説明

電子スチルカメラ

【構成】電子スチルカメラ1は、撮影光学系2、ファインダー光学系、CCD8、ストロボ装置9、制御手段11、操作部12、表示部13、電源回路14、ズーム駆動回路18、フォーカス駆動回路19、絞り駆動回路20、CCD駆動回路21、同期信号発生回路22、アドレス制御回路23、CCD信号処理回路24、A/D変換器25、メインメモリー26、RGBマトリックス回路27、ホワイトバランス調整回路28、メモリーカード制御回路29、画像圧縮回路30、距離情報メモリー31およびホワイトバランス用センサー32等を有している。ストロボ撮影では、撮影画面上の領域を複数に分割し、その各分割画面毎に、被写体までの距離を検出し、被写体までの距離に応じてホワイトバランス調整を行う。
【効果】ストロボ撮影の際、撮影した画像を適正に色再現できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストロボ装置を備えた電子スチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】電子スチルカメラでは、光の色温度にかかわらず白い被写体が白く色再現されるようホワイトバランス調整が行われている。この場合、ストロボ装置を備えた電子スチルカメラは、一般に、ストロボ撮影(ストロボ発光)時のホワイトバランス調整をストロボ光の色温度に基づいて行うように構成されている。
【0003】例えば、ストロボ装置の発光部にキセノン管を用いた場合には、ストロボ撮影時には、ストロボ光によって白い被写体が青側に偏って色再現されるのを防止するため、画像全体において青色を抑え、赤色を強調するようにホワイトバランス調整を行う。
【0004】しかし、このようなホワイトバランス調整では、ストロボ撮影において、外光の色温度がストロボ光の色温度と異なる場合、撮影した画像に不自然な色が再現されてしまうことがある。
【0005】すなわち、ストロボ撮影では、ストロボ光は所定の距離までしか届かないので、近距離はストロボ光の色温度、遠距離は外光の色温度となり、ストロボ光の色温度に基づいてホワイトバランス調整を行うと、近距離の画像は適正に色再現されるが、遠距離の画像を適正に色再現することが困難となる。
【0006】また、逆に、外光の色温度に合わせてホワイトバランス調整を行うと、遠距離の画像は適正に色再現されるが、近距離の画像を適正に色再現することが困難となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ストロボ撮影において、撮影した画像を適正に色再現することが可能な電子スチルカメラを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記(1)〜(3)の本発明により達成される。
【0009】(1) 固体撮像素子を備えた撮像部と、閃光を発する発光部を備えたストロボ装置と、前記閃光の色温度と前記閃光を発しない時の被写体からの光の色温度とに基づいて、前記撮像部からの画像信号のホワイトバランス調整を行うホワイトバランス調整回路と、前記被写体までの距離を検出する距離検出手段とを有する電子スチルカメラであって、前記距離検出手段は、撮影画面上の領域を複数に分割し、その各分割画面毎に前記被写体までの距離を検出し、前記ホワイトバランス調整回路は、前記ストロボ装置により閃光を発して撮影する場合、前記被写体までの距離に応じて、前記各分割画面毎にそれぞれホワイトバランス調整を行うよう構成されていることを特徴とする電子スチルカメラ。
【0010】(2) 前記ホワイトバランス調整回路は、前記閃光の色温度と前記閃光を発しない時の前記被写体からの光の色温度とに基づいて、前記撮像部からの画像信号の増幅度を調整することにより前記ホワイトバランス調整を行うよう構成され、前記ホワイトバランス調整回路は、前記被写体までの距離に応じて、前記閃光の色温度に基づく増幅度と、前記閃光を発しない時の前記被写体からの光の色温度に基づく増幅度との重みを、前記被写体までの距離が近い程前記閃光の色温度に基づく増幅度の重みが高くなるようにする上記(1)に記載の電子スチルカメラ。
【0011】(3) 前記距離検出手段は、前記撮像部からの画像信号を信号処理することにより前記被写体までの距離を検出する上記(2)または(3)に記載の電子スチルカメラ。
【0012】
【実施例】以下、本発明の電子スチルカメラを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。図1および図2は、それぞれ、本発明の電子スチルカメラの構成例を示す斜視図およびブロック図である。図1に示すように、電子スチルカメラ(CCDデジタルカメラ)1は、箱型のボディー10を有し、ボディー10の前面(正面)には、撮影レンズ3およびストロボ装置9の発光部90、ボディー10の背面には、ファインダー7およびICメモリーカード40の装填口37、ボディー10の上面には、レリーズスイッチ121、ズームスイッチ122、エジェクトスイッチ124および表示部13、ボディー10の側面には、メインスイッチ120およびストロボスイッチ123が、それぞれ設置されている。
【0013】図2に示すように、電子スチルカメラ1は、ボディー10内に撮影光学系2を有している。この撮影光学系2は、カム環内に移動可能に設置されている撮影レンズ3と、絞り4と、ハーフミラー5とで構成されている。絞り4は、シャッターを兼ねており、複数の羽根を有し、絞り駆動回路20による羽根の移動や回転により、その開口径を変更し得るよう構成されている。
