説明

電力系統の監視制御システム

【課題】臨時系統での運用時においても、送電線の途中に遮断器を介して接続された発電設備の安定的な運転を継続し得る電力系統の監視制御システムを提供する。
【解決手段】それぞれ保護リレー2A,2Bにより動作される遮断器4A,4Bを備えた変電所A,Bと、送電線1の途中に遮断器8を介して接続される発電機Eと、遮断器4Aが切状態となったとき遮断器8を切状態とする転送遮断装置7とを有する電力系統の監視制御システムにおいて、監視制御手段11は、変電所Bから変電所Aに向かって電力を供給する臨時系統での運用に際し、遮断器4Bを入状態、遮断器4Aを切状態、転送遮断装置7を不使用モードとし、さらに発電機Eによる発電電力を送電線1に供給させる一方、送電線1で発生した故障13を保護リレー2Bが検出して遮断器4Bが切状態になった場合には、転送遮断装置7を使用モードとして遮断器8が切状態とされるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力系統の監視制御システムに関し、特に送電線の途中に遮断器を介して接続された発電設備により逆潮流が発生する可能性がある場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電力系統の二つの変電所間に敷設された送電線の途中に風力等の発電機を接続したものが提案されている。かかる電力系統において、発電機の接続により逆潮流が発生する可能があり、また特別高圧電線路である送電線に発電機を連系させる場合には、適正な電圧・周波数を逸脱した発電機の単独運転を防止するため、周波数上昇継電器、周波数低下継電器とともに転送遮断装置を設置する必要がある。
【0003】
そこで、従来技術に係るこの種の電力系統においては、常時系統における送電端となる変電所に転送遮断装置を設置して、送電線の故障(短絡、地絡等)により前記送電端側の変電所の遮断器が切状態になった場合には、転送遮断装置で発電機と送電線との間に配設された遮断器を切状態とすることにより発電機を送電線から切り離している。ここで、転送遮断装置は高価であるため、通常、常時系統における送電端となる変電所にのみ設置され、反対側の変電所には設置されていない。
【0004】
一方、上記電力系統においては、作業および故障時に系統変更を行なって運用を行なう場合がある。すなわち、通常は一方の変電所から他方の変電所に向けて電流を流す常時系統により運用されるが、前述の如く作業および故障時に対応する際には、他方の変電所から一方の変電所に向けて逆方向に電流を流す臨時系統により運用される場合がある。臨時系統による運用に際しては、常時系統における送電端の変電所に設置してある転送遮断装置では発電機と送電線との間の遮断器を操作することはできず、また前記送電端側と反対側の変電所には転送遮断装置が設置されていないので、送電線の故障時等における発電機の単独運転を防止することができない。このため、臨時系統の運用の際には発電機を停止させることで対応している。このため、臨時系統での運用中では発電支障が継続する問題が生じている。
【0005】
逆潮流を生起する可能性がある系統における保護継電システムを開示する先行技術として特許文献1がある。これは、本予備受電需要家や発電機を設備する需要家が接続されるスポットネットワーク系統において、変電所の中央監視制御装置と各需要家の端末装置との間に設ける光通信網を利用し、系統の故障発生で変電所の遮断器の開放を中央監視制御装置が検出し、光通信網を通して各需要家の端末装置に遮断器の遮断指令を転送することで保護動作を得るというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2002−135972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の如く、従来技術においては、臨時系統での運用の場合には発電機を停止させる必要があった。このため、発電支障が継続するという問題を生起していた。
【0008】
また、上述の如き電力系統においては系統全体の各機器の状態を検出するとともに、各機器の動作を制御するため、全体を統括する制御所に監視制御手段を設けている。したがって、制御所の監視制御手段との間に新たな通信回線を敷設して臨時系統での運用時の送電線における故障の発生を前記監視制御手段が検知した時点で発電設備と送電線との間に配設された遮断器を切状態とするように構成すれば上記問題は解決し得る。ただ、この場合は、通信回線の敷設に伴う新たなコストが発生するばかりでなく、通信回線を介しての制御であるため、通信回線の故障等により前記遮断器を安定的に切状態とすることができない事態が懸念される。また、前記特許文献1は、かかる新たな問題を有効に解決し得るものではない。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、臨時系統での運用時においても、送電線の途中に遮断器を介して接続された発電設備の安定的な運転を継続し得るようにした安価で安定的な動作が保証される電力系統の監視制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、一方の保護リレーにより動作される一方の遮断器を備えた一方の変電所と、他方の保護リレーにより動作される他方の遮断器を備えた他方の変電所と、前記一方および他方の変電所の間に設けられた送電線と、該送電線の途中に他の遮断器を介して接続されるとともに逆潮流を発生する可能性がある発電設備と、使用モードにおいて前記一方の遮断器が切状態である場合に前記他の遮断器を切状態とする転送遮断装置と、前記一方および他方の保護継電器、ならびに前記一方および他方の遮断器の動作状態を検出するとともに動作を制御する制御手段とを有する電力系統の監視制御システムにおいて、前記制御手段は、前記他方の変電所から前記一方の変電所に向かって電力を供給する臨時系統での前記電力系統の運用に際し、前記他方の遮断器を入状態、前記一方の遮断器を切状態、前記転送遮断装置を不使用モードとし、さらに前記他の遮断器を入状態として前記発電設備による発電電力を前記送電線に供給させる一方、前記送電線の途中で発生した故障を前記他方の保護リレーが検出して前記他方の遮断器が切状態になったことが検出された場合には、前記転送遮断装置を介して前記他の遮断器が切状態とされるよう前記転送遮断器を使用モードとすることを特徴とする電力系統の監視制御システムにある。
【0011】
本態様によれば、臨時系統での運用時において送電線に故障が発生した場合には、他方の保護リレーにより他方の遮断器が切状態となり、これらの状態が制御手段で検知される。かかる検知結果を受信した制御手段は転送遮断器を使用モードとする。このとき一方の遮断器は切状態となっているので、転送遮断器により他の遮断器が切状態とされ発電設備が送電線から切り離される。
【0012】
このように、本態様によれば、常時系統で運用時の送電側の変電所にのみ設置されている転送遮断装置を利用して臨時系統での運用時においても送電線の故障時には送電線の途中に遮断器を介して接続されている発電設備の前記遮断器を切状態とすることができる。したがって、前記転送遮断装置を利用して臨時系統での運用時における送電線の故障時に発電設備を送電線から切離すことができ、臨時系統での運用時であっても支障なく発電設備を継続して運転することができる。
【0013】
また、制御手段では、他方の遮断器の切情報および他方の保護リレーによる故障情報という複数の情報に基づく条件の成立で転送遮断装置を使用モードに変更しているので、他の遮断器は、一方の遮断器の切状態の成立と前記使用モードへの変更との2条件のアンドをとって切状態に切替えられる。この結果、かかる切替操作の信頼性は極めて高いものとなる。
【0014】
さらに、他の遮断器の切の条件は、一方の変電所において一方の遮断器の状態により決定されるので、操作信号を遠方から送出する場合に較べ誤操作の心配もない。
【0015】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する電力系統の監視制御システムにおいて、前記発電設備は、当該電力系統とは切り離した独立した制御が行われるものであることを特徴とする電力系統の監視制御システムにある。
【0016】
本態様によれば、発電設備の制御系の構成の自由度を向上させることができる。
【0017】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載する電力系統の監視制御システムにおいて、
前記発電設備は、当該電力系統の所有者とは異なる所有者のものであることを特徴とする電力系統の監視制御システムにある。
【0018】
本態様によれば、常時系統から臨時系統への系統変更時の発電支障が不要となるため、前記異なる所有者である顧客の満足度向上に寄与させることができる。
【0019】
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれか一つに記載する電力系統の監視制御システムにおいて、前記一方の遮断器は前記一方の変電所の変圧器の一次側および二次側でそれぞれ配設してあり、前記転送遮断器は何れか一方の遮断器が切状態となったときに動作するように構成したものであることを特徴とする電力系統の監視制御システムにある。
【0020】
本態様によれば、2個の遮断器で構成される一方の遮断器の何れかが切状態となることにより転送遮断器を動作させることができ、その分転送遮断器の動作を安定させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
1.電力系統において、作業および故障に伴ない系統変更の必要が生じた場合であっても、臨時系統への系統変更に際し、転送遮断装置の制約による発電設備の停止が不要となる。
2.常時系統から臨時系統への系統変更に伴う発電設備の停止が不要であるため、緊急時の即時系統変更を実施することができる。
3.送電線の遮断器の切(停電等)情報と故障情報とで、転送遮断装置により発電設備と送電線との間に配設した遮断器が切状態となるよう制御しているので、故障時対応の安定性および安全性を高く維持することができる。
4.既設の転送遮断装置を活用するため、新たな通信回線の構築が不要等、コストの高騰を可及的に抑制することができる。
5.系統変更時の発電停止に伴う支障が発生しないので、発電設備を所有する顧客の満足度向上に寄与させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る電力系統の監視制御システムを示すブロック図(常時系統)である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電力系統の監視制御システムを示すブロック図(臨時系統)である。
【図3】本発明の実施の形態における制御態様を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
