説明

電力量計及び電力量計の表示器交換システム

【課題】 故障が生じ難く、交換作業が確実に行える電力量計及び電力量計の交換システムを提供すること。
【解決手段】 変流器の2次側と並列に接続した開閉器を有する電力量計基幹部と、電力量を演算、表示する演算表示部をカプラーで接離自在に接続した電力量計と、開閉器を閉じたときは表示灯を点灯させ、同時に前記演算表示部を新たな演算表示部と交換可能にし、該開閉器を開いたときに表示灯を消灯するように構成し、前記開閉器の開閉操作信号をパソコン等の情報処理装置に送出して前記電力量計の交換データとして表示又は記録することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配電設備に設ける電力量計(所謂、電力量積算計)の表示器を無停電で交換するシステムの技術分野に属する。更に具体的には、変流器を使用した電力量計を、電力供給を維持した状態で別の新らたな電力量計の表示器と交換可能にしたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力量計は電力の供給量の積算値を計測し、表示する計器であり非常に古くから使用されてきた。電力量計は長期間連続して使用される。しかし、電力量計、特に電力量計の演算表示部には長期間の使用によって劣化する素子やはんだ等の材料が使用されているために、長期間連続使用すると表示値に誤差が生じてくる。このために、計量法により特定計量器として規制を受け、一定期間ごと(例えば誘導型電力量計(変流器付)では施工納入後5年目毎に、電子式電力量計(変流器付)では施工納入後7年目毎に)に検定済みのものとの交換が義務づけられている。そこで、電力量計を劣化しにくい要素からなる電力量計の基幹部と劣化しやすい要素を含む演算表示部(又は、計器部)とに分割して構成し、演算表示部のみを一定期間経過する前に検定済みのものとの交換するようにしている。
【0003】
一方、使用される電力の電流が大電流であるために、電力量計には変流器が使用されている。このために、電流を流したまま演算表示部を電力量計の基幹部から離脱すると変流器の2次側に高圧が発生し、焼損事故等の危険な事態が生じかねない。そこで、従来は電源側をサーキットブレーカ等により電力供給を一時中断して演算表示部を交換していた。しかし、1日24時間動作し続けるサーバのコンピュータ供給電源では、電力供給を一時的にも中断すると、電力需要者にとってサーバのデータが消失するなど不都合を生じる場合が多くなった。このために、配電盤もしくは分電盤の電源配線に電力を供給したまま、演算表示部を交換できる無停電交換電力量計が開発され、実用化されるに至っている。
【0004】
無停電交換電力量計の従来装置例としては、特許文献1に記載されているもの(以下、従来装置1という。)がある。図8は従来装置1の回路例を示した図である。以下、図8により、この回路例を説明する。図8において、電力量計50の演算表示部51は電力量計基幹部(基礎変換部)52とコネクタ53により接離自在に接続される。電力量計基幹部52には電源端子P1、P2、P3及び負荷端子S1、S2、S3が設けられている。電源端子P1、P2、P3及び負荷端子S1、S2、S3は配線54,55,56により接続されている。また、P1−P2間の電圧、P2−P3間の電圧が変圧器57、58により計測用の小電圧に変換される。P1−S1間の電流、P3−S3間の電流は変流器59,60によって計測用の小電流に変換される。
【特許文献1】公開特許公報、特開平7−167894号
【0005】
変流器59,60の2次側には、定電圧ダイオードZ1、Z2並びにZ3,Z4が各々逆向きに接続したものが変流器59,60の2次側出力と並列に接続されている。従って、演算表示部51が電力量計基幹部52に接続されている場合はZ1、Z2の配線、Z3、Z4の配線に流れる電流はほぼゼロとなり、演算表示部51が電力量計基幹部52から離脱された場合はZ1、Z2の配線、Z3、Z4の配線の両端に小電圧Z1(又はZ2)、小電圧Z3(又はZ4)が生じるが、これらの小電圧は変流器59,60の2次側に発生する電圧よりも低いのでほぼ短絡状態になる。従って、上記のダイオード回路61は安全回路として作用し、電源電流を流した状態で演算表示部51を電力量計基幹部52から接離自在となり、演算表示部51の交換が可能になる。なお、変圧器62,63は補助電源用の変圧器である。
【0006】
