説明

電極積層装置

【課題】電池の生産速度の向上を図ることが可能な電極積層装置の提供。
【解決手段】セパレータシートSSをロールツーロール方式で搬送するセパレータシート搬送装置10と、セパレータシートSSの搬送経路の上に、電極シートPS,NSから切り出した正極Pと負極Nとを交互に載置する電極載置装置20と、電極載置装置20よりも上記搬送経路の下流側の位置において、セパレータシートSSにおける正極Pが載置された領域を含む第1領域と負極Nが載置された領域を含む第2領域とを交互に切り出すセパレータ切出装置40と、セパレータ切出装置40の上記切り出し位置の下方に設けられて、上記切り出され正極Pが載置された上記第1領域と、上記切り出され負極Nが載置された上記第2領域とを、交互に積層する積層トレイ50と、を有するという電極積層装置1を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極積層装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池等は、電極及びセパレータを交互に積層した構造体を有する。例えば、リチウムイオン二次電池は、正極にリチウム含有金属酸化物、負極に炭素材料を用い、その間に絶縁性の多孔性セパレータを交互に積層した構造体に電解液を含浸させ、ケースで密閉した構造となっている。
【0003】
ところで、このような二次電池を構成する正極、負極及びセパレータは、薄い材料で形成されていることから剛性が低く、取り扱いが非常に困難である。また、正極、負極、セパレータを積層させる際に位置ずれが生じると、電圧等の特性に影響し、電池の性能にばらつきが生じてしまう。このため、電池の性能にばらつきが生じないよう正極、負極、セパレータを積層させることが可能な技術が求められている。
【0004】
このような要求に応えるための技術が検討されており、例えば特許文献1では、正極マガジンと、負極マガジンと、一対の吸引機構を有する電極用トランスファと、正極及び負極の位置合わせを行う電極ゲージング機構と、積層用トランスファと、積層テーブルと、を備えた電極積層装置が開示されている。これにより、正極、負極、セパレータを積層させる際に位置ずれが生じることを抑制し、電池の性能にばらつきが生じないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−50583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術にあっては、正極、負極、セパレータを一枚ずつ吸着搬送して積層を行うために、電池の生産速度が上がらないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電池の生産速度の向上を図ることが可能な電極積層装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、セパレータシートをロールツーロール方式で搬送するセパレータシート搬送装置と、上記セパレータシートの搬送経路の上に、電極シートから切り出した正極と負極とを交互に載置する電極載置装置と、上記電極載置装置よりも上記搬送経路の下流側の位置において、上記セパレータシートにおける上記正極が載置された領域を含む第1領域と上記負極が載置された領域を含む第2領域とを交互に切り出すセパレータ切出装置と、上記セパレータ切出装置の上記切り出し位置の下方に設けられて、上記切り出され上記正極が載置された上記第1領域と、上記切り出され上記負極が載置された上記第2領域とを、交互に積層する積層トレイと、を有するという電極積層装置を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、ロールツーロール(Roll to Roll)方式(一方のロールでシートの送り出しを行いながら他方のロールでