集塵機
【課題】携帯使用する際に良好な作業性を得る。
【解決手段】集塵機1の本体2において、右側面にダストバッグ7が装着可能な排出口4を、左側面にバッテリーパック7の装着部を、上面に把持用のハンドル9を夫々設けて、バッテリーパック7を、正面視で本体2を挟んでダストバッグ7の反対側に配置した。また、本体2にベルトを係止するボス25及びピンを設けると共に、本体2の底面に、ダストバッグ6とバッテリーパック7とを装着した状態で定置可能な定置面2aを形成して、ハンドル9又はベルトを用いて本体2を携帯する携帯使用と、本体2を床等に定置する定置使用とを選択可能とした。
【解決手段】集塵機1の本体2において、右側面にダストバッグ7が装着可能な排出口4を、左側面にバッテリーパック7の装着部を、上面に把持用のハンドル9を夫々設けて、バッテリーパック7を、正面視で本体2を挟んでダストバッグ7の反対側に配置した。また、本体2にベルトを係止するボス25及びピンを設けると共に、本体2の底面に、ダストバッグ6とバッテリーパック7とを装着した状態で定置可能な定置面2aを形成して、ハンドル9又はベルトを用いて本体2を携帯する携帯使用と、本体2を床等に定置する定置使用とを選択可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロワとしても使用可能な集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
集塵機は、例えば特許文献1に示すように、モータ及びそのモータの駆動で回転するファンを内設した本体に、吸込口と、フィルタと、排出口とを備えてなり、吸込口に接続したホースから外気を吸い込んで排出口から排気することで、外気と共に吸い込んだ塵埃等をフィルタで捕捉して集塵可能となっている。また、この集塵機は、電源としてバッテリを搭載すると共に、ハウジングにハンドルやベルトの係止部を設けて携帯可能となっている。
さらに、このような集塵機においては、排出口にホースやノズル等を接続して携帯することで、ブロワとしても使用可能なものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−160235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記集塵機においては、フィルタを内設してハウジング内に集塵を行うものであるから、全体が大型化して重量も大きくなる。従って、携帯使用時の取り扱いがしにくい上、長時間使用すると作業者の負担も大きくなり、作業性の低下に繋がっていた。
【0005】
そこで、本発明は、集塵機として定置使用やブロワとしての携帯使用が行えるのは勿論、特に携帯使用する際に良好な作業性が得られる集塵機を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータ及びそのモータの駆動で回転するファンを内設した本体に、吸込口と、ダストバッグを着脱可能な排出口とを設けて、ファンの回転によって吸込口から外気を吸い込み、排出口から排出可能とした集塵機であって、本体に、電源となるバッテリーパックの装着部と、把持用のハンドルと、ベルトの係止部とを夫々設ける一方、本体の底面に、ダストバッグとバッテリーパックとを装着した状態で定置可能な定置面を形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、本体のハウジングを、少なくとも2分割される複数の分割ハウジングを組み付けて形成し、バッテリーパックを2つの分割ハウジング間に跨って装着したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、ハンドルを本体の上部に設ける一方、排出口を本体の一方の側面に、装着部を他方の側面に夫々設けて、バッテリーパックを、正面視で本体を挟んでダストバッグの反対側となるように配置したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、ハンドルを、ダストバッグとバッテリーパックとが並ぶ左右方向に形成したことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、装着部は、バッテリーパックを本体の上方からスライド結合させることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、排出口を下向きに形成したことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの構成において、バッテリーパックの重心位置が当該バッテリーパック未装着時の本体の重心位置より低くなるようにバッテリーパックを装着したことを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7の構成において、本体の底面に装着部を設けてバッテリーパックを底面に装着したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ハンドル又はベルトを用いて本体を携帯する携帯使用と、本体を床等に定置する定置使用とが選択可能となる。特に、ダストバッグを別体で装着して集塵部を本体内に設けないので、本体がコンパクト且つ軽量化し、携帯使用する際の取り扱い性に優れて良好な作業性が得られる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、バッテリーパックがバランス良く装着可能となり、安定性の向上が期待できると共に、端子の組み付けも簡単に行える。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、ダストバッグとバッテリーパックを本体の左右に分けて配置したことで、携帯使用の際のバランスがよくなり、取り扱い性が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加えて、例えば作業者が体の横でハンドルを把持した際にはダストバッグとバッテリーパックとが前後に位置する向きとなり、携帯使用した際にダストバッグとバッテリーパックとが作業の邪魔になるおそれが少なくなる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、上方からのスライド結合により、定置使用の際のバッテリーパックの着脱がしやすくなると共に、バッテリーパックが偶発的に装着部から抜け落ちるおそれもなくなる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、排出口を下向きにしたことで、排出口内での粉塵等の逆流が防止でき、ダストバッグへの確実な集塵が可能となる。また、排出口の上方で本体のハウジングをネジ止めする場合に、ネジボスを上方へ突出させることなく形成できるので、本体からの余分な出っ張りが少なくなって使用感の向上に繋がる。さらに、自然に送風が下向きになるためブロワとしての使い勝手が良好となる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、バッテリーパックと本体との重心位置の設定により、より安定性が高まる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の効果に加えて、バッテリーパックを装着した状態での全体の重心位置がより低くなって安定性が向上する。また、バッテリーパックが本体の前後左右の面から突出しないため、平面視でコンパクトな形状となり、携帯した際の作業や持ち運びがしやすいという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】集塵機の斜視図である。
【図2】集塵機の正面図である。
【図3】本体の斜視図で、(A)が背面側から、(B)が正面側から見た状態を示す。
【図4】本体の説明図で、(A)が平面、(B)が正面を夫々示す。
【図5】本体の説明図で、(A)が背面、(B)が底面を夫々示す。
【図6】A−A線断面図である(バッテリーパックは省略)。
【図7】B−B線断面図である(バッテリーパックは省略)。
【図8】C−C線断面図である(バッテリーパックは省略)。
【図9】本体の分解斜視図である。
【図10】バッグ本体の縦断面図である。
【図11】本体の断面説明図である。