従来装置1において、定電圧ダイオードZ1、Z2、Z3,Z4が故障して短絡すると演算表示部51に電流が流れず、電力量計50の表示に誤差が生じる。また、逆に絶縁すると変流器が焼損する事故が生じる。また、演算表示部51の交換は作業員によって行われるが、交換したデータが管理者の手元に届かない場合が多く、管理が十分に行われず、交換作業にミスが生じる可能性があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、以上に説明したような不都合な事態の発生を防止して、交換作業が確実に行えるようにする電力量計及び電力量計の交換システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は以下の手段を採用している。即ち、
請求項1に記載の発明は、電源に接続する端子と、負荷に接続する端子と、前記電源端子と前記負荷端子を接続する接続配線に1次側を対向させ、2次側から計測用電流を取り出す変流器とを配電盤或いは分電盤に備える配電設備の電力量計において、
前記接続配線から分岐した電圧を計測するための各配線を接続する端子と、前記変流器の2次側に接続する端子と、前記変流器の2次側に端子を介して接続した計測用電流配線と、該計測用電流配線と並列に接続して該2次側出力を短絡させる開閉器を含む配線と、前記接続配線から分岐した各配線を接続する端子を介して接続した前記接続配線間の電圧を計測する計測用電圧配線とを有する電力量計基幹部と、
前記計測用電流配線の電流と前記計測用電圧配線の電圧とから電力量を算出する演算部と、該演算部からの電力量を積算して積算値を表示する表示部とからなる演算表示部と、
前記電力計基幹部の計測用電圧配線と計測用電流配線と、前記演算表示部の計測用電圧配線と計測用電流配線を一括して自在に接続及び離脱可能なカプラーとを具備したことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、前記電力量計基幹部の開閉器を閉じたときは表示灯を点灯させ、同時に前記演算表示部を新たな演算表示部と交換可能にし、該開閉器を開いたときに表示灯を消灯するように構成したことを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記電力量計の演算表示部の交換はアナログ式演算表示部と電子式演算表示部との交換も可能にしたことを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1に記載の電力量計を複数個配設した配電設備において、前記各電力量計の変流器の2次側出力を短絡可能な開閉器と同期して開閉する第3開閉器を設け、該第3開閉器に直列に抵抗を接続した直列回路を共通電源に並列に接続し、該第3開閉器の両端に開閉動作を検出する配線を設け、該検出配線を情報処理装置の入力側に接続し、前記開閉器の開閉データを記録及び出力可能にしたことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、電源に接続する端子と、負荷に接続する端子と、前記電源端子と前記負荷端子を接続する接続配線に1次側を対向させ、2次側から計測用電流を取り出す変流器とを配電盤或いは分電盤に備える配電設備の電力量計において、
前記接続配線から分岐した電圧を計測するための各配線を接続する端子と、前記変流器の2次側に接続する端子と、前記変流器の2次側に端子を介して接続した計測用電流配線と、該計測用電流配線と並列に接続して該2次側出力を短絡及び非短絡させるコネクタを含む配線と、前記接続配線から分岐した各配線を接続する端子を介して接続した前記接続配線間の電圧を計測する計測用電圧配線とを有する電力量計基幹部と、
前記計測用電流配線の電流と前記計測用電圧配線の電圧とから電力量を算出する演算部と、該演算部からの電力量を積算して積算値を表示する表示部とからなる演算表示部と、
前記電力計基幹部の計測用電圧配線と計測用電流配線と、前記演算表示部の計測用電圧配線と計測用電流配線を一括して自在に接続及び離脱可能なカプラーとを具備したことを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記コネクタは着脱分離自在な一対の雌型及び雄型コネクタで構成し、該一対のコネクタの一方の接続端子に前記計測用電流配線を接続し、他方の接続端子に2次側出力を短絡させる配線をしたことを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の発明において、前記一対の雌型及び雄型コネクタを接続したときは表示灯を点灯させ、同時に前記演算表示部を新たな演算表示部と交換可能にし、該一対の雌型及び雄型コネクタを分離