説明

除草組成物

【課題】 薬剤の施用地域又はその周辺の環境負荷を、これまで以上に軽減するために、除草有効成分の効力を向上させ、その施用量をできるだけ削減することが希求されている。
【解決手段】 (1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物を提供する。また、その除草組成物を用い、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を用い、除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩の除草効力を向上させた除草組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、農耕地における作物の栽培においては、作物の生育や収穫を妨げる雑草の防除が求められてきた。また、非農耕地においても、雑草を効率的に防除することは、その土地の利用に有益である。このように、農耕地、非農耕地のいずれにおいても、雑草の防除が必要であり、これまで各種の除草剤が使用されているが、最近では、薬剤の施用地域又はその周辺の環境負荷をより軽減するべく、除草有効成分の施用量をできるだけ削減する動きがみられる。
例えば、ノニオン系界面活性剤を散布液に配合することにより、除草効果を向上させ、薬剤の施用量を低減することが知られており、汎用品として、アルキルアリールポリグリコールエーテル系界面活性剤(商品名:シトウェット(citowett)、BASF France製)などがある。また、欧州公開公報第0598515号には、特定の除草性スルホニルウレア系化合物であるニコスルフロンやプリミスルフロンの施用において、エトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤と植物油及び/又は鉱物油を配合することにより、顕著な除草効力の向上が見られることが記載されている。
【0003】
【特許文献1】欧州公開公報第0598515号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤の施用地域又はその周辺の環境負荷を、これまで以上に軽減するために、除草有効成分の効力を向上させ、その施用量をできるだけ削減することが希求されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するべく種々の検討を行なった結果、特定の化合物を用いることにより、除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩の除草効力を顕著に向上できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物に関する。また本発明は、(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法に関する。また本発明は、(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩の除草効力を、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を用いて向上させる方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、除草性スルホニルウレア系化合物(以下、SU系化合物と言う)又はその塩の除草効力が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(以下、POAアルキルエーテルリン酸エステルと言う)又はその塩により効果的に引き出され、向上される。また、それにより薬剤の施用量を低減できるので、施用地域又はその周辺に対する環境負荷を著しく軽減することができ、さらに、薬剤の施用量が低減されたことにより、その保管や運搬に要するコストを著しく軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の除草組成物は、SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有するものである。例えば本発明は、(1)SU系化合物又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに水等で希釈して、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用したり、また、(2)SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、各種補助剤とともに製剤調製し、水等で希釈して、或は希釈することなく、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用するなどして実施される。
本発明におけるSU系化合物としては、以下の式(I)で表される部分構造、
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、Xは水素原子又はアルキル基である)を持つ化合物であり、例えば、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、イオドスルフロンメチル(iodosulfuron-methyl)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、開発コードTH-547、国際公開公報WO2005092104に記載されている化合物が挙げられる。
【0011】
本発明におけるSU系化合物の塩としては、種々のものが挙げられるが、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属との塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミンとの塩などが挙げられる。
【0012】
これらの中でもフラザスルフロン、フォラムスルフロン、ハロスルフロンメチル、イオドスルフロンメチルナトリウム、ニコスルフロン、プロスルフロン、リムスルフロン、トリフロキシスルフロンナトリウム、トリトスルフロンなどが好ましく、これらの中でも特に、フラザスルフロン、フォラムスルフロン、ニコスルフロンなどが好ましい。
【0013】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルとしては、POAアルキルエーテル部分がリン原子に1個〜3個結合した、モノPOAアルキルエーテルリン酸エステル、ジPOAアルキルエーテルリン酸エステル、トリPOAアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられ、複数のPOAアルキルエーテル部分がリン原子に結合する場合、それらは同一でも、異なっていてもよい。本発明においては、前述のものを任意に組み合わせて使用してもよい。
【0014】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルのアルキル部分としては、直鎖状のものでも、分枝状のものでもよく、その炭素数は、例えば8〜20程度のものが好ましい。その具体例としては、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシルなどが挙げられる。
【0015】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルのPOA部分の付加数は、1〜50程度、望ましくは1〜20程度である。また、POAアルキルエーテルリン酸エステルのアルキレンオキサイド部分は、直鎖状のものでも、分枝状のものでもよく、その炭素数は、例えば2〜3程度のものが好ましい。その具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド或いは-CH(CH3)CH2O-などが挙げられる。それらの共重合体やブロック共重合体であってもよい。また、アルキレンオキサイド部分の置換位置は、特に限定されない。
【0016】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルの塩としては、種々のものが挙げられるが、例えば、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属との塩;マグネシウム、カルシウムのようなアルカリ土類金属との塩;NH4+、モノエタノールアミンとの塩、ジエタノールアミンとの塩、トリエタノールアミンとの塩、トリメチルアミンとの塩、トリエチルアミンとの塩、トリブチルアミンとの塩、ジイソプロピルエチルアミンとの塩、モルフォリンとの塩のようなアミン塩などが挙げられる。
【0017】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルを塩として使用する際には、POAアルキルエーテルリン酸エステルを散布液又は製剤調製されたものに添加した後、散布用タンク中或いは製剤品調製時に塩基類で中和して塩としてもよい。若しくはPOAアルキルエーテルリン酸エステルを、そのままの状態で或いは水溶液などの溶液状態にして、予め塩基類で中和して塩とした後、散布液又は製剤品に添加してもよい。いずれの場合も、使用する塩基類はそのままの状態で或いは水溶液などの溶液状態で添加してもよい。
【0018】
上記中和に使用する塩基類としては、無機塩基でも有機塩基でもいずれでもよい。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属水酸化物などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、モルフォリンのようなアミン類などが挙げられる。塩基類としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。
【0019】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルの化学構造の一例としては、以下の式(II)、(III)又は(IV)で表されるものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
【化2】

