説明

電力管理装置、および電力管理システム

【課題】 ユーザの意思に関係ない外的影響によるエネルギー使用量への影響を提示可能な電力管理装置、および電力管理システムを提供する。
【解決手段】 電力管理装置1は、屋内の機器3の電気使用量を取得する取得部1aと、この取得した電気使用量の履歴を格納する電力記憶部1bと、少なくとも屋内の人の滞在状況を検出する事象検出部1cと、滞在状況の履歴を格納する事象記憶部1dと、互いに異なる2つの各期間における滞在状況の変化分を検出する比較部1eと、滞在状況の変化分による機器3の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1計算部1fと、外的影響電気量を表示する表示部1hとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理装置、および電力管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所定期間の宅内機器の電気使用量を表示したり、その電気使用量と基準値とを比較表示する電力管理装置、および電力管理システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のシステムは、ユーザ操作時点よりも前の一定期間における電気使用量と、ユーザ操作時点よりも後の一定期間における電気使用量とを比較表示する構成が開示されている。そして、前後の各期間における機器の使い方を互いに変えることによって、前後の各期間における電気使用量の変化や、電気機器の使い方を変えることによる電気使用量の変化を把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−202985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザが省エネルギー化のための努力をしているにも関わらず、ユーザの意思に関係ない外的影響(気温,湿度,風速、在室人数等)によって電気使用量が思ったほど減少しないことがある。このような場合、「電気使用量は減少しなかった」という結果のみをユーザに提示したのでは、ユーザは、省エネルギー化のための努力を継続させるモチベーションを維持できない。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの意思に関係ない外的影響によるエネルギー使用量への影響を提示可能な電力管理装置、および電力管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電力管理装置は、屋内の機器の電気使用量を取得する取得部と、この取得した電気使用量の履歴を格納する第1の記憶部と、少なくとも屋内の人の滞在状況を検出する検出部と、前記滞在状況の履歴を格納する第2の記憶部と、互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況の変化分を検出する比較部と、前記滞在状況の変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、前記外的影響電気量を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の電力管理装置は、屋内の機器の電気使用量を取得する取得部と、この取得した電気使用量の履歴を格納する第1の記憶部と、少なくとも所定空間の気温を検出する検出部と、前記気温の履歴を格納する第2の記憶部と、互いに異なる2つの各期間における前記気温の変化分を検出する比較部と、前記気温の変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、前記外的影響電気量を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の電力管理装置は、屋内の機器の電気使用量を取得する取得部と、この取得した電気使用量の履歴を格納する第1の記憶部と、少なくとも屋内の人の滞在状況および所定空間の気温を検出する検出部と、前記滞在状況の履歴および前記気温の履歴を格納する第2の記憶部と、互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況および前記気温の各変化分を検出する比較部と、前記滞在状況および前記気温の各変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、前記外的影響電気量を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0010】
この発明において、前記滞在状況は、前記期間において、屋内に存在する人の滞在時間と屋内に存在する人の人数とを乗じた値で表されることが好ましい。
【0011】
この発明において、前記第1の計算部は、互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況の変化分、または互いに異なる2つの各期間における前記気温の変化分、または互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況および前記気温の各変化分を、前記外的影響電気量に換算する換算部を備えることが好ましい。
【0012】
この発明において、前記2つの各期間における前記機器の電気使用量の変化量と前記外的影響電気量との差を内的影響電気量として算出する第2の計算部を備え、前記表示部は、前記外的影響電気量と前記内的影響電気量とを表示することが好ましい。
【0013】
この発明において、前記2つの各期間における前記機器の電気使用量の変化量を算出する第3の計算部を備え、前記表示部は、前記外的影響電気量と前記機器の電気使用量の変化量とを表示することが好ましい。
【0014】
この発明において、前記取得部は、複数の機器の各々の電気使用量を取得し、前記第1の記憶部は、前記機器毎の電気使用量の履歴を格納し、前記2つの各期間における前記複数の機器の各々の電気使用量の変化量と前記複数の機器の各々の前記外的影響電気量との差を、前記複数の機器の各々の前記内的影響電気量として算出し、所定の判断基準に基づいて前記内的影響電気量が大きいと判別される前記機器を特定する第4の計算部を備えることが好ましい。
【0015】
この発明において、前記取得部は、複数の機器の各々の電気使用量を取得し、前記第1の記憶部は、前記機器毎の電気使用量の履歴を格納し、前記2つの各期間における前記複数の機器の各々の電気使用量の変化量を算出し、この算出した前記機器毎の電気使用量の変化量に基づいて、前記内的影響電気量が大きいと判別される前記機器を特定する第5の計算部を備えることが好ましい。
【0016】