【0014】さらに、撮影光学系2の後方の撮像面には、CCD(固体撮像素子)8が設置されている。このCCD8は、多数の画素が行列状に配置され、各画素のそれぞれが受光光量に応じた電荷を蓄積し、この電荷を所定時に順次転送するように構成されている。
【0015】本実施例は、カラー画像撮影用の電子スチルカメラ1であり、例えば、CCD8としては、補色フィルターのCCDが用いられている。図3は、CCD8の構成例を模式的に示す図である。同図に示すように、CCD8の各画素(最小単位)には、マゼンタ(Mg)、イエロー(Ye)、シアン(Cy)およびグリーン(G)を取り出すためのフィルターが各々被せられている。そして、CCD8のマゼンタ、イエロー、シアンおよびグリーンを取り出すためのフィルターを有する4つの画素が1単位を構成し、この1単位により画面上における1つの画素が構成される。
【0016】この場合、1画面は、m行×n列(本実施例では、480行×768列)の前記画面上の画素によって構成されている。以下、m行、n列目の画面上の画素を(m,n)で表す。また、「画面上の画素」を単に「画素」という。
【0017】従って、例えば、図3に示すように、CCD8の画素A1、A2、B1およびB2により、(1,1)の画素が構成され、CCD8の画素A2、A3、B2およびB3により、(1,2)の画素が構成され、CCD8の画素B1、B2、C1およびC2により、(2,1)の画素が構成される。以下、同様である。
【0018】また、このような撮影光学系2の光路から分岐するファインダー光学系として、反射鏡6およびファインダー7が設置されている。このような構成において、被写体からの光は、撮影レンズ3を透過し、絞り4の開口を通過した後、その一部はハーフミラー5で反射し、その残部はハーフミラー5を透過する。ハーフミラー5で反射した光は、さらに反射鏡6で反射し、ファインダー7に至る。一方、ハーフミラー5を透過した光は、CCD8の受光面に至る。このようにして、被写体像は、CCD8の受光面上に結像する。
【0019】また、電子スチルカメラ1は、制御手段11を有している。この制御手段11は、通常、マイクロコンピュータ(CPU)で構成され、後述するホワイトバランス調整に関する制御のほか、シーケンス制御、露出演算、自動露出や自動焦点合わせの実行、ストロボ駆動等の電子スチルカメラ1における諸機能の制御を行う。
【0020】制御手段11には、操作部12および表示部13が接続されている。操作部12には、例えば、メインスイッチ(電源スイッチ)120、撮影しかつその画像信号をICメモリーカード40に記憶(記録)するためのレリーズスイッチ121、撮影レンズ3のうちのズームレンズを駆動して焦点距離を望遠側または広角側に変更するためのズームスイッチ122、撮影時にストロボ装置9を駆動する「ストロボ撮影モード」にするストロボスイッチ123、ICメモリーカード40を排出するためのエジェクトスイッチ124が設置されており、さらに、フィールド記録/フレーム記録のうちの一方を選択する記録モード選択スイッチ、画像信号を記憶するICメモリーカード40のメモリー上の領域(アドレス)を指定するスイッチ等が必要に応じて設置されている。
【0021】操作部12において、ストロボスイッチ123をオンすると、ストロボ撮影モード設定指令信号が制御手段11へ入力され、「ストロボ撮影モード」に設定される。なお、ストロボスイッチ123がオフのときは、撮影時にストロボ装置9を駆動しないモード、すなわちストロボ装置9により閃光を発しないで撮影する「通常撮影モード」に設定されている。
【0022】表示部13には、例えば、メインスイッチ120、ストロボスイッチ123等のオン/オフの別、記録モード選択スイッチにより選択されたフィールド記録/フレーム記録の別、撮影の年月日等の情報、ICメモリーカード40の装填の有無、画像信号を記憶するICメモリーカード40のメモリー上の領域、後述するストロボ撮影(ストロボ発光)に関する情報、ズーム倍率、現在の時間等のうちの必要な情報が、例えば、液晶表示素子(LCD)や発光素子により表示される。
【0023】また、電子スチルカメラ1は、電力を供給するための電源回路14を有している。この電源回路14には、バッテリー15が接続され、また、外部電源回路16に接続するための端子が設けられている。
【0024】また、電子スチルカメラ1は、ズーム駆動回路18、フォーカス駆動回路19、絞り駆動回路20、図示しない測光手段を有している。測光手段は、被写体の輝度を測定し、その情報を制御手段11へ入力する。
【0025】レリーズスイッチ121は、2段スイッチとなっている。レリーズスイッチの1段目をオンすると、前記測光手段が作動し、さらに、2段目をオンすると、後述するようにCCD駆動手段21によりCCD8が駆動して撮影が行われる。
【0026】ズーム駆動回路18は、カム環を回転させることにより撮影光学系2の焦点距離を望遠側または広角側へ駆動する回路であり、ズーム駆動用のモータを有している。このズーム駆動回路18は、ズームスイッチ122の操作により作動する。
【0027】フォーカス駆動回路19は、合焦点駆動用のモータを有している。後述するように、距離検出手段から制御手段11に測距情報が入力され、制御手段11は、この測距情報に基づいて、合焦させるための指令信号をフォーカス駆動回路19に入力する。フォーカス駆動回路19は、この合焦指令により合焦点駆動用のモータを所定量回転駆動させて、撮影レンズ3のうちの焦点合わせレンズを駆動する。これにより合焦状態が得られる。