【図12】ファンハウジングを取り外した本体の正面図である。
【図13】モータの説明図で、(A)が前方側からの斜視、(B)が後方側からの斜視、(C)が側面を夫々示す。
【図14】ファン部分の拡大断面図で、(A)が定常状態、(B)がスクロール室の内圧が上昇した状態を夫々示す。
【図15】排出口の変更例を示す断面説明図である。
【図16】変更例の集塵機の正面図である。
【図17】変更例の集塵機の説明図で、(A)が正面、(B)が斜視を夫々示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[集塵機の全体構成]
図1,2に示す集塵機1は、内部にモータ及びファンを収容する四角箱状の本体2を有し、本体2の正面に吸込口3が、右側面上方に排出口4が夫々形成されて、吸込口3にホース5が、排出口4にダストバッグ6が夫々着脱可能に装着されている。7は電源となるバッテリーパックで、本体2の左側面に設けた装着部8へ着脱可能に装着されている。すなわち、ここでは本体2を中心として右側にダストバッグ6が、左側にバッテリーパック7が夫々対称に配置される形態となっている。
【0010】
また、本体2の上面で前後方向の中央には、図3〜5にも示すように、ハンドル9が左右方向に形成される一方、本体2の底面には、平坦な定置面2aが形成されて、定置面2aの四隅に、下面(接地面)が球面状となるキャップ10,10・・が嵌着されている。 ここでのハンドル9は、上下方向の厚みが前後方向の幅よりも小さくなるように形成されている。これにより、ハンドル9を把持する手に余裕ができ、例えば吸込口3に接続したホースをハンドル9に重ねて片手で同時に把持したりすることができる。
なお、キャップ10の下面を球面状としたのは、後述するように本体2のハウジングが前後方向で分割されることから、各分割ハウジングに抜き勾配が形成されても定置面2aをがたつきなく接地させるためである。
【0011】
[集塵機の詳細構成]
本体2内では、図6〜8に示すように、モータ11が出力軸12を正面に向けて横向きに収容されており、出力軸12には、延長シャフト13を介してファン14がボルト15によって直交状に取り付けられている。ここでモータ11は、本体2の後方半分を構成する分割ハウジングとしてのモータハウジング16の後方内面へ前向きに立設された保持筒17内に収容されて、モータハウジング16の前方に組み付けられた分割ハウジングとしてのファンハウジング18の後面で、延長シャフト13がボールベアリング19によって軸支されている。ファンハウジング18の前方には、これも分割ハウジングとなるファンカバー20が組み付けられてファンハウジング18との間にスクロール室21を形成しており、延長シャフト13は、ファンハウジング18を貫通してファン14をスクロール室21の中央に配置している。22は、図5にも示すように、本体2の底面に凹設されて保持筒17の下面の一部を露出させる凹部である。
【0012】
図9にも示すように、モータハウジング16とファンハウジング18とは、本体2の前後方向の略中央で組み合わされて複数のネジ23a,23a・・によって互いに連結されている。両ハウジング16,18の組付け面には、バッテリーパック7の装着部8及びハンドル9の半割部が夫々連設されている。さらに、装着部8とハンドル9との間には、両ハウジング16,18の組付け面を挟む一対の突起24,24が立設されて、一方の突起24に設けたボス25をネジ23aによって連結している。この係止部となるボス25に、吊り下げ用のベルト(図示せず)の端部に設けたフックが係止可能となっている。同様に、本体2の右側面においても、両ハウジング16,18の組付け面を挟んで一対の突起26,26が立設され、両突起26,26間に係止部となるピン27が架設されて、ここにもベルト端部のフックが係止可能となっている。
【0013】
ファンカバー20は、ファンハウジング18にネジ23b,23bによって固定されると共に、その前方からファンカバー20及びファンハウジング18を貫通してモータハウジング16に螺合される長いネジ23c,23c・・によっても一体化されている。
吸込口3は、出力軸12及びファン14と同軸上でファンカバー20に一体形成されて、排出口4は、ファンハウジング18とファンカバー20との組付け面で挟持された別体の筒体で形成されている。この排出口4は、スクロール室21の上部から接線方向で横向きに形成された導出部28と同軸で連結されている。29,29は、排出口4の開口端部に形成された一対のL字溝である。また、ファンハウジング18とファンカバー20との組付け面には、スクロール室21の全周から排出口4の開口までに亘って、シール材30が挟持されている。
【0014】
なお、ダストバッグ6は、図10に示すように、布製のバッグ本体31の開口に、排出口4に外嵌されてL字溝29を貫通する一対のピン33,33を内面に突出する装着筒32を連結してなり、装着筒32を排出口4にバヨネット結合可能としている。バッグ本体31の上部には、ファスナー34が、本体2側の面を除く3面に亘って平面視コの字状に設けられて、上部が蓋体6aとして任意に開閉可能となっている。35は、蓋体6aに沿って長手方向の一端が縫着される帯状のカバーで、ファスナー34によって蓋体6aを閉じた状態では、ファスナー34はカバー35によって覆われて露出しないようになっている。
【0015】
また、ファンカバー20において、吸込口3内には複数のリブ36〜38が形成されている。このリブは、正面視で吸込口3の開口面内の上側から下向きに突設される一対の上リブ36,36と、開口面内の下側から上向きに突設される一対の下リブ37,37と、これらの上下リブ36,37の左右両側から斜めに交差する方向で吸込口3の中心を通る直径方向に対向して突設される一対の斜めリブ38,38とを有し、このうち上リブ36と下リブ37とは、吸込口3の上下方向の中央付近で互いに近接するまで突設されると共に、上下方向で互い違いとなる千鳥状に配置されている。斜めリブ38は、上下リブ36,37よりも短い寸法で突設されている。これらのリブ36〜38は、吸込口3の軸方向では開口端から略半分となる位置まで形成されると共に、突出側の端面は、吸込口3の開口へ行くに従って徐々に突出量が小さくなる傾斜状となっている。
【0016】
そして、ファンカバー20の前方には、フロントカバー39が装着されている。このフロントカバー39は、ファンカバー20に正面からネジ23d,23d・・によって固定されて、スクロール室21及び導出部28を含むファンカバー20の略前面を覆い、中央部には、吸込口3の外側で同軸に配置される接続筒40が設けられている。この接続筒40は、図11に示すように、吸込口3へ外嵌されるホース5の端部5aを外側から覆う大きさで吸込口3よりも前方へ長く突出しており、開口縁には、端部5aに設けた一対の突起5bと係合する一対の突条41,41が点対称位置で突設されている。すなわち、突起5b,5bを突条41,41と位相をずらせた状態で端部5aを吸込口3に外装させ、端部5aの外周に設けたフランジ5cが接続筒40に当接するまで接続筒40内に差し込んで、突起5b,5bが突条41,41と位相が一致するまで回転させれば、ホース5の端部5aが接続筒40に抜け止めされた状態で連結されて吸込口3と接続されるものである。
【0017】
また、フロントカバー39の内面には、図9に示すように、接続筒40の開口と、導出部28の前面を覆う突出端部42とを電気的接続する金属製の第1アースプレート43と第2アースプレート44とが設けられている。第1アースプレート43は、L字状に形成され、一端側を接続筒40の内面に沿って前方へ突出させ、フック状に折り曲げた前端部45を接続筒40の開口に係止させている。他端側はフロントカバー39の内面に沿って右上方向へ突出している。一方、第2アースプレート44は、左右方向の横棒部46と上下方向の縦棒部47とからなるT字状に形成され、横棒部46の左端を第1アースプレート43の右端に当接させる一方、フック状に折り曲げた右端部48をフロントカバー39の突出端部42に係止させている。
【0018】
49は、スクロール室21の外側において導出部28の根元に当たる舌部21a(図7)でファンカバー20及びファンハウジング18を前後方向に貫通する金属製のアースピンで、前端が第2アースプレート44の縦棒部47の下端に当接する一方、後端が、モータハウジング16の後面に突設されたネジ止め用のボス50の前面に当接して位置決めされ、図示しないアース線によってモータ11に電気的接続されている。
