説明

電子カメラバック

【課題】電子カメラバックが装着されることを予定していないカメラとの組合わせを可能にすること。
【解決手段】電子カメラバック101は、カメラボディに着脱自在に装着するための固定部材16、17と、固定部材16、17によってカメラボディに固定された状態で該カメラボディ側の撮影光学系による被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子103と、操作部材と、操作部材からの操作信号に応じて撮像素子103に撮像動作を開始させる第1撮像制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カメラバックに関する。
【背景技術】
【0002】
銀塩フィルムカメラのカメラボディに備えられた裏蓋に代えて、撮像素子を備えた蓋部材をカメラボディに装着することにより、カメラボディ側の撮影光学系によって得られる被写体像を撮像して電子画像データを得るスチルビデオバックが知られている(特許文献1参照)。スチルビデオバックは銀塩カメラ側の回路との間で所定の交信を行うため、銀塩フィルムカメラには、あらかじめスチルビデオバックと組合わせることを予定して通信機能が備えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−301378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、あらかじめ電子カメラバックが装着されることを予定して通信機能を備えたカメラと組合わせなければ使用できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1に記載の発明による電子カメラバックは、カメラボディに着脱自在に装着するための固定部材と、固定部材によってカメラボディに固定された状態で該カメラボディ側の撮影光学系による被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、操作部材と、操作部材からの操作信号に応じて撮像素子に撮像動作を開始させる第1撮像制御部と、を備えることを特徴とする。
(2)請求項8に記載の発明による電子カメラバックは、カメラボディに着脱自在に装着するための固定部材と、固定部材によってカメラボディに固定された状態で該カメラボディ側の撮影光学系による被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、操作部材と、操作部材からの操作信号に応じて撮像素子に撮像動作の開始および終了をさせる第2撮像制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による電子カメラバックでは、該電子カメラバックが装着されることを予定していないカメラと組合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施の形態による電子カメラバックと組合わせる銀塩フィルムカメラを例示する正面図である。
【図2】図1に例示した銀塩フィルムカメラの背面図である。
【図3】裏蓋を開放した銀塩フィルムカメラの背面図である。
【図4】本実施形態による電子カメラバックを例示する図である。
【図5】電子カメラバックを装着したカメラボディ2の背面図である。
【図6】電子カメラバックの回路ブロックを例示する図である。
【図7】CPUが実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態による電子カメラバックと組合わせる銀塩フィルムカメラを例示する正面図である。図1において、銀塩フィルムカメラのカメラボディ2に撮影レンズ1が装着されている。撮影レンズ1は、被写体画像を感光部材(フィルム、電子カメラバック内の撮像素子)に結像させるためのレンズ、および絞りを有する。
【0009】
カメラボディ2は、撮影レンズ1が装着された状態で光密性を保つように構成される。カメラボディ2の上面には、レリーズボタン3、巻き上げレバー4、および巻き戻しノブ5が備えられている。カメラボディ2は、感光部材を所定時間露光させるため、公知のシャッタ機構を有しており、撮影準備が整った状態でレリーズボタン3が押下操作されると、上記シャッタ機構がシャッタ幕を走行開始させ、感光部材を所定時間露光させる。
【0010】
巻き上げレバー4は、フィルムを1齣分巻き上げる際に操作される。カメラボディ2は、フィルム巻き上げとともにシャッタ機構の駆動のための準備動作を行うように構成される。これにより、次にレリーズボタン3が押下操作された場合のシャッタレリーズ動作が可能になる。
【0011】
巻き戻しノブ5は、カメラボディ2に装填されているフィルムパトローネ内に、撮影済みフィルムを全て巻き入れて該パトローネを取り出し可能にするために操作される。また、巻き戻しノブ5が上方に所定量引き出されると、後述する裏蓋7が開くように構成されている。
【0012】