【0028】絞り駆動回路20は、絞り駆動用のモータを有している。前述したように、測光手段から制御手段11に被写体の輝度情報が入力され、制御手段11は、この輝度情報に基づいて、露出演算を行い適正な絞り値およびシャッター速度(CCD8での電荷蓄積時間)を決定する。そして、絞り4の絞り値を前記適正絞り値にする指令信号を絞り駆動回路20に入力する。絞り駆動回路20は、この指令により絞り駆動用のモータを所定量回転駆動させて、絞り4の羽根を駆動し、前記適正シャッター速度でシャッターを閉じる。
【0029】また、電子スチルカメラ1は、閃光を発する発光部90およびストロボ駆動回路17を備えたストロボ装置9を有している。この場合、前記発光部90の閃光発光管としては、例えば、キセノン管等を用いる。
【0030】前記ストロボ撮影モードにおいて、制御手段11からストロボ駆動回路17にストロボ駆動指令信号(ストロボ発光トリガー信号)が入力されると、ストロボ駆動回路17は、この指令により発光部90を発光させる。なお、発光部90の発光量(発光時間)は、ストロボ駆動回路17に内蔵された調光回路により適正に制御される。
【0031】また、電子スチルカメラ1は、光の色温度を測定する測色手段であるホワイトバランス用センサ32を有している。このホワイトバランス用センサ32は、受光部33および測色回路34により構成されている。
【0032】ホワイトバランス用センサ32では、外光、すなわちストロボ装置9の発光部90を発光させない場合における被写体からの光のレッド(R)成分、グリーン(G)成分およびブルー(B)成分の強度が検出され、R成分とG成分の強度比に相当するR/G信号と、B成分とG成分の強度比に相当するB/G信号とが求められる。これらのR/G信号およびB/G信号は、それぞれ制御手段11に入力され、後述するホワイトバランス調整に利用される。
【0033】また、電子スチルカメラ1は、CCD駆動回路21、同期信号発生回路22、アドレス制御回路23、CCD信号処理回路24、A/D変換器25、メインメモリー26、RGBマトリックス回路27、ホワイトバランス(WB)調整回路28、メモリーカード制御回路29、画像圧縮回路30、距離情報メモリー31およびICメモリーカード40を装填する装填部35を有している。
【0034】この場合、前記撮影光学系2、CCD8およびCCD駆動回路21により、撮像部が構成されている。また、前記撮影光学系2、CCD8、フォーカス駆動回路19、CCD駆動回路21、アドレス制御回路23および制御手段11により、被写体までの距離を検出する距離検出手段が構成されている。なお、この距離検出手段については、後に詳述する。
【0035】また、距離情報メモリー31には、後述する各分割画面に対応する空間周波数および被写体までの距離が記憶される。同期信号発生回路22では、制御手段11から制御信号が入力され、この制御信号に基づいてクロック信号を生成し、このクロック信号に基づいて同期信号(水平同期信号および垂直同期信号等)を生成する。生成されたクロック信号および同期信号は、それぞれ、CCD駆動回路21と、アドレス制御回路23に入力され、それぞれの動作に利用される。
【0036】アドレス制御回路23では、同期信号発生回路22から入力された同期信号およびクロック信号に基づいて、各種パルス信号を生成する。アドレス制御回路23で生成された各パルス信号は、それぞれRGBマトリックス回路27およびホワイトバランス調整回路28に入力される。
【0037】CCD駆動回路21は、同期信号発生回路22から入力される同期信号に基づいてCCD8を駆動する。この場合、レリーズスイッチ121の2段目がオンされると、CCD8の各画素には、前述した測光手段からの被写体の輝度情報に基づき求められた適正なシャッター速度(露光時間)、すなわち電荷蓄積時間で、被写体像に対応する光量に応じた電荷が蓄積され、この蓄積された電荷は順次転送され、CCD信号処理回路24に入力される。
【0038】CCD信号処理回路24では、CCD8から出力される信号に対し所定の信号処理を行い、撮影された被写体像のアナログ画像信号、すなわち、マゼンタ、イエロー、シアンおよびグリーンに関するアナログ画像信号を得る。このアナログ画像信号は、A/D変換器25によりデジタル画像信号、すなわち、マゼンタ、イエローおよびシアンの補色デジタル画像信号と、グリーンの原色デジタル画像信号とに変換され、メインメモリー26の所定のアドレスに一旦記憶される。
【0039】この場合、アドレス制御回路23は、同期信号発生回路22からの同期信号に基づき、内蔵する書き込み用アドレスカウンターを作動させて、メインメモリー26の所定のアドレスに、各デジタル画像信号を書き込んでいく。
【0040】また、アドレス制御回路23は、制御手段11からのクロック信号に基づき、内蔵する読み出し用アドレスカウンターを作動させて、メインメモリー26の所定のアドレスから各デジタル画像信号を読み出していく。
【0041】読み出された各デジタル画像信号は、RGBマトリックス回路27に入力される。このRGBマトリックス回路27においては、入力されたマゼンタ、イエローおよびシアンの補色デジタル画像信号およびグリーンの原色デジタル画像信号に対し、所定の演算処理等を行い、レッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)のデジタル画像信号、すなわち原色デジタル画像信号に変換する。
【0042】各原色デジタル画像信号は、それぞれ、ホワイトバランス調整回路28に入力され、所定のホワイトバランス調整が行われる。この場合、本実施例では、後述するように、ホワイトバランス調整回路28でRのデジタル画像信号と、Bのデジタル画像信号の増幅度が別々に調節され、これにより、デジタル画像信号のホワイトバランスが調整される。
