説明

長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン成分を含むゴルフボール

【課題】ゴルフボールの所望のプレイ特性、例えば、高CORによる、より遠い距離を実現するだけでなく、製造コストを低減する。
【解決手段】ゴルフボール全体のCORは少なくとも約0.780であり、Atti圧縮は約25から約120である。また、コアと、カバーと、オプションとして上記コアおよび上記カバーの間に配された中間層とを有するゴルフボールにも向けられており、上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つが、ポリブタジエン組成物を有し、当該ポリブタジエン組成物が、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満である長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。他の実施例において、上記コアが、ポリブタジエン組成物を有し、当該ポリブタジエン組成物が、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満である長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゴルフボールに関し、また、ゴルフボールの所望のプレイ特性、例えば、高CORによる、より遠い距離を実現するだけでなく、広範囲の圧縮を目指すのに広範囲に適用でき、また混合品質、押し出し性、外観(押し出し表面の円滑性)、制御された低温流動性、大きなグリーン強度、適切なタック、およびより少ないバックリンディングの点で優れたプロセス性を実現し、もって、ゴルフボールの製造コストを低減する材料を組み込む、ゴルフボールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールは、一般的には、ソリッドまたは糸巻に分類される。ソリッドゴルフボールは典型的にはカバーにより包囲されたソリッドコアを含み、双方は多重層であってよく、例えば、ソリッドセンタおよび外側コア層を具備する二重コア、または内側および外側カバー層を具備する多層カバーである。さらに、1または複数の中間層をコアおよびカバーの間に配してよい。ゴルフボールコアおよび/またはセンタは慣用的には熱硬化性ゴム、典型的にはプリブタジエン・ベースの組成物により構築されるけれども、最近では、熱可塑性材料または高度に中和されたポリマーも採用されている。糸巻ゴルフボールは、ソリッドゴルフボールの先駆物であり、典型的には、引っ張られた弾性材料およびカバーにより包囲された、ソリッド、空洞、または流体充填センタを含む。
【0003】
ここで、コアは、クラブヘッドで打撃されたときのゴルフボールの「エンジン」である。すなわち、それはゴルフボールのバネであり、その弾力性の基本的な根源である。他方、中間層は、しばしば、アイオノマーをベースとし、初期速度の維持を目的とし、所望のスピンレートに貢献し、またプレイ可能性/衝撃耐久性を改善し、さらに、COR低減からコアを防護する湿気バリア層としても働く。ゴルフボールのCORすなわち反発係数が全体として大きいと、ゴルファーがクラブでボールを叩いたときに所望の移動距離を実現する。カバーは当初はゴルフボールを毛羽立ちから防護することを意図するものであるが、所望のスピンレート、フィーリング、およびプレイ可能性、さらに、「リフト」および「ドラッグ」のような問題に対処するように修正されてもいる。
【0004】
したがって、多くのゴルファーは全体のCORが大きいボールを好む。ゴルフボールが衝突時に移動する距離は少なくともボールのCORおよび空気力学特性に左右される。ゴルフボールにおいて、CORは、衝突前のゴルフボールの速度に対する衝突後のゴルフボールの速度の比として近似されており、その範囲は0から1.0である。1.0のCORは完全弾性衝突と等価であり、すべてのエネルギは生得に際し伝達される。0.0のCORは完全非弾性衝突であり、すべてのエネルギが衝突に際して失われる。したがって、ゴルフボールのCORが大きければ大きいほど、ゴルフクラブで打撃したときにドライブエネルギーが同じ場合では、ゴルフボールの移動距離が大きくなる。
【0005】
他方、多くの熟達したゴルファーは、ボールフライトの制御およびグリーン上の方向づけに優れており、またソフトなフィーリングで、圧縮が小さく、大きなスピンのゴルフボールを好む。初期のソリッドゴルフボールは、糸巻ゴルフボールのソフトなフィーリング、小さな圧縮および大きなスピンレートを欠いていた。しかしながら、最近になって、ソリッドゴルフボールのコアは加熱され、架橋されて、所定の特性、例えば、より大きな、またはより小さな圧縮を実現し、これはドライバーからのボールのスピンレートやフィーリングに影響を与える。
【0006】
当初、圧縮はゴルフボールのまわりの巻糸の緊張度と呼ばれていた。今日では、圧縮は、ドライバーがボールを打撃したときの圧縮力によりボールがどのくらい変形するかを指す。実際、ドライバーがボールと合致するとき、ボールは平らになる傾向があり、丸い形状から変形し、この後、丸い形状に戻る。これはすべて、1または2秒以内に起こる。圧縮レーティングが低ければ低いほど、衝突時に、ボールは縮んで変形する。AttiまたはPGA圧縮は、圧縮の一般的な測定であり、約25から約120の範囲である。
【0007】
一般的には、カバーがより多く変形可能であると、スピンをより容易にボールに加えることができる。これは、ショートまたはウェッジショットの場合にとくに当てはまる。これはハードカバーのゴルフボールにおいても実現でき、例えば、カバーがクラブで打撃されたときにコアは一時的に変形可能である場合には、そうである。他方、中間層の組成物を変更するとそのような所望の特性を実現するのを支援できる。
【0008】
グリーン上におけるゴルファーの能力を最大化させるには、プレイヤーのスイング速度にゴルフボールの圧縮レーティングを合致させることが望まれる。ボールの圧縮は単独ではボールがより特に飛ぶかどうかを決定しないけれども、全体の距離に確実に影響を与え貢献する。したがって、スイングが遅く、またはクラブヘッド速度が遅いゴルファーは、圧縮が大きなボールを用いると起こる、ヤード距離の喪失を防ぐために、圧縮が低いボール(柔らかいボール)を好む。そして、スイングが早く、またはクラブヘッド速度が早いゴルファーは、圧縮が大きなボールを好む。
【0009】
したがって、製造業者は、大きな全体のゴルフボールCORを実現しながら、慣用的な製造プロセスにおいて容易に、かつ廉価に、修正できて、制御された加工性と矛盾することなく、角ゴルファーのスイング速度に応じた約25から約120の広範囲のゴルフボール圧縮を目指すことができる多用途の材料を組み込んだゴルフボールを開発することに努力する。
【0010】
加工が困難であるとゴルフボールの全体の生産コストが上昇するので、ゴルフボール材料の制御された加工性は、依然重要な考慮事項である。ここで、加工の困難性は材料の取り扱い上、および製造上の課題の双方を含む。1つの取り扱い上の問題は、低温流動性であり、これは貯蔵および出荷の際の未硬化のゴムの梱包において起こる。固体材料X(例えばゴム)は、固体材料Xの固体材料Yとの衝突または材料Yによって材料Xに圧力が加えられるときに、長い時間を掛けて、第2の固体材料Yが固体材料Xを通り抜け、置換し、または永久的に固体材料Xの形状を変化させることを、固体材料が許容する程度に、「低温流動性」(Cold Flow)と呼ばれる特性を有する。先に検討したゴルフボールの一時的な変形または圧縮は、実際に、好ましいゴルフボールの特性である反面、ゴルフボール材料の、一定圧縮負荷の下の低温流動性、またはクリープ永久変形は、そうではない。したがって、大きなCOR、約25から約120の広範囲の圧縮を実現し、またはこれに寄与しつつ、制御された低温流動性を保証する材料を有する改良されたゴルフボールに対する要請がある。
【0011】
CORが大きく、圧縮が多様なゴルフボールを製造する際に、製造業者が直面するハードルは低温流動性だけではない。低グリーン強度(未硬化ゴムの強度)は、例えば、粉砕、シート化、および押し出しに耐える組成物の性能に悪い影響を与える。ゴルフボール製造業者は、これらプロセスに耐える充分なグリーン強度を伴う材料を求めている。
【0012】
劣悪な押し出し性能、雑な押し出し成型性、混合の一貫していない品質、不十分なタックおよびバックリンディングは、CORが大きく、広範囲の圧縮を伴うゴルフボールを製造する際にゴルフボール製造業者が直面してきた加工上/取り扱い上の問題である。タックに関しては、材料が他の材料と接着するにたる充分なタックを有し、それでいて、例えば金型と固着するほどの多くタックを処理して成型処理の邪魔になることがないというバランスがとられていなければならない。他方、バックリンディングは、例えば、組成物が硬化中に拡張し続け、成型分離線で裂けるときに、成型プロセスによる不具合である。
【0013】
広範囲の圧縮を得るために大きなCORのゴルフボールにネオジム触媒のポリブタジエンを組み入れるという以前の試みは、加工上の困難性に遭遇した。例えば、約50%までのBayerのCB−22(高線形)のようなネオジム触媒ポリブタジエンゴムの、コバルト触媒ポリブタジエンゴムとのブレンドを有するコアを伴う高CORのゴルフボールが開示された。しかしながら、このブレンドの加工性は、ブレンド中の、高度に線形菜ネオジム触媒ポリブタジェンンの料が減少し、これに合わせて、コバルト触媒ポリブタジエンゴムが減少すると、減少することがわかった。これについては、米国特許第6,426,387号(Kim)、第3欄、59−62行を参照されたい。
【0014】
他の高CORのゴルフボールが開示され、これは、ブレンド中にコアの約30重量%から約45重量%の量のネオジム触媒ポリブタジエンゴム、例えば、BayerのLanxess CB−23およびCB−24(双方とも線形)を、コバルト触媒のポリブタジエンゴムとともに組み込んだコアを有している。ここでは、それらネオジム触媒ポリブタジエンの量の範囲では加工上の困難性が回避されることがわかった。これについては、米国特許第6,315,684号(Binettoe等)、第9欄を参照されたい。単一のネオジム触媒ポリブタジエンも、コアの55重量%から75重量%の含有範囲でゴルフボールコア中に組み込まれた。ここでは、コアの圧縮は50未満であり、全体のゴルフボールの圧縮は35〜50で、全体のゴルフボールの大きなCORは少なくとも0.780であった。これについては、米国特許出願公開第2010/0087274号および同第2010/0087277号(OGG等)を参照されたい。
【0015】
したがって、その構造および特性によって広い重量%の包含範囲でゴルフボール中に組み入れることが可能で全体のゴルフボールの所望の広範囲の圧縮を実現でき、それでいて、優れた加工性を実現する、少なくとも1つのネオジム触媒ポリブタジエン組成物を組み込んだ高CORのゴルフボールに対する要望がる。このポリブタジエン組成物がそのように多用途であるので、ゴルフボール製造業者の製造を容易にし、ゴルフボール製造のコストを減少させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6,426,387号明細書
【特許文献2】米国特許第6,315,684号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2010/0087274号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2010/0087277号公報
【発明の開示】
【0017】
この発明に従う高CORのゴルフボールは、少なくとも約96%のcis−1,4および165mPa・s未満の溶解粘度を伴う、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン成分(Long−Chain Branched Neodymium−Catalyzed Polybutadiene、以下「LCBNCP」と呼ぶ)を組み入れ、優れたゴルフボール加工性を有し、広範囲の全体のゴルフボール圧縮に渡って均一な製品特性を有する。LCBNCPは以下のうちの少なくとも1つを有する。すなわち、1の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン;1の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを含む長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物;および、当該長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを含むポリブタジエン組成物のうちの少なくとも1つである。LCBNCPは、1の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン、1の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物、および/または、1のポリブタジエン組成物のブレンドであっても良い。
【0018】
LCBNCPは、長鎖分岐を伴い、溶液中で空間伸長が少なく、所与の分子量、ムーニー粘度および多分散性において、他のネオジム触媒ポリブタジエン組成物に較べて小さな溶解粘度を示す。これによって、種々のポリマーセグメントの間の動きが調和され、もって、大きく制御された加工性ならびにLCBNCPと他のゴルフボール材料との間の具体的な互換性が実現される。そのような加工特性は、混合の優れた品質、押し出し可能性、円滑な押し出し成型表面、制御された低温流動性、大きなグリーン強度、適切なタックおよび少ないバックリンディングを含む。したがって、この発明のゴルフボールの製造/生産は容易であり、廉価である。
【0019】
この発明のゴルフボールは、溶解粘度が165mPa・s未満でゴルフボールの非常に広いwt%で少なくとも約5wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを含んで約25から約120の広範囲の所望の全体ゴルフボール圧縮を実現でき、障害となる(制御できず、または劣悪な)加工性またはゴルフボール生産品質を伴うことがない。長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンは、ゴルフボールコア、中間層、およびカバーの任意、または全ての層に、少なくとも約5wt%の量だけ含まれてよい。
【0020】
1実施例において、ゴルフボールは少なくとも約5wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。このゴルフボールは、少なくとも約10wt%、また少なくとも約15wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを含んでも良い。代替的には、ゴルフボールは、約2wt%から約5wt%、またはそれ以上の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してもよい。
【0021】
このゴルフボールは、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満である長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してよい。この全体のゴルフボールのCORは少なくとも約0.780であり、PGA圧縮は約25から約120である。
【0022】
