説明

電子機器

【課題】筐体の開口部に電子デバイスが設けられた電子機器の小型化を実現し、また、筐体の開口部に電子デバイスが設けられた電子機器の防水性・防塵性を実現する。
【解決手段】携帯電話機は、リアカバー400の開口に設けられたセンサユニット250を備える。また、携帯電話機は、周囲にOリング272を備え、リアケース300にOリング272を介して設けられたセンサホルダ271を備える。また、携帯電話機は、センサユニット250とセンサホルダ271との間に設けられ、センサホルダ271に形成された連通口276を囲んで設けられた防水・防塵両面テープ260を備える。また、携帯電話機は、センサユニット250から連通口276を貫通してコネクタ282に接続され、指紋センサ素子252とコネクタ282との間で電気信号を送信又は受信するフレキケーブルを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの電子機器は、例えば指紋センサなどのように、電子機器の筐体の開口部に設けられ、外部に露出する電子デバイスを搭載している。このような電子デバイスを搭載する電子機器では、筐体と電子デバイスとの間の隙間から進入する液体又は埃などに対する防水性・防塵性が重要になる。
【0003】
この点、従来の一般的な防水・防塵構造は、例えば、ゴムなどの弾性部材をリング状に形成したOリング、又は板状の弾性部材の両面に接着剤を塗布した防水・防塵両面テープなどを介して部品と部品とを密着させることにより、部品間の隙間の防水・防塵を行うことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−52606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術は、筐体の開口部に電子デバイスが設けられた電子機器の防水・防塵性と小型化・薄型化とを実現することは考慮されていない。
【0006】
例えば、筐体の開口部分に電子デバイスを設け、筐体の内部に電子デバイスを支持するデバイスホルダを設ける場合を考える。この場合、Oリングを介してデバイスホルダを筐体内部に固定することにより、筐体内の空間を開口側空間と反開口側空間に仕切ることが考えられる。これにより、開口側空間は外部から水が進入する空間となり反開口側空間は外部から水が進入しない空間となる。
【0007】
ここで、電子デバイスから出力される電気信号を反開口側空間まで伝達するためには、例えばフレキシブルケーブルなどの導電部材を電子デバイスから反開口側空間まで延伸することが考えられる。ただし、電子デバイスが設けられた開口側空間と反開口側空間とは仕切られているため、開口側空間と反開口側空間を連通する連通口をデバイスホルダに形成して、この連通口を介して導電部材を電子デバイスから反開口側空間へ延伸させることになる。
【0008】
この場合には、デバイスホルダの連通口における防水・防塵性が求められる。この点、例えば、導電部材の延伸部の周囲を覆うグロメットを導電部材に一体に取り付け、グロメットの外周面とデバイスホルダの連通口の内面とをOリングで密着させることが考えられる。
【0009】
しかしながら、このような防水・防塵構造は、グロメット成型によるグロメットの小型化の限界があり、かつ、Oリングを配置するスペースを確保することが求められるため、電子機器の小型化・薄型化の制約になるおそれがある。
【0010】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、筐体の開口部に電子デバイスが設けられた電子機器の小型化を実現することを第一の目的とする。また、筐体の開口部に電子デバイスが設けられた電子機器の防水性・防塵性を実現することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の開示する電子機器は、一つの態様において、開口が形成された筐体と、前記筐体の開口に設けられ、電子デバイスを有する電子デバイスユニットとを備える。また、電子機器は、周囲に第一の封止部材を備え、前記筐体又は前記筐体に固定された固定部に前記第一の封止部材を介して設けられたデバイスホルダを備える。また、電子機器は、前記電子デバイスユニットと前記デバイスホルダとの間に設けられ、前記デバイスホルダに形成された連通口を囲んで設けられた第二の封止部材を備える。また、電子機器は、前記電子デバイスユニットから前記連通口を貫通して他の部品に接続され、前記電子デバイスと前記他の部品との間で電気信号を送信又は受信する導電部材を備える。
【発明の効果】
【0012】
本願の開示する電子機器の一つの態様によれば、筐体の開口部に電子デバイスが設けられた電子機器の小型化を実現することができる。本願の開示する電子機器の別の態様によれば、筐体の開口部に電子デバイスが設けられた電子機器の防水性・防塵性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】図1Aは、携帯電話機の表面側の外観斜視図である。