【0043】このようにして得られた各原色デジタル画像信号は、それぞれ、メモリーカード制御回路29に入力される。このメモリーカード制御回路29では、制御手段11によって制御される画像圧縮回路30により、入力された原色デジタル画像信号を所定量に圧縮した原色デジタル画像信号を出力する。
【0044】装填部35にICメモリーカード40を装填した状態で、メモリーカード制御回路29から出力された圧縮済の原色デジタル画像信号は、コネクタ36を介して、ICメモリーカード40のICメモリーの所定のアドレスに記憶される。
【0045】ICメモリーカード40は、電子スチルカメラ1により撮影された画像を記憶(記録)するための記録媒体であり、IC(Integrated Circuit)メモリーが組み込まれたカードである。このICメモリーは、前述した画像信号(画像情報)を記憶する領域と、カード属性情報を記憶する領域とを有している。カード属性情報としては、例えば、ICメモリーの種類(例えば、スタティックラム、フラッシュメモリー等)、ICメモリーの記憶容量、アクセス速度等が挙げられる。この他、ICメモリーには、例えば、シャッター速度、絞り値等またはこれらの組み合わせのような露光条件や、撮影の年月日等のカメラの撮影条件に関する情報が記憶されていてもよい。
【0046】なお、ICメモリーカード40の装填部35への装填は、ICメモリーカード40を手で把持しつつ装填口37より内部へ挿入し、装填部35の最奥部に当接した後、さらに押圧して、ICメモリーカード40の端子をコネクタ36の端子に接続する。また、装填部35内には、カード搬送機構(図示せず)が設置されており、ICメモリーカード40を装填部35から排出する際には、エジェクトスイッチ124の操作に伴って前記カード搬送機構が作動し、ICメモリーカード40が排出される。
【0047】次に、撮影(記録)時におけるホワイトバランス調整について説明する。本発明の電子スチルカメラ1では、ストロボ撮影モードで撮影する場合、すなわち、ストロボ装置9によりその発光部90から閃光(ストロボ光)を発して撮影(以下、単に「ストロボ撮影」という)する場合、発光部90からの閃光の色温度と、閃光を発しない時の被写体からの光(以下、単に「外光」という)の色温度とに基づいて、ホワイトバランス調整を行う。そして、この場合、被写体までの距離に応じて、前記ホワイトバランス調整を行う。以下、具体的に説明する。
【0048】図4は、撮影画面を模式的に示す図である。同図に示すように、撮影画面51上の領域は、複数、すなわちM行×N列(本実施例では、60行×96列)に分割されており、前述した距離検出手段は、ストロボ撮影の際、各分割画面52毎に被写体までの距離を検出する。以下、M行、N列目の分割画面52を(M,N)で表す。なお、前記分割画面52は、本実施例では、CCD8上の8行×8列のフォトダイオード64画素分に対応している。
【0049】前記距離検出手段は、撮像部からの画像信号を信号処理することにより被写体までの距離を検出するよう構成されており、その距離の検出は、下記のようにして行われる。
【0050】下記表1に示すように、撮影レンズ3が、例えば、物像間距離0.65〜無限遠(∞)のレンズである場合、撮影レンズ3の光軸方向のレンズ繰り出し位置(量)を複数個(例えば、17)に分割する。
【0051】なお、下記表1中、Zは、最もレンズ繰り出し量の多い位置からの順番(番号)、LZ は、Zに対応する撮影レンズ3の物像間距離、Χn は、LZ =∞のときレンズ繰り出し量を0とした場合の各LZ におけるレンズ繰り出し量である。
【0052】
【表1】


【0053】また、上記表1に示すように、例えば、Z=1〜6を「近距離」、Z=7〜11を「中距離」、Z=12〜17を「遠距離」とする。この場合、まず、Z=1において、各分割画面52毎に、画像信号から空間周波数を求める。次いで、フォーカス駆動回路19により撮影レンズ3を駆動し、Z=2〜17についてもそれぞれ各分割画面52毎に、画像信号から空間周波数を求めていく。そして、各分割画面52のそれぞれにおいて、Z=1〜17のうち最も空間周波数が高いZに対応する撮影レンズ3の物像間距離を距離情報メモリー31に格納する。
【0054】このように各分割画面毎に、前記距離検出手段によって検出された「近距離」、「中距離」および「遠距離」の情報に基づいて、ストロボ光の色温度と、外光の色温度との重み(依存度)を変え、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度を設定する。これにより、Rのデジタル画像信号および/またはBのデジタル画像信号の利得が調整される。なお、前記「近距離」、「中距離」および「遠距離」の3値を「重み付け情報」と定義し、以下説明する。
【0055】ここで、ストロボ光の色温度(ストロボ光のR/G信号およびB/G信号)のみに基づいてホワイトバランス調整を行う場合、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度(係数)を、それぞれ、AR1およびAB1とし、また、外光の色温度(外光のR/G信号およびB/G信号)のみに基づいてホワイトバランス調整を行う場合、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度(係数)を、それぞれ、AR2およびAB2とすると、各分割画面毎に、前記重み付け情報に基づいて、前記AR1およびAB1と、AR2およびAB2との重みを変えて、ホワイトバランス調整を行う。
