鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ装置およびそのブレーキ処理方法
【課題】ブレーキ性能が向上し且つ省電力化し得る鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ。
【解決手段】結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、上記ワイヤリールの回転に対して制動を加えるブレーキ手段32と、上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段54と、上記検出手段54の検出結果に基づいて上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ブレーキ手段32の制動開始時間を基準時間よりも早くする制御手段50とを備える。
【解決手段】結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、上記ワイヤリールの回転に対して制動を加えるブレーキ手段32と、上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段54と、上記検出手段54の検出結果に基づいて上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ブレーキ手段32の制動開始時間を基準時間よりも早くする制御手段50とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋結束機において所定長さの結束用ワイヤを送り出した後にワイヤリールの回転を停止させるブレーキ装置およびそのブレーキ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋結束機において、所定長さのワイヤ送りがなされるとワイヤ送りは停止するが、ワイヤリールは慣性によって回り続ける。そのため、ワイヤリールに巻装されたワイヤの径は膨らみ、次回のワイヤ送りに支障をきたすことがある。これを解決するものとして、例えば特許文献1のように、ワイヤリールの近傍にワイヤリールに係合可能なフック状のブレーキレバー(特許文献1のブレーキ手段と同義)を配置し、このブレーキレバーをソレノイドで作動させるブレーキ機構の技術が開示されている。なお、特許文献1のブレーキ機構は、ワイヤリールからワイヤを所定長さだけ送り出した後に、ソレノイドによりブレーキレバーをワイヤリールの周縁部に係合するよう作動させてワイヤリールの回転を停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−156746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の図3に示す鉄筋結束機のブレーキ機構において、ブレーキレバーが支軸を中心に回転する構成(バネを含む)では、ソレノイドを作動させてからブレーキが作動するまでに若干のタイムラグが生じる。また、例えばブレーキレバーとこのブレーキレバーを作動させるソレノイドとの間に、リンク機構(バネを含む)を介在させると、上述した特許文献1の図3よりも、さらにタイムラグが大きくなると想定し得る。なお、ソレノイドなどの電源となるバッテリを省電力化すると、バッテリを長時間有効利用し得る。
【0005】
そこで、本発明は、ブレーキ性能が向上し且つ省電力化し得る鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ装置およびそのブレーキ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ処理装置は、結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、上記ワイヤリールの回転に対して制動を加えるブレーキ手段と、上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段と、上記検出手段の検出結果に基づいて上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ブレーキ手段の制動開始時間を基準時間よりも早くする制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ処理方法は、結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段の検出結果に基づき、上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ワイヤリールの回転を停止させるブレーキ手段の制動開始時間を基準時間よりも早くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び2に係る発明によれば、送り手段の電源電圧が所定基準値以上の場合は、ワイヤの送り速度が速くなるので、その速くなる分だけワイヤリールにブレーキを掛けるタイミングも早くしなければ、逆にブレーキを掛けるタイミングが遅くなるが、送り手段の電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、ワイヤリールの回転を停止させるストッパ装置の制動開始時間を基準時間よりも早くするので、適正なタイミングでブレーキが掛けられ、ブレーキ性能が向上する。
【0009】
これに対し、送り手段の電源電圧が基準値よりも低い場合は、ワイヤの送り速度は通常に戻るので、送り手段の駆動源たとえばソレノイドのオン時間は上記送り手段の電源電圧が所定基準値以上の場合よりも短くなるので、省電力となる。即ち、本発明によれば、送り手段の電源電圧によってブレーキを掛けるタイミングを変更するので、確実にワイヤリールの慣性回転を停止させることができ、かつ無用な電力消費をカットし得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1実施形態における鉄筋結束機の要部を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す鉄筋結束機の平面図である。
【図3】図1に示す側面図である。
【図4】図2に示すブレーキ装置の要部平面図である。
【図5】図4に示すブレーキ装置の全体斜視図である。
【図6】図5に示すブレーキ装置の分解斜視図鉄筋結束機の側面図である。
【図7】図4に示すブレーキ装置のブレーキ動作時における要部平面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】図1に示す鉄筋結束機のブロック図である。
【図10】図1に示す鉄筋結束機の結束モードのフローチャート図である。
【図11】図1に示すソレノイドの作動タイミングを表す図である。
【図12】図1に示す鉄筋結束機の省電力モードのフローチャート図である。
【図13】図1に示す鉄筋結束機のブレーキタイミング変更モードのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1乃至図9に基づいて、本発明の一実施形態である鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ装置について説明する。図1は本実施形態における鉄筋結束機の要部を示す全体斜視図、図2は図1に示す鉄筋結束機の平面図、図3は図1に示す側面図、図4は図2に示すブレーキ装置の要部平面図、図5は図4に示すブレーキ装置の全体斜視図、図6は図5に示すブレーキ装置の分解斜視図、図9は図1に示す鉄筋結束機のブロック図である。
【0012】
