説明

電子時計、電子時計の制御方法、および、プログラム

【課題】電池残量があるときは高い表現力で時刻表示を行い、電池残量が少ないときでも、時計動作と時刻表示動作を可能な限り維持できるようにする。
【解決手段】 高性能時刻データ生成部52は、電池57からの第1の電力を消費して、表現力の高い時刻表示用の画像データを生成し、それに対応する画像を表示部51に表示させる。低消費電力時刻データ生成部53は、電池57からの第1の電力より低い第2の電力を消費して、表現力の低い時刻表示用の画像データを生成し、それに対応する画像を表示部51に表示させる。電源制御部54は、電池57の電池残量が一定量を超えていると電池電圧検出部55により判定された場合、電池57からの第1の電力を供給する電源制御を実行し、所定の一定量以下であると判定された場合、電源制御の実行を禁止する。本発明は、腕時計型の電子時計に適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計、電子時計の制御方法、および、プログラムに関し、特に、電池残量があるときは、高い表現力で時刻表示を行い、電池残量が少なくなったときでも、時計動作と時刻表示動作とを可能な限り長期間維持できる電子時計、電子時計の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル表示可能な電子時計は数多く存在する。また、その形態は様々であり、例えば、特許文献1乃至3に各種形態の電子時計が開示されている。
【0003】
このような従来の電子時計の時刻の表示手法としては、次の第1の表示手法と第2の表示手法とが存在する。
【0004】
第1の表示手法とは、表示デバイスとして液晶を用い、その液晶上に形成された文字要素の一部を表示することで時刻を表示させる、あるいは格子状に形成された点上の点を表示させることで時刻を表示させる、という手法である。
【0005】
これに対して、第2の表示手法とは、表示デバイスとして表現力のあるカラー液晶等を用い、数値演算能力の高い計算機と併用することで、第1の表示手法と比較して高い表現力で時刻を表示させる、という手法である。
【特許文献1】特開2005−83979号公報
【特許文献2】特開平11−265236号公報
【特許文献3】特開2005−107615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、第1の表示手法は、表示のための消費電力が非常に少ないというメリットはあるが、数字以上の高い表現力で時刻を表現することは非常に困難であるというデメリットがある。
【0007】
これに対して、第2の表示手法は、上述したように、第1の表示手法と比較して高い表現力で時刻を表示することができるというメリットはあるが、その分だけ消費電力が大きくなるというデメリットがある。
【0008】
従って、第2の表示手法が適用された従来の電子時計では、使用時間が短くなるという問題が発生する。特に、電子時計が腕時計の形態で実現される場合、この問題は顕著になる。腕時計に実装できる電池の電力供給能力に限りがあるためである。
【0009】
即ち、第2の表示手法が適用された従来の腕時計が、電池残量が少なくなっても、高い表現力で時刻を表示し続けると、電池からの供給電圧が下がり、時計動作を継続できなくなるという問題や、その結果、電池を再充電しなければならなくなるが、その再充電後にも、時刻を再度合わせることが必要になるという問題が発生してしまう。
【0010】
なお、特許文献1乃至3に開示された発明をそのまま適用しても、この問題を解決することは困難である。なぜならば、特許文献1乃至3にはそれぞれ次のような消費電力を低減させる手法(以下、電力低減手法と称する)が開示されているが、高い表現力で時刻を表示している際に電池残量が少なくなったときに、消費電力を如何に低減させて、計時動作や時刻表示動作をできるだけ長く継続させるのかについて開示は勿論示唆もされていないからである。
【0011】
特許文献1に開示された電力低減手法とは、単にアナログ時計の秒針を止める手法である。特許文献2に開示された電力低減手法とは、電子機器の主電源がオフ状態のときに、計時しないことを条件に(時計手段が時刻カウントのための設定がされていないときに)、低消費電力モードで動作させる手法である。特許文献3に開示された電力低減手法とは、低い表現力での時刻表示(第1の表示手法による時刻表示)を行うために低負荷処理用CPUを通常使用し、必要に応じて、時刻表示を行わない高負荷処理用CPUを使用する手法である。
【0012】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、電池残量があるときは、高い表現力で時刻表示を行い、電池残量が少なくなったときでも、時計動作と時刻表示動作とを可能な限り長期間維持できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面の電子時計は、時刻表示用の画像を表示する表示手段を備え、電池から供給される電力で動作する電子時計であって、電池から供給される全電力のうちの第1の電力を消費して、時刻表示用の第1の画像データを生成し、第1の画像データに対応する画像を表示手段に表示させることを制御する第1の画像生成手段と、電池から供給される全電力のうちの第1の電力よりも低い第2の電力を消費して、時刻表示用の第2の画像データを生成し、第2の画像データに対応する画像を表示手段に表示させることを制御する第2の画像生成手段と、所定の条件を満たしている場合、電池から第1の電力を第1の画像生成手段に対して供給する電源制御を実行し、所定の条件を満たしていない場合、電源制御の実行を禁止する電源制御手段とが設けられている。
【0014】