【0056】「近距離」では、ストロボ光の影響が強いので、ストロボ光の色温度の重み、すなわちAR1およびAB1の重みを高くしてホワイトバランス調整を行う。例えば、AR1およびAB1と、AR2およびAB2との重みを、8:2にした場合には、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度を、それぞれ、AR1×0.8+AR2×0.2、AB1×0.8+AB2×0.2とする。
【0057】逆に、「遠距離」では、ストロボ光の影響が弱いので、外光の色温度の重み、すなわちAR2およびAB2の重みを高くしてホワイトバランス調整を行う。例えば、AR1およびAB1と、AR2およびAB2との重みを、2:8にした場合には、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度を、それぞれ、AR1×0.2+AR2×0.8、AB1×0.2+AB2×0.8とする。
【0058】そして、「中距離」では、前記近距離と遠距離の中間として、ストロボ光の色温度と、外光の色温度との重みを等しく、すなわちAR1およびAB1と、AR2およびAB2との重みを等しくしてホワイトバランス調整を行う。例えば、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度を、それぞれ、AR1×0.5+AR2×0.5、AB1×0.5+AB2×0.5とする。
【0059】なお、前記表1のデータ、AR1およびAB1は、予め、制御手段11に内蔵されている不揮発性メモリーの所定のアドレスに記憶されている。また、前記AR2およびAB2は、制御手段11により、ホワイトバランス用センサ32からのR/G信号およびB/G信号に基づいて、撮影の度に求められる。
【0060】このような電子スチルカメラ1により撮影を行ない、その撮影した画像情報をICメモリーカード40に記憶する場合には、まず、操作部12のメインスイッチ120をオンし、装填部35にICメモリーカード40を装填し、コネクタ36の端子と、ICメモリーカード40の端子とをそれぞれ電気的に接続させる。これにより、ICメモリーカード40に予め記憶されているカード属性情報等は、端子、コネクタ36およびメモリーカード制御回路29を介して、制御手段11に内蔵されている不揮発性メモリーの所定のアドレスに記憶される。
【0061】また、電源回路14から電力がICメモリーカード40に供給される。不揮発性メモリーに記憶されたカード属性情報は、適宜読み出され、この読み出された情報に基づいて、装置各部の動作モードが設定される。また、ストロボスイッチ123のオン/オフを選択することにより、「ストロボ撮影モード」/「通常撮影モード」の設定がなされる。このようにして撮影が可能な状態となり、撮影者がレリーズスイッチ121をオンすると、撮影が行われる。
【0062】次に、ストロボ撮影を行う際の制御手段11の制御動作について具体的に説明する。図5、図6、図7および図8は、制御手段11の動作を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて説明する。
【0063】まず、メインスイッチ120およびストロボスイッチ123がそれぞれオンの状態において、レリーズスイッチ121がオンか否かを判断し(ステップ201)、レリーズスイッチ121がオンと判断した場合には、分割画面の行番号M=0とし(ステップ202)、分割画面の列番号N=0とする(ステップ203)。
【0064】次いで、M=M+1とし(ステップ204)、N=N+1とする(ステップ205)。次いで、距離情報メモリー31の前記MとNに対応した所定のアドレスに、(M,N)での空間周波数f(M,N)=0、(M,N)での被写体までの距離L(M,N)=0を書き込む(ステップ206)。
【0065】次いで、N=96か否かを判断し(ステップ207)、N=96ではないと判断した場合には、ステップ205に戻り、再度、ステップ205〜207を実行する。
【0066】ステップ207においてN=96と判断した場合には、M=60か否かを判断し(ステップ208)、M=60ではないと判断した場合には、ステップ203に戻り、再度、ステップ203〜208を実行する。このようにして、距離情報メモリー31はリセットされ、新規書き込みの準備が整う。ステップ208においてM=60と判断した場合には、Z=0とし(ステップ209)、Z=Z+1とする(ステップ210)。
【0067】次いで、フォーカス駆動回路19により撮影レンズ3を駆動し、撮影レンズ3の物像間距離がLZ になるように、そのZにおけるΧn だけ撮影レンズ3を繰り出す(ステップ211)。
【0068】次いで、CCD8からのCCD信号に対し、前述したように、所定の信号処理を行い、さらにA/D変換して、その1画面分のデジタル画像信号をメインメモリー25の所定のアドレスに書き込む(ステップ212)。
【0069】次いで、M=0とし(ステップ213)、N=0とする(ステップ214)。次いで、M=M+1とし(ステップ215)、N=N+1とする(ステップ216)。
【0070】次いで、メインメモリー25の所定のアドレスから(M,N)に対応するデジタル画像信号を読み出し、(M,N)での空間周波数fを算出する(ステップ217)。
【0071】次いで、今回のZにおける(M,N)での空間周波数fと、すでに距離情報メモリー31に格納されている(M,N)での過去最大の空間周波数f0 (M,N)とを対比し、f0 (M,N)<fか否かを判断する(ステップ218)。すなわち、画像の空間周波数が記憶済の分割画面の画像の空間周波数より高いか否かを判断する。