【0021】
【化3】

【0022】
【化4】

【0023】
(式中、Rはアルキルであり、R、A、A及びAはアルキレンであり、Mは水素イオン、金属イオン、アンモニウム又は有機アンモニウムであり、n、s、tは1以上の整数であり、x及びyはx+y=3且つxは1、2又は3の整数を表し、yは0、1又は2の整数を表す。xが2以上の場合、各々の[RO(AO)n]、[(AO)nRaO]、[(A1O)RaO(A2O)]に含まれるRどうし、Rどうし、Aどうし、Aどうし、Aどうし及びnどうしは互いに同一であっても異なっていてもよい。yが2の場合、Mどうしは同一であっても異なっていてもよい。式(IV)におけるA及びAは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
【0024】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩(polyoxyalkylene alkyl ether phosphate or its salt)の別名としては、例えば、アルコキシル化アルコールのリン酸エステル又はその塩(phosphate ester of alkoxylated alcohol or its salt)、リン酸処理アルコールアルコキシレート又はその塩(phosphated alcohol alkoxylate or its salt)、(ポリオキシアルキレンアルコール)リン酸エステル又はその塩((polyoxyalkylene alcohol)phosphate or its salt)などが挙げられる。これらは全て本発明で使用されるPOAアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩に含まれるものであるし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
本発明においては、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する界面活性剤を使用することができるが、その具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
・日光ケミカルズ株式会社製の商品名:NIKKOL DLP-10、NIKKOL DOP-8NV、NIKKOL DDP-2、NIKKOL DDP-4、NIKKOL DDP-6、NIKKOL DDP-8、NIKKOL DDP-10、NIKKOL TLP-4、NIKKOL TCP-5、NIKKOL TDP-2、NIKKOL TDP-6、NIKKOL TDP-8、NIKKOL TDP-10など
・第一工業製薬株式会社製の商品名:プライサーフA212C、プライサーフA215C、プライサーフA208B、プライサーフA219Bなど
【0026】
・東邦化学工業株式会社製の商品名:フォスファノールED-200、フォスファノールRA-600、フォスファノールML-220、フォスファノールML-240、フォスファノールRD-510Y、フォスファノールRS-410、フォスファノールRS-610、フォスファノールRS-710、フォスファノールRL-210、フォスファノールRL-310、フォスファノールRB-410、フォスファノールRS-610NA、フォスファノールSC-6103、フォスファノールRS-710M、フォスファノールGB-520、フォスファノールRD-720など
【0027】
・株式会社ADEKA製の商品名:アデカコールPS-440E、アデカコールPS-509E、アデカコールPS-807、アデカコールPS-810、アデカコールPS-984など
・AKZO NOVEL製の商品名:PHOSPHOLAN 5AP、PHOSPHOLAN PS-131、PHOSPHOLAN PS-220、PHOSPHOLAN PS-222、PHOSPHOLAN PS-236、PHOSPHOLAN PS-331、PHOSPHOLAN PS-810、PHOSPHOLAN PS-900など
【0028】
本発明においては、SU系化合物又はその塩の除草効力をより顕著に向上させたり、除草効力を発揮する対象植物の種類を増やしたり、施用する時期を拡張したりするなどのために、必要に応じて効力向上補助剤としての塩類を使用することができる。塩類としては、無機塩でも有機塩でもよい。無機塩としては、例えば、Na2HPO4、NaH2PO4、K2HPO4、KH2PO4のようなリン酸塩などが挙げられる。有機塩としては、例えば、クエン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、ヘプトン酸塩のような脂肪族カルボン酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩、イミノ二酢酸(IDA)の塩、ニトリロ三酢酸(NTA)の塩、エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)の塩、エチレントリアミン五酢酸(DTPA)の塩、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)の塩のようなアミノポリカルボン酸塩、アミノ酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩などが挙げられる。これらのうち、無機塩ではリン酸塩がより望ましい。有機塩では、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、EDTA塩、アミノ酸塩が望ましい。アミノ酸塩の中では、グルタミン酸塩がより望ましい。これらの塩ではナトリウム塩が望ましい。
【0029】
本発明の除草組成物は、SU系化合物又はその塩を含有する除草組成物と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩や、それを含有する界面活性剤とを、例えば施用時に混合したものであっても、それらを予め製剤調製したものであってもよい。また、効力向上補助剤としての塩類を使用する場合においても同様である。SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを製剤調製する際、或いは、両者にさらに効力向上補助剤としての塩類を加え製剤調製する際、所望により各種補助剤を用いることができる。ここで用いることができる各種補助剤としては、当該技術分野で用いられるものであれば、いずれのものでもよいが、例えば、他の界面活性剤(POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含む界面活性剤以外の界面活性剤)、担体、結合剤、植物油、鉱物油、沈降防止剤、増粘剤、消泡剤、凍結防止剤などが挙げられる。尚、製剤調製は、当該技術分野における通常の方法に準じて行うことができる。
【0030】
本発明においては、所望により、SU系化合物又はその塩以外の他の除草性化合物を混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。例えば、適用草種の範囲、薬剤処理の時期、除草活性等を好ましい方向へ改良できる場合がある。尚、SU系化合物又はその塩と他の除草性化合物は、各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤したものを使用してもよい。当該他の除草性化合物としては、例えば下記(1)〜(11)の化合物群(一般名;一部ISO申請中を含む)から適宜選択することが出来る。特に記載がない場合であっても、これら化合物に、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
【0031】
(1)2,4-D、2,4-DB、2,4-DP、MCPA、MCPB、MCPP、ナプロアニリド(naproanilide)、クロメプロップ(clomeprop)のようなフェノキシ系、2,3,6-TBA、ジカンバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、クロピラリド(clopyralid)、アミノピラリド(aminopyralid)のような芳香族カルボン酸系、その他ナプタラム(naptalam)、ベナゾリン(benazolin)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、チアゾピル(thiazopyr)などのように植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0032】
