防水性・透湿性組み付け中底およびこのような中底で製造された靴
不透水性であるが水蒸気透過性である組み付け中底であって、不透水性であるが水蒸気透過性であり、かつ、上方領域に配置された薄膜(11)と、この薄膜(11)の下方に配置され、耐加水分解性かつ透湿性である材料から作られているかあるいは分散状に穿孔されていて、足のための支持部として、かつ、前記薄膜(11)を鈍い物体の侵入から保護するための要素として作用することができ、さらに、使用中に靴に生じる応力に耐えることができる支持層(12)とを備え、前記薄膜(11)と前記支持層(12)とが、前記組み付け中底を水の通過に対して不浸透性であって前記薄膜(11)の透湿性を損なわないように全体としてするために、相互に接合されていることを特徴とする構造を有する組み付け中底。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防水性・透湿性組み付け中底(assembly insole)に関するものである。この発明はまた、その組み付け中底で製造された靴に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
この新しい中底を使用する靴は、特別な衝撃吸収作用を必要としない諸機能のために、他の靴よりも良好に構成されるように適合することができる。
【0003】
公知の靴製造技術によれば、組み付け中底は、足の周りに3次元状に巻き付けられるように設計された「袋」を実質的に閉じるために、この中底が底革(sole)へ取り付けられる前に、甲革(upper)が上に組み付けられる支持用要素として使用される。この組み付け中底は、靴を構成する他のいくつか構成要素とは別の構成要素であり、他のいくつかの構成要素とは明らかに異質の原理および技術を利用するものである。
【0004】
従って、構造上の観点から、その靴は、2つの中間的構成要素、すなわち、甲革および組み付け中底を備えてなる袋状構成要素とこの袋の下に取り付けられる底革とから構成することができる。いわゆる「筒状」構造の場合だけ、甲革の袋は、爪革(vamp)として知られた上方部分を取り付けることによって、閉じられる。甲革への組み付け中底の取り付けは、それを設ける構造では、接着剤によって、または、縫い合わせあるいは他の混合方式によって実行される。
【0005】
いくつかの構成的事例では、甲革が底革へ直接、縫い付けられ、かつ/または、接着剤により接合されているため、組み付け中底は存在していないが、この事例では、底革が組み付け中底として作用する。この組み付け中底(assembly insole)は、「衛生的中底」あるいは「足載せ」として知られているとともに靴の製造のための構造的機能がない、足が載せられる中底(insole)と混同すべきではない。
【0006】
組み付け中底が足載せと一致するただ1つの事例があり、その事例は、1つ以上の層が、組み付けの後に、組み付け中底の上方で、それゆえユーザーの足の下方で、靴の中へ導入されないときである。これらの事例では、組み付け中底は足載せとして作用するが、その理由は、組み付け中底が、底革へ向けられる側部において甲革を閉じることができるように設けられているからである(足載せは、それがどのようにして作られているか、また、使用された材料がどのようなものであるかによるが、組み付け中底の機能をその代わりに遂行することが決してできない)。
【0007】
組み付け中底は、靴が意図されている使用に左右される、互いに異なる大多数の材料および構造から作ることができるが、どのような場合でも、靴がともに持ちこたえるように、甲革のための、また、しばしば、さらに底革のための支持部を常に構成することのできるものでなくてはならない。
【0008】
組み付け中底は、土踏まずを取り付けることによって補強することができ、かつ/または、切欠、穴あるいはより柔軟な材料から作られた部分によって、いっそう曲げやすく作ることができる。
【0009】
運動靴に限らず、多くの靴では、底革は単に保護的あるいは技術的な目的のためのものであると考えられており、従って、組み付け中底には、靴をともに維持し、かつ、ユーザーの体重を支えるという課題が課されている。例えばサイクリング用の靴では、底革はペダルと実質的に係合しあるいは接することができるように設計されており、サッカー用の靴では、底革はスタッドの取り付けができなければならず、また、ゴルフ用の靴では、底革はスパイクを取り付けることができなければならない。
【0010】
いくつかのごく軽い靴では、軽量で薄い接地体の目的は、靴の下部に配置された材料、例えば筒状モカシンの皮が磨耗するのを保護することだけである。
【0011】
底革に穴を開けることによって、また、不透水性(impermeable to water)であるが水蒸気透過性(permeable to water vapor)であって通気は可能であるが水および/または湿気あるいは異物の侵入を防止する特定の薄膜を靴の中へ導入することによって、発汗の問題を解消する靴は知られている。具体的には、底革の透湿性(通気性)表面を最大にするために、底革の中央部分が保護ネットによって、また、他の層によって支持された薄膜で置き換えられる構造が知られている。
【0012】
同様の解決策が別の発明によって提案されており、その発明では、靴の内側に、すなわち、ライニングの中にあるいは組み付け中底の中に配置された薄膜を、底革の内部に配置されたネットあるいは他の透湿性(水蒸気透過性)材料からなる層とともに使用することで、歩行中に踏みつけるかもしれない鈍い物体からその薄膜を保護することだけが可能である。
【0013】
これらの解決策では、衝撃吸収層と耐磨耗性かつ耐滑り性がある層(接地体)とから構成された底革を使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この発明の目標は、足挿入領域の下方に不透水性であるが水蒸気透過性(透湿性)である薄膜が備わっていて、どのような場合にも上記薄膜の透湿性を最も可能性のある方法で利用することができるように、底革の構造がその表面に関して、かつ、必要に応じてその厚さおよび重さに関して最小限にされた靴を設けることのできる組み付け中底を提供することである。
【0015】
この目標の範囲内で、この発明の1つの目的は、底革に保護用あるいは防水性の要素が含まれていない場合にも、下方部分が、防水性であるが透湿性であり、単に機能的なあるいは衝撃吸収用のエラストマー材料に変えられる靴を提供することである。
【0016】
別の目的は、底革および靴を製造するためのプロセスを著しく簡略化することである。別の目的は、靴の下方部分だけでなく靴全体の随意の防水性が可能になる構造を提供することである。さらに別の目的は、上記薄膜の活性区域を、同区域が足の裏全体に実質的に影響を及ぼすまで、拡張することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目標、これらの目的、およびこれ以降にいっそう明らかになる他の諸目的は、不透水性であるが水蒸気透過性である組み付け中底であって、不透水性であるが水蒸気透過性であり、かつ、上方領域に配置された薄膜と、この薄膜の下方に配置され、耐加水分解性かつ透湿性である材料から作られているかあるいは分散状に穿孔されていて、足のための支持部として、靴のための組み付け基部として、上記薄膜を鈍い物体の侵入から保護するための要素として作用することができ、さらに、使用中に靴に生じる応力に耐えることができる支持層とを備え、上記薄膜と上記支持層とが、上記組み付け中底を水の通過に対して不浸透性であって上記薄膜の透湿性を損なわないように全体としてするために、相互に接合されていることを特徴とする構造を有する組み付け中底によって達成される。
【0018】
好ましいのは、上記中底で製造された靴に、上記組み付け中底へ組み付けられ、かつ、防水性封止部を上記組み付け中底の上に直接設けるポリマー材料から作られた底革に上記中底の周縁領域で接合された甲革が備わっていることである。上記封止部は、水が靴の底から上昇するとともに例えば支持層により上記薄膜の周縁へ向かって引き寄せられて上記周縁の周りに流れることによって靴に染み込むのを防止する点で、必須のものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
この発明のさらに別の特徴および利点は、添付図面における非限定的な例によって示された、好ましいが排他的ではないいくつかの実施形態の説明からいっそう明らかになる。
【図1】図1は、この発明による組み付け中底の断面図である。
【図2】図2は、図1の中底の斜視図である。
【図3】図3は、この発明による上記中底で設けられた第1の靴の部分断面図である。