したときは表示灯を消灯するように構成したことを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜請求項7に記載の発明において、前記電力量計の演算表示部の交換はアナログ式演算表示部と電子式演算表示部との交換も可能にしたことを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜請求項8の何れか1に記載の電力量計を複数個配設した配電設備において、前記各電力量計の変流器の2次側出力を前記一対の短絡可能なコネクタの着脱分離と同期して開閉する第3開閉器を設け、該第3開閉器に直列に抵抗を接続した直列回路を共通電源に並列に接続し、該第3開閉器の両端に開閉動作を検出する配線を設け、該検出配線を情報処理装置の入力側に接続し、前記コネクタの着脱及び分離作業のデータを記録及び出力可能にしたことを特徴としている。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記第3開閉器は前記一対の雌型及び雄型コネクタに設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、変流器の2次側を開閉スイッチで開閉するように構成したので、電力量計の演算表示部等を交換する場合に変流器を確実に短絡できると共に、その短絡経路に故障も生じ難いという効果が得られる。点灯にて交換可能状態を表示するので開閉操作に誤りが少なくなるという効果が得られ、また、交換作業の確認が容易になり、且つ多数の電力量計の交換履歴の管理が容易であるという効果が得られる。
【0019】
請求項5〜請求項10に記載の発明によれば、ユーザが変流器の前記2次側出力の開閉スイッチを動作させ無断で短絡させることにより、電力の計測が正しく行われず、ひいては課金が正しく行われないいたずら行為を、短絡側のコネクタを取り除くことで防止することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
<実施形態1>
図1は本願の発明を実施した実施形態1の回路図を示し、図2は実施形態1の物理的な構成例を示す。図3は実施形態1を使用するケースの説明例である。
図1において、100ボルト(又は200ボルトもしくは400ボルト)の低圧にされた単相3線電源が、配電盤もしくは分電盤の電源側入力端子11(P1〜P3)に接続され、盤内遮断器や電磁開閉器などを中間に接続した接続配線を、負荷に接続する端子12(S1〜S3)まで通電可能に、配電盤もしくは分電盤内に配線している。前記電源端子11と前記負荷端子12を接続する接続配線に1次側を挿入し2次側から計測用電流を取り出す変流器13a、13bを配電盤或いは分電盤内に備えている。入力端子P1、P3は変流器13a、13bの1次側を介して負荷側端子12(S1〜S3)の端子S1,S3に接続され、端子P2は直接S2に接続される。前記のような流れで前記電源端子11から前記負荷端子12まで主電流は流れるが、入力端子P1〜P3は変流器13a、13bの手前で分岐されて電力量計の端子110(P10〜P30)に電流の一部が流れるようになっている。入力端子P10〜P30は電圧計測用配線14によってカプラー20(20a、20b)の入力側20aに接続される。一方、変流器13(13a、13b)によって一定の比率で縮小変換された小電流が電流計測用配線15(15a、15b)によって電力量計の端子16(1L、1S、3L、3S)を介してカプラー20の入力側20aに接続される。また、電力量計の端子16から電流計測用配線15a、15bの各々を短絡可能にするために配線17a、17bによって開閉スイッチ18(18a、18b)の両端に接続される。開閉スイッチ18a、18bは連動開閉スイッチとするのが望ましい。
【0021】
カプラー20(20a、20b)の出力側20bには中継端子21(1L、1S、3L、P1、P2、P3)を介して電力量計10の演算表示器22に接続される。演算表示器22は電子式(デジタル型)のものであってもよいし、アナログ式のものでもよい。演算表示器22は公知の技術を利用して製品化されているものを使用する。演算表示器の回路構成については、例えば、特許文献1(図7参照)に記載されている。その内容については本願発明の内容と直接関連しないので省略する。
【0022】