所定の条件とは、電池の電池残量が所定の一定量を超えているようにすることができる。
【0015】
この電子時計には、現時点の時刻を示す時刻情報を生成する時刻情報生成手段がさらに設けられており、第1の画像生成手段と第2の画像生成手段とのそれぞれは、時刻情報生成手段により生成された時刻情報が示す時刻を表示するための第1の画像データまたは第2の画像データを生成するようにすることができる。
【0016】
この電子時計には、電池の電池残量を検出する電池残量検出手段がさらに設けられており、電源制御手段は、電池残量検出手段により検出された電池残量に基づいて、電源制御を行い、時刻情報生成手段は、電池残量検出手段により検出された電池残量が所定の一定量を超えている場合、第1の画像生成手段に対して時刻情報を提供し、電池残量検出手段により検出された電池残量が所定の一定量以下の場合、第2の画像生成手段に対して時刻情報を提供するようにすることができる。
【0017】
第1の制御手段は、電池から供給される電力で動作する第1のハードウエアのうちの、少なくとも一部として構成され、第2の制御手段と時刻情報生成手段は、電池から供給される電力で動作する第2のハードウエアのうちの少なくとも一部として構成され、電源制御手段は、電源制御として、電池からの電力を第1のハードウエアに対して供給する制御を実行するようにすることができる。
【0018】
本発明の一側面の腕時計の表示方法またはプログラムは、次のような電子時計を対象としている。即ち、時刻表示用の画像を表示する表示手段を備え、電池から供給される電力で動作する電子時計であって、電池から供給される全電力のうちの第1の電力を消費して、時刻表示用の第1の画像データを生成し、第1の画像データに対応する画像を表示手段に表示させることを制御する第1の画像生成手段と、電池から供給される全電力のうちの第1の電力よりも低い第2の電力を消費して、時刻表示用の第2の画像データを生成し、第2の画像データに対応する画像を表示手段に表示させることを制御する第2の画像生成手段とを少なくとも備える電子時計が、本発明の一側面の腕時計の表示方法またはプログラムの対象とされている。係る電子時計を対象とする本発明の一側面の腕時計の表示方法またはプログラムは、所定の条件を満たしている場合、電池から第1の電力を第1の画像生成手段に対して供給する電源制御を実行し、所定の条件を満たしていない場合、電源制御の実行を禁止する電源制御ステップを含む。
【0019】
本発明の一側面においては、時刻表示用の画像を表示する表示手段を備え、表示手段の動作も含み、電池から供給される電力で動作する電子時計であって、電池から供給される全電力のうちの第1の電力を消費して、時刻表示用の第1の画像データを生成し、第1の画像データに対応する画像を表示手段に表示させることを制御する第1の画像生成手段と、電池から供給される全電力のうちの第1の電力よりも低い第2の電力を消費して、時刻表示用の第2の画像データを生成し、第2の画像データに対応する画像を表示手段に表示させることを制御する第2の画像生成手段とを少なくとも備える電子時計が対象とされて、次のような電源制御が行われる。即ち、所定の条件を満たしている場合、電池から第1の電力を第1の画像生成手段に対して供給する電源制御が実行され、所定の条件を満たしていない場合、電源制御の実行が禁止される。
【発明の効果】
【0020】
以上のごとく、本発明の一側面によれば、所定の条件を満たすとき、例えば電池残量があるときは、高い表現力で時刻表示を行い、所定の条件を満たさなくなったときでも、例えば電池残量が少なくなったときでも、時計動作と時刻表示動作とを可能な限り長期間維持できるようになる。さらに、様々な条件を採用することで、様々な電源制御を実行することができ、その結果、時計動作と時刻表示動作とを可能な限り長期間維持できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0022】
本発明の一側面の電子時計は、
時刻表示用の画像を表示する表示手段(例えば図3の表示部5)を備え、電池から供給される電力で動作する電子時計(例えば図3の機能的構成を有し、図1の外観構成と図2のハードウエア構成を有する腕時計1)であって、
前記電池から供給される全電力のうちの第1の電力を消費して、時刻表示用の第1の画像データを生成し、前記第1の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第1の画像生成手段(例えば図3の高性能時刻データ生成部52)と、
前記電池から供給される前記全電力のうちの前記第1の電力よりも低い第2の電力を消費して、時刻表示用の第2の画像データを生成し、前記第2の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第2の画像生成手段(例えば図3の低消費電力時刻データ生成部53)と、
所定の条件を満たしている場合、前記電池から前記第1の電力を前記第1の画像生成手段に対して供給する電源制御を実行し、前記所定の条件を満たしていない場合、前記電源制御の実行を禁止する電源制御手段(例えば図3の電源制御部54)と
を備える。
【0023】
本発明の一側面の電子時計は、
現時点の時刻を示す時刻情報を生成する時刻情報生成手段(例えば図3の時間制御部56)をさらに設け、
前記第1の画像生成手段と前記第2の画像生成手段とのそれぞれは、前記時刻情報生成手段により生成された前記時刻情報が示す時刻を表示するための前記第1の画像データまたは前記第2の画像データを生成する。
【0024】
本発明の一側面の電子時計は、
前記電池の電池残量を検出する電池残量検出手段(例えば図3の電池電圧検出部55)をさらに設け、
前記電源制御手段は、前記電池残量検出手段により検出された前記電池残量に基づいて、前記電源制御を行い、