【図4】図4は、図3の靴の底面図である。
【図5】図5は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図6】図6は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図7】図7、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図8】図8は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図9】図9は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図10】図10は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図11】図11は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図12】図12は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図13】図13は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図13a】図13aは、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図14】図14は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図14a】図14aは、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【0020】
この特許取得処理の間にすでに知られたと認められるあらゆるものは、特許請求されることがなく、また、特許放棄の対象でない、と理解されることに留意すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1および図2によれば、この発明による組み付け中底は、参照符号10によって全体が表わされており、また、不透水性であるが水蒸気透過性であって上方領域に配置されている薄膜11と、この薄膜11の下方に配置されていて、土踏まずを支持するための層12とから構成されており、その層12は、耐加水分解性かつ透湿性である材料から作られているかあるいは分散状に穿孔されていて、足のための支持部として、かつ、薄膜11を鈍い物体の侵入から保護するための要素として作用することができ、さらに、使用中に靴に生じる応力に耐えることができる。この組み付け中底、とりわけその支持層12によれば、袋状甲革を閉じることができる。
【0022】
靴のこの構成要素である組み付け中底10は、一般に靴型の下方部分に応じて形成されるが、甲革、ライニング、かかと革、先靴などが取り付けられる靴の構造的中枢部である。薄膜11は、市販されているとともに商標名Gore−Tex(登録商標)として広く知られている種類のものであり、必要に応じて、合成材料から作られた甲革メッシュ(図面には示されていない)へ接合される。層12は例えば、合成材料あるいは金属材料から作られたメッシュによって、微小延伸金属板によって、熱により融合された部分圧縮合成繊維によって、麻やココナッツの繊維のような圧縮天然繊維によって、あるいは皮革によって構成することができる。
【0023】
これらの要素は、水の通過に対して不浸透性であって上記薄膜の透湿性を損なわない上記中底を作るために、例えば、接着剤スポット13によって、あるいは接着性材料からなる周辺層によって、あるいはPVCやPUから作られた周辺被膜を溶融することによる高周波での溶着によって、互いに接合されている。
【0024】
水蒸気透過領域において透湿性あるいは有孔である限り、皮革、フェルト,ポリマー材料あるいは合成皮革のような補強要素あるいは構造的要素(簡略化のために示されていない)があってもよく、これらの要素は、透湿性を損なわないような手段、例えば、縫い付け、スポット接着、あるいは周辺の水蒸気不透過区域だけの接着剤接合によって、薄膜11と支持層12との組み付けの後に挿入されるか、あるいは靴の組み付けの前に取り付けられる。
【0025】
このような組み付け中底10は、靴の底革が使用に必要なすべての技術的内容を有しているが、かなりの寸法がある大きい開口あるいは分散穴を有しているため、そのような底革が例えばねじれに対して靴を強くするために適していない靴の製造において使用される。先に説明された組み付け中底には、必要な剛性が備わっている。
【0026】
さて、図3および図4によれば、この発明による組み付け中底10を使用する透湿性靴の第1構造が、「古典的AGO靴型合わせ法」として広く知られた製造方法によってもたらされており、この構造では、甲革14の下方縁部が、不透水性であるが水蒸気透過性である組み付け中底10の下方へ折り曲げられて接着剤により接合されている。
【0027】
甲革14は、靴組み付け作業の前に、縫われて用意される。組み付けの間、足の形状および寸法の備わった靴型が使用されて、甲革14へ特定の3次元形状が付与される。
【0028】
上記中底10(これ以降、接着剤スポット13の存在は簡略化のために省略される)は、周辺に接着剤で接合されたライニング15とともにあるいはライニング15なしで(例えば、この靴が暑い季節用のものであるか寒い季節用のものであるかによって左右される)、組み付け中底10の薄膜11を上記中底10へ接着するために、薄膜11を損傷するおそれがある釘あるいはステープルを使うことなく、上部支持用靴型(図示略)および甲革14の下方へ一時的に取り付けられる(靴型合わせ法として知られた作業)。
【0029】
次いで、この靴が意図されている使用によって許容される限り、最大蒸気透過が可能になる大きい開口17あるいは穴のある底革16が取り付けられる。
【0030】
底革16の周辺部であるが甲革14の縁部に接していない底革16の部分18(すなわち、開口17の外縁を画定する部分)は、薄膜11との間における周辺封止のための区域Aを作り出すために、層12に侵入しなければならない。
【0031】
このような封止用区域は例えば、射出の時点で液体状態あるいは高度流動性状態にある材料で実施され、層12に侵入するとともに薄膜11に係合して、それを封止する底革16の金型の中への直接射出成形によって設けることができる(図3において、層12の表面における底革16の重なりは区域Aで見ることができる)。
【0032】
底革16によって被覆されていない中底10の部分は透湿性のままであるが、水は、上記周辺封止処理と中底10の防水処理とのおかげで、靴の中に入らない。
【0033】
この靴を完成させるために、組み付け中底10の上方に透湿性あるいは有孔の足載せ19を配置することができる。
【0034】
代案として(図5)、予備型成形された底革16aを接着剤接合によって取り付けることができる。この場合には、接着剤18aが層12を越えて移ることが保証されなければならず、例えば、この層12がネットによって構成されているときには、区域Aにおいて薄膜11に係合してそれを封止するために、接着剤18aが層12のメッシュを越えて移ることが保証されなければならない。
【0035】
この目的に関して、この底革が取り付けられる予備封止ずみ区域を設けるために、特定のホットメルト接着剤あるいはシリコーン接着剤を使用することができる。上記の甲革およびライニングはここでは、参照符号14aおよび15aによって表わされている。
【0036】
図示されていないある代案では、PVC(ポリ塩化ビニル)あるいはPU(ポリウレタン)から作られた接着剤の被膜を使用して、この被膜の溶融による高周波溶着法をもたらすとともにこれらの構成要素を一体構造状単一体に接合することができる。
【0037】
別の代案的解決策(図6)は、ここでは参照符号16bによって表わされた底革が後にその上へ取り付けられる封止層20を予備射出成形することからなっている。上記の甲革およびライニングはここでは、参照符号14bおよび15bによって表わされている。
【0038】
ここ(図7)では参照符号16cによって表わされた底革の寸法を減少させるためと、充分な封止用区域を設けるために、甲革14cの靴型合わせ用周辺部を穿孔することによって、すなわち、上記中底の下方で折り曲げられた縁部21に穴22を、また、随意のライニング15cの折り曲げられた縁部に穴23を開けることによって、あるいは、これらの要素の上記下方縁部、すなわち甲革14cおよび随意のライニング15cの上記下方縁部を、上記接着剤あるいは上記液体状底革が組み付け中底10の薄膜11に係合するまで層12を通過して侵入することのできる材料から設けることによって、ここ(図7)では参照符号A1によって表わされた封止用区域の拡張を考慮することができる。
