説明

陸閘の自動防潮扉設備

【課題】開閉操作が容易で、且つ緊急時には人為的な操作を必要としない、陸閘の防潮扉設備を提供するものである。
【解決手段】油圧ポンプ25から供給する作動油を両ロッド式油圧シリンダー9の伸方向又は縮方向へ切替える方向制御弁24と、油圧ポンプ25によって作動油を供給する時以外は油圧シリンダー側から作動油タンク方向への作動油流れを遮断する逆止弁23a,23bが配置され、且つ油圧ポンプ供給時以外に両ロッド式油圧シリンダー9の自由な伸動作又は縮動作が可能となるバイパス回路を有し、バイパス回路には回路を開放、遮断する切替弁16,17が配置されることにより、バイパス回路を閉鎖し油圧ポンプ25からの作動油供給によって両ロッド式油圧シリンダー9を伸縮作動させて扉体を起立・倒伏作動させ、油圧ポンプ停止時にはバイパス回路を開放することによって扉体に作用する水圧力によって扉体が自動起伏作動する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海岸又は河口付近の防潮堤防の陸閘に設置され、陸閘開口部を開放・閉鎖する陸閘の防潮扉設備に関する。
【背景技術】
【0002】
防潮堤防の陸閘は、通常時は開放した通路として利用され、高潮、高波時、又は津波の発生時には可動式の防潮扉で閉鎖され、潮の堤内への浸入を防止する。特許文献1には横引き式防潮扉が開示されている。開口巾の比較的大きな陸閘においては図11に示す横引き方式の可動式防潮扉が設置されてきた。本防潮扉は、通路下部に通路を横断する形で敷設されたレール13上を扉体11が車輪によって横移動する型式で、通常は図11(ア)に示す通り通路側部に格納され、閉鎖時は図11(イ)に示す通り通路を横断移動して開口部を閉鎖する。
【特許文献1】特開2004−44225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本防潮扉の開閉操作は、扉体11に備え付けられた移動装置を操作して行うのが一般的で、開閉操作には一定の時間が必要となる。また、閉鎖後、止水機能を確保するための扉体11と戸当12をボルト等により固定する作業が必要となる。
【0004】
閉鎖作動中間時には扉体11は扉体支持用カイドローラ14によって支持されているが、閉鎖直前の支持形態が弱く、強風等に対しては操作に注意が必要で、又移動用レール13部に土砂・転石等があると円滑な開閉作動が困難になるといった構造上の問題がある。
【0005】
このため、台風等の強風時の操作には特段の注意が必要となり、また、近年特に津波の発生予想時には必要な操作時間確保が困難である。
【0006】
そこで、本発明は、開閉操作が容易で、且つ緊急時には人為的な操作を必要としない、陸閘の防潮扉設備を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、海岸堤防、又は河口近辺の防潮堤防に設置される陸閘の開口部を閉鎖・開放する陸閘の防潮扉設備において、陸閘開口部の通路下部に設けられた扉体格納室に、下端ヒンジ方式で浮体式扉体が設置され、浮体式扉体の起立・倒伏動作によって陸閘が閉鎖、開放される構造とするとともに、浮体式扉体側部に扉体起伏回転中心と同芯で駆動軸を取付け、同駆動軸を通路側部に設けた装置室内に貫通させ駆動用アームを固結し、駆動用アームの先端とロッドの先端がピン結合された両ロッド式油圧シリンダーを揺動式に配置し、油圧シリンダーと油圧ポンプ、作動油タンクを連通する油圧回路には、油圧ポンプから供給する作動油を両ロッド式油圧シリンダーの伸方向又は縮方向へ切替える方向制御弁と、油圧ポンプによって作動油を供給する時以外は油圧シリンダー側から作動油タンク方向への作動油流れを遮断する逆止弁が配置され、且つ油圧ポンプ供給時以外に両ロッド式油圧シリンダーの自由な伸動作又は縮動作が可能となるバイパス回路を有し、バイパス回路には回路を開放、遮断する切替弁が配置されることにより、バイパス回路を閉鎖し油圧ポンプからの作動油供