図2は、図1に例示した銀塩フィルムカメラの背面図である。図2において、カメラボディ2には、ファインダー接眼窓6、および裏蓋7が備えられている。撮影者は、接眼窓6からファインダーによる光学像を観察する。裏蓋7は、上述したように巻き戻しノブ5の引き上げ操作によって開放される。フィルムパトローネの装填および取り出しは、裏蓋7が開放された状態で行われる。
【0013】
図3は、裏蓋7を開放した状態を例示する銀塩フィルムカメラの背面図である。図3において、裏蓋7は蝶番17を軸に回動自在に構成される。裏蓋7の内側には、圧板8が設けられている。圧板8は、その表面が高い平面度と摺動性とを備えるように加工されている。裏蓋カギB16は、カメラボディ2のパトローネ室12側に設けられた裏蓋カギA13と裏蓋7が閉じられた状態で係合する。
【0014】
外レール9aおよび9bは、それぞれ開口部11の下側と上側に配設される。両レール9aおよび9bは、撮影レンズ1の光軸方向に対して互いに等価な位置に設けられる。裏蓋7が閉じられると、外レール9aおよび9bは上記圧板8と密着するように構成される。内レール10aおよび10bは、それぞれの高さが外レール9aおよび9bより僅かに低く、かつ撮影レンズ1の光軸寄りで、該光軸方向に対して互いに等価な位置に設けられる。内レール10aが開口部11の下側に、内レール10bが開口部11の上側に位置する。内レール10aおよび10bが外レール9aおよび9bより僅かに低い(撮影レンズ1側に設けられる)ため、裏蓋7が閉じられた状態で内レール10aおよび10bと圧板8との間に僅かな空間が得られる。この空間をフィルムが高い平面度を維持しながら給送される。
【0015】
開口部11は、撮影レンズ1による像をフィルム上に写す範囲を決定する。なお、図3においては、開口部11を説明するためにシャッタ幕の図示を省略している。パトローネ室12は、フィルムパトローネを装填するスペースである。裏蓋カギA13は、巻き戻しノブ5の引き上げに連動して上方へ移動し、裏蓋カギB16との係合を解除する。この係合解除によって裏蓋7が開かれる。
【0016】
スプロケット14およびスプール15は、巻き上げレバー4の操作に連動して回転する。スプロケット14は回転によってフィルム1齣分送り、スプール15はスプロケット14によって送られたフィルムを弛みなく巻き上げる。
【0017】
図4は、本実施形態による電子カメラバック101を例示する図である。電子カメラバック101は、図2および図3に例示した裏蓋7に代えて装着される。図4において、蝶番17および裏蓋カギB16は、裏蓋7に設けられていた蝶番17および裏蓋カギB16と同様のものである。電子カメラバック101では、裏蓋7における圧板8と異なり、撮像素子103を保持する撮像素子保持板102が配設される。電子カメラバック101をカメラボディ2に装着して裏蓋カギA13と裏蓋カギB16とを係合させると、撮像素子103が開口部11と対向する。
【0018】
蝶番17は、上部に可動ピン17aを有し、下部に固定ピン17bを有する。ピン17aおよびピン17bがカメラボディ2側の穴に嵌入された状態で、これらのピン17aおよび17bを軸に電子カメラバック101が回動する。可動ピン17aは、通常、不図示のばねによって上方へ押し上げられている。長穴部17dから出るピン17cを上記ばねに抗して下方へ押し下げると、可動ピン17aが下方に退避するので、電子カメラバック101がカメラボディ2に対して着脱可能となる。
【0019】
図5は、電子カメラバック101を装着したカメラボディ2の背面図である。電源スイッチ111は、電子カメラバック101用の電源スイッチである。本実施形態では、電子カメラバック101用の電源と、カメラボディ2側の電源とが独立して構成されている。モード切替スイッチ112は、電子カメラバック101の動作モードをAモードおよびBモード間で切替るための操作部材である。AモードおよびBモードの詳細については後述する。液晶モニタ113は、画像データによる再生画像や、操作メニューなどを表示する。
【0020】
マルチモードセレクタ114は、上下左右の操作方向に応じた操作信号を発生する。蓄積開始スイッチ115は、電子カメラバック101に対して撮像(撮像素子103における電荷蓄積)を指示するための操作部材である。LED116は、蓄積動作状態を知らせるための表示部材である。操作スイッチ群117は、液晶モニタ113に表示する再生画像の拡大や縮小指示、画像データの削除指示、および表示の変更指示をするための操作部材である。
【0021】
図6は、電子カメラバック101の回路ブロックを例示する図である。CPU201は、不揮発性メモリ206に記録されているプログラムを実行することにより、電子カメラバック101の全体の動作を制御する。CPU201には、電源スイッチ111、タイマー設定回路205,液晶モニタ113、撮像回路203、メモリカード204、蓄積開始スイッチ115、LED116、モード切替スイッチ112、不揮発性メモリ206、およびメモリ207が接続されている。