図2は実施形態1の装置の斜視図を示す。図2において、鉄板等からなる取付板25が取付孔25aを利用して配電設備用の基盤(図示省略)に取り付けられる。取付板25の下部には端子台26が固設されており、端子台26の下側26bには接続配線から分岐した電圧を計測するための各配線を接続する接続端子110と変流器の2次側に接続する端子16が配置されており、端子台26の上側26aには接続配線間の電圧を計測する電圧計測用配線を接続する端子と、変流器13の2次側に接続する計測用電流配線に接続する端子とが配置されている。端子台26の内部には下側端子26bと上側端子26aを接続する配線が設けられている。
【0023】
端子台27は接続端子21(図1参照)を設けた端子台で、演算表示器ケース22cの下側に一体として構成されている。演算表示器ケース22cの内部には演算器及び表示器(演算表示器)が収納されている。演算表示器ケース22cは電子式(デジタル型)の演算表示器又はアナログ式の演算表示器の何れでも取付可能に設けられている。また、演算表示器への入力端は端子台27の内部で接続端子21に接続されている。開閉スイッチ18は変流器の2次側配線15a、15bの各々の回路を開閉するスイッチで両回路が同時に開閉するように構成された連動式開閉スイッチである。端子台26の上側端子に接続された配線がチューブ29aに纏められてカプラー20の一方20aに接続され、カプラー20の他方20bにはチューブ29bにより端子台27の端子に接続された配線が纏められて接続されている。ここで、カプラー20は、その嵌合において一方20aと他方20bの形状をそれぞれの接続部開口で非対称としており、必ず一方20aの一辺と他方20bの開口一辺が対になり、嵌合に誤りが発生しないようになっている。
【0024】
図3は実施形態1の電力量計10を使用する状況を説明した図である。本実施形態はテナントの入っている事務所ビルなどでビル内変電設備以降の各テナントに設ける配電設備における電力量計を対象にしている。なお、本発明はこれに限定されないことは言うまでもない。図3において、ビル等に設けられた受電設備から高電圧、大電流の電力が変電設備30に供給される。変電設備30において、高圧負荷開閉器31を通して3相電力,単相電力が変圧器32、33により低電圧に変換されて各テナント(テナントA、B、C、D)に低電圧用電力と電灯・コンセント用の電力が開閉器34,35を介して供給される。本実施形態は開閉器34以後に使用される電力量計36を対象としている。
【0025】
実施形態1は以上のように構成したので、以下のように機能する。演算表示器22を新しく検定した演算表示器と交換するには、先ず開閉スイッチ18を閉じ側にしてスイッチ18a、18bを閉じて回路を短絡する。次にカプラー20bの接続部をカプラー20aの接続部から分離する。次に、ケース22c及び端子台27(一体形成されている)を取付板25から取り外す。演算表示器22を新しく検定した演算表示器と交換し、その後再びケース22cを取付板25に固定する。その後、カプラー20b以降チューブ29bで纏められた配線を、各々対応する端子台27の各端子に接続する。最後にカプラー20bをカプラー20aに元通りに接続し、開閉スイッチを開く。
【0026】
実施形態1は変流器13の2次側を開閉スイッチで開閉するように構成したので、電力量計の演算表示部等を交換する場合に変流器を確実に短絡できると共に、その短絡経路に故障も生じ難いという効果が得られる。また、従来のアナログ式に替えて電子式(デジタル式)の演算表示器も使用できるようにしたので利用範囲が広いという効果も得られる。
【0027】
<実施形態2>
図4は本願の実施形態2の回路図を示す。この回路は図1に示した回路とほぼ同様であり、同じ要素には同じ番号を付して説明を省略する。図4において、開閉スイッチ18の代わりに3連の開閉スイッチ38を使用する。開閉スイッチ(第3開閉器)38aの両端に表示灯39、保護抵抗41及び電源40を直列に接続する。電源40は数ボルト程度の直流電源又は交流電源でもよい。開閉スイッチ38a、保護抵抗41と表示灯39を直列に接続した直列回路を電源40に接続し、開閉スイッチ38aの両端からスイッチ38の開閉信号を取り出して情報処理装置42の入力側に接続する。このような直列回路をテナントA、テナントB、テナントC及びテナントDの各電力量計について構成し、電源40に並列に接続し、各第3開閉器38aのスイッチ38の開閉信号を取り出して情報処理装置42の入力側に接続する。
【0028】
実施形態2は以上のように構成したので、テナントごとに開閉スイッチ38が閉じているときは表示灯39が点灯し、開いたときは消灯するので開閉操作に誤りが少なくなるという効果が得られ、また、開閉スイッチ38の開閉動作を(又は、開閉時刻と共に)情報処理装置42に記録すれば、各テナントについて開閉操作のデータが記録されるので交換作業の確認が容易になるという効果が得られる。