ここで、ホース5の端部5aとダストバッグ6の装着筒32とは、例えばカーボン入ポリプロピレン等の導電性樹脂で形成されており、ホース5を接続筒40に接続すると、端部5aが第1アースプレート43の前端部45に当接し、ダストバッグ6を排出口4に接続すると、装着筒32が第2アースプレート44の右端部48に当接するようになっている。
【0019】
一方、バッテリーパック7の装着部8は、本体2の左側面へU字状に立設される突条51内に、一対の端子板52,52を上下方向へ平行に突出しており、バッテリーパック7の上面に設けた嵌合部7aを突条51内に上側から嵌合させ、嵌合部7aに設けたストッパ7bが突条51の上端に当接するまで下方へスライドさせると、図11,12に示すように、嵌合部7aが突条51に結合すると共に、端子7c,7cが端子板52,52に電気的接続されて、バッテリーパック7はモータハウジング16とファンハウジング18とに跨って装着される。この装着状態で、バッテリーパック7の重心は本体2の重心よりも下方に位置している。なお、ここでは、バッテリーパック7の重心は、バッテリーパック7の未装着時の本体2の重心よりも下方に位置する設定となっている。バッテリーパック7の取り外しは逆に突条51から上方へ嵌合部7aをスライドさせることになる。
53は、ハンドル9の左端に設けられたスイッチユニットで、ハンドル9の上面にON/OFF操作部を露出させるスイッチプレート54を上部に備えている。このスイッチユニット53は、装着部8の端子板52と共に本体2内のコントローラ55に電気的接続されている。
【0020】
そして、モータ11は、図13にも示すように、ケーシング60内において、出力軸12の後方寄りに冷却用ファン61を備えており、ケーシング60に形成された周方向の長孔である中窓62,62・・から冷却用ファン61を外部に露出させている。ケーシング60の前面には、周方向に長孔となる前窓63,63・・が形成される一方、ケーシング60の後面には、端子64,64が突設されると共に、周方向に長孔となる後窓65,65・・が形成されている。
【0021】
また、ケーシング60には、前後からゴムカバー66,67が被着されている。このうち前側のゴムカバー66は、中窓62よりも前方を覆うと共に、前面中央部分がケーシング60よりも前方へ突出して、ボールベアリング19を保持する保持リング68となっている。この保持リング68は、図14(A)にも示すように、ファンハウジング18の後面に突設されたリング状の内保持壁18a内に嵌合して、保持リング68の前面とファンハウジング18の後面との間に、延長シャフト13及びファン14が貫通する貫通孔を含む連通部18bを形成している。18cは、内保持壁18aの外側でファンハウジング18の後面に突設され、保持筒17の先端が嵌合するリング状の外保持壁で、この外保持壁18cと保持筒17とにより、モータハウジング16内にモータ11を収容するモータ室17aが形成されている。
【0022】
さらに、保持リング68の前面には、リング状の溝69が同軸で凹設されて、前端外周に薄肉のシール部70を形成している。このシール部70を含む保持リング68の外周面は、内保持壁18aの内周面に近接して、モータ室17aとスクロール室21とを連通させている。
加えて、ゴムカバー66におけるケーシング60の前端付近には、外周面が保持筒17の内面に当接する前フランジ71が周設されて、前フランジ71から後方でゴムカバー66の外周面には、前フランジ71と同じ高さとなる軸方向の突条72,72・・が、ゴムカバー66の周方向へ複数本突設されている。73は、保持リング68における前フランジ71の前方に設けられて前窓63を外部と連通させる開口である。
【0023】
一方、後側のゴムカバー67は、ケーシング60の端子64及び後窓65を除いて中窓62よりも後方を覆うスリーブ状で、前端には、外周面が保持筒17の内面に当接する後フランジ74が周設されて、後フランジ74から後方でゴムカバー67の外周面にも、後フランジ74と同じ高さとなる軸方向の突条75,75・・が、突条72と位相を合わせて複数本突設されている。
よって、モータ室17a内には、ゴムカバー66,67に設けた前後フランジ71,74によって、中窓62と連通する中空間76、前窓63と連通する前空間77、後窓65と連通する後空間78が夫々仕切形成される。
【0024】
そして、モータハウジング16において、保持筒17の下部には、図5に示すように、凹部22内に開口する吹出口81が形成される一方、モータ11の後方に当たる背面側には、出力軸12と同軸で後方へ突出する円形突起82と、その円形突起82の周囲に隣接して長円状に開口する複数の吸気口83,83・・とが形成されている。よって、モータ室17a内の中空間76は、吹出口81を介して本体2の外部と連通し、後空間78は、吸気口83を介して本体2の外部と連通することになる。なお、保持筒17の前端下側には、図9に示すように切欠き79,79・・が形成されて、前空間77を凹部22と連通させている。
【0025】
[集塵機の作用]
以上の如く構成された集塵機1は、図1に示すように、吸込口3にホース5を、排出口4にダストバッグ6を、装着部8にバッテリーパック7を夫々装着した状態で床等に定置し、スイッチプレート54をON操作すると、モータ11が駆動して出力軸12と共にファン14が回転する。よって、吸込口3を介してホース5から外気が吸い込まれ、スクロール室21の内部を周回し導出部28を介して排出口4から排出される。ホース5を電動工具等に接続して外気と共に粉塵を吸い込むと、排出口4から排出されてダストバッグ6に捕捉され集塵される。
一方、吸込口3からホース5を取り外し、排出口4に図示しないノズルを接続すれば、ブロワとして使用可能となる。この場合、ハンドル9を把持したり、ボス25及びピン27にベルトを係止して肩に担いだりして携帯することができる。なお、ブロワとしての使は携帯に限らず、例えば排出口4にホースを接続すれば、本体2を地面等に定置したままでもホースのみの操作で任意の向きに送風可能となる。
【0026】
ここで、本体2においては、モータ11が駆動して冷却用ファン61が回転すると、まずモータ11の後方側では、外気が吸気口83からモータ室17a内に吸引されて後窓65からケーシング60内に導かれ、ケーシング60内を前方へ移動して中窓62から中空間76内に排出されて、吹出口81から凹部22、すなわち本体2の外部へ排気される。
また、モータ11の前方側では、切欠き79を介して凹部22から吸い込まれる空気が、前空間77及び開口73を通って前窓63からケーシング60内に導かれ、ケーシング60内を後方へ移動して中窓62から空間76内に排出され、吹出口81から凹部22に排気される。これらの通気路によってモータ11が冷却される。
【0027】
このとき、モータ冷却後の空気が排出される中空間76は、前後フランジ71,74によって冷却前の空気が吸引される前後空間77,78と区画されているので、モータ室17a内でモータ冷却後の空気が再びケーシング60内に吸引されて循環することがなくなる。よって、新鮮な空気でモータ11が冷却可能となる。
【0028】
一方、ダストバッグ6内に粉塵が貯留して排気抵抗が増すと、スクロール室21内の圧力が高まり、スクロール室21と連通する連通部18b内でも圧力が高まる。すると、図14(B)に示すように、保持リング68が前方から押されて放射方向へ拡がり、シール部70が内保持壁18aの内周面に押圧されるため、連通部18bがシールされる。よって、粉塵がスクロール室21内に滞留しても、モータ室17a内の前空間77に侵入しにくくなり、モータ11の防塵性が維持される。
【0029】
また、吸込口3には、リブ36〜38が設けられているので、フィルタ機能が発揮されて大きな木片や塵埃はここで阻止され、スクロール室21内に吸い込まれることはない。
さらに、集塵の際に、吸込口3から吸い込まれた粉塵が木屑等の(−)に帯電しやすい材料であれば、端部5aや吸込口3との摩擦によって(−)に帯電する静電気を生じさせ、対する端部5aや吸込口3を(+)に帯電させる。その後、帯電した粉塵がスクロール室21を通過して排出口4から排出される際、排出口4や装着筒32に接触することで、(−)電荷は排出口4や装着筒32に落とされる。ここで、ホース5の端部5aと装着筒32とは第1、第2アースプレート43,44によって電気的接続されているので、吸込側の(+)電荷と排出側の(−)電荷とは第1、第2アースプレート43,44を介して結合し消滅する。同様に、粉塵との摩擦によってファン14が(+)に帯電しても、アースピン49からモータ11に落とされる(−)電荷と結合して消滅することになる。
