説明

電動工具用トリガースイッチ

【課題】ケースとカバーとからなる部品の嵌合形態を単純化し、最小の接着箇所でより防塵性・防水性を高めた構成とする。
【解決手段】内部にスイッチング機構を備えるとともに一面側が開口してなるケースと、該ケース開口の内側に嵌合してその開口面を塞ぐカバーと、該ケースの外部に配置されるとともにプランジャーを介する摺動操作によって該スイッチング機構を操作するトリガーを備えるトリガースイッチが提供される。該ケースの開口縁部を形成する内側壁面に形成された係合凹部と、該カバーの外周端縁部に形成された段差部と、側面外方向に小さく突出して対応する該係合凹部に係合自在に形成された係合突起と、該ケースの開口縁部の内側壁面と該段差部によって形成される接合溝を有するとともに、該接合溝には接着剤が充填されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動工具用スイッチに関し、詳しくは、塵埃の多い環境での使用に耐えるように防塵性・防水性を高めた電動工具用トリガースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術における電動工具用トリガースイッチは、図11乃至図14に示すように、外部に操作するためのトリガー14を備え、ケース11の内部にトリガー14の操作に基づいて摺動するプランジャー22の動きによりオン/オフする接点機構を備え、更に、外部のモータ及びコントローラ、電源等に接続するためのモータ接続端子31、信号用端子35、電源接続端子33、34が外側に端子嵌合部19を介していわばむき出しの状態で配置され、それぞれの端子にモータ接続リード線41、42、電源接続リード線43、44、信号接続リード線45をハンダ或はネジで止める構造となっている。
又、図13に示すように、トリガー14に連結されているプランジャー22はケース11の内部に設けた内部パッキン24を介在させて内部の接点機構に連結されているものであり、ケース11の外側において復帰スプリング23を介在させてトリガー14を常時外方向に付勢させた状態を維持する。
そして、接点機構を備えたケース11にカバー13を取付け、取付けたケース11とカバー13の接合部位を超音波溶着により接着することで防塵性・防水性を高めている。
【0003】
更に、図14に示すように、トリガー14に連結されたプランジャー22に対して、プランジャー22が摺動する外部に蛇腹状の外部パッキン15を備えた構造にし、その部位に設けてある復帰スプリングは図示しないケース11内部に収容されている。このようにプランジャー22が摺動するためのケース11の係合孔を塞ぐように外部パッキン15を設けることで、プランジャー22の摺動動作に伴って生じるケース11内部への塵埃の侵入を防ぐことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−118449号公報
【特許文献2】特開2003−109451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術で説明した電動工具用スイッチにおいては、所謂、樹脂部品の嵌合部であるケースにカバーを取付けるときにその接合部分を超音波溶着方式で溶着して接着することにより防塵性・防水性を高めているが、接着後にスイッチを分解できなくなり、工程上での修理等の作業が出来なくなるという問題がある。
また、ケースにカバーをつきあてた箇所は凹凸形状であるため接着する場合は接着箇所が複雑で接着効果も少ないという問題もある。
また、端子嵌合部においては、端子部分について、超音波溶着ができないため、接着の必要性が残るが、そのため端子嵌合部と端子根元部に接着剤で接着を行う方法があるが、接着場所が多く接着作業が煩雑で、ばらつきにより品質に影響するという問題もある。
【0006】
更に、トリガー摺動部について、トリガーに連結されているプランジャーからの塵埃や水分の侵入防止のための蛇腹型の外部パッキンを使用する方法においては、プランジャーに外部パッキンが接触して擦れて摺動するために、プランジャーが係合する係合穴を完全に塞ぐことができないため、塵埃や水分がスイッチ内部に侵入する可能性は残っている。