前記時刻情報生成手段は、前記電池残量検出手段により検出された前記電池残量が前記所定の一定量を超えている場合、前記第1の画像生成手段に対して前記時刻情報を提供し、前記電池残量検出手段により検出された前記電池残量が前記所定の一定量以下の場合、前記第2の画像生成手段に対して前記時刻情報を提供する。
【0025】
本発明の一側面の電子時計において、
前記第1の制御手段は、前記電池から供給される電力で動作する第1のハードウエア(例えば図2のシステムIC13)のうちの、少なくとも一部として構成され、
前記第2の制御手段と前記時刻情報生成手段は、前記電池から供給される電力で動作する第2のハードウエア(例えば図2のマイクロコンピュータ14)のうちの少なくとも一部として構成され、
前記電源制御手段は、前記電源制御として、前記電池からの電力を前記第1のハードウエアに対して供給する制御を実行する。
【0026】
本発明の一側面の腕時計の表示方法またはプログラムは、
時刻表示用の画像を表示する表示手段(例えば図3の表示部5)を備え、電池から供給される電力で動作する電子時計(例えば図3の機能的構成を有し、図1の外観構成と図2のハードウエア構成を有する腕時計1)であって、
前記電池から供給される全電力のうちの第1の電力を消費して、時刻表示用の第1の画像データを生成し、前記第1の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第1の画像生成手段(例えば図3の高性能時刻データ生成部52)と、
前記電池から供給される前記全電力のうちの前記第1の電力よりも低い第2の電力を消費して、時刻表示用の第2の画像データを生成し、前記第2の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第2の画像生成手段(例えば図3の低消費電力時刻データ生成部53)と
を少なくとも備える前記電子時計を対象とし、
所定の条件を満たしている場合、前記電池から前記第1の電力を前記第1の画像生成手段に対して供給する電源制御を実行し、前記所定の条件を満たしていない場合、前記電源制御の実行を禁止する電源制御ステップ(例えば、図4の通常動作状態S1における図5の処理S1-1、図4の動作切り替え状態S2における図6の処理S2-1、および、図4の低残量動作状態S3における図7の処理S3-1等からなるステップ)
を含む。
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本発明を適用した電子時計としての腕時計の外観の構成例を示す図である。
【0029】
図1の例では、腕時計1がユーザ(人間)の腕にはめられた場合、ユーザが見る面(図1に示される面であって、以下表面と称する)には、ユーザが各種情報(指令等)を入力するためのタクトスイッチ11−1乃至11−5が設けられている。なお、以下、タクトスイッチ11−1乃至11−5のそれぞれを、個々に区別する必要が無い場合、それらをまとめてタクトスイッチ11と称する。
【0030】
腕時計1の表面にはまた、低温ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)型のLCD(Liquid Crystal Display)12も設けられている。
【0031】
図2は、図1の外観構成を有する腕時計1の内部のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0032】
図2の例では、腕時計1には、上述したタクトスイッチ11およびLCD12の他、システムIC(Intermediate Center)13、マイクロコンピュータ14、SD-RAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)15、Flash Memory16、および電源部17が設けられている。タクトスイッチ11は、システムIC13とマイクロコンピュータ14とに接続されている。システムIC13にはまた、LCD12、マイクロコンピュータ14、SD-RAM15、およびFlash Memory16が接続されている。
【0033】
図2の例では、システムIC13には、CPU(Central Processing Unit)21、3DCG(3-Dimensional Computer Graphics)エンジン22、および、LCDコントローラ23が設けられている。
【0034】
CPU21は、FLASH Memory16からSD-RAM15にロードされた各種プログラムに従って各種処理を実行する。これにより、腕時計1全体の動作が制御されることになる。SD-RAM15にはまた、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0035】
3DCGエンジン22は、CPU21の制御(指令)に基づいて、例えば時刻表示用の3DCG画像に対応する表示データを生成する。
【0036】
本実施の形態では、3DCGエンジン22には、曲面アーキテクチャを用いた3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)手法が適用されている。換言すると、本実施の形態の3DCGエンジン22は、曲面アーキテクチャをハードウエア的に実現したものである。
【0037】
なお、3DCGエンジン22に適用される3DCG手法は、本実施の形態では曲面アーキテクチャを用いた3DCG手法(以下、曲面アーキテクチャ手法と称する)とされているが、これに限定されず、その他の3DCG手法、具体的には例えば、ポリゴンを用いた3DCG手法(以下、ポリゴン手法と称する)でもよい。
【0038】