(2)クロロトルロン(chlorotoluron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、リニュロン(linuron)、イソプロチュロン(isoproturon)、メトベンズロン(metobenzuron)、テブチウロン(tebuthiuron)のような尿素系、シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、アトラトン(atratone)、シメトリン(simetryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ヘキサジノン(hexazinone)、メトリブジン(metribuzin)、テルブチラジン(terbuthylazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametryn)、シブトリン(cybutryne)、トリアジフラム(triaziflam)、プロパジン(propazine)のようなトリアジン系、ブロマシル(bromacil)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)、のようなウラシル系、プロパニル(propanil)、シプロミッド(cypromid)のようなアニリド系、スエップ(swep)、デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)のようなカーバメート系、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロモキシニル・オクタノエート(bromoxynil-octanoate)、アイオキシニル(ioxynil)のようなヒドロキシベンゾニトリル系、その他ピリデート(pyridate)、ベンタゾン(bentazone)、アミカルバゾン(amicarbazone)、メタゾール(methazole)などのように植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0033】
(3)それ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているパラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)のような4級アンモニウム塩系。
【0034】
(4)ニトロフェン(nitrofen)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、ビフェノックス(bifenox)、アシフルオルフェンナトリウム塩(acifluorfen-sodium)、ホメサフェン(fomesafen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)のようなジフェニルエーテル系、クロルフタリム(chlorphthalim)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)のような環状イミド系、その他オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、チジアジミン(thidiazimin)、ペントキサゾン(pentoxazone)、アザフェニジン(azafenidin)、イソプロパゾール(isopropazole)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)、メトベンズロン(metobenzuron)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、フルポキサム(flupoxam)、フルアゾレート(fluazolate)、プロフルアゾール(profluazol)、ピラクロニル(pyrachlonil)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、ベンカルバゾン(bencarbazone)などのように植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0035】
(5)ノルフルラゾン(norflurazon)、クロリダゾン(chloridazon)、メトフルラゾン(metflurazon)のようなピリダジノン系、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、トプラメゾン(topramezone、BAS‐670H)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)のようなピラゾール系、その他アミトロール(amitrol)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、ジフルフェニカン(diflufenican)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、クロマゾン(clomazone)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)、テンボトリオン(tembotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione、AVH-301)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、イソキサクロロトール(isoxachlortole)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ピコリナフェン(picolinafen)、ビフルブタミド(beflubutamid)などのようにカロチノイドなどの植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0036】
(6)ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フラムプロップエムメチル(flamprop-M-methyl)、ピリフェノップナトリウム塩(pyriphenop-sodium)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、メタミホッププロピル(metamifop-propyl)のようなアリールオキシフェノキシプロピオン酸系、アロキシジムナトリウム塩(alloxydim-sodium)、クレソジム(clethodim)、セトキシジム(sethoxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、カロキシジム(caloxydim)、クレフォキシジム(clefoxydim)、プロホキシジム(profoxydim)のようなシクロヘキサンジオン系などのようにイネ科植物に特異的に除草効力が強く認められるもの。
【0037】
(7)アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、イオドスルフロンメチルナトリウム(iodosulfuron-methyl-sodium)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリフロキシシスルフロンナトリウム(trifloxysulfuron-sodium)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、TH‐547、WO2005092104に開示の化合物のようなスルホニルウレア系、フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ジクロスラム(diclosulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、フロラスラム(florasulam)、メトスルファム(metosulfam)、ペノキススラム(penoxsulam)のようなトリアゾロピリミジンスルホンアミド系、イマザピル(imazapyr)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマザモックス(imazamox)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザピック(imazapic)のようなイミダゾリノン系、ピリチオバックナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、ビスピリバックナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミスルファン(pyrimisulfan、KUH‐021)のようなピリミジニルサリチル酸系、フルカーバゾン(flucarbazone)、プロカーバゾンソディウム(procarbazone-sodium)のようなスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系、その他グリホサート(glyphosate)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-isopropylamine)、スルホサート(sulfosate)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム塩(glufosinate-ammonium)、ビラナホス(bilanafos)などのように植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0038】