【0007】
従って、部品の嵌合部であるケースとカバーとからなる部品の嵌合形態を単純化し、最小の接着箇所でより防塵性・防水性を高める必要があり、また、端子嵌合部においては、接着剤を封入したり、ゴムパッキン等の別部材を取付けることで防塵性・防水性を高める必要があり、更に、トリガー摺動部においては、特に外部パッキンによりトリガーの操作時の防塵性・防水性を高めることに解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本願発明の電動工具用トリガースイッチは、内部にスイッチング機構を備えるとともに一面側が開口してなるケースと、該ケース開口の内側に嵌合してその開口面を塞ぐカバーと、該ケースの外部に配置されるとともにプランジャーを介する摺動操作によって該スイッチング機構を操作するトリガーを備えてなり、該ケースの開口縁部を形成する内側壁面に形成された係合凹部と、該カバーの外周端縁部に形成された段差部と、該段差部の側面外方向に小さく突出して対応する該係合凹部に係合自在に形成された係合突起と、該ケースの開口縁部の内側壁面と該段差部によって形成される接合溝を有するとともに、該接合溝には接着剤が充填されてなる構成とした。
【0009】
また、好ましくは、該プランジャーの外周に取り付けられた復帰スプリングと、該復帰スプリングを覆う蛇腹状の外部パッキンとをさらに備え、該トリガーは中央内側に突出した該プランジャー先端部が嵌合する円筒状のプランジャー係合部を有し、該プランジャー係合部の外周側にはスプリング先端部が係合するバネ係合部が形成されるとともに復帰スプリング先端が当接する壁面を介して一段肉厚としたパッキン係合部が形成され、このパッキン係合部外周に蛇腹状の外部パッキン先端部を係合させ、該外部パッキンの基端部はケースのプランジャー開口部に形成したプランジャー挿通孔の外周側に形成した係合溝に係止して、該外部パッキンがプランジャーの外周面に直接触れないようにした電動工具用トリガースイッチとする。
【0010】
さらに、好ましくは、プランジャーの外周に取り付けられた復帰スプリングと、該復帰スプリングを覆う蛇腹状の外部パッキンとをさらに備え、該トリガーは中央内側に突出した該プランジャー先端部が嵌合する円筒状のプランジャー係合部を有し、該プランジャー係合部の外周側にはスプリング先端部が係合するバネ係合部が形成されるとともに、該外部パッキンの先端部を該バネ係合部と復帰スプリング間で挟持し、該外部パッキンの基端部はケースのプランジャー開口部に形成したプランジャー挿通孔の外周側に形成した係合溝に係止して、該外部パッキンがプランジャーの外周面に直接触れないようにした電動工具用トリガースイッチとする。
【0011】
該プランジャーの先端部には直交方向にピン係合孔を形成し、該ピン係合孔に対応する該プランジャー係合部には該ピン係合孔に連通するピン嵌合孔を形成し、該ピン係合孔と該ピン嵌合孔とに抜止め用ピンを挿通するとともに、該抜止め用ピンの上部を接着剤で接着してピン嵌合孔を封止することにより、防塵性・防水性をより高めることができる。
【0012】
該プランジャーの先端部には直交方向にピン係合孔を形成し、該ピン係合孔に対応する該プランジャー係合部には該ピン係合孔に連通するピン嵌合孔を形成し、該ピン係合孔と該ピン嵌合孔とに抜止め用ピンを挿通するとともに、該抜止め用ピンの上部を弾性部材のパッキンで封止することにより、防塵性・防水性をより高めることとしてもよい。
【0013】
該ケース及びカバーは、端子嵌合部に配置されて外部に突出している端子をカバーする位置まで長く形成するとともに、該端子に接続されたリード線の根元部分を含む下側及び上側の開口部を接着剤で接着させた構成とすることにより、外にむき出しの端子の部分からの水分等の侵入をも確実に防止することができる。
【0014】