1実施例において、ゴルフボールは少なくとも約5wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有する。ゴルフボールは、また、約10wt%から約85wt%、または、約10wt%から約75wt%、または、約5wt%から約75wt%、または、約20wt%から約75wt%、または、約15wt%から約85wt%、さらには、約15wt%から約65wt%、さらには、約10wt%から約95wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してもよい。代替的には、ゴルフボールは、また、約75wt%から約95wt%、または、約75wt%から約85wt%、または、約55wt%から約95wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してもよい。他方、ゴルフボールは、また、約5wt%から約95wt%、または、約5wt%から約85wt%、または、約5wt%から約55wt%、または、約5wt%から約45wt%、または、約5wt%から約35wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してもよい。また、ゴルフボールは、また、約35wt%から約95wt%、または、約45wt%から約95wt%、または、約65wt%から約95wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してもよい。
【0023】
この発明のゴルフボールは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、約5wt%から約85wt%、または、約5wt%から約75wt%、または、約5wt%から約65wt%、または、約5wt%から約55wt%、または、約5wt%から約45wt%、または、約5wt%から約35wt%、または、約1wt%から約35wt%、さらには、約100wt%までの量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してもよい。代替的には、この発明のゴルフボールは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、約55wt%から約100wt%、または、約55wt%から約95wt%、または、約55wt%から約85wt%、または、約55wt%から約75wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してもよい。他方、この発明のゴルフボールは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、約25wt%から約100wt%、または、約35wt%から約95wt%、または、約45wt%から約95wt%、または、約75wt%から約98wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してもよい。
【0024】
この発明のゴルフボールは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、基本的には長鎖分岐ネオジムポリブタジエンから成る。他の実施例において、この発明のゴルフボールは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、長鎖分岐ネオジムポリブタジエンから成る。
【0025】
他の実施例において、このゴルフボールはポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は少なくとも約5wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。さらに他の実施例では、このゴルフボールはポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は少なくとも約10wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。さらに他の実施例では、このゴルフボールはポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は少なくとも約15wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。代替的には、このゴルフボールはポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は約5wt%から約100wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。異なる実施例では、このゴルフボールはポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は約5wt%から約95wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。この発明のゴルフボールは、また、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は約5wt%から約85wt%、または、約5wt%から約75wt%、または、約5wt%から約65wt%、または、約5wt%から約55wt%、または、約5wt%から約45wt%、または、約5wt%から約35wt%、または、約1wt%から約35wt%、さらには、約100wt%までの量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。代替的には、この発明のゴルフボールは、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は、約55wt%から約100wt%、または、約55wt%から約95wt%、または、約55wt%から約85wt%、または、約55wt%から約75wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。他方、この発明のゴルフボールは、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は、約25wt%から約100wt%、または、約35wt%から約95wt%、または、約45wt%から約95wt%、または、約75wt%から約98wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。
【0026】
さらに他の実施例において、この発明のゴルフボールは、ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、基本的には長鎖分岐ネオジムポリブタジエンから成る。さらに他の実施例において、この発明のゴルフボールは、ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、長鎖分岐ネオジムポリブタジエンから成る。
【0027】
この発明のゴルフボールは、コア、カバー、これらコアおよびカバーの間にオプションとして配される中間層を有して良く、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、少なくとも5wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してよい。他の実施例において、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、少なくとも10wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してよい。さらに他の実施例において、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、少なくとも15wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してよい。
【0028】
この発明のゴルフボールは、また、コア、カバー、これらコアおよびカバーの間にオプションとして配される中間層を有して良く、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、少なくとも約5wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してよい。他方、この長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、少なくとも約5wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有して良い。また、その代わりに、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、基本的に長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンから成り、または長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンから成る。
【0029】
他の実施例において、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、基本的には、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物から成る。さらに他の実施例において、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物から成る。
【0030】
代替的には、この発明のゴルフボールは、コア、カバー、これらコアおよびカバーの間にオプションとして配される中間層を有して良く、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物を有し、この組成物が、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してよい。この実施例では、ポリブタジエン組成物は、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つに、少なくとも約5wt%の量だけ含まれて良い。他の実施例において、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、基本的にはポリブタジエン組成物から成る。さらに他の実施例において、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物から成る。
【0031】
他方、このポリブタジエン組成物は、少なくとも約5wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを含んでよい。さらに、このポリブタジエン組成物は、基本的には、または完全に長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンからなって良い。
【0032】
さらに、他の実施例において、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、少なくとも約2wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。
【0033】
代替的には、カバーは、少なくとも約2wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してよい。
【0034】
この発明のゴルフボールは、コア、カバー、これらコアおよびカバーの間にオプションとして配される中間層を有して良く、これらカバーおよび中間層の少なくとも1つは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有する。他の実施例において、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、基本的には、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物から成る。さらに他の実施例において、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、完全に長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物から成る。
【0035】
代替的には、カバーは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有して良い。また、カバーは、基本的に、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物から成って良い。他の実施例では、カバーは、完全に、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物から成って良い。
【0036】
さらに他の実施例において、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物を有する。カバーおよび中間層の少なくとも1つは、基本的には、ポリブタジエン組成物から成って良い。または、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、完全に、ポリブタジエン組成物から成って良い。
【0037】
代替的には、カバーは、ポリブタジエン組成物を有して良い。または、カバーは、基本的には、ポリブタジエン組成物から成って良い。代替的には、カバーは、完全に、ポリブタジエン組成物から成って良い。
【0038】
1実施例において、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、少なくとも約5wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、少なくとも約2wt%、または、少なくとも10wt%、または、少なくとも約15wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。
【0039】
これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、また、約10wt%から約85wt%、または、約10wt%から約75wt%、または、約5wt%から約75wt%、または、約20wt%から約75wt%、または、約15wt%から約85wt%、さらには、約15wt%から約65wt%、さらには、約10wt%から約95wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してもよい。代替的には、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、また、約75wt%から約95wt%、または、約75wt%から約85wt%、または、約55wt%から約95wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してもよい。他方、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、また、約5wt%から約95wt%、または、約5wt%から約85wt%、または、約5wt%から約55wt%、または、約5wt%から約45wt%、または、約5wt%から約35wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してもよい。また、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、また、約35wt%から約95wt%、または、約45wt%から約95wt%、または、約65wt%から約95wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有してもよい。
【0040】
これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、また、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、約5wt%から約85wt%、または、約5wt%から約75wt%、または、約5wt%から約65wt%、または、約5wt%から約55wt%、または、約5wt%から約45wt%、または、約5wt%から約35wt%、または、約1wt%から約35wt%、さらには、約1wt%から約95wt%、さらには、約100wt%までの量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してもよい。代替的には、この発明のゴルフボールは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、約55wt%から約100wt%、または、約55wt%から約95wt%、または、約55wt%から約85wt%、または、約55wt%から約75wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してもよい。他方、この発明のゴルフボールは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有し、この組成物は、約25wt%から約100wt%、または、約35wt%から約95wt%、または、約45wt%から約95wt%、または、約75wt%から約98wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有してもよい。
【0041】
他の実施例において、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は、少なくとも5wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。他の実施例において、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は、少なくとも10wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。さらに他の実施例において、コア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は、少なくとも15wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。代替的には、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は約5wt%から約100wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。異なる実施例では、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は約5wt%から約95wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、また、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は約5wt%から約85wt%、または、約5wt%から約75wt%、または、約5wt%から約65wt%、または、約5wt%から約55wt%、または、約5wt%から約45wt%、または、約5wt%から約35wt%、または、約1wt%から約35wt%、さらには、約1wt%から約95w%、さらには、約100wt%までの量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。代替的には、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は、約55wt%から約100wt%、または、約55wt%から約95wt%、または、約55wt%から約85wt%、または、約55wt%から約75wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。他方、これらコア、カバーおよび中間層の少なくとも1つは、ポリブタジエン組成物を有して良く、この組成物は、約25wt%から約100wt%、または、約35wt%から約95wt%、または、約45wt%から約95wt%、または、約75wt%から約98wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する。
【0042】
1実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンは、155mPa・s未満の溶解粘度を有する。他の実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンは、145mPa・s未満の溶解粘度を有する。さらに他の実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンは、135mPa・s未満の溶解粘度を有する。さらに他の実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンは、125mPa・s未満の溶解粘度を有する。代替的には、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンは、115mPa・s未満の溶解粘度を有する。異なる実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンは、105mPa・s未満の溶解粘度を有する。さらに異なる実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンは、95mPa・s未満の溶解粘度を有する。長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンは、また、80mPa・s未満、または70mPa・sの溶解粘度を有してよい。
【0043】
1実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、155mPa・s未満の溶解粘度を有する。他の実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、145mPa・s未満の溶解粘度を有する。さらに他の実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、135mPa・s未満の溶解粘度を有する。さらに他の実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、125mPa・s未満の溶解粘度を有する。代替的には、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、115mPa・s未満の溶解粘度を有する。異なる実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、105mPa・s未満の溶解粘度を有する。さらに異なる実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、95mPa・s未満の溶解粘度を有する。長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、また、80mPa・s未満、または70mPa・sの溶解粘度を有してよい。
【0044】
1実施例において、ポリブタジエン組成物は、155mPa・s未満の溶解粘度を有する。他の実施例において、ポリブタジエン組成物は、145mPa・s未満の溶解粘度を有する。さらに他の実施例において、ポリブタジエン組成物は、135mPa・s未満の溶解粘度を有する。さらに他の実施例において、ポリブタジエン組成物は、125mPa・s未満の溶解粘度を有する。代替的には、ポリブタジエン組成物は、115mPa・s未満の溶解粘度を有する。異なる実施例において、ポリブタジエン組成物は、105mPa・s未満の溶解粘度を有する。さらに異なる実施例において、ポリブタジエン組成物は、95mPa・s未満の溶解粘度を有する。ポリブタジエン組成物は、また、80mPa・s未満、または70mPa・sの溶解粘度を有してよい。
【0045】
1実施例においては、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満であるLCBNCPを組み込んだこの発明の任意のゴルフボールにおいて、外観(同一なものを組み込んだ押し出し成型品の表面平滑性)は、溶解粘度が165mPA・s以上のネオジム触媒ポリブタジエン成分を含む押し出し成型品の外観に対して約75%までの改善が可能である。
【0046】
他の実施例においては、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満であるLCBNCPを組み込んだこの発明の任意のゴルフボールにおいて、低温流動性は、溶解粘度が165mPA・s以上のネオジム触媒ポリブタジエン成分含有ゴルフボール部品の低温流動性に対して約40%までの減少が可能である。
【0047】
さらに他の実施例においては、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満であるLCBNCPを組み込んだこの発明の任意のゴルフボールにおいて、グリーン強度は、溶解粘度が165mPA・s以上のネオジム触媒ポリブタジエン成分含有ゴルフボール部品を含むゴルフボールに対して約50%までの改善が可能である。
【0048】
さらに他の実施例においては、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満であるLCBNCPを組み込んだこの発明の任意のゴルフボールにおいて、タックは、溶解粘度が165mPA・s以上のネオジム触媒ポリブタジエン成分含有ゴルフボール部品に較べて約65%以上の適切とすることが可能である。
【0049】
他方、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満であるLCBNCPを組み込んだこの発明の任意のゴルフボールにおいて、バックリンディングは、溶解粘度が165mPA・s以上のネオジム触媒ポリブタジエン成分含有ゴルフボール部品に較べて約50%までの減少が可能である。
【0050】
1実施例において、全体のゴルフボールの圧縮は約25から約110である。他の実施例において、全体のゴルフボールの圧縮は約35から約100である。さらに他の実施例において、全体のゴルフボールの圧縮は約45から約95である。さらに他の実施例において、この圧縮は約55から約85または約65から約75であってよい。他方、この圧縮は、また、約50から約110、または、約60から約100、または、約70から約90、さらに、約80から約110であっても良い。
【0051】
一般的には、この発明のゴルフボールにおいて、ゴルフボール全体のCORは少なくとも約0.780である。他の実施例において、ゴルフボール全体のCORは少なくとも約0.788である。さらに他の実施例において、ゴルフボール全体のCORは少なくとも約0.791である。さらに他の実施例において、ゴルフボール全体のCORは少なくとも約0.794である。また、ゴルフボール全体のCORは少なくとも約0.797であってよい。さらに、ゴルフボール全体のCORは少なくとも約0.800、または少なくとも約0.803、または少なくとも約0.812であってよい。
【0052】
この発明の他の側面は、CORが少なくとも約0.780のゴルフボールを製造する方法に関し、この方法は:cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満である長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを選択するステップと、コアと、カバーと、オプションとして上記コアおよび上記カバーの間に配された中間層とを供給するステップであって、コア、カバー、および中間層の少なくとも1つが、先の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンから形成される上記ステップを有する。他の実施例においては、カバーおよび中間層の少なくとも1つが、先の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンから形成される。さらに他の実施例においては、カバーが、先の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンから形成される。
【0053】
実施例の各々において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンが、コア、カバーおよび中間層のいずれにも、またすべてに、ここで検討した任意の量だけ、選択され、および/または供給されて良い。例えば、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンが、コア、カバーおよび中間層のいずれにも、またすべてに、少なくとも約2wt%の量だけ、選択され、および/または供給されて良い。
【0054】
代替的には、この発明は、CORが少なくとも約0.780のゴルフボールを製造する方法に関し、この方法は:cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満である長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を選択するステップと、コアと、カバーと、オプションとして上記コアおよび上記カバーの間に配された中間層とを供給するステップであって、コア、カバー、および中間層の少なくとも1つが、先の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物から形成される上記ステップを有する。他の実施例においては、カバーおよび中間層の少なくとも1つが、先の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物から形成される。さらに他の実施例においては、カバーが、先の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物から形成される。
【0055】
実施例の各々において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物が、コア、カバーおよび中間層のいずれにも、またすべてに、ここで検討した任意の量だけ、選択され、および/または供給されて良い。例えば、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物が、コア、カバーおよび中間層のいずれにも、またすべてに、少なくとも約5wt%の量だけ、選択され、および/または供給されて良い。他の実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物は、当該組成物の少なくとの約5wt%の量の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有して良い。コア、カバーおよび中間層のいずれか、また、すべてが、この長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物を有し、または基本的に当該組成物から成り、または完全に当該組成物から成って良い。
【0056】
この発明は、CORが少なくとも約0.780で圧縮が約25から約120のゴルフボールを製造する方法に関する。1つの実施例において、この方法は、ここで定義される加工性を制御するためのものである。具体的には、このゴルフボールを製造する方法は、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満である長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有するポリブタジエン組成物を選択するステップと、コアと、カバーと、オプションとして上記コアおよび上記カバーの間に配された中間層とを供給するステップであって、コア、カバー、および中間層の少なくとも1つが、先のポリブタジエン組成物から形成される上記ステップを有する。他の実施例においては、カバーおよび中間層の少なくとも1つが、先のポリブタジエン組成物から形成される。さらに他の実施例においては、カバーが、先のポリブタジエン組成物から形成される。