(8)トリフルラリン(trifluralin)、オリザリン(oryzalin)、ニトラリン(nitralin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、ベンフルラリン(benfluralin)、プロジアミン(prodiamine)のようなジニトロアニリン系、ベンスリド(bensulide)、ナプロナミド(napronamide)、プロナミド(pronamide)のようなアミド系、アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)、アニロホス(anilofos)、ピペロホス(piperophos)のような有機リン系、プロファム(propham)、クロルプロファム(chlorpropham)、バーバン(barban)のようなフェニルカーバメート系、ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumyluron)、ブロモブチド(bromobutide)のようなクミルアミン系、その他アシュラム(asulam)、ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)などのように植物の細胞有糸分裂を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0039】
(9)アラクロール(alachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ペトキサミド(pethoxamid)、アセトクロール(acetochlor)、プロパクロール(propachlor)、プロピソクロール(propisochlor)のようなクロロアセトアミド系、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)のようなカーバメート系、その他エトベンザニド(etobenzanid)、メフェナセット(mefenacet)、フルフェナセット(flufenacet)、トリディファン(tridiphane)、カフェンストロール(cafenstrole)、フェントラザミド(fentrazamide)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、インダノファン(indanofan)、ジメテナミド(dimethenamid)、ベンフレセート (benfuresate)、ピロキサスルフォン(pyroxasulfone、KIH-485)などのように植物のタンパク質生合成あるいは脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0040】
(10)EPTC、ブチレート(butylate)、ベルノレート(vernolate)、ペブレート(pebulate)、シクロエート(cycloate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、ジアレート(diallate)、トリアレート(triallate)のようなチオカーバメート系、その他MSMA、DSMA、エンドタール(endothall)、エトフメセート(ethofumesate)、ソディウムクロレート(sodium chlorate)、ペラルゴン酸(pelargonic acid)、ホスアミン(fosamine)、ピノキサデン(pinoxaden)、HOK-201など。
【0041】
(11)Xanthomonas campestrisEpicoccosurus nematosurusExserohilum monoserasDrechsrela monocerasなどのように植物に寄生することで除草効力を示すとされているもの。
【0042】
本発明において、SU系化合物又はその塩とPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩との混合比率は、SU系化合物やPOAアルキルエーテルリン酸エステルの種類、製剤形態、気象条件、防除対象となる植物の種類や大きさ等に応じ、適宜変更することがあるので一概に規定できないが、重量比で、例えば、13:1〜1:10,000、望ましくは、6:1〜1:3,000、更に望ましくは3:1〜1:300、更に望ましくは1:1〜1:30の範囲で実施することができる。
【0043】
本発明において、効力向上補助剤としての塩類を更に用いる場合、SU系化合物又はその塩の種類、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩の種類、当該塩類の種類、製剤形態、気象条件、防除対象となる植物の種類や大きさ等に応じ、適宜変更することがあるので一概に規定できないが、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と当該塩類との比率が、重量比で、例えば、500:1〜1:5、望ましくは、50:1〜1:1、更に望ましくは、25:1〜1:1の範囲で実施することができる。
【0044】
また、各種実施形態毎に、その混合比率を表現すると、例えば以下のようになる。
(1)SU系化合物又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに水等で希釈して、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用する場合、以下のように実施することができる。即ち、製剤調製したSU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、30〜5,000 L/ha、望ましくは50〜2,000 L/haの水等で希釈する際に、当該希釈された液に対しPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を0.005〜4重量%、望ましくは0.01〜2重量%添加し、実施することができる。
(2)SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、各種補助剤とともに製剤調製し、水等で希釈して、或は希釈することなく、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用する場合、以下のように実施することができる。即ち、SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、前記した重量比の範囲となるように配合し、実施することができる。
【0045】
(3)SU系化合物又はその塩とともに、1種又は2種以上の他の除草性化合物を混用する場合、前記(1)又は(2)の配合比率に準じて実施することができる。
(4)前記(1)、(2)又は(3)の各場合において、効力向上補助剤としての塩類を更に用いる場合、以下のように実施することができる。即ち、前述と同様に水等で希釈する際、当該希釈された液に対し塩類を0.0001〜0.05重量%、望ましくは0.001〜0.02重量%添加し、実施することができる。
【0046】
本発明の除草組成物は、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用、例えば茎葉処理することによりコゴメガヤツリ(rice flatsedge (Cyperus iria L.))、ハマスゲ(purple nutsedge(Cyperus rotundus L.))などのカヤツリグサ科雑草(sedges(or Cyperaceae))、イヌビエ(barnyardgrass(Echinochloa crus-galli L.))、メヒシバ(crabgrass(Digitaria sanguinalis L.))、エノコログサ(greenfoxtail(Setaria viridis L.))、オヒシバ(goosegrass(Eleusine indica L.)、カラスムギ(wild oat(Avena fatua L.))、セイバンモロコシ(johnsongrass(Sorghum halepense L.)、シバムギ(quackgrass(Agropyron repens L.))などのイネ科雑草(grasses(or gramineae)、イチビ(velvetleaf(Abutilon theophrasti MEDIC.))、マルバアサガオ(tall morningglory(Ipomoea purpurea L.))、シロザ(common lambsquarters(Chenopodium album L.))、アメリカキンゴジカ(prickly sida(Sida spinosa L.))、スベリヒユ(common purslane(Portulaca oleracea L.))、アオゲイトウ(redroot pigweed(Amaranthus retroflexus L.))、エビスグサ(sicklepod(Cassia obtusifolia L.))、イヌホオズキ(black nightshade(Solanum nigrum L.))、サナエタデ(pale smartweed(Polygonum lapathifolium L.))、ハコベ(common chickweed(Stellaria media L.))、オナモミ(common cocklebur(Xanthium strumarium L.))、タネツケバナ(flexuous bittercress(Cardamine flexuosa WITH.))、ホトケノザ(henbit(Lamium amplexicaule L.))、エノキグサ(threeseeded copperleaf(Acalypha australis L.))などの広葉雑草(broad leaves)など、広い範囲の雑草を防除又はその生育を抑制することができるので、その適用範囲は畑地は勿論畑地以外に果樹園、桑畑などの農耕地、山林、農道、グランド、工場敷地、芝地などの非農耕地と多岐にわたることができる。