ただし、曲面アーキテクチャ手法は、他の3DCG手法(例えばポリゴン手法)が適用された場合と比較して、圧倒的に少ないデータサイズで高品質な3DCG画像を表示することが可能になる、という特長を有している。従って、3DCGエンジン22に適用させる3DCG手法としては、本実施の形態のように、曲面アーキテクチャ手法が好適である。
【0039】
LCDコントローラ23は、LCD12の表示を制御する。即ち、LCDコントローラ23は、3DCGエンジン22により生成された表示データを、必要に応じてLCD12に適した形態に変換した上で、LCD12に転送する。これにより、LCD12には、その表示データに対応する画像、例えば時刻表示用の3DCG画像が表示される。
【0040】
マイクロコンピュータ14は、図示はしないが例えば発振回路やカウンタ等を内蔵しており、設定された時刻に基づいて時を刻み、現時点の時刻を示す情報(以下、時刻情報と称する)を必要に応じてシステムIC13に提供する。
【0041】
また、マイクロコンピュータ14は、図示はしないがリアルタイムクロックを内蔵しており、上述した時刻情報に基づいて、例えば簡単な時刻表示用の画像データを生成し、必要に応じてLCD12に適した形態に変換した上で、LCD12に転送する。これにより、LCD12には、その画像データに対応する画像、即ち、簡単な時刻表示用の画像が表示される。なお、ここで言う「簡単な時刻表示用の画像」とは、3DCG等の高い表現力の時刻表示用の画像(それ故、その生成のために高い消費電力が必要な画像)に対して、低い消費電力で生成できる簡単な(低い表現力の)画像という意味である。
【0042】
さらにまた、マイクロコンピュータ14は、図示はしないがADコンバータを内蔵しており、例えば電池の放電特性テーブルに基づいて電池41の電池残量を計算し、その計算結果に基づいて電池残量情報を生成し、その電池残量情報に基づいて電源レギュレータ42を制御することができる。
【0043】
電源部17は、図2の例ではリチウムイオン二次電池からなる電池41、および電源レギュレータ42から構成され、腕時計1を構成する上述した各ブロック(各モジュール)のそれぞれに対して必要な電源(電力)を供給する。なお、図2では、電源部17が各ブロックのそれぞれに電源を供給することを表す各種線は、図が煩雑になるため、まとめて1つの白抜き矢印として図示されている。
【0044】
以上、図2を参照して、腕時計1のハードウエア構成例について説明した。
【0045】
ただし、腕時計1のハードウエア構成は、図2の例に限定されず、次の図3の機能的構成を少なくとも有していれば任意のハードウエア構成でよい。
【0046】
即ち、図3は、腕時計1の機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【0047】
表示部51は、高性能時刻データ生成部52と低消費電力時刻データ生成部53の何れからの表示データも受け付けることが可能であり、それらの表示データに対応する画像を表示する。例えば、表示部51は、腕時計1が図2のハードウエア構成を有している場合には、LCD12で構成される。
【0048】
高性能時刻データ生成部52は、単純な数値だけでなく、3DCG等の高性能な画像に対応する表示データ、即ち、高い表現力で時刻を表示するための表示データ(以下、高表現時刻表示データと称する)を、時間制御部56からの時刻情報に基づいて生成し、表示部51に提供する。ただし、それ故、高性能時刻データ生成部52は、低消費電力時刻データ生成部53と比較して消費電力が高い、という特徴を有している。
【0049】
例えば、高性能時刻データ生成部52は、腕時計1が図2のハードウエア構成を有している場合には、システムIC13、SD-RAM15、およびFlash Memoryのそれぞれの少なくとも一部分から構成される。
【0050】
この場合、SD-RAM15とFlash Memory16とのそれぞれは、作業用データ記憶部とプログラム格納部とのそれぞれとして機能する。ここで言うプログラム格納部とは、その名称の通り各種プログラムを格納するブロックである。また、ここで言う作業用データ記憶部とは、その名称の通り、所定のプログラムの実行に必要な各種データが一旦記憶されるブロックである。従って、CPU21等からなるシステムIC13は、プログラム格納部であるFlash Memory16に格納されている各種プログラムのうちの1以上を選択して、作業用データ記憶部であるSD-RAM15にロードし、実行することができる。
【0051】
具体的には、高性能時刻データ生成部52は、時間制御部56からの時刻情報に基づいて、3DCGエンジン22を用いて3DCG画像に対応する高表現時刻表示データを生成し、表示部51に転送する。
【0052】
このような高性能時刻データ生成部52に対して、低消費電力時刻データ生成部53は、単純な数値等の画像に対応する表示データ、即ち、単純な数値等の低い表現で時刻を表示するための表示データ(以下、低表現時刻表示データと称する)を、時間制御部56からの時刻情報に基づいて生成し、表示部51に提供する。それ故、低消費電力時刻データ生成部53は、高性能時刻データ生成部52と比較して消費電力が低い、という特徴を有している。
【0053】
例えば、低消費電力時刻データ生成部53は、腕時計1が図2のハードウエア構成を有している場合には、マイクロコンピュータ14のうちの少なくとも一部分(主に上述したリアルタイムクロック)で構成される。
【0054】
電源制御部54は、高性能時刻データ生成部52に対して電源を供給する。その際、電源制御部54は、電池電圧検出部55から提供される電池残量情報に基づいて、高性能時刻データ生成部52に対する電源供給の制御(電源制御)を行う。例えば、電源制御部54は、腕時計1が図2のハードウエア構成を有している場合には、電源レギュレータ42で構成される。