【0057】
実施例の各々において、このポリブタジエン組成物が、コア、カバーおよび中間層のいずれにも、またすべてに、ここで検討した任意の量だけ、選択され、および/または供給されて良い。例えば、このポリブタジエン組成物が、コア、カバーおよび中間層のいずれにも、またすべてに、少なくとも約5wt%の量だけ、選択され、および/または供給されて良い。他の実施例において、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物が、当該ポリブタジエン組成物の少なくとの約5wt%の量だけ存在して良い。コア、カバーおよび中間層のいずれか、また、すべてが、このポリブタジエン組成物を有し、または基本的に当該組成物から成り、または完全に当該組成物から成って良い。
【0058】
LCBNCPは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物、および/または、ポリブタジエン組成物の組み合わせ/ブレンドであってもよい。非制約的な例では、各々はLCBNCP中にそれぞれ1:1:1の比で存在する。他の実施例において、各々はLCBNCP中にそれぞれ2:1:1の比で存在する。さらに他の実施例において、各々はLCBNCP中にそれぞれ4:1:1の比で存在する。さらに他の実施例において、各々はLCBNCP中にそれぞれ4:2:1の比で存在してよい。あるいは、例えば、LCBNCPは、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物、およびポリブタジエン組成物を1:3の比で含んで良い。これたの組み合わせ/比は、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物、および/または、ポリブタジエン組成物を含むLCBNCPを組み込んだこの発明のゴルフボールの多くの他の実現可能な組み合わせ/ブレンド/比のいくつかの例として意図される。
【発明を実施するための形態】
【0059】
この発明のゴルフボールのコアは、ソリッド、セミソリッド、空洞、流体充填、または粉体充填であってよい。典型的には、コアは、ソリッドであり、少なくとも、ベースゴム、遊離基開始剤、架橋コエージェント、およびフィラーを含むゴム組成物から製造される。この発明のゴルフボールにおいて、ベースゴムは:長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有し、この長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンから基本的に成り、または完全になる少なくとも約5wt%のポリブタジエン組成物;または少なくとも約5wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン組成物のいずれかである、LCBNCPであって良い。ゴルフボール中にLCBNCPを付加すると、CORが大きく、広範囲の実現可能な圧縮を伴い、ゴルフボール材料の取り扱いおよびゴルフボール製造に関する加工性が優れたゴルフボールを実現できる。
【0060】
この発明のゴルフボール用に適切なベースゴムのLCBNCPの一例およびこれを製造する方法はLANXESS BUNA CB 25(「CB25」)である。LANXESS CB25は、CB22、CB23、およびCB24のような他のLANXESSネオジム触媒ポリブタジエンの溶解粘度よりかなり溶解粘度が小さい長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンである。2つのネオジム触媒ポリブタジエンが同一のムーニー粘度を有していても、かなり違った溶解粘度を有する。例えば、CB24およびCB25は44のムーニーであるが、CB24の八日遺伝度は少なくとも20mPa・sであり、CB25より大きい。この発明のゴルフボールは、所与の分子量、ムーニー粘度、および多分散性の下で溶解粘度がより小さくなる長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンによって、優れた加工性および性能を有する。
【0061】
ベースゴムとブレンドするためのポリブタジエンゴムの例は、LANXESS社から商業的に入手可能な、Buna(商標) CB22、Buna(商標) CB23、および、Buna(商標) CB24、TAKETENE(商標)1203G1、220、221、および、PETROFLEX(商標) BRNd−40;BST Elastomers社から入手可能なBR−1220;UBE Industry社(日本、東京)から商業的に入手可能なUBEPOL−BR(商標)ゴム;オハイオ州AkronのGoodyear社から商業的に入手可能なKINEX(商標)7245およびKINEX(商標)7265;Dow Chemical社から商標的に入手可能なSEBRー1220;Polimeri Europa社から商業的に入手可能なEuroprene(商標)NEOCIS(商標)BR 40、およびBR60、;およびJapan Synthetic Rubber社から商業的に入手可能なBR01、BR730、BR735、BR11、およびBR51;およびKarbochem社から商業的に入手可能なKARBOCHEM(商標)ND40、ND45、およびND60を含んで良い。
【0062】
ベースゴムは、さらに、ポリイソプレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、およびこれらの2以上の組み合わせを含んでよい。他の好ましいベースゴムは、ポリブタジエンに、ポリイソプレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリスチレンエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリ尿素エラストマー、アクリレートゴム、ポリオクテナマー、メタローセン触媒エラストマー、およびプラストマーのような1またはそれ以上のエラストマーをオプションとして混合した、ポリブタジエンである。以下にさらに検討するように、当業界で知られている、高度に中和された酸コポリマー(HNP)も、ブレンドの一部としてコア層を形成するのに利用できる。そのような組成物は、曲げ弾性率や堅牢性を増大させ、衝突耐性を含むゴルフボールの性能を向上させる。
【0063】
ベースゴムは典型的には、少なくとも1つの反応性架橋コエージェントを混合してゴム組成物の高度を増大させる。適切なコエージェントは、これに限定されないが、不飽和狩るボン産および不飽和ビニル化合物を含む。好ましい不飽和ビニル化合物はトリメチロールプロパントリメタクリレートである。ゴム組成物は通常の硬化プロセスを用いて硬化される。適切な硬化プロセスは、例えば、過酸化物硬化、硫黄硬化、照射、およびこれらの組み合わせを含む。1実施例では、ベースゴムは過酸化物硬化される。フリーラジカル開始剤として適切な有機過酸化物は、例えば、ジクミルペルオキシド;n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)バレレート;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン;ジ−t−ブチルペルオキシド;ジ−t−アミルペルオキシド;t−ブチルペルオキシド;t−ブチルクミルペルオキシド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3;ジ(2−t−ブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン;ジラウロイルペルオキシド;ジベンゾイルペルオキシド;t−ブチルヒドロペルオキシド;およびこれらの混合物を含む。架橋剤は組成物中のポリマー鎖の少なくとも一部を架橋するのに使用される。適切な架橋剤は、例えば、3から8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸の金属塩;不飽和ビニル化合物および多価モノマー(例えばトリメチロールプロパントリメクリレート);フェニレンビスマレイミド;およびこれらの混合物を含む。具体的な実施例では、架橋剤は、アクリレート、ジアクリレート、メタクリレートおよびジメタクリレートの亜鉛塩から選択される。他の実施例では、架橋剤は亜鉛ジアクリレート(「ZDA」)である。商業的に入手可能な亜鉛ジアクリレートはRockland Real−Rite および Sartomerから選択されるものを含む。
【0064】
LCBNCPは、低、中、高ムーニー粘度のゴム、またはそれらのブレンドを有してよい。ムーニー粘度の測定はASTM D−1646により定義されている。LCBNCPの溶解粘度が165mPA・s未満である限りまたじゃ代替的な実施例で開示されるものである限り、ムーニー粘度の範囲は好ましくは約30より大きい。
【0065】
この発明の1つの実施例において、中から高のムーニー粘度のポリブタジエン材料で製造されたゴルフボールは大きな弾力性(したがって、増大した距離)をボールの高度を増大させることなく実現する。
【0066】
望まれる場合には、LCBNCPは当業界で知られた他のエラストマー、例えば、他のポリブタジエンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、および/またはイソプレンゴムとブレンドしてコアの特性を修正しても良い。エラストマーのブレンドが使用されるときには、コア組成物中の他の構成物の量は、典型的には全体のエラストマー混合物の100部に基づく。
【0067】
熱可塑性エラストマー(TPE)は、これをベースの熱硬化性ゴムと混合して、コア層または非硬化のコア層ストックの特性を修正してもよい。これらPTEは、天然または合成ゴム、または高トランス−ポリイソプレン、高トランス−ポリブタジエン、または任意のスチレンブロックコポリマー、例えば、スチレンエチレンブタジエンスチレン、スチレン−イソプレン−スチレン等、メタローセンまたは他のシングルサイト触媒ポリオレフィン、例えばスチレン−オクテン、またはエチレン−ブテン、または熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含み、これは例えばシリコーンとのコポリマーを含む。この発明の熱硬化性ゴムと混合して適切な他のTPEは、ポリエーテルアミドコポリマーを有すると考えられる、PEBAX(商標)、ポリエーテルエステルコポリマー、熱可塑性ウレタンを有すると考えられる、HYTEL(商標)、およびスチレンブロックコポリマーエラストマーを有すると考えられる、KRATON(商標)を含む。上述のTPEまたはTPUのいずれもグラフト化に適切な官能基を含有し、マレイン酸または無水マレイン酸を含む。熱可塑性加硫ゴム(TPV)例えばSantoprene(商標)、またはVibram(商標)、またはETPV(商標)はこの発明とともに採用できる。1つの実施例において、TPVは熱可塑性材料を連続層として有し架橋ゴム粒子を分散物(または非連続体)として伴う。他の実施例では、TPVは架橋相を連続相として伴い、熱可塑性材料を分散(非連続)相として伴い弾性の損失を減少させてゴルフボールの弾力性を改善する。
【0068】
ゴム組成物は、ハロゲン化有機硫黄、有機ジスルフィド、または有機ジスルフィド化合物のような「ソフト・ファースト」エージェントを含んでも良い。とくに適切なハロゲン化有機硫黄化合物は、これに限定されないが、ハロゲン化チオフェノールを含む。好ましい有機硫黄化合物は、これに限定されないが、ペンタクロロチオフェノール(「PCTP」)およびPCTPの塩を含む。PCTPの好ましい塩は、ZnPCTPである。適切なPCYPは、A95の商品名でStuktol社(オハイオ州Stow)から販売されている。ZnPCTPはEchinaChem社(カリフォルニア州San Francisco)から商業的に入手可能である。これらの化合物は、ポリブタジエン中の所与のcis−1,4結合をtrans−1,4結合に変換するcis−to−trans触媒としても機能してよい。酸化防止剤もゴム組成物中に付加してよく、これによりエラストマーのブレークダウンを防止する。他の成分、例えば、促進剤(例えば、テトラメチルチウラム)、加工助剤、染料および顔料、湿潤剤、表面活性剤、可塑剤、および当業界で知られている他の添加物をゴム組成物中に付加してよい。
【0069】
コアは、慣用的な技術を用いてゴム組成物を混合して形成することにより形成して良い。コアを外側コア層、中間層、および/またはカバー材料で包囲することにより、コアを用いて慣性ゴルフボールを製造し、これらについては以下でさらに説明する。他の実施例において、米国特許第6,756,436号、同第7,030,192号、同第7,402,629号、および同第7,517,289号に開示されるような高度に中和したポリマー(HNP)を用いてコアを形成できる。高度に中和されたポリマー組成物から成るコアは、さらに、ガンマまたは電子線のような放射線源を含む任意の遊離基開始源や過酸化物等の化学源を用いて架橋されて良い。
【0070】
この発明に従って製造されたゴルフボールは、任意のサイズであっていけれども、USGAは競技に用いるゴルフボールの直径は少なくとも1.68インチであり、その重量は1.62オンス以下であることを要請する。USGAの外部でのプレイでは、ゴルフボールはそれより小径でも、軽量でもよい。
【0071】
外側コア、中間層、内側カバー、および/または外側カバーも、LCBNCPを有し、または基本的または完全にLCBNCPから成っても良い。いくつかの場合には、伝統的な熱可塑性または熱硬化性組成物を用いてゴルフボールの1つの層を形成して良く、LCBNCPは、性能特性を達成する所望のボール構造に応じてゴルフボールの他の層を形成して良い。伝統的な熱可塑性または熱硬化性組成物を1つの層(LCBNCPは他の層に使用される)に採用するならば、広範囲に渡る種々の熱可塑性または熱硬化性材料を採用できる。これらの材料は、例えば、オレフィンベースのコポリマーアイオノマー樹脂(例えばE.I.DuPont社から商業的に入手可能なSurlyn(商標)アイオノマー樹脂、DuPont HPF1000およびHPF2000、ExxonMobil Chemical社から商業的に入手可能なIotek(商標)アイオノマー;The Dow Chemical Company社から商業的に入手可能なAmplify(商標)IOエチレンアクリル酸コポリマーのアイオノマー;A. Schulman Incから商業的に入手可能なClarixアイオノマー樹脂);ポリウレタン;ポリ尿素;ポリウレタンおよびポリ尿素のコポリマーおよびハイブリッド;例えば低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンを含むポリエチレン;ポリプロピレン;ゴム強化オレフィンポリマー;アイオノマー性コポリマーの部分を構成しない酸コポリマー、例えばポリアクリル(メタクリル)酸;プラストマー;フレクソマー;スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー;スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマー;動的に加硫したエラストマー;エチレンビニルアセテート;エチレンメチルアクリレート;ポリビニルクロライド樹脂;ポリアミド、ポリ(アミド−エステル)エラストマー、および、例えば、Arkema社から商業的に入手可能なPebax(商標)熱可塑性ポリエーテルブロックアミドを含むアイオノマーとポリアミドのグラフトコポリマー;架橋トランスポリイソプレンおよびそのブレンド;ポリエステルベースの熱可塑性エラストマー、例えば、E.I.DuPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なHytel(商標);ポリウレタンベースの熱可塑性エラストマー、例えば、BASF社から商業的に入手可能なElastollan(商標);合成または天然の加硫ゴム;およびこれらの組み合わせを含む。