(鉄筋結束機の概略構成)
図1乃至図3に示すように、鉄筋結束機10は、結束機本体11と、結束機本体11に対し着脱可能に配置されるワイヤリール20を備える。ワイヤリール20は、図示しないレバーを操作するのみで、着脱し得るように構成されている。結束機本体11には、結束用ワイヤWの通路12Aおよび12B(図2および図3参照)が配置される。図2に示すように、通路12Aおよび12B間には、送り手段の一部を構成する一対の送りギヤ13が、ワイヤWを挟持し得るように配置される。結束機本体11には、図3に示すように、送りギヤ13を回転させる送りモータ14(送り手段の一部を構成する)が配置される。なお、結束機本体11にはトリガ18(図3参照)が配置されており、トリガ18が引き操作されることよって送りモータ14は駆動する。
【0013】
結束機本体11の送り方向側(図3では右側)には、ループ状にワイヤW(図3では2点鎖線で示す)を曲げるように案内するガイド15が配置される。また、結束機本体11には捩りモータ16が配置されており、捩りモータ16には図示しない捩りフックが連結される。そして、捩りフックは、捩りモータ16が回転することによって駆動し、複数本(図3では2本)の鉄筋24の周囲に巻き付けられたループ状のワイヤWを捩る。
【0014】
即ち、捩りフックは、正転してループ状のワイヤWまで進出して捩り、捩り終わった後に逆転して初期位置へ後退するように構成されている。また、捩り処理が終了したワイヤWは、図示しない捩りフックに連動するカッタ(図示省略)で切断される。なお、これらの機構は従来公知の機構と同様であるので、これ以上の詳述は省略する。
【0015】
(ブレーキ装置に関する構成)
図4に示すように、ワイヤリール20は、一対のフランジ20Aおよび20Bを備える。一方のフランジ20Aには、略鋸刃状の係合部21(図3参照)が所定間隔に複数形成される。係合部21は対応するようにストッパレバー30が配置される。図5に示すように、ブレーキ手段であるブレーキ装置Sは、上述したストッパレバー30と、ソレノイド32と、リンク33と、シャフト34と、連結輪37と、ねじりコイルバネ(以下、バネともいう)36と、中空ピン38と、ブラケット40を備える。ブラケット40は、ソレノイド32を固定すると共に、シャフト34を支持する。ブラケット40は、図2に示すように、結束機本体11のカバー17(2点鎖線で示す)内に配置される。
【0016】
図5に示すように、ソレノイド32の鉄芯32Aはスライド可能に配置されており、ソレノイド32のオン時には鉄芯32Aが長さL分だけソレノイド32に引き込まれる(図7参照)。なお、ソレノイド32のオフ時における鉄芯32Aは、図4に示す初期位置に保持される。ソレノイド32のオン・オフの切換は、CPU50(図9参照)によって制御される。
【0017】
図6に示すように、鉄芯32Aおよびリンク33の一端はピン33Aを介して連結される。一方、リンク機構を構成するリンク33の他端およびシャフト34に固定された連結輪37はピン33Bで連結されると共に、シャフト34は連結輪37を介してブラケット40に回転可能に配置される。また、シャフト34はブラケット40の筒部40Aに挿通される。そして、鉄芯32Aおよびリンク33がスライドすると、シャフト34はその軸心回りに回転する。なお、シャフト34には、その先端にDカットされたDカット部34Aを有する。
【0018】
ブラケット40の筒部40Aから突出するシャフト34は、軸受35・中空ピン38及びバネ36のコイル部36Aならびにストッパレバー30のDカットされた孔30Aに挿通される。そして、ストッパレバー30などは、止具39によってシャフト34から抜け止めされる。
【0019】
シャフト34のDカット部34Aはストッパレバー30の孔30Aに対応し、シャフト34が回転することによってストッパレバー30はシャフト34を中心に回転する。ストッパレバー30には、ワイヤリール20の係合部21に係合する係止部31が略L状に形成されている(図3参照)。
【0020】
そして、図6に示すソレノイド32及びシャフト34並びにブラケット40は、図2に示すカバー40内に配置される。また、図5に示すように、ストッパレバー30を回転させるシャフト34は、その摺動部分がブラケット40の筒部40A及び軸受35並びに中空ピン38内となっている。即ち、ストッパレバー30を回転させるソレノイド32及びシャフト34は、カバー17などで全て覆い隠される。
【0021】
図6に示すように、バネ36のコイル部36Aは中空ピン38のコイル受け38Aに挿入され、バネ36は中空ピン38で支持される。図3に示すように、バネ36の引掛部36Bは結束機本体11に係止され、引掛部36Cはストッパレバー30の外側に係止される(図5参照)。そのため、バネ36は、ストッパレバー30を常に図3に示す矢印方向(すなわち、反時計方向)へ付勢している。
【0022】
即ち、ストッパ装置Sは、ストッパレバー30とこのストッパレバー30を作動させるソレノイド32との間にリンク機構を介在させたので、上述した特許文献1の図3よりも、ブレーキを作動させるまでのタイムラグが更に大きくなる。なお、ストッパ装置Sにおける待機モード即ちソレノイド32のオフ時は、図1乃至図5に示す状態である。
【0023】
(鉄筋結束機の制御系に関する構成)
鉄筋結束機10は、図9に示すように、計時機能をも有するCPU50と、メモリ52と、バッテリ53と、センサ54と、トリガSW(SWはスイッチの略)56と、電圧検出回路57と、ソレノイド32と、捩りモータ16と、送りモータ14を備える。CPU50は鉄筋結束機10の全体的な動作を司り、たとえばトリガSW56からスイッチ信号がCPU50へ入力された場合、そのスイッチ信号に基づき結束処理を行う。また、上述したように、CPU50には計時するためのタイマ51を備える。なお、CPU50は、制御手段およびカウント手段である。
【0024】
記録手段であるメモリ52には、鉄筋結束機10に各種の処理を制御するプログラムが記録される。例えば、メモリ52には、ソレノイド32のオン時間なども記録されている。センサ54は、送りギヤ13の回転を検出できるように配置されている。即ち、送りギヤ13と一緒に回転する磁石を、センサ54であるホールICにて検出する構成となっている。そして、センサ54は送りギヤ13が半回転したことを検出し、CPU50はセンサ54の検出信号に基づいてワイヤWを所定長さ例えば1回80cm送出したか否かを送りギヤ13の回転回数で判断する。
【0025】
バッテリ53は、CPU50・ソレノイド32・捩りモータ16・送りモータ14などの電源であり、ソレノイド32またはCPU50などを起動させる電力を供給する。また、電圧検出手段である電圧検出回路57はバッテリ53の電圧を検出し、この検出結果である検出値データはCPU50へ入力する。そして、CPU50は、入力された検出値データであるバッテリ53の電源電圧を、メモリ52に記録される基準電圧と比較する。なお、バッテリ53の配線は、電圧検出回路57以外の図示を省略する。これは、CPU50などの各電子部品に複数の配線を接続する場合の錯綜を防止するためである。
【0026】
トリガSW56は、図3に示すトリガ18の引き操作に連動し、スイッチがオンになるように構成されている。そして、トリガSW56がオンになると、CPU50は送りモータ14即ち送りギヤ13を回転させてワイヤWを送り方向へ引き出す。即ち、送りモータ14および捩りモータ16は、CPU50からの駆動信号に基づき回転駆動する。なお、捩るモータ16は、正転および逆転可能となっている。
【0027】