【0022】
タイマー設定回路205は、CPU201に対するタイマー機能の設定を行う。CPU201は、タイマー設定回路205からの設定情報に基づいて計時を行う機能を備える。タイマー設定回路205は、CPU201に対する設定の他に、上記タイマー機能に関する設定情報の保持を行うように構成されている。電池202は、電源スイッチ111がオン操作されると電子カメラバック101内の各回路へ電力を供給する。
【0023】
撮像回路203は撮像素子103(図4)を含み、被写体像を撮像して撮像信号を生成する。具体的には、画素ごとに構成された受光素子に流れる電流を蓄積し、該蓄積信号に基づいて画素単位で画像データを生成する。撮像回路203は、生成した画像データに所定の信号処理を施してCPU201へ送る。撮像回路203は、CPU201からの信号に基づいて蓄積動作が可能な状態(スタンバイ状態と称する)にされ、CPU201からの信号に基づいてスタンバイ状態が解除される。撮像素子103は、受光素子が撮像面に二次元配列されたCMOSイメージセンサなどによって構成される。
【0024】
メモリカード204は、電子カメラバック101に対して着脱可能に構成される。CPU201は、メモリカード204に対して画像データを記録したり、メモリカード204から画像データを読み出したりする。LED116は、CPU201からの指示によって点灯、点滅、および消灯が切替え可能である。LED116はさらに、緑色、赤色、アンバーの発光色も切替えできる。メモリ207は、CPU201のワークメモリとして使用される他、画像データの一時記憶用のメモリとして用いられる。
【0025】
図7は、CPU201が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。CPU201は、電池202から電源が供給されると図7の処理を行うプログラムを起動し、電源供給が終了されるまで繰り返し実行する。図7のステップS1において、CPU201はAモードか否かを判定する。CPU201は、モード切替スイッチ112からAモード側への操作信号が入力された場合にステップS1を肯定判定してステップS2へ進む。CPU201は、モード切替スイッチ112からBモード側への操作信号が入力された場合には、ステップS1を否定判定してステップS8へ進む。
【0026】
Aモードは、蓄積開始スイッチ115による押下操作中を上記スタンバイ状態とする動作モードである。Bモードは、蓄積開始スイッチ115が押下されてから、再度蓄積開始スイッチ115が押下されるまでの間を上記スタンバイ状態とする動作モードである。
【0027】
ステップS2へ進む場合のCPU201はAモードの動作を行う。Aモードの場合の撮影者は、蓄積開始スイッチ115を押下しながらカメラボディ2のレリーズボタン3を押下操作する。CPU201は、ステップS2において蓄積スイッチ(蓄積開始スイッチ115)がオン操作されたか否かを判定する。CPU201は、蓄積開始スイッチ115から操作信号が入力された場合にステップS2を肯定判定してステップS3へ進む。CPU201は、蓄積開始スイッチ115から操作信号が入力されない場合にはステップS2を否定判定し、当該判定処理を繰り返して蓄積開始スイッチ115の操作を待つ。
【0028】
ステップS3において、CPU201は撮像回路203へ指示を送ってスタンバイ状態とし、ステップS4へ進む。これにより、撮像素子103に被写体光が入射されれば、入射光の強さに応じて蓄積動作が行われる。ステップS4において、CPU201は、LED116を点灯させてステップS5へ進む。LED116の点灯表示は、スタンバイ状態であることを示す。
【0029】
ステップS5において、CPU201は、蓄積スイッチのオン操作が継続されているか否かを判定する。CPU201は、蓄積開始スイッチ115から操作信号が継続入力されている場合にステップS5を肯定判定し、当該判定処理を繰り返す。この場合はスタンバイ状態を継続する。一方、CPU201は、蓄積開始スイッチ115から操作信号が入力されなくなった場合にはステップS5を否定判定し、ステップS6へ進む。
【0030】
ステップS6において、CPU201は撮像回路203へ指示を送ってスタンバイ状態を終了させ、ステップS7へ進む。ステップS7において、CPU201は、LED116を消灯させてステップS15へ進む。ステップS15において、CPU201は記録処理を行って図7による処理を終了する。記録処理では、撮像回路203で取得された蓄積信号に基づいて画像データを生成し、該画像データをメモリカード204へ記録する。
【0031】
ステップS8へ進む場合のCPU201はBモードの動作を行う。Bモードの場合の撮影者は、蓄積開始スイッチ115を押下してから、カメラボディ2のレリーズボタン3を押下操作する。CPU201は、ステップS8において蓄積スイッチがオン操作されたか否かを判定する。CPU201は、蓄積開始スイッチ115からの操作信号がオフからオンへ変化した場合にステップS8を肯定判定してステップS9へ進む。CPU201は、蓄積開始スイッチ115からの操作信号がオフからオンへ変化しない場合にはステップS8を否定判定し、当該判定処理を繰り返して操作信号の変化を待つ。