【0039】
層12(図8)が封止用材料を薄膜11まで通過させることができないものであるときには、そのような層は、それを封止可能なものにするために、例えば、封止用領域において、それに穴を開けることあるいはその縁部を防水性材料で置き換える(防水性縁部24)ことによって、改変しなければならない。
【0040】
代案として(図9)、靴全体は、防水性であるが透湿性であって水に対する封止部を構成する組み付け中底10の薄膜11へ直接溶着される完全防水性材料から作られた甲革14dを使用することによって、それが防水性であるように設けることができる。例えば、底革16dは、甲革14dに係合することができ、そのため、防水性封止部のための決め手にはならない。
【0041】
さらに別の代案として(図10〜12)、靴全体は、防水性でない材料から作られた甲革14eと、防水性であるが透湿性であって、足との接触のために設計された非防水性材料26(例えば、ベルチナ(Vellutina)織物、木綿、羊毛など)で裏打ちされている外側薄膜25によって構成された防水性ライニング15eとを備えることによって、靴全体が不透水性であるように設けることができる。
【0042】
この場合には、3つの代案的可能性をもたらすことができる。
A)ライニング材料26を、中底10へ接着するために設計された下方縁部に沿って、例えば、高周波溶着によって、または、接着剤あるいはポリウレタン封止剤あるいはシリコーン封止剤(図10)の塗布によって、接着剤接合による封止部がもたらされるように防水処理すること。
B)接着剤を、あるいは液体状態で射出されたときには底革16e(図11)の材料を、有孔材料(例えば、ネットなど)から作られた縁部27が備わった甲革14eを介して、かつ、層12を介して(図3のように)、あるいは薄膜11の上へ封止されるように適切に設けられた穿孔によって通過させること。
C)ライニング15eの薄膜25と中底10の薄膜11との間に、ブリッジとして作用する周辺封止用バンド28(図12)を取り付けること(ここでも、甲革は参照符号14eによって表わされ、底革は参照符号16eによって表わされている)。
【0043】
図13および図13aに示された別の代案的実施形態では、薄膜11が中に備わっている防水性・透湿性中底10は、ストローベル(Strobel)として広く知られた製造方法による縫い付け部29によって、甲革14fの縁部へ接合されている。
【0044】
代案として、グッドイアー(Goodyear)、アイデアル(Ideal)などとして知られた、縫い付け中底による他の種類のいくつかの製造方法を使用することができる。これらの種類の製造方法は、先の製造方法とは、縫い付け部29によって接合される代わりに上記甲革と上記中底との間の重なりがない点で、異なっている。
【0045】
これによって、底革16fと中底10の薄膜11と(充分な防水性のある靴の場合には、さらに甲革/ライニングの薄膜と)の間に封止部を設けるという可能性が簡略化される。
【0046】
底革16fは、薄膜11との間に周辺封止部A2が作られるように、また同時に、A3において甲革14fと中底10との間に縫い付け継目29が作られるように、中底10の層12に侵入しなければならない。
【0047】
このことは例えば、射出の時点で液体であるかあるいはきわめて流動性である底革16fが保護材料を通して染み込み、薄膜11に係合してそれを封止する、底革16fの直接射出成形によって生じることができる。この場合においてもまた、底革16fによって被覆されていない部分では透湿性のままであり、さらに、水は、中底10のおかげで、不透水性であるが水蒸気透過性であるこの靴の中へ入ることがない。さらに別の細部については、図5および図6の説明を参照のこと。
【0048】
図14および図14aの製造方法は、先の製造方法とは、甲革の下方縁部をここでは参照符号14gによって表わされた甲革の下方縁部で置き換えるためにネット状バンド30の挿入によって設けられた封止用区域A3が増大している点で、異なっている(底革は参照符号16gによって表わされ、また、縫い付け継目は参照符号29gによって表わされている)。
【0049】
底革16gの流動性材料は、ライニング15gに設けられた薄膜25、中底10に設けられた薄膜11、および縫い付け継目29をそれぞれ封止する甲革14gのネット状バンド30と中底10の層12とを通過する。さらに別の細部については、図7および図11の説明を参照のこと。この種類の製造方法では、先行する実施形態の図8、図9および図12と同じ事例が生じることがある。
【0050】
実際に、中底が靴の支持用構造を構成しなければならないかあるいは靴の最大柔軟性が必要であるすべての靴へこの発明を容易に適用することができる、ということはわかった。
【0051】
接地体と厚さ全体(透湿性の開放区域)に沿う底革それ自体との大多数の欠如のために、底革によって達成することのできない特定の衝撃吸収効果がまた求められるときには、その効果は、穿孔されていて、例えばゲル、発泡ポリウレタン、あるいは型成形された、貫通孔付きの空気ポケットのような高度衝撃吸収性材料から作られた組み付け中底10の上方に配置された内側中底あるいは内側層を使用することで、達成される。
【0052】
このように構想されたこの発明は、そのすべてが特許請求の範囲の適用範囲内にある多数の改造および変更を行うことが可能であり、すべての細部は、技術的に等価な他の諸要素でさらに置き換えることができる。
【0053】
実際に、使用された諸材料は、それらが特定の使用と両立する限り、寸法と同様に、諸要件および最新技術に従う任意のものであってよい。
【0054】
この出願が優先権の利益を主張するイタリア特許出願PD2007A000106における開示は、参照によってこの明細書の中に組み入れられる。
【0055】
特許請求の範囲の任意の請求項で言及された技術的特徴が参照符号に従うときには、それらの参照符号は、請求項の理解度を増大させる目的だけのために含まれており、従って、そのような参照符号は、そのような参照符号による例によって識別されたそれぞれの要素の解釈に関するどのような制限的効果も有していない。
【技術分野】
【0001】
この発明は、防水性・透湿性組み付け中底(assembly insole)に関するものである。この発明はまた、その組み付け中底で製造された靴に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
この新しい中底を使用する靴は、特別な衝撃吸収作用を必要としない諸機能のために、他の靴よりも良好に構成されるように適合することができる。
【0003】
公知の靴製造技術によれば、組み付け中底は、足の周りに3次元状に巻き付けられるように設計された「袋」を実質的に閉じるために、この中底が底革(sole)へ取り付けられる前に、甲革(upper)が上に組み付けられる支持用要素として使用される。この組み付け中底は、靴を構成する他のいくつか構成要素とは別の構成要素であり、他のいくつかの構成要素とは明らかに異質の原理および技術を利用するものである。
【0004】
従って、構造上の観点から、その靴は、2つの中間的構成要素、すなわち、甲革および組み付け中底を備えてなる袋状構成要素とこの袋の下に取り付けられる底革とから構成することができる。いわゆる「筒状」構造の場合だけ、甲革の袋は、爪革(vamp)として知られた上方部分を取り付けることによって、閉じられる。甲革への組み付け中底の取り付けは、それを設ける構造では、接着剤によって、または、縫い合わせあるいは他の混合方式によって実行される。
【0005】
いくつかの構成的事例では、甲革が底革へ直接、縫い付けられ、かつ/または、接着剤により接合されているため、組み付け中底は存在していないが、この事例では、底革が組み付け中底として作用する。この組み付け中底(assembly insole)は、「衛生的中底」あるいは「足載せ」として知られているとともに靴の製造のための構造的機能がない、足が載せられる中底(insole)と混同すべきではない。
【0006】
組み付け中底が足載せと一致するただ1つの事例があり、その事例は、1つ以上の層が、組み付けの後に、組み付け中底の上方で、それゆえユーザーの足の下方で、靴の中へ導入されないときである。これらの事例では、組み付け中底は足載せとして作用するが、その理由は、組み付け中底が、底革へ向けられる側部において甲革を閉じることができるように設けられているからである(足載せは、それがどのようにして作られているか、また、使用された材料がどのようなものであるかによるが、組み付け中底の機能をその代わりに遂行することが決してできない)。
【0007】