【0030】
[集塵機の効果]
このように、上記形態の集塵機1によれば、本体2に、バッテリーパック7の装着部8と、把持用のハンドル9と、ベルトを係止するボス25及びピン27を夫々設ける一方、本体2の底面に、ダストバッグ6とバッテリーパック7とを装着した状態で定置可能な定置面2aを形成したことで、ハンドル9又はベルトを用いて本体2を携帯する携帯使用と、本体2を床等に定置する定置使用とが選択可能となる。特に、ダストバッグ6を別体で装着して集塵部を本体2内に設けないので、本体2がコンパクト且つ軽量化し、ブロワとして携帯使用する際の取り扱い性に優れて良好な作業性が得られる。
【0031】
一方、本体2のハウジングを、モータハウジング16とファンハウジング18とを含む複数の分割ハウジングを組み付けて形成し、バッテリーパック7をモータハウジング16とファンハウジング18との間に跨って装着しているので、バッテリーパック7がバランス良く装着可能となり、安定性の向上が期待できると共に、端子板52の組み付けも簡単に行える。
また、ハンドル9を本体2の上部に設ける一方、排出口4を本体2の右側面に、装着部8を左側面に夫々設けて、バッテリーパック7を、正面視で本体2を挟んでダストバッグ6の反対側となるように配置しているので、携帯使用の際のバランスがよくなり、取り扱い性が向上する。
【0032】
さらに、ハンドル9を、ダストバッグ6とバッテリーパック7とが並ぶ左右方向に形成したことで、例えば作業者が体の横でハンドル9を把持した際にはダストバッグ6とバッテリーパック7とが前後に位置する向きとなり、携帯使用した際にダストバッグ6とバッテリーパック7とが作業の邪魔になるおそれが少なくなる。
加えて、装着部8は、バッテリーパック7を本体2の上方からスライド結合させる構成となっているので、定置使用の際のバッテリーパック7の着脱がしやすくなると共に、バッテリーパック7が偶発的に装着部8から抜け落ちるおそれもなくなる。
そして、バッテリーパック7の重心位置がバッテリーパック7未装着時の本体2の重心位置より低くなるようにバッテリーパック7を装着しているので、より安定性が高まるようになっている。
【0033】
[集塵機の変更例]
集塵機は上記形態に限らず、例えば排出口と装着部とを左右逆に設けてダストバッグとバッテリーパックの配置を逆にしたり、バッテリーパックの装着を前方又は後方からのスライド結合としたり、スライド結合に代えてバッテリパックを差し込む差し込み結合としたり、ハンドルの向きを変えたり等、適宜設計変更可能である。
【0034】
また、図15に示す集塵機1aのように、本体2の排出口4を下向きに形成することも可能である。このようにすれば排出口4内での粉塵等の逆流が防止でき、ダストバッグ6への確実な集塵が可能となる。また、排出口4の上方でファンカバー20をネジ止めするネジボス56を先の形態のように本体2の上面より上方へ突出させることなく形成できるので、本体2からの余分な出っ張りが少なくなって使用感の向上に繋がる。さらに、自然に送風が下向きになるためブロワとしての使い勝手が良好となる。
【0035】
さらに、図16に示す集塵機1bのように、ダストバッグ6における本体2側の上辺にベルト通し57を設けて、このベルト通し57にピン27側のベルト58を通過させるようにしてもよい。このようにすれば、ベルト58で本体2を携帯した際に、粉塵等でダストバッグ6の重量が大きくなってもベルト58によって本体2側へ引っ張られ、ダストバッグ6が下方へ垂れにくくなる。なお、ベルト通し57はもっと外側(本体2から離れる側)でダストバッグ6の上面に設けてもよいし、複数設けてもよい。
【0036】
一方、バッテリーパックの装着位置は本体の側面に限らず、例えば図17に示す集塵機1cのようにバッテリーパック7を本体2の底面に装着することもできる。ここでは装着部8をモータハウジング16とファンハウジング18との組付け面で左右方向に形成しており、バッテリーパック7を本体7の右側下方から左方向へスライドさせることで、本体7の底面で両ハウジング16,18に跨ってバッテリーパック7を装着可能としている。
84,84・・は、キャップ10を下端に備えて上端が本体2の定置面2aの四隅に装着された脚で、この脚84によって本体2の下方にバッテリーパック7の装着スペースを形成している。
【0037】
また、85は、左側のボス25に遊挿させたリングで、このリング85にベルトの端部を係止させることで、ベルトで携帯した際にベルトがハンドル9の側方を通ってハンドル9と干渉しにくくなり、ハンドル9が携帯に好適な位置となる。
このようにバッテリーパック7を本体2の底面に装着したことで、バッテリーパック7を装着した状態での全体の重心位置がより低くなって安定性が向上する。また、バッテリーパック7が本体2の前後左右の面から突出しないため、平面視でコンパクトな形状となり、携帯した際の作業や持ち運びがしやすいという利点もある。
【符号の説明】
【0038】
1,1a,1b,1c・・集塵機、2・・本体、2a・・定置面、3・・吸込口、4・・排出口、5・・ホース、6・・ダストバッグ、7・・バッテリーパック、8・・装着部、9・・ハンドル、11・・モータ、12・・出力軸、14・・ファン、16・・モータハウジング、17・・保持筒、17a・・モータ室、18・・ファンハウジング、18a・・連通部、19・・ボールベアリング、20・・ファンカバー、21・・スクロール室、21a・・舌部、22・・凹部、23a〜23d・・ネジ、25・・ボス、27・・ピン、28・・導出部、31・・バッグ本体、34・・ファスナー、35・・カバー、36・・上リブ、37・・下リブ、38・・斜めリブ、39・・フロントカバー、40・・接続筒、43・・第1アースプレート、44・・第2アースプレート、49・・アースピン、51・・突条、60・・ケーシング、61・・冷却用ファン、62・・中窓、63・・前窓、65・・後窓、66,67・・ゴムカバー、68・・保持リング、70・・シール部、71・・前フランジ、74・・後フランジ、76・・中空間、77・・前空間、78・・後空間、81・・吹出口、82・・円形突起、83・・吸気口、84・・脚。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロワとしても使用可能な集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
集塵機は、例えば特許文献1に示すように、モータ及びそのモータの駆動で回転するファンを内設した本体に、吸込口と、フィルタと、排出口とを備えてなり、吸込口に接続したホースから外気を吸い込んで排出口から排気することで、外気と共に吸い込んだ塵埃等をフィルタで捕捉して集塵可能となっている。また、この集塵機は、電源としてバッテリを搭載すると共に、ハウジングにハンドルやベルトの係止部を設けて携帯可能となっている。
さらに、このような集塵機においては、排出口にホースやノズル等を接続して携帯することで、ブロワとしても使用可能なものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−160235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記集塵機においては、フィルタを内設してハウジング内に集塵を行うものであるから、全体が大型化して重量も大きくなる。従って、携帯使用時の取り扱いがしにくい上、長時間使用すると作業者の負担も大きくなり、作業性の低下に繋がっていた。
【0005】