【0032】
ステップS9において、CPU201は撮像回路203へ指示を送ってスタンバイ状態にするとともに、タイマー計時を開始させてステップS10へ進む。これにより、撮像素子103に被写体光が入射されれば、入射光の強さに応じて蓄積動作が行われる。ステップS10において、CPU201は、LED116を点灯させてステップS11へ進む。LED116の点灯表示は、スタンバイ状態であることを示す。
【0033】
ステップS11において、CPU201は、蓄積スイッチが再びオン操作されたか否かを判定する。CPU201は、蓄積開始スイッチ115からの操作信号がオフからオンへ変化した場合にステップS11を肯定判定してステップS6へ進む。CPU201は、蓄積開始スイッチ115からの操作信号がオフからオンへ変化しない場合にはステップS11を否定判定してステップS12へ進む。
【0034】
ステップS12において、CPU201は、計時時間T1が経過したか否かを判定する。CPU201は、タイマーによる計時時間がT1に達した場合にステップS12を肯定判定してステップS13へ進む。時間T1は、スタンバイ状態での経過時間に相当する。CPU201は、計時時間がT1に満たない場合にはステップS12を否定判定し、ステップS11へ戻る。ステップS12からステップS11へ戻る場合は、スタンバイ状態を維持して(LED116点灯表示)待機する。
【0035】
ステップS13において、CPU201は、LED116を点滅表示させてステップS14へ進む。ステップS14において、CPU201は、計時時間T2(T2>T1)が経過したか否かを判定する。CPU201は、タイマーによる計時時間がT2に達した場合にステップS14を肯定判定してステップS6へ進む。時間T2は、スタンバイ状態での経過時間に相当する。CPU201は、計時時間がT2に満たない場合にはステップS14を否定判定し、ステップS11へ戻る。ステップS14からステップS11へ戻る場合は、スタンバイ状態を維持して(LED116点滅表示)待機する。
【0036】
計時時間T1およびT2の値は、タイマー設定回路205が設定情報として記憶する。これらの設定情報は、操作スイッチ群117からの操作信号に応じて変更可能に構成される。
【0037】
Bモードでは、スタンバイ状態にするために蓄積開始スイッチ115を押し続けなくても、あらかじめ設定されている所定時間(計時時間T2)の間、スタンバイ状態が維持される。そして、計時時間T1経過後はLED116を点灯表示から点滅表示に切替えるので、スタンバイ状態の自動終了が間近である旨を撮影者に知らせることができる。
【0038】
Bモードでは、所定時間(計時時間T2)に達する前でも、蓄積開始スイッチ115がオン操作されればスタンバイ状態を終了する。また、蓄積開始スイッチ115が再操作されなくても、所定時間(計時時間T2)に達すると自動的にスタンバイ状態を終了する。
【0039】
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)電子カメラバック101は、カメラボディ2に着脱自在に装着するための蝶番17,裏蓋カギB16と、該蝶番17,裏蓋カギB16によってカメラボディ2に固定された状態で該カメラボディ2側の撮影レンズ1による被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子103と、蓄積開始スイッチ115と、該蓄積開始スイッチ115からの操作信号に応じて撮像素子103に撮像動作を開始させるCPU201と、を備えるので、電子カメラバック101が装着されることを予定していないカメラ(ボディ)と組合わせて、適切に撮像させることができる。
【0040】
(2)上記(1)の電子カメラバック101において、撮像動作を開始後の経過時間を計時するCPU201をさらに備え、CPU201は、第1所定時間を計時すると撮像素子103の撮像動作を終了させるように構成したので、無駄な電力消費を防止できる。
【0041】
(3)上記(2)の電子カメラバック101において、第1所定時間を変更するタイマー設定回路205をさらに備えるように構成したので、撮像動作を終了させる時間を変更できる。
【0042】
(4)上記(2)または(3)の電子カメラバック101において、LED116と、撮像動作中を第1の表示態様とし、非撮像動作中を第2の表示態様とするようにLED116を制御するCPU201と、をさらに備えるように構成したので、動作状態を視覚的に知らせることができる。
【0043】