【0055】
電池電圧検出部55は、電池57の電圧を監視し、その監視結果と、自身内部に保有している電池の放電特性に関する情報とに基づいて、電池残量情報を生成して、電源制御部54に提供する。例えば、電池電圧検出部55は、腕時計1が図2のハードウエア構成を有している場合には、電池の放電特性に関する情報として上述した放電特性テーブルを有しているマイクロコンピュータ14のうちの少なくとも一部分(主に上述したADコンバータ)で構成される。
【0056】
時間制御部56は、一度設定された時刻に基づいて時を刻み、時刻情報を生成し、その時刻情報の更新や他への提供等の管理を行う。例えば、時間制御部56は、腕時計1が図2のハードウエア構成を有している場合には、マイクロコンピュータ14のうちの少なくとも一部分で構成される。
【0057】
電池57は、高性能時刻データ生成部57を除く各ブロック、即ち、表示部51、低消費電力時刻データ生成部53、電源制御部54、電池電圧検出部55、および、時間制御部56のそれぞれに対して電源を直接供給する。また、電池57は、電源制御部54を介して高性能時刻データ生成部57に電源を供給する。例えば、電池57は、腕時計1が図2のハードウエア構成を有している場合には、電池41で構成される。
【0058】
以上、図3を参照して、腕時計1の機能的構成例について説明した。
【0059】
なお、図3に示される各機能ブロックのそれぞれは、本実施の形態では、腕時計1が図2のハードウエア構成を有していることを前提として、上述したように構成されているとした。しかしながら、図3に示される各機能ブロックのそれぞれは、電子時計(腕時計等)のハードウエア構成に応じて、ハードウエア単体で構成してもよいし、ソフトウエア単体で構成してもよいし、或いは、ハードウエアとソフトウエアの組み合わせで構成してもよい。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態では、図2のシステムIC13は高性能時刻データ生成部52等を有するのに対して、図2のマイクロコンピュータ14は時間制御部56や低消費電力時刻データ生成部53等を有する。従って、本実施の形態では、システムIC13は消費電力の高いブロックであり、マイクロコンピュータ14は消費電力が少ないブロックであると言える。また、時を刻む機能はマイクロコンピュータ14に搭載されている。従って、腕時計1は、図2の電池41(図3の電池57)の電池残量が少なくなってきた場合には、消費電力の高いシステムIC13の電源を落として、消費電力の低いマイクロコンピュータ14を使用するといった動作を行うことで、現在時刻を表示し続けること、即ち、計時動作と時刻表示動作とを継続することができる。
【0061】
以下、かかる腕時計1の動作の詳細例について、図4乃至図7を参照して説明する。
【0062】
図4は、図3の機能的構成を有する腕時計1の状態遷移の一例を表している。
【0063】
図4の例では、腕時計1の状態は、通常動作状態S1、動作切り替え状態S2、および、低残量動作状態S3のうちのいずれかの状態とされる。
【0064】
通常動作状態S1、動作切り替え状態S2、および、低残量動作状態S3のうちのいずれかから、別の状態への状態遷移は、所定の条件(以下、状態遷移条件と称する)が満たされると実行される。
【0065】
このような状態遷移条件は、図4の例では、1つの状態(通常動作状態S1、動作切り替え状態S2、および、低残量動作状態S3のうちのいずれか)から別の状態への遷移を表す矢印に、符号C1乃至C3を付して表されている。
【0066】
例えば本実施の形態では、通常動作状態S1は、電池57の電池残量が一定量を超えているときに、腕時計1が通常動作を行っている状態である。なお、通常動作状態S1中の腕時計1の通常動作については、図5を参照して後述する。
【0067】
従って、例えば本実施の形態では、通常動作状態S1中に電池57の電池残量が一定量以下になると、状態遷移条件C1が満たされ、腕時計1の状態は、通常動作状態S1から動作切り替え状態S2に遷移する。
【0068】
例えば本実施の形態では、動作切り替え状態S2は、通常動作から低残量動作に切り替えるために必要な動作(以下、切替動作と称する)を腕時計1が行っている状態である。なお、動作切り替え状態S2中の腕時計1の切替動作については、図6を参照して後述する。
【0069】
例えば本実施の形態では、動作切り替え状態S2中に切替動作が完了すると、状態遷移条件C2が満たされ、腕時計1の状態は、動作切り替え状態S2から低残量動作状態S3に遷移する。
【0070】
例えば本実施の形態では、低残量動作状態S3は、電池57の電池残量が一定量以下のときに、腕時計1が、通常動作と比較して低消費電力の低残量動作を行っている状態である。なお、低残量動作状態S3中の腕時計1の低残量動作については、図7を参照して後述する。
【0071】
従って、例えば本実施の形態では、低残量動作状態S3中に、例えば電池57として新たな電池が使用されたり(電池交換が行われたり)、例えば電池57の充電が行われた結果として、電池残量が一定量を再度越えるようになると、状態遷移条件C3が満たされ、腕時計1の状態は、低残量動作状態S3から通常動作状態S1に遷移する(戻る)。
【0072】
このように、本実施の形態では、電池残量が一定量を超えているときには、通常動作状態S1に留まり、電池残量が一定量を下回ると、通常動作状態S1 → 動作切り替え状態S2 → 低残量動作状態S3と状態遷移していく。このように、状態遷移のトリガ(状態遷移条件C1)は、本実施の形態では電池残量が一定量を下回ることとされているが、本実施の形態のトリガに限定されず、様々なトリガを採用することができる。
