説明

鉗子

【課題】術者が内部シャフトの露出部に接触して感電することを防止すると共に、再利用するためハンドル部の内部を洗浄液で洗浄することができる鉗子を提供する。
【解決手段】鉗子1は、電源接続端子50が、電源接続端子50に電源供給用のコネクタ51が接続された際にコネクタ51により露出部96への外部からの接触を防止できるように、固定ハンドル20から内部シャフト56の露出部96の上方位置に向けて延設されているため、電源接続端子50から電流を流す際に術者が内部シャフト56の露出部96に接触して感電することを防止することができる。また、電源接続端子50に電源供給用のコネクタ51が接続されない状態で、固定ハンドル20とジョイントホルダ92との間で内部シャフト56の一部が露出するので、再利用するためハンドル部14の内部を洗浄液で洗浄することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡検査や内視鏡下手術等に用いられる鉗子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば内視鏡下手術において、組織の把持、剥離、切除などの作業を外科医の手の代わりとなって行うための鉗子が使用されている。
【0003】
一般に鉗子としては、図5に示すように、シャフト部100、シャフト部100の前端部に設けられた前端作動部、シャフト部100の後方を保持すると共に前端作動部の操作が可能であり、シャフト部100から下方に所定の距離延びるハンドル部102、及びハンドル部102に設けられ、シャフト部100を介して前端操作部に電気的に接続される電源接続端子104を備えている。シャフト部100は、外周面に絶縁部が設けられた外筒106、及び外筒100内を前後方向に移動自在であり導電性を有する内部シャフト108を有している。ハンドル部100は、固定ハンドル110、及び固定ハンドル110に対して接近又は離間する方向に揺動する可動ハンドル112を有している。可動ハンドル112は、揺動の支点となる軸部114、軸部114の下方に設けられ術者により操作される操作部116、及び軸部114の上方に設けられ内部シャフト108を前後方向に移動させるレバー部118を有しているものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
この種の鉗子では、可動ハンドル112を揺動させると、レバー部118が固定ハンドル110に対して前後方向に移動するため、固定ハンドル110とレバー部118との間にはレバー部118が移動するだけの作動領域が必要となる。また、レバー部118には内部シャフト108が連結されているため、レバー部118が固定ハンドル110に対して後退した状態では、作動領域内に導電性のある内部シャフト108が露出することになる。鉗子の使用時には、この内部シャフト108に電流が供給されることがあるため、術者等の感電を防止するため、内部シャフト108の外部への露出を防止する必要がある。
【0005】
そこで、特許文献1記載の鉗子では、図5に示すように、固定ハンドルにレバー部の作動領域を覆うカバー部120を設け、レバー部が固定ハンドルに対して後退した位置に移動した場合であっても、内部シャフトが外部に露出しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2573781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1に記載された鉗子は、使い捨てることを前提に設計されたいわゆるディスポーザブルタイプであるが、近年では、医療業界においても廃棄物の低減が課題となってきており、鉗子についても再利用可能ないわゆるリユースタイプの鉗子が望まれている。
【0008】
上記特許文献1に記載された鉗子はディスポーザブルタイプであり、洗浄が不要であるため、カバー部120によって内部シャフトの外部への露出を防止することができる。しかしながら、リユースタイプの鉗子では洗浄が必要であり、特に固定ハンドルにおけるシャフト部の取り付け部分や、可動ハンドルの可動部分の洗浄が必要であるため、レバー部の作動領域を外部に露出させる必要がある。このため、従来のリユースタイプの鉗子においては、術者は露出した内部シャフトに触れないように気をつけながら施術を行う必要があった。
【0009】
本発明は、以上の課題を解決するものとして、術者が内部シャフトの露出部に接触して感電することを防止すると共に、再利用するためハンドル部の内部を洗浄液で洗浄することができる鉗子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の鉗子は、シャフト部と、前記シャフト部の前端部に設けられた前端作動部と、前記シャフト部の後方を保持すると共に前記前端作動部の操作が可能であり、前記シャフト部から下方に所定の距離延びるハンドル部と、前記ハンドル部に設けられ、前記シャフト部を介して前記前端操作部に電気的に接続される電源接続端子とを備えた鉗子であって、 前記シャフト部は、外周面に絶縁部が設けられた外筒と、前記外筒内を前後方向に移動自在であり導電性を有する内部シャフトとを有し、前記ハンドル部は、固定ハンドルと前記固定ハンドルに対して接近又は離間する方向に揺動する可動ハンドルとを有し、前記可動ハンドルは、揺動の支点となる軸部と、前記軸部の下方に設けられ術者により操作される操作部と、前記軸部の上方に設けられ前記内部シャフトの後端部と着脱自在であり前記内部シャフトを前後方向に移動させるレバー部とを有し、前記固定ハンドルと前記レバー部との間で前記内部シャフトの一部が露出する鉗子において、前記電源接続端子が、前記電源接続端子に電源供給用のコネクタが接続された際に前記コネクタにより前記露出部への外部からの接触を防止できるように、前記固定ハンドルから前記内部シャフトの露出部の上方位置に向けて延設されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、電源接続端子が、電源接続端子に電源供給用のコネクタが接続された際にコネクタにより露出部への外部からの接触を防止できるように、固定ハンドルから内部シャフトの露出部の上方位置に向けて延設されているため、電源接続端子から電流を流す際に術者が内部シャフトの露出部に接触して感電することを防止することができる。また、電源接続端子に電源供給用のコネクタが接続されない状態で、固定ハンドルとレバー部との間で内部シャフトの一部が露出しているので、鉗子を再利用するためハンドル部の内部を洗浄液で洗浄することができる。
【0012】
また、内部シャフトの露出部に接触して感電することが防止されるため、固定ハンドルとレバー部との間で内部シャフトの一部が露出する露出部の絶縁処理を省略することができる。
【0013】
本発明において、前記電源接続端子は、前記コネクタが接続されていない状態で前記内部シャフトの後端部と前記レバー部との接続部が目視できるように、前記固定ハンドルから斜め後方に向けて延設されていることが好ましい。
【0014】
この好ましい形態によれば、内部シャフトの後端部とレバー部との接続部が目視できるため、レバー部に着脱自在の内部シャフトがレバー部に正しく取り付けられているか否かを確認することができる。
【0015】
また、本発明において、前記固定ハンドルは、前記内部シャフトの露出部の側方を覆うと共に前記可動ハンドルの前記軸部の周囲を覆う側板を有し、前記側板に囲まれた作動領域内で前記可動ハンドルのレバー部が移動され、前記作動領域は前記電源接続端子が固定されている固定部と前記可動ハンドルのレバー部との間に開口する第1の開口と連通すると共に、前記可動ハンドルの軸部の下方で前記可動ハンドル側に向けて開口する第2の開口と連通し、更に前記固定ハンドルの前方に開口する貫通孔と連通していることが好ましい。
【0016】
この好ましい形態によれば、作動領域は電源接続端子が固定されている固定部と可動ハンドルのレバー部との間に開口する第1の開口と連通すると共に、可動ハンドルの軸部の下方で可動ハンドル側に向けて開口する第2の開口と連通し、更に固定ハンドルの前方に開口する貫通孔と連通しているため、ハンドル部を洗浄する際に、第1の開口から吹き込んだ洗浄液がハンドル部の内部を洗浄して第2の開口及び貫通孔から吹き出るので、洗浄液がハンドル部の内部に溜まることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る鉗子の一例を示す側面図である。
【図2】実施形態の鉗子を分解した状態を示す図である。
【図3】前端作動部の作動状態を示す図である。
【図4】ハンドル部の内部構造を示す図である。
【図5】従来の鉗子におけるハンドル部の内部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明に係る鉗子の一例を示す側面図である。鉗子1は、体内に挿入されるシャフト部10、シャフト部10の前端部にある前端作動部12、及びシャフト部10の後方を保持すると共に前端作動部12の操作が可能であり、シャフト部10から下方に所定の距離延びるハンドル部14から構成されている。
【0019】
シャフト部10及びハンドル部14は、分解可能に構成されシャフト部10及びハンドル部14の内部を洗浄することにより再利用することができるようになっている。
【0020】
シャフト部10の後端部には、シャフト部10に固定されているダイヤル16を有している。ハンドル部14の前端部には、ハンドル部14に対して回転自在に取り付けられているダイヤル18を有している。ダイヤル16とダイヤル18とは螺合されて一体に回転するように構成されている。従って、ダイヤル16又はダイヤル18を回転することでシャフト10が回転されるようになっている。
【0021】
ハンドル部14は、固定ハンドル20及び可動ハンドル22から構成されている。固定ハンドル20は、前端から所定の距離後方に延びていると共に下方に所定の距離延びている。また、固定ハンドル20は、表面側の第1固定ハンドルケース24及び裏面側の第2固定ハンドルケース26を有している。
【0022】
可動ハンドル22は、固定ハンドル20の第1固定ハンドルケース24と第2ハンドルケース26の間に設けられ、固定ハンドル20に対して接近又は離間するように軸部28で揺動自在に軸支されている。また、可動ハンドル22は、表面側の第1可動ハンドルケース30及び裏面側の第2可動ハンドルケース32を有している。
【0023】
固定ハンドル20の軸部28の下方には、術者が指を掛けるための操作部20aが形成されている。同様に、可動ハンドル22の軸部28の下方には、術者が指を掛けるための操作部22aが形成されている。
【0024】
固定ハンドル20の上端部には、固定ハンドル20の上端部から可動ハンドル22の上方に向けて斜めに、シャフト部10を介して前端操作部12に電気的に接続される電源接続端子50が設けられている。
【0025】
ハンドル部14には、固定ハンドル20に対して可動ハンドル22が離間する方向の揺動を禁止する移動規制手段34が設けられている。
【0026】
固定ハンドル20の下方に延びている部分の基端部には、固定ハンドル20に対して可動ハンドル22が離間する方向の揺動を禁止する移動規制手段34の作動及び解除の切り替えができる切り替えホイール36が設けられている。
【0027】
固定ハンドル20と可動ハンドル22との間には、可動ハンドル22に固定され固定ハンドル20側に所定の距離延びている可動ハンドルラチェット42、及び固定ハンドル20に軸支され可動ハンドルラチェット42の上方位置で可動ハンドル22側に所定の距離延びている可動ハンドルラチェット42と噛み合うように形成されている固定ハンドルラチェット48が設けられている。
【0028】
図2は、実施形態の鉗子を分解した状態を示す図である。鉗子1は、シャフト部10のインナ52及びアウタ(外筒)54、並びに、ハンドル部14に分解することができる。
【0029】
インナ52は、細長円柱状に形成された内部シャフト56、及び前端作動部12から構成されている。内部シャフト56及び前端作動部12の素材としては、ステンレス等が挙げられる。
【0030】
アウタ54は、インナ52の内部シャフト56より径大である内径を有する細長円筒状に形成されているアウタパイプ58、及びアウタパイプ58の後部に設けられたダイヤル16から構成されている。アウタ54の外面には、絶縁材料が被覆されている。アウタパイプ58の素材としては、ステンレス等が挙げられる。
【0031】
シャフト部10を組み立てた状態において、インナ52の内部シャフト56とアウタ54のアウタパイプ58とは、内部シャフト56がアウタパイプ58内をアウタパイプ58に対して回動不能且つ前後方向に移動自在であるように形成されている。
【0032】
図3は、前端作動部の作動状態を示す図である。前端作動部12は、リンク機構60、及びリンク機構60に連結された一対の顎部62を有している。一対の顎部62は、アウタ54のアウタパイプ58の前端部に軸部64により回転自在に支持されている。リンク機構60は、インナ52の内部シャフト56の前端に連結されており、内部シャフト56がシャフト部10内で前後方向に往復運動(例えば、長さL)するのに応じて、リンク機構60が動作して一対の顎部62が開閉する。内部シャフト56が後端部の方向に動作する場合に一対の顎部62が閉じ、内部シャフト56が前端部の方向に動作する場合に一対の顎部62が開く。
【0033】
図4は、ハンドル部の内部構造を示す図である。シャフト部10の内部シャフト56と可動ハンドル22との接続部94は電源接続端子50の下方でハンドル部14の内部に収納されている。
【0034】