そこで、本発明は、集塵機として定置使用やブロワとしての携帯使用が行えるのは勿論、特に携帯使用する際に良好な作業性が得られる集塵機を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータ及びそのモータの駆動で回転するファンを内設した本体に、吸込口と、ダストバッグを着脱可能な排出口とを設けて、ファンの回転によって吸込口から外気を吸い込み、排出口から排出可能とした集塵機であって、本体に、電源となるバッテリーパックの装着部と、把持用のハンドルと、ベルトの係止部とを夫々設ける一方、本体の底面に、ダストバッグとバッテリーパックとを装着した状態で定置可能な定置面を形成したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、本体のハウジングを、少なくとも2分割される複数の分割ハウジングを組み付けて形成し、バッテリーパックを2つの分割ハウジング間に跨って装着したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、ハンドルを本体の上部に設ける一方、排出口を本体の一方の側面に、装着部を他方の側面に夫々設けて、バッテリーパックを、正面視で本体を挟んでダストバッグの反対側となるように配置したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、ハンドルを、ダストバッグとバッテリーパックとが並ぶ左右方向に形成したことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、装着部は、バッテリーパックを本体の上方からスライド結合させることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、排出口を下向きに形成したことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの構成において、バッテリーパックの重心位置が当該バッテリーパック未装着時の本体の重心位置より低くなるようにバッテリーパックを装着したことを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7の構成において、本体の底面に装着部を設けてバッテリーパックを底面に装着したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ハンドル又はベルトを用いて本体を携帯する携帯使用と、本体を床等に定置する定置使用とが選択可能となる。特に、ダストバッグを別体で装着して集塵部を本体内に設けないので、本体がコンパクト且つ軽量化し、携帯使用する際の取り扱い性に優れて良好な作業性が得られる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、バッテリーパックがバランス良く装着可能となり、安定性の向上が期待できると共に、端子の組み付けも簡単に行える。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、ダストバッグとバッテリーパックを本体の左右に分けて配置したことで、携帯使用の際のバランスがよくなり、取り扱い性が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の効果に加えて、例えば作業者が体の横でハンドルを把持した際にはダストバッグとバッテリーパックとが前後に位置する向きとなり、携帯使用した際にダストバッグとバッテリーパックとが作業の邪魔になるおそれが少なくなる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、上方からのスライド結合により、定置使用の際のバッテリーパックの着脱がしやすくなると共に、バッテリーパックが偶発的に装着部から抜け落ちるおそれもなくなる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、排出口を下向きにしたことで、排出口内での粉塵等の逆流が防止でき、ダストバッグへの確実な集塵が可能となる。また、排出口の上方で本体のハウジングをネジ止めする場合に、ネジボスを上方へ突出させることなく形成できるので、本体からの余分な出っ張りが少なくなって使用感の向上に繋がる。さらに、自然に送風が下向きになるためブロワとしての使い勝手が良好となる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の何れかの効果に加えて、バッテリーパックと本体との重心位置の設定により、より安定性が高まる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の効果に加えて、バッテリーパックを装着した状態での全体の重心位置がより低くなって安定性が向上する。また、バッテリーパックが本体の前後左右の面から突出しないため、平面視でコンパクトな形状となり、携帯した際の作業や持ち運びがしやすいという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】集塵機の斜視図である。
【図2】集塵機の正面図である。
【図3】本体の斜視図で、(A)が背面側から、(B)が正面側から見た状態を示す。
【図4】本体の説明図で、(A)が平面、(B)が正面を夫々示す。
【図5】本体の説明図で、(A)が背面、(B)が底面を夫々示す。
【図6】A−A線断面図である(バッテリーパックは省略)。
【図7】B−B線断面図である(バッテリーパックは省略)。
【図8】C−C線断面図である(バッテリーパックは省略)。
【図9】本体の分解斜視図である。
【図10】バッグ本体の縦断面図である。
【図11】本体の断面説明図である。
【図12】ファンハウジングを取り外した本体の正面図である。
【図13】モータの説明図で、(A)が前方側からの斜視、(B)が後方側からの斜視、(C)が側面を夫々示す。
【図14】ファン部分の拡大断面図で、(A)が定常状態、(B)がスクロール室の内圧が上昇した状態を夫々示す。
【図15】排出口の変更例を示す断面説明図である。
【図16】変更例の集塵機の正面図である。
【図17】変更例の集塵機の説明図で、(A)が正面、(B)が斜視を夫々示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[集塵機の全体構成]
図1,2に示す集塵機1は、内部にモータ及びファンを収容する四角箱状の本体2を有し、本体2の正面に吸込口3が、右側面上方に排出口4が夫々形成されて、吸込口3にホース5が、排出口4にダストバッグ6が夫々着脱可能に装着されている。7は電源となるバッテリーパックで、本体2の左側面に設けた装着部8へ着脱可能に装着されている。すなわち、ここでは本体2を中心として右側にダストバッグ6が、左側にバッテリーパック7が夫々対称に配置される形態となっている。
【0010】
また、本体2の上面で前後方向の中央には、図3〜5にも示すように、ハンドル9が左右方向に形成される一方、本体2の底面には、平坦な定置面2aが形成されて、定置面2aの四隅に、下面(接地面)が球面状となるキャップ10,10・・が嵌着されている。 ここでのハンドル9は、上下方向の厚みが前後方向の幅よりも小さくなるように形成されている。これにより、ハンドル9を把持する手に余裕ができ、例えば吸込口3に接続したホースをハンドル9に重ねて片手で同時に把持したりすることができる。
なお、キャップ10の下面を球面状としたのは、後述するように本体2のハウジングが前後方向で分割されることから、各分割ハウジングに抜き勾配が形成されても定置面2aをがたつきなく接地させるためである。
【0011】
[集塵機の詳細構成]
本体2内では、図6〜8に示すように、モータ11が出力軸12を正面に向けて横向きに収容されており、出力軸12には、延長シャフト13を介してファン14がボルト15によって直交状に取り付けられている。ここでモータ11は、本体2の後方半分を構成する分割ハウジングとしてのモータハウジング16の後方内面へ前向きに立設された保持筒17内に収容されて、モータハウジング16の前方に組み付けられた分割ハウジングとしてのファンハウジング18の後面で、延長シャフト13がボールベアリング19によって軸支されている。ファンハウジング18の前方には、これも分割ハウジングとなるファンカバー20が組み付けられてファンハウジング18との間にスクロール室21を形成しており、延長シャフト13は、ファンハウジング18を貫通してファン14をスクロール室21の中央に配置している。22は、図5にも示すように、本体2の底面に凹設されて保持筒17の下面の一部を露出させる凹部である。
【0012】
