説明

電動ミシン

【課題】 無線コントローラの電池の消耗が少ない無線コントローラを備えた電動ミシンを提供する。
【解決手段】 ミシン本体1とコントローラ2との間はケーブルがなく、コードレスになっており、無線により接続されている。コントローラ2の踏み板25は増幅機構35に連動し、該増幅機構35により発電機3を駆動して、送信装置20と制御装置21に電源を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動ミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ミシンの始動、停止及び駆動速度(縫い速度)の制御は、ミシン本体に備えられたレバーか或いはミシン本体に接続された足踏み式のコントローラで行う構成が普通であるが、該足踏み式のコントローラをコードレス化して、無線でミシンの制御を行うことが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第2722769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、無線コントローラの場合、本体との間にコードがないため、電源を電灯線からとることができず、電池を使用するのが一般的であるが、充電や電池交換が必要であり、充電や電池交換の時間の延長を図ることが重要である。
本発明は上記従来の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の電動ミシンは、ミシン本体に無線で接続し、可動部を動かすことにより信号をミシン本体に送る無線コントローラと、該無線コントローラに備えられ、無線コントローラの可動部の動きにより稼働する発電機と、を備えたことを特徴とする。
無線コントローラは一般的に足踏み式であり、該足踏みの動きにより発電機を稼働することが可能である。また、上記構成に加えて前記無線コントローラに太陽電池を備えるように構成することも可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の電動ミシンによれば、無線コントローラにおける充電や電池交換の時間の延長を図ることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この電動ミシンはミシン本体1とコントローラ2を備える。ミシン本体1とコントローラ2との間はケーブルがなく、コードレスになっており、無線により接続されている。コントローラ2には太陽電池31とインジケータ29が設けられており、これらについては後述する。
【0008】
ミシン本体1には表示装置5が設けられ、種々の表示を行い、またこの実施形態ではコントローラ2からの送信内容を表示するようになっている。
ミシン本体1にはまた操作装置6が設けられており、使用者が種々の操作を行えるようになっている。
【0009】
コントローラ2は踏み板25を備えた足踏み式になっており、図2に示すように踏み板25を踏み込むとスイッチ22がオンになり、制御装置21から信号が送られ、送信装置20によりアンテナ24から起動信号を送ってミシン本体1を起動し、更に踏み板25を踏み込むと可変抵抗器23が移動して、該踏み込み量に応じた信号をミシン本体1に送るようになっている。該信号により、ミシン本体1では所定の縫い速度(駆動速度)で縫いが実行されるようになっている。
【0010】
送信装置20と制御装置21への電源供給は電池40と発電機3とから行われるようになっている。
図2に示すように、踏み板25は増幅機構35と連動しており、踏み板25を踏むと増幅機構35が高回転で回転し、発電機3を高回転で稼働するように構成されている。増幅機構35は複数の歯車などで構成することが可能である。
【0011】
発電機3で発電された電気はコンデンサ30を介して送信装置20と制御装置21に供給されるようになっている。
40は充電式或いは使い捨ての電池であり、始動時や長時間使用していない時には電池40から電力が供給される。
【0012】
上記構成において、初期状態では電池40から電源が供給されている。使用者が踏み板25を踏むとスイッチ22がオンとなり、更に踏み込むと可変抵抗器23が移動して、該移動量に応じて信号が送信装置20からミシン本体1に送信される。
同時に踏み板25の踏み込みにより増幅機構35が稼働して発電機3が発電を行い、電力を送信装置20と制御装置21に供給する。この間電池40からの電源供給は停止する。そのため、電池40の消耗が抑制され、充電や電池交換の時間を延長することができる。
【0013】
なお、この実施形態では前記したようにコントローラ2の踏み板25の表面部に太陽電池31を備えており、この太陽電池31によっても電源の供給を行っている。そのため、更に電池40の消耗を抑制することができる。インジケータ29は、太陽電池31による電源供給の状態を示すものである。
【0014】
また、前記したようにこの実施形態では、表示装置5にコントローラ2の状態を表示するように構成されている。即ち、コントローラ2の電池40などの電源の残量、信号レベル、その他の情報が表示されるように構成されている。また電源の交換などの警告を表示装置5に表示するように構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略図。
【図2】本発明の一実施形態のブロック図。
【符号の説明】
【0016】
1:ミシン本体、2:コントローラ、3:発電機3、5:表示装置、6:操作装置、20:送信装置、21:制御装置、22:スイッチ、23:可変抵抗器、24:アンテナ、25:踏み板、29:インジケータ、30:コンデンサ、31:太陽電池、35:増幅機構、40:電池。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシン本体に無線で接続し、可動部を動かすことにより信号をミシン本体に送る無線コントローラと、
該無線コントローラに備えられ、無線コントローラの可動部の動きにより稼働する発電機と、
を備えたことを特徴とする電動ミシン。
【請求項2】
前記無線コントローラが更に太陽電池を備える、
請求項1に記載の電動ミシン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−26149(P2006−26149A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−210070(P2004−210070)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】