本発明の電力管理システムは、屋内の機器の電気使用量を計測する計測部と、電気使用量の計測結果の履歴を格納する第1の記憶部と、少なくとも屋内の人の滞在状況を検出する検出部と、前記滞在状況の履歴を格納する第2の記憶部と、互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況の変化分を検出する比較部と、前記滞在状況の変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、前記外的影響電気量を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の電力管理システムは、屋内の機器の電気使用量を計測する計測部と、電気使用量の計測結果の履歴を格納する第1の記憶部と、少なくとも所定空間の気温を検出する検出部と、前記気温の履歴を格納する第2の記憶部と、互いに異なる2つの各期間における前記気温の変化分を検出する比較部と、前記気温の変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、前記外的影響電気量を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の電力管理システムは、屋内の機器の電気使用量を計測する計測部と、電気使用量の計測結果の履歴を格納する第1の記憶部と、少なくとも屋内の人の滞在状況および所定空間の気温を検出する検出部と、前記滞在状況の履歴および前記気温の履歴を格納する第2の記憶部と、互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況および前記気温の各変化分を検出する比較部と、前記滞在状況および前記気温の各変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、前記外的影響電気量を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明では、ユーザの意思に関係ない外的影響によるエネルギー使用量への影響を提示することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1の電力管理装置を用いた電力管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同上の電力記憶部のデータ構造例を示すテーブル図である。
【図3】同上の事象記憶部のデータ構造例を示すテーブル図である。
【図4】(a)〜(c)同上の動作を示すフローチャート図である。
【図5】実施形態2の事象記憶部のデータ構造例を示すテーブル図である。
【図6】実施形態3の事象記憶部のデータ構造例を示すテーブル図である。
【図7】実施形態4の電力管理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】実施形態5の事象記憶部のデータ構造例を示すテーブル図である。
【図9】(a)(b)同上の演算に用いる係数を示す図である。
【図10】実施形態6の事象記憶部のデータ構造例を示すテーブル図である。
【図11】実施形態7の電力管理装置の構成を示すブロック図である。
【図12】同上の電力記憶部のデータ構造例を示すテーブル図である。
【図13】同上の動作を示すフローチャート図である。
【図14】同上の機器別電気使用量データの一例を示す図である。
【図15】実施形態8の電力管理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本実施形態の電力管理装置を用いた電力管理システムの構成を示し、電力管理装置1と、電力計測部2と、1乃至複数の機器3と、1乃至複数のセンサ4とで構成される。
【0023】
機器3は、エアコン等の空調機器、テレビ装置、照明器具、音楽プレーヤ等で構成され、戸建住宅、集合住宅の住戸、店舗、オフィス等の建屋内に配置される。そして、電力計測部2が、各機器3の電気使用量(使用電力量)を計測する。電力計測部2が計測した各機器3の電気使用量のデータ(電気使用量データ)は、1日に1回、電力管理装置1へ定期的に送信される。この電気使用量データは、各機器3が1日に使用した電力量のデータである。電力計測部2は、機器3自体に電気使用量の計測手段を設ける構成や、機器3毎の分岐電路にCT等の計測手段を設ける構成のいずれでもよい。
【0024】
センサ4(計測部)は、屋内の人の在・不在を判別するセンサ信号を定期的に作成して、電力管理装置1へセンサ信号を送信する。センサ4は、人感センサや、監視カメラを用いた画像処理手段を用いて構成される。すなわち、センサ4は、屋内の人の滞在状況を検知する機能を有するものである。
【0025】
電力管理装置1は、取得部1aと、電力記憶部1bと、事象検出部1cと、事象記憶部1dと、比較部1eと、第1計算部1fと、第2計算部1gと、表示部1hとで構成される。
【0026】
取得部1aは、電力計測部2との間で通信可能に構成され、1日に1回、電力計測部2から各機器3の電気使用量データを定期的に取得し、1乃至複数の機器3の電気使用量の合計を電力記憶部1b(第1の記憶部)に格納する。電力記憶部1bに格納された電気使用量データは、図2に示すテーブルで構成され、年月日に対応した1日の電気使用量の合計(総電気使用量)が格納される。
【0027】
事象検出部1c(検出部)は、センサ4との間で通信可能に構成され、屋内の人の在・不在を判別するセンサ信号を一定間隔で取得し、このセンサ信号に基づいて、屋内の人の1日当たりの滞在時間を検出する。この屋内の人の滞在時間は、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量(空調機器、テレビ装置、照明器具、音楽プレーヤ等の電気使用量)に影響を与える事象であり、電気使用量に対する外的影響である。この滞在時間は、屋内に人が一人以上滞在している時間である。
【0028】
事象記憶部1d(第2の記憶部)は、事象検出部1cが検出した屋内の人の1日当たりの滞在時間のデータ(滞在時間データ)を格納する。事象記憶部1dに格納された滞在時間データは、図3に示すテーブルで構成され、年月日に対応した滞在時間が格納される。なお、「滞在時間データ」が、図4内の「事象データ」に相当する。
【0029】
そして、比較部1eは、図4(a)に示すフローチャートにしたがって動作する。まず、比較部1eは、比較対象となる2つの期間(ここでは、第1の対象日と、その後日の第2の対象日)を選択し、事象記憶部1d内の第1,第2対象日の各滞在時間データ(事象データ)を取得したか否かを判定する(S1)。第1,第2対象日の各滞在時間データを取得するまでステップS1の動作を繰り返し、第1,第2対象日の各滞在時間データを取得した場合、滞在時間の変化分を算出する(S2)。算出した滞在時間の変化分データは、第1計算部1fへ出力される(S3)。例えば、図3の滞在時間データでは、2010年3月26日と2010年3月27日の滞在時間の変化分は、6時間(=16時間−10時間)である。また、2010年3月27日と2010年3月28日の滞在時間の変化分は、−2時間(=14時間−16時間)である。
【0030】
ここで、滞在時間は、電気使用量に対する外的影響であって、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量に影響を与える事象であり、1日の滞在時間の長短によって1日の電気使用量が変動する。以降、この外的影響による総電気使用量の変動分を外的影響電気使用量と称す。
【0031】
第1計算部1f(第1の計算部)は、図4(b)に示すフローチャートにしたがって動作する。まず、第1計算部1fは、比較部1eから滞在時間の変化分データを取得したか否かを判定する(S11)。滞在時間の変化分データを取得するまでステップS11の動作を繰り返し、滞在時間の変化分データを取得した場合、この滞在時間の変化による外的影響電気使用量を算出する。(S12)。第1計算部1fは、滞在時間の変化分と外的影響電気使用量との対応データを予め保持しており、比較部1eが算出した滞在時間の変化分をこの対応データに適用して、外的影響電気使用量を算出することで、本発明の換算部として機能する。例えば、滞在時間が1時間増えると、外的影響電気量はX(kWh)増加し、滞在時間が1時間減ると、外的影響電気量はX(kWh)減少する。この対応データは、実測、シミュレーション等によって予め設定されている。算出した外的影響電気使用量のデータは、第2計算部1gおよび表示部1hへ出力される(S13)。