図1および図2は本発明の実施の形態に係る電力系統の監視制御システムを示すブロック図である。両図に示すように、一方の変電所A(図中の一点差線で囲んだ部分)は、保護リレー2A、3Aによりそれぞれ動作される遮断器4A、5Aおよび所定の情報の授受を行なう遠隔監視制御装置6Aとともに転送遮断装置7の送信側7Aが配設してある。他方の変電所B(図中の二点差線で囲んだ部分)は、保護リレー2B、3Bによりそれぞれ動作される遮断器4B、5Bおよび所定の情報の授受を行なう遠隔監視制御装置6Bが配設してあるが、転送遮断装置7は設置されていない。コストの高騰を抑制するためである。
【0025】
ここで、遠隔監視制御装置(TC)6A,6Bは、本形態の場合は制御中継所Cの情報集配信装置(DX)10を介して制御所Dの監視制御手段11に所定の情報を送信するとともに、監視制御手段11が送信する所定の情報を情報集配信装置10を介してそれぞれ受信するようになっている。このため、遠隔監視制御装置6A,6Bと情報集配信装置10との間には通信回線14A,14B,15A,15Bが敷設してあり、また情報集配信装置10と監視制御手段11との間には通信回線16,17が敷設してある。
【0026】
ここで、遠隔監視制御装置6A,6Bから監視制御手段11に送信する所定の情報とは、保護リレー2A,2B,3A,3Bの状態を表す情報や遮断器4A,4B,5A,5Bの状態を表す情報とともに、転送遮断装置7の状態を表す情報が含まれる。かかる各情報は監視制御手段11で所定の処理が行われた後、モニター装置12に表示される。一方、監視制御手段11から遠隔監視制御装置6A,6Bに送信される所定の情報とは、保護リレー2A〜3Bを制御するための情報や遮断器4A〜5Bを制御するための情報とともに、転送遮断装置7を制御するための情報が含まれる。
【0027】
制御中継所Cは、例えば20〜30箇所の変電所A,B等の情報および変電所A,B等への情報を集約して当該電力系統を統括する制御所Dに送出するものであるが、必ずしも必要なものではなく、遠隔監視制御装置6A,6Bが制御所Dに直結されていても構わない。
【0028】
変電所A,B間の送電線1の途中には、発電機Eが遮断器8,9を介して接続されている。ここで、発電機Eは当該電力系統とは別の独立した制御系で制御されるように構成することができる。すなわち、当該電力系統を有する電力事業者と別の事業者の所有物であっても構わない。この場合、発電機Eおよび遮断器9が前記別の事業者の所有物となり、遮断器8は電力事業者の所有物となる。なお、発電機Eは送電線1に対し逆潮流を発生させる可能性があるものであり、例えば風力発電設備の発電機が好適な一例である。
【0029】
遮断器8は、所定の条件の下で転送遮断装置7の送信側7Aが送出する遮断信号を受信側7Bが受信した時点で送出されるトリップ信号で切状態とされる。
【0030】
かかる電力系統においては、通常時には、送電線1Aを介して変電所Aに供給され、送電線1を介して変電所Aから変電所Bに向かうような電流が供給される。これが、図1に示す常時系統の運用である。一方、作業や故障時の都合で、一時的に、送電線1Bを介して変電所Bに供給され、送電線1を介して変電所Bから変電所Aに向かうような電流が供給される場合がある。これが、図2に示す臨時系統の運用である。本形態では、常時系統での運用の際に送電端側となる変電所Aにのみ転送遮断装置7が設けてある。
【0031】
かかる電力系統の監視制御システムにおいて、図1に示す常時系統での運用の際には、遮断器4A,5Aを入状態とし、遮断器4Bを切状態とする。これは、制御所Dからの制御により行う。この結果、送電線1における電流は、変電所Aから変電所Bに向けて流れる。かかる状態で送電線1の途中で故障(短絡、地絡等;以下同じ。)13が発生すると、保護リレー2A,3Aのトリップ信号により遮断器4A,5Aが切状態となる。遮断器4Aの切状態と連動して転送遮断装置7の送信側7Aが受信側7Bに遮断信号を送出する。この結果、受信側7Bがトリップ信号により遮断器8を切状態とする。このことにより発電機Eが送電線1から切り離され、その単独運転が未然に防止される。
【0032】
一方、図2に示す臨時モードの運用の際には、遮断器4B,5Bを入状態とし、遮断器4Aを切状態とする。また、転送遮断装置7は不使用モードとする。これは、制御所Dからの制御により行う。この結果、送電線1における電流は、変電所Bから変電所Aに向けて流れる。このとき、遮断器8、9は入状態のままにして発電機Eによる送電線1に対する連系は継続させる。ちなみに、臨時系統の運用の際、従来は遮断器9を切状態にして発電機Eを送電線1から切り離している。かかる遮断器9の操作は当該電力系統の電力事業者以外の事業者の所有物の場合には、当該事業者に依頼して操作してもらっている。
【0033】
かかる臨時系統での運用中に送電線1の途中で故障13が発生すると、保護リレー2B,3Bのトリップ信号により遮断器4B,5Bが切状態となる。かかる状態は制御所Dで検知される。この結果を受けて、監視制御手段11は転送遮断装置7を使用モードにする。このとき、遮断器4Aは切状態となっているので、遮断器4Aの切状態と連動して転送遮断装置7の送信側7Aが受信側7Bに遮断信号を送出する。この結果、受信側7Bがトリップ信号により遮断器8を切状態とし、発電機Eが送電線1から切り離される。この結果、この場合も発電機Eの単独運転が未然に防止される。