また、ソレノイド32は、CPU50からの駆動信号(即ち、オン信号)に基づき、鉄芯32を初期位置(図4に示す位置)から引込方向へスライドさせる。そして、駆動信号がCPU50から供給されないと、ソレノイド32はオフ状態となり、図5に示すストッパレバー30はバネ36の付勢力によって初期位置(図3に示す位置)に復帰する。
【0028】
(本実施形態の作用)
図3に示す鉄筋結束機10のトリガ18を引き操作すると、ワイヤリール20に巻装されたワイヤWは、送りギヤ13で所定長さに亘り送り出され、複数本の鉄筋24の周囲に巻き回される。そして、ワイヤWの送り動作が終了する直前に、ソレノイド32はオンとなり、鉄芯32Aを引き込む。この引き込み動作により、ストッパレバー30は、バネ36の付勢力に抗して図8の矢印方向(時計回り方向)へ回転する。
【0029】
そのため、図8に示すように、ストッパレバー30の係止部31は、ワイヤリール20の係合部21に係合し、ワイヤリール20の回転を停止させる。従って、ワイヤリール20が惰性で回転することが無くなるので、ワイヤWの径が膨らむことが無く、ワイヤWを常に円滑に送ることができる。なお、図7は図4に示すブレーキ装置Sのブレーキ動作時における要部平面図であり、図8は図7の側面図である。
【0030】
そして、所定時間経過後、ソレノイド32はオフとなり、ストッパレバー30はバネ36の付勢力によって図3の矢印方向(反時計回り方向)へ回転すると共に、鉄芯32Aも初期位置へスライドする(図4参照)。その後、図9に示すCPU50の駆動信号に基づいて捩りモータ16すなわち捩りフックを駆動させ、ワイヤWを捩って結束させる。なお、CPU50は、ワイヤWの送り動作が終了した後に、捩りモータ16へその駆動信号を出力する。
【0031】
次に、図10に示すフローチャートに基づき、上述した結束処理(結束モードと同義)に関する処理を説明する。ここで、図1に示す鉄筋結束機10における処理は、CPU50(図9参照)によって実行され、図10のフローチャートで表される。このプログラムは、予め鉄筋結束機10のメモリ52(図9参照)のプログラム領域に記憶されている。なお、図11は、図1に示すソレノイド32の作動タイミングを表す図である。
【0032】
(結束モード)
図10に示すステップ100において、トリガSW56(図9参照)がオンか否かを判断する。即ち、図3に示すトリガ18が引き操作され、トリガSW56がオンになったか否かを判断する。ステップ100が肯定の場合すなわちトリガSW56がオンの場合、ステップ102において、CPU50は送りモータ14を駆動させる。なお、ステップ100が否定の場合は、トリガSW56がオンになるのを待つ。
【0033】
ステップ104において、図2に示す送りギヤ13の回転回数が基準値(請求項1又は2における「所定長さ以前の所定送り量」と同義)となったか否かを判断する。ここで、基準値とは、送りギヤ13がワイヤWを所定長さ以前の所定送り量まで送り出す回転回数になったか否かを判断する基準回数である。
【0034】
即ち、図9に示すセンサ54で送りギヤ13の回転を検出することにより、CPU50は送りギヤ13が基準値たとえば17回転したか否かを判断する。ステップ104が肯定の場合すなわち送りギヤ13の回転回数が基準回数に達した場合、ステップ106において、図9に示すソレノイド32をオンにする。なお、ステップ104が否定の場合は、送りギヤ13の回転回数が基準回数に達するのを待つ。
【0035】
ステップ108において、送りギヤ13の回転回数が基準値(例えば17回転半)となったか否かを判断する。ここで、基準値とは、送りギヤ13がワイヤWを所定長さ送り出す回転回数になったか否かを判断する基準回数である。即ち、ステップ108は、ステップ104の基準回転(17回転)から半回転したか否かを判断する。
【0036】
ステップ108が肯定の場合すなわち送りギヤ13の回転回数が基準回数に達した場合、ステップ110において、CPU50は送りモータ14を停止させると共に、図9に示すタイマ51で計時のカウントを開始する。ここで、ワイヤ送り終了直前にソレノイド32をオンにするのは、ソレノイド32の作動からワイヤリール20にブレーキが掛かるまでのタイムラグを考慮したものである。なお、ステップ108が否定の場合は、送りギヤ13の回転が基準回数に達するのを待つ。
【0037】
ステップ112において、CPU50はタイマ51のカウント値がブレーキ解除時間の基準値たとえば0.1秒(図11参照)になったか否かを判断する。ステップ112が肯定の場合すなわちブレーキ解除時間(カウント値が0.1秒)になった場合には、ステップ114において、ソレノイド32をオフにする。
【0038】
ステップ112が否定の場合は、基準時間になるのを待つ。ここで、0.1秒に亘ってワイヤリール20にブレーキを掛けるのは、実験上ワイヤリール20の回転を確実に停止させるのに必要なブレーキ解除時間だからである。なお、このブレーキ解除時間は、ストッパ装置Sのリンク機構の構成変更などにより、0.08秒または0.12秒など任意に変更し得る。
【0039】
ステップ116において、ねじり処理を行う。ねじり処理は、捩りモータ16を正転駆動させて図示しない捩りフックで複数本の交差した鉄筋24(図3参照)の周囲に巻き付けられるワイヤW(図3の2点鎖線参照)を捩る処理、および捩りモータ10を逆転駆動させて捩りフックを初期位置へ復帰させる処理である。そして、ステップ116の処理が終了した場合には、本フローチャートの処理は終了する。なお、図10に示す結束モードは、トリガSW56がオンされる毎に繰り返される。
【0040】
本実施形態によれば、送りギヤ13でワイヤWを所定長さ以前の所定送り量(ステップ104の基準回数)まで送り出した後、ワイヤリール20の回転に対してストッパ装置Sで制動を開始するので、ワイヤリール20を制動する際のタイムラグを少なくでき、ブレーキ性能が向上する。
【0041】
なお、以下に鉄筋結束機10における省電力モードおよびブレーキタイミング変更モードに関する処理を、図12および図13に示すフローチャートに基づき説明する。
【0042】
(省電力モード)
図12に示すステップ120において、トリガSW56がオンか否かを判断する。ステップ100が肯定の場合すなわちトリガ18が引き操作された場合、ステップ122において、CPU50は送りモータ14を駆動させる。ステップ124において、図9に示すメモリ52から結束回数を読出す。ここで、結束回数のカウントについて、図1に示すワイヤリール20を結束機本体11へ装填する毎に、カウント手段であるCPU50はメモリ52の記憶領域における結束回数のカウント値をリセットすると共にカウントを開始する。なお、ワイヤリール20に巻装されるワイヤWは、一般的に120回の結束処理を行える。
【0043】
ステップ126において、結束回数が基準値以下か否かを判断する。即ち、CPU50は、基準値たとえばカウント値が40回以下か否かを判断する。ステップ126が肯定の場合すなわちカウント値が40回以下の場合、ステップ128において、CPU50はブレーキ処理を行う。このブレーキ処理は、図10に示すステップ104乃至ステップ114の各処理である。
【0044】
ステップ128のブレーキ処理が終了した後、ステップ130において、ねじり処理(図10のステップ116と同一の処理)を行う。ステップ126が否定の場合すなわちカウント値が40回以上の場合は、ステップ130に進む。即ち、ステップ126が否定の場合は、ステップ128のブレーキ処理を省略する。ここで、カウント値が40回未満の場合にのみブレーキ処理を行うとしたのは、ワイヤWの最大巻き径およびワイヤリール20のフランジ20Aおよび20Bの外周の直径差が少ないので、ワイヤリール20が慣性回転するとワイヤWがフランジ20Aおよび20Bから突出し次回のワイヤ送りに支障がきたすからである。
【0045】