【0072】ステップ218において、f0 (M,N)<fと判断した場合には、距離情報メモリー31の所定のアドレスに記憶されている(M,N)での空間周波数f0(M,N)と、(M,N)での被写体までの距離L(M,N)とをそれぞれfと、LZ とに書き換える。すなわち、距離情報メモリー31の所定のアドレスに、(M,N)での空間周波数f0 (M,N)=f、(M,N)での被写体までの距離L(M,N)=LZ を書き込む(ステップ219)。次いで、N=96か否かを判断する(ステップ220)。
【0073】また、ステップ218において、f0 (M,N)≧fと判断した場合には、距離情報メモリー31の所定のアドレスに記憶されている(M,N)での空間周波数f0 (M,N)と、(M,N)での被写体までの距離L(M,N)とをそれぞれ書き換えず、N=96か否かを判断する(ステップ220)。
【0074】ステップ220においてN=96ではないと判断した場合には、ステップ216に戻り、再度、ステップ216〜220を実行する。ステップ220においてN=96と判断した場合には、M=60か否かを判断し(ステップ221)、M=60ではないと判断した場合には、ステップ214に戻り、再度、ステップ214〜221を実行する。
【0075】ステップ221においてM=60と判断した場合には、Z=17か否かを判断し(ステップ222)、Z=17ではないと判断した場合には、ステップ210に戻り、再度、ステップ210〜222を実行する。このようにして、各分割画面のそれぞれにおいて、Z=1〜17のLZ のうち最も空間周波数の高かった撮影レンズ3の物像間距離LZ が、その分割画面の被写体までの距離として、距離情報メモリー31の所定のアドレスに記憶される。
【0076】ステップ222においてZ=17と判断した場合には、距離情報メモリー31の所定のアドレスに記憶されている距離情報に基づき、撮影レンズ3の物像間距離が「被写体までの距離」になるレンズ繰り出し位置に、フォーカス駆動回路19により撮影レンズ3を駆動する(ステップ223)。これにより合焦状態が得られる。ここで、前記「被写体までの距離」とは、予め設定されている分割画面(例えば、中央領域に対応する分割画面)におけるLZ に相当し、このLZ に対応した繰り出し量Χn 分レンズが駆動される。
【0077】次いで、ストロボ装置9の発光部90を発光させずに、ホワイトバランス用センサ32により、外光の色温度を測定する(ステップ224)。この場合、前述したように、ホワイトバランス用センサ32により、外光におけるR/G信号およびB/G信号が求められ、これらのR/G信号およびB/G信号は、それぞれ制御手段11に入力される。
【0078】そして、ストロボ光の色温度(ストロボ光におけるR/G信号およびB/G信号)と、外光におけるR/G信号およびB/G信号と、「近距離」、「中距離」または「遠距離」の重み付け情報とに基づいて、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度が各分割画面毎にそれぞれ求められる。すなわち、外光の色温度と、ストロボ光の色温度との重みを、「近距離」は、外光<ストロボ光、「中距離」は、外光=ストロボ光、「遠距」は、外光>ストロボ光として、「近距離」、「中距離」および「遠距離」について、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度がそれぞれ求められる。
【0079】CCD8のフォトダイオードに蓄積された不要電荷の掃き出し動作を行った後、CCD8への露光(本露光)、すなわち電荷の蓄積を開始する(ステップ225)。次いで、ストロボ装置9の発光部90の発光を開始する(ステップ226)。
【0080】次いで、所定時間経過後、ストロボ装置9の発光部90の発光を停止する(ステップ227)。次いで、メカシャッター(絞り4)を閉じる(ステップ228)。
【0081】次いで、CCD8からCCD信号を読み出し、前述したように、そのCCD信号に対し、CCD信号処理回路24において所定の信号処理を行い、マゼンタ、イエロー、シアンおよびグリーンに関するアナログ画像信号とし、さらに、A/D変換器25によりデジタル画像信号に変換し、A/D変換器25より出力されたデジタル画像信号を、ICメモリーカード40への書き込み速度に合わせるために、メインメモリー26の所定のアドレスに書き込む(ステップ229)。前記デジタル画像信号のメインメモリー26への書き込みが終了した後、メカシャッター(絞り4)を開く(ステップ230)。
【0082】次いで、画素の行番号m=0とし(ステップ231)、画素の列番号n=0とする(ステップ232)。次いで、m=m+1とし(ステップ233)、このmの属するMを下記数1に示す(1)式から求める(ステップ234)。下記数1に示す(1)式および下記数2に示す(2)式において、「INT」とは、小数点以下を切り捨てた整数値を得ることを意味し、ここでは、各画素が前述のどの分割画面に所属しているのかを把握するために用いる。
【0083】
【数1】


【0084】次いで、n=n+1とし(ステップ235)、このnの属するNを下記数2に示す(2)式から求める(ステップ236)。
【0085】
【数2】


【0086】次いで、メインメモリー26の所定のアドレスから(m,n)のマゼンタ、イエロー、シアンおよびグリーンのデジタル画像信号を読み出し、前述したように、RGBマトリックス回路27により、このデジタル画像信号をレッド(R)、グリーン(G)およびブルー(B)の原色デジタル画像信号に変換する(ステップ237)。