組み付け中底は、靴が意図されている使用に左右される、互いに異なる大多数の材料および構造から作ることができるが、どのような場合でも、靴がともに持ちこたえるように、甲革のための、また、しばしば、さらに底革のための支持部を常に構成することのできるものでなくてはならない。
【0008】
組み付け中底は、土踏まずを取り付けることによって補強することができ、かつ/または、切欠、穴あるいはより柔軟な材料から作られた部分によって、いっそう曲げやすく作ることができる。
【0009】
運動靴に限らず、多くの靴では、底革は単に保護的あるいは技術的な目的のためのものであると考えられており、従って、組み付け中底には、靴をともに維持し、かつ、ユーザーの体重を支えるという課題が課されている。例えばサイクリング用の靴では、底革はペダルと実質的に係合しあるいは接することができるように設計されており、サッカー用の靴では、底革はスタッドの取り付けができなければならず、また、ゴルフ用の靴では、底革はスパイクを取り付けることができなければならない。
【0010】
いくつかのごく軽い靴では、軽量で薄い接地体の目的は、靴の下部に配置された材料、例えば筒状モカシンの皮が磨耗するのを保護することだけである。
【0011】
底革に穴を開けることによって、また、不透水性(impermeable to water)であるが水蒸気透過性(permeable to water vapor)であって通気は可能であるが水および/または湿気あるいは異物の侵入を防止する特定の薄膜を靴の中へ導入することによって、発汗の問題を解消する靴は知られている。具体的には、底革の透湿性(通気性)表面を最大にするために、底革の中央部分が保護ネットによって、また、他の層によって支持された薄膜で置き換えられる構造が知られている。
【0012】
同様の解決策が別の発明によって提案されており、その発明では、靴の内側に、すなわち、ライニングの中にあるいは組み付け中底の中に配置された薄膜を、底革の内部に配置されたネットあるいは他の透湿性(水蒸気透過性)材料からなる層とともに使用することで、歩行中に踏みつけるかもしれない鈍い物体からその薄膜を保護することだけが可能である。
【0013】
これらの解決策では、衝撃吸収層と耐磨耗性かつ耐滑り性がある層(接地体)とから構成された底革を使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この発明の目標は、足挿入領域の下方に不透水性であるが水蒸気透過性(透湿性)である薄膜が備わっていて、どのような場合にも上記薄膜の透湿性を最も可能性のある方法で利用することができるように、底革の構造がその表面に関して、かつ、必要に応じてその厚さおよび重さに関して最小限にされた靴を設けることのできる組み付け中底を提供することである。
【0015】
この目標の範囲内で、この発明の1つの目的は、底革に保護用あるいは防水性の要素が含まれていない場合にも、下方部分が、防水性であるが透湿性であり、単に機能的なあるいは衝撃吸収用のエラストマー材料に変えられる靴を提供することである。
【0016】
別の目的は、底革および靴を製造するためのプロセスを著しく簡略化することである。別の目的は、靴の下方部分だけでなく靴全体の随意の防水性が可能になる構造を提供することである。さらに別の目的は、上記薄膜の活性区域を、同区域が足の裏全体に実質的に影響を及ぼすまで、拡張することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目標、これらの目的、およびこれ以降にいっそう明らかになる他の諸目的は、不透水性であるが水蒸気透過性である組み付け中底であって、不透水性であるが水蒸気透過性であり、かつ、上方領域に配置された薄膜と、この薄膜の下方に配置され、耐加水分解性かつ透湿性である材料から作られているかあるいは分散状に穿孔されていて、足のための支持部として、靴のための組み付け基部として、上記薄膜を鈍い物体の侵入から保護するための要素として作用することができ、さらに、使用中に靴に生じる応力に耐えることができる支持層とを備え、上記薄膜と上記支持層とが、上記組み付け中底を水の通過に対して不浸透性であって上記薄膜の透湿性を損なわないように全体としてするために、相互に接合されていることを特徴とする構造を有する組み付け中底によって達成される。
【0018】
好ましいのは、上記中底で製造された靴に、上記組み付け中底へ組み付けられ、かつ、防水性封止部を上記組み付け中底の上に直接設けるポリマー材料から作られた底革に上記中底の周縁領域で接合された甲革が備わっていることである。上記封止部は、水が靴の底から上昇するとともに例えば支持層により上記薄膜の周縁へ向かって引き寄せられて上記周縁の周りに流れることによって靴に染み込むのを防止する点で、必須のものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
この発明のさらに別の特徴および利点は、添付図面における非限定的な例によって示された、好ましいが排他的ではないいくつかの実施形態の説明からいっそう明らかになる。
【図1】図1は、この発明による組み付け中底の断面図である。
【図2】図2は、図1の中底の斜視図である。
【図3】図3は、この発明による上記中底で設けられた第1の靴の部分断面図である。
【図4】図4は、図3の靴の底面図である。
【図5】図5は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図6】図6は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図7】図7、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図8】図8は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図9】図9は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図10】図10は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図11】図11は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図12】図12は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図13】図13は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図13a】図13aは、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図14】図14は、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【図14a】図14aは、この発明による上記中底で設けられたある型の靴の部分断面図である。
【0020】
この特許取得処理の間にすでに知られたと認められるあらゆるものは、特許請求されることがなく、また、特許放棄の対象でない、と理解されることに留意すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1および図2によれば、この発明による組み付け中底は、参照符号10によって全体が表わされており、また、不透水性であるが水蒸気透過性であって上方領域に配置されている薄膜11と、この薄膜11の下方に配置されていて、土踏まずを支持するための層12とから構成されており、その層12は、耐加水分解性かつ透湿性である材料から作られているかあるいは分散状に穿孔されていて、足のための支持部として、かつ、薄膜11を鈍い物体の侵入から保護するための要素として作用することができ、さらに、使用中に靴に生じる応力に耐えることができる。この組み付け中底、とりわけその支持層12によれば、袋状甲革を閉じることができる。
【0022】
靴のこの構成要素である組み付け中底10は、一般に靴型の下方部分に応じて形成されるが、甲革、ライニング、かかと革、先靴などが取り付けられる靴の構造的中枢部である。薄膜11は、市販されているとともに商標名Gore−Tex(登録商標)として広く知られている種類のものであり、必要に応じて、合成材料から作られた甲革メッシュ(図面には示されていない)へ接合される。層12は例えば、合成材料あるいは金属材料から作られたメッシュによって、微小延伸金属板によって、熱により融合された部分圧縮合成繊維によって、麻やココナッツの繊維のような圧縮天然繊維によって、あるいは皮革によって構成することができる。
【0023】