一方、カウント値が40回以上の場合にブレーキ処理を省略するは、ワイヤWの最大巻き径およびワイヤリール20のフランジ20Aおよび20Bの外周の直径差が大きいので、ワイヤリール20が慣性回転しても、ワイヤWがフランジ20Aおよび20Bから突出しないからである。
【0046】
ステップ130のねじり処理が終了した後、ステップ132において、結束回数をカウントする。即ち、CPU50は、現在のカウント値たとえば20に、1をインクリメントすることによってカウント値を21とする。そして、ステップ134において、カウント値たとえば21をメモリ52に記録する。なお、この記録したカウント値は、次回ステップ124で読み出す。ステップ134の処理が終了した場合には、本フローチャートの処理は終了する。図12に示す省電力モードは、トリガSW56がオンされる毎に繰り返される。
【0047】
本実施形態においては、送りギヤ13で所定長さ送り出されたワイヤWを捩って結束する結束回数が基準値以下の場合(具体的には、ステップ126が肯定の場合)にのみ、ワイヤリール20の回転をストッパ装置Sで制動する。即ち、本実施形態によれば、所定長さのワイヤWの結束回数が基準回数以上の場合(具体的には、ステップ126が否定の場合)には、ブレーキ処理を省略するので、省電力となり、図9に示すバッテリ53の使用時間が延びバッテリ53を長時間有効利用し得る。
【0048】
(ブレーキタイミング変更モード)
図13に示すステップ140において、トリガSW56がオンか否かを判断する。ステップ140が肯定の場合すなわちトリガ18が引き操作された場合、ステップ142において、CPU50は送りモータ14を駆動させる。ステップ144において、CPU50は図9に示す電圧検出回路57を介してバッテリ53の電圧値を検出する。即ち、CPU50は、電圧検出回路57より入力される電圧値データを読出す。ここで、バッテリ電圧について、フル充電(即ち、最高電圧と同義)の場合はたとえば16Vとし、最低電圧(即ち、電源がオンしなくなる直前の電圧)は例えば14.4Vとする。そして、図9に示すメモリ52は、その記憶領域にバッテリ電圧の基準値を、例えば15Vと記憶している。
【0049】
ステップ146において、バッテリの電圧値が基準値以下か否かを判断する。即ち、CPU50は、バッテリ電圧が15V以下か否かを判断する。ステップ146が肯定の場合すなわちバッテリ電圧値が15V以下の場合、ステップ148において、CPU50は図9に示すソレノイド32の駆動開始タイミング(制動開始時間と同義)を基準値たとえばステップ104における基準回転(17回転)とする。即ち、17回転でソレノイド32を駆動させブレーキを掛ける。
【0050】
ステップ146が否定の場合すなわちバッテリ電圧値が15V以上の場合、ステップ150において、ソレノイド32の駆動開始タイミングを基準回転(17回転)よりも早くする。例えば、ストッパ装置Sの制動開始時間を基準時間よりも早くするため、基準値を16回転半でソレノイド32を駆動させブレーキを掛ける。
【0051】
ここで、ステップ150の処理を設けたのは、バッテリ電圧が基準値よりも高いと、ワイヤWの送り速度が速くなるので、ワイヤリール20にブレーキを掛けるタイミングを早める必要があるからである。この場合、ソレノイド32に流す電流の終わりを図11に示す例と同一とするので、ソレノイド32のオン時間は結果的に長くなる。
【0052】
一方、バッテリ電圧が基準値よりも低い場合、ワイヤWの送り速度は通常(標準と同義)に戻るので、図10の例と同一にする。即ち、ソレノイド32のオン時間は、ステップ150よりも短くなるので、省電力となる。従って、バッテリ電圧によってブレーキを掛けるタイミングを変更するので、確実にワイヤリール20の慣性回転を停止させることができ、かつ無用な電力消費をカットし得る。
【0053】
ステップ148またはステップ150の処理が終了した後、ステップ152において、ブレーキ処理を行う。このブレーキ処理は、図10に示すステップ104乃至ステップ114の各処理である。ステップ152のブレーキ処理が終了した後、ステップ154において、ねじり処理(図10のステップ116と同一の処理)を行う。ステップ154のねじり処理が終了した場合、本フローチャートの処理は終了する。図13に示すブレーキタイミング変更モードは、トリガSW56がオンされる毎に繰り返される。
【0054】
本実施形態において、バッテリ53の電源電圧が所定基準値以上の場合(ステップ146が否定の場合)は、ワイヤWの送り速度が速くなるので、その速くなる分だけワイヤリール20にブレーキを掛けるタイミングも早くしなければ、逆にブレーキを掛けるタイミングが遅くなる。即ち、本実施形態によれば、バッテリ53の電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、ワイヤリール20の回転を停止させるストッパ装置Sの制動開始時間を基準時間よりも早くするので、適正なタイミングでブレーキが掛けられ、ブレーキ性能が向上する。
【0055】
一方、本実施形態において、バッテリ電圧が基準値よりも低い場合(ステップ146が肯定の場合)は、ワイヤWの送り速度は通常に戻るので、ソレノイド32のオン時間はステップ150よりも短くなるので、省電力となる。即ち、本実施形態によれば、バッテリ電圧によってブレーキを掛けるタイミングを変更するので、確実にワイヤリール20の慣性回転を停止させることができ、かつ無用な電力消費をカットし得る。
【0056】
なお、ストッパレバー30を駆動する動力源はソレノイド32の他に、モータ等としても良い。また、ストッパレバー30とその駆動源の間に介在するリンク機構の構成変更などにより、請求項1または請求項2における所定送り量たとえば送りギヤ13の回転回数の基準値(ステップ104参照)は、任意に設定変更し得る。
【0057】
また、上記実施形態において説明した各プログラムの処理の流れ(図10、図12及び図13参照)は一例であり、本実施形態の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。即ち、結束モードまたは省電力モードまたはブレーキタイミング変更モードを任意に組合わせても良い。
【符号の説明】
【0058】
10 鉄筋結束機
11 鉄筋結束機本体
13 送りギヤ(送り手段)
14 送りモータ(送り手段)
20 ワイヤリール
21 ワイヤリールの係合部
24 鉄筋
30 ストッパレバー(ブレーキ手段)
32 ソレノイド(ブレーキ手段)
50 CPU(制御手段またはカウント手段)
52 メモリ(記録手段)
53 バッテリ(送り手段の電源)
57 電圧検出回路(電圧検出手段)
S ストッパ装置
W ワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋結束機において所定長さの結束用ワイヤを送り出した後にワイヤリールの回転を停止させるブレーキ装置およびそのブレーキ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋結束機において、所定長さのワイヤ送りがなされるとワイヤ送りは停止するが、ワイヤリールは慣性によって回り続ける。そのため、ワイヤリールに巻装されたワイヤの径は膨らみ、次回のワイヤ送りに支障をきたすことがある。これを解決するものとして、例えば特許文献1のように、ワイヤリールの近傍にワイヤリールに係合可能なフック状のブレーキレバー(特許文献1のブレーキ手段と同義)を配置し、このブレーキレバーをソレノイドで作動させるブレーキ機構の技術が開示されている。なお、特許文献1のブレーキ機構は、ワイヤリールからワイヤを所定長さだけ送り出した後に、ソレノイドによりブレーキレバーをワイヤリールの周縁部に係合するよう作動させてワイヤリールの回転を停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−156746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の図3に示す鉄筋結束機のブレーキ機構において、ブレーキレバーが支軸を中心に回転する構成(バネを含む)では、ソレノイドを作動させてからブレーキが作動するまでに若干のタイムラグが生じる。また、例えばブレーキレバーとこのブレーキレバーを作動させるソレノイドとの間に、リンク機構(バネを含む)を介在させると、上述した特許文献1の図3よりも、さらにタイムラグが大きくなると想定し得る。なお、ソレノイドなどの電源となるバッテリを省電力化すると、バッテリを長時間有効利用し得る。