【0029】
<実施形態3>
図5は本願の発明を実施した実施形態3の回路図を示し、図6は実施形態3の物理的な構成例を示す。実施形態3は実施形態1の開閉スイッチ18の代わりに一対の4端子を有する雌型及び雄型コネクタ43を使用した点で相違する。しかし、他の点では同一の構成であり、同一の構成部分、同一の構成要素については同じ参照番号を付して詳細な説明を省略する。図5、図6において、2次側配線15a、15bの各々の回路の短絡、断絶は一対の雌型及び雄型コネクタ43(43a、43b)によって行う。即ち、雌型コネクタ43aの各端子は電力量計の端子(1L、1S、3L、3S)に配線接続されており、一方、雄型コネクタ43bの各端子は電力量計の端子(1L、1S)間の配線及び(3L、3S)間の配線が各々短絡するように配線接続されている。また、雄型コネクタ43bは常時雌型コネクタ43aに接続されていない。作業員等が電力量計の演算表示器22を交換する場合等に携帯してきた雄型コネクタ43bを雌型コネクタ43aに接続する。カプラー20もコネクタ43も、いわゆるナイロンコネクタといわれる樹脂製接続具内にコンタクトを収めたものがさらに好適である。
【0030】
図7は実施形態3を使用する電力計交換システムの説明例である。図7のシステムは、実施形態2(図4参照)のシステムの開閉スイッチ38の代わりに一対の6端子を有する雌型及び雄型コネクタ45を使用した点で相違する。しかし、他の点では同一の構成であり、同一の構成部分、同一の構成要素については同じ参照番号を付して詳細な説明を省略する。雌型コネクタ45aの各端子は電力量計の端子(1L、1S、3L、3S)並びに表示灯39の端子と電源40の表示灯39の反対側端子に接続されている。また、雄型コネクタ45bの各端子は電力量計の端子(1L、1S)間の配線及び(3L、3S)間の配線が各々短絡するように配線接続され、かつ、同時に残りの2端子、即ち、表示灯側の端子と電源側の端子を結ぶ回路が閉じるように配線接続されている。従って、雄型コネクタ45bを雌型コネクタ45aに接続したときは電力量計の演算表示器22を交換が可能になると共に、実施形態2で説明した効果と同じ効果が得られる。
【0031】
なお、実施形態3において、雌型コネクタ43a(又は、45a)と雄型コネクタ43b(又は、45b)と相互に反対に接続しても良い。
以上、この発明の実施形態、実施例について単相3線の場合を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、3相3線、3相4線の場合のように相が増えて結線が増える場合も同様であり、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本願発明の実施形態1の回路構成を示す。
【図2】実施形態1の装置の斜視図を示す。
【図3】本願発明を使用する配電設備の例を示す。
【図4】本願発明の実施形態2の電力量計の交換システムの回路構成を示す。
【図5】本願発明の実施形態3の回路構成を示す。
【図6】本願発明の実施形態3の配置構成を示す。
【図7】本願発明の実施形態3を使用する電力量計の交換システムの回路構成を示す。
【図8】従来装置の回路構成を示す。
【符号の説明】
【0033】
13 変流器
18 2連動開閉スイッチ
20 カプラー
22 演算表示器
38 3連動開閉スイッチ
38a 第3開閉スイッチ(第3開閉器)
39 表示灯
40 電源
42 情報処理装置
43 4端子コネクタ
45 6端子コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に接続する端子と、負荷に接続する端子と、前記電源端子と前記負荷端子を接続する接続配線に1次側を対向させ、2次側から計測用電流を取り出す変流器とを配電盤或いは分電盤に備える配電設備の電力量計において、
前記接続配線から分岐した電圧を計測するための各配線を接続する端子と、前記変流器の2次側に接続する端子と、前記変流器の2次側に端子を介して接続した計測用電流配線と、該計測用電流配線と並列に接続して該2次側出力を短絡させる開閉器を含む配線と、前記接続配線から分岐した各配線を接続する端子を介して接続した前記接続配線間の電圧を計測する計測用電圧配線とを有する電力量計基幹部と、
前記計測用電流配線の電流と前記計測用電圧配線の電圧とから電力量を算出する演算部と、該演算部からの電力量を積算して積算値を表示する表示部とからなる演算表示部と、