給によって両ロッド式油圧シリンダーを伸縮作動させて扉体を起立・倒伏作動させ、油圧ポンプ停止時にはバイパス回路を開放することによって扉体に作用する水圧力によって扉体が自動起伏作動する機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、浮体式扉体が倒伏し陸閘開放時には、機構上扉体上面を通路床として使用するために通路として使用することが可能な機能および剛性を有する自動防潮扉設備とし、高波又は津波によって揺動することなく起立し、高波又は津波の緊急時に人為的動力及び操作を必要とせずに水圧力により安定して自動的に閉鎖作動する自動作動制御機能を有すると同時に、起立作動のみを自動作動とし、倒伏作動は人為操作によって行う機能を有し、設備の安全性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【実施例】
【0010】
図1から図6に設備概要図を示す。各図中1は防潮扉体、1aは扉体側部水密ゴム、2aは側部戸当、2bは下部戸当、2cは側部装置室、2dは下流側戸当、2eは下部水密ゴム、3aは下部支承、3bは上部支承、4aは導排水管、4bは導排水管スクリーン、5は補助可動床、6は扉体支持台、7は駆動軸、8はトルクアーム、8aは連結ピン、9は両ロッド式油圧シリンダー、10は油圧シリンダー軸受、15は操作・制御装置、40は防潮堤防、41は陸閘構造壁、42は扉体格納室、43は海水を示す。又、Aは堤内(陸地)側、Bは海側を示す。
【0011】
図1は本発明の設備全体の概要図を示し、図1(ア)は防潮扉体1が倒伏して陸閘を開放している状態図、図1(イ)は防潮扉体1が起立して陸閘を閉鎖している状態図を示す。
【0012】
図2は、防潮扉体1が起立して陸閘開口部を閉鎖し、防潮堤防40と共に海水43が堤内側Aに侵人することを防止している状態図を示す。
【0013】
図3は防潮扉体1の設置並びに作動形態図を示し、図3(ア)は防潮扉体1が倒伏して陸閘を開放している側断面図、図3(イ)は防潮扉体1が起立して陸閘を閉鎖している側断面図を示す。
【0014】
図4は各機器の配置位置図を示し、図4(ア)は防潮扉体1が倒伏して陸閘を開放している状態図、図4(イ)は防潮扉体1が中間起立して陸閘を下方から閉鎖している状態図を示す。
【0015】
図1に示すとおり、本設備は防潮堤防40を分断し、その両端に陸閘構造壁41、下部に扉体格納室42を有する堤防開口部に設置される。
【0016】
図3に示すとおり、防潮扉体1は扉体格納室42の中に、下部支承3aを中心として起伏作動可能に設置される。下部支承3aは下部戸当2bに固定される。図3(ア)に示すとおり、防潮扉体1の倒伏時は、下部支承3aと扉体支持台6によって支持される。また、防潮扉体1の上面は下流側戸当2d、補助可動床5と共に平坦な通路床を形成する。
【0017】
図3(イ)に示すとおり、防潮扉体1の全起立時は、下部支承3aと土部支承3bによって支持され、海側からの水圧を構造物に伝達する。
【0018】
扉体両側部に取り付けられた側部水密ゴム1aが側部戸当2aと、下部戸当2bに取り付けられた下部水密ゴム2eが防潮扉体1の下部と圧着し水密部を形成し、図2に示すように海側Bから堤内側Aへの水流移動を防止する。
【0019】
補助可動床5は防潮扉体1の起立作動にあわせて傾斜可動することによって防潮扉体1の起立作動に支障を与えない構造となっている。
【0020】
また、扉体格納室42には、海側に貫通して導排水管4aが設置され、通常時は扉体格納室42に侵水した雨水を海側に排水し、海水42が上昇した時には海水42を扉体格納室42に導水する。
【0021】
図4(ア)に示すとおり、防潮扉体1の側部戸当2aと一体化した装置室2cが陸閘構造壁41に設置され、また、その側部に操作・制御装置15が配置される。
【0022】
防潮扉体1の側部に取付けられた側部水密ゴム1aは、図4(イ)に示すとおり、常に側部戸当2aと圧着して摺動することで、防潮扉体1の作動時は常に扉体高以下において水密機能を有する。