【0047】
本発明の望ましい態様として、いくつかを例示する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
(1)a)除草有効量のSU系化合物又はその塩及びb)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物。
(2)a)除草有効量のSU系化合物又はその塩、b)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩及びc)効力向上補助剤としての有効量の塩類を含有する除草組成物。
(3)SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、各種補助剤とともに製剤調製したことを特徴とする除草組成物。
(4)SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と、効力向上補助剤としての塩類とを、各種補助剤とともに製剤調製したことを特徴とする除草組成物。
(5)除草有効量のSU系化合物又はその塩と、除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを含有し、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し得る水希釈液の形態である除草組成物。
(6)除草有効量のSU系化合物又はその塩と、除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と、効力向上補助剤としての有効量の塩類とを含有し、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し得る水希釈液の形態である除草組成物。
【0049】
(7)除草有効量の他の除草性化合物をさらに含有する、前記除草組成物。
(8)SU系化合物又はその塩の除草効力を、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩により向上させた前記除草組成物。
(9)SU系化合物又はその塩の除草効力を、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩及び効力向上補助剤としての塩類により向上させた前記除草組成物。
(10)SU系化合物又はその塩と他の除草性化合物とを含有する除草組成物の除草効力を、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩により向上させた前記除草組成物。
(11)SU系化合物又はその塩と他の除草性化合物とを含有する除草組成物の除草効力を、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩及び効力向上補助剤としての塩類により向上させた前記除草組成物。
【0050】
(12)a)除草有効量のSU系化合物又はその塩及びb)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(13)a)除草有効量のSU系化合物又はその塩、b)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩及びc)効力向上補助剤としての有効量の塩類を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(14)(i)SU系化合物又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(15)(i)SU系化合物又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(ii)POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(16)(i)SU系化合物又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを、除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と、効力向上補助剤としての有効量の塩類とともに水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【0051】
(17)(i)SU系化合物又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(ii)POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と効力向上補助剤としての塩類とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(18)(i)SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(19)(i)SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを効力向上補助剤としての有効量の塩類とともに水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(20)(i)SU系化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを各種補助剤を用いて製剤調製し、(ii)効力向上補助剤としての塩類を、各種補助剤とともに製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【0052】
(21)(i)SU系化合物又はその塩、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩及び効力向上補助剤としての塩類を、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(22)(i)SU系化合物又はその塩と、効力向上補助剤としての塩類とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(23)(i)SU系化合物又はその塩と、効力向上補助剤としての塩類とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(24)望ましくない植物に茎葉処理して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する前記方法。
【0053】
(25)除草有効量の他の除草性化合物をさらに施用する、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する前記方法。
(26)a)除草有効量のSU系化合物又はその塩、b)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩及びc)除草有効量の他の除草性化合物を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(27)a)除草有効量のSU系化合物又はその塩、b)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩、c)効力向上補助剤としての有効量の塩類及びd)除草有効量の他の除草性化合物を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(28)(i)SU系化合物又はその塩と、他の除草性化合物とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【0054】