該ケース及びカバーは、端子嵌合部に配置されて外部に突出している端子をカバーする位置まで長く形成するとともに、該端子に接続するリード線の根元部分を覆うパッキンを装着した構成とすることによっても、外にむき出しの端子の部分からの水分等の侵入をも防止して、より高い防水性を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電動工具用トリガースイッチは、該ケースの開口縁部を形成する内側壁面に形成された係合凹部と、該カバーの外周端縁部に形成された段差部と、該段差部の側面外方向に小さく突出して対応する該係合凹部に係合自在に形成された係合突起と、該ケースの開口縁部の内側壁面と該段差部によって形成される接合溝を有するとともに、該接合溝に接着剤を充填するようにしたことで、カバー面を上側にすれば接合溝がすべて上面を向くので容易に均一で安定した接着剤の充填ができ、十全な接着が可能になり、より防塵性・防水性を高めることができる。
【0016】
また、該外部パッキンをプランジャーの外周面に直接触れないように該プランジャーを覆うように配置して該外部パッキンの端部を密係合した構造にしたことにより外部に晒された外部パッキンを通じての塵埃や水分の侵入を防ぐことができる。
【0017】
さらに、該プランジャー係合部に形成したピン嵌合孔に挿通した抜止め用ピンの上部を接着剤で接着してピン嵌合孔を封止することにより、ピンを介しての塵埃や水分の侵入を防止できる。
【0018】
またさらには、外部に突出している端子にリード線を接続した箇所を接着剤で充填するか或はパッキンを被せるようにしたことで、端子を介して侵入する塵埃や水分を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本願発明の第1実施例に係る電動工具用トリガースイッチを正面右側上方からみた斜視図、
【図2A】図2Aは、同電動工具用トリガースイッチの正面図、
【図2B】図2Bは、図2AにおけるA−A線矢視断面図、
【図2C】図2Cは、図2BにおけるB部拡大図、
【図3】図3は、同電動工具用トリガースイッチにケーブルを取付けた状態を正面左側下方からみた斜視図、
【図4】図4は、同電動工具用トリガースイッチを示す分解斜視図、
【図5】図5は、同トリガースイッチのプランジャーへのパッキン取付け態様を示す部分断面図、
【図6】図6は、同トリガースイッチのプランジャーへの他のパッキン取付け態様を示す部分断面図、
【図7】図7は、同トリガースイッチのトリガーへのプランジャー取付けのためのピン嵌合部を樹脂で接着、封止した状態を示す部分断面図、
【図8】図8は、同トリガースイッチのトリガーへのプランジャー取付けのためのピン嵌合部をパッキンで封止した状態を示す部分断面図、
【図9A】図9Aは、本願発明の第2実施例に係る電動工具用トリガースイッチを正面右側上方からみた斜視図、
【図9B】図9Bは、同トリガースイッチの底部を正面左側下方からみた部分斜視図、
【図10A】図10Aは、本願発明の第3実施例に係る電動工具用のトリガースイッチを正面右側上方からみた斜視図、
【図10B】図10Bは、同トリガースイッチのモータ接続端子をパッキンで覆った状態を示す部分斜視図、
【図10C】図10Cは、同トリガースイッチ底部の端子嵌合部から延出するリード線を覆うパッキンを取付ける様子を示す部分斜視図、
【図10D】図10Dは、同トリガースイッチ底部の端子嵌合部をパッキンで覆った状態を示す部分斜視図、
【図11】図11は、従来技術における電動工具用トリガースイッチを示す斜視図、
【図12】図12は、同トリガースイッチにケーブルを取付けた状態を示す斜視図、
【図13】図13は、同トリガースイッチのプランジャーへのパッキン取付け態様を示す部分断面図、
【図14】図14は、同トリガースイッチのプランジャーへの他のパッキン取付け態様を示す部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本願発明に係る電動工具用トリガースイッチの実施例について、図面を参照しつつ説明する。図1乃至4は、本発明の実施例1に係る電動工具用トリガースイッチを示すもので、正面側に開口面を有するとともに縦長の箱形状に形成されたケース11と、該ケース開口面を塞ぐカバー13と、該ケース11内に備えたスイッチング機構と、プランジャー22を介する摺動操作によって該スイッチング機構をスイッチング操作するトリガー14とを備えている。