前記電力計基幹部の計測用電圧配線と計測用電流配線と、前記演算表示部の計測用電圧配線と計測用電流配線を一括して自在に接続及び離脱可能なカプラーとを具備したことを特徴とする電力量計。
【請求項2】
前記電力量計基幹部の開閉器を閉じたときは表示灯を点灯させ、同時に前記演算表示部を新たな演算表示部と交換可能にし、該開閉器を開いたときに表示灯を消灯するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の電力量計。
【請求項3】
前記電力量計の演算表示部の交換はアナログ式演算表示部と電子式演算表示部との交換も可能にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2の何れか1に記載の電力量計。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1に記載の電力量計を複数個配設した配電設備において、前記各電力量計の変流器の2次側出力を短絡可能な開閉器と同期して開閉する第3開閉器を設け、該第3開閉器に直列に抵抗を接続した直列回路を共通電源に並列に接続し、該第3開閉器の両端に開閉動作を検出する配線を設け、該検出配線を情報処理装置の入力側に接続し、前記開閉器の開閉データを記録及び出力可能にしたことを特徴とする電力量計の表示器交換システム。
【請求項5】
電源に接続する端子と、負荷に接続する端子と、前記電源端子と前記負荷端子を接続する接続配線に1次側を対向させ、2次側から計測用電流を取り出す変流器とを配電盤或いは分電盤に備える配電設備の電力量計において、
前記接続配線から分岐した電圧を計測するための各配線を接続する端子と、前記変流器の2次側に接続する端子と、前記変流器の2次側に端子を介して接続した計測用電流配線と、該計測用電流配線と並列に接続して該2次側出力を短絡及び非短絡させるコネクタを含む配線と、前記接続配線から分岐した各配線を接続する端子を介して接続した前記接続配線間の電圧を計測する計測用電圧配線とを有する電力量計基幹部と、
前記計測用電流配線の電流と前記計測用電圧配線の電圧とから電力量を算出する演算部と、該演算部からの電力量を積算して積算値を表示する表示部とからなる演算表示部と、
前記電力計基幹部の計測用電圧配線と計測用電流配線と、前記演算表示部の計測用電圧配線と計測用電流配線を一括して自在に接続及び離脱可能なカプラーとを具備したことを特徴とする電力量計。
【請求項6】
前記コネクタは着脱分離自在な一対の雌型及び雄型コネクタで構成し、該一対のコネクタの一方の接続端子に前記計測用電流配線を接続し、他方の接続端子に2次側出力を短絡させる配線をしたことを特徴とする請求項5に記載の電力量計。
【請求項7】
前記一対の雌型及び雄型コネクタを接続したときは表示灯を点灯させ、同時に前記演算表示部を新たな演算表示部と交換可能にし、該一対の雌型及び雄型コネクタを分離したときは表示灯を消灯するように構成したことを特徴とする請求項6に記載の電力量計。
【請求項8】
前記電力量計の演算表示部の交換はアナログ式演算表示部と電子式演算表示部との交換も可能にしたことを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか1に記載の電力量計。
【請求項9】
請求項5〜請求項8の何れか1に記載の電力量計を複数個配設した配電設備において、前記各電力量計の変流器の2次側出力を前記一対の短絡可能なコネクタの着脱分離と同期して開閉する第3開閉器を設け、該第3開閉器に直列に抵抗を接続した直列回路を共通電源に並列に接続し、該第3開閉器の両端に開閉動作を検出する配線を設け、該検出配線を情報処理装置の入力側に接続し、前記コネクタの着脱及び分離作業のデータを記録及び出力可能にしたことを特徴とする電力量計の表示器交換システム。
【請求項10】
前記第3開閉器は前記一対の雌型及び雄型コネクタに設けたことを特徴とする請求項9に記載の電力量計の表示器交換システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−48800(P2010−48800A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169562(P2009−169562)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(591059733)株式会社勝亦電機製作所 (2)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)