(5)上記(4)の電子カメラバック101において、CPU201は、第1所定時間より短い第2所定時間を計時するまでを第1の表示態様とし、第2所定時間を計時してから第1所定時間を計時するまでを第3の表示態様とするようにLED116をさらに制御するように構成したので、撮像動作中にもうすぐ終了であることを視覚的に知らせることができる。
【0044】
(6)上記(2)〜(5)の電子カメラバック101において、CPU201はさらに、撮像動作を開始後に蓄積開始スイッチ115から再度の操作信号を受けると撮像動作を終了させるように構成したので、撮像動作を終了させる時間が経過する前に撮像動作を終了させることもできる。
【0045】
(7)電子カメラバック101は、カメラボディ2に着脱自在に装着するための蝶番17,裏蓋カギB16と、該蝶番17,裏蓋カギB16によってカメラボディ2に固定された状態で該カメラボディ2側の撮影レンズ1による被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子103と、蓄積開始スイッチ115と、該蓄積開始スイッチ115からの操作信号に応じて撮像素子103に撮像動作の開始および終了をさせるCPU201と、を備えるので、電子カメラバック101が装着されることを予定していないカメラ(ボディ)と組合わせて、適切に撮像させることができる。
【0046】
(8)上記(7)の電子カメラバック101において、CPU201は、蓄積開始スイッチ115が操作されている間は撮像動作を継続し、蓄積開始スイッチ115が操作されなくなると当該撮像動作を終了させるように構成したので、撮影者は簡単に、撮像動作の開始操作および終了操作を行える。
【0047】
(9)上記(7)の電子カメラバック101において、CPU201は、撮像動作を開始後に蓄積開始スイッチ115から再度の操作信号を受けると撮像動作を終了させるように構成したので、長秒時露光を行う場合において蓄積開始スイッチ115を操作し続けなくてもよくなるので、撮影者による操作負担が軽減する。
【0048】
(10)上記(6)のCPU201と、上記(8)のCPU201と、これらのCPU201のうちいずれか一方に撮像制御をさせるCPU201と、を備えるように構成したので、たとえば、必要な露光時間に適した撮像制御を選ぶことが可能になる。
【0049】
(変形例1)
電子カメラバック101をスタンバイ状態にしたにもかかわらず、撮像素子103が露光されない場合にはその旨を撮影者に知らせるようにしてもよい。CPU201は、たとえば、タイマーによる計時時間が2秒に達した際に露光が行われていないことを判定した場合に、LED116の表示色を緑色から赤色に変更する。露光の有無は、撮像素子103から所定画素について信号を読み出し、該読み出し信号が所定の判定閾値を超えているか否かに基づいて判定する。露光されている場合は、信号値が判定閾値より高くなる。
【0050】
変形例1によれば、撮影者に対してレリーズボタン3の押下操作を促すことで、スタンバイ状態が長くなることを防止できる。スタンバイ状態が長くなると、発熱等によりノイズ発生の要因になる上、消費電力も増えてしまうからである。なお、露光の有無を判定するために、撮像素子103とは別に輝度センサを設け、該輝度センサの出力に基づいて露光の有無を判定する構成にしても構わない。
【0051】
(変形例2)
撮像素子103が露光されているにもかかわらず、電子カメラバック101のスタンバイ状態が解除されない場合にはその旨を撮影者に知らせるようにしてもよい。CPU201は、たとえば、タイマーによる計時時間が2秒に達した時点で既に露光が行われていることを判定した場合に、LED116の表示色を緑色から赤色に変更する。露光の有無は、たとえば、撮像素子103から所定画素について信号を読み出し、該読み出し信号が所定の判定閾値を超えているか否かに基づいて判定する。露光されている場合は、信号値が判定閾値より高くなる。なお、露光の有無を判定するために、撮像素子103とは別に輝度センサを設け、該輝度センサの出力に基づいて露光の有無を判定する構成にしても構わない。
【0052】
変形例2によれば、撮影者に対して蓄積開始スイッチ115の操作を促すことで、スタンバイ状態が長くなることを防止できる。スタンバイ状態が長くなると、ノイズ発生の要因になる上、消費電力も増えてしまう。
【0053】
(変形例3)
上述したLED116の表示色の変更によって撮影者に知らせる代わりに、あるいは表示色の変更とともに電子音などのアラーム音によって撮影者へ知らせるようにしてもよい。
【0054】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0055】
1…撮影レンズ
2…カメラボディ
3…レリーズボタン
7…裏蓋
16…裏蓋カギB
17…蝶番
101…電子カメラバック
103…撮像素子
112…モード切替スイッチ
113…液晶モニタ
115…蓄積開始スイッチ
116…LED
201…CPU
203…撮像回路
204…メモリカード
205…タイマー設定回路