【0021】
該ケース11は、内部にスイッチング機構を搭載した接点結合体12が組み込まれ、該ケースの外部に配置されたトリガー14からの操作動作を伝達するプランジャー22を摺動させるための半円筒形状に形成されたプランジャー用開口部18aを側面に有し、下部側には接点結合体12の端子部分を臨ませるために開口した端子嵌合部19を有している。また、該ケース11の上部端からモータに接続するモータ接続端子31、32を露出させ、下部端からは端子嵌合部19に接続した外部に接続するための電源用端子33、34及び制御部に接続する信号用端子35、36を露出させている。
【0022】
該カバー13は、側面に摺動操作子21を構成するプランジャー22が出入りする半円筒形状に形成したプランジャー開口部18bを有している。該トリガー14は、外部に設置されるとともに、該摺動操作子21のプランジャー22に連結されており、該ケース11及びカバー13のプランジャー用開口部18a及び18bにて形成される円筒状開口部を通って該プランジャー22を出し入れ操作する。
【0023】
該ケース11は、プランジャー22が出入するプランジャー開口部18aと端子を配置した端子嵌合部19を除いた側壁内側の開口側端縁部に係合凹部23a、23b、23cを形成している。一方、該係合凹部23a、23b、23cに対応する該カバー13の外周側端縁部には、図2Cに示すように、段差部25a、25b、25cを形成するとともに、側面外方向に小さく突出させた係合突起25を形成している。該係合突起25は、下側から上側に向かって次第に隆起する傾斜部を有するとともに上端部は直角に形成されている。該カバー13は、ケース11開口の内側に嵌合するように形成され、該係合突起25は内側に挿入する際にその傾斜部がケース11の開口縁部を外方向に押し出しながら押し下げられて、係合凹部23a、23b、23c内に嵌合する。この嵌合状態において係合突起25の上端部は各係合凹部の壁に係止してカバー13は抜け止めされる。
【0024】
該カバー13のケース11への上記嵌合状態において、ケース11の開口側端縁部の内壁面と段差部25a、25b、25cによって接合溝26a、26b、26cが形成される(図2C参照)。上述のように、ケース11開口面をカバー13にて塞いだ状態で該接合溝26a、26b、26cには接着剤を充填する。このとき、接合溝26a、26b、26cは、すべて正面側に形成されているので、正面側を上にして接着剤を充填することで接着剤の充填作業を迅速容易にすることができるのみならず、充填接着剤が接着溝から流れ出すことなくそのまま硬化安定化させることができる。かくして、カバー13とケース11が気密に接合される。
【0025】
また、該接点結合体12の頂部には、モータの回転切替えをする切替操作部16が配置されている。さらに、ケース11開口面をカバー13にて塞いだその外周を略U字形状に形成した放熱板17が挟持する形に取付けられている。
【0026】
図5に示すように、トリガー14に連結されているプランジャー22はケース11の内部に設けた内部パッキン24を介在させて内部の接点機構に連結されているものであり、ケース11の外側において復帰スプリング23を介在させてトリガー14を常時外方向に付勢させた状態を維持する。また、該プランジャー22と復帰スプリング23を覆う蛇腹状の外部パッキン15を備えている。
【0027】
該トリガー14とプランジャー22との連結は、トリガーの内部略中央に形成した円筒状のプランジャー係合部49内にピン嵌合孔54が形成されたプランジャー先端部を嵌入するとともに、該ピン嵌合孔54に対応するプランジャー係合部49の側壁に形成したピン孔にピン47を貫通して抜け止めしている。プランジャー係合部49の外周側にはスプリング23先端部が係合するバネ係合部51を有するとともに、復帰スプリング23先端が当接する壁面を介して一段肉厚としたパッキン係合部48を形成し、このパッキン係合部48外周に蛇腹状の外部パッキン15先端部を係合させている。一方、外部パッキン15の基端部を、ケース11のプランジャー開口部に形成したプランジャー挿通孔53の外周側に形成した係合溝52に係止している。こうすることで、外部パッキン15がプランジャー22の外周面に直接触れない構造とし、且つ復帰スプリング23の外周を全て覆う構造となっている。なお、上記パッキン係合部48には、外部パッキン15の先端部を係合する凹部を設けて、操作時により外れにくい構造としてもよい。