【0005】
そこで、本発明は、ブレーキ性能が向上し且つ省電力化し得る鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ装置およびそのブレーキ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ処理装置は、結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、上記ワイヤリールの回転に対して制動を加えるブレーキ手段と、上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段と、上記検出手段の検出結果に基づいて上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ブレーキ手段の制動開始時間を基準時間よりも早くする制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ処理方法は、結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段の検出結果に基づき、上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ワイヤリールの回転を停止させるブレーキ手段の制動開始時間を基準時間よりも早くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び2に係る発明によれば、送り手段の電源電圧が所定基準値以上の場合は、ワイヤの送り速度が速くなるので、その速くなる分だけワイヤリールにブレーキを掛けるタイミングも早くしなければ、逆にブレーキを掛けるタイミングが遅くなるが、送り手段の電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、ワイヤリールの回転を停止させるストッパ装置の制動開始時間を基準時間よりも早くするので、適正なタイミングでブレーキが掛けられ、ブレーキ性能が向上する。
【0009】
これに対し、送り手段の電源電圧が基準値よりも低い場合は、ワイヤの送り速度は通常に戻るので、送り手段の駆動源たとえばソレノイドのオン時間は上記送り手段の電源電圧が所定基準値以上の場合よりも短くなるので、省電力となる。即ち、本発明によれば、送り手段の電源電圧によってブレーキを掛けるタイミングを変更するので、確実にワイヤリールの慣性回転を停止させることができ、かつ無用な電力消費をカットし得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1実施形態における鉄筋結束機の要部を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す鉄筋結束機の平面図である。
【図3】図1に示す側面図である。
【図4】図2に示すブレーキ装置の要部平面図である。
【図5】図4に示すブレーキ装置の全体斜視図である。
【図6】図5に示すブレーキ装置の分解斜視図鉄筋結束機の側面図である。
【図7】図4に示すブレーキ装置のブレーキ動作時における要部平面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】図1に示す鉄筋結束機のブロック図である。
【図10】図1に示す鉄筋結束機の結束モードのフローチャート図である。
【図11】図1に示すソレノイドの作動タイミングを表す図である。
【図12】図1に示す鉄筋結束機の省電力モードのフローチャート図である。
【図13】図1に示す鉄筋結束機のブレーキタイミング変更モードのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1乃至図9に基づいて、本発明の一実施形態である鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ装置について説明する。図1は本実施形態における鉄筋結束機の要部を示す全体斜視図、図2は図1に示す鉄筋結束機の平面図、図3は図1に示す側面図、図4は図2に示すブレーキ装置の要部平面図、図5は図4に示すブレーキ装置の全体斜視図、図6は図5に示すブレーキ装置の分解斜視図、図9は図1に示す鉄筋結束機のブロック図である。
【0012】
(鉄筋結束機の概略構成)
図1乃至図3に示すように、鉄筋結束機10は、結束機本体11と、結束機本体11に対し着脱可能に配置されるワイヤリール20を備える。ワイヤリール20は、図示しないレバーを操作するのみで、着脱し得るように構成されている。結束機本体11には、結束用ワイヤWの通路12Aおよび12B(図2および図3参照)が配置される。図2に示すように、通路12Aおよび12B間には、送り手段の一部を構成する一対の送りギヤ13が、ワイヤWを挟持し得るように配置される。結束機本体11には、図3に示すように、送りギヤ13を回転させる送りモータ14(送り手段の一部を構成する)が配置される。なお、結束機本体11にはトリガ18(図3参照)が配置されており、トリガ18が引き操作されることよって送りモータ14は駆動する。
【0013】
結束機本体11の送り方向側(図3では右側)には、ループ状にワイヤW(図3では2点鎖線で示す)を曲げるように案内するガイド15が配置される。また、結束機本体11には捩りモータ16が配置されており、捩りモータ16には図示しない捩りフックが連結される。そして、捩りフックは、捩りモータ16が回転することによって駆動し、複数本(図3では2本)の鉄筋24の周囲に巻き付けられたループ状のワイヤWを捩る。
【0014】
即ち、捩りフックは、正転してループ状のワイヤWまで進出して捩り、捩り終わった後に逆転して初期位置へ後退するように構成されている。また、捩り処理が終了したワイヤWは、図示しない捩りフックに連動するカッタ(図示省略)で切断される。なお、これらの機構は従来公知の機構と同様であるので、これ以上の詳述は省略する。
【0015】
(ブレーキ装置に関する構成)
図4に示すように、ワイヤリール20は、一対のフランジ20Aおよび20Bを備える。一方のフランジ20Aには、略鋸刃状の係合部21(図3参照)が所定間隔に複数形成される。係合部21は対応するようにストッパレバー30が配置される。図5に示すように、ブレーキ手段であるブレーキ装置Sは、上述したストッパレバー30と、ソレノイド32と、リンク33と、シャフト34と、連結輪37と、ねじりコイルバネ(以下、バネともいう)36と、中空ピン38と、ブラケット40を備える。ブラケット40は、ソレノイド32を固定すると共に、シャフト34を支持する。ブラケット40は、図2に示すように、結束機本体11のカバー17(2点鎖線で示す)内に配置される。
【0016】