【図1B】図1Bは、携帯電話機の裏面側の外観斜視図である。
【図2】図2は、携帯電話機の分解斜視図である。
【図3】図3は、指紋センサモジュールの分解斜視図である。
【図4A】図4Aは、携帯電話機の背面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aの携帯電話機のA−A線における断面図である。
【図5A】図5Aは、比較対象の携帯電話機の背面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aの携帯電話機のB−B線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により開示技術が限定されるものではない。例えば、以下の実施形態では、電子機器の一例として携帯電話機を挙げて説明するが、これに限らず、スマートフォン、PC(Personal Computer)又はPDA(Personal Digital Assistant)など、筐体の開口部に電子デバイスが設けられた電子機器であれば以下の実施形態を適用することができる。また、以下の実施形態では、携帯電話機の電子デバイスとして、指紋センサを例に挙げて説明するが、これに限らず、筐体の開口部に電子デバイスが設けられた電子機器の防水・防塵構造に本実施形態を適用することができる。
【0015】
図1Aは、携帯電話機の表面側の外観斜視図である。図1Bは、携帯電話機の裏面側の外観斜視図である。図2は、携帯電話機の分解斜視図である。
【0016】
図1A,1B,図2に示すように、携帯電話機100は、各種部品が搭載されるフロントモジュール200、フロントモジュール200に層状に重ねられたリアケース300、及びリアケース300に層状に重ねられたリアカバー400を備える。
【0017】
フロントモジュール200は、フロントケース202、フロントケースに形成された開口部に設けられた液晶パネルなどの表示部204、及びフロントケース202の下端部に設けられた各種操作キー206を備える。また、フロントモジュール200は、リアケース300の側面に露出する電源キー208、及びリアケース300の側面に露出するアップダウンキー210を備える。電源キー208は、携帯電話機100の電源のON/OFFを操作する際に用いるキーである。また、アップダウンキー210は、例えば携帯電話機100の受話音量を上げる/下げる操作を行う際に用いるキーである。また、フロントモジュール200は、リアカバー400に形成された開口部402に設けられ、ユーザが触れることができるように外部に露出する指紋センサモジュール240、及びリアカバー400に形成された開口部408に設けられ外部に露出するカメラモジュール220を備える。
【0018】
指紋センサモジュール240は、リアカバー400の開口部402側から順に、センサユニット250、防水・防塵両面テープ260、及びセンサホルダ部270が層状に折り重なって形成される。指紋センサモジュール240の詳細は後述する。また、フロントモジュール200は、フロントケース202に搭載された電池234を備える。また、フロントモジュール200は、指紋センサモジュール240に隣接して設けられたLED(Light Emitting Diode)230、及び指紋センサモジュール240のLED230が設けられた方向とは反対側に隣接して設けられた赤外線送受信素子232を備える。
【0019】
リアケース300は、フロントモジュール200に搭載されたLED230を覆って設けられ、リアカバー400に形成された開口部404から露出するフラッシュレンズ302を備える。また、リアケース300は、フロントモジュール200に搭載された赤外線送受信素子232を覆って設けられ、リアカバー400に形成された開口部406から露出するIrDAパネル304を備える。また、リアケース300は、フロントモジュール200に搭載されたカメラモジュール220を覆って設けられ、リアカバー400に形成された開口部408から露出するカメラカバー306を備える。
【0020】
フラッシュレンズ302は、フロントモジュール200に搭載されたLED230を保護するとともに、LED230から発光された光を外部に伝達するために透明又は半透明に形成されたカバーである。また、IrDAパネル304は、フロントモジュール200に搭載された赤外線送受信素子232を保護するとともに、赤外線送受信素子232と外部に設けられた装置の赤外線送受信素子との間で赤外線通信を行うために設けられたカバーである。また、カメラカバー306は、フロントモジュール200に搭載されたカメラモジュール220を保護するカバーである。
【0021】