【0028】
図6は、該外部パッキン15の他の取付け態様を示すもので、外部パッキン15の先端部を、プランジャー係合部49のバネ係合部51の壁面と復帰スプリング23とで挟み込んで留めている。このように、外部パッキン15の先端部をバネ係合部51の壁面と復帰スプリング23先端で挟み込むことにより、外部パッキン15が操作時に外れにくく防水性がより向上する。
【0029】
図7は、図5に示した態様にて該外部パッキン15を取り付けるとともに、さらに、ピン嵌合孔54に挿通したプランジャー22の抜け防止用ピン47の上部を樹脂55で被覆接着してピン嵌合孔54を封止した態様を示す。こうすることによって、ピン47を伝って塵埃、水分が侵入するのを防止することが可能となる。
【0030】
図8は、図5に示した態様にて該外部パッキン15を取り付けるとともに、さらに、ピン嵌合孔54に挿通したプランジャー22の抜け防止用ピン47の上部を弾性部材のパッキン56で封止した態様を示す。かかる態様によって、ピン47を伝って塵埃、水分が侵入するのを防止してもよい。
【0031】
図9A及び9Bは、本願発明の実施例2に係る電動工具用トリガースイッチを示すもので、カバー13に形成した係合突起25が、ケース11の係合凹部23a、23b、23c内に嵌合するとともに、ケース11の開口側端縁部の内壁面と段差部25a、25b、25cによって接合溝26a、26b、26cを形成して該接合溝26a、26b、26cに接着剤を充填する構成は実施例1と同様であるので、その説明は省略することとする。
【0032】
本実施例2においては、ケース11とカバー13の下端側を端子嵌合部19から露出させた電源用端子33、34及び制御部に接続する信号用端子35、36をカバーする位置まで長くするとともに、各端子に取付けられているリード線43、44及び45、46の根元部分を接着剤の樹脂55で充填、接着している。また、上端側のモータ接続端子部に取付けられているリード線41、42の根本部分をも接着剤の樹脂55で接着している。こうすることで外にむき出しの端子の部分からの水分等の侵入を防止することができる。
【0033】
図10A〜10Dは、本願発明の実施例3に係る電動工具用トリガースイッチを示すもので、カバー13に形成した係合突起25が、ケース11の係合凹部23a、23b、23c内に嵌合するとともに、ケース11の開口側端縁部の内壁面と段差部25a、25b、25cによって接合溝26a、26b、26cを形成して該接合溝26a、26b、26cに接着剤を充填する構成は実施例1と同様であるので、その説明は省略する。
【0034】
本実施例3においては、ケース11とカバー13の下端側を端子嵌合部19から露出させた電源用端子33、34及び制御部に接続する信号用端子35、36をカバーする位置まで長くするとともに、各端子に取付けられているリード線43、44及び45、46の根元部分の開口部を塞ぐパッキン57を設けている。また、上部に露出されるモータ接続端子31にも予めリブを形成し、このリブにあてはまるように内側に溝を形成したパッキン58を取付けている。こうすることで外にむき出しの端子の部分からの水分等の侵入を防止することができ、より高い防水性を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る電動工具用トリガースイッチは、防塵性・防水性に優れているもので、どのような作業環境下でも使用できる電動工具用のトリガースイッチとして広く利用できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にスイッチング機構を備えるとともに一面側が開口してなるケースと、該ケース開口の内側に嵌合してその開口面を塞ぐカバーと、該ケースの外部に配置されるとともにプランジャーを介する摺動操作によって該スイッチング機構を操作するトリガーを備えてなり、
