗装層を複数層に亘って配置してあるので、奥行きのある光沢を発揮するものでありながら、持ち運び時、又は、保管時の表面の傷つきを抑え、衝撃に強い釣り竿を提供できるに至った。
【0009】
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記第2下塗り塗装層の表面を、表面粗さの少ない平滑面に形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
〔作用効果〕
つまり、セラミック材料を物理的又は化学的方法によって施されるセラミック製塗膜層が、第2下塗り塗装層の上に形成されているので、強化繊維を含んだ竿素材に直接、セラミック製塗膜層が形成される場合に比べて、セラミック製塗膜層の下に位置する第2下塗り塗装層での反射光線が密になり、光輝性が向上する。
【0011】
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2記載の発明において、前記セラミック製塗膜層が光の干渉を利用して発色する干渉薄膜層である点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0012】
〔作用効果〕
セラミック製塗膜層として干渉薄膜層を形成しているので、光の干渉による多色発色が期待でき、装飾性に優れた釣り竿を提供できるにいたった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、鮎竿Aについて説明する。
図1に示すように、一番竿としての穂先竿1、二番竿から八番竿までの中竿2、9番竿としての元竿3とで、釣り竿としての纏まった鮎竿Aを形成する。ここに、1番竿から9番竿までの各竿を竿体と称する。
【0014】
各竿体の製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、マンドレル4に対して、周方向に引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cにエポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させたシート状プリプレグを裁断して形成した第1メインパターン5Aを第1層として巻回する。以後、軸線方向に強化繊維cを引き揃えた第2メインパターン5B、次に、周方向に強化繊維cを引き揃えた第3メインパターン5Cを巻回する。強化繊維cとしては、ガラス繊維でもよく、含浸させる樹脂としては熱可塑性樹脂であってもよい。
【0015】
第3メインパターン5Cを巻回した状態のものに、図5及び図6に示すように、ポリエステル等の成形テープ6を螺旋状に巻回し、この成形品を焼成炉3において焼成し、焼成後ウオータジェット装置等を使用して成形テープ6を剥離し、所定長さに切断して、竿素材8を構成する。竿素材8は、成形テープ6を剥離した状態であるので、図2に示すように、表面に螺旋状の凹凸面8Aが形成されている。
【0016】
以上のような構成になる竿素材8に対して複数層の塗装層を施して、穂先竿1等の竿体を構成する。塗装方法としては、図示してはいないが、塗料を吹き付ける吹き付け塗装、塗料を扱き付与する扱き塗装、真空蒸着、スパッタリングやイオンプレーティング等の物理的方法、及び、CVD等の化学的方法を使用して行われる。
【0017】
まず、穂先竿1等について説明する。図2(イ)に示すように、竿素材8の螺旋状の凹凸面8Aに対してエポキシ樹脂系の塗料を塗布して塗装層としての下塗り塗装層9を形成する。この下塗り塗装層9の上からウレタン樹脂系の塗料を塗布して塗装層としての上塗り塗装層10を形成する。下塗り塗装層9と上塗り塗装層10とは、吹き付けか又は扱き塗装方法で塗装を行う。塗装厚みは、下塗り塗装層9が約1ミクロン位であり、上塗り塗装層10は約10ミクロン位である。ここで下塗り塗装層9は、上塗り塗装層10の接着性の向上を図る為のプライマ―処理剤としての機能も担っている。
上塗り塗装層10の表面に、場合によっては、クリアー層を施しても良い。上塗り塗装層10の保護のためである。
【0018】
次に、本発明を実施する中竿2、続けて、後記する元竿3について説明する。図2(ロ)に示すように、中竿2においては、竿素材8の螺旋状の凹凸面8Aに対してエポキシ樹脂系の塗料を塗布して下塗り塗装層のうちの第1下塗り塗装層9Aを形成する。この第1下塗り塗装層9Aの上からエポキシ樹脂系の塗料か又はウレタン樹脂系の塗料を塗布して下塗り塗装層のうちの第2下塗り塗装層9Bを形成する。第1、第2下塗り塗装層9A、9Bは、吹き付けか又は扱き方法で塗装を行う。塗装厚みは、第1下塗り塗装層9Aが約1ミクロン位であり、第2下塗り塗装層9Bは約1ミクロンより厚いものであってもよい。ここで第1下塗り塗装層9Aは、第2下塗り塗装層9Bの接着性の向上を図る為のプライマ―処理剤としての機能も担っている。
【0019】
尚、第2下塗り塗装層9Bの表面に対しては、その表面粗さを無くす仕上げ処理を施して、後記するスパッタリング膜での反射光を鮮やかにし、光輝性を増す処理を施してもよい。この仕上処理は、成形テープ6によって形成された螺旋状の凹凸面8Aを研削して平坦面にする処理を行うものではなく、螺旋状の凹凸面8Aを残した状態で、その凹凸面8Aを含んだ面における細かい凹凸(面粗さ)を取り除く平滑処理をいうものである。また、下塗り塗装層9としては、一層だけでもよい。