これらの要素は、水の通過に対して不浸透性であって上記薄膜の透湿性を損なわない上記中底を作るために、例えば、接着剤スポット13によって、あるいは接着性材料からなる周辺層によって、あるいはPVCやPUから作られた周辺被膜を溶融することによる高周波での溶着によって、互いに接合されている。
【0024】
水蒸気透過領域において透湿性あるいは有孔である限り、皮革、フェルト,ポリマー材料あるいは合成皮革のような補強要素あるいは構造的要素(簡略化のために示されていない)があってもよく、これらの要素は、透湿性を損なわないような手段、例えば、縫い付け、スポット接着、あるいは周辺の水蒸気不透過区域だけの接着剤接合によって、薄膜11と支持層12との組み付けの後に挿入されるか、あるいは靴の組み付けの前に取り付けられる。
【0025】
このような組み付け中底10は、靴の底革が使用に必要なすべての技術的内容を有しているが、かなりの寸法がある大きい開口あるいは分散穴を有しているため、そのような底革が例えばねじれに対して靴を強くするために適していない靴の製造において使用される。先に説明された組み付け中底には、必要な剛性が備わっている。
【0026】
さて、図3および図4によれば、この発明による組み付け中底10を使用する透湿性靴の第1構造が、「古典的AGO靴型合わせ法」として広く知られた製造方法によってもたらされており、この構造では、甲革14の下方縁部が、不透水性であるが水蒸気透過性である組み付け中底10の下方へ折り曲げられて接着剤により接合されている。
【0027】
甲革14は、靴組み付け作業の前に、縫われて用意される。組み付けの間、足の形状および寸法の備わった靴型が使用されて、甲革14へ特定の3次元形状が付与される。
【0028】
上記中底10(これ以降、接着剤スポット13の存在は簡略化のために省略される)は、周辺に接着剤で接合されたライニング15とともにあるいはライニング15なしで(例えば、この靴が暑い季節用のものであるか寒い季節用のものであるかによって左右される)、組み付け中底10の薄膜11を上記中底10へ接着するために、薄膜11を損傷するおそれがある釘あるいはステープルを使うことなく、上部支持用靴型(図示略)および甲革14の下方へ一時的に取り付けられる(靴型合わせ法として知られた作業)。
【0029】
次いで、この靴が意図されている使用によって許容される限り、最大蒸気透過が可能になる大きい開口17あるいは穴のある底革16が取り付けられる。
【0030】
底革16の周辺部であるが甲革14の縁部に接していない底革16の部分18(すなわち、開口17の外縁を画定する部分)は、薄膜11との間における周辺封止のための区域Aを作り出すために、層12に侵入しなければならない。
【0031】
このような封止用区域は例えば、射出の時点で液体状態あるいは高度流動性状態にある材料で実施され、層12に侵入するとともに薄膜11に係合して、それを封止する底革16の金型の中への直接射出成形によって設けることができる(図3において、層12の表面における底革16の重なりは区域Aで見ることができる)。
【0032】
底革16によって被覆されていない中底10の部分は透湿性のままであるが、水は、上記周辺封止処理と中底10の防水処理とのおかげで、靴の中に入らない。
【0033】
この靴を完成させるために、組み付け中底10の上方に透湿性あるいは有孔の足載せ19を配置することができる。
【0034】
代案として(図5)、予備型成形された底革16aを接着剤接合によって取り付けることができる。この場合には、接着剤18aが層12を越えて移ることが保証されなければならず、例えば、この層12がネットによって構成されているときには、区域Aにおいて薄膜11に係合してそれを封止するために、接着剤18aが層12のメッシュを越えて移ることが保証されなければならない。
【0035】
この目的に関して、この底革が取り付けられる予備封止ずみ区域を設けるために、特定のホットメルト接着剤あるいはシリコーン接着剤を使用することができる。上記の甲革およびライニングはここでは、参照符号14aおよび15aによって表わされている。
【0036】
図示されていないある代案では、PVC(ポリ塩化ビニル)あるいはPU(ポリウレタン)から作られた接着剤の被膜を使用して、この被膜の溶融による高周波溶着法をもたらすとともにこれらの構成要素を一体構造状単一体に接合することができる。
【0037】
別の代案的解決策(図6)は、ここでは参照符号16bによって表わされた底革が後にその上へ取り付けられる封止層20を予備射出成形することからなっている。上記の甲革およびライニングはここでは、参照符号14bおよび15bによって表わされている。
【0038】
ここ(図7)では参照符号16cによって表わされた底革の寸法を減少させるためと、充分な封止用区域を設けるために、甲革14cの靴型合わせ用周辺部を穿孔することによって、すなわち、上記中底の下方で折り曲げられた縁部21に穴22を、また、随意のライニング15cの折り曲げられた縁部に穴23を開けることによって、あるいは、これらの要素の上記下方縁部、すなわち甲革14cおよび随意のライニング15cの上記下方縁部を、上記接着剤あるいは上記液体状底革が組み付け中底10の薄膜11に係合するまで層12を通過して侵入することのできる材料から設けることによって、ここ(図7)では参照符号A1によって表わされた封止用区域の拡張を考慮することができる。
【0039】
層12(図8)が封止用材料を薄膜11まで通過させることができないものであるときには、そのような層は、それを封止可能なものにするために、例えば、封止用領域において、それに穴を開けることあるいはその縁部を防水性材料で置き換える(防水性縁部24)ことによって、改変しなければならない。
【0040】
代案として(図9)、靴全体は、防水性であるが透湿性であって水に対する封止部を構成する組み付け中底10の薄膜11へ直接溶着される完全防水性材料から作られた甲革14dを使用することによって、それが防水性であるように設けることができる。例えば、底革16dは、甲革14dに係合することができ、そのため、防水性封止部のための決め手にはならない。
【0041】
さらに別の代案として(図10〜12)、靴全体は、防水性でない材料から作られた甲革14eと、防水性であるが透湿性であって、足との接触のために設計された非防水性材料26(例えば、ベルチナ(Vellutina)織物、木綿、羊毛など)で裏打ちされている外側薄膜25によって構成された防水性ライニング15eとを備えることによって、靴全体が不透水性であるように設けることができる。
【0042】
この場合には、3つの代案的可能性をもたらすことができる。
A)ライニング材料26を、中底10へ接着するために設計された下方縁部に沿って、例えば、高周波溶着によって、または、接着剤あるいはポリウレタン封止剤あるいはシリコーン封止剤(図10)の塗布によって、接着剤接合による封止部がもたらされるように防水処理すること。
B)接着剤を、あるいは液体状態で射出されたときには底革16e(図11)の材料を、有孔材料(例えば、ネットなど)から作られた縁部27が備わった甲革14eを介して、かつ、層12を介して(図3のように)、あるいは薄膜11の上へ封止されるように適切に設けられた穿孔によって通過させること。
C)ライニング15eの薄膜25と中底10の薄膜11との間に、ブリッジとして作用する周辺封止用バンド28(図12)を取り付けること(ここでも、甲革は参照符号14eによって表わされ、底革は参照符号16eによって表わされている)。
【0043】
図13および図13aに示された別の代案的実施形態では、薄膜11が中に備わっている防水性・透湿性中底10は、ストローベル(Strobel)として広く知られた製造方法による縫い付け部29によって、甲革14fの縁部へ接合されている。
【0044】
代案として、グッドイアー(Goodyear)、アイデアル(Ideal)などとして知られた、縫い付け中底による他の種類のいくつかの製造方法を使用することができる。これらの種類の製造方法は、先の製造方法とは、縫い付け部29によって接合される代わりに上記甲革と上記中底との間の重なりがない点で、異なっている。
【0045】
これによって、底革16fと中底10の薄膜11と(充分な防水性のある靴の場合には、さらに甲革/ライニングの薄膜と)の間に封止部を設けるという可能性が簡略化される。
【0046】
底革16fは、薄膜11との間に周辺封止部A2が作られるように、また同時に、A3において甲革14fと中底10との間に縫い付け継目29が作られるように、中底10の層12に侵入しなければならない。
【0047】