【0072】
この発明のゴルフボールは、中間層、内側カバー層、および/または、外側カバー層のための、種々の異なる慣用的なカバー材料から製造してよいけれども、好ましいカバー材料は、これに限定されないが、以下のものを含む。
(1)ポリウレタン、例えば、ポリオールまたはポリアミンおよびジイソシアネートまたはポリイソシアネートおよび、/またはそれらのプレポリマーから準備されたもの、ならびに、米国特許第5,33,4673号、同第6,506,851号に開示されているもの。
(2)ポリ尿素、例えば、米国特許第5,484,870号および同第6,835,794号に開示されているもの。
(3)ウレタンまたは尿素セグメントを含む、ポリウレタン−尿素ハイブリッド、ブレンドまたはコポリマー。
【0073】
適切なポリウレタン組成物は、少なくとも1つのポリイソシアネートと少なくとも1つの硬化剤との反応生成物を含む。硬化剤は、例えば、1または複数のポリアミン、1または複数のポリオール、またはこれらの組み合わせを含んでよい。ポリイソシアネートは1または複数のポリオールと組み合わせてプレポリマーを形成しても良い。これは、上述の少なくとも1つの硬化剤と組み合わされる。このように、ここで説明されるポリオールは、ポリウレタン材料の1または双方の要素として適切である。すなわち、プレポリマーおよび硬化剤の一部として使用して好適である。適切なポリウレタンは米国特許出願公開第2005/0176523号に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0074】
当業者が入手可能ないずれのポリイソシアネートもこの発明に従って使用するのに適切である。ポリイソシアネートの例示は以下を含むがこれに限定されない:4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート("MDI");ポリマーMDI;カルボジイミド−変性液状MDI;4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート("H12MDI");p−フェニレンジイソシアネート("PPDI");m−フェニレンジイソシアネート("MPDI");トルエンジイソシアネート("TDI");3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート("TODI");イソホロンジイソシアネート("IPDI");ヘキサメチレンジイソシアネート("HDI");ナフタレンジイソシアネート("NDI");キシレンジイソシアネート("XDI");p−テトラメチルキシレンジイソシアネート("p−TMXDI");m−テトラメチルキシレンジイソシアネート("m−TMXDI");エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;シクロヘキシルジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート("HDI");ドデカン−1,12−ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート("TMDI");テトラセンジイソシアネート;ナフタレンジイソシアネート;アントラセンジイソシアネート;トルエンジイソシアネートのイソシアヌレート;ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン;及びこれらの混合物。ポリイソシアネートは、1以上のイソシアネート基、例えばジイソシアネート、トリイソシアネートおよびテトライソシアネートを有するものとして、当業者には知られている。好ましくは、ポリイソシアネートは、MDI、PPDI、TDI、又はこれらの混合物を含み、より好ましくはポリイソシアネートはMDIを含む。本明細書で使用する用語「MDI」は、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマーMDI、カルボジイミド変性液状MDI、及びこれらの混合物を意味し、かつさらに使用したジイソシアネートが「低遊離(low free)モノマー」であることができるとは「遊離」モノマーの量が低いイソシアネート基であること、典型的には遊離モノマー基の量が約0.1%より低いことを当業者が理解すると理解すべきである。「低遊離モノマー」ジイソシアネートの例は、これに限定されないが、低遊離モノマーMDI、低遊離モノマーTDI、及び低遊離モノマーPPDIである。
【0075】
当業者が利用可能ないずれのポリオールも、この発明に従って使用するのに適している。ポリオールの例は、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン(部分的に/完全に水素添加した誘導体を含む)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びポリカーボネートポリオールである。好ましい実施例では、ポリオールはポリエーテルポリオールを含む。その例は、これに限定されないが、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMEG」)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合及び置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。好ましくは、この発明のポリオールはPTMEGを含む。
【0076】
他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリエステルポリオールが含まれる。適切なポリエステルポリオールは、これに限定されないが、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;o−フタレート−1,6−ヘキサンジオール;ポリ(ヘキサメチレンアジーペート)グリコール;及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
【0077】
他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリカプロラクトンポリオールが含まれる。適切なポリカプロラクトンポリオールは、これに限定されないが、1,6−ヘキサンジオール−開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、PTMEG開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和の、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
【0078】
さらに他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリカーボネートポリオールが含まれる。適切なポリカーボネートは、これに限定されないが、ポリフタレートカーボネート及びポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールである。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換芳香族及び環状基を有することができる。1実施例では、ポリオールの分子量は約200〜約4000である。
【0079】
ポリアミン硬化剤もこの発明のポリウレタン組成物中に使用して好適であり、製品ボールの耐切断性、耐剪断性、および耐衝撃性が改善することがわかっている。好ましいポリアミン硬化剤は、これに限定されないが、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びこのアイソマー;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びこのアイソマー、例えば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン;4,4'−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4'−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン);4,4'−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)("MCDEA");ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;N,N'−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p'−メチレンジアニリン("MDA");m−フェニレンジアミン("MPDA");4,4'−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)("MOCA");4,4'−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)("MDEA");4,4'−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)("MDCA");4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン;2,2'−3,3'−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート;及びこれらの混合物である。好ましくはこの発明の硬化剤は、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びそのアイソマー、例えばバトンルージュのアルバマール社(Albermarle Corporation of Baton Rouge,LA)から入手可能なEthacure(登録商標)300である。適切なポリアミン硬化剤は第1及び第2アミンの両者を含み、好ましくは、その分子量は約64〜約2000の範囲である。
【0080】
少なくとも一つのジオール、トリオール、テトラオール、又はヒドロキシ末端硬化剤を上述のポリウレタン組成物に添加することができる。適切なジオール、トリオール、及びテトラオール基は以下を含む:エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;及びこれらの混合物である。好ましいヒドロキシ−末端硬化剤は1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール、及びこれらの混合物である。好ましくは、ヒドロキシ−末端硬化剤の分子量は約48〜約2000の範囲である。ここで、分子量は、絶対重量平均分子量であり、当業者が理解するとおりのものである。
【0081】
ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤の両者は、一又は複数の飽和、不飽和、芳香族、及び環状基を含むことができる。さらに、ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤は一又は複数のハロゲン基を含むことができる。ポリウレタン組成物を硬化剤のブレンド又は混合物によって製造することができる。しかしながら所望の場合には、ポリウレタン組成物を単一の硬化剤で製造することができる。
【0082】
好ましい実施例において、飽和ポリウレタンが、1または複数のカバー層、特に外側カバー層を形成するのに使用され、また、これを注型可能な熱硬化性及び熱可塑性ポリウレタンの両者から選択することができる。
【0083】
熱可塑性ポリウレタンまたはポリ尿素は、この発明のゴルフボールの外側カバー層用に好適である。
【0084】
さらに、ポリウレタンはポリ尿素とブレンドされたり、置換されたりしてよい。ポリ尿素は、ポリウレタン組成物と顕著に異なり、より良好な剪断耐性を有する。ポリ尿素をベースとする組成物は、その性質上、好ましくは飽和される。
【0085】
ポリエーテルアミンを追加のポリオールとブレンドしてコポリマーを形成し、これを過剰のイソシアネートと反応させてポリ尿素プレポリマーを製造することもできる。1実施例では、コポリマーの約30重量%より少ないポリオールを飽和ポリエーテルアミンとブレンドする。他の実施例では、コポリマーの約20重量%より少ない、好ましくはコポリマーの約15重量%より少ないポリオールを、飽和ポリエーテルアミンとブレンドする。当業者に利用可能ないずれかの飽和ポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、他のポリオール、及びこれらの混合物が、本発明に従ってブレンドするのに適している。これらのポリマーの分子量は約200〜約4000であることができるが、約1000〜約3000であることができ、より好ましくは約1500〜約2500であることができる。
【0086】
ポリ尿素組成物を、ポリ尿素プレポリマーを単一の硬化剤またはそのブレンドで架橋して製造することができる。この発明で使用する硬化剤は、好ましくは、アミン−末端硬化剤、より好ましくは第2ジアミン硬化剤であり、これにより、組成物が単一の尿素結合のみを含むようになる。1実施例では、アミン−末端硬化剤の分子量は約64又はそれより大きい。他の実施例では、アミン−末端硬化剤の分子量は約2000又はそれより小さい。上述のとおり、所定のアミン−末端硬化剤を互換性のあるアミン−末端凝固点降下剤またはその混合物により改質してもよい。
【0087】
適切なアミン−末端硬化剤は、これに限定されないが、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン;テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン;2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);1,3−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;2−メチルペンタメチレン−ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド−ビス−プロピルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;4,4’−メチレンビス−(2−クロロアニリン);3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−2,6−トルエンジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン及びその誘導体;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;N,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタン;トリメチレングリコール−ジ−アミノベンゾエート;ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;4,4’−メチレンビス−(3−クロロ−2,6−ジエチレンアニリン);4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチルアニリン);メタ−フェニレンジアミン;パラ−フェニレンジアミン;シクロヘキシルジメトール;及びこれらの混合である物。1実施例では、アミン−末端硬化剤は4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンである。
【0088】