【0023】
図1(ア)に示すとおり、通常防潮扉体1は倒伏して陸閘を開放、防潮扉体1の上面を通路床とし、堤内側Aと海側B間の通行を可能とする。
【0024】
図1(イ)に示すとおり、防潮扉体1が起立することによって陸閘を閉塞し、図2に示すとおり海水43の上昇時、防潮堤防40と共に海水43の堤内側Aへの侵水(流入)を防ぐ。
【0025】
図5はゲート機械設備全体の概要を示し、図5(ア)は機械設備の全体構成図、図5(イ)は駆動装置の配置構成図を示す。
【0026】
図5(ア)に示すとおり、戸当は両側部の側部戸当2a、下部戸当2b、駆動装置室2c、下流側戸当2d、並びに補助可動床5(図5(イ))によって構成される。
【0027】
図5(イ)に示すとおり、駆動装置室2c内に、油圧シリンダー軸受10によって揺動式に設置された両ロッド式油圧シリンダー9、トルクアーム8が設置される。
【0028】
図6は防潮扉体1と駆動装置の連結状態図を示す。
【0029】
図6に示すとおり、防潮扉体1の側部に、防潮扉体1の回転中心と同心に駆動軸7が取り付けられ、駆動軸7にトルクアーム8が固結され、トルクアーム8の先端と両ロッド式油圧シリンダー9の先端が連結ピン8aによってピン結合されている。
【0030】
図6に示す連結状態において、両ロッド式油圧シリンダー9が伸作動すると、防潮扉体1は起立作動を行い、反対に縮作動を行う倒伏作動を行う。
【0031】
本発明の防潮扉体1は完全密閉型の箱形式で、浮体構造物となっているため、水中においては一定の浮力が作用するようになっている。したがって、扉体格納室42に海水が注入されると防潮扉体1には浮力による一定の起立作動力が作用する。
【0032】
図7は本発明の制御回路図である。図7において、9aは両ロッド式油圧シリンダー9の前方油口、9bは同後方油口、16は切替弁、17は切替弁、18は流量制御弁、19は逆止弁、20は流量制御弁、21は逆止弁、22a、22bは一方向絞弁、23a.23bはパイロット付逆止弁、24は方向制御弁、25は油圧ポンプ、26はリリーフ弁、27はフィルター、28は止め弁、29は逆止弁、30はリリーフ弁、31は作動油タンク、32は圧力計である。なお、止め弁28は常時閉鎖状態である。
【0033】
図7の回路は、切替弁16を閉鎖することによって、油圧ポンプ25並びに方向制御弁24の操作によって両ロッド式油圧シリンダー9を自在に伸縮動作させることができる。
【0034】
本発明においては両ロッド式油圧シリンダー9の前後のロッド径は等しいものとし、したがってロッド伸縮動作時の両ロッド式油圧シリンダー9の吐出・吸引作動油量は等しくなるという特性を有する。
【0035】
図8に示すように、切替弁16を開放し、切替弁17を閉鎖する状態では、両ロッド式油圧シリンダー9が外力によって伸動作する時の前方油口9aから後方油口9bへの作動油流れ矢印アが可能となる。この場合、作動油流れ矢印アは流量制御弁20によって制御される。
【0036】
図9に示すように、切替弁16と切替弁17を同時に開放する状態では、両ロッド式油圧シリンダー9が外力によって縮動作する時の前方油口9bから後方油口9aへの作動油流れ矢印イが可能となる。この場合、作動油流れ矢印イは流量制御弁18によって制御される。
【0037】
両ロッド式油圧シリンダー9の外力作用による伸縮動作時の作動油流れ矢印ア、並びに矢印イは、逆止弁19、21並びにパイロット付逆止弁23a,23bによって図示された経路に限定される。
【0038】
以上の回路機能により、本制御回路においては、切替弁16を閉鎖することで防潮扉体1をポンプ25により自在に起立・倒伏作動させる回路となり、切替弁16を開放、切替弁17を閉鎖することで防潮扉体1の水圧力による自動起立作動のみを可能とし、さらに切替弁16、17両方を開放することによって防潮扉体1の自動起立、自動倒伏作動を可能とする。
【0039】
高潮や高波、又は津波に対して陸閘を閉鎖する防潮扉設備においては、水位の低下に応じた自動開放機能より、強い波浪に対する安定性が重要とされる。
【0040】
本発明の制御回路においては、通常、切替弁16を開放、切替弁17を閉鎖した状態とする。
【0041】
高潮や高波の発生が予め予想され、十分な操作時間が確保される場合には、切替弁16を閉鎖し、方向制御弁24、油圧ポンプ25の操作により防潮扉体1を自動起立させ、陸閘開口部を閉鎖する。
【0042】
海側水位が低下し、危険がないと判断された状態で切替弁16、並びに切替弁17を順次開放し、防潮扉体1を自重による自動倒伏作動で開放する。この時、防潮扉体1は流量制御弁18によって調整された速度で倒伏作動する。倒伏完了後、切替弁17のみを閉鎖する。
【0043】
操作の内容により、逆止弁21から後方油口9b間の回路内に作動油圧が残った場合、止め弁28を一時的に開放し回路内の作動油圧を抜取る。
【0044】
図10に津波等発生時の、事前に防潮扉体1の起立操作が困難な場合における自動起立作動機能を示す。
【0045】
図10(ア)は防潮扉体1が倒伏している状態で、海側水位が上昇する事により導排水管4aを通じて扉体格納室42に海水が注水されている状態を示す。防潮扉体1の全倒伏時、扉体格納室42は防潮扉体1によって塞がれている。
【0046】
図10(イ)は扉体格納室42が海水によって充水され、これにより防潮扉体1が発生した浮力により初期起立作動を開始した状態である。防潮扉体1の初期起立作動により扉体格納室42は海側Bに開放された状態となる。
【0047】
図10(ウ)は海水43か急速上昇し、その水圧作用力で防潮扉体1を更に自動起立作動させる状態図である。
【0048】
図10(ウ)の作動状態では、防潮扉体1には強い水圧力が作用する。これにより防潮扉体1は比較的速い起立作動を行い潮の浸人を阻止する。
【0049】
図10(エ)は防潮扉体1が全起立作動し、海水43の堤防内への浸水を防止している状態を示す。
【0050】
図10(ア)から図10(工)までの一連の自動起立作動は、海水43の上昇速度によるが、防潮扉体1の排水量設計等により最大で1分程度の能力を有することができることにより、到達時速度の速い津波にも対応することが可能となる。
【0051】
本形式の扉体開閉形態も、防潮扉体1の起立に従い風の影響を強く受けることとなる。
【0052】
しかしなから、自動起立時には風の荷重を大きく上回る水圧荷重によって起立作動すること、並びに任意操作時には駆動装置によって風荷重に対抗し得ることによって大きな問題とはならない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(ア)は防潮扉体が倒伏して陸閘を開放している状態図、(イ)は防潮扉体が起立して陸閘を閉鎖している状態図である。
【図2】防潮扉体が起立して陸閘を閉鎖し、防潮堤防共に海水が堤内側に侵人することを防止している状態図である。
【図3】(ア)は防潮扉体が倒伏して陸閘を開放している側断面図、(イ)は防潮扉体が起立して陸閘を閉鎖している側断面図である。
【図4】(ア)は防潮扉体が倒伏して陸閘を開放している時の機器配置状態図、(イ)は防潮扉体が中間起立して陸閘を下方から閉鎖している状態図である。
【図5】(ア)は機械設備の全体構成図、(イ)は駆動装置の配置構成図である。
【図6】防潮扉体と駆動装置の連結状態図である。
【図7】作動制御回路図である。
【図8】自動起立作動時の制御回路図である。
【図9】自動倒伏作動時の制御回路図である。
【図10】(ア)は自動作動状態図1(防潮扉体全倒伏)、(イ)は自動作動状態図2(防潮扉体初期起立)、(ウ)は自動作動状態図3(防潮扉体中間起立)、(工)は自動作動状態図4(防潮扉体完全起立)である。
【図11】(ア)は横引きゲート全開状態図、(イ)は横引きゲート全閉状態図である。
【符号の説明】
【0054】
1 防潮扉体
1a 側部水密ゴム
2a 側部戸当
2b 下部戸当
2c 側部装置室