【0034】
すなわち、図3に示すように、遮断器4Aの切状態と転送遮断装置7が使用モードであることとのアンド条件により遮断器8を切状態として発電機Eの切り離しが行われる。
【0035】
このように、本態様によれば、常時系統で運用時の送電側の変電所にのみ設置されている転送遮断装置7を利用して臨時系統での運用時においても送電線1に故障13が生起された場合には、遮断器8を切状態とすることができる。したがって、転送遮断装置7を利用して臨時系統での運用時における送電線1の故障時に発電機Eを送電線1から切離すことができる。このため、臨時系統での運用時であっても支障なく発電機Eを継続して運転することができる。
【0036】
また、監視制御手段11では、遮断器4Bの切情報および保護リレー2Bによる故障情報という複数の情報に基づく条件の成立で転送遮断装置7を使用モードに変更しているので、遮断器8は、遮断器4Aの切状態の成立と前記使用モードへの変更との2条件のアンドをとって切状態に切替えられる。この結果、切替操作の信頼性は極めて高いものとなる。さらに、遮断器8の切の条件は、変電所Aにおいて遮断器4Aの状態により決定されるので、操作信号を遠方から送出する場合に較べ誤操作の可能性を飛躍的に低減し得る。
【0037】
なお、上記実施の形態において転送遮断装置7は遮断器4Aの状態により遮断信号を送出するようにしたが、これに限るものではない。遮断器5Aの状態により遮断信号を送出するように構成しても勿論構わない。
【0038】
また、発電機Eは当該電力系統を所有する電力事業者とは別の事業者の所有物である場合について説明したが、かかる限定も必ずしも必要はない。ただ、所有者が別の場合に本願発明の固有の効果は顕著になる。臨時系統の運用に際し、発電機Eの停止をその所有者に求める必要がないからである。
【0039】
さらに制御手段を制御所Dの監視制御手段11に限定するものでもない。上述の如き所定の検出機能および制御機能を有するものであればそれ以上の限定はない。ただ、制御所Dの監視制御手段11を利用すれば、既存のシステムに臨時系統での運用時の転送遮断機能を補完する機能を持たせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は電力系統を備えて電力を供給する産業分野において有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
A,B 変電所
D 制御所
E 発電機
1,1A,1B 送電線
2A,2B,3A,3B 保護リレー
4A,4B,5A,5B 遮断器
7 転送遮断装置
8,9 遮断器
11 監視制御手段
13 故障

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の保護リレーにより動作される一方の遮断器を備えた一方の変電所と、他方の保護リレーにより動作される他方の遮断器を備えた他方の変電所と、前記一方および他方の変電所の間に設けられた送電線と、該送電線の途中に他の遮断器を介して接続されるとともに逆潮流を発生する可能性がある発電設備と、使用モードにおいて前記一方の遮断器が切状態である場合に前記他の遮断器を切状態とする転送遮断装置と、前記一方および他方の保護継電器、ならびに前記一方および他方の遮断器の動作状態を検出するとともに動作を制御する制御手段とを有する電力系統の監視制御システムにおいて、
前記制御手段は、前記他方の変電所から前記一方の変電所に向かって電力を供給する臨時系統での前記電力系統の運用に際し、前記他方の遮断器を入状態、前記一方の遮断器を切状態、前記転送遮断装置を不使用モードとし、さらに前記他の遮断器を入状態として前記発電設備による発電電力を前記送電線に供給させる一方、前記送電線の途中で発生した故障を前記他方の保護リレーが検出して前記他方の遮断器が切状態になったことが検出された場合には、前記転送遮断装置を介して前記他の遮断器が切状態とされるよう前記転送遮断器を使用モードとすることを特徴とする電力系統の監視制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載する電力系統の監視制御システムにおいて、
前記発電設備は、当該電力系統とは切り離した独立した制御が行われるものであることを特徴とする電力系統の監視制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載する電力系統の監視制御システムにおいて、
前記発電設備は、当該電力系統の所有者とは異なる所有者のものであることを特徴とする電力系統の監視制御システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載する電力系統の監視制御システムにおいて、
前記一方の遮断器は前記一方の変電所の変圧器の一次側および二次側でそれぞれ配設してあり、前記転送遮断器は何れか一方の遮断器が切状態となったときに動作するように構成したものであることを特徴とする電力系統の監視制御システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−253907(P2012−253907A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124658(P2011−124658)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】