【0032】
次に、第2計算部1g(第2の計算部)は、図4(c)に示すフローチャートにしたがって動作する。まず、第2計算部1gは、電力記憶部1b内の第1,第2対象日の各総電気使用量データを取得したか否かを判定する(S21)。第1,第2対象日の各総電気使用量データを取得するまでステップS21の動作を繰り返し、第1,第2対象日の各総電気使用量データを取得した場合、総電気使用量の差分を算出する(S22)。例えば、図2の電気使用量データでは、2010年3月26日と2010年3月27日の総電気使用量の差分は、2kWh(=12kWh−10kWh)である。また、2010年3月27日と2010年3月28日の総電気使用量の差分は、−3kWh(=9kWh−12kWh)である。
【0033】
そして第2計算部1gは、第1計算部1fから外的影響電気使用量のデータを取得したか否かを判定する(S23)。外的影響電気使用量のデータを取得するまでステップS21の動作を繰り返す。外的影響電気使用量のデータを取得した場合、ステップS22で算出した第1,第2対象日の総電気使用量の差分と、ステップS23で取得した外的影響電気使用量とに基づいて、内的影響電気使用量を算出する(S24)。内的影響電気使用量とは、ユーザの直接の行動により消費されたと考えられる総電気使用量であり、ここでは、第1,第2対象日の各総電気使用量の差分から外的影響電気使用量を引いた残りの電気使用量である。例えば、ユーザの直接の行動とは、ユーザの機器3の使い方であり、内的影響電気使用量は、ユーザの機器3の使い方によって増減した総電気使用量である。
【0034】
算出した内的影響電気使用量のデータは、表示部1hへ出力される(S25)。
【0035】
表示部1hは、第1計算部1fから取得した外的影響電気使用量、第2計算部1gから取得した内的影響電気使用量を、LCD等の表示画面に表示する。したがって、ユーザは、表示部1hによって、第1,第2対象日の各総電気使用量の差分のうち、ユーザの意思に関係ない外的影響による外的影響電気使用量が提示され、外的影響によるエネルギー使用量への影響を把握できる。また、ユーザは、ユーザの直接の行動により消費されたと考えられる内的影響電気使用量が提示され、内的影響によるエネルギー使用量への影響を把握できる。
【0036】
このように、総電気使用量の増減の要因と思われる項目を、外的影響電気使用量および内的影響電気使用量としてユーザに提示している。すなわち、ユーザは、ユーザの意思に関係ない外的影響による総電気使用量と、ユーザの直接の行動により消費されたと考えられる内的影響による総電気使用量とを分けて提示される。したがって、総電気使用量の増減に対する、外的影響と内的影響との各影響度合を把握できる。
【0037】
例えば、ユーザが省エネルギー化のための努力をしているにも関わらず、ユーザの意思に関係ない外的影響によって(本実施形態では滞在時間が長かったことによって)、総電気使用量が思ったほど減少しないことがある。しかしながら本実施形態において、ユーザは、滞在時間が長かったことによって総電気使用量が増加したことを把握でき、ユーザは、省エネルギー化のための努力を継続させるモチベーションを維持することが可能となる。
【0038】
また、ユーザによる機器3の使い方等のような内的影響による内的影響電気使用量も提示されるので、省エネルギー化に貢献するユーザ自身の行動が明示され、効果的な省エネ行動が提示される。
【0039】
また、本実施形態では、比較対象となる2つの期間を1日単位に設定している。しかし、比較対象となる2つの期間として、1ヶ月単位、1年単位、任意の期間単位に設定してもよく、この設定した2つの期間の各総電気使用量の差分から、上記解析処理を行ってもよい。
【0040】
また、総電気使用量の差分を求める際には、例えば比較対象となる2つの期間を1日単位に設定した場合、1日の電気使用量の累積値から差分を求める構成、1ヶ月の電気使用量の1日単位の平均値から差分を求める構成等がある。したがって、比較対象となる2つの期間の設定形態に適した構成を用いて、総電気使用量の差分を求めればよい。
【0041】
また、比較対象となる2つの期間として、第1,第2対象日とした場合、第1対象日は、前日、前年同月日、前年同月の1日単位の平均値、前年の1日単位の平均値、ある日から当日までの1日単位の平均値等に設定され、その設定方法には限定されない。
【0042】
また、事象検出部1cは、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量に影響を与える事象である外的影響を検出しており、本実施形態では、屋内の人の1日当たりの滞在時間を検出している。しかし、外的影響としては、屋外温度、屋外湿度、屋内温度、屋内湿度、音、風速、照度等がある。そこで、センサ4に温度センサ、湿度センサ、マイクロホン、風速計、照度センサ、カメラ等を追加して、屋外温度、屋外湿度、屋内温度、屋内湿度、音、風速、照度等の他の外的影響を、滞在時間と併せて用いてもよい。
【0043】
(実施形態2)
本実施形態の電力管理装置を用いた電力管理システムは、実施形態1と同様に図1に示す構成を備えており、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0044】
まず、センサ4は、屋外の気温(外気温)を検出する気温センサで構成され、外気温の測定結果であるセンサ信号を定期的に作成して、電力管理装置1へセンサ信号を送信する。
【0045】
電力管理装置1の事象検出部1cは、外気温の測定結果であるセンサ信号を一定間隔で取得し、このセンサ信号に基づいて、1日当たりの外気温の平均値を検出する。この外気温の平均値は、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量(特に空調機器の電気使用量)に影響を与える事象であり、電気使用量に対する外的影響である。
【0046】
事象記憶部1dは、事象検出部1cが検出した外気温の平均値のデータ(外気温データ)を格納する。事象記憶部1dに格納された外気温データは、図5に示すテーブルで構成され、年月日に対応した外気温の平均値が格納される。なお、「外気温データ」が、図4内の「事象データ」に相当する。
【0047】
そして、比較部1eは、図4(a)に示すフローチャートにしたがって動作する。まず、比較部1eは、比較対象となる2つの期間(ここでは、第1の対象日と、その後日の第2の対象日)を選択し、事象記憶部1d内の第1,第2対象日の各外気温データ(事象データ)を取得したか否かを判定する(S1)。第1,第2対象日の各外気温データを取得するまでステップS1の動作を繰り返し、第1,第2対象日の各外気温データを取得した場合、外気温の変化分を算出する(S2)。算出した外気温の変化分データは、第1計算部1fへ出力される(S3)。例えば、図5の外気温データでは、2010年3月26日と2010年3月27日の外気温の変化分は、2.7℃(=16℃−13.3℃)である。また、2010年3月27日と2010年3月28日の外気温の変化分は、−3.5℃(=12.5℃−16℃)である。
【0048】