2d 下流側戸当
2e 下部水密ゴム
3a 下部支承
3b 上部支承
4a 導排水管
4b 導排水管スクリーン
5 補助可動床
6 扉体支持台
7 駆動軸
8 トルクアーム
8a 連結ピン
9 両ロッド式油圧シリンダー
9a 両ロッド式油圧シリンダーの前方油室
9b 両ロッド式油圧シリンダーの後方油室
10 シリンダー軸受
11 横引きゲート扉体
12 横引きゲート戸当゛
13 ゲート移動用レール
14 扉体支持用ガイドローラ
15 操作制御装置
16 切替弁
17 切替弁
18 流量調整弁
19 逆止弁
20 流量調整弁
21 逆止弁
22a、22b 一方向絞り弁
23a、23b パイロット付逆止弁
24方 向制御弁
25 油圧ポンプ
26 リリーフ弁
27 フィルター
28 止め弁
29 逆止弁
30 リリーフ弁
31 作動油タンク
32 圧力計
40 防潮堤防
41 陸閘構造壁
42 扉体格納室
43 海水
記号A 防潮堤防内側(陸地側)を示す。
記号B 防諜堤防外側(海側)を示す。
矢印ア 自動起立作動時(シリンダー伸動作時)の作動油流れ
矢印イ 自動倒伏作動時(シリンダー縮動作時)の作動油流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海岸堤防、又は河口近辺の防潮堤防に設置される陸閘の開口部を閉鎖・開放する陸閘の防潮扉設備において、
陸閘開口部の通路下部に設けられた扉体格納室に、下端ヒンジ方式で浮体式扉体が設置され、浮体式扉体の起立・倒伏動作によって陸閘が閉鎖、開放される構造とするとともに、浮体式扉体側部に扉体起伏回転中心と同芯で駆動軸を取付、同駆動軸を通路側部に設けた装置室内に貫通させ駆動用アームを固結し、駆動用アームの先端とロッドの先端がピン結合された両ロッド式油圧シリンダーを揺動式に配置し、油圧シリンダーと油圧ポンプ、作動油タンクを連通する油圧回路には、油圧ポンプから供給する作動油を両ロッド式油圧シリンダーの伸方向又は縮方向へ切替える方向制御弁と、油圧ポンプによって作動油を供給する時以外は油圧シリンダー側から作動油タンク方向への作動油流れを遮断する逆止弁が配置され、且つ油圧ポンプ供給時以外に両ロッド式油圧シリンダーの自由な伸動作又は縮動作が可能となるバイパス回路を有し、バイパス回路には回路を開放、遮断する切替弁が配置されることにより、バイパス回路を閉鎖し油圧ポンプからの作動油供給によって両ロッド式油圧シリンダーを伸縮作動させて扉体を起立・倒伏作動させ、油圧ポンプ停止時にはバイパス回路を開放することによって扉体に作用する水圧力によって扉体が自動起伏作動する機能を有することを特徴とする陸閘の自動防潮扉設備。
【請求項2】
浮体式扉体が倒伏し陸閘開放時には扉体上面を通路床として使用することを特徴とする請求項1記載の陸閘の自動防潮扉設備。
【請求項3】
両ロッド式油圧シリンダーのバイパス回路は、浮体式扉体の起立時と倒伏時の各々の回路が設けられ、起立・倒伏各々の速度調節を可能としたことを特徴とする請求項1又は2記載の陸閘の自動防潮扉設備。
【請求項4】
両ロッド式油圧シリンダーのバイパス回路は、浮休式扉体の起立時と倒伏時の各々の回路が設けられ、起立・倒伏各々の速度調節を可能とするとともに、バイパス回路全体を開放・遮断する切替弁の他に、倒伏回路のみを開放・遮断する切替弁を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の陸閘の自動防潮扉設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−257829(P2006−257829A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79996(P2005−79996)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(594148645)株式会社協和製作所 (10)
【Fターム(参考)】