【0020】
第2下塗り塗装層9Bの上には、塗装層としてのセラミック製塗膜層11、又は、そのセラミック塗膜層11のうち膜厚を干渉可能な厚みに設定した干渉薄膜層12を形成する。まず、セラミック製塗膜層11を採用する場合について説明する。図2(ロ)に示すように、セラミック製塗装膜11としては、セラミック材料としての窒化クロム(CrN)を真空蒸着等の蒸着方法によって、又は、スパッタリング・イオンプレーティング等の物理的膜形成方法によって、窒化クロム(CrN)膜を生成する。窒化クロム膜の厚さとしては、約1ミクロンより薄く形成する。物理的方法による生成膜としては、窒化クロム膜以外に、酸化チタン(TiO2)や窒化チタン(TiN)であってもよい。
このセラミック製塗膜層11においては、その表面で反射した光が光輝性を発揮し、釣り人に鮮やかな色彩として認識できる。
【0021】
第2下塗り塗装層9Bの上に施すものとしては、干渉薄膜層12であってもよい。干渉薄膜層12を形成するには、ここでは図示していないが、真空蒸着法を用いて行う。
つまり、真空チャンバー内に公転しながら自転する複数の竿体を縦向き姿勢で支持したホルダーを設置し、そのホルダーに向けて蒸発させたセラミック製蒸着物を誘導して竿体に付着させるように構成する。
【0022】
蒸発方法としては、抵抗加熱方式、電子銃方式、プラヅマ方式等あるが、適宜選択できる。竿体に付着させる蒸着物としては、前記した窒化クロム(CrN)等を採用する。窒化クロム膜の厚さとしては、約1ミクロンより薄く形成する。他の生成膜としては、窒化クロム膜以外に、酸化チタン(TiO2)や窒化チタン(TiN)、さらには、アルミナ、モリブデン等であってもよい。
【0023】
ここでの干渉薄膜層12では、図3(イ)に示すように、干渉薄膜層12の表面で反射した光線R1と第2下塗り塗装層9Bの表面で反射した光線R2との干渉を利用して補色を発生させるものであるために、層厚は厳密に管理される必要があり、望ましくは、7000オングストローム以下に抑えることが必要である。
また、図3(ロ)に示すように、干渉薄膜層12を上側干渉薄膜層12Aと下側干渉薄膜層12Bに重ねて構成することも可能であり、この場合には、下側干渉薄膜層12Bに窒化クロム(CrN)膜、上側干渉薄膜層12Aに酸化チタン(TiO2)膜を重ねて設けてもよい。この場合には、第3の光線R3も干渉作用に加わってくるので、虹色の発色を見ることができるものと考えられる。
【0024】
図2(ロ)に示すように、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の上には、第1上塗り塗装層10Aを形成するとともに、更に、上方に第2上塗り塗装層10Bを形成している。第1上塗り塗装層10Aとしては、ウレタン樹脂系の塗料を塗布し、第2上塗り塗装層10Bとしては、ウレタンクリヤー塗装を施して、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の保護を行っている。第2上塗り塗装層10Bとしては、カラークリヤーを施してもよい。又は、上塗り塗装層10としては、第1上塗り塗装層10Aか第2上塗り塗装層10Bのいずれか一方であってもよい。
【0025】
このように、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の上に二重の保護層を設けることによって、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)から反射する光線が複雑な屈折模様を見せて、趣きある装飾を呈するものとなる。
【0026】
次に、元竿3等について説明する。図2(ハ)に示すように、竿素材8の螺旋状の凹凸面8Aに対してエポキシ樹脂系の塗料を塗布して下塗り塗装層を構成する第1下塗り塗装層9Aを形成する。この第1下塗り塗装層9Aの上からエポキシ樹脂系の塗料か又はウレタン樹脂系の塗料を塗布して下塗り塗装層を構成する第2下塗り塗装層9Bを形成する。第1、第2下塗り塗装層9A、9Bは、吹き付けか又は扱き塗装方法で塗装を行う。塗装厚みは、第1下塗り塗装層9Aが約1ミクロン位であり、第2下塗り塗装層9Bは約1ミクロンより厚いものであってもよい。ここで第1下塗り塗装層9Aは、第2下塗り塗装層9Bの接着性の向上を図る為のプライマ―処理剤としての機能も担っている。
ここまでは、中竿2の場合と同様である。
【0027】
尚、第2下塗り塗装層9Bを施す前に、第1下塗り塗装層9Aの表面に対して研削処理を施す。つまり、竿素材8の表面に刻設された螺旋状の凹凸面8Aの影響を取り除くべく、研削処理を施して、その凹凸面8Aが存在しない平坦面にする。そして、更に、第2下塗り塗装層9Bの表面に対しては、螺旋状の凹凸面8Aが存在しない平坦面に形成するとともに、その表面粗さを無くす仕上げ処理を施して、後記するスパッタリング膜での反射光を鮮やかにする処理を施す。この仕上げ処理は、前記した平坦面における細かい凹凸(面粗さ)を取り除く平滑処理をいうものである。
【0028】