(29)(i)SU系化合物又はその塩と、他の除草性化合物とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(30)(i)SU系化合物又はその塩と、他の除草性化合物とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と、効力向上補助剤としての有効量の塩類とともに水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(31)(i)SU系化合物又はその塩と、他の除草性化合物とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と、効力向上補助剤としての塩類とを、各種補助剤とともに製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(32)(i)SU系化合物又はその塩、他の除草性化合物及びPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(33)(i)SU系化合物又はその塩、他の除草性化合物及びPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを効力向上補助剤としての有効量の塩類とともに水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【0055】
(34)(i)SU系化合物又はその塩、他の除草性化合物及びPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)効力向上補助剤としての塩類を各種補助剤を用いて製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(35)(i)SU系化合物又はその塩、他の除草性化合物、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩及び効力向上補助剤としての塩類を、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(36)(i)SU系化合物又はその塩、他の除草性化合物及び効力向上補助剤としての塩類を、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)当該製剤調製されたものを除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに水で希釈し、(iii)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(37)(i)SU系化合物又はその塩、他の除草性化合物及び効力向上補助剤としての塩類を、各種補助剤とともに製剤調製し、(ii)POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【0056】
(38)(i)SU系化合物又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(ii)他の除草性化合物を各種補助剤を用いて製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(39)(i)SU系化合物又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、(ii)他の除草性化合物を各種補助剤を用いて製剤調製し、(iii)これら製剤調製されたものを除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と、効力向上補助剤としての有効量の塩類とともに水で希釈し、(iv)当該希釈された液を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(40)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を用い、SU系化合物又はその塩の除草効力を向上させる方法。
(41)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と、効力向上補助剤としての有効量の塩類とを用い、SU系化合物又はその塩の除草効力を向上させる方法。
(42)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を用い、SU系化合物又はその塩と他の除草性化合物とを含有する除草組成物の除草効力を向上させる方法。
(43)除草活性を高める有効量のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と、効力向上補助剤としての有効量の塩類とを用い、SU系化合物又はその塩と他の除草性化合物とを含有する除草組成物の除草効力を向上させる方法。
【実施例】
【0057】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(1)ニコスルフロン(純度93.4%)…88.2重量部
(2)ジアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
(商品名:Supragil WP、ローディア日華(株)製)…1.0重量部
(3)ポリカルボン酸ナトリウム
(商品名:Geropon T/36、ローディア日華(株)製)…1.0重量部
(4)ホワイトカーボン
(商品名:カープレックス♯80、DSL.ジャパン(株)製)…3.0重量部
(5)クレー
(商品名:STカオリン、竹原化学工業(株)製)…6.8重量部
以上の成分を混合し、水和剤を得た。これをジポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名:NIKKOL DDP-8、日光ケミカルズ(株)製)とともに水で希釈し、散布する。
【0058】
実施例2
前記実施例1に準じて調製した水和剤を、NIKKOL DDP-8(商品名)とリン酸水素2ナトリウムとともに水で希釈し、散布する。
【0059】
実施例3
[ 1 ]
(1)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(商品名:Sorpol 5060、東邦化学工業(株)製)… 2.0重量部
(2)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸塩
(商品名:Sorpol 5073、東邦化学工業(株)製)… 3.0重量部
(3)ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル
(商品名:ノイゲンEA-33、第一工業製薬(株)製)…1.0重量部
(4)クレー
(商品名:OQクレー、日本耐火原料(株)製)…78.0重量部
(5)ホワイトカーボン
(商品名:カープレックス CS-7、DSL.ジャパン(株)製)…16.0重量部
以上の成分を混合し、配合物[A]を得た。
[ 2 ]
(1)フォラムスルフロン(純度98%以上)… 10.0重量部
(2)前記配合物[A] … 90.0重量部
以上の成分を混合し、水和剤を得た。これをNIKKOL DDP-8(商品名)とともに水で希釈し、散布する。
【0060】
実施例4
前記実施例3に準じて調製した水和剤を、NIKKOL DDP-8(商品名)とリン酸水素2ナトリウムとともに水で希釈し、散布する。
【0061】
実施例5
(1)イオドスルフロン(純度98%以上)…10.0重量部
(2)前記配合物[A]…90.0重量部
以上の成分を混合し、水和剤を得る。これをトリポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名:NIKKOL TDP-8、日光ケミカルズ(株)製)とともに水で希釈し、散布する。
【0062】
実施例6
前記実施例5に準じて調製した水和剤を、NIKKOL TDP-8(商品名)とリン酸水素2ナトリウムとともに水で希釈し、散布する。
【0063】
試験例1
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバ(Digitaria sanguinalis L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.0-4.3葉期に達した時、前記実施例1に準じて調製した、ニコスルフロンを有効成分とする水和剤の所定量(25 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへPOAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤(商品名:NIKKOL DLP-10、NIKKOL DDP-8、NIKKOL DDP-10又はNIKKOL TDP-8:日光ケミカルズ株式会社製)を0.05重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてアルキルアリールポリグリコールエーテル系界面活性剤(商品名:Citowett、BASF France製)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.3重量%)。
処理後21日目にメヒシバの生育状態を、肉眼で観察調査(生育抑制率(%)=0:無処理区並〜100:完全枯殺)し、第1表の結果を得た。
【0064】
【表1】