ここで、外気温は、電気使用量に対する外的影響であって、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量に影響を与える事象であり、1日の外気温の上昇下降によって1日の電気使用量が変動する。以降、この外的影響による総電気使用量の変動分を外的影響電気使用量と称す。
【0049】
第1計算部1fは、図4(b)に示すフローチャートにしたがって動作する。まず、第1計算部1fは、比較部1eから外気温の変化分データを取得したか否かを判定する(S11)。外気温の変化分データを取得するまでステップS11の動作を繰り返し、外気温の変化分データを取得した場合、この外気温の変化による外的影響電気使用量を算出する。(S12)。第1計算部1fは、外気温の変化分と外的影響電気使用量との対応データを予め保持しており、比較部1eが算出した外気温の変化分をこの対応データに適用して、外的影響電気使用量を算出することで、本発明の換算部として機能する。例えば、空調機器の冷房動作では、外気温が1℃上昇すると、外的影響電気量はX(kWh)増加し、外気温が1℃下降すると、外的影響電気量はX(kWh)減少する。この対応データは、実測、シミュレーション等によって予め設定されている。算出した外的影響電気使用量のデータは、第2計算部1gおよび表示部1hへ出力される(S13)。
【0050】
次に、第2計算部1gは、図4(c)に示すフローチャートにしたがって動作する。まず、第2計算部1gは、電力記憶部1b内の第1,第2対象日の各総電気使用量データを取得したか否かを判定する(S21)。第1,第2対象日の各総電気使用量データを取得するまでステップS21の動作を繰り返し、第1,第2対象日の各総電気使用量データを取得した場合、総電気使用量の差分を算出する(S22)。例えば、図2の電気使用量データでは、2010年3月26日と2010年3月27日の総電気使用量の差分は、2kWh(=12kWh−10kWh)である。また、2010年3月27日と2010年3月28日の総電気使用量の差分は、−3kWh(=9kWh−12kWh)である。
【0051】
そして第2計算部1gは、第1計算部1fから外的影響電気使用量のデータを取得したか否かを判定する(S23)。外的影響電気使用量のデータを取得するまでステップS21の動作を繰り返す。外的影響電気使用量のデータを取得した場合、ステップS22で算出した第1,第2対象日の総電気使用量の差分と、ステップS23で取得した外的影響電気使用量とに基づいて、内的影響電気使用量を算出する(S24)。内的影響電気使用量とは、ユーザの直接の行動により消費されたと考えられる総電気使用量であり、ここでは、第1,第2対象日の各総電気使用量の差分から外的影響電気使用量を引いた残りの電気使用量である。例えば、ユーザの直接の行動とは、ユーザの機器3の使い方であり、内的影響電気使用量は、ユーザの機器3の使い方によって増減した総電気使用量である。
【0052】
算出した内的影響電気使用量のデータは、表示部1hへ出力される(S25)。
【0053】
表示部1hは、第1計算部1fから取得した外的影響電気使用量、第2計算部1gから取得した内的影響電気使用量を、LCD等の表示画面に表示する。したがって、ユーザは、表示部1hによって、第1,第2対象日の各総電気使用量の差分のうち、ユーザの意思に関係ない外的影響による外的影響電気使用量が提示され、外的影響によるエネルギー使用量への影響を把握できる。また、ユーザは、ユーザの直接の行動により消費されたと考えられる内的影響電気使用量が提示され、内的影響によるエネルギー使用量への影響を把握できる。
【0054】
このように、総電気使用量の増減の要因と思われる項目を、外的影響電気使用量および内的影響電気使用量としてユーザに提示している。すなわち、ユーザは、ユーザの意思に関係ない外的影響による総電気使用量と、ユーザの直接の行動により消費されたと考えられる内的影響による総電気使用量とを分けて提示される。したがって、総電気使用量の増減に対する、外的影響と内的影響との各影響度合を把握できる。
【0055】
例えば、ユーザが省エネルギー化のための努力をしているにも関わらず、ユーザの意思に関係ない外的影響によって(本実施形態では外気温が高かったことによって)、総電気使用量が思ったほど減少しないことがある。しかしながら本実施形態において、ユーザは、外気温が高かったことによって総電気使用量が増加したことを把握でき、ユーザは、省エネルギー化のための努力を継続させるモチベーションを維持することが可能となる。
【0056】
また、ユーザによる機器3の使い方等のような内的影響による内的影響電気使用量も提示されるので、省エネルギー化に貢献するユーザ自身の行動が明示され、効果的な省エネ行動が提示される。
【0057】
また、本実施形態では、比較対象となる2つの期間を1日単位に設定している。しかし、比較対象となる2つの期間として、1ヶ月単位、1年単位、任意の期間単位に設定してもよく、この設定した2つの期間の各総電気使用量の差分から、上記解析処理を行ってもよい。
【0058】
また、総電気使用量の差分を求める際には、例えば比較対象となる2つの期間を1日単位に設定した場合、1日の電気使用量の累積値から差分を求める構成、1ヶ月の電気使用量の1日単位の平均値から差分を求める構成等がある。したがって、比較対象となる2つの期間の設定形態に適した構成を用いて、総電気使用量の差分を求めればよい。
【0059】
また、比較対象となる2つの期間として、第1,第2対象日とした場合、第1対象日は、前日、前年同月日、前年同月の1日単位の平均値、前年の1日単位の平均値、ある日から当日までの1日単位の平均値等に設定され、その設定方法には限定されない。
【0060】
また、事象検出部1cは、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量に影響を与える事象である外的影響を検出しており、本実施形態では、1日当たりの外気温の平均値を検出している。しかし、外的影響としては、屋外湿度、屋内温度、屋内湿度、音、風速、照度、滞在時間等がある。そこで、センサ4に湿度センサ、マイクロホン、風速計、照度センサ、カメラ、人感センサ等を追加して、屋外湿度、屋内温度、屋内湿度、音、風速、照度、滞在時間等の他の外的影響を、外気温と併せて用いてもよい。
【0061】
(実施形態3)
本実施形態の電力管理装置を用いた電力管理システムは、実施形態1,2と同様に図1に示す構成を備えており、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0062】
まず、センサ4は、屋内の人を検知する人感センサと、屋外の気温(外気温)を検出する気温センサとで構成される。人感センサは、屋内の人の在・不在を判別するセンサ信号を定期的に作成して、電力管理装置1へセンサ信号を送信し、気温センサは、外気温の測定結果であるセンサ信号を定期的に作成して、電力管理装置1へセンサ信号を送信する。
【0063】
電力管理装置1の事象検出部1cは、屋内の人の在・不在を判別するセンサ信号を一定間隔で取得し、このセンサ信号に基づいて、屋内の人の1日当たりの滞在時間を検出する。さらに事象検出部1cは、外気温の測定結果であるセンサ信号を一定間隔で取得し、このセンサ信号に基づいて、1日当たりの外気温の平均値を検出する。この屋内の人の滞在時間および外気温の平均値は、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量に影響を与える事象であり、電気使用量に対する外的影響である。外気温は、特に空調機器の電気使用量に影響を与える。