次に、指紋センサモジュール240の詳細を説明する。図3は、指紋センサモジュールの分解斜視図である。図3に示すように、指紋センサモジュール240は、センサユニット250、防水・防塵両面テープ260、及びセンサホルダ部270が層状に折り重なって形成される。
【0022】
センサユニット250は、センサユニット250と他の部品との間で送受信される電気信号を伝達する配線パターンが形成されたセンサ用プリント配線基板258を供える。また、センサユニット250は、センサ用プリント配線基板258上に載置され、ユーザの指の凹凸形状に応じた電気信号を出力する指紋センサ素子252、指紋センサ素子252の外周を覆うことで当該指紋センサ素子252をセンサ用プリント配線基板258に固定するモールド部254を備える。また、センサユニット250は、一方の端部が指紋センサ素子252に接続され、他方の端部がモールド部254の端部から露出してセンサ用プリント配線基板258上に形成された電極に接続された端子256を備える。
【0023】
指紋センサ素子252でユーザの指紋を検出するのに用いられる電気信号は、センサ用プリント配線基板258から端子256を介して指紋センサ素子252へ伝達される。また、センサ用プリント配線基板258の指紋センサ素子252が載置されている部分には、センサ用プリント配線基板258の表面と裏面とを電気的に接続するスルーホールが形成されている。指紋センサ素子252で検出されたユーザの指の凹凸形状に応じた電気信号は、センサ用プリント配線基板258のスルーホールを介して裏面側へ伝達される。
【0024】
防水・防塵両面テープ260は、防水・防塵性を有する膜状の弾性部材を枠状に形成し、膜の表面及び裏面に接着性を有する部材である。言い換えれば、防水・防塵両面テープ260は、防水・防塵性を有する膜状の弾性部材に、開口262が形成され、膜の表面及び裏面に接着性を有する部材である。
【0025】
センサホルダ部270は、携帯電話機100のフロントケース202、リアケース300、及びリアカバー400により形成される筐体内部で、センサユニット250及び防水・防塵両面テープ260を支持する部材である。センサホルダ部270は、防水・防塵両面テープ260の裏面と接触する接触面を有するセンサホルダ271、センサホルダ271の外周を覆い、弾性部材をリング状に形成したOリング272を備える。センサホルダ271は、Oリング272の弾性を利用して携帯電話機100の筐体内の空間を、センサユニット250を外部に露出させる開口側空間と反開口側空間に仕切る。センサホルダ271には、開口側空間と反開口側空間とを連通する連通口276が形成される。また、センサホルダ部270は、連通口276を介して開口側空間から反開口側空間へ延伸するフレキケーブル274を備える。
【0026】
防水・防塵両面テープ260は、連通口276の周りを囲うように、センサホルダ271の接触面に接着される。また、防水・防塵両面テープ260は、センサ用プリント配線基板258の指紋センサ素子252の載置面の裏面に接着される。
【0027】
次に、携帯電話機100の防水・防塵構造について説明する。図4Aは、携帯電話機の背面図である。図4Bは、図4Aの携帯電話機のA−A線における断面図である。図4Aに示すように、図4Bの断面図は、携帯電話機100の指紋センサモジュール240の部分の断面図である。
【0028】
図4Bに示すように、携帯電話機100の筐体内には、例えば、指紋センサ素子252との間で送受信される電気信号を伝達する配線パターンが形成されたフレキ基板280がホルダ284,286に支持されて設けられる。フレキ基板280上には、フレキケーブル274との接続用にコネクタ282が設けられる。また、携帯電話機100の筐体内には、携帯電話機100の各種機能を実現するために部品間で送受信される電気信号を伝達する配線パターンが形成されたメイン基板290が設けられる。メイン基板290上には、LSI(Large Scale Integration)、抵抗、コンデンサなどの各種部品292,294が搭載される。
【0029】
また、リアカバー400の開口部には、フラッシュレンズ302、及びIrDAパネル304が外部に露出して設けられる。フラッシュレンズ302は、リアカバー400とフラッシュレンズ302との間の隙間から液体又は埃等の進入を防ぐために両面テープ301を介してリアケース300に接着される。また、IrDAパネル304は、リアカバー400とIrDAパネル304との間の隙間から液体又は埃等の進入を防ぐために両面テープ303を介してリアケース300に接着される。
【0030】
一方、図4Bに示すように、指紋センサ素子252を有するセンサユニット250は、リアカバー400の開口部分に設けられ、外部に露出している。また、携帯電話機100の筐体内には、リアケース300にOリング272を介してセンサホルダ271が固定される。Oリング272の弾性を利用してセンサホルダ271とリアケース300とを密着固定することにより、リアカバー400とリアケース300とに囲まれた筐体内空間は、リアカバー400の開口側に位置する開口側空間350と反開口側空間450とに仕切られる。