【0073】
例えば、ユーザの明示的な設定をトリガとして、通常動作状態S1 → 動作切り替え状態S2 → 低残量動作状態S3と状態遷移させていくことも可能である。例えば、ユーザが充電器を忘れて外出したとき(旅行等に行ったとき)、機器の使用時間を明示的に長くさせることを目的とした各種設定が、ここで言う「ユーザの明示的な設定」の一例である。
【0074】
また例えば、ユーザの明示的な設定による一定時間以上のユーザアクションがないことをトリガとして、具体的には例えば、タクトスイッチ11(図1や図2)、あるいは、図中に明示されていないなんらかの入力機器(例えばセンサ)等を用いるユーザアクションが一定時間以上起こっていないことをトリガとして、通常動作状態S1 → 動作切り替え状態S2 → 低残量動作状態S3と状態遷移させていくことも可能である。このトリガは、より一層電池を長持ちさせたいユーザにとって有益である。
【0075】
以上の内容をまとめると、結局、所定の条件を満たしているときには、通常動作状態S1に留まり、所定の条件を満たさなくなると、通常動作状態S1 → 動作切り替え状態S2 → 低残量動作状態S3と状態遷移していくように、所定の条件を設定すればよい。この所定の条件は、特に限定されない。即ち、所定の条件の一例として、本実施の形態では「電池残量が一定量を超えていること」が採用されており、その他、上述したように、「ユーザの明示的な設定」があったことや、逆に「ユーザの明示的な設定による一定時間以上のユーザアクションがないこと」が挙げられる。
【0076】
なお、ここで言う「所定の条件」と「状態遷移条件C1」とは逆の関係になっていることに注意を要する。即ち、「所定の条件」を満たしているときには、「状態遷移条件C1」は満たされずに、その結果、通常動作状態S1に留まり、「所定の条件」を満たさなくなると、逆に「状態遷移条件C1」は満たされるようになり、その結果、通常動作状態S1から動作切り替え状態S2に遷移するのである。
【0077】
以下、図5乃至図7のそれぞれを参照して、通常動作状態S1中の腕時計1の通常動作、動作切り替え状態S2中の腕時計1の切替動作、および、低残量動作状態S3中の腕時計1の低残量動作のそれぞれの動作について、その順番で順次説明していく。
【0078】
通常動作状態S1中の腕時計1の通常動作として主に、図5に示される処理S1-1乃至S1-3が行われる。
【0079】
処理S1-1とは、電池電圧検出部55が実行する次のような処理を言う。即ち、電池電圧検出部55は、電池57の電池電圧を監視し、その監視結果に基づいて電池残量が一定量以下になったか否かの判定を行う。そして、電池電圧検出部55は、電池残量が一定量を超えていると判定した場合、電源制御部54の高性能時刻データ生成部52に対する電源制御(電源を供給する制御)を開始または継続させ、そのような制御が開始または継続されていることを時間制御部56に通知する。
【0080】
処理S1-2とは、処理S1-1により高性能時刻データ生成部52に対する電源制御が開始または継続していること、即ち、電源制御部54から高性能時刻データ生成部52への電源供給が開始または継続していることが通知されている場合に、時間制御部56が実行する次のような処理を言う。即ち、時間制御部56は、時を刻み、指定された時刻になると、時刻情報を高性能時刻データ生成部52に対して提供する。
【0081】
処理S1-3とは、処理S1-1により電源制御部54から電源が供給され、かつ、処理S1-2により時刻情報が時間制御部56から供給されてくる場合に、高性能時刻データ生成部52が実行する次のような処理を言う。即ち、高性能時刻データ生成部52は、時間制御部56からの時刻情報に基づいて、3DCGエンジン22(図2)を用いて高表現時刻表示データを生成して、表示部51に転送することで、表示部51の表示内容を更新する。即ち、通常動作状態S1中では、表示部51の表示内容(更新対象)とは、現在の時刻を示す画像であって、高表現時刻表示データに対応する画像である。
【0082】
なお、処理S1-1は、処理S1-2とS1-3とは独立して常に実行されており、電池残量が一定量以下になったと判定された場合、状態遷移条件C1(図4)が満たされ、腕時計1の状態は、通常動作状態S1から動作切り替え状態S2に遷移する。
【0083】
動作切り替え状態S2に遷移すると、図6に示される処理S2-1とS2-2が、腕時計1の切り替え動作として主に行われる。
【0084】
即ち、処理S2-1とは、電池電圧検出部55が実行する次のような処理を言う。即ち、電池電圧検出部55は、処理S1-1と同様に、電池57の電池電圧を監視し、その監視結果に基づいて電池残量が一定量以下になったか否かの判定を行う。ただし、処理S2-2では、電池電圧検出部55は、電池残量が一定量以下であると判定することになる。そこで、電池電圧検出部55は、電源制御部54の高性能時刻データ生成部52に対する電源制御を禁止する。即ち、電池電圧検出部55は、電源制御部54から高性能時刻データ生成部52への電源供給が遮断されるように制御する。そして、電池電圧検出部55は、電源制御を禁止したこと、即ち、高性能時刻データ生成部52に対する電源供給が遮断されたことを時間制御部56に通知する。
【0085】
処理S2-2とは、時間制御部56が実行する次のような処理を言う。即ち、時間制御部56は、処理S2-1により高性能時刻データ生成部52に対する電源供給が遮断されたことが通知されると、時刻情報を高性能時刻データ生成部52に対して提供すること(処理S1-2の実行)を禁止する。
【0086】
このような処理S2-2が終了すると、状態遷移条件C2(図4)が満たされ、腕時計1の状態は、動作切り替え状態S2から低残量動作状態S3に遷移する。
【0087】