図5に示すように、ソレノイド32の鉄芯32Aはスライド可能に配置されており、ソレノイド32のオン時には鉄芯32Aが長さL分だけソレノイド32に引き込まれる(図7参照)。なお、ソレノイド32のオフ時における鉄芯32Aは、図4に示す初期位置に保持される。ソレノイド32のオン・オフの切換は、CPU50(図9参照)によって制御される。
【0017】
図6に示すように、鉄芯32Aおよびリンク33の一端はピン33Aを介して連結される。一方、リンク機構を構成するリンク33の他端およびシャフト34に固定された連結輪37はピン33Bで連結されると共に、シャフト34は連結輪37を介してブラケット40に回転可能に配置される。また、シャフト34はブラケット40の筒部40Aに挿通される。そして、鉄芯32Aおよびリンク33がスライドすると、シャフト34はその軸心回りに回転する。なお、シャフト34には、その先端にDカットされたDカット部34Aを有する。
【0018】
ブラケット40の筒部40Aから突出するシャフト34は、軸受35・中空ピン38及びバネ36のコイル部36Aならびにストッパレバー30のDカットされた孔30Aに挿通される。そして、ストッパレバー30などは、止具39によってシャフト34から抜け止めされる。
【0019】
シャフト34のDカット部34Aはストッパレバー30の孔30Aに対応し、シャフト34が回転することによってストッパレバー30はシャフト34を中心に回転する。ストッパレバー30には、ワイヤリール20の係合部21に係合する係止部31が略L状に形成されている(図3参照)。
【0020】
そして、図6に示すソレノイド32及びシャフト34並びにブラケット40は、図2に示すカバー40内に配置される。また、図5に示すように、ストッパレバー30を回転させるシャフト34は、その摺動部分がブラケット40の筒部40A及び軸受35並びに中空ピン38内となっている。即ち、ストッパレバー30を回転させるソレノイド32及びシャフト34は、カバー17などで全て覆い隠される。
【0021】
図6に示すように、バネ36のコイル部36Aは中空ピン38のコイル受け38Aに挿入され、バネ36は中空ピン38で支持される。図3に示すように、バネ36の引掛部36Bは結束機本体11に係止され、引掛部36Cはストッパレバー30の外側に係止される(図5参照)。そのため、バネ36は、ストッパレバー30を常に図3に示す矢印方向(すなわち、反時計方向)へ付勢している。
【0022】
即ち、ストッパ装置Sは、ストッパレバー30とこのストッパレバー30を作動させるソレノイド32との間にリンク機構を介在させたので、上述した特許文献1の図3よりも、ブレーキを作動させるまでのタイムラグが更に大きくなる。なお、ストッパ装置Sにおける待機モード即ちソレノイド32のオフ時は、図1乃至図5に示す状態である。
【0023】
(鉄筋結束機の制御系に関する構成)
鉄筋結束機10は、図9に示すように、計時機能をも有するCPU50と、メモリ52と、バッテリ53と、センサ54と、トリガSW(SWはスイッチの略)56と、電圧検出回路57と、ソレノイド32と、捩りモータ16と、送りモータ14を備える。CPU50は鉄筋結束機10の全体的な動作を司り、たとえばトリガSW56からスイッチ信号がCPU50へ入力された場合、そのスイッチ信号に基づき結束処理を行う。また、上述したように、CPU50には計時するためのタイマ51を備える。なお、CPU50は、制御手段およびカウント手段である。
【0024】
記録手段であるメモリ52には、鉄筋結束機10に各種の処理を制御するプログラムが記録される。例えば、メモリ52には、ソレノイド32のオン時間なども記録されている。センサ54は、送りギヤ13の回転を検出できるように配置されている。即ち、送りギヤ13と一緒に回転する磁石を、センサ54であるホールICにて検出する構成となっている。そして、センサ54は送りギヤ13が半回転したことを検出し、CPU50はセンサ54の検出信号に基づいてワイヤWを所定長さ例えば1回80cm送出したか否かを送りギヤ13の回転回数で判断する。
【0025】
バッテリ53は、CPU50・ソレノイド32・捩りモータ16・送りモータ14などの電源であり、ソレノイド32またはCPU50などを起動させる電力を供給する。また、電圧検出手段である電圧検出回路57はバッテリ53の電圧を検出し、この検出結果である検出値データはCPU50へ入力する。そして、CPU50は、入力された検出値データであるバッテリ53の電源電圧を、メモリ52に記録される基準電圧と比較する。なお、バッテリ53の配線は、電圧検出回路57以外の図示を省略する。これは、CPU50などの各電子部品に複数の配線を接続する場合の錯綜を防止するためである。
【0026】
トリガSW56は、図3に示すトリガ18の引き操作に連動し、スイッチがオンになるように構成されている。そして、トリガSW56がオンになると、CPU50は送りモータ14即ち送りギヤ13を回転させてワイヤWを送り方向へ引き出す。即ち、送りモータ14および捩りモータ16は、CPU50からの駆動信号に基づき回転駆動する。なお、捩るモータ16は、正転および逆転可能となっている。
【0027】
また、ソレノイド32は、CPU50からの駆動信号(即ち、オン信号)に基づき、鉄芯32を初期位置(図4に示す位置)から引込方向へスライドさせる。そして、駆動信号がCPU50から供給されないと、ソレノイド32はオフ状態となり、図5に示すストッパレバー30はバネ36の付勢力によって初期位置(図3に示す位置)に復帰する。
【0028】
(本実施形態の作用)
図3に示す鉄筋結束機10のトリガ18を引き操作すると、ワイヤリール20に巻装されたワイヤWは、送りギヤ13で所定長さに亘り送り出され、複数本の鉄筋24の周囲に巻き回される。そして、ワイヤWの送り動作が終了する直前に、ソレノイド32はオンとなり、鉄芯32Aを引き込む。この引き込み動作により、ストッパレバー30は、バネ36の付勢力に抗して図8の矢印方向(時計回り方向)へ回転する。
【0029】
そのため、図8に示すように、ストッパレバー30の係止部31は、ワイヤリール20の係合部21に係合し、ワイヤリール20の回転を停止させる。従って、ワイヤリール20が惰性で回転することが無くなるので、ワイヤWの径が膨らむことが無く、ワイヤWを常に円滑に送ることができる。なお、図7は図4に示すブレーキ装置Sのブレーキ動作時における要部平面図であり、図8は図7の側面図である。
【0030】
そして、所定時間経過後、ソレノイド32はオフとなり、ストッパレバー30はバネ36の付勢力によって図3の矢印方向(反時計回り方向)へ回転すると共に、鉄芯32Aも初期位置へスライドする(図4参照)。その後、図9に示すCPU50の駆動信号に基づいて捩りモータ16すなわち捩りフックを駆動させ、ワイヤWを捩って結束させる。なお、CPU50は、ワイヤWの送り動作が終了した後に、捩りモータ16へその駆動信号を出力する。
【0031】
次に、図10に示すフローチャートに基づき、上述した結束処理(結束モードと同義)に関する処理を説明する。ここで、図1に示す鉄筋結束機10における処理は、CPU50(図9参照)によって実行され、図10のフローチャートで表される。このプログラムは、予め鉄筋結束機10のメモリ52(図9参照)のプログラム領域に記憶されている。なお、図11は、図1に示すソレノイド32の作動タイミングを表す図である。
【0032】
(結束モード)
図10に示すステップ100において、トリガSW56(図9参照)がオンか否かを判断する。即ち、図3に示すトリガ18が引き操作され、トリガSW56がオンになったか否かを判断する。ステップ100が肯定の場合すなわちトリガSW56がオンの場合、ステップ102において、CPU50は送りモータ14を駆動させる。なお、ステップ100が否定の場合は、トリガSW56がオンになるのを待つ。
【0033】