このことは例えば、射出の時点で液体であるかあるいはきわめて流動性である底革16fが保護材料を通して染み込み、薄膜11に係合してそれを封止する、底革16fの直接射出成形によって生じることができる。この場合においてもまた、底革16fによって被覆されていない部分では透湿性のままであり、さらに、水は、中底10のおかげで、不透水性であるが水蒸気透過性であるこの靴の中へ入ることがない。さらに別の細部については、図5および図6の説明を参照のこと。
【0048】
図14および図14aの製造方法は、先の製造方法とは、甲革の下方縁部をここでは参照符号14gによって表わされた甲革の下方縁部で置き換えるためにネット状バンド30の挿入によって設けられた封止用区域A3が増大している点で、異なっている(底革は参照符号16gによって表わされ、また、縫い付け継目は参照符号29gによって表わされている)。
【0049】
底革16gの流動性材料は、ライニング15gに設けられた薄膜25、中底10に設けられた薄膜11、および縫い付け継目29をそれぞれ封止する甲革14gのネット状バンド30と中底10の層12とを通過する。さらに別の細部については、図7および図11の説明を参照のこと。この種類の製造方法では、先行する実施形態の図8、図9および図12と同じ事例が生じることがある。
【0050】
実際に、中底が靴の支持用構造を構成しなければならないかあるいは靴の最大柔軟性が必要であるすべての靴へこの発明を容易に適用することができる、ということはわかった。
【0051】
接地体と厚さ全体(透湿性の開放区域)に沿う底革それ自体との大多数の欠如のために、底革によって達成することのできない特定の衝撃吸収効果がまた求められるときには、その効果は、穿孔されていて、例えばゲル、発泡ポリウレタン、あるいは型成形された、貫通孔付きの空気ポケットのような高度衝撃吸収性材料から作られた組み付け中底10の上方に配置された内側中底あるいは内側層を使用することで、達成される。
【0052】
このように構想されたこの発明は、そのすべてが特許請求の範囲の適用範囲内にある多数の改造および変更を行うことが可能であり、すべての細部は、技術的に等価な他の諸要素でさらに置き換えることができる。
【0053】
実際に、使用された諸材料は、それらが特定の使用と両立する限り、寸法と同様に、諸要件および最新技術に従う任意のものであってよい。
【0054】
この出願が優先権の利益を主張するイタリア特許出願PD2007A000106における開示は、参照によってこの明細書の中に組み入れられる。
【0055】
特許請求の範囲の任意の請求項で言及された技術的特徴が参照符号に従うときには、それらの参照符号は、請求項の理解度を増大させる目的だけのために含まれており、従って、そのような参照符号は、そのような参照符号による例によって識別されたそれぞれの要素の解釈に関するどのような制限的効果も有していない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透水性であるが水蒸気透過性である組み付け中底であって、
不透水性であるが水蒸気透過性であり、かつ、上方領域に配置された薄膜(11)と、
この薄膜(11)の下方に配置され、耐加水分解性かつ透湿性である材料から作られているかあるいは分散状に穿孔されていて、足のための支持部として、前記薄膜(11)を鈍い物体の侵入から保護するための要素として作用することができ、さらに、使用中に靴に生じる応力に耐えることができる支持層(12)と
を備え、
前記薄膜(11)と前記支持層(12)とが、前記組み付け中底を水の通過に対して不浸透性であって前記薄膜(11)の透湿性を損なわないように全体としてするために、相互に接合されている
ことを特徴とする構造を有する組み付け中底。
【請求項2】
前記薄膜(11)は、合成材料から作られた甲革メッシュへ結合されていることを特徴とする請求項1に記載の組み付け中底。
【請求項3】
前記支持層(12)は、合成材料あるいは金属材料から作られたメッシュ、微小延伸金属板、加熱により融合された部分圧縮合成繊維、麻やココナッツの繊維のような圧縮天然繊維、または皮革から選択されていることを特徴とする請求項1に記載の組み付け中底。
【請求項4】
前記薄膜(11)と前記支持層(12)とは、前記中底を水の通過に対して不浸透性であって前記薄膜(11)の透湿性を損なわないようにするために、接着剤のスポット(13)、接着性材料からなる周辺層、あるいはPVCやPUから作られた周辺被膜を溶融することによる高周波溶着から選択されて、互いに接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の組み付け中底。
【請求項5】
水蒸気透過領域において透湿性あるいは有孔である限り、皮革、フェルト,ポリマー材料あるいは合成皮革から選択され、縫い付け、スポット接着、あるいは周辺の水蒸気不透過区域だけの接着剤接合から選択された透湿性を損なわないような手段によって、前記薄膜(11)と前記支持層(12)との組み付けの後に挿入されるか、あるいは靴の組み付けの前に取り付けられる補強要素あるいは構造的要素があることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の組み付け中底。
【請求項6】
前記組み付け中底(10)の下方で折り曲げられかつ接着剤接合された前記甲革(14)の下方縁部と、最大蒸気透過が可能になるような広い開口(17)あるいは穴のある底革(16)とを有し、前記底革(16)の周辺部であるが前記甲革(14)の前記縁部に接していない前記底革(16)の部分(18)が、前記膜(11)との間における周辺封止用区域(A)をもたらすために、前記層(12)に侵入していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の組み付け中底で設けられた靴。
【請求項7】
前記封止用区域(A)は、前記底革(16)の金型の中における直接射出成形によって設けられていることを特徴とする請求項6に記載の靴。
【請求項8】
前記封止用区域(A)は、前記層(12)を越えて移動する接着剤で予備型成形されかつ前記薄膜(11)を封止するように係合された底革(16a)を接着剤接合することによって設けられ、前記接着剤は、ホットメルト接着剤あるいはシリコーン接着剤から選択されていることを特徴とする請求項6に記載の靴。
【請求項9】
前記封止用区域(A)は、前記組み付け中底(10)と前記底革(16)との間で周辺に配置されたPVCあるいはPUから作られた接着剤の被膜によって、この被膜の溶融による高周波溶融法をもたらすとともにこれらの構成要素を1つの単一体に接合するために、設けられていることを特徴とする請求項6に記載の靴。
【請求項10】
前記封止用区域(A)は、予備射出成形されてその表面に前記底革が取り付けられる封止層(20)によって設けられていることを特徴とする請求項6に記載の靴。
【請求項11】
前記封止用区域を増大させるために、前記甲革(14c)の前記下方縁部と随意のライニング(15c)の下方縁部とは、接着剤あるいは液体状底革が前記層(12)を通過して前記組み付け中底(10)の前記薄膜(11)に係合するまで侵入することのできる穴(22,23)を有していることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項12】
前記封止用区域を増大させるために、前記甲革(14c)の前記下方縁部と随意のライニング(15c)の下方縁部とは、接着剤あるいは液体状底革が前記層(12)を通過して前記組み付け中底(10)の前記薄膜(11)に係合するまで侵入することのできる材料から作られていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項13】
前記中底(10)の前記支持層(12)は、前記封止用領域において、それに選択的に穴を開けることあるいはその縁部を防水性材料で置き換えることによって、それが封止可能なものになるように改変されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項14】
充分に防水性の材料から作られ、前記防水性・透湿性組み付け中底(10)の前記薄膜(11)へ直接、溶着された甲革(14d)を備えていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項15】
不透水性でない材料から作られた甲革(14e)と、足と接するように設計された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成され、高周波溶着によって、または、接着剤あるいはポリウレタン封止剤あるいはシリコーン封止剤あるいは同様の封止剤の塗布によって選択的に防水処理され、かつ、前記中底(10)の前記層(12)と密封状に接着剤接合されたライニング(15e)とを備えていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項16】