206…不揮発性メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラボディに着脱自在に装着するための固定部材と、
前記固定部材によって前記カメラボディに固定された状態で該カメラボディ側の撮影光学系による被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、
操作部材と、
前記操作部材からの操作信号に応じて前記撮像素子に撮像動作を開始させる第1撮像制御部と、
を備えることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項2】
請求項1に記載の電子カメラバックにおいて、
前記撮像動作を開始後の経過時間を計時する計時部をさらに備え、
前記第1撮像制御部は、前記計時部によって第1所定時間が計時されると前記撮像素子の撮像動作を終了させることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項3】
請求項2に記載の電子カメラバックにおいて、
前記第1所定時間を変更する計時時間変更部をさらに備えることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項4】
請求項2または3に記載の電子カメラバックにおいて、
表示部と、
前記撮像動作中を第1の表示態様とし、非撮像動作中を第2の表示態様とするように前記表示部を制御する表示制御部と、
をさらに備えることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項5】
請求項4に記載の電子カメラバックにおいて、
前記表示制御部は、前記計時部によって前記第1所定時間より短い第2所定時間が計時されるまでを前記第1の表示態様とし、前記計時部によって前記第2所定時間が計時されてから前記第1所定時間が計時されるまでを第3の表示態様とするように前記表示部をさらに制御することを特徴とする電子カメラバック。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか一項に記載の電子カメラバックにおいて、
被写界からの入射光に基づいて露光の有無を判定する判定部と、
前記判定部で露光有りが判定されることなく前記計時部で第3所定時間が計時された場合に報知する報知部と、
をさらに備えることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子カメラバックにおいて、
前記第1撮像制御部はさらに、前記撮像動作を開始後に前記操作部材から再度の操作信号を受けると前記撮像動作を終了させることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項8】
カメラボディに着脱自在に装着するための固定部材と、
前記固定部材によって前記カメラボディに固定された状態で該カメラボディ側の撮影光学系による被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子と、
操作部材と、
前記操作部材からの操作信号に応じて前記撮像素子に撮像動作の開始および終了をさせる第2撮像制御部と、
を備えることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項9】
請求項8に記載の電子カメラバックにおいて、
前記第2撮像制御部は、前記操作部材が操作されている間は前記撮像動作を継続し、前記操作部材が操作されなくなると当該撮像動作を終了させることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項10】
請求項8に記載の電子カメラバックにおいて、
前記第2撮像制御部は、前記撮像動作を開始後に前記操作部材から再度の操作信号を受けると前記撮像動作を終了させることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか一項に記載の電子カメラバックにおいて、
前記撮像動作を開始後の経過時間を計時する計時部と、
前記撮像素子からの信号に基づいて露光の有無を判定する判定部と、
前記判定部で露光有りが判定されることなく前記計時部で所定時間が計時された場合に報知する報知部と、
をさらに備えることを特徴とする電子カメラバック。
【請求項12】
請求項7に記載の第1制御部と、
請求項9に記載の第2制御部と、
前記第1撮像制御部および前記第2撮像制御部のうちいずれか一方に撮像制御をさせる切替部と、
を備えることを特徴とする電子カメラバック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−242614(P2012−242614A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112715(P2011−112715)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】