【0064】
事象記憶部1dは、事象検出部1cが検出した屋内の人の1日当たりの滞在時間のデータ(滞在時間データ)、および外気温の平均値のデータ(外気温データ)を格納する。事象記憶部1dに格納された滞在時間データおよび外気温データは、図6に示すテーブルで構成され、年月日に対応した滞在時間および外気温の平均値が格納される。なお、「滞在時間データ」および「外気温データ」が、図4内の「事象データ」に相当する。
【0065】
そして、比較部1e、第1計算部1f、第2計算部1gは、図4(a)(b)(c)に示す各フローチャートにしたがって動作する。本実施形態において、比較部1eは、滞在時間の変化分データおよび外気温の変化分データを算出して、第1計算部1fへ出力する。そして、第1計算部1fは、滞在時間の変化分および外気温の変化分と外的影響電気使用量との対応データを予め保持しており、比較部1eが算出した滞在時間の変化分および外気温の変化分をこの対応データに適用して、外的影響電気使用量を算出する。すなわち、第1計算部1fは、本発明の換算部として機能する。第1計算部1fが算出した外的影響電気使用量のデータは、第2計算部1gおよび表示部1hへ出力される。そして、第2計算部1gは、第1,第2対象日の総電気使用量の差分と、外的影響電気使用量とに基づいて、内的影響電気使用量を算出し、表示部1hへ出力する。なお、図4(a)(b)(c)のフローチャートにしたがった詳細な動作説明は、実施形態1,2と略同様であるので省略する。
【0066】
表示部1hは、第1計算部1fから取得した外的影響電気使用量、第2計算部1gから取得した内的影響電気使用量を、LCD等の表示画面に表示する。したがって、ユーザは、表示部1hによって、第1,第2対象日の各総電気使用量の差分のうち、ユーザの意思に関係ない外的影響による外的影響電気使用量が提示され、外的影響によるエネルギー使用量への影響を把握できる。また、ユーザは、ユーザの直接の行動により消費されたと考えられる内的影響電気使用量が提示され、内的影響によるエネルギー使用量への影響を把握できる。
【0067】
このように、総電気使用量の増減の要因と思われる項目を、外的影響電気使用量および内的影響電気使用量としてユーザに提示している。すなわち、ユーザは、ユーザの意思に関係ない外的影響による総電気使用量と、ユーザの直接の行動により消費されたと考えられる内的影響による総電気使用量とを分けて提示される。したがって、総電気使用量の増減に対する、外的影響と内的影響との各影響度合を把握できる。
【0068】
例えば、ユーザが省エネルギー化のための努力をしているにも関わらず、ユーザの意思に関係ない外的影響によって(本実施形態では、滞在時間が長かったこと、または外気温が高かったことによって)、総電気使用量が思ったほど減少しないことがある。しかしながら本実施形態において、ユーザは、滞在時間が長かったこと、または外気温が高かったことによって総電気使用量が増加したことを把握でき、ユーザは、省エネルギー化のための努力を継続させるモチベーションを維持することが可能となる。
【0069】
また、ユーザによる機器3の使い方等のような内的影響による内的影響電気使用量も提示されるので、省エネルギー化に貢献するユーザ自身の行動が明示され、効果的な省エネ行動が提示される。
【0070】
また、本実施形態では、比較対象となる2つの期間を1日単位に設定している。しかし、比較対象となる2つの期間として、1ヶ月単位、1年単位、任意の期間単位に設定してもよく、この設定した2つの期間の各総電気使用量の差分から、上記解析処理を行ってもよい。
【0071】
また、総電気使用量の差分を求める際には、例えば比較対象となる2つの期間を1日単位に設定した場合、1日の電気使用量の累積値から差分を求める構成、1ヶ月の電気使用量の1日単位の平均値から差分を求める構成等がある。したがって、比較対象となる2つの期間の設定形態に適した構成を用いて、総電気使用量の差分を求めればよい。
【0072】
また、比較対象となる2つの期間として、第1,第2対象日とした場合、第1対象日は、前日、前年同月日、前年同月の1日単位の平均値、前年の1日単位の平均値、ある日から当日までの1日単位の平均値等に設定され、その設定方法には限定されない。
【0073】
また、事象検出部1cは、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量に影響を与える事象である外的影響を検出しており、本実施形態では、屋内の人の1日当たりの滞在時間、および1日当たりの外気温の平均値を検出している。しかし、外的影響としては、屋外湿度、屋内温度、屋内湿度、音、風速、照度等がある。そこで、センサ4に湿度センサ、マイクロホン、風速計、照度センサ等を追加して、屋外湿度、屋内温度、屋内湿度、音、風速、照度等の他の外的影響を、滞在時間および外気温と併せて用いてもよい。
【0074】
(実施形態4)
本実施形態の電力管理装置1は、図7に示す構成を備えており、実施形態1乃至3いずれかと同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0075】
まず、電力管理装置1は、第3計算部1i(第3の計算部)を備えており、第3計算部1iは、電力記憶部1b内の第1,第2対象日の各総電気使用量データを取得する。そして、第3計算部1iは、第1,第2対象日の総電気使用量の差分を算出し、表示部1hへ出力する。
【0076】
表示部1hは、第1計算部1fから取得した外的影響電気使用量、第3計算部1iから取得した総電気使用量の差分を、LCD等の表示画面に表示する。したがって、ユーザは、表示部1hによって、第1,第2対象日の各総電気使用量の差分が提示され、さらに外的影響電気使用量を提示される。ユーザは、この提示された各情報を比較することによって、第1,第2対象日の各総電気使用量の差分のうち、ユーザの意思に関係ない外的影響による外的影響電気使用量の割合を把握できる。
【0077】
また、図7の構成に、実施形態1乃至3の第2計算部1gを付加し、第2計算部1gが算出した内的影響電気使用量も併せて表示部1hに表示してもよい。
【0078】
(実施形態5)
本実施形態では、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量に影響を与える外的影響として、実施形態3と同様に、屋内の人の滞在状況と外気温とを考慮する。そして、滞在時間データおよび外気温データを用いた場合、滞在時間および外気温に対して、互いに異なる係数を乗じて外的影響電気使用量を算出することを特徴とする。
【0079】
まず、事象記憶部1dに格納された滞在時間データおよび外気温データは、図8に示すテーブルで構成されるものとする。そして、第1計算部1fは、比較部1eが算出した滞在時間の変化分および外気温の変化分の各々に互いに異なる係数を乗じて、外的影響電気使用量を算出する。
【0080】
図9(a)は、滞在時間の変化分に乗じる係数Kaを示す。滞在時間の変化分がY1未満の場合、係数Ka=1、滞在時間の変化分がY1以上、Y2以下の場合、係数Ka=0、滞在時間の変化分がY2を超えている場合、係数Ka=1に設定される。なお、Y1<0<Y2とする。
【0081】
図9(b)は、外気温の変化分に乗じる係数Kbを示す。外気温の変化分がY11未満の場合、係数Kb=5、外気温の変化分がY11以上、Y12以下の場合、係数Kb=0、外気温の変化分がY12を超えている場合、係数Kb=5に設定される。なお、Y11<0<Y12とする。