該ケースの開口縁部を形成する内側壁面に形成された係合凹部と、該カバーの外周端縁部に形成された段差部と、該段差部の側面外方向に小さく突出して対応する該係合凹部に係合自在に形成された係合突起と、該ケースの開口縁部の内側壁面と該段差部によって形成される接合溝を有するとともに、該接合溝には接着剤が充填されてなることを特徴とする電動工具用トリガースイッチ。
【請求項2】
上記プランジャーの外周に取り付けられた復帰スプリングと、該復帰スプリングを覆う蛇腹状の外部パッキンとをさらに備え、
該トリガーは中央内側に突出した該プランジャー先端部が嵌合する円筒状のプランジャー係合部を有し、該プランジャー係合部の外周側にはスプリング先端部が係合するバネ係合部が形成されるとともに復帰スプリング先端が当接する壁面を介して一段肉厚としたパッキン係合部が形成され、このパッキン係合部外周に蛇腹状の外部パッキン先端部を係合させ、
該外部パッキンの基端部はケースのプランジャー開口部に形成したプランジャー挿通孔の外周側に形成した係合溝に係止して、
該外部パッキンがプランジャーの外周面に直接触れないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電動工具用トリガースイッチ。
【請求項3】
上記プランジャーの外周に取り付けられた復帰スプリングと、該復帰スプリングを覆う蛇腹状の外部パッキンとをさらに備え、
該トリガーは中央内側に突出した該プランジャー先端部が嵌合する円筒状のプランジャー係合部を有し、該プランジャー係合部の外周側にはスプリング先端部が係合するバネ係合部が形成されるとともに、該外部パッキンの先端部を該バネ係合部と復帰スプリング間で挟持し、
該外部パッキンの基端部はケースのプランジャー開口部に形成したプランジャー挿通孔の外周側に形成した係合溝に係止して、
該外部パッキンがプランジャーの外周面に直接触れないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電動工具用トリガースイッチ。
【請求項4】
上記プランジャーの先端部には直交方向にピン係合孔を形成し、該ピン係合孔に対応する該プランジャー係合部には該ピン係合孔に連通するピン嵌合孔を形成し、該ピン係合孔と該ピン嵌合孔とに抜止め用ピンを挿通するとともに、該抜止め用ピンの上部を接着剤で接着してピン嵌合を封止したことを特徴とする請求項2または3に記載の電動工具用トリガースイッチ。
【請求項5】
上記プランジャーの先端部には直交方向にピン係合孔を形成し、該ピン係合孔に対応する該プランジャー係合部には該ピン係合孔に連通するピン嵌合孔を形成し、該ピン係合孔と該ピン嵌合孔とに抜止め用ピンを挿通するとともに、該抜止め用ピンの上部を弾性部材のパッキンで封止したことを特徴とする請求項2または3に記載の電動工具用トリガースイッチ。
【請求項6】
上記ケース及びカバーは、端子嵌合部及びケース上に配置されて外部に突出している端子をカバーする位置まで長く形成するとともに、該端子に接続されたリード線の根元部分を含む下側及び上側の開口部を接着剤で接着させたことを特徴とする請求項1に記載の電動工具用トリガースイッチ。
【請求項7】
上記ケース及びカバーは、端子嵌合部に配置されて外部に突出している端子をカバーする位置まで長く形成するとともに、該端子に接続するリード線の根元部分及びケース上に配置された端子とリード線の根元部分を覆うパッキンをそれぞれ装着したことを特徴とする請求項1に記載の電動工具用トリガースイッチ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−206248(P2012−206248A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−31635(P2012−31635)
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【出願人】(301040796)佐鳥エス・テック株式会社 (26)
【Fターム(参考)】