図9にも示すように、モータハウジング16とファンハウジング18とは、本体2の前後方向の略中央で組み合わされて複数のネジ23a,23a・・によって互いに連結されている。両ハウジング16,18の組付け面には、バッテリーパック7の装着部8及びハンドル9の半割部が夫々連設されている。さらに、装着部8とハンドル9との間には、両ハウジング16,18の組付け面を挟む一対の突起24,24が立設されて、一方の突起24に設けたボス25をネジ23aによって連結している。この係止部となるボス25に、吊り下げ用のベルト(図示せず)の端部に設けたフックが係止可能となっている。同様に、本体2の右側面においても、両ハウジング16,18の組付け面を挟んで一対の突起26,26が立設され、両突起26,26間に係止部となるピン27が架設されて、ここにもベルト端部のフックが係止可能となっている。
【0013】
ファンカバー20は、ファンハウジング18にネジ23b,23bによって固定されると共に、その前方からファンカバー20及びファンハウジング18を貫通してモータハウジング16に螺合される長いネジ23c,23c・・によっても一体化されている。
吸込口3は、出力軸12及びファン14と同軸上でファンカバー20に一体形成されて、排出口4は、ファンハウジング18とファンカバー20との組付け面で挟持された別体の筒体で形成されている。この排出口4は、スクロール室21の上部から接線方向で横向きに形成された導出部28と同軸で連結されている。29,29は、排出口4の開口端部に形成された一対のL字溝である。また、ファンハウジング18とファンカバー20との組付け面には、スクロール室21の全周から排出口4の開口までに亘って、シール材30が挟持されている。
【0014】
なお、ダストバッグ6は、図10に示すように、布製のバッグ本体31の開口に、排出口4に外嵌されてL字溝29を貫通する一対のピン33,33を内面に突出する装着筒32を連結してなり、装着筒32を排出口4にバヨネット結合可能としている。バッグ本体31の上部には、ファスナー34が、本体2側の面を除く3面に亘って平面視コの字状に設けられて、上部が蓋体6aとして任意に開閉可能となっている。35は、蓋体6aに沿って長手方向の一端が縫着される帯状のカバーで、ファスナー34によって蓋体6aを閉じた状態では、ファスナー34はカバー35によって覆われて露出しないようになっている。
【0015】
また、ファンカバー20において、吸込口3内には複数のリブ36〜38が形成されている。このリブは、正面視で吸込口3の開口面内の上側から下向きに突設される一対の上リブ36,36と、開口面内の下側から上向きに突設される一対の下リブ37,37と、これらの上下リブ36,37の左右両側から斜めに交差する方向で吸込口3の中心を通る直径方向に対向して突設される一対の斜めリブ38,38とを有し、このうち上リブ36と下リブ37とは、吸込口3の上下方向の中央付近で互いに近接するまで突設されると共に、上下方向で互い違いとなる千鳥状に配置されている。斜めリブ38は、上下リブ36,37よりも短い寸法で突設されている。これらのリブ36〜38は、吸込口3の軸方向では開口端から略半分となる位置まで形成されると共に、突出側の端面は、吸込口3の開口へ行くに従って徐々に突出量が小さくなる傾斜状となっている。
【0016】
そして、ファンカバー20の前方には、フロントカバー39が装着されている。このフロントカバー39は、ファンカバー20に正面からネジ23d,23d・・によって固定されて、スクロール室21及び導出部28を含むファンカバー20の略前面を覆い、中央部には、吸込口3の外側で同軸に配置される接続筒40が設けられている。この接続筒40は、図11に示すように、吸込口3へ外嵌されるホース5の端部5aを外側から覆う大きさで吸込口3よりも前方へ長く突出しており、開口縁には、端部5aに設けた一対の突起5bと係合する一対の突条41,41が点対称位置で突設されている。すなわち、突起5b,5bを突条41,41と位相をずらせた状態で端部5aを吸込口3に外装させ、端部5aの外周に設けたフランジ5cが接続筒40に当接するまで接続筒40内に差し込んで、突起5b,5bが突条41,41と位相が一致するまで回転させれば、ホース5の端部5aが接続筒40に抜け止めされた状態で連結されて吸込口3と接続されるものである。
【0017】
また、フロントカバー39の内面には、図9に示すように、接続筒40の開口と、導出部28の前面を覆う突出端部42とを電気的接続する金属製の第1アースプレート43と第2アースプレート44とが設けられている。第1アースプレート43は、L字状に形成され、一端側を接続筒40の内面に沿って前方へ突出させ、フック状に折り曲げた前端部45を接続筒40の開口に係止させている。他端側はフロントカバー39の内面に沿って右上方向へ突出している。一方、第2アースプレート44は、左右方向の横棒部46と上下方向の縦棒部47とからなるT字状に形成され、横棒部46の左端を第1アースプレート43の右端に当接させる一方、フック状に折り曲げた右端部48をフロントカバー39の突出端部42に係止させている。
【0018】
49は、スクロール室21の外側において導出部28の根元に当たる舌部21a(図7)でファンカバー20及びファンハウジング18を前後方向に貫通する金属製のアースピンで、前端が第2アースプレート44の縦棒部47の下端に当接する一方、後端が、モータハウジング16の後面に突設されたネジ止め用のボス50の前面に当接して位置決めされ、図示しないアース線によってモータ11に電気的接続されている。
ここで、ホース5の端部5aとダストバッグ6の装着筒32とは、例えばカーボン入ポリプロピレン等の導電性樹脂で形成されており、ホース5を接続筒40に接続すると、端部5aが第1アースプレート43の前端部45に当接し、ダストバッグ6を排出口4に接続すると、装着筒32が第2アースプレート44の右端部48に当接するようになっている。
【0019】
一方、バッテリーパック7の装着部8は、本体2の左側面へU字状に立設される突条51内に、一対の端子板52,52を上下方向へ平行に突出しており、バッテリーパック7の上面に設けた嵌合部7aを突条51内に上側から嵌合させ、嵌合部7aに設けたストッパ7bが突条51の上端に当接するまで下方へスライドさせると、図11,12に示すように、嵌合部7aが突条51に結合すると共に、端子7c,7cが端子板52,52に電気的接続されて、バッテリーパック7はモータハウジング16とファンハウジング18とに跨って装着される。この装着状態で、バッテリーパック7の重心は本体2の重心よりも下方に位置している。なお、ここでは、バッテリーパック7の重心は、バッテリーパック7の未装着時の本体2の重心よりも下方に位置する設定となっている。バッテリーパック7の取り外しは逆に突条51から上方へ嵌合部7aをスライドさせることになる。
53は、ハンドル9の左端に設けられたスイッチユニットで、ハンドル9の上面にON/OFF操作部を露出させるスイッチプレート54を上部に備えている。このスイッチユニット53は、装着部8の端子板52と共に本体2内のコントローラ55に電気的接続されている。
【0020】
そして、モータ11は、図13にも示すように、ケーシング60内において、出力軸12の後方寄りに冷却用ファン61を備えており、ケーシング60に形成された周方向の長孔である中窓62,62・・から冷却用ファン61を外部に露出させている。ケーシング60の前面には、周方向に長孔となる前窓63,63・・が形成される一方、ケーシング60の後面には、端子64,64が突設されると共に、周方向に長孔となる後窓65,65・・が形成されている。
【0021】
また、ケーシング60には、前後からゴムカバー66,67が被着されている。このうち前側のゴムカバー66は、中窓62よりも前方を覆うと共に、前面中央部分がケーシング60よりも前方へ突出して、ボールベアリング19を保持する保持リング68となっている。この保持リング68は、図14(A)にも示すように、ファンハウジング18の後面に突設されたリング状の内保持壁18a内に嵌合して、保持リング68の前面とファンハウジング18の後面との間に、延長シャフト13及びファン14が貫通する貫通孔を含む連通部18bを形成している。18cは、内保持壁18aの外側でファンハウジング18の後面に突設され、保持筒17の先端が嵌合するリング状の外保持壁で、この外保持壁18cと保持筒17とにより、モータハウジング16内にモータ11を収容するモータ室17aが形成されている。