【0065】
試験例2
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへオナモミ(Xanthium strumarium L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。オナモミが2.1-2.2葉期に達した時、前記実施例1に準じて調製した、ニコスルフロンを有効成分とする水和剤の所定量(25 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへPOAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤(商品名:NIKKOL DLP-10、NIKKOL DDP-8、NIKKOL DDP-10、NIKKOL TDP-8又はNOKKOL TDP-10:日光ケミカルズ株式会社製)を0.05重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてエトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤(商品名:Lutensol FA-15T、BASF製)を用い、同様に茎葉処理した。
処理後21日目にオナモミの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第2表の結果を得た。
【0066】
【表2】

【0067】
試験例3
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバ(Digitaria sanguinalis L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.0-4.3葉期に達した時、前記実施例1に準じて調製した、ニコスルフロンを有効成分とする水和剤の所定量(25 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへPOAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤(商品名:NIKKOL DLP-10、NIKKOL DDP-8又はNIKKOL TDP-2:日光ケミカルズ株式会社製)を0.025重量%或は0.05重量%の濃度で添加し、更に塩類(リン酸水素2ナトリウム)を0.005重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.3重量%)。
処理後21日目にメヒシバの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第3表の結果を得た。
【0068】
【表3】

【0069】
試験例4
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバ(Digitaria sanguinalis L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.2-4.4葉期に達した時、前記実施例3に準じて調製した、フォラムスルフロンを有効成分とする水和剤の所定量(30 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへPOAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤(商品名:NIKKOL DDP-8、日光ケミカルズ株式会社製)を0.025重量%の濃度で添加し、或は、そこへ更に塩類(リン酸水素2ナトリウム)を0.005重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品名)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.2重量%)。
処理後20日目にメヒシバの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第4表の結果を得た。
【0070】
【表4】

【0071】
試験例5
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバ(Digitaria sanguinalis L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.0-4.3葉期に達した時、フラザスルフロンを有効成分とする水和剤(商品名:シバゲン、石原産業(株)製)の所定量(25 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへPOAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤(商品名:NIKKOL DDP-8、日光ケミカルズ株式会社製)を0.025重量%の濃度で添加し、或は、そこへ更に塩類(リン酸水素2ナトリウム)を0.005重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品名)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.2重量%)。
処理後20日目にメヒシバの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第5表の結果を得た。
【0072】
【表5】

【0073】
試験例6
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバ(Digitaria sanguinalis L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.3-4.5葉期に達した時、リムスルフロンを有効成分とする顆粒水和剤(商品名:Titus、DuPont製)の所定量(5 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへPOAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤(商品名:NIKKOL DDP-8、日光ケミカルズ株式会社製、又は商品名:アデカコールPS-440E、株式会社ADEKA製)を0.025重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品名)又はポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名:MonFast、Monsanto製)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.2重量%)。
処理後21日目にメヒシバの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第6表の結果を得た。
【0074】
【表6】

【0075】
試験例7
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへイヌビエ(Echinochloa crus-galli L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。イヌビエが5.0-5.2葉期に達した時、イオドスルフロンメチルナトリウムを有効成分とする顆粒水和剤(商品名:Hussar、Bayer製)の所定量(7.5 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへNIKKOL DDP-8(商品名)又はアデカコールPS-440E(商品名)を0.025重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品名)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.2重量%)。
処理後21日目にイヌビエの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第7表の結果を得た。
【0076】
【表7】

【0077】
試験例8
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへイチビ(Abutilon theophrasti MEDIC.)の種子を播種し、温室内で生育させた。イチビが3.5-4.0葉期に達した時、ハロスルフロンメチルを有効成分とする水和剤(商品名:シャドー、日産化学工業株式会社製)の所定量(20 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへNIKKOL DDP-8(商品名)又はアデカコールPS-440E(商品名)を0.05重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品名)又はMonFast(商品名)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.1重量%)。
処理後22日目にイチビの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第8表の結果を得た。
【0078】
【表8】

【0079】
試験例9
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバ(Digitaria sanguinalis L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.0-4.2葉期に達した時、トリフロキシスルフロンナトリウムを有効成分とする顆粒水和剤(商品名:モニュメント、Syngenta製)の所定量(15 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへNIKKOL DDP-8(商品名)を0.025重量%の濃度で添加し、或は、そこへ更に塩類(リン酸水素2ナトリウム)を0.005重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品名)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.2重量%)。
処理後20日目にメヒシバの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第9表の結果を得た。
【0080】
【表9】