【0082】
そして、第1計算部1fは、各変化分に係数Ka,Kbを乗じる。図9(a)(b)では、滞在時間および外気温の各変化分の絶対値が小さい場合には、係数Ka,Kbを「0」に設定しており、この変化分を無視する。また、滞在時間および外気温の各変化分の絶対値が大きい場合には、係数Ka,Kbを「1」,「5」に設定しており、この変化分を有効とする。
【0083】
さらに、滞在時間の変化よりも外気温の変化のほうが、電気使用量に大きな影響を与えることから、滞在時間の変化分が有効時の係数Ka=1、外気温の変化分が有効時の係数Kb=5に設定している。したがって、外的影響電気使用量に影響を与える割合は、滞在時間よりも外気温のほうが大きくなっている。
【0084】
そして、第1計算部1fは、滞在時間の変化分および外気温の変化分と外的影響電気使用量との対応データを予め保持している。そして、比較部1eが算出した滞在時間の変化分および外気温の変化分をこの対応データに適用して、滞在時間の変化分に対応した外的影響電気使用量と、外気温の変化分に対応した外的影響電気使用量とを個別に算出する。
【0085】
この対応データは、例えば、滞在時間の変化分「1時間」と外気温の変化分「1℃」とが、外的影響電気使用量の同一量に対応している。例えば、空調機器の冷房動作では、滞在時間が1時間増えた場合と外気温が1℃上昇した場合とでは、外的影響電気量は同じX(kWh)増加する。また、滞在時間が1時間減った場合と外気温が1℃下降した場合とでは、外的影響電気量は同じX(kWh)減少する特性に設定されている。
【0086】
このような対応データに、上記係数Ka,Kbの乗算処理を組み合わせると、外気温の実際の変化分「1℃」は、滞在時間の実際の変化分「5時間」に相当している。したがって、比較部1eが算出した滞在時間の変化分および外気温の変化分をこの対応データに適用して、外的影響電気使用量を算出した結果には、滞在時間と外気温との外的影響電気使用量に影響を与える割合が考慮されている。
【0087】
また、滞在時間に基づく外的影響電気使用量と、外気温に基づく外的影響電気使用量とを、個別に算出した後に加算するので、外的影響電気使用量の算出結果の精度が向上する。
【0088】
なお、係数Ka,Kbは、滞在時間、外気温を変数とする多項式で表されてもよく、対数式、指数関数式を用いた式で表されてもよい。
【0089】
(実施形態6)
本実施形態では、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量に影響を与える外的影響として、実施形態3と同様に、屋内の人の滞在状況と外気温との両方を考慮する。しかしながら、屋内の人の滞在状況には、滞在時間データとともに、屋内の人の滞在人数(滞在人数データ)を併せて用いる点が実施形態3とは異なる。
【0090】
屋内の人の滞在状況を検知するセンサ4は、屋内の人の在・不在だけでなく、滞在人数を判別可能なセンサ信号を作成して、電力管理装置1へセンサ信号を送信する。この滞在人数を判別可能なセンサ4は、監視カメラを用いた画像処理手段や、赤外線センサ、レーザセンサ、IDタグリーダを用いた入退場管理手段等を用いて構成される。
【0091】
本実施形態のセンサ4は、上記滞在人数を判別可能なセンサ以外に、外気温を検出する気温センサも用いており、気温センサは、外気温の測定結果であるセンサ信号を定期的に作成して、電力管理装置1へセンサ信号を送信する。
【0092】
そして、電力管理装置1の事象検出部1cは、センサ4からのセンサ信号を取得し、このセンサ信号に基づいて、屋内の滞在人数と、この滞在人数での滞在時間とを検出し、滞在人数(人)と滞在時間(時間)との乗算結果[滞在人数×滞在時間]を導出する。さらに、外気温の測定結果であるセンサ信号を一定間隔で取得し、このセンサ信号に基づいて、1日当たりの外気温の平均値を検出する。この[滞在人数×滞在時間]、および外気温の平均値は、ユーザの意思に関わらず屋内の電気使用量(空調機器、テレビ装置、照明器具、音楽プレーヤ等の電気使用量)に影響を与える事象であり、電気使用量に対する外的影響である。
【0093】
事象記憶部1dは、事象検出部1cが導出した[滞在人数×滞在時間]データ、および外気温の平均値のデータ(外気温データ)を格納する。事象記憶部1dに格納された[滞在人数×滞在時間]データおよび外気温データは、図10に示すテーブルで構成され、年月日に対応した滞在時間、滞在人数、[滞在人数×滞在時間]、外気温の平均値が格納される。なお、「[滞在人数×滞在時間]データ」および「外気温データ」が、図4内の「事象データ」に相当する。
【0094】
なお、1日間に滞在人数が変動する場合、滞在人数毎に滞在時間を算出し、この算出した滞在人数毎の[滞在人数×滞在時間]の和を、1日の[滞在人数×滞在時間]データとする。
【0095】
そして、比較部1e、第1計算部1f、第2計算部1gは、図4(a)(b)(c)に示す各フローチャートにしたがって動作する。本実施形態において、比較部1eは、[滞在人数×滞在時間]の変化分データおよび外気温の変化分データを算出して、第1計算部1fへ出力する。第1計算部1fは、[滞在人数×滞在時間]の変化分および外気温の変化分と外的影響電気使用量との対応データを予め保持している。そして、第1計算部1fは、比較部1eが算出した[滞在人数×滞在時間]の変化分および外気温の変化分をこの対応データに適用して、外的影響電気使用量を算出することで、本発明の換算部として機能する。算出した外的影響電気使用量のデータは、第2計算部1gおよび表示部1hへ出力される。そして、第2計算部1gは、第1,第2対象日の総電気使用量の差分と、外的影響電気使用量とに基づいて、内的影響電気使用量を算出し、表示部1hへ出力する。なお、図4(a)(b)(c)のフローチャートにしたがった詳細な動作説明は、実施形態1乃至3と略同様であるので省略する。
【0096】
表示部1hは、第1計算部1fから取得した外的影響電気使用量、第2計算部1gから取得した内的影響電気使用量を、LCD等の表示画面に表示する。したがって、ユーザは、表示部1hによって、第1,第2対象日の各総電気使用量の差分のうち、ユーザの意思に関係ない外的影響による外的影響電気使用量が提示され、外的影響によるエネルギー使用量への影響を把握できる。また、ユーザは、ユーザの直接の行動により消費されたと考えられる内的影響電気使用量が提示され、内的影響によるエネルギー使用量への影響を把握できる。
【0097】
さらに、屋内の人の滞在状況として、滞在時間データとともに、滞在人数データを併せて用いることによって、屋内の人の滞在状況による外的影響電気使用量をより詳細に算出できる。
【0098】
また、[滞在人数×滞在時間]に基づく外的影響電気使用量と、外気温に基づく外的影響電気使用量とを、個別に算出した後に加算することによって、外的影響電気使用量の算出結果の精度がさらに向上する。
【0099】
(実施形態7)
図11に示す本実施形態の電力管理装置1は、第4計算部1j(第4の計算部)を備えており、実施形態1乃至6と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0100】