【0087】次いで、距離情報メモリー31の所定のアドレスから、(m,n)が属する(M,N)の被写体までの距離L(M,N)を読み出し、前記表1のデータに基づき、このL(M,N)が、「近距離」、「中距離」および「遠距離」のうちのいずれであるかを判断する(ステップ238)。
【0088】ステップ238において、L(M,N)は「近距離」であると判断した場合には、外光<ストロボ光の割合で、ホワイトバランス処理を行う(ステップ239)。すなわち、前述したように、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度を「近距離」の場合の増幅度に設定し、このホワイトバランス調整回路28により、(m,n)のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の利得を調整する。
【0089】また、ステップ238において、L(M,N)は「中距離」であると判断した場合には、外光=ストロボ光の割合で、ホワイトバランス処理を行う(ステップ240)。すなわち、前述したように、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度を「中距離」の場合の増幅度に設定し、このホワイトバランス調整回路28により、(m,n)のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の利得を調整する。
【0090】また、ステップ238において、L(M,N)は「遠距離」であると判断した場合には、外光>ストロボ光の割合で、ホワイトバランス処理を行う(ステップ241)。すなわち、前述したように、ホワイトバランス調整回路28のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の増幅度を「遠距離」の場合の増幅度に設定し、このホワイトバランス調整回路28により、(m,n)のRのデジタル画像信号およびBのデジタル画像信号の利得を調整する。
【0091】ステップ239、240または241の後、ICメモリーカード40のICメモリーの所定のアドレスに、前記ホワイトバランス調整済のR、GおよびBのデジタル画像信号をそれぞれ書き込む(ステップ242)。
【0092】次いで、n=768か否かを判断し(ステップ243)、n=768ではないと判断した場合には、ステップ235に戻り、再度、ステップ235〜243を実行する。
【0093】ステップ243においてn=768と判断した場合には、m=480か否かを判断し(ステップ244)、m=480ではないと判断した場合には、ステップ232に戻り、再度、ステップ232〜244を実行する。
【0094】ステップ243においてm=480と判断した場合には、このプログラムを終了する。以上により、ストロボ撮影により撮影された画像情報のICメモリーカード40への記憶が完了する。
【0095】なお、通常撮影モードにおける電子スチルカメラ1の動作については、詳細な説明は省略するが、通常撮影モードでの撮影(記録)の場合は、例えば、外光の色温度に基づき、ホワイトバランス調整回路28によりホワイトバランス調整を行う。また、例えば、距離検出手段による被写体までの距離の検出は、予め設定した所定の分割画面について行い、その情報に基づいて合焦状態を得る。
【0096】以上のように、本実施例の電子スチルカメラ1では、ストロボ撮影の際、被写体までの距離に応じて、画像信号のホワイトバランス調整を行うので、適正なホワイトバランス調整がなされ、これにより撮影した画像を適正に色再現して記録することができる。すなわち、肉眼で見た場合のような自然な色再現がなされる。しかも、ストロボ装置の発光部にフィルターを付けてストロボ撮影を行う場合に比べ、ストロボ光の光量低下がないといった利点を有する。
【0097】また、本実施例の電子スチルカメラ1では、撮影画面上の領域を複数に分割し、その各分割画面毎に、被写体までの距離を検出して、ホワイトバランス調整を行うので、撮影画面内に被写体までの距離が異なる部分があっても、撮影画面全体について適正なホワイトバランス調整がなされ、これにより撮影した画像を画面全体に渡って適正に色再現することができる。
【0098】また、本実施例の電子スチルカメラ1では、外光の色温度を撮影の度に測定し、その測定結果に基づいてホワイトバランス調整を行うので、例えば、屋外での撮影と、屋内での撮影の場合のように、外光の色温度が異なる複数の撮影条件において、それぞれ適正なホワイトバランス調整を行うことができる。
【0099】以上、本発明の電子スチルカメラを図示の構成例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前記本実施例では、被写体までの距離を「近距離」、「中距離」および「遠距離」の3段階に分けて設定しているが、本発明では、被写体までの距離を例えば、4段階以上または2段階に分けて設定してもよい。この場合、細かく分ける程適正なホワイトバランス調整が可能となるが、あまり細か過ぎると制御が複雑となるので、例えば、3〜5段階程度とすればよい。
【0100】また、本実施例では、撮影画面上の領域を60行×96列に分割しているが、本発明では、撮影画面上の領域の分割数や分割パターンはこれに限定されない。また、本発明における距離検出手段は、本実施例の構成に限定されず、例えば、公知の多点測距機構(多点測距手段)で構成し、分割画面と、測距点とが対応するように構成してもよい。
【0101】また、本実施例では、補色市松カラーフィルターのCCDを用いているが、本発明では、前記補色フィルターのCCDに限定されず、例えば、G、R/B方式の2板式のフィルターまたはG、R、Bの3板式のフィルター等、原色カラーフィルターのCCDを用いてもよい。