【0081】
試験例10
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへイヌホオズキ(Solanum nigrum L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。イヌホオズキが3.4-3.8葉期に達した時、トリトスルフロンを有効成分とする顆粒水和剤(商品名:Biathlon、BASF製)の所定量(40 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへNIKKOL DDP-8(商品名)又はアデカコールPS-440E(商品名)を0.05重量%の濃度で添加し、或は、そこへ更に塩類(リン酸水素2ナトリウム)を0.005重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品名)又はMonFast(商品名)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.1重量%)。
処理後22日目にイヌホオズキの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第10表の結果を得た。
【0082】
【表10】

【0083】
試験例11
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへイチビ(Abutilon theophrasti MEDIC.)の種子を播種し、温室内で生育させた。イチビが3.5-4.0葉期に達した時、トリトスルフロンを有効成分とする顆粒水和剤(商品名:Biathlon、BASF製)の所定量(40 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへNIKKOL DDP-8(商品名)又はアデカコールPS-440E(商品名)を0.05重量%の濃度で添加し、或は、そこへ更に塩類(リン酸水素2ナトリウム)を0.005重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてMonFast(商品名)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.1重量%)。
処理後22日目にイチビの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第11表の結果を得た。
【0084】
【表11】

【0085】
試験例12
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへイチビ(Abutilon theophrasti MEDIC.)の種子を播種し、温室内で生育させた。イチビが3.5-4.0葉期に達した時、前記実施例3に準じて調製した、プロスルフロンを有効成分とする水和剤の所定量(20 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへNIKKOL DDP-8(商品名)を0.05重量%の濃度で添加し、或は、そこへ更に塩類(リン酸水素2ナトリウム)を0.005重量%の濃度で添加して、茎葉処理した。また、比較のために、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品名)又はMonFast(商品名)を用い、同様に茎葉処理した(但し、その濃度は0.1重量%)。
処理後22日目にイチビの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第12表の結果を得た。
【0086】
【表12】

【0087】
試験例13
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバ(Digitaria sanguinalis L.)の種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.2-4.5葉期に達した時、前記実施例1に準じて調製した、ニコスルフロンを有効成分とする水和剤の所定量(20 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、そこへNIKKOL DDP-8(商品名)を0.025重量%の濃度で添加し、更に塩類(リン酸水素2ナトリウム、クエン酸3ナトリウム・2H2O、コハク酸ナトリウム・6H2O、EDTA2ナトリウム・6H2O、グルタミン酸ナトリウム)を0.005重量%の濃度(塩濃度は無水物基準)で添加して、茎葉処理した。
処理後21日目にメヒシバの生育状態を、試験例1と同様に評価し、第13表の結果を得た。
【0088】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物。
【請求項2】
更に、(3)塩類を含有する請求項1に記載の除草組成物。
【請求項3】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩と(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩との混合比率が、重量比で13:1〜1:10,000である請求項1に記載の除草組成物。
【請求項4】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩と(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩との混合比率が、重量比で13:1〜1:10,000であり、かつ(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と(3)塩類との混合比率が、重量比で500:1〜1:5である請求項2に記載の除草組成物。
【請求項5】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【請求項6】
更に、(3)塩類を施用する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩と(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、重量比13:1〜1:10,000で施用する請求項5に記載の方法。
【請求項8】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩と(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、重量比13:1〜1:10,000で施用し、かつ(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と(3)塩類とを、重量比500:1〜1:5で施用する請求項6に記載の方法。
【請求項9】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩を(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに、30〜5,000L/haの水で希釈し、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【請求項10】
更に、(3)塩類を施用する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(2)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、希釈された液に対し0.005〜4重量%用いる請求項9に記載の方法。
【請求項12】
(2)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、希釈された液に対し0.005〜4重量%用い、(3)の塩類を、希釈された液に対し0.0001〜0.05重量%用いる請求項10に記載の方法。
【請求項13】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩の除草効力を、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を用いて向上させる方法。
【請求項14】
更に、(3)塩類を用いる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩と(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、重量比13:1〜1:10,000で用いる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
(1)除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩と(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、重量比13:1〜1:10,000で用い、かつ(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と(3)塩類とを、重量比500:1〜1:5で用いる請求項14に記載の方法。
【請求項17】
(1)の除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩が、フラザスルフロン、フォラムスルフロン、ハロスルフロンメチル、イオドスルフロンメチルナトリウム、ニコスルフロン、プロスルフロン、リムスルフロン、トリフロキシスルフロンナトリウム及びトリトスルフロンからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載の除草組成物。
【請求項18】
(1)の除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩が、フラザスルフロン、フォラムスルフロン及びニコスルフロンからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項17に記載の除草組成物。
【請求項19】
(3)の塩類が、無機塩である請求項2に記載の除草組成物。
【請求項20】
無機塩が、リン酸塩である請求項19に記載の除草組成物。
【請求項21】
リン酸塩が、ナトリウム塩である請求項20に記載の除草組成物。

【公開番号】特開2007−284422(P2007−284422A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−59486(P2007−59486)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】