適切な飽和アミン−末端硬化剤は、これに限定されないが、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン;テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン;2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);1,3−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;2−メチルペンタメチレン−ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド−ビス−プロピルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;トリイソプロパノールアミン;及びこれらの混合物である。さらに、上記のポリエーテルアミンのいずれかを、ポリ尿素プレポリマーと反応させる硬化剤として使用することができる。
【0089】
代替的には、他の適切なポリマーは、部分的にまたは十分に中和されたアイオノマー、メタローセン、または他のシングルサイト触媒ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、非アイオノマー性熱可塑性エラストマー、コポリエーテル−エステル、コポリエーテル−アミド、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレンブロックコポリマー(例えばスチレン−ブタジエン−スチレン)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン等、およびこれらのブレンドを含む。
【0090】
ゴルフボールのセンターおよび任意の層は高度に中和されたポリマー(「HNP」)から製造できる。HNPの酸部分は、典型的にはエチレンを塩基にしたアイオノマーであり、好ましくは約70%より多く、より好ましくは約90%より多く、最も好ましくは少なくとも約100%中和されている。HNPも第2のポリマー成分とブレンドすることができ、この成分を、酸基を含む場合は、従来法に従って、本発明の有機脂肪酸(organic fatty acids)によって、又は両者によって中和することができる。第2のポリマー成分は、部分的に又は完全に中和されていてもよく、好ましくはアイオノマーコポリマー及びアイオノマーターポリマー、アイオノマー前駆体、熱可塑性物、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ尿素、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、バラタ、メタローセンで触媒したポリマー(グラフト化したもの及びグラフト化していないもの)、単一サイトポリマー、高結晶性酸ポリマー、カチオン性アイオノマー、等を含む。HNPポリマーの材料硬度は、典型的には、約20および約80ショアDの間であり、曲げ弾性率は約3,000psiおよび約200,000psiの間である。
【0091】
この発明の1実施例では、HNPは、アイオノマーおよび/またはその酸先駆体であり、これは、好ましくは完全にまたは部分的に有機酸コポリマーまたはその塩により中和されている。酸コポリマーは好ましくはα−オレフィン、例えばエチレン、C3−8 α,β−エチレン不飽和カルボン酸、例えばアクリルまたはメタクリル酸コポリマーである。これらはオプションとして軟化モノマー、例えばアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートを含有してよい。ただし、アクリル基は1から8個の炭素原子を具備する。
【0092】
酸コポリマーをE/X/Yコポリマーと記載することができ、ここでEはエチレン、Xはα,β−エチレン系不飽和カルボン酸、かつYは柔軟化コモノマーである。好ましい態様では、Xはアクリル酸又はメタクリル酸であり、YはC1−8アルキルアクリレート又はメタクリレートエステルである。Xは好ましくはポリマーの約1〜約35重量%、より好ましくはポリマーの約5〜約30重量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20重量%の量で存在する。Yは好ましくはポリマーの約0〜約50重量%、より好ましくはポリマーの約5〜約25重量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20重量%の量で存在する。
【0093】
具体的な酸含有エチレンコポリマーは、これに限定されないが、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、および、エチレン/アクリル酸/n−ブチルメタクリレートである。好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/エチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/エチルアクリレート、および、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。最も好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。
【0094】
アイオノマーは、典型的には、金属カチオン例えばLi、Na、Mg、K、Ca、またはZnにより中和される。十分な有機酸または有機酸の塩を、適切な塩基とともに、酸コポリマーまたはアイオノマーに添加することにより、アイオノマーが、加工性を損なうことなく、金属カチオンに対してよりかなり多くのレベルまで中和される。好ましくは、酸部分は約80%以上中和され、好ましくは90−100%中和され、最も好ましくは100%中和される。ただし、加工性を損なわない。これは、α,β−エチレン系不飽和カルボン酸コポリマーを例えば有機酸または有機酸の塩とともにメルトブレンドし、その後、十分な量のカチオン源を添加してすべての酸部分(酸コポリマーおよび有機酸の酸部分を含む)の中和レベルを90%を越えて(好ましくは100%を越えて)増大させることにより達成される。
【0095】
この発明の有機酸は、脂肪族、モノ−またはマルチ−官能性(飽和した、不飽和の、又は多不飽和の)有機酸である。これらの有機酸の塩も使用することができる。本発明の有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、スズ、又はカルシウムの塩、脂肪酸の塩、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸又はこれらの二量化した誘導体の塩を含む。本発明の有機酸及び塩は相対的に非移行性(常圧下でポリマーの表面にブルーミングを生じないこと)でありかつ非揮発性(メルトブレンドに必要な温度で蒸発しないこと)であることが好ましい。
【0096】
この発明のアイオノマーは、また、より慣用的なアイオノマーでよく、すなわち金属カチオンで部分的に中和されても良い。酸コポリマーの酸部分は、カチオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、アルミニウムまたはこれらの混合物により、約1から約90%、好ましくは、少なくとも約20から約75%、より好ましくは、少なくとも約40から約70%中和され、アイオノマーを生成する。
【0097】
水蒸気バリア層、例えば米国特許第6,632,147号、同第6,932,720号、同第7,004,854号、および同第7,182,702号に開示されているものをカバー層およびコアの間にオプションとして採用する。これら特許文献は参照してここに組み入れる。水蒸気バリア層は、外側コア層およびカバー層の間に配置されて良い。水蒸気バリア層は内側および外側コア層を湿気への露出による劣化から防ぎ、ゴルフボールの寿命を伸ばす。1実施例において、水蒸気バリア層は、ここに定義され検討されたLCBNCPを有する。水蒸気バリア層の水蒸気伝送率はカバー層の水蒸気伝送率より小さい値に選択される。水蒸気バリア層の比重は、約1.1から約1,2であり、その厚さは約0.03インチ未満である。水蒸気バリア層に適切な他の材料は、スチレンブロックコポリマーおよび金属フレーク、例えばアルミニウムフレークの組み合わせを含む。
【0098】
この発明のゴルフボールのLCBNCP構築層は、最終組成物の特性を劣化させない量で、添加物、含有物、その他の材料を含んで良い。これら添加物は、これに限定されないが、カルシウムまたはマグネシウム酸化物のような活性化剤;ステアリン酸のような脂肪酸およびその塩;フィラーおよび強化材、例えば、有機または無機粒子、具体的には、クレイ、タルク、カルシウム、マグネシウム、炭酸塩、シリカ、アルミニウム、シリケート、ゼオライト、粉末金属、および有機または無機ファイバー、可塑剤、例えば、ジカルボン酸のジアルキルエステル;界面活性剤;柔軟剤;粘着付与剤;ワックス;紫外線吸収剤および安定化剤;酸化防止剤;光学輝度調整剤;白色化剤、例えば二酸化チタンおよび二酸化亜鉛;染料および顔料;処理j助剤;離型剤;および湿潤剤を含む。これら組成物は、間然された溶融処理性、およびボール性能のバランスを実現する。
【0099】
膨張剤/発泡剤もこの発明に組み込まれるLCBNCPとおtくに互換性があって良く、例えば、米国特許第7,708,654号に開示されたものを含む。典型的な物理的な発泡剤/膨張剤は、揮発性の液体、例えば、フロン(CFC)、他のハロゲン化炭化水素、水、脂肪族炭化水素、気体、および固体膨張剤、すなわち、気体を解離して気体を放出する化合物を含む。好ましくは、膨張剤は吸着剤である。典型的な、吸着剤は、例えば、活性炭素、炭酸カルシウム、珪藻土、および二酸化炭素で飽和されたシリケートを含む。
【0100】
化学発泡剤/膨張剤は、より好ましく、とりわけ、コアが熱可塑性材料、例えばアイオノマー、高中和ポリマー、およびポリオレフィンを含む場合には、好ましい。化学膨張剤は、炭酸アンモニア、およびアルカリ金属の炭酸塩のような無機のものでもよく、アゾやアゾ化合物、例えば窒素ベースのアゾ化合物のような有機のものでもよい。適切なアゾ化合物は、これに限定されないが、2,2'−アゾビス(2−シアノブタン)、2,2'−アゾビス(メチルブチロニトリル)、アゾジカルボンアミド、p,p'−オクシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルヒドラジドを含む。他の膨張剤は、Crompton Chemical社から販売されている任意のCelogen(商標)、ニトロソ化合物、スルホニルヒドラジド、有機酸のアジドおよび類似物、トリアジン、トリゾール/テトラゾール誘導体、スルホニルセミカルバジド、尿素誘導体、グアニジン誘導体、およびエステル例えばアルコキシボロキシンを含む。他の可能な膨張剤は、成分、例えば、酸と金属の混合物、有機酸と無機炭酸塩との混合物、二トリルとアンモニウム塩との混合物の化学作用によって、または尿素の加水分解によって気体を放出する薬剤を含む。
【0101】
代替的には、低比重化は、低密度のフィラーまたは薬剤、例えば、空洞フィラーまたは微細球をポリマーマトリックス中の一体化することにより実現でき、硬化した組成物は好ましい比重を有する。さらに、ポリマーマトリックスを発泡化させてその比重を小さくでき、マイクロバルーンや他の低密度フィラーを用いても良く、これは米国特許第6,692,380号(「380特許」)に開示されている。380特許の内容は参照してここに組み入れる。
【0102】
この発明のゴルフボールのLCBNCPは非アイオノマー系およびオレフィンベースのアイオノマー系ポリマーとブレンドして、ゴルフボール層を製造するのに使用する組成物を形成して良い。非アイオノマー系ポリマーの例は、ビニル樹脂、シングルサイト触媒またはメタローセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンを含むポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド、ポリフェニレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、エンジニアリング熱可塑性材料、どの他を含む。また、この発明の1つの実施例において、この発明のゴルフボールの加工性は、メタローセン触媒ポリブタジエンをコアに組み入れることにより、さらに改善できる。
【0103】
オレフィンベースのアイオノマー、例えばエチレンベースのコポリマーは、通常では、不飽和カルボン酸、例えば、メタクリル酸、またはマレイン酸を含む。他の可能なカルボン酸基は、例えば、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸を含む。「低酸」および「高酸」のオレフィンベースのアイオノマーや、そのようなアイオノマーのブレンドが採用できる。一般的には、低酸アイオノマーは16wt%以下のカルボン酸を含むものと考えられ、他方、高酸アイオノマーは16wt%より多くのカルボン酸を含むものと考えられる。オレフィンベースのイオン性コポリマーにおける酸基は、部分的にまたは完全に亜鉛、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、マンガン、ニッケル、クロム、銅、またはこれらの組み合わせで中和される。例えば、約10パーセントから約100パーセントで中和されたカルボン酸基を具備するアイオノマー樹脂が使用されて良い。1つの実施例において、酸基は部分的に中和される。すなわち、中和レベルは、10から80%、より好ましくは、20から70%、最も好ましくは30から50%である。他の実施例において、酸基は高度または十分に中和される。すなわち、中和レベルは、80から100%、より好ましくは、90から100%、最も好ましくは95から100%である。ブレンドは、約5から約30重量%のLCBNCPと約95重量%から約70重量%の部分的に、高度に、または十分に中和されたオレフィンベースのアイオノマー系コポリマーとを含んで良い。上述のブレンドは、1以上の適切な互換剤、例えば、グリシジルアクリレート、またはグリシジルメタクリレート、または無水マレイン酸含有ポリマーを含んで良い。
【0104】
コアは、同一の硬度レベルを伴う、または異なる硬度レベルを伴う複数のセクションを含んでよい。すなわち、コアの異なるセクションに渡って均一の硬度であってよく、また、層に渡って硬度勾配があっても良い。例えば、単一のコアにおいて、コアの表面からコアの幾何中心に向かって硬から柔の勾配(「正」勾配)があってよい。他の例では、コアの表面からコア中心に向かって柔から硬の勾配(「負」勾配)、あるいはゼロの硬度勾配があってよい。二重コアゴルフボールでは、内側コア層が幾何中心の硬度より小さい表面硬度を伴って第1の「負」勾配を形成して良い。上述のように、外側コア層は内側コア層の周りに形成されて良く、外側コア層が内側表面の硬度より小さい外側表面硬度を伴って第2の「負」勾配を形成して良い。他のバージョンでは、表面から中心への硬度勾配が硬から柔(「正」)、または柔から硬(「負」)、または両者の勾配の組み合わせであって良い。さらに他のバージョンでは、表面から中心への硬度勾配は「ゼロ」(すなわち、硬度値が実質的に同じ)であってよい。正、負、およびゼロの硬度勾配を伴うコアを製造する方法は既知であり、例えば、米国特許第7,537,530号、同第7,537,529号、同第7,427,242号、および同第7,410,429号に説明されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。
【0105】