第2下塗り塗装層9Bの上には、中竿2と同様に、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)を形成する。塗装方法等は中竿2の場合と同様であるので、ここでは、割愛する。
【0029】
図2(ハ)に示すように、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の上には、第1上塗り塗装層10Aを形成するとともに、その上方に第2上塗り塗装層10Bを形成し、更に、その上方に第3上塗り塗装層10Cを形成している。第1上塗り塗装層10Aとしては、ウレタン樹脂系のクリヤーを塗布しセラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の保護を図る。第2上塗り塗装層10Bとしては、ウレタン樹脂系の塗料か、カラークリヤー、又はウレタンクリヤー塗装を施して、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の保護を行っている。第3上塗り塗装層10Cとしては、ウレタン樹脂系の塗料か、又はウレタンクリヤー塗装を施して、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の保護を行っている。
【0030】
第1上塗り塗装層10A〜第3上塗り塗装層10Cを形成する際に、元竿3の軸線方向に沿って一定の厚さで塗料を塗布しているので、第1上塗り塗装層10Aにおける第2上塗り塗装層10Bとの境界面、及び、第2上塗り塗装層10Bにおける第3上塗り塗装層10Cとの境界面、第3上塗り塗装層10Cの表面は、螺旋状の凹凸面8Aの影響を受けない平坦面に形成されている。
【0031】
或いは、上塗り塗装層10としては、第1上塗り塗装層10Aと第2上塗り塗装層10Bの組み合わせか、または、第2上塗り塗装層10Bか第3上塗り塗装層10Cのいずれか一方の組み合わせを選択し、二層の上塗り塗装層としてもよい。以上のように、穂先竿1が塗装構造として二層構造であり、中竿2や元竿3等が5層構造を採っており、大径竿体の方が塗装層を多くもっている。
【0032】
〔別実施形態〕
(1) 中竿2における第1下塗り塗装層9Aと第2下塗り塗装層9Bとに対して、元竿3の場合と同様に、表面を平坦面にして螺旋状の凹凸面を無くす構成を採ってもよい。
(2) 中竿2における第1下塗り塗装層9Aと第2下塗り塗装層9Bとに対して、元竿3の場合と同様に、表面を平坦面にして螺旋状の凹凸面を無くす構成を採った場合には、中竿2における第1上塗り塗装層10Aと第2上塗り塗装層10Bとに対して、元竿3の場合と同様に、表面を平坦面にして螺旋状の凹凸面を無くす構成を採ってもよい。つまり、第1上塗り塗装層10Aと第2上塗り塗装層10Bを形成する際に、中竿2の軸線方向に沿って一定の厚さで塗料を塗布して、第1上塗り塗装層10Aにおける第2上塗り塗装層10Bとの境界面、及び、第2上塗り塗装層10Bの表面は、螺旋状の凹凸面8Aの影響を受けない平坦面に形成することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】鮎竿を示す側面図
【図2】(イ)は穂先竿の塗装層を示す縦断側面図、(ロ)は中竿の塗装層を示す縦断側面図、(ハ)は元竿の塗装層を示す縦断側面図
【図3】干渉薄膜での干渉状態を示すものであり、(イ)は干渉薄膜を一層分形成した状態を示す縦断側面図、(ロ)は干渉薄膜を二層分形成した状態を示す縦断側面図
【図4】マンドレルに第1層から第3層を巻き付ける状態を示す側面図
【図5】成形テープを巻回する状態を示す斜視図
【図6】焼成する状態を示す作用図
【符号の説明】
【0034】
1 穂先竿
2 中竿
3 元竿
8 竿素材
8A 螺旋状の凹凸面
9 下塗り塗装層
9A 第1下塗り塗装層
9B 第2下塗り塗装層
10 上塗り塗装層
10A 第1上塗り塗装層
10B 第2上塗り塗装層
10C 第3上塗り塗装層
11 セラミック製塗膜層
12 干渉薄膜層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿素材の表面に螺旋状の凹凸面を有するとともに、その上に塗料を施して複数の下塗り塗装層を形成し、前記複数の下塗り塗装層のうち上側に位置する第2下塗り塗装層の表面に、セラミック材料を物理的又は化学的方法によって膜状に形成したセラミック製塗膜層を備え、前記セラミック製塗膜層の表面に、塗料を施して複数の上塗り塗装層を形成し、前記第2下塗り塗装層の表面、及び、前記下塗り塗装層における下側に位置する第1下塗り塗装層と前記第2下塗り塗層層との境界面を、螺旋状凹凸面を有しない平坦面に形成してある釣り竿。
【請求項2】
前記第2下塗り塗装層の表面を、表面粗さの少ない平滑面に形成してある請求項1記載の釣り竿。
【請求項3】
前記セラミック製塗膜層が光の干渉を利用して発色する干渉薄膜層である請求項1又は請求項2記載の釣り竿。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−110926(P2007−110926A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303177(P2005−303177)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】