不透水性でない材料から作られた甲革(14e)と、足と接するように設計された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成されたライニング(15e)とを備え、前記甲革は、前記底革の前記接着剤あるいは前記材料が液体状態で射出されたときに通過することのできる有孔材料によって設けられた下方縁部を有していることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項17】
不透水性でない材料から作られた甲革(14e)と、足と接するように設計された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成されたライニング(15e)とを備え、前記ライニング(15e)の前記薄膜(25)と前記中底(10)の前記薄膜(11)との間に、ブリッジを構成する周辺封止部を設けるためのバンド(28)が取り付けられていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項18】
前記防水性・透湿性中底(10)は、縫い付け部(29)によって、重なることなく前記甲革(14f)の縁部へ接合されており、前記底革(16f)は、前記薄膜(11)との間に周辺封止部(A2)が作られるように、また同時に、前記甲革(14f)と前記中底(10)との間の縫い付け部(29)に封止部(A3)が作られるように、前記中底(10)の前記層(12)に侵入していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の組み付け中底で設けられた靴。
【請求項19】
前記底革は、射出の時点で液体であるかあるいはきわめて流動性である材料の直接射出によって設けられていることを特徴とする請求項18に記載の靴。
【請求項20】
不透水性でない材料から作られた甲革(14g)と、足との接触のために意図された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)から作られたライニング(15g)とを備え、前記甲革は、前記底革の前記接着剤あるいは前記材料が液体状態で射出されたときにそれらを通過することのできる有孔材料によって設けられた下方縁部(30)を有していることを特徴とする請求項18または19に記載の靴。
【請求項21】
不透水性でない材料から作られた甲革と、足との接触のために意図された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成されたライニングとを備え、前記ライニングの前記薄膜(25)と前記中底(10)の前記薄膜(11)との間に、ブリッジを構成する周辺封止用バンド(28)が取り付けられていることを特徴とする請求項20に記載の靴。
【請求項22】
前記防水性・透湿性中底(10)は、縫い付け部(29)によって、重なることなく前記甲革(14f)の縁部へ接合されており、前記底革(16f)は、前記薄膜(11)との間に周辺封止部(A2)が作られるように、前記中底(10)の前記層(12)に侵入していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の組み付け中底で設けられた靴。
【請求項23】
前記底革は、射出の時点で液体であるかあるいはきわめて流動性である材料の直接射出によって設けられていることを特徴とする請求項22に記載の靴。
【請求項24】
不透水性でない材料から作られた甲革(14g)と、足との接触のために意図された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)から作られたライニング(15g)とを備え、前記甲革は、前記甲革(14g)と前記中底(10)との間に前記縫い付け部(29)の封止部(A3)を得るために、前記底革の前記接着剤あるいは前記材料が液体状態で射出されたときにそれらを通過することのできる有孔材料によって設けられた下方縁部(30)を有していることを特徴とする請求項22または23に記載の靴。
【請求項25】
不透水性でない材料から作られた甲革と、足との接触のために意図された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成されたライニングとを備え、前記ライニングの前記薄膜(25)と前記中底(10)の前記薄膜(11)との間に、ブリッジを構成する周辺封止用バンド(28)が取り付けられていることを特徴とする請求項24に記載の靴。
【請求項1】
不透水性であるが水蒸気透過性である組み付け中底であって、
不透水性であるが水蒸気透過性であり、かつ、上方領域に配置された薄膜(11)と、
この薄膜(11)の下方に配置され、耐加水分解性かつ透湿性である材料から作られているかあるいは分散状に穿孔されていて、足のための支持部として、前記薄膜(11)を鈍い物体の侵入から保護するための要素として作用することができ、さらに、使用中に靴に生じる応力に耐えることができる支持層(12)と
を備え、
前記薄膜(11)と前記支持層(12)とが、前記組み付け中底を水の通過に対して不浸透性であって前記薄膜(11)の透湿性を損なわないように全体としてするために、相互に接合されている
ことを特徴とする構造を有する組み付け中底。
【請求項2】
前記薄膜(11)は、合成材料から作られた甲革メッシュへ結合されていることを特徴とする請求項1に記載の組み付け中底。
【請求項3】
前記支持層(12)は、合成材料あるいは金属材料から作られたメッシュ、微小延伸金属板、加熱により融合された部分圧縮合成繊維、麻やココナッツの繊維のような圧縮天然繊維、または皮革から選択されていることを特徴とする請求項1に記載の組み付け中底。
【請求項4】
前記薄膜(11)と前記支持層(12)とは、前記中底を水の通過に対して不浸透性であって前記薄膜(11)の透湿性を損なわないようにするために、接着剤のスポット(13)、接着性材料からなる周辺層、あるいはPVCやPUから作られた周辺被膜を溶融することによる高周波溶着から選択されて、互いに接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の組み付け中底。
【請求項5】
水蒸気透過領域において透湿性あるいは有孔である限り、皮革、フェルト,ポリマー材料あるいは合成皮革から選択され、縫い付け、スポット接着、あるいは周辺の水蒸気不透過区域だけの接着剤接合から選択された透湿性を損なわないような手段によって、前記薄膜(11)と前記支持層(12)との組み付けの後に挿入されるか、あるいは靴の組み付けの前に取り付けられる補強要素あるいは構造的要素があることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の組み付け中底。
【請求項6】
前記組み付け中底(10)の下方で折り曲げられかつ接着剤接合された前記甲革(14)の下方縁部と、最大蒸気透過が可能になるような広い開口(17)あるいは穴のある底革(16)とを有し、前記底革(16)の周辺部であるが前記甲革(14)の前記縁部に接していない前記底革(16)の部分(18)が、前記膜(11)との間における周辺封止用区域(A)をもたらすために、前記層(12)に侵入していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の組み付け中底で設けられた靴。
【請求項7】
前記封止用区域(A)は、前記底革(16)の金型の中における直接射出成形によって設けられていることを特徴とする請求項6に記載の靴。
【請求項8】
前記封止用区域(A)は、前記層(12)を越えて移動する接着剤で予備型成形されかつ前記薄膜(11)を封止するように係合された底革(16a)を接着剤接合することによって設けられ、前記接着剤は、ホットメルト接着剤あるいはシリコーン接着剤から選択されていることを特徴とする請求項6に記載の靴。
【請求項9】
前記封止用区域(A)は、前記組み付け中底(10)と前記底革(16)との間で周辺に配置されたPVCあるいはPUから作られた接着剤の被膜によって、この被膜の溶融による高周波溶融法をもたらすとともにこれらの構成要素を1つの単一体に接合するために、設けられていることを特徴とする請求項6に記載の靴。
【請求項10】
前記封止用区域(A)は、予備射出成形されてその表面に前記底革が取り付けられる封止層(20)によって設けられていることを特徴とする請求項6に記載の靴。
【請求項11】