この発明に従うゴルフボールはLCBNCPをコアに組み入れて種々の硬度勾配をその中に実現してよい。例えば、LCBNCPを、「正」硬度勾配(すなわち、コアの外側表面が幾何中心の硬度より硬い)を具備するソリッドコアを構成する単一コア中に組み入れて良い。他の実施例では、LCBNCPを、内側コア層および包囲外側コア層を有する二重コアに組み入れて良い。内側コア層は「正」硬度勾配を有し、外側コア層は「負」硬度勾配を有する(すなわち、外側コア層の外側表面の硬度は外側コア層の内側表面の硬度より柔らかい)。正、負、およびゼロの勾配の種々の組み合わせを伴うゴルフボールの他の実施例はこの発明に従って製造できる。例えば、内側コアが正の硬度勾配を伴って良く、外側コア層も正の硬度勾配を伴って良い。他の例では、内側コアが正の硬度勾配を伴って良く、外側コア層もゼロの硬度勾配を伴って良い(外側コア層の外側表面と外側コア層の内側表面の硬度が実質的に同一である)。具体的には、用語「ゼロ硬度勾配」はここで用いられるように、表面から中心へのショアC硬度勾配が8未満、好ましくは5未満、最も好ましくは3未満であることを意味し、ゼロの値、または負の1から負の25であって良い。用語「負硬度勾配」はここで用いられるように、表面から中心へのショアC硬度勾配がゼロ未満であることを示す。ゼロ硬度勾配および負硬度勾配の2つの用語は、ここでは、負の1から負の25の硬度勾配を指すために交換可能に用いられる。用語「正硬度勾配」はここで用いられるように、表面から中心へのショアC硬度勾配が8以上、より好ましくは10以上、最も好ましくは20以上であることを意味する。「スティープ正硬度勾配」の用語によって、ここでは、表面から中心へのショアC硬度勾配が20以上、より好ましくは25以上、最も好ましくは30以上であることを意味する。例えば、LCBNCP含有コアが35、40、または45ショアC以上のステップ正勾配を伴って良い。内側コアおよび包囲層の硬度を測定し硬度勾配を決定する方法は以下にされに検討される。
【0106】
コアの中心硬度は以下の手順に従って得られる。コアは、コアの直径より近似的に若干小さな内部直径の半球ホルダーに静かに押し込まれる、この際、コアは半球ホルダー中に配置され、同時にコアの幾何中心面が露出されるようにする。コアは摩擦でホルダー内に固着され、切断および削り取りステップにおいて移動しないようにし、それでいて、摩擦は、コアの自然な形状が乱されないよう過剰なものでない。コアは、コアの分離線がホルダーの頂部とおおよそ平行になるように取り付けられる。コアの直径は、取り付けに先立って、この方位と80度の角度で測定される。さらに、ホルダーの底からコアの頂部までの測定もなされ、これは将来の計算の基準点を実現する。また、ホルダーの底からコアの頂部までの距離を測定して将来の較正のための基準点を得る。コアの露出された幾何中心の若干上で、コアがこのステップ中にホルダー内で動かないようにしながら、帯ノコまたは他の適切な切断ツールを用いて、大まかに切断する。ホルダー内に依然として保持されているコアの残りの部分が表面研磨機のベース板に固定される。露出されている「粗い」コア表面が平滑で平坦な表面に研磨され、コアの幾何中心が現れるようにし、この幾何中心はホルダーの底からコアの露出表面までの高さを測定して検証できる。これによりコアのオリジナルの高さのちょうど半分が、+−0.004インチの範囲内で除去されたことを確実にする。コアをホルダー内に保持して、コアの中心を芯出し定規で見いだし、注意して印付けし、この中心印で硬度をASTM−D2240に従って測定する。コアの中心から任意の距離での硬度測定を、中心マークから径方向外側に伸びる線を引き、中心から典型的には2mmの増分の距離位置で硬度を測定することにより行う。中心からの具体的な距離における硬度は、180°または90°それぞれ離れる、少なくとも2つ、好ましくは4つ半径の線分に知って測定すべきであり、その後平均がとられる。幾何中心を通る面の上ですべての硬度測定が実行されても、コアは依然としてホルダーの中にあり、その配位が乱されないようにし、測定面がホルダーの底に常に平行になるようにし、また、それゆえに、デュロメータの足に正確に整合するようにする。
【0107】
ゴルフボール層の外側表面の硬度は、当該層の実際の外側表面上で測定され、対面する半球から取った多数の測定の平均から取得され、コアの分離線または表面欠陥、例えば穴または突起の上の測定を行わないように配慮する。硬度の測定はASTM D−2240「デュロメータによるゴムおよびプラスチックの凹み硬度」に従ってなされる。曲面ゆえに、表面硬度が読み取られる前にゴルフボールまたはゴルフボールアッセンブリをデュロメータインデンタの真下に中心づけられるように配慮する必要がある。0.1単位まで読みとることが可能な較正済みの1つのデジタルデュロメータを硬度測定に用いる。デジタルデュロメータはその脚部を平行にし自動スタンドの基部に取り付けなければならない。デュロメータ上の重量およびアタック速度がASTM D−2240に適合するようにしなければならない。ある実施例では、「正」または「負」の勾配に沿って測定される1点または複数の点はその勾配に適合する線の上または下にあってよく、その最も外側および最も内側の値であってよい。他の好ましい実施例において、具体的なスティープな「正」または「負」の勾配に沿う最も硬い点は、内側コアの最も内側の部分(すなわち幾何中心)または外側コア層(内側表面)の値より大きくても良いけれども、最も外側の点(すなわち内側コアの外側表面)が最も内側の点(すなわち内側コアの幾何中心または外側コア層の内側表面)より大きく(「正」のとき)、または小さく(「負」のとき)、「正」および「負」の勾配を損なわずに維持できるようになっていなければならない。
【0108】
上述したように、ゴルフボール層の硬度勾配の方向は、具体的な層の外側および内側表面において取られた硬度測定値に相違によって定義される。内側コアの中心硬度、および、単一コアボールの内側コアまたは外側コア層の外側表面の硬度は、先に説明されたテスト手順に従って容易に決定される。二重コアボールの内側コア層(または他のオプションの中間コア層)の外側表面も、当該層を付加的な層を包囲する前に測定を行えば、ゴルフボール層の外側表面を測定するためにここで説明した手順に従って容易に測定される。対象の層を付加的なコア層で一旦包囲すると、いずれの内側または中間層の内側または外側表面の硬度を決定することは困難となるであろう。したがって、この発明の目的の範囲では、コア層の内側または外側表面の硬度が、内側層が他のコアそうにより包囲された後に、必要なときには、インターフェースから1mmの位置で測定するために先に説明したテスト手順が採用される。
【0109】
「材料硬度」および「ゴルフボール上で直接測定される硬度」の間には基本的な相違があることに留意されたい。この発明の説明の範囲では、材料硬度はASTM D2240に従って測定され、材料から製造された平らな「スラブ」または「ボタン」の硬度を測定することに一般的に関連する。「材料硬度」と「ゴルフボールの表面で直接に測定した硬度」とは、基本的に異なることを理解されたい。ゴルフボール(または他の球面)の表面で直接に測定されるような硬度は、典型的には材料硬度と異なる硬度値をもたらす。硬度値におけるこの相違は、限定するものではないが、ボール構造(即ち、コアのタイプ、コアおよび/またはカバー層の数等)、ボール(または球体)直径、および隣接各層の素材組成のようないくつかの要因に由来する。また、2つの測定方法は直線的には相関せず、従って、一方の硬度値が他方の硬度値と容易に相関し得ないことも理解すべきである。ショアC硬度はテスト方法D−2240で測定された。
【0110】
いくつかの手法が圧縮を測定するのに用いられ、その中に、Atti圧縮、Riehle圧縮、種々の固定荷重およびオフセットでの荷重/偏向の測定、および実効弾性係数が含まれる。これについては、例えば、Jeff Dalton、Compression by Any Other Name、Science and Golf IV、Proceedings of the World Scientific Congress of Golf(Eric Thain ed. Routedge、2002)(以下、「J. Dalton」)を参照されたい。ここで使用されるように、「圧縮」はAtti圧縮を指し、Atti圧縮試験装置を用いて測定される。ピストンがボールをスプリングに押しつけ、スプリングの偏位が1.25mm(0.05インチ)において測定される間、ピストンを固定したままにする。非常に剛性が小さなコアはスプリングを1.25mmより多く撓まさず、ゼロのAtti圧縮が測定される。Atti圧縮テスタは42.7mm(1.68インチ)の径の物体を測定するように設計されているので、コアの圧縮をこれらテスタで測定するためには、コアは隙間を埋めて42.7mm(1.68インチ)の高さとなるようにしなければならない。Atti圧縮を、Riehle(コア)、Riehle(ボール)、100kg偏向、130−10kg偏向または実効弾性係数に変換するには「J.Dalton」に示された式を用いて行うことができる。AttiまたはPGA圧縮およびRiehle圧縮の間にある近似的な関係は(AttiまたはPGA圧縮)=(160−Riehle圧縮)により表現されて良い。したがって、100のRiehle圧縮は60のAtti圧縮と等しいであろう。
【0111】
ここで使用されるように、CORは、ゴルフボールまたはゴルフボールのサブアッセンブリ(例えばゴルフボールコア)を空気砲から2つの所定の速度で打ち出し、38.1m/s(125ft/s)の速度でのCORを計算することにより決定される。複数の弾道光スクリーンがボール速度を測定するために固定距離で空気砲およびスチール板の間に配置される。ボールがスチール板へ移動するときに、各光スクリーンが活性化され、各光スクリーンにおける時間を測定する。これにより、ボールの入射速度に反比例した入射移行時間が得られる。ボールはスチール板と衝突して複数の光スクリーンを通り抜けてリバウンドし、これが光スクリーン間を移行するのに要する時間間隔を測定する。これにより、ボールの飛び出し速度に反比例した飛び出し移行時間が得られる。CORは飛び出し移行時間間隔の入射移行時間間隔に対する比、COR=Vout/Vin=Tin/Toutとして計算される。好ましくは、この発明に従うゴルフボールのCORは少なくとも約0.78、より好ましくは少なくとも約0.80である。
【0112】
ゴルフボールのスピンレートも依然として重要なゴルフボール特性である。高スピンレートであれば、熟達したプレーヤは、高スピンレートを制御できれば、柔軟にグリーン上でボールを停止させることができる。他方、余暇でゴルフを楽しむプレーヤは、しばしば、低スピンのゴルフボールを好む。これは、そのようなプレーヤは意図的にボールを制御する能力がなく、しかも、低スピンボールはグリーンから外れるドリフトが少ないからである。
【0113】
ゴルフボールのスピンは、例えば、ゴルフボール中の密度または比重の分散を含む変数に依存する。例えば、センタの密度または比重が外側層より大きければ、慣性モーメントが小さくなり、スピンレートを大きくさせる。代替的には、密度または比重がゴルフボールの外側領域に集約されると、慣性モーメントが大きく、スピンレートを小さくする。1.62オンスで直径が1.68インチのワンピースゴルフボールの慣性モーメントは近似的に0.4572oz−inであり、これが基準の慣性モーメント値である。
【0114】
したがって、各コア層の領域の材料および硬度を変化させて、この発明のゴルフボールについて種々の慣性モーメントを実現して良い。1つの実施例において、できあがったゴルフボールの慣性モーメントは約0.440から約0.455oz−inである。他の実施例において、この発明のゴルフボールの慣性モーメントは約0.456から約0.470oz−inである。さらに他の実施例において、この発明のゴルフボールの慣性モーメントは約0.450から約0.460oz−inである。
【0115】
1つの実施例において、この発明のゴルフボールのLCBNCP組成物の水蒸気透過率(MVTR)は、10g・mil/100in/日以下、好ましくは8g・mil/100in/日以下、より好ましくは2g・mil/100in/日以下である。ここで用いられるように、水蒸気透過率(MVTR)はg・mil/100in/日で与えられ、20°Cで測定され、ASTM F1249−99に従う。
【0116】
非制約的な特性例によって、この発明の新規性が示され、それは以下のとおりである。以下の表Iはこの発明のゴルフボールに組み入れた4つのコア材料調合の、3つの比較コア材料調合に対する同一条件下での優れた加工性を表す。すべてのコア材料は、表Iに示されるようにCORが大きく、広範囲の圧縮が伴うゴルフボールに組み入れるように調合された。表Iにおいて、この発明のゴルフボールに組み込まれるためのコア材料の各々は、15wt%の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを組み入れたポリブタジエン組成物を含む。この発明のゴルフボールコア材料の各々における長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンの溶解粘度は表Iにおいて示されるように165mPA・s未満である。他方、比較ゴルフボールコア材料の各々は、この発明のゴルフボールコア材料の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを溶解粘度が165以上であるネオジム触媒ポリブタジエンに置換した点を除いて、この発明のゴルフボールコア材料の各々と同一調合を具備する。とくに、EX1〜EX4は145(LANXESS BUNA CB25)、130、100、および85のSVをそれぞれ伴うLCBNCPである。比較例1、2および3は以下のネオジム触媒ポリブタジエンをそれぞれ組み込んでいる。すなわち、LANXESS BUNA CB22(SV 400)、LANXESS BUNA CB23(SV 300)、およびLANXESS BUNA CB24(SV 165)である。
【0117】
各ゴルフボールコア組成物/材料の加工性が評価された。具体的には、4つのこの発明のゴルフボールコア調合と3つの比較ゴルフボールコア調合の各々について、以下が測定された。すなわち、混合の品質、押し出し性、外観(押し出し成型品の表面平滑度)、低温流動性、グリーン強度、タック、およびバックグリンディングである。
【0118】
各材料について、混合の品質、押し出し性、表面平滑性、グリーン強度、タック、およびバックグリンディングは、成型に先立って視覚的に、または当業界で既知の他の方法によって観測された。低温流動性は以下の方法、または当業界で既知の任意の他の方法で検査されて良い。すなわち、各ネオジム触媒の生のポリブタジエンまたは混ぜ合わせたゴルフボールコアストックが、120mm(長さ)、115mm(幅)、100mm(深さ)の寸法を伴い、これが120mm長、200mm幅、100mm深さの寸法のスチール箱の一端に置かれ、詰められた。120mmで115mm幅で、Xmm深さの寸法のスラッグの上に6kgのスチールブロックが置かれる。スラッグの幅の変化が監視され、箱の上にマークされ、これを10000分に渡って間欠的な間隔で行う。グリーン強度は、未硬化
ゴムの引張強度および/または引張係数を試験するための当業界で既知の任意の方法を用いて評価して良い。
【0119】
表Iにおいて、全体のゴルフボールのCORを0.788、多様な圧縮を目標とするこの発明のゴルフボールのコア材料には、これらのコア材料が先に定義した7つの加工性のカテゴリにおいて優れた加工性を示すので、「良い」のレートが付与される。比較例3のコア材料には、「悪い」のレートが付与される。なぜならば、その加工性は、発明のコアの各々の加工性に較べて同じ条件かで劣るからである。つぎに、比較例2のコア材料には、「さらに悪い」のレートが付与される。なぜならば、この比較コアは所与の条件下で比較例2のコア材料よりさらに悪い加工性を示すからである。最後に、比較例1のコア材料には「最悪」のレートが付与される。なぜならば、このコア材料は同一の条件下で他のコア材料の任意の中で最も悪い加工性を示すからである。
【0120】
さらに、この評価は、この発明のゴルフボールコア材料、中間層材料、および/またはカバー材料中の異なるLCBNCPの重量%について、例えば、一例では、50重量%または90重量%で繰り返されて良い。
【0121】
したがって、溶解粘度が165mPA・s未満の長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを15wt%または50wt%または90wt%を組み入れたポリブタジエン組成物を含むこの発明のゴルフボールは、溶解粘度が165mPa・s以上のネオジム触媒ポリブタジエンを含む比較ゴルフボールに対して優れた加工性を有し、またこれを示す。