【0022】
さらに、保持リング68の前面には、リング状の溝69が同軸で凹設されて、前端外周に薄肉のシール部70を形成している。このシール部70を含む保持リング68の外周面は、内保持壁18aの内周面に近接して、モータ室17aとスクロール室21とを連通させている。
加えて、ゴムカバー66におけるケーシング60の前端付近には、外周面が保持筒17の内面に当接する前フランジ71が周設されて、前フランジ71から後方でゴムカバー66の外周面には、前フランジ71と同じ高さとなる軸方向の突条72,72・・が、ゴムカバー66の周方向へ複数本突設されている。73は、保持リング68における前フランジ71の前方に設けられて前窓63を外部と連通させる開口である。
【0023】
一方、後側のゴムカバー67は、ケーシング60の端子64及び後窓65を除いて中窓62よりも後方を覆うスリーブ状で、前端には、外周面が保持筒17の内面に当接する後フランジ74が周設されて、後フランジ74から後方でゴムカバー67の外周面にも、後フランジ74と同じ高さとなる軸方向の突条75,75・・が、突条72と位相を合わせて複数本突設されている。
よって、モータ室17a内には、ゴムカバー66,67に設けた前後フランジ71,74によって、中窓62と連通する中空間76、前窓63と連通する前空間77、後窓65と連通する後空間78が夫々仕切形成される。
【0024】
そして、モータハウジング16において、保持筒17の下部には、図5に示すように、凹部22内に開口する吹出口81が形成される一方、モータ11の後方に当たる背面側には、出力軸12と同軸で後方へ突出する円形突起82と、その円形突起82の周囲に隣接して長円状に開口する複数の吸気口83,83・・とが形成されている。よって、モータ室17a内の中空間76は、吹出口81を介して本体2の外部と連通し、後空間78は、吸気口83を介して本体2の外部と連通することになる。なお、保持筒17の前端下側には、図9に示すように切欠き79,79・・が形成されて、前空間77を凹部22と連通させている。
【0025】
[集塵機の作用]
以上の如く構成された集塵機1は、図1に示すように、吸込口3にホース5を、排出口4にダストバッグ6を、装着部8にバッテリーパック7を夫々装着した状態で床等に定置し、スイッチプレート54をON操作すると、モータ11が駆動して出力軸12と共にファン14が回転する。よって、吸込口3を介してホース5から外気が吸い込まれ、スクロール室21の内部を周回し導出部28を介して排出口4から排出される。ホース5を電動工具等に接続して外気と共に粉塵を吸い込むと、排出口4から排出されてダストバッグ6に捕捉され集塵される。
一方、吸込口3からホース5を取り外し、排出口4に図示しないノズルを接続すれば、ブロワとして使用可能となる。この場合、ハンドル9を把持したり、ボス25及びピン27にベルトを係止して肩に担いだりして携帯することができる。なお、ブロワとしての使は携帯に限らず、例えば排出口4にホースを接続すれば、本体2を地面等に定置したままでもホースのみの操作で任意の向きに送風可能となる。
【0026】
ここで、本体2においては、モータ11が駆動して冷却用ファン61が回転すると、まずモータ11の後方側では、外気が吸気口83からモータ室17a内に吸引されて後窓65からケーシング60内に導かれ、ケーシング60内を前方へ移動して中窓62から中空間76内に排出されて、吹出口81から凹部22、すなわち本体2の外部へ排気される。
また、モータ11の前方側では、切欠き79を介して凹部22から吸い込まれる空気が、前空間77及び開口73を通って前窓63からケーシング60内に導かれ、ケーシング60内を後方へ移動して中窓62から空間76内に排出され、吹出口81から凹部22に排気される。これらの通気路によってモータ11が冷却される。
【0027】
このとき、モータ冷却後の空気が排出される中空間76は、前後フランジ71,74によって冷却前の空気が吸引される前後空間77,78と区画されているので、モータ室17a内でモータ冷却後の空気が再びケーシング60内に吸引されて循環することがなくなる。よって、新鮮な空気でモータ11が冷却可能となる。
【0028】
一方、ダストバッグ6内に粉塵が貯留して排気抵抗が増すと、スクロール室21内の圧力が高まり、スクロール室21と連通する連通部18b内でも圧力が高まる。すると、図14(B)に示すように、保持リング68が前方から押されて放射方向へ拡がり、シール部70が内保持壁18aの内周面に押圧されるため、連通部18bがシールされる。よって、粉塵がスクロール室21内に滞留しても、モータ室17a内の前空間77に侵入しにくくなり、モータ11の防塵性が維持される。
【0029】
また、吸込口3には、リブ36〜38が設けられているので、フィルタ機能が発揮されて大きな木片や塵埃はここで阻止され、スクロール室21内に吸い込まれることはない。
さらに、集塵の際に、吸込口3から吸い込まれた粉塵が木屑等の(−)に帯電しやすい材料であれば、端部5aや吸込口3との摩擦によって(−)に帯電する静電気を生じさせ、対する端部5aや吸込口3を(+)に帯電させる。その後、帯電した粉塵がスクロール室21を通過して排出口4から排出される際、排出口4や装着筒32に接触することで、(−)電荷は排出口4や装着筒32に落とされる。ここで、ホース5の端部5aと装着筒32とは第1、第2アースプレート43,44によって電気的接続されているので、吸込側の(+)電荷と排出側の(−)電荷とは第1、第2アースプレート43,44を介して結合し消滅する。同様に、粉塵との摩擦によってファン14が(+)に帯電しても、アースピン49からモータ11に落とされる(−)電荷と結合して消滅することになる。
【0030】
[集塵機の効果]
このように、上記形態の集塵機1によれば、本体2に、バッテリーパック7の装着部8と、把持用のハンドル9と、ベルトを係止するボス25及びピン27を夫々設ける一方、本体2の底面に、ダストバッグ6とバッテリーパック7とを装着した状態で定置可能な定置面2aを形成したことで、ハンドル9又はベルトを用いて本体2を携帯する携帯使用と、本体2を床等に定置する定置使用とが選択可能となる。特に、ダストバッグ6を別体で装着して集塵部を本体2内に設けないので、本体2がコンパクト且つ軽量化し、ブロワとして携帯使用する際の取り扱い性に優れて良好な作業性が得られる。
【0031】
一方、本体2のハウジングを、モータハウジング16とファンハウジング18とを含む複数の分割ハウジングを組み付けて形成し、バッテリーパック7をモータハウジング16とファンハウジング18との間に跨って装着しているので、バッテリーパック7がバランス良く装着可能となり、安定性の向上が期待できると共に、端子板52の組み付けも簡単に行える。
また、ハンドル9を本体2の上部に設ける一方、排出口4を本体2の右側面に、装着部8を左側面に夫々設けて、バッテリーパック7を、正面視で本体2を挟んでダストバッグ6の反対側となるように配置しているので、携帯使用の際のバランスがよくなり、取り扱い性が向上する。
【0032】
さらに、ハンドル9を、ダストバッグ6とバッテリーパック7とが並ぶ左右方向に形成したことで、例えば作業者が体の横でハンドル9を把持した際にはダストバッグ6とバッテリーパック7とが前後に位置する向きとなり、携帯使用した際にダストバッグ6とバッテリーパック7とが作業の邪魔になるおそれが少なくなる。
加えて、装着部8は、バッテリーパック7を本体2の上方からスライド結合させる構成となっているので、定置使用の際のバッテリーパック7の着脱がしやすくなると共に、バッテリーパック7が偶発的に装着部8から抜け落ちるおそれもなくなる。
そして、バッテリーパック7の重心位置がバッテリーパック7未装着時の本体2の重心位置より低くなるようにバッテリーパック7を装着しているので、より安定性が高まるようになっている。
【0033】
[集塵機の変更例]
集塵機は上記形態に限らず、例えば排出口と装着部とを左右逆に設けてダストバッグとバッテリーパックの配置を逆にしたり、バッテリーパックの装着を前方又は後方からのスライド結合としたり、スライド結合に代えてバッテリパックを差し込む差し込み結合としたり、ハンドルの向きを変えたり等、適宜設計変更可能である。
【0034】