まず、電力管理装置1の取得部1aは、電力計測部2との間で通信可能に構成され、1日に1回、電力計測部2から各機器3の電気使用量データを定期的に取得し、機器3毎の個別の電気使用量を電力記憶部1bに格納する。この電気使用量データには、機器3の名称(機器名)、この機器3が配置されている部屋名の情報も含まれている。電力記憶部1bに格納された電気使用量データは、図12に示すテーブルで構成され、年月日に対応した各機器3の1日の電気使用量(機器別電気使用量)と、部屋毎の機器3の1日の電気使用量の合計(部屋別電気使用量)とが、部屋名と機器名とともに格納される。
【0101】
そして、比較部1e、第1計算部1f、第2計算部1gは、図4(a)(b)(c)に示す各フローチャートにしたがって動作し、第1計算部1fは、外的影響電気使用量を算出する。算出した外的影響電気使用量のデータは、第2計算部1gおよび表示部1hへ出力される。そして、第2計算部1gは、第1,第2対象日の総電気使用量の差分と、外的影響電気使用量とに基づいて、内的影響電気使用量を算出し、表示部1hへ出力する。なお、図4(a)(b)(c)のフローチャートにしたがった詳細な動作説明は、実施形態1乃至3と略同様であるので省略する。
【0102】
次に、第4計算部1jは、図13に示すフローチャートにしたがって動作する。まず、第4計算部1jは、電力記憶部1b内の第1,第2対象日の機器別電気使用量データの各々を全て取得したか否かを判定する(S31)。第4計算部1jは、第1,第2対象日の機器別電気使用量データの各々を全て取得するまでステップS31の動作を繰り返す。第4計算部1jは、第1,第2対象日の機器別電気使用量データの各々を全て取得した後、第1計算部1fから、外的影響電気使用量のデータを取得する(S32)。第4計算部1jは、外的影響電気使用量のデータを取得するまでステップS32の動作を繰り返す。第4計算部1jは、外的影響電気使用量のデータを取得した後、各機器3の機器別の内的影響電気使用量を算出する(S33)。
【0103】
ステップS31〜S33における各処理について、具体的に説明する。まず、第4計算部1jは、ステップS31において、図14に示す機器別電気使用量データを取得したとする。そして、ステップS32において第1計算部1fから取得した外的影響電気使用量をLとした場合、ステップS33で算出するエアコン(リビング)の内的影響電気使用量Wa、テレビ(リビング)の内的影響電気使用量Wbは、以下のようになる。ここで、第1,第2の対象日において、エアコン(リビング)の機器別電気使用量は、Wa1,Wa2、テレビ(リビング)の機器別電気使用量は、Wb1,Wb2とする(図14参照)。
Wa=Wa2−[Wa1+{Wa1/(Wa1+Wb1)×L}]
Wb=Wb2−[Wb1+{Wb1/(Wa1+Wb1)×L}]
外的影響電気使用量Lは、機器別電気使用量の比[Wa1/(Wa1+Wb1)またはWa2/(Wa1+Wb1)]に応じて、機器3の各々に影響を与えると仮定する。そして、機器3毎の内的影響電気使用量は、第1,第2対象日の各機器別電気使用量の差分から、外的影響電気使用量Lに機器別電気使用量の比を乗じた値を引くことによって、上記のように算出される。あるいは、機器3毎の内的影響電気使用量の算出時には、第1,第2対象日の各機器別電気使用量の差分から、機器3の数で外的影響電気使用量Lを等分した結果を引いてもよい。あるいは、特定の機器3のみに、機器3毎の外的影響電気使用量を割り付けてもよい。
【0104】
次に、第4計算部1jは、機器別の内的影響電気使用量(Wa,Wb)が、予め決められた閾値Wtを超えているか否かを、機器3毎に判定する(S34)。そして、機器別の内的影響電気使用量が閾値Wtを超えた機器3があれば、内的影響電気使用量が閾値Wtを超えた超過分が大きい順に、機器3に順位を付ける。そして、内的影響電気使用量が閾値Wtを超えた機器3に関する情報(機器名、部屋名、超過順位等)を表示部1hへ出力する(S35)。
【0105】
表示部1hは、第1計算部1fから取得した外的影響電気使用量、第2計算部1gから取得した内的影響電気使用量を、LCD等の表示画面に表示する。さらに、表示部1hは、第4計算部1jから取得した、内的影響電気使用量が閾値Wtを超えた機器3に関する情報(機器名、部屋名、超過順位等)も、表示画面に表示する。
【0106】
したがって、ユーザは、内的影響電気使用量に占める割合が多い機器3を特定できるため、省エネ行動の対象機器をより効率的にユーザに対して喚起でき、ユーザによる効果的な省エネ行動を促進できる。
【0107】
(実施形態8)
図15に示す本実施形態の電力管理装置1は、第5計算部1k(第5の計算部)を備えており、実施形態1乃至6と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0108】
まず、電力管理装置1の取得部1aは、電力計測部2との間で通信可能に構成され、1日に1回、電力計測部2から各機器3の電気使用量データを定期的に取得し、機器3毎の個別の電気使用量を電力記憶部1bに格納する。この電気使用量データには、機器3の名称(機器名)、この機器3が配置されている部屋名の情報も含まれている。電力記憶部1bに格納された電気使用量データは、図12に示すテーブルで構成され、年月日に対応した各機器3の1日の電気使用量(機器別電気使用量)と、部屋毎の機器3の1日の電気使用量の合計(部屋別電気使用量)とが、部屋名と機器名とともに格納される。
【0109】
そして、比較部1e、第1計算部1f、第2計算部1gは、図4(a)(b)(c)に示す各フローチャートにしたがって動作し、第1計算部1fは、外的影響電気使用量を算出する。算出した外的影響電気使用量のデータは、第2計算部1gおよび表示部1hへ出力される。そして、第2計算部1gは、第1,第2対象日の総電気使用量の差分と、外的影響電気使用量とに基づいて、内的影響電気使用量を算出し、表示部1hへ出力する。なお、図4(a)(b)(c)のフローチャートにしたがった詳細な動作説明は、実施形態1乃至3と略同様であるので省略する。
【0110】
次に、第5計算部1kは、第1,第2対象日における機器別電気使用量の変化量を機器3毎に算出する。そして、第1,第2対象日における機器別電気使用量の増大分が大きい順に、各機器3に優先度を付与する。ここで、各機器3の外部影響電気量の変動がほぼ同じ傾向である場合(例えば、同じ種別の機器3、または全ての機器3に対してほぼ同様の影響を与える外的影響)、各機器3に付与された上記優先度は、内的影響電気量が大きい順位に相当する。そして、第5計算部1kは、この優先度が高い所定数の機器3(内的影響電気使用量に占める割合が多い上位の機器3)の情報を表示部1hへ出力する。すなわち、第5計算部1kは、内的影響電気量が大きい機器3を特定するのである。
【0111】
表示部1hは、第1計算部1fから取得した外的影響電気使用量、第2計算部1gから取得した内的影響電気使用量を、LCD等の表示画面に表示する。さらに、表示部1hは、第5計算部1kから取得した機器3に関する情報(内的影響電気使用量に占める割合が多い機器3に関する情報)も、表示画面に表示する。
【0112】
したがって、ユーザは、内的影響電気使用量に占める割合が多い機器3を特定できるため、省エネ行動の対象機器をより効率的にユーザに対して喚起でき、ユーザによる効果的な省エネ行動を促進できる。また、第5計算部1kは、第1,第2対象日における機器別電気使用量の変化量を算出するという簡易な処理を行うことによって、内的影響電気使用量に占める割合が多い機器3を特定することができる。すなわち、機器別の内的影響電気使用量を算出する必要がない。
【0113】