【0122】
【表1】

(*)表Iにおいて、ゴルフボール成分のバランスは、例えば、以下の1つを有する「マスターバッチ」組成物である。
(1)ゴルフボール材料が、LCBNCPを組み込んだポリブタジエン組成物を有するコア調合である場合には、マスターバッチ組成物は例えば100phrのポリブタジエンゴム、0.6phrのPerkadox BC−FFペルオキシド開始剤、20−40phrのSR−526亜鉛ジアクリレートコエージェント(量は所望の圧縮により変わる)、5phrのZnOフィラーおよびBaSO密度調整用フィラー(量は所望の比重により変わる)を有して良い;
(2)ゴルフボール材料がLCBNCPを組み入れたポリブタジエン組成物を有する内側カバーまたは中間層の調合である場合には、マスターバッチ組成物は例えば100phrのSurlyn 9910を有して良い;
(3)ゴルフボール材料がLCBNCPを組み入れたポリブタジエン組成物を有する外側カバーの調合である場合には、マスターバッチ組成物は例えば100phrのEstane 58881(TPU)を有して良い。
【0123】
したがって、この発明に従って、ここで説明したLCBNCPをコア、中間層、内側カバー層または外側カバー層の少なくとも1つに含ませたゴルフボールは、例えば、良好な、混合の品質、押し出し性、押し出し成型品の表面平滑度、制御された低温流動性、大きなグリーン強度、適切なタック、小さなバックギリンディング、および他のゴルフボール材料、具体的には、発泡剤との改善された互換性を含む、ゴルフボール加工性/加工特性を改善する。
【0124】
先の表Iの例において開示されたLCBNCPはLCBNCPとしての可能な多くの調合のほんのいくつかを示すだけであり、これは、この開示に一貫する任意の統合により修正され、または置換されて良く、これは、いくつかのLCBNCPの組み合わせおよびブレンド、または少なくとも1つの線形ネオジム触媒ポリブタジエンを伴う少なくとも1つのLCBNCPを含む。
【0125】
作業例における他の事柄、または、とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえその値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。したがって、そうでないと示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に表される数のパラメータは近似的であり、これは、この発明により得られることが企図される所望の特性に応じて変化する。最低限でも、もちろん均等論の適用を制約するものではないが、各数のパラメータは記録されている有効数字の数や通常の丸め処理に照らして解釈されるべきである。
【0126】
この発明の広範な範囲を示す数的範囲およびパラメータは近似的であるけれども、具体例において示された数値は可能な限り正確に記録した。任意の数値は、それでも、それぞれのテスト計測に見いだされる標準偏差に必然的に起因する誤差を含む。さらに、種々のスコープの数値範囲が示される場合には、例示された値を含めた値の任意の組み合わせが利用できると理解されたい。
【0127】
ここに説明した発明の事例的な実施例はこの発明の好ましい実施例を満たすことは明らかであるが、種々の変更や他の実施例を当業者が想到できることを理解されたい。そのような変更の例は上述した数値の若干の変更を含む。したがって、上述の数値および特許請求の範囲の数値がそのような数値を含み、また上述した、また特許請求の範囲に記載した値に近似され、また非常に接近した値を含む。したがって、特許請求の範囲は、そのような変更や他の実施例をすべてカバーするように意図されており、この発明の精神およびスコープの範囲に入ると理解されたい。
【0128】
ここに開示され、特許請求の範囲において特定された発明は、ここに開示された具体的な実施例によりその範囲を制約されない。これら実施例はこの発明のいくつかの側面を説明することを意図するだけであるからである。任意の均等な実施例はこの発明の範囲内のものとして意図されている。実際、ここに示され、また説明される変形に加えてこの発明の種々の変形は先の説明から当業者には自明となる。例えば、この発明の組成物は種々の製品に採用できる。そのような変形も特許請求の範囲内のものであることが意図されている。
【0129】
ここに示した実施例のいずれもいずれの既知のディンプル数およびパターンを伴ってよいけれども、ディンプルの好ましい数は252から456であり、より好ましくは330から392である。ディンプルは先行技術に開示された任意の幅、深さ、およびエッジ角度を伴って良く、パターンは異なる幅、深さおよびエッジ角の複数のディンプルを有してよい。典型的なディンプルカバー率は約60%より大きく、好ましくは約65%より大きく、より好ましくは約75%より大きい。パターンの分離線構造は、直線でも、互い違いの波状の分離線(SWPL:Staggered Wave Parting Line)でもよい。最も好ましくはディンプル数が330、332、または392であり5から7のディンプル寸法を伴い、分離線がSWPLである。
【0130】
これら実施例のいずれにおいても、単一層コアは2またはそれ以上の層のコアに置き換えてよく、この場合少なくとも1つのコア層が負の硬度勾配を伴う。
作業例における他の事柄、または、とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえその値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。
【0131】
ここに説明した発明の事例的な実施例はこの発明の好ましい実施例を満たすことは明らかであるが、種々の変更や他の実施例を当業者が想到できることを理解されたい。そのような変更の例は上述した数値の若干の変更を含む。したがって、上述の数値および特許請求の範囲の数値がそのような数値を含み、また上述した、また特許請求の範囲に記載した値に近似され、また非常に接近した値を含む。したがって、特許請求の範囲は、そのような変更や他の実施例をすべてカバーするように意図されており、この発明の精神およびスコープの範囲に入ると理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満である長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有するゴルフボールにおいて、
ゴルフボール全体のCORは少なくとも約0.780であり、Atti圧縮は約25から約120であることを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを少なくとも約5重量%の量だけ有する請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを少なくとも約10重量%の量だけ有する請求項1記載のゴルフボール。
【請求項4】
上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを少なくとも約15重量%の量だけ有する請求項1記載のゴルフボール。
【請求項5】
上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを約2重量%から約5重量%の量またはそれ以上の量だけ有する請求項1記載のゴルフボール。
【請求項6】
上記CORは少なくとも0.791である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項7】
上記CORは少なくとも0.797である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項8】
上記CORは少なくとも0.803である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項9】
上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンの溶解粘度は155mPA・s未満である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項10】
上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンの溶解粘度は145mPA・s未満である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項11】
上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンの溶解粘度は115mPA・s未満である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項12】
コアと、カバーと、オプションとして上記コアおよび上記カバーの間に配された中間層とを有し、
上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つが、ポリブタジエン組成物を有し、当該ポリブタジエン組成物が、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満である長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有することを特徴とするゴルフボール。
【請求項13】
上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つが、上記ポリブタジエン組成物を少なくとも約5重量%の量だけ有する請求項12記載のゴルフボール。
【請求項14】
上記ポリブタジエン組成物は、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン少なくとも約5重量%の量だけ有す請求項12記載のゴルフボール。
【請求項15】
上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つが、上記ポリブタジエン組成物を少なくとも約5重量%の量だけ有し、かつ上記ポリブタジエン組成物は、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン少なくとも約5重量%の量だけ有す請求項12記載のゴルフボール。
【請求項16】
上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つが、上記ポリブタジエン組成物を少なくとも約5重量%から約95重量%の量だけ有する請求項12記載のゴルフボール。
【請求項17】
上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つが、上記ポリブタジエン組成物を少なくとも約10重量%から約85重量%の量だけ有する請求項12記載のゴルフボール。
【請求項18】
上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つが、上記ポリブタジエン組成物をたかだか約100重量%有する請求項12記載のゴルフボール。
【請求項19】
上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つの上記ポリブタジエン組成物が約5重量%から約95重量%の量の上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する請求項12記載のゴルフボール。
【請求項20】
上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つの上記ポリブタジエン組成物が約10重量%から約85重量%の量の上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する請求項12記載のゴルフボール。
【請求項21】
上記コア、上記カバー、および上記中間層の少なくとも1つの上記ポリブタジエン組成物が約100重量%の量の上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する請求項12記載のゴルフボール。
【請求項22】
上記CORは少なくとも0.791である請求項12記載のゴルフボール。
【請求項23】
上記CORは少なくとも0.797である請求項12記載のゴルフボール。
【請求項24】
上記CORは少なくとも0.803である請求項12記載のゴルフボール。
【請求項25】
上記ポリブタジエン組成物の溶解粘度は155mPA・s未満である請求項12記載のゴルフボール。
【請求項26】
上記ポリブタジエン組成物の溶解粘度は145mPA・s未満である請求項12記載のゴルフボール。
【請求項27】
上記ポリブタジエン組成物の溶解粘度は115mPA・s未満である請求項12記載のゴルフボール。
【請求項28】
コアと、カバーと、オプションとして上記コアおよび上記カバーの間に配された中間層とを有し、
上記コアが、ポリブタジエン組成物を有し、当該ポリブタジエン組成物が、cis−1,4が少なくとも約96%であり溶解粘度が165mPa・s未満である長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有することを特徴とするゴルフボール。
【請求項29】
上記コア、上記カバー、および上記中間層が、上記ポリブタジエン組成物を少なくとも約5重量%の量だけ有する請求項28記載のゴルフボール。
【請求項30】
上記ポリブタジエン組成物は、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン少なくとも約5重量%の量だけ有す請求項28記載のゴルフボール。
【請求項31】
上記コアが、上記ポリブタジエン組成物を少なくとも約5重量%の量だけ有し、かつ上記ポリブタジエン組成物は、長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエン少なくとも約5重量%の量だけ有す請求項28記載のゴルフボール。
【請求項32】
上記コアが、上記ポリブタジエン組成物を少なくとも約5重量%から約95重量%の量だけ有する請求項28記載のゴルフボール。
【請求項33】
上記コアが、上記ポリブタジエン組成物を少なくとも約10重量%から約85重量%の量だけ有する請求項28記載のゴルフボール。
【請求項34】
上記コアが、上記ポリブタジエン組成物をたかだか約100重量%有する請求項28記載のゴルフボール。
【請求項35】
上記コアの上記ポリブタジエン組成物が約5重量%から約95重量%の量の上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する請求項28記載のゴルフボール。
【請求項36】
上記コアの上記ポリブタジエン組成物が約10重量%から約85重量%の量の上記長鎖分岐ネオジム触媒ポリブタジエンを有する請求項28記載のゴルフボール。
【請求項37】
上記CORは少なくとも0.791である請求項28記載のゴルフボール。
【請求項38】
上記CORは少なくとも0.797である請求項28記載のゴルフボール。
【請求項39】
上記CORは少なくとも0.803である請求項28記載のゴルフボール。
【請求項40】
上記ポリブタジエン組成物の溶解粘度は155mPA・s未満である請求項28記載のゴルフボール。
【請求項41】
上記ポリブタジエン組成物の溶解粘度は145mPA・s未満である請求項28記載のゴルフボール。
【請求項42】
上記ポリブタジエン組成物の溶解粘度は115mPA・s未満である請求項28記載のゴルフボール。
請求項28記載のゴルフボール。

【公開番号】特開2012−115643(P2012−115643A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−231330(P2011−231330)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY