説明

鋼製の玄関ドアユニット

【課題】袖パネルの室内側に発生する結露を有効に防止する。
【解決手段】鋼製の玄関ドアユニットは、建物の躯体に固定されるドア枠2と、このドア枠2に蝶番4を介して開閉できるように連結している扉1とからなり、ドア枠2が所定の幅を有する袖パネル3を備えている。この袖パネル3は、ドア枠2の屋外側と屋内側とに屋外金属板11と屋内金属板12とを固定して、屋外金属板11と屋内金属板12との間に中空部10を設けている。さらに、袖パネル3は、この中空部10において、屋外金属板11の内面に断熱シート5を積層して固定しており、この断熱シート5の内面には屋内金属板12から中空部10に輻射される輻射熱を反射する輻射熱反射層6を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寒いときに室内側に発生する結露を防止できる鋼製の玄関ドアユニットに関し、とくに玄関ドアの側部に設けている袖パネルの室内側に結露が発生するのを有効に防止できる鋼製の玄関ドアユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
鋼製の玄関ドアユニットは、熱伝導に優れた鋼製の金属板を使用することから、室内側の金属板が、寒気で冷却された屋外側の金属板に冷却されて、寒いときに室内側で結露することがある。屋外の寒気で冷却されて冷たくなる室内側の金属板は、表面に接触する室内空気を冷却する。空気は冷却されると含有できる水分量が少なくなり、過飽和となった水蒸気を水滴として金属板の表面に結露を発生させる。この弊害は、室内側の金属板が室外の冷たい空気で冷却され難くする構造で解消できる。
【0003】
室内側の金属板と屋外側の金属板とを断熱して連結する構造で、室内側の金属板の結露を防止するドアが開発されている(特許文献1参照)。このドアは、図1と図2に示すように、チャンネル材91を方形枠組みし、その周囲に合成樹脂製の枠材92を取り付け、この枠材92に室内側表面板93Aと室外側表面板93Bとを取り付けている。枠材92は、上枠材92A、下枠材92B、室内側縦枠材92C、室外側縦枠材92Dとからなり、室内側枠材92Cと室外側枠材92Dにわたって縦部材94を取り付けている。このドアは、室内側と室外側の金属製表面板93の周縁を合成樹脂製の枠材92で連結する。合成樹脂は、熱伝導率が金属に比較して小さい。このため、この構造のドアは、表面側表面板93Aと裏面側表面板93Bとを断熱する状態で連結できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−37595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図1と図2に示す構造のドアは、室外側表面板93Bと室内側表面板93Aとを断熱して結露を防止するので、ドアの内部に外気が流入されると、この外気で室内側表面板93Aが冷却されて発生する結露を効果的に防止できない。ドアは、内部を閉鎖構造として外気の侵入を阻止する構造にできる。しかしながら、袖パネルは、種々の機構、たとえば郵便受けの開口部やインターホンなどを固定するための開口部、あるいは室内の圧力差を防止してドアを開きやすくする機構などが設けられることから、内部に外気が侵入しない構造とするのが難しい。このため、袖パネルは内部に侵入する冷気で屋内金属板が冷却されて発生する結露を有効に阻止するのが極めて難しい。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、袖パネルの室内側に発生する結露を有効に防止できる鋼製の玄関ドアユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の鋼製の玄関ドアユニットは、建物の躯体に固定されるドア枠2と、このドア枠2に蝶番4を介して開閉できるように連結している扉1とからなり、ドア枠2が所定の幅を有する袖パネル3を備えている。この袖パネル3は、ドア枠2の屋外側と屋内側とに屋外金属板11と屋内金属板12とを固定して、屋外金属板11と屋内金属板12との間に中空部10を設けている。さらに、袖パネル3は、この中空部10において、屋外金属板11の内面に断熱シート5を積層して固定しており、この断熱シート5の内面には屋内金属板12から中空部10に輻射される輻射熱を反射する輻射熱反射層6を設けている。
【0008】
以上の鋼製の玄関ドアユニットは、袖パネルの室内側の金属板の表面に発生する結露を有効に防止できる特徴がある。それは、冷たい外気で冷却される屋外金属板の内面に積層している断熱シートでもって、屋外金属板の中空部に露出する表面の温度低下を防止し、さらに断熱シートの内面に設けている輻射熱反射層でもって、屋内金属板から中空部に輻射される輻射熱を反射して屋内金属板の内面に照射して、屋内金属板の温度低下を防止するからである。とくに、この構造は、屋外金属板の内面に設けている断熱シートで輻射熱反射層の温度の低下を少なくできる。温度低下の少ない輻射熱反射層は、表面に照射される輻射熱を効率よく反射して屋内金属板の内面に熱エネルギーを供給する。この構造によって、屋内金属板は内面からの放熱量を少なくして、放熱による温度低下を小さくできる。温度低下の少ない屋内金属板は、表面に接触する空気温度を低温に冷却することがなく、空気を冷却して過飽和となって発生する結露を防止できる。以上のように、屋内金属板の輻射熱を屋外金属板の内面に設けている輻射熱反射層で反射して、熱エネルギーを再び屋内金属板の内面に供給する構造は、中空部を気密に閉塞することなく、屋内金属板の表面に発生する結露を防止できる特徴がある。したがって、郵便受けなどを設けて内部を気密に閉塞しない袖パネルにおいても、屋内金属板の表面に発生する結露を有効に防止できる特徴がある。
【0009】
本発明の鋼製の玄関ドアユニットは、断熱シート5を、独立気泡を有するプラスチック発泡体とすることができる。
この構造は断熱シートを薄くしながら優れた断熱特性を実現して、屋外金属板が低温に冷却される状態にあっても、輻射熱反射層の温度低下を少なくできる。
【0010】
本発明の鋼製の玄関ドアユニットは、輻射熱反射層6をアルミとすることができる。
この構造は、薄いアルミ箔やアルミ板でもって、屋内金属板から輻射される輻射熱を効率よく反射して、屋内金属板の内面に輻射熱を照射して熱エネルギーを供給できる。
【0011】
本発明の鋼製の玄関ドアユニットは、輻射熱反射層6を無機粉末層とすることができる。
この構造は、無機粉末層でもって、屋内金属板から輻射される輻射熱を吸収し、吸収蓄熱した熱エネルギーを輻射熱として屋内金属板の内面に照射して屋内金属板に熱エネルギーを供給できる。輻射熱を吸収して放熱することで、無機粉末層は照射される輻射熱を反射して、屋内金属板の内面に照射する。
【0012】
本発明の鋼製の玄関ドアユニットは、袖パネル3の屋外金属板11と屋内金属板12とが固定されるドア枠2を、屋外側に配設されて建物の屋外に露出する外側フレーム21と、屋内側に配設されて屋内に露出してなる内側フレーム22とで構成し、外側フレーム21と内側フレーム22とを、断熱層23を介して連結することができる。
この玄関ドアユニットは、袖パネルを設けるドア枠の内側フレームの表面に発生する結露も有効に防止できる。
【0013】
本発明の鋼製の玄関ドアユニットは、袖パネル3に、内部の中空部10を外部に連通して室内の圧力差を解消する圧力差解消装置9を設けることができる。
この構造の玄関ドアユニットは、圧力差解消装置を設けて袖パネルの中空部を外気に連結する状態としながら、屋内金属板の表面に発生する結露を効果的に防止できる。それは、袖パネルの内部に外気が流入される状態においても、断熱シートと輻射熱反射層でもって、屋内金属板から輻射される輻射熱を反射し、反射された輻射熱を再び屋内金属板の内面に照射して、熱エネルギーを供給して温度低下を少なくできるからである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来のドアの一例を示す水平断面図
【図2】図1に示すドアの垂直断面図
【図3】本発明の一実施例にかかる玄関ドアユニットの正面図である。
【図4】図3に示す玄関ドアユニットの背面図である。
【図5】図3に示す玄関ドアユニットの水平断面図である。
【図6】図3に示す玄関ドアユニットの垂直断面図であって、図5のVI−VI線断面に相当する図である。
【図7】図3に示す玄関ドアユニットの垂直断面図であって、図5のVII−VII線断面に相当する図である。
【図8】本発明の他の実施例にかかる玄関ドアユニットの正面図である。
【図9】図8に示す玄関ドアユニットの背面図である。
【図10】図8に示す玄関ドアユニットの圧力差解消装置を示すX−X線断面図である。
【図11】図10に示す圧力差解消装置のXI−XI線断面図である。
【図12】図10に示す圧力差解消装置が通気する状態を示す水平断面図である。
【図13】図11に示す圧力差解消装置が通気する状態を示す垂直断面図である。
【図14】図10に示す圧力差解消装置の対向プレートが離れる状態を示す水平断面図である。
【図15】図11に示す圧力差解消装置の対向プレートが離れる状態を示す垂直断面図である。
【図16】圧力差解消装置のロック機構を示す分解斜視図である。
【図17】図16に示すロック機構の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための鋼製の玄関ドアユニットを例示するものであって、本発明は鋼製の玄関ドアユニットを以下のものに特定しない。
【0016】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0017】
図3ないし図7に示す鋼製の玄関ドアユニットは、建物の躯体に固定されるドア枠2と、このドア枠2に蝶番4を介して開閉できるように連結している扉1とを備える。ドア枠2は、縦枠2Aと横枠2Bとを四角形に連結して、その内側に所定の幅の袖パネル3を設けている。袖パネル3は、ドア枠2の屋外側と屋内側とに屋外金属板11と屋内金属板12とを固定して、屋外金属板11と屋内金属板12との間に中空部10を設けている。
【0018】
ドア枠2は、両側に垂直姿勢に配置される一対の縦枠2Aと、縦枠2Aの上端に固定している上枠2Bxと、下端に固定している下枠2Byを有する。ドア枠2は、鋼板等の金属板を折曲加工して製作される。上枠2Bxは、両端を一対の縦枠2Aの上端に連結している。下枠2Byは、両端を一対の縦枠2Aの下端に連結している。このドア枠2は、一対の縦枠2Aと上枠2Bxと下枠2Byとを長方形に連結している。この構造は、ドア枠2を製造工場で長方形に連結して、施工現場に運搬できる。ただ、ドア枠は、必ずしも下枠を必要としない。縦枠と上枠をコンクリートや壁等の建物躯体に連結して、縦枠の下端を床や土間にできるからである。
【0019】
ドア枠2は、鋼板等の金属板を加工して製作される。縦枠2Aと上枠2Bxは、外側フレーム21と内側フレーム22で構成して、外側フレーム21と内側フレーム22とを断熱層23を介して連結している。外側フレーム21と内側フレーム22は、厚さを約1.6mmとする鋼板で製作される。ただし、外側フレーム21と内側フレーム22は、厚さを1〜2mmとする鋼板で製作することもできる。鋼板製の外側フレーム21と内側フレーム22は、安価で強靭な構造にできる特長がある。ただ、外側フレームと内側フレームは、必ずしも鋼板で製作する必要はない。外側フレームと内側フレームは、ステンレス等の金属板を折曲加工して製作することもできる。ステンレス製のドア枠は、錆びない特長がある。
【0020】
下枠2Byは、図6と図7の断面図に示すように、折曲加工した2枚の金属板を溶接等の方法で連結して製作される。これ等の図に示すドア枠2は、内側フレーム22を室内側に配置して、外側フレーム21を室外側に配置している。
【0021】
外側フレーム21と内側フレーム22は、断熱層23である断熱フィルム23Aを挟着して固定している。断熱フィルム23Aは、厚さを約100μmとするプラスチックフィルムである。プラスチックフィルムは、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムである。ただし、断熱フィルムには、布や不織布等をフィルム状としたものも使用できる。プラスチックフィルム製の断熱フィルム23Aは、厚さを50〜500μm、好ましくは50〜200μmとすることもできる。断熱フィルム23Aは、厚くして断熱特性を向上できる。断熱フィルム23Aを挟着する外側フレーム21と内側フレーム22は、ネジ24やリベットで固定される。
【0022】
袖パネル3は、ドア枠2の屋外側に屋外金属板11を、屋内側に屋内金属板12を固定して、屋外金属板11と屋内金属板12との間に中空部10を設けている。外側フレーム21と内側フレーム22とを断熱して固定しているドア枠2は、外側フレーム21に屋外金属板11を固定して、内側フレーム22に屋内金属板12を固定して、屋外金属板11と屋内金属板12とを断熱して連結している。袖パネル3は、屋外金属板11と屋内金属板12の片側と上下をドア枠2に連結して、扉1の戸先面に対向する垂直な戸当たり側部で互いに連結して、内部に中空部10を設けている。屋外金属板11と屋内金属板12とを連結して設けている戸当たり側部は、エアータイトパッキン29を固定する段差凹部15と、扉1の戸当たり19を受ける段差部16とを設けている。
【0023】
屋外金属板11と屋内金属板12は、段差凹部15の底面で積層し、積層部14の間に断熱層13である断熱フィルム13Aを挟着して、積層部14を止ネジ17で固定している。段差凹部15にはエアータイトパッキン29を固定して止ネジ17を隠蔽している。屋外金属板11と屋内金属板12とを断熱して連結する構造は、屋内金属板12から屋外金属板11への熱伝導を少なくして、屋内金属板12の表面に発生する結露をより少なくできる。ただ、屋外金属板と屋内金属板は、断熱することなく直接に固定することもできる。この構造は、屋外金属板と屋内金属板とを強固に固定できる。さらに、この構造の玄関ドアユニットは、ドア枠を外側フレームと内側フレームとに分割することなく、一枚の金属板をプレス加工して製作することができる。
【0024】
エアータイトパッキン29は、ドア枠2に設けた段差凹部25にも固定されて、扉1を閉める状態で扉1の全周を気密に閉塞する。したがって、ドア枠2にもエアータイトパッキン29を固定するために段差凹部25を設けて、ここにエアータイトパッキン29を固定している。ドア枠2の段差凹部25は、扉1を閉める状態で、扉1の外周が接触する位置に設けられる。
【0025】
袖パネル3は、図5と図7に示すように、中空部10にあって、屋外金属板11の内面に断熱シート5を積層するように固定している。断熱シート5は、粘着層を介して屋外金属板11の内面に固定され、あるいは接着剤を介して屋外金属板11の内面に積層して固定される。断熱シート5は、好ましくは屋外金属板11の全面に固定される。ただ、断熱シートは、必ずしも屋外金属板の全面に固定する必要はなく、たとえば、屋外金属板の全体の50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上の面積に固定される。屋外金属板の内面に固定する断熱シートの面積を大きくして、屋外金属板による放熱を少なくし、また、この表面に設ける輻射熱反射層の面積を大きくして、屋内金属板の結露を少なくできる。
【0026】
断熱シート5は、独立気泡を有するプラスチック発泡体である。この断熱シート5は、薄くて優れた断熱特性を有するので、その厚さを約2mmとして優れた断熱性を実現する。断熱シート5には、プラスチック発泡体に代わって、細繊維を立体的に集合している不織布やガラス繊維等も使用できる。断熱シート5は、厚くして断熱特性をより向上できるので、2mmよりも厚く、たとえば2mm〜20mmとすることもできる。また、断熱特性の優れた断熱シートは薄くできるので、2mmよりも薄く、例えば0.5mm〜2mmとすることもできる。断熱シートの最適な厚さは、断熱シートの断熱特性や、要求される断熱性、さらに使用される温度環境などを考慮して最適値に設定される。
【0027】
断熱シート5の内面には、屋内金属板12から中空部10に輻射される輻射熱を反射する輻射熱反射層6を設けている。輻射熱反射層6はアルミ箔である。アルミ箔は薄くて屋内金属板12から輻射する輻射熱を効率よく反射する。このアルミ箔は、屋内金属板12の輻射熱を再び屋内金属板12の内面に照射する。ただ、輻射熱反射層は、アルミ板とすることもできる。さらに、輻射熱反射層は、表面を鏡面仕上げしてなる金属板とすることもできる。この輻射熱反射層として、たとえば、アルミ、鉄、銅、真鍮等の金属板の表面に、クロムメッキやニッケルメッキ等を施して表面を鏡面仕上げしたものが使用できる。金属板である輻射熱反射層は、厚さを2mm以下、好ましくは1mm以下として、断熱シートの内面に接着して固定される。物体から放射される輻射熱は、物体の温度が高くなるにしたがって大きくなる。したがって、屋内金属板12は屋外金属板11に比較して温度が高く、多量の輻射熱を放射する。屋内金属板12は、輻射熱を放射して熱エネルギーを失う。したがって、輻射熱を放射することで屋内金属板12は温度が低下する。ただ、本発明の玄関ドアユニットは、放射された輻射熱を中空部10の輻射熱反射層6で反射して、再び屋内金属板12の内面に照射する。したがって、輻射熱を放射して熱エネルギーを失っても、輻射した輻射熱が反射されて再び照射されて熱エネルギーが供給される。したがって、屋内金属板12は、輻射熱を放射して失う熱エネルギーが極めて少なく、温度が低下して発生する結露を防止できる。
【0028】
さらに、輻射熱反射層は、無機粉末層とすることもできる。無機粉末層の輻射熱反射層は、断熱シートの表面に無機粉末を所定の厚さで積層して設ける。この無機粉末には、セラミックスや金属、あるいは金属化合物等の無機質材を粉末状にしたものを使用する。金属の無機粉末には、アルミニウムやステンレス等の金属を粉末状にしたものが使用でき、金属化合物の無機粉末には、シリカやアルミナ等を粉末状にしたものが使用できる。無機粉末層は、未硬化で液状ないしペースト状のバインダーに無機粉末を混合したものを、断熱シートの表面に塗布して設けることができる。無機粉末層である輻射熱反射層は、屋内金属板から輻射される輻射熱を無機粉末層で吸収し、吸収した熱エネルギーを輻射熱として屋内金属板の内面に照射して屋内金属板に熱エネルギーを供給する。したがって、この輻射熱反射層は、屋内金属板から照射される輻射熱を吸収して放熱することで、屋内金属板の温度低下をより少なくできる。
【0029】
さらに、図8ないし図13に示す玄関ドアユニットは、室内外の圧力差解消装置9をドア枠2の袖パネル3に設けている。圧力差解消装置9を設けている袖パネル3は、室外の空気を室内に流入するために、屋外金属板11に通気穴31を、屋内金属板12に通気穴32を開口している。図8の玄関ドアユニットは、袖パネル3のネームプレート39を設ける部分に通気穴31を設けて、この通気穴31をネームプレート39に併用される室外プレート41で開閉するようにしている。
【0030】
図10と図12の水平断面図と、図11と図13の垂直断面図に示す袖パネル3は、室外側に設けている屋外金属板11に設けた通気穴31を圧力差解消装置9で開閉する。袖パネル3の室内側に設けている屋内金属板12は、図9に示すように、下部に通気穴32を設けている。室内側の屋内金属板12に設けた通気穴32は、圧力差解消装置9で開閉せず、つねに開口された状態としている。この袖パネル3は、図12と図13の矢印で示すように、圧力差解消装置9が室外側の屋外金属板11に設けた通気穴31を開口する状態で、室外側の空気を内部に通過させて、室内側の屋内金属板12の通気穴32から室内に流入させる。図10と図11に示すように、圧力差解消装置9が室外側の屋外金属板11の通気穴31を閉塞する状態で、室外の空気は袖パネル3に流入しない。したがって、この状態で室外の空気が室内に流入することはない。
【0031】
さらに、図10ないし図13に示す袖パネル3は、中空部10にあって、屋外金属板11の内面に断熱シート5を積層するように固定している。この断熱シート5の内面には屋内金属板12から中空部10に輻射される輻射熱を反射する輻射熱反射層6を設けている。断熱シート5は、粘着層を介して屋外金属板11の内面に固定され、あるいは接着剤を介して屋外金属板11の内面に積層して固定される。断熱シート5は、好ましくは屋外金属板11の全面であって、通気穴31を除く部分に固定される。断熱シートは、屋外金属板の全体の50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上の面積に固定される。
【0032】
図10ないし図13に示す袖パネル3は、室外側の屋外金属板11に開口した通気穴31に網材56を配置している。図の袖パネル3は、屋外金属板11の内側であって、通気穴31の全体をカバーするように網材56を固定している。この網材56は、例えば、金属網で、網目の大きさが、空気を自由に通過できるが、虫やゴミ等が侵入するのを阻止できるサイズのものを使用する。このように、通気穴31に網材56を配置する構造は、ここから虫やゴミが侵入するのを有効に防止できる。
【0033】
圧力差解消装置9を図10ないし図17に示している。これらの図に示す圧力差解消装置9は、袖パネル3の室外側の屋外金属板11の外側に配設される室外プレート41と、袖パネル3の室内側の屋内金属板12の外側に配設している室内プレート42と、袖パネル3の内部にあって、互いに接近しかつ離れる方向に移動できるように連結している一対の対向プレート40と、この一対の対向プレート40を互いに接近位置に係止するロック機構50と、室内側の屋内金属板12側に配設している室内側の対向プレート40Aを室外プレート41に連結している第1の連結ロッド43Aと、室外側の屋外金属板11側に配設している室外側の対向プレート40Bを室内プレート42に連結している第2の連結ロッド43Bとを備えている。
【0034】
室外プレート41は、室外側の屋外金属板11に設けた通気穴31を閉塞するので、この通気穴31よりも大きくする。さらに、室外プレート41は、内面の外周に沿ってパッキン57を固定して、室外側の屋外金属板11の通気穴31を空気漏れなく閉塞できる。室内プレート42は、室外プレート41よりも小さくしている。
【0035】
室外プレート41と室内プレート42は、簡単に往復運動できるように表面にグリップ44を固定している。図のグリップ44は、金属ロッドをコ字状に折曲加工している。室外側に配置されるグリップ44は、両端を室外プレート41に固定している。室内側に配置されるグリップ44は、両端を室内プレート42に固定している。
【0036】
以上の圧力差解消装置9は、連結ロッド43を介して袖パネル3に往復運動できるように連結される。袖パネル3は、屋外金属板11及び屋内金属板12を貫通して連結穴38を設けている。この連結穴38に圧力差解消装置9の連結ロッド43を移動できるように挿入して、圧力差解消装置9は往復運動できるように袖パネル3に連結される。袖パネル3は、室外側の屋外金属板11と室内側の屋内金属板12に連結穴38を設けて、室外側の屋外金属板11の連結穴38に第1の連結ロッド43Aを、室内側の屋内金属板12の連結穴38に第2の連結ロッド43Bを挿通している。第1の連結ロッド43Aと第2の連結ロッド43Bは、屋外金属板11及び屋内金属板12に設けた連結穴38に挿通されて、屋外金属板11及び屋内金属板12を貫通して軸方向に移動自在に連結している。この連結ロッド43を介して往復運動される圧力差解消装置9は、室外プレート41と室内プレート42を、袖パネル3の屋外金属板11及び屋内金属板12に接近し、かつ離れる方向に往復運動できるように連結される。
【0037】
図10と図11に示すように、室外プレート41が室外側の屋外金属板11に接近する状態で、袖パネル3に設けた通気穴31は閉塞される。この状態で、室内プレート42は室内側の屋内金属板12から離れる。図12と図13に示すように、室外プレート41が室外側の屋外金属板11から離れる状態で、通気穴31は開口されて、図の矢印で示すように、室内に換気される。この状態で、室内プレート42は室内側の屋内金属板12に接近するが、袖パネル3は下部に通気穴32を設けているので、この通気穴32を介して室内に換気される状態となる。室外プレート41と室内プレート42の内側の間隔は、袖パネル3の室外側に設けている屋外金属板11及び屋内金属板12と室内側に設けている屋外金属板11及び屋内金属板12の間隔よりも広い。したがって、圧力差解消装置9を連結ロッド43で往復運動して、室外プレート41と室内プレート42のいずれかを屋外金属板11及び屋内金属板12に接近させる状態で、他方は屋外金属板11及び屋内金属板12から離れる位置にある。正確には、ロック機構50が一対の対向プレート40を接近位置に配置する状態で、室外プレート41と室内プレート42は一方を屋外金属板11及び屋内金属板12に接近させると、他方は屋外金属板11及び屋内金属板12から離れた位置となる。ただし、図14と図15に示すように、ロック機構50が、ロック状態を解除する状態にあっては、室外プレート41と室内プレート42の両方が屋外金属板11及び屋内金属板12に接近して、通気穴31を閉塞する。したがって、ロック状態を解除する状態で、圧力差解消装置9は通気穴31を開口することはない。
【0038】
以上の動作するために、ロック機構50は、図10ないし図17に示すように、温度ヒューズ51と、この温度ヒューズ51に連結している弾性体52を備える。図に示す温度ヒューズ51は、2枚の金属板51Aを、熱溶融金属51Bを介して積層しており、この熱溶融金属51Bで2枚の金属板51Aの対向面を接合して連結している。この温度ヒューズ51は、周囲温度が熱溶融金属51Bの融点まで上昇すると、熱溶融金属51Bが溶融されて、2枚の金属板51Aの接合状態が解除されて溶断される。ただ、温度ヒューズには、所定の温度で溶断される他の全てのものが使用できる。
【0039】
温度ヒューズ51は、溶断されない状態でロック状態、溶断される状態で非ロック状態となる。ロック状態は、図10ないし図13に示すように、一対の対向プレート40を接近位置に配置して、室外プレート41と室内プレート42の間隔を、袖パネル3の両面に設けている一対の屋外金属板11及び屋内金属板12の間隔よりも広くする。非ロック状態は、図14と図15に示すように、温度ヒューズ51が溶断されて室外プレート41と室内プレート42とを互いに接近させて屋外金属板11の通気穴31を閉塞する。このロック機構50は、火災などで周囲の温度が高くなって温度ヒューズ51が溶断される状態になると、ロック状態が解除されて、一対の対向プレート40を互いに離れる位置に移動して、室外プレート41を屋外金属板11の表面に、室内プレート42を屋内金属板12の表面に接触させて、屋外金属板11の通気穴31を閉塞する。
【0040】
ロック機構50は、非ロック状態で室外プレート41と室内プレート42を互いに接近させるために、一対の対向プレート40の間に押しバネ54を設けている。図16に示す押しバネ54はコイルスプリングで、連結ロッド43を挿通して、一対の対向プレート40の間に配置している。図の押しバネ54は、第2の連結ロッド43Bに挿通している。押しバネ54に押されて、一対の対向プレート40が互いに離れる方向に移動できるように、すなわち、一対の対向プレート40が接近位置から離れる位置に移動できるように、第1の連結ロッド43Aは室外側の対向プレート40Bを軸方向に移動できるように貫通し、第2の連結ロッド43Bは室内側の対向プレート40Aを軸方向に移動できるように貫通している。
【0041】
さらに、ロック機構50は、通常の状態でロック位置にあって、火災などで温度ヒューズ51が溶断される状態で非ロック状態となるように、温度ヒューズ51に連結しているロックプレート53と、このロックプレート53に連結している弾性体52とを備えている。ロックプレート53は、一対の対向プレート40の間に設けられ、温度ヒューズ51と弾性体52は対向プレート40の外側に配置される。ロックプレート53が一対の対向プレート40をロック位置、すなわち接近位置に保持し、非ロック状態では対向プレート40を離す位置に移動させるために、一対の対向プレート40は、連結ロッド43を固定している連結プレート部40aの側縁に側壁部40bを設けて、一方の対向プレート40の側壁部40bを他方の対向プレート40の側壁部40bの内側に配設して、一対の対向プレート40の側壁部40bを互いに相対運動できる位置に配置している。図の対向プレート40は、金属板を溝型に加工して、連結プレート部40aの両側縁に側壁部40bを設けている。
【0042】
温度ヒューズ51と弾性体52が配置される対向プレート40(図においては、室内側の対向プレート40A)の側壁部40bは、長手方向に伸びる縦スリット45を設けており、この縦スリット45に沿って移動するようにロックプレート53を一対の対向プレート40の間に配置している。図に示す室内側の対向プレート40Aは、両側の側壁部40bの対向する位置に縦スリット45を設けている。また、ロックプレート53は、縦スリット45を通過して、外側に配置される側壁部40bに向かって突出する係止凸部53aを設けている。図のロックプレート53は、両側の同じ位置に係止凸部53aを設けている。さらに、温度ヒューズ51と弾性体52が配置されない対向プレート40(図においては、室外側の対向プレート40B)の側壁部40bには、ロックプレート53の係止凸部53aを案内する係止スリット46を設けている。この係止スリット46は、縦スリット45の方向に伸びるロックスリット46aと、このロックスリット46aに連結しているロック解除スリット46bとを設けている。ロック解除スリット46bは、長手方向に伸びるロックスリット46aに直交する横方向に伸びて、側壁部40bの側縁に開口する。
【0043】