シャフト部10が挿入される固定ハンドル20の前端部には、シャフト部10の後部を保持する円筒状に形成されているシャフトホルダ88が設けられている。内部シャフト56の後端部には、球状に形成されている球状体90が形成されている。球状体90は、可動ハンドル22の軸部28の上方に設けられ円筒状に形成されているジョイントホルダ(レバー部)92で着脱自在に支持されている。可動ハンドル22が固定ハンドル20に対して回転されると、球状体90がジョイントホルダ92で支持されシャフト部10の内部シャフト56が前後に移動して前端作動部12が作動する。
【0035】
固定ハンドル20とジョイントホルダ92との間では、内部シャフト56の一部が外部に露出している露出部96が形成されている。
【0036】
電源接続端子50は、電源接続端子50に電源供給用のコネクタ51が接続された際にコネクタ51により露出部96への外部からの接触を防止できるように、固定ハンドル20から内部シャフト56の露出部96の上方位置に向けて延設されている。
【0037】
また、電源接続端子50は、コネクタ51が接続されていない状態で内部シャフト56の後端部に形成されている球状体90とジョイントホルダ92との接続部94が目視できるように、固定ハンドル20から斜め後方に向けて延設されている。
【0038】
固定ハンドル20の第1固定ハンドルケース(側板)24及び第2固定ハンドルケース(側板)26は、内部シャフト56の露出部96の側方を覆うと共に可動ハンドル22の軸部28の周囲を覆っており、第1固定ハンドルケース24及び第2固定ハンドルケース26に囲まれた作動領域98で可動ハンドル22のジョイントホルダ92が移動される。
【0039】
作動領域98は電源接続端子50が固定されている固定部50bと可動ハンドル22のジョイントホルダ92との間に開口する第1の開口14aと連通すると共に、可動ハンドル22の軸部28の下方で可動ハンドル22側に向けて開口する第2の開口20bと連通し、更に固定ハンドル20の前方に開口する貫通孔20cと連通している。
【0040】
電源接続端子50とシャフトホルダ88とは通電板50aで接続されている。電源からコネクタ51を介して電源接続端子50に供給された電流は、電源接続端子50から通電板50aを介してシャフトホルダ88に流れ、シャフトホルダ88からアウタ54に流れ、アウタ54の前端部で支持ピン26を介して内部シャフト56に流れて前端作動部12に流れる。
【0041】
ハンドル部14には、固定ハンドル20に対して可動ハンドル22が前端作動部12の一対の顎部22が閉じる方向にのみ回転するように規制する移動規制手段34が設けられている。移動規制手段34は、可動ハンドル22に設けられている可動ハンドルラチェット42、固定ハンドルに設けられている固定ハンドルラチェット48、切り替えホイール36、揺動レバー66、及びスプリング68から構成されている。
【0042】
移動規制手段が作動している状態は、図4に示すように、固定ハンドルラチェット48が可動ハンドル22に設けられている可動ハンドルラチェット42と噛み合っている状態である。本状態は、切り替えホイール36を操作して、揺動レバー66が、固定ハンドルラチェット48を介してスプリング56により付勢されている方向に切り替えホイール36を押圧するようにすることで設定される。
【0043】
一方、移動規制手段が作動していない状態は、固定ハンドルラチェット48が可動ハンドル22に設けられている可動ハンドルラチェット42と噛み合っていない状態である。本状態は、切り替えホイール36を操作して、切り替えホイール36が、固定ハンドルラチェット48を介して揺動レバー66にスプリング56により付勢されている方向とは反対方向に固定ハンドルラチェット48を押圧するようにすることで設定される。
【0044】
以上、本発明によれば、電源接続端子50が、電源接続端子50に電源供給用のコネクタ51が接続された際にコネクタ51により露出部96への外部からの接触を防止できるように、固定ハンドル20から内部シャフト56の露出部96の上方位置に向けて延設されているため、電源接続端子50から電流を流す際に術者が内部シャフト56の露出部96に接触して感電することを防止することができる。また、電源接続端子50に電源供給用のコネクタ51が接続されない状態で、固定ハンドル20とジョイントホルダ92との間で内部シャフト56の一部が露出するので、鉗子1を再利用するためハンドル部14の内部を洗浄液で洗浄することができる。
【0045】