【0102】また、本実施例では、記録媒体として、ICメモリーカードを用いているが、本発明における記録媒体は、ICメモリーカードに限定されず、例えば、装置自体に内蔵されたメモリーやカード以外のものに搭載されたメモリーであってもよく、さらには、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光記録媒体等であってもよい。
【0103】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電子スチルカメラによれば、ストロボ撮影の際、被写体までの距離に応じてホワイトバランス調整を行うので、適正なホワイトバランス調整がなされ、これにより撮影した画像を適正に色再現することができる。この場合、ストロボ装置の発光部にフィルターを設けることなく、撮影した画像を適正に色再現することができるので、ストロボ装置の発光部にフィルターを付けて撮影する場合に比べ、ストロボ装置からの光量の低下がない。
【0104】特に、撮影画面上の領域を複数に分割し、その各分割画面毎に、被写体までの距離に応じたホワイトバランス調整を行うよう構成されているので、撮影画面内に被写体までの距離が異なる部分があっても、撮影画面全体について適正なホワイトバランス調整がなされ、これにより撮影した画像を画面全体に渡って適正に色再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子スチルカメラの構成例を示す斜視図である。
【図2】本発明の電子スチルカメラの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明におけるCCDの構成例を模式的に示す図である。
【図4】本発明における撮影画面を模式的に示す図である。
【図5】本発明における制御手段の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明における制御手段の動作の一例を示すフローチャート(図5の続き)である。
【図7】本発明における制御手段の動作の一例を示すフローチャート(図6の続き)である。
【図8】本発明における制御手段の動作の一例を示すフローチャート(図7の続き)である。
【符号の説明】
1 電子スチルカメラ
2 撮影光学系
3 撮影レンズ
4 絞り
5 ハーフミラー
6 反射鏡
7 ファインダー
8 CCD(固体撮像素子)
9 ストロボ装置
90 発光部
10 ボディー
11 制御手段
12 操作部
120 メインスイッチ
121 レリーズスイッチ
122 ズームスイッチ
123 ストロボスイッチ
124 エジェクトスイッチ
13 表示部
14 電源回路
15 バッテリー
16 外部電源回路
17 ストロボ駆動回路
18 ズーム駆動回路
19 フォーカス駆動回路
20 絞り駆動回路
21 CCD駆動回路
22 同期信号発生回路
23 アドレス制御回路
24 CCD信号処理回路
25 A/D変換器
26 メインメモリー
27 RGBマトリックス回路
28 ホワイトバランス調整回路
29 メモリーカード制御回路
30 画像圧縮回路
31 距離情報メモリー
32 ホワイトバランス用センサー
33 受光部
34 測光回路
35 装填部
36 コネクタ
37 装填口
40 ICメモリーカード
51 撮影画面
52 分割画面
201〜244 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 固体撮像素子を備えた撮像部と、閃光を発する発光部を備えたストロボ装置と、前記閃光の色温度と前記閃光を発しない時の被写体からの光の色温度とに基づいて、前記撮像部からの画像信号のホワイトバランス調整を行うホワイトバランス調整回路と、前記被写体までの距離を検出する距離検出手段とを有する電子スチルカメラであって、前記距離検出手段は、撮影画面上の領域を複数に分割し、その各分割画面毎に前記被写体までの距離を検出し、前記ホワイトバランス調整回路は、前記ストロボ装置により閃光を発して撮影する場合、前記被写体までの距離に応じて、前記各分割画面毎にそれぞれホワイトバランス調整を行うよう構成されていることを特徴とする電子スチルカメラ。
【請求項2】 前記ホワイトバランス調整回路は、前記閃光の色温度と前記閃光を発しない時の前記被写体からの光の色温度とに基づいて、前記撮像部からの画像信号の増幅度を調整することにより前記ホワイトバランス調整を行うよう構成され、前記ホワイトバランス調整回路は、前記被写体までの距離に応じて、前記閃光の色温度に基づく増幅度と、前記閃光を発しない時の前記被写体からの光の色温度に基づく増幅度との重みを、前記被写体までの距離が近い程前記閃光の色温度に基づく増幅度の重みが高くなるようにする請求項1に記載の電子スチルカメラ。
【請求項3】 前記距離検出手段は、前記撮像部からの画像信号を信号処理することにより前記被写体までの距離を検出する請求項2または3に記載の電子スチルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開平7−301842
【公開日】平成7年(1995)11月14日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−115961
【出願日】平成6年(1994)5月2日
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社 (1,878)