低残量動作状態S3に遷移すると、図7に示される処理S3-1乃至S3-3が、腕時計1の低残量動作として主に行われる。
【0088】
処理S3-1とは、電池電圧検出部55が実行する次のような処理を言う。即ち、電池電圧検出部55は、処理S1-1と同様に、電池57の電池電圧を監視し、その監視結果に基づいて電池残量が一定量を超えたか否かの判定を行う。電池電圧検出部55は、電池残量が一定量以下のままであると判定した場合、電源制御部54の高性能時刻データ生成部52に対する電源制御の禁止を継続する。即ち、電池電圧検出部55は、電源制御部54から高性能時刻データ生成部52への電源供給の遮断が継続されるように制御する。そして、電池電圧検出部55は、電源制御の禁止が継続していること、即ち、高性能時刻データ生成部52に対する電源供給の遮断が継続していることを時間制御部56に通知する。
【0089】
処理S3-2とは、処理S3-1により電源制御部54から高性能時刻データ生成部52への電源供給の遮断が継続していることが通知されている場合に、時間制御部56が実行する次のような処理を言う。即ち、時間制御部56は、時を刻み、指定された時刻になると、時刻情報を低消費電力時刻データ生成部53に対して提供する。
【0090】
処理S3-3とは、処理S3-1により電源制御部54から高性能時刻データ生成部52への電源供給の遮断が継続され、かつ、処理S3-2により時刻情報が時間制御部56から供給されてくる場合に、低消費電力時刻データ生成部53が実行する次のような処理を言う。即ち、低消費電力時刻データ生成部53は、時間制御部56からの時刻情報に基づいて、低表現時刻表示データを生成して、表示部51に転送することで、表示部51の表示内容を更新する。即ち、低残量動作状態S3では、表示部51の表示内容(更新対象)とは、現在の時刻を示す画像であって、低表現時刻表示データに対応する画像である。
【0091】
なお、処理S3-1は、処理S3-2とS3-3とは独立して常に実行されており、新たな電池が電池57として装着されたり、電池57の充電が行われると、電池残量が一定量を超えるようになったと判定され、状態遷移条件C3(図4)が満たされ、腕時計1の状態は、低残量動作状態S3から通常動作状態S1に遷移する(戻る)。
【0092】
以上説明したように、本発明が適用される腕時計1は、電池残量が一定量を超えている限り(通常動作状態S1である場合)、高性能時刻データ生成部52により生成される高表現時刻表示データを利用して時刻を表示することができる。また、腕時計1は、電池残量が一定量以下になった場合(低残量動作状態S3である場合)、低消費電力時刻データ生成部53により生成される低表現時刻表示データを利用して時刻を表示することができる。
【0093】
即ち、腕時計1は、電池残量が少なくなったこと(一定量以下となったこと)を検出したら、消費電力の高いブロック(本実施の形態では、図3の高性能時刻データ生成部52等を有する図2のシステムIC13)の電源を落とし、消費電力が少なく、かつ、時間を刻み続けるブロック(本実施の形態では、図3の時間制御部56や低消費電力時刻データ生成部53等を有するマイクロコンピュータ14)によって、現在時刻を表示させ続けることができる。
【0094】
即ち、腕時計1では、その電池残量が少なくなったときでも、時計動作を維持しつつ、時刻表示を行うことができる。その結果、電池切れに伴う、時刻の再設定の発生を防ぎつつ、時刻の表示を長時間行わせることが可能になる。
【0095】
なお、上述した例では、電池残量が一定量以下のとき、高性能時刻データ生成部52全体(システムIC13全体)の電源を切っていたが、高性能時刻データ生成部52のうち、表示データを表示部51に転送する部分(以下、転送部分と称する)以外の電源を切って、転送部分の電源は入れたままとして、その転送部分が、低消費電力時刻データ生成部53で生成された低表現時刻表示データを表示部51に転送するように、腕時計1を構成してもよい。
【0096】
ところで、上述した一連の処理は、上述したようにソフトウエアで実行されてもよいし、ハードウエアで実行されてもよい。
【0097】
上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ(腕時計1含む)に、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる場合もある。
【0098】
この記録媒体は、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory))、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されている図2のFlash Memory16や、マイクロコンピュータ14内の図示せぬメモリや、その他、図示せぬハードディスクなどで構成される。
【0099】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的または個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明が適用される腕時計の外観の構成例を示す図である。
【図2】図1の腕時計のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の腕時計の機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【図4】図3の腕時計の状態遷移の例を示す状態遷移図である。
【図5】図4の通常動作状態中に図3の腕時計が実行する通常動作の例を説明する図である。
【図6】図4の動作切り替え状態中に図3の腕時計が実行する切替動作の例を説明する図である。