また、図15に示す集塵機1aのように、本体2の排出口4を下向きに形成することも可能である。このようにすれば排出口4内での粉塵等の逆流が防止でき、ダストバッグ6への確実な集塵が可能となる。また、排出口4の上方でファンカバー20をネジ止めするネジボス56を先の形態のように本体2の上面より上方へ突出させることなく形成できるので、本体2からの余分な出っ張りが少なくなって使用感の向上に繋がる。さらに、自然に送風が下向きになるためブロワとしての使い勝手が良好となる。
【0035】
さらに、図16に示す集塵機1bのように、ダストバッグ6における本体2側の上辺にベルト通し57を設けて、このベルト通し57にピン27側のベルト58を通過させるようにしてもよい。このようにすれば、ベルト58で本体2を携帯した際に、粉塵等でダストバッグ6の重量が大きくなってもベルト58によって本体2側へ引っ張られ、ダストバッグ6が下方へ垂れにくくなる。なお、ベルト通し57はもっと外側(本体2から離れる側)でダストバッグ6の上面に設けてもよいし、複数設けてもよい。
【0036】
一方、バッテリーパックの装着位置は本体の側面に限らず、例えば図17に示す集塵機1cのようにバッテリーパック7を本体2の底面に装着することもできる。ここでは装着部8をモータハウジング16とファンハウジング18との組付け面で左右方向に形成しており、バッテリーパック7を本体7の右側下方から左方向へスライドさせることで、本体7の底面で両ハウジング16,18に跨ってバッテリーパック7を装着可能としている。
84,84・・は、キャップ10を下端に備えて上端が本体2の定置面2aの四隅に装着された脚で、この脚84によって本体2の下方にバッテリーパック7の装着スペースを形成している。
【0037】
また、85は、左側のボス25に遊挿させたリングで、このリング85にベルトの端部を係止させることで、ベルトで携帯した際にベルトがハンドル9の側方を通ってハンドル9と干渉しにくくなり、ハンドル9が携帯に好適な位置となる。
このようにバッテリーパック7を本体2の底面に装着したことで、バッテリーパック7を装着した状態での全体の重心位置がより低くなって安定性が向上する。また、バッテリーパック7が本体2の前後左右の面から突出しないため、平面視でコンパクトな形状となり、携帯した際の作業や持ち運びがしやすいという利点もある。
【符号の説明】
【0038】
1,1a,1b,1c・・集塵機、2・・本体、2a・・定置面、3・・吸込口、4・・排出口、5・・ホース、6・・ダストバッグ、7・・バッテリーパック、8・・装着部、9・・ハンドル、11・・モータ、12・・出力軸、14・・ファン、16・・モータハウジング、17・・保持筒、17a・・モータ室、18・・ファンハウジング、18a・・連通部、19・・ボールベアリング、20・・ファンカバー、21・・スクロール室、21a・・舌部、22・・凹部、23a〜23d・・ネジ、25・・ボス、27・・ピン、28・・導出部、31・・バッグ本体、34・・ファスナー、35・・カバー、36・・上リブ、37・・下リブ、38・・斜めリブ、39・・フロントカバー、40・・接続筒、43・・第1アースプレート、44・・第2アースプレート、49・・アースピン、51・・突条、60・・ケーシング、61・・冷却用ファン、62・・中窓、63・・前窓、65・・後窓、66,67・・ゴムカバー、68・・保持リング、70・・シール部、71・・前フランジ、74・・後フランジ、76・・中空間、77・・前空間、78・・後空間、81・・吹出口、82・・円形突起、83・・吸気口、84・・脚。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ及びそのモータの駆動で回転するファンを内設した本体に、吸込口と、ダストバッグを着脱可能な排出口とを設けて、前記ファンの回転によって前記吸込口から外気を吸い込み、前記排出口から排出可能とした集塵機であって、
前記本体に、電源となるバッテリーパックの装着部と、把持用のハンドルと、ベルトの係止部とを夫々設ける一方、
前記本体の底面に、前記ダストバッグとバッテリーパックとを装着した状態で定置可能な定置面を形成したことを特徴とする集塵機。
【請求項2】
前記本体のハウジングを、少なくとも2分割される複数の分割ハウジングを組み付けて形成し、前記バッテリーパックを2つの前記分割ハウジング間に跨って装着したことを特徴とする請求項1に記載の集塵機。
【請求項3】
前記ハンドルを前記本体の上部に設ける一方、前記排出口を前記本体の一方の側面に、前記装着部を他方の側面に夫々設けて、前記バッテリーパックを、正面視で前記本体を挟んで前記ダストバッグの反対側となるように配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の集塵機。
【請求項4】
前記ハンドルを、前記ダストバッグとバッテリーパックとが並ぶ左右方向に形成したことを特徴とする請求項3に記載の集塵機。
【請求項5】
前記装着部は、前記バッテリーパックを前記本体の上方からスライド結合させることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の集塵機。
【請求項6】
前記排出口を下向きに形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の集塵機。
【請求項7】
前記バッテリーパックの重心位置が当該バッテリーパック未装着時の前記本体の重心位置より低くなるように前記バッテリーパックを装着したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の集塵機。
【請求項8】
前記本体の底面に前記装着部を設けて前記バッテリーパックを前記底面に装着したことを特徴とする請求項7に記載の集塵機。
【請求項1】
モータ及びそのモータの駆動で回転するファンを内設した本体に、吸込口と、ダストバッグを着脱可能な排出口とを設けて、前記ファンの回転によって前記吸込口から外気を吸い込み、前記排出口から排出可能とした集塵機であって、
前記本体に、電源となるバッテリーパックの装着部と、把持用のハンドルと、ベルトの係止部とを夫々設ける一方、
前記本体の底面に、前記ダストバッグとバッテリーパックとを装着した状態で定置可能な定置面を形成したことを特徴とする集塵機。
【請求項2】
前記本体のハウジングを、少なくとも2分割される複数の分割ハウジングを組み付けて形成し、前記バッテリーパックを2つの前記分割ハウジング間に跨って装着したことを特徴とする請求項1に記載の集塵機。
【請求項3】
前記ハンドルを前記本体の上部に設ける一方、前記排出口を前記本体の一方の側面に、前記装着部を他方の側面に夫々設けて、前記バッテリーパックを、正面視で前記本体を挟んで前記ダストバッグの反対側となるように配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の集塵機。
【請求項4】
前記ハンドルを、前記ダストバッグとバッテリーパックとが並ぶ左右方向に形成したことを特徴とする請求項3に記載の集塵機。
【請求項5】
前記装着部は、前記バッテリーパックを前記本体の上方からスライド結合させることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の集塵機。
【請求項6】
前記排出口を下向きに形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の集塵機。
【請求項7】
前記バッテリーパックの重心位置が当該バッテリーパック未装着時の前記本体の重心位置より低くなるように前記バッテリーパックを装着したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の集塵機。
【請求項8】
前記本体の底面に前記装着部を設けて前記バッテリーパックを前記底面に装着したことを特徴とする請求項7に記載の集塵機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−125667(P2011−125667A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3152(P2010−3152)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】
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