また、内部シャフト56の露出部96に接触して感電することが防止されるため、固定ハンドル20とジョイントホルダ92との間で内部シャフト56の一部が露出する露出部96の絶縁処理を省略することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、内部シャフト56の後端部の球状体90とジョイントホルダ92との接続部94が目視できるため、ジョイントホルダ92に着脱自在の内部シャフト56がジョイントホルダ92に正しく取り付けられているか否かを確認することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、作動領域98は電源接続端子50が固定されている固定部50bと可動ハンドル22のジョイントホルダ92との間に開口する第1の開口14aと連通すると共に、可動ハンドル22の軸部28の下方で可動ハンドル22側に向けて開口する第2の開口20bと連通し、更に固定ハンドル20の前方に開口する貫通孔20cと連通しているため、ハンドル部14を洗浄する際に、第1の開口14aから吹き込んだ洗浄液がハンドル部14の内部を洗浄して第2の開口20b及び貫通孔20cから吹き出るので、洗浄液がハンドル部14の内部に溜まることを防止することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…鉗子、10…シャフト部、12…前端作動部、14…ハンドル部、14a…第1の開口、16…ダイヤル、18…ダイヤル、20…固定ハンドル、20a…操作部、20b…第2の開口、20c…貫通孔、22…可動ハンドル、22a…操作部、24…第1固定ハンドルケース、26…第2固定ハンドルケース、28…軸部、30…第1可動ハンドルケース、32…第2可動ハンドルケース、34…移動規制手段、36…切り替えホイール、42…可動ハンドルラチェット、48…固定ハンドルラチェット、50…電源接続端子、50a…通電板、50b…固定部、51…コネクタ、52…インナ、54…アウタ、56…内部シャフト、58…アウタパイプ、60…リンク機構、62…顎部、64…軸部、66…揺動レバー、68…スプリング、88…シャフトホルダ、90…球状体、92…ジョイントホルダ、94…接続部、96…露出部、98…作動領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト部と、
前記シャフト部の前端部に設けられた前端作動部と、
前記シャフト部の後方を保持すると共に前記前端作動部の操作が可能であり、前記シャフト部から下方に所定の距離延びるハンドル部と、
前記ハンドル部に設けられ、前記シャフト部を介して前記前端操作部に電気的に接続される電源接続端子とを備えた鉗子であって、
前記シャフト部は、外周面に絶縁部が設けられた外筒と、前記外筒内を前後方向に移動自在であり導電性を有する内部シャフトとを有し、
前記ハンドル部は、固定ハンドルと前記固定ハンドルに対して接近又は離間する方向に揺動する可動ハンドルとを有し、
前記可動ハンドルは、揺動の支点となる軸部と、前記軸部の下方に設けられ術者により操作される操作部と、前記軸部の上方に設けられ前記内部シャフトの後端部と着脱自在であり前記内部シャフトを前後方向に移動させるレバー部とを有し、
前記固定ハンドルと前記レバー部との間で前記内部シャフトの一部が露出する鉗子において、
前記電源接続端子が、前記電源接続端子に電源供給用のコネクタが接続された際に前記コネクタにより前記露出部への外部からの接触を防止できるように、前記固定ハンドルから前記内部シャフトの露出部の上方位置に向けて延設されていることを特徴とする鉗子。
【請求項2】
請求項1に記載の鉗子であって、
前記電源接続端子は、前記コネクタが接続されていない状態で前記内部シャフトの後端部と前記レバー部との接続部が目視できるように、前記固定ハンドルから斜め後方に向けて延設されていることを特徴とする鉗子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の鉗子であって、
前記固定ハンドルは、前記内部シャフトの露出部の側方を覆うと共に前記可動ハンドルの前記軸部の周囲を覆う側板を有し、前記側板に囲まれた作動領域内で前記可動ハンドルのレバー部が移動され、
前記作動領域は前記電源接続端子が固定されている固定部と前記可動ハンドルのレバー部との間に開口する第1の開口と連通すると共に、前記可動ハンドルの軸部の下方で前記可動ハンドル側に向けて開口する第2の開口と連通し、更に前記固定ハンドルの前方に開口する貫通孔と連通していることを特徴とする鉗子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−207260(P2010−207260A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53362(P2009−53362)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(390029676)株式会社トップ (106)
【Fターム(参考)】