また、ロックプレート53は、図17に示すように、中間の一部を直角に折曲して、温度ヒューズ51と弾性体52に連結する折曲片53bを設けている。この折曲片53bは、対向プレート40に長手方向に伸びるように設けた貫通スリット47に案内されて、対向プレート40の外側に突出している。図のロックプレート53の折曲片53bは、第1の連結ロッド43Aを連結している室内側の対向プレート40Aの連結プレート部40aに長手方向に伸びるように設けている。折曲片53bは、先端を2分岐して、一方には温度ヒューズ51を、他方には弾性体52を連結している。
【0044】
温度ヒューズ51は、対向プレート40の外側にあって、ロックプレート53をロック位置に停止する。この温度ヒューズ51は、一端をロックプレート53に他端を対向プレート40に連結している。対向プレート40は、温度ヒューズ51と弾性体52を連結するために、連結プレート部40aの一部を外側に折曲して連結片48、49を設けている。温度ヒューズ51と弾性体52は、第1の連結ロッド43Aを連結する室内側の対向プレート40Aの外側に配置するので、この室内側の対向プレート40Aの連結プレート部40aに連結片48、49を設けている。温度ヒューズ51は、一端をこの連結片48に連結して、他端をロックプレート53の折曲片53bに連結している。図の温度ヒューズ51は、2枚の金属板51Aの端部であって、反対側に位置して連結孔51aを開口しており、この連結孔51aに連結片48と折曲片53bを挿入して連結している。また、弾性体52は、一端を対向プレート40の連結片49に、他端をロックプレート53の折曲片53bに連結している。
【0045】
以上の圧力差解消装置9は、図10と図12に示すロック状態において、ロックプレート53の係止凸部53aをロックスリット46aに案内して、一対の対向プレート40を接近位置にロックする。弾性体52は引っ張りバネで、温度ヒューズ51が溶断される状態ではロックプレート53を引っ張って、対向プレート40を長手方向に移動させて、係止凸部53aをロック解除スリット46bに案内する方向に付勢している。非溶断状態にある温度ヒューズ51は、ロックプレート53の係止凸部53aをロックスリット46aに案内して、一対の対向プレート40をロック状態として接近位置に配置する。火災などで温度ヒューズ51が溶断されると、弾性体52がロックプレート53を引っ張って移動し、ロックプレート53の係止凸部53aをロック解除スリット46bに案内する。この状態になると、押しバネ54が一対の対向プレート40を押して、図14に示すように、互いに離す方向に移動させる。一対の対向プレート40が互いに離す方向に移動されると、連結ロッド43でもって、室外プレート41と室内プレート42は互いに接近する方向に移動されて、室外プレート41が屋外金属板11の表面に、室内プレート42が屋内金属板12の表面に密着される。この状態で、室外プレート41は屋外金属板11に設けた通気穴31を閉塞する。
【0046】
以上の圧力差解消装置9は、扉1を開くことに先だって、以下のようにして、室内外の圧力差を解消少なくして、扉1を軽く開くことができるようにする。この状態において、温度ヒューズ51は溶断された状態になく、ロック機構50はロック状態にあって、一対の対向プレート40を接近位置とし、これに連結している室外プレート41と室内プレート42を離した状態に保持している。この状態で、図12と図13に示すように、室外プレート41のグリップ44を引っ張って室外プレート41を袖パネル3の室外側の屋外金属板11から引き離す。室外プレート41が室外側の屋外金属板11から離されると、室外側の屋外金属板11に設けている通気穴31が開口される。この状態で、室外の空気は、室外側の屋外金属板11に設けた通気穴31から袖パネル3に流入し、さらに、袖パネル3の室内側の屋内金属板12に設けた通気穴32から室内に流入する。すなわち、室外から室内に空気が流入して、室内と室外の圧力差は解消される。この状態で扉1を軽く開くことができる。
【0047】
袖パネル3の通気穴31を閉塞するときは、以上の状態から、室内プレート42に設けたグリップ44を引っ張って、図10と図11に示すように、室外プレート41を室外側の屋外金属板11に密着する。この状態になると、室外側の屋外金属板11の通気穴31は室外プレート41で閉塞される。この状態で、圧力差解消装置9は、袖パネル3に設けた通気穴31を閉塞する。さらに、室外プレート41を室外側の屋外金属板11に密着させて通気穴31を閉塞する状態に保持するために、この位置で室内側の屋内金属板12の内面に吸着される永久磁石55を対向プレート40に固定している。この構造は、室外プレート41を室外側の屋外金属板11に密着させた状態に保持できる。室外プレート41を室外側の屋外金属板11から離すときは、室外プレート41のグリップ44を引っ張って、永久磁石55の吸着状態を解除する。
【0048】