【0031】
開口側空間350は、例えばリアカバー400の開口とセンサユニット250との間の隙間から液体又は埃などが進入する空間であり、反開口側空間450は、Oリング272のパッキン性により液体又は埃などが進入しない空間である。
【0032】
センサホルダ271には、開口側空間350と反開口側空間450とを連通する連通口276が形成されており、フレキケーブル274は開口側空間350から連通口276を介して反開口側空間450へ延伸される。
【0033】
例えば、フレキケーブル274は、センサ用プリント配線基板258の裏面のスルーホールが形成された部分に接続される第1の端子部274aと、第1の端子部274aから連通口276を介して反開口側空間450へ延伸する延伸部274bを有する。また、フレキケーブル274は、延伸部274bの反開口側空間450においてコネクタ282に接続される第2の端子部274cを有する。指紋センサ素子252によって検出されたユーザの指の凹凸に応じた電気信号は、センサ用プリント配線基板258のスルーホール、及びフレキケーブル274を介してコネクタ282へ出力され、コネクタ282からフレキ基板280へ伝達される。
【0034】
ここで、開口側空間350から連通口276を介して液体又は埃などが反開口側空間450へ進入するのを防止する防水・防塵構造が求められる。この点、本実施形態では、防水・防塵両面テープ260は、防水・防塵性を有する膜状の弾性部材を枠状に形成し、膜の表面及び裏面に接着性を有している。そして、防水・防塵両面テープ260は、連通口276の周りを囲んで、センサホルダ271の接触面に接着される。また、防水・防塵両面テープ260は、センサ用プリント配線基板258の指紋センサ素子252の載置面の裏面に接着される。
【0035】
このように連通口276を囲む膜状の防水・防塵両面テープ260を介してセンサユニット250(センサ用プリント配線基板258)と、センサホルダ271とが密着される。したがって、開口側空間350から連通口276を介して反開口側空間450へ液体又は埃などが進入することを防止することができる。また、本実施形態の防水・防塵両面テープ260による防水・防塵構造によって、携帯電話機100の防水・防塵性を保ちつつ、携帯電話機100の小型化・薄型化を実現することができる。
【0036】
この点について、比較対象の携帯電話機を用いて説明を行う。図5Aは、比較対象の携帯電話機の背面図である。図5Bは、図5Aの携帯電話機のB−B線における断面図である。
【0037】
図5Aに示すように、比較対象の携帯電話機500は、リアケース502に形成された開口部に指紋センサモジュール540が設けられ、外部に露出している。また、携帯電話機500は、リアケース502に形成された開口部にカメラモジュール520が設けられ、外部に露出している。図5Aに示すように、図5Bの断面図は、携帯電話機500の指紋センサモジュール540の部分の断面図である。なお、携帯電話機500については、本実施形態の携帯電話機100の防水・防塵構造との比較を行うためのものであるため、指紋センサモジュール540の部分の断面以外の説明を省略する。
【0038】
図5Bに示すように、指紋センサモジュール540は、センサユニット552、防水・防塵両面テープ560、センサホルダ571、及びOリング572を有する。また、指紋センサモジュール540は、フレキケーブル574、グロメット562、及びOリング564を有する。
【0039】
センサユニット552は、リアケース502の開口部分に設けられ、外部に露出している。センサユニット552は、ユーザの指の凹凸に応じた電気信号を出力する指紋センサ素子を有する。防水・防塵両面テープ560は、防水・防塵性を有する膜状の弾性部材であり、膜状部の両面に接着性を有する。センサユニット552とセンサホルダ571は、防水・防塵両面テープ560を介して密着されている。
【0040】
また、図5Bに示すように、携帯電話機500の筐体内には、例えば、センサユニット552との間で送受信される電気信号を伝達する配線パターンが形成されたフレキ基板580がホルダ586に支持されて設けられる。フレキ基板580上には、フレキケーブル574との接続用にコネクタ582が設けられる。また、携帯電話機100の筐体内には、携帯電話機500の各種機能を実現するために部品間で送受信される電気信号を伝達する配線パターンが形成されたメイン基板590が設けられる。メイン基板590上には、LSI、抵抗、コンデンサなどの各種部品592,594が搭載される。
【0041】
一方、センサホルダ571は、携帯電話機500の筐体内に、Oリング572を介してリアケース502に固定されている。また、センサホルダ571の一部は、メイン基板590に支持されたホルダ584によって支持される。Oリング572の弾性を利用してセンサホルダ571とリアケース502とを密着固定することにより、携帯電話機500の筐体内空間は、リアケース502の開口側に位置する開口側空間550と反開口側空間650とに仕切られる。