ステップ104において、図2に示す送りギヤ13の回転回数が基準値(請求項1又は2における「所定長さ以前の所定送り量」と同義)となったか否かを判断する。ここで、基準値とは、送りギヤ13がワイヤWを所定長さ以前の所定送り量まで送り出す回転回数になったか否かを判断する基準回数である。
【0034】
即ち、図9に示すセンサ54で送りギヤ13の回転を検出することにより、CPU50は送りギヤ13が基準値たとえば17回転したか否かを判断する。ステップ104が肯定の場合すなわち送りギヤ13の回転回数が基準回数に達した場合、ステップ106において、図9に示すソレノイド32をオンにする。なお、ステップ104が否定の場合は、送りギヤ13の回転回数が基準回数に達するのを待つ。
【0035】
ステップ108において、送りギヤ13の回転回数が基準値(例えば17回転半)となったか否かを判断する。ここで、基準値とは、送りギヤ13がワイヤWを所定長さ送り出す回転回数になったか否かを判断する基準回数である。即ち、ステップ108は、ステップ104の基準回転(17回転)から半回転したか否かを判断する。
【0036】
ステップ108が肯定の場合すなわち送りギヤ13の回転回数が基準回数に達した場合、ステップ110において、CPU50は送りモータ14を停止させると共に、図9に示すタイマ51で計時のカウントを開始する。ここで、ワイヤ送り終了直前にソレノイド32をオンにするのは、ソレノイド32の作動からワイヤリール20にブレーキが掛かるまでのタイムラグを考慮したものである。なお、ステップ108が否定の場合は、送りギヤ13の回転が基準回数に達するのを待つ。
【0037】
ステップ112において、CPU50はタイマ51のカウント値がブレーキ解除時間の基準値たとえば0.1秒(図11参照)になったか否かを判断する。ステップ112が肯定の場合すなわちブレーキ解除時間(カウント値が0.1秒)になった場合には、ステップ114において、ソレノイド32をオフにする。
【0038】
ステップ112が否定の場合は、基準時間になるのを待つ。ここで、0.1秒に亘ってワイヤリール20にブレーキを掛けるのは、実験上ワイヤリール20の回転を確実に停止させるのに必要なブレーキ解除時間だからである。なお、このブレーキ解除時間は、ストッパ装置Sのリンク機構の構成変更などにより、0.08秒または0.12秒など任意に変更し得る。
【0039】
ステップ116において、ねじり処理を行う。ねじり処理は、捩りモータ16を正転駆動させて図示しない捩りフックで複数本の交差した鉄筋24(図3参照)の周囲に巻き付けられるワイヤW(図3の2点鎖線参照)を捩る処理、および捩りモータ10を逆転駆動させて捩りフックを初期位置へ復帰させる処理である。そして、ステップ116の処理が終了した場合には、本フローチャートの処理は終了する。なお、図10に示す結束モードは、トリガSW56がオンされる毎に繰り返される。
【0040】
本実施形態によれば、送りギヤ13でワイヤWを所定長さ以前の所定送り量(ステップ104の基準回数)まで送り出した後、ワイヤリール20の回転に対してストッパ装置Sで制動を開始するので、ワイヤリール20を制動する際のタイムラグを少なくでき、ブレーキ性能が向上する。
【0041】
なお、以下に鉄筋結束機10における省電力モードおよびブレーキタイミング変更モードに関する処理を、図12および図13に示すフローチャートに基づき説明する。
【0042】
(省電力モード)
図12に示すステップ120において、トリガSW56がオンか否かを判断する。ステップ100が肯定の場合すなわちトリガ18が引き操作された場合、ステップ122において、CPU50は送りモータ14を駆動させる。ステップ124において、図9に示すメモリ52から結束回数を読出す。ここで、結束回数のカウントについて、図1に示すワイヤリール20を結束機本体11へ装填する毎に、カウント手段であるCPU50はメモリ52の記憶領域における結束回数のカウント値をリセットすると共にカウントを開始する。なお、ワイヤリール20に巻装されるワイヤWは、一般的に120回の結束処理を行える。
【0043】
ステップ126において、結束回数が基準値以下か否かを判断する。即ち、CPU50は、基準値たとえばカウント値が40回以下か否かを判断する。ステップ126が肯定の場合すなわちカウント値が40回以下の場合、ステップ128において、CPU50はブレーキ処理を行う。このブレーキ処理は、図10に示すステップ104乃至ステップ114の各処理である。
【0044】
ステップ128のブレーキ処理が終了した後、ステップ130において、ねじり処理(図10のステップ116と同一の処理)を行う。ステップ126が否定の場合すなわちカウント値が40回以上の場合は、ステップ130に進む。即ち、ステップ126が否定の場合は、ステップ128のブレーキ処理を省略する。ここで、カウント値が40回未満の場合にのみブレーキ処理を行うとしたのは、ワイヤWの最大巻き径およびワイヤリール20のフランジ20Aおよび20Bの外周の直径差が少ないので、ワイヤリール20が慣性回転するとワイヤWがフランジ20Aおよび20Bから突出し次回のワイヤ送りに支障がきたすからである。
【0045】
一方、カウント値が40回以上の場合にブレーキ処理を省略するは、ワイヤWの最大巻き径およびワイヤリール20のフランジ20Aおよび20Bの外周の直径差が大きいので、ワイヤリール20が慣性回転しても、ワイヤWがフランジ20Aおよび20Bから突出しないからである。
【0046】
ステップ130のねじり処理が終了した後、ステップ132において、結束回数をカウントする。即ち、CPU50は、現在のカウント値たとえば20に、1をインクリメントすることによってカウント値を21とする。そして、ステップ134において、カウント値たとえば21をメモリ52に記録する。なお、この記録したカウント値は、次回ステップ124で読み出す。ステップ134の処理が終了した場合には、本フローチャートの処理は終了する。図12に示す省電力モードは、トリガSW56がオンされる毎に繰り返される。
【0047】
本実施形態においては、送りギヤ13で所定長さ送り出されたワイヤWを捩って結束する結束回数が基準値以下の場合(具体的には、ステップ126が肯定の場合)にのみ、ワイヤリール20の回転をストッパ装置Sで制動する。即ち、本実施形態によれば、所定長さのワイヤWの結束回数が基準回数以上の場合(具体的には、ステップ126が否定の場合)には、ブレーキ処理を省略するので、省電力となり、図9に示すバッテリ53の使用時間が延びバッテリ53を長時間有効利用し得る。
【0048】
(ブレーキタイミング変更モード)
図13に示すステップ140において、トリガSW56がオンか否かを判断する。ステップ140が肯定の場合すなわちトリガ18が引き操作された場合、ステップ142において、CPU50は送りモータ14を駆動させる。ステップ144において、CPU50は図9に示す電圧検出回路57を介してバッテリ53の電圧値を検出する。即ち、CPU50は、電圧検出回路57より入力される電圧値データを読出す。ここで、バッテリ電圧について、フル充電(即ち、最高電圧と同義)の場合はたとえば16Vとし、最低電圧(即ち、電源がオンしなくなる直前の電圧)は例えば14.4Vとする。そして、図9に示すメモリ52は、その記憶領域にバッテリ電圧の基準値を、例えば15Vと記憶している。
【0049】
ステップ146において、バッテリの電圧値が基準値以下か否かを判断する。即ち、CPU50は、バッテリ電圧が15V以下か否かを判断する。ステップ146が肯定の場合すなわちバッテリ電圧値が15V以下の場合、ステップ148において、CPU50は図9に示すソレノイド32の駆動開始タイミング(制動開始時間と同義)を基準値たとえばステップ104における基準回転(17回転)とする。即ち、17回転でソレノイド32を駆動させブレーキを掛ける。