以上の圧力差解消装置9は、手でグリップ44を操作して通気穴31を開閉するが、圧力差解消装置は、図示しないが、赤外線センサースイッチと電源回路により、通気穴をアクチュエータで開閉することもできる。この圧力差解消装置は、ロック状態にある対向プレートをアクチュエータで往復運動させて室外プレートで通気穴を開閉するので、室外プレート及び室内プレートに固定するグリップを省略して、すっきりとした外観にできる。
【0049】
以上の玄関ドアユニットは、室外プレート41又は室内プレート42を屋外金属板11及び屋内金属板12に密着する状態で、火災が発生すると温度ヒューズ51が溶断される。温度ヒューズ51が溶断されると、図14に示すように、ロックプレート53のロック状態が解除されて、押しバネ54が一対の対向プレート40を互いに離すように移動する。この状態になると、対向プレート40は連結ロッド43を介して室外プレート41と室内プレート42とを互いに接近させる方向に移動する。この状態で、室外プレート41は、室外側の屋外金属板11に密着し、室内プレート42は室内側の屋内金属板12に密着する。室外プレート41と室内プレート42とが互いに接近することから、室外プレート41がどの位置にあっても、室外側の屋外金属板11に密着して、通気穴31を確実に閉塞する。したがって、火災が発生するときには、通気穴31を確実に閉塞して防火ドアとしての特性を満足する。
【符号の説明】
【0050】
1…扉
2…ドア枠 2A…縦枠
2B…横枠
2Bx…上枠
2By…下枠
3…袖パネル
4…蝶番
5…断熱シート
6…輻射熱反射層
9…圧力差解消装置
10…中空部
11…屋外金属板
12…屋内金属板
13…断熱層 13A…断熱フィルム
14…積層部
15…段差凹部
16…段差部
17…止ネジ
19…戸当たり
21…外側フレーム
22…内側フレーム
23…断熱層 23A…断熱フィルム
24…止ネジ
25…段差凹部
29…エアータイトパッキン
31…通気穴
32…通気穴
38…連結穴
39…ネームプレート
40…対向プレート 40A…室内側の対向プレート
40B…室外側の対向プレート
40a…連結プレート部
40b…側壁部
41…室外プレート
42…室内プレート
43…連結ロッド 43A…第1の連結ロッド
43B…第2の連結ロッド
44…グリップ
45…縦スリット
46…係止スリット 46a…ロックスリット
46b…ロック解除スリット
47…貫通スリット
48…連結片
49…連結片
50…ロック機構
51…温度ヒューズ 51A…金属板
51a…連結孔
51B…熱溶融金属
52…弾性体
53…ロックプレート 53a…係止凸部
53b…折曲片
54…押しバネ
55…永久磁石
56…網材
57…パッキン
91…チャンネル材
92…枠材 92A…上枠材
92B…下枠材
92C…室内側縦枠材
92D…室外側縦枠材
93…表面板 93A…室内側表面板
93B…室外側表面板
94…縦部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の躯体に固定されるドア枠(2)と、このドア枠(2)に蝶番(4)を介して開閉できるように連結している扉(1)とからなり、前記ドア枠(2)が所定の幅を有する袖パネル(3)を有し、
この袖パネル(3)は、ドア枠(2)の屋外側と屋内側とに屋外金属板(11)と屋内金属板(12)とを固定して、屋外金属板(11)と屋内金属板(12)との間に中空部(10)を設けており、この中空部(10)にあって、前記屋外金属板(11)の内面には断熱シート(5)を積層して固定しており、さらにまた、この断熱シート(5)の内面には屋内金属板(12)から中空部(10)に輻射される輻射熱を反射する輻射熱反射層(6)を設けてなる鋼製の玄関ドアユニット。
【請求項2】
前記断熱シート(5)が独立気泡を有するプラスチック発泡体である請求項1に記載される鋼製の玄関ドアユニット。
【請求項3】
前記輻射熱反射層(6)がアルミである請求項1に記載される鋼製の玄関ドアユニット。
【請求項4】
前記輻射熱反射層(6)が無機粉末層である請求項1に記載される鋼製の玄関ドアユニット。
【請求項5】
前記袖パネル(3)の屋外金属板(11)と屋内金属板(12)が固定されるドア枠(2)が、屋外側に配設されて建物の屋外に露出する外側フレーム(21)と、屋内側に配設されて屋内に露出してなる内側フレーム(22)とからなり、外側フレーム(21)と内側フレーム(22)が断熱層(23)を介して連結されてなる請求項1に記載される鋼製の玄関ドアユニット。
【請求項6】
前記袖パネル(3)が、内部の中空部(10)を外部に連通して室内の圧力差を解消する圧力差解消装置(9)を設けてなる請求項1に記載される鋼製の玄関ドアユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−281155(P2010−281155A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136717(P2009−136717)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(391016886)日本フネン株式会社 (30)
【Fターム(参考)】