また、上記各実施形態において、電力管理装置1を構成する各部を、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して接続された他の端末に設けて、電力管理システムを構成してもよい。この場合、各部はネットワークを介した通信を行うことで、各情報の授受を行う。
【符号の説明】
【0114】
1 電力管理装置
1a 取得部
1b 電力記憶部(第1の記憶部)
1c 事象検出部(検出部)
1d 事象記憶部(第2の記憶部)
1e 比較部
1f 第1計算部(第1の計算部)
1g 第2計算部(第2の計算部)
1h 表示部
2 電力計測部
3 機器
4 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内の機器の電気使用量を取得する取得部と、
この取得した電気使用量の履歴を格納する第1の記憶部と、
少なくとも屋内の人の滞在状況を検出する検出部と、
前記滞在状況の履歴を格納する第2の記憶部と、
互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況の変化分を検出する比較部と、
前記滞在状況の変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、
前記外的影響電気量を表示する表示部と
を備えることを特徴とする電力管理装置。
【請求項2】
屋内の機器の電気使用量を取得する取得部と、
この取得した電気使用量の履歴を格納する第1の記憶部と、
少なくとも所定空間の気温を検出する検出部と、
前記気温の履歴を格納する第2の記憶部と、
互いに異なる2つの各期間における前記気温の変化分を検出する比較部と、
前記気温の変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、
前記外的影響電気量を表示する表示部と
を備えることを特徴とする電力管理装置。
【請求項3】
屋内の機器の電気使用量を取得する取得部と、
この取得した電気使用量の履歴を格納する第1の記憶部と、
少なくとも屋内の人の滞在状況および所定空間の気温を検出する検出部と、
前記滞在状況の履歴および前記気温の履歴を格納する第2の記憶部と、
互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況および前記気温の各変化分を検出する比較部と、
前記滞在状況および前記気温の各変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、
前記外的影響電気量を表示する表示部と
を備えることを特徴とする電力管理装置。
【請求項4】
前記滞在状況は、前記期間において、屋内に存在する人の滞在時間と屋内に存在する人の人数とを乗じた値で表されることを特徴とする請求項1または3記載の電力管理装置。
【請求項5】
前記第1の計算部は、互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況の変化分、または互いに異なる2つの各期間における前記気温の変化分、または互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況および前記気温の各変化分を、前記外的影響電気量に換算する換算部を備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の電力管理装置。
【請求項6】
前記2つの各期間における前記機器の電気使用量の変化量と前記外的影響電気量との差を内的影響電気量として算出する第2の計算部を備え、前記表示部は、前記外的影響電気量と前記内的影響電気量とを表示することを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の電力管理装置。
【請求項7】
前記2つの各期間における前記機器の電気使用量の変化量を算出する第3の計算部を備え、前記表示部は、前記外的影響電気量と前記機器の電気使用量の変化量とを表示することを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の電力管理装置。
【請求項8】
前記取得部は、複数の機器の各々の電気使用量を取得し、
前記第1の記憶部は、前記機器毎の電気使用量の履歴を格納し、
前記2つの各期間における前記複数の機器の各々の電気使用量の変化量と前記複数の機器の各々の前記外的影響電気量との差を、前記複数の機器の各々の前記内的影響電気量として算出し、所定の判断基準に基づいて前記内的影響電気量が大きいと判別される前記機器を特定する第4の計算部を備える
ことを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の電力管理装置。
【請求項9】
前記取得部は、複数の機器の各々の電気使用量を取得し、
前記第1の記憶部は、前記機器毎の電気使用量の履歴を格納し、
前記2つの各期間における前記複数の機器の各々の電気使用量の変化量を算出し、この算出した前記機器毎の電気使用量の変化量に基づいて、前記内的影響電気量が大きいと判別される前記機器を特定する第5の計算部を備える
ことを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の電力管理装置。
【請求項10】
屋内の機器の電気使用量を計測する計測部と、
電気使用量の計測結果の履歴を格納する第1の記憶部と、
少なくとも屋内の人の滞在状況を検出する検出部と、
前記滞在状況の履歴を格納する第2の記憶部と、
互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況の変化分を検出する比較部と、
前記滞在状況の変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、
前記外的影響電気量を表示する表示部と
を備えることを特徴とする電力管理システム。
【請求項11】
屋内の機器の電気使用量を計測する計測部と、
電気使用量の計測結果の履歴を格納する第1の記憶部と、
少なくとも所定空間の気温を検出する検出部と、
前記気温の履歴を格納する第2の記憶部と、
互いに異なる2つの各期間における前記気温の変化分を検出する比較部と、
前記気温の変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、
前記外的影響電気量を表示する表示部と
を備えることを特徴とする電力管理システム。
【請求項12】
屋内の機器の電気使用量を計測する計測部と、
電気使用量の計測結果の履歴を格納する第1の記憶部と、
少なくとも屋内の人の滞在状況および所定空間の気温を検出する検出部と、
前記滞在状況の履歴および前記気温の履歴を格納する第2の記憶部と、
互いに異なる2つの各期間における前記滞在状況および前記気温の各変化分を検出する比較部と、
前記滞在状況および前記気温の各変化分による前記機器の電気使用量の変化量を外的影響電気量として算出する第1の計算部と、
前記外的影響電気量を表示する表示部と
を備えることを特徴とする電力管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−47600(P2012−47600A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190001(P2010−190001)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)