【0042】
センサホルダ571には、開口側空間550と反開口側空間650とを連通する連通口576が形成される。フレキケーブル574は、一方の端部がセンサユニット552の外部への露出面、つまりリアケース502の開口側の面に接続され、連通口576を介して反開口側空間650へ延伸し、他方の端部がコネクタ582に接続される。
【0043】
ここで、開口側空間550から連通口576を介して液体又は埃などが反開口側空間650へ進入するのを防止する防水・防塵構造が求められる。この点、比較対象の携帯電話機500では、グロメット562が、フレキケーブル574の延伸部の連通口576を通過する位置に、延伸部の周囲を密着して覆うように設けられる。また、Oリング564が、グロメット562の周囲を覆うように設けられる。そして、連通口576の部分において、Oリング564を介してグロメット562を連通口576の内面に密着固定することにより、連通口576における液体又は埃などの進入を防止する。
【0044】
このような防水・防塵構造は、グロメット562の成型によるグロメット562の小型化の限界があり、かつ、Oリング572とは別に、Oリング564を配置するスペースを確保することが求められるため、携帯電話機500の小型化・薄型化を実現することが難しい。
【0045】
これに対して、本実施形態は、防水・防塵性を有する膜状の弾性部材を枠状に形成した防水・防塵両面テープ260を、連通口276の周りを囲むように設け、センサホルダ271とセンサユニット250とを密接させる防水・防塵構造である。したがって、グロメット562及びOリング564を設けずに、防水・防塵性を実現することができる。ここで、防水・防塵両面テープ260はグロメット562の厚みに比べて十分に薄型化ができるので、携帯電話機100の防水・防塵性を保ちつつ、携帯電話機100の薄型化を実現することができる。これに加えて、グロメット562及びOリング564を設けない分、携帯電話機100の小型化を実現することができる。
【符号の説明】
【0046】
100 携帯電話機
200 フロントモジュール
202 フロントケース
240 指紋センサモジュール
250 センサユニット
252 指紋センサ素子
258 センサ用プリント配線基板
260 防水・防塵両面テープ
270 センサホルダ部
271 センサホルダ
272 Oリング
274 フレキケーブル
274a 第1の端子部
274b 延伸部
274c 第2の端子部
276 連通口
282 コネクタ
300 リアケース
350 開口側空間
400 リアカバー
450 反開口側空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成された筐体と、
前記筐体の開口に設けられ、電子デバイスを有する電子デバイスユニットと、
周囲に第一の封止部材を備え、前記筐体又は前記筐体に固定された固定部に前記第一の封止部材を介して設けられたデバイスホルダと、
前記電子デバイスユニットと前記デバイスホルダとの間に設けられ、前記デバイスホルダに形成された連通口を囲んで設けられた第二の封止部材と、
前記電子デバイスユニットから前記連通口を貫通して他の部品に接続され、前記電子デバイスと前記他の部品との間で電気信号を送信又は受信する導電部材と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記電子デバイスユニットは、前記電子デバイスが載置されるプリント配線基板を含み、
前記第二の封止部材は両面テープであり、前記デバイスホルダの前記電子デバイス側の面と、前記プリント配線基板の前記電子デバイスが載置された面の裏面との間に貼り付けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記プリント配線基板は、前記電子デバイスと前記他の部品との間で送信又は受信される電気信号を前記電子デバイスが載置された面と前記電子デバイスが載置された面の裏面との間で導電するスルーホールを有し、
前記導電部材は、前記プリント配線基板の前記電子デバイスが載置された面の裏面の前記スルーホールが形成された部分に接続される第1の端子部と、前記他の部品に接続される第2の端子部とを有する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2013−70271(P2013−70271A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207966(P2011−207966)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】