【0050】
ステップ146が否定の場合すなわちバッテリ電圧値が15V以上の場合、ステップ150において、ソレノイド32の駆動開始タイミングを基準回転(17回転)よりも早くする。例えば、ストッパ装置Sの制動開始時間を基準時間よりも早くするため、基準値を16回転半でソレノイド32を駆動させブレーキを掛ける。
【0051】
ここで、ステップ150の処理を設けたのは、バッテリ電圧が基準値よりも高いと、ワイヤWの送り速度が速くなるので、ワイヤリール20にブレーキを掛けるタイミングを早める必要があるからである。この場合、ソレノイド32に流す電流の終わりを図11に示す例と同一とするので、ソレノイド32のオン時間は結果的に長くなる。
【0052】
一方、バッテリ電圧が基準値よりも低い場合、ワイヤWの送り速度は通常(標準と同義)に戻るので、図10の例と同一にする。即ち、ソレノイド32のオン時間は、ステップ150よりも短くなるので、省電力となる。従って、バッテリ電圧によってブレーキを掛けるタイミングを変更するので、確実にワイヤリール20の慣性回転を停止させることができ、かつ無用な電力消費をカットし得る。
【0053】
ステップ148またはステップ150の処理が終了した後、ステップ152において、ブレーキ処理を行う。このブレーキ処理は、図10に示すステップ104乃至ステップ114の各処理である。ステップ152のブレーキ処理が終了した後、ステップ154において、ねじり処理(図10のステップ116と同一の処理)を行う。ステップ154のねじり処理が終了した場合、本フローチャートの処理は終了する。図13に示すブレーキタイミング変更モードは、トリガSW56がオンされる毎に繰り返される。
【0054】
本実施形態において、バッテリ53の電源電圧が所定基準値以上の場合(ステップ146が否定の場合)は、ワイヤWの送り速度が速くなるので、その速くなる分だけワイヤリール20にブレーキを掛けるタイミングも早くしなければ、逆にブレーキを掛けるタイミングが遅くなる。即ち、本実施形態によれば、バッテリ53の電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、ワイヤリール20の回転を停止させるストッパ装置Sの制動開始時間を基準時間よりも早くするので、適正なタイミングでブレーキが掛けられ、ブレーキ性能が向上する。
【0055】
一方、本実施形態において、バッテリ電圧が基準値よりも低い場合(ステップ146が肯定の場合)は、ワイヤWの送り速度は通常に戻るので、ソレノイド32のオン時間はステップ150よりも短くなるので、省電力となる。即ち、本実施形態によれば、バッテリ電圧によってブレーキを掛けるタイミングを変更するので、確実にワイヤリール20の慣性回転を停止させることができ、かつ無用な電力消費をカットし得る。
【0056】
なお、ストッパレバー30を駆動する動力源はソレノイド32の他に、モータ等としても良い。また、ストッパレバー30とその駆動源の間に介在するリンク機構の構成変更などにより、請求項1または請求項2における所定送り量たとえば送りギヤ13の回転回数の基準値(ステップ104参照)は、任意に設定変更し得る。
【0057】
また、上記実施形態において説明した各プログラムの処理の流れ(図10、図12及び図13参照)は一例であり、本実施形態の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。即ち、結束モードまたは省電力モードまたはブレーキタイミング変更モードを任意に組合わせても良い。
【符号の説明】
【0058】
10 鉄筋結束機
11 鉄筋結束機本体
13 送りギヤ(送り手段)
14 送りモータ(送り手段)
20 ワイヤリール
21 ワイヤリールの係合部
24 鉄筋
30 ストッパレバー(ブレーキ手段)
32 ソレノイド(ブレーキ手段)
50 CPU(制御手段またはカウント手段)
52 メモリ(記録手段)
53 バッテリ(送り手段の電源)
57 電圧検出回路(電圧検出手段)
S ストッパ装置
W ワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、
上記ワイヤリールの回転に対して制動を加えるブレーキ手段と、
上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段と、
上記検出手段の検出結果に基づいて上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ブレーキ手段の制動開始時間を基準時間よりも早くする制御手段と
を備えることを特徴とする鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ装置。
【請求項2】
結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、
上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段の検出結果に基づき、上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ワイヤリールの回転を停止させるブレーキ手段の制動開始時間を基準時間よりも早くすることを特徴とする鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ処理方法。
【請求項1】
結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、
上記ワイヤリールの回転に対して制動を加えるブレーキ手段と、
上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段と、
上記検出手段の検出結果に基づいて上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ブレーキ手段の制動開始時間を基準時間よりも早くする制御手段と
を備えることを特徴とする鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ装置。
【請求項2】
結束機本体に回転可能に配置されたワイヤリールからワイヤを送り手段で送り出して複数本の鉄筋の周囲に巻き付けた後に上記ワイヤを捩って結束する鉄筋結束機であって、
上記送り手段を起動させる電源電圧を検出する検出手段の検出結果に基づき、上記電源電圧が所定基準値以上の場合にのみ、上記ワイヤリールの回転を停止させるブレーキ手段の制動開始時間を基準時間よりも早くすることを特徴とする鉄筋結束機におけるワイヤリールのブレーキ処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−61595(P2012−61595A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−265925(P2011−265925)
【出願日】平成23年12月5日(2011.12.5)
【分割の表示】特願2008−130646(P2008−130646)の分割
【原出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月5日(2011.12.5)
【分割の表示】特願2008−130646(P2008−130646)の分割
【原出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
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