【図7】図4の低残量動作状態中に図3の腕時計が実行する低残量動作の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0101】
1 腕時計, 11 タクトスイッチ, 12 LCD, 13 システムIC, 14 マイクロコンピュータ, 15 SD−RAM, 16 Flash Memory, 17 電源部, 21 CPU, 22 3DCGエンジン, 23 LCDコントローラ, 41 電池, 42 電源レギュレータ, 51 表示部, 52 高性能時刻データ生成部, 53 低消費電力時刻データ生成部, 54 電源制御部, 55 電池電圧検出部, 56 時間制御部, 57 電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻表示用の画像を表示する表示手段を備え、電池から供給される電力で動作する電子時計であって、
前記電池から供給される全電力のうちの第1の電力を消費して、時刻表示用の第1の画像データを生成し、前記第1の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第1の画像生成手段と、
前記電池から供給される前記全電力のうちの前記第1の電力よりも低い第2の電力を消費して、時刻表示用の第2の画像データを生成し、前記第2の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第2の画像生成手段と、
所定の条件を満たした場合、前記電池から前記第1の電力を前記第1の画像生成手段に対して供給する電源制御を実行し、前記所定の条件を満たしていない場合、前記電源制御の実行を禁止する電源制御手段と
を備える電子時計。
【請求項2】
前記所定の条件とは、前記電池の電池残量が所定の一定量を超えていることである
請求項1に記載の電子時計。
【請求項3】
現時点の時刻を示す時刻情報を生成する時刻情報生成手段をさらに備え、
前記第1の画像生成手段と前記第2の画像生成手段とのそれぞれは、前記時刻情報生成手段により生成された前記時刻情報が示す時刻を表示するための前記第1の画像データまたは前記第2の画像データを生成する
請求項2に記載の電子時計。
【請求項4】
前記電池の電池残量を検出する電池残量検出手段をさらに備え、
前記電源制御手段は、前記電池残量検出手段により検出された前記電池残量に基づいて、前記電源制御を行い、
前記時刻情報生成手段は、前記電池残量検出手段により検出された前記電池残量が前記所定の一定量を超えている場合、前記第1の画像生成手段に対して前記時刻情報を提供し、前記電池残量検出手段により検出された前記電池残量が前記所定の一定量以下の場合、前記第2の画像生成手段に対して前記時刻情報を提供する
請求項3に記載の電子時計。
【請求項5】
前記第1の制御手段は、前記電池から供給される電力で動作する第1のハードウエアのうちの、少なくとも一部として構成され、
前記第2の制御手段と前記時刻情報生成手段は、前記電池から供給される電力で動作する第2のハードウエアのうちの少なくとも一部として構成され、
前記電源制御手段は、前記電源制御として、前記電池からの電力を前記第1のハードウエアに対して供給する制御を実行する
請求項3に記載の電子時計。
【請求項6】
時刻表示用の画像を表示する表示手段を備え、電池から供給される電力で動作する電子時計であって、
前記電池から供給される全電力のうちの第1の電力を消費して、時刻表示用の第1の画像データを生成し、前記第1の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第1の画像生成手段と、
前記電池から供給される前記全電力のうちの前記第1の電力よりも低い第2の電力を消費して、時刻表示用の第2の画像データを生成し、前記第2の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第2の画像生成手段と
を少なくとも備える前記電子時計の制御方法であって、
所定の条件を満たしている場合、前記電池から前記第1の電力を前記第1の画像生成手段に対して供給する電源制御を実行し、前記所定の条件を満たしていない場合、前記電源制御の実行を禁止する電源制御ステップ
を含む電子時計の制御方法。
【請求項7】
時刻表示用の画像を表示する表示手段を備え、電池から供給される電力で動作する電子時計であって、
前記電池から供給される全電力のうちの第1の電力を消費して、時刻表示用の第1の画像データを生成し、前記第1の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第1の画像生成手段と、
前記電池から供給される前記全電力のうちの前記第1の電力よりも低い第2の電力を消費して、時刻表示用の第2の画像データを生成し、前記第2の画像データに対応する画像を前記表示手段に表示させることを制御する第2の画像生成手段と
を少なくとも備える前記電子時計を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
所定の条件を満たしている場合、前記電池から前記第1の電力を前記第1の画像生成手段に対して供給する電源制御を実行し、前記所定の条件を満たしていない場合、前記電源制御の実行を禁止する電源制御ステップ
を含むプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−17161(P2007−17161A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195820(P2005−195820)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】