前記封止用区域を増大させるために、前記甲革(14c)の前記下方縁部と随意のライニング(15c)の下方縁部とは、接着剤あるいは液体状底革が前記層(12)を通過して前記組み付け中底(10)の前記薄膜(11)に係合するまで侵入することのできる穴(22,23)を有していることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項12】
前記封止用区域を増大させるために、前記甲革(14c)の前記下方縁部と随意のライニング(15c)の下方縁部とは、接着剤あるいは液体状底革が前記層(12)を通過して前記組み付け中底(10)の前記薄膜(11)に係合するまで侵入することのできる材料から作られていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項13】
前記中底(10)の前記支持層(12)は、前記封止用領域において、それに選択的に穴を開けることあるいはその縁部を防水性材料で置き換えることによって、それが封止可能なものになるように改変されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項14】
充分に防水性の材料から作られ、前記防水性・透湿性組み付け中底(10)の前記薄膜(11)へ直接、溶着された甲革(14d)を備えていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項15】
不透水性でない材料から作られた甲革(14e)と、足と接するように設計された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成され、高周波溶着によって、または、接着剤あるいはポリウレタン封止剤あるいはシリコーン封止剤あるいは同様の封止剤の塗布によって選択的に防水処理され、かつ、前記中底(10)の前記層(12)と密封状に接着剤接合されたライニング(15e)とを備えていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項16】
不透水性でない材料から作られた甲革(14e)と、足と接するように設計された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成されたライニング(15e)とを備え、前記甲革は、前記底革の前記接着剤あるいは前記材料が液体状態で射出されたときに通過することのできる有孔材料によって設けられた下方縁部を有していることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項17】
不透水性でない材料から作られた甲革(14e)と、足と接するように設計された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成されたライニング(15e)とを備え、前記ライニング(15e)の前記薄膜(25)と前記中底(10)の前記薄膜(11)との間に、ブリッジを構成する周辺封止部を設けるためのバンド(28)が取り付けられていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の靴。
【請求項18】
前記防水性・透湿性中底(10)は、縫い付け部(29)によって、重なることなく前記甲革(14f)の縁部へ接合されており、前記底革(16f)は、前記薄膜(11)との間に周辺封止部(A2)が作られるように、また同時に、前記甲革(14f)と前記中底(10)との間の縫い付け部(29)に封止部(A3)が作られるように、前記中底(10)の前記層(12)に侵入していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の組み付け中底で設けられた靴。
【請求項19】
前記底革は、射出の時点で液体であるかあるいはきわめて流動性である材料の直接射出によって設けられていることを特徴とする請求項18に記載の靴。
【請求項20】
不透水性でない材料から作られた甲革(14g)と、足との接触のために意図された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)から作られたライニング(15g)とを備え、前記甲革は、前記底革の前記接着剤あるいは前記材料が液体状態で射出されたときにそれらを通過することのできる有孔材料によって設けられた下方縁部(30)を有していることを特徴とする請求項18または19に記載の靴。
【請求項21】
不透水性でない材料から作られた甲革と、足との接触のために意図された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成されたライニングとを備え、前記ライニングの前記薄膜(25)と前記中底(10)の前記薄膜(11)との間に、ブリッジを構成する周辺封止用バンド(28)が取り付けられていることを特徴とする請求項20に記載の靴。
【請求項22】
前記防水性・透湿性中底(10)は、縫い付け部(29)によって、重なることなく前記甲革(14f)の縁部へ接合されており、前記底革(16f)は、前記薄膜(11)との間に周辺封止部(A2)が作られるように、前記中底(10)の前記層(12)に侵入していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の組み付け中底で設けられた靴。
【請求項23】
前記底革は、射出の時点で液体であるかあるいはきわめて流動性である材料の直接射出によって設けられていることを特徴とする請求項22に記載の靴。
【請求項24】
不透水性でない材料から作られた甲革(14g)と、足との接触のために意図された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)から作られたライニング(15g)とを備え、前記甲革は、前記甲革(14g)と前記中底(10)との間に前記縫い付け部(29)の封止部(A3)を得るために、前記底革の前記接着剤あるいは前記材料が液体状態で射出されたときにそれらを通過することのできる有孔材料によって設けられた下方縁部(30)を有していることを特徴とする請求項22または23に記載の靴。
【請求項25】
不透水性でない材料から作られた甲革と、足との接触のために意図された非防水性材料(26)で裏打ちされている防水性であるが透湿性である外側薄膜(25)によって構成されたライニングとを備え、前記ライニングの前記薄膜(25)と前記中底(10)の前記薄膜(11)との間に、ブリッジを構成する周辺封止用バンド(28)が取り付けられていることを特徴とする請求項24に記載の靴。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図13a】
【図14】
【図14a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図13a】
【図14】
【図14a】
【公表番号】特表2010−521262(P2010−521262A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554014(P2009−554014)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053151
【国際公開番号】WO2008/116772
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(502346105)ジェオックス エス.ピー.エー. (27)
【氏名又は名称原語表記】GEOX S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Feltrina Centro 16,31044 MONTEBELLUNA(Treviso),Localita Biadene,ITALY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053151
【国際公開番号】WO2008/116772
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(502346105)ジェオックス エス.ピー.エー. (27)
【氏名又は名称原語表記】GEOX S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Feltrina Centro 16,31044 MONTEBELLUNA(Treviso),Localita Biadene,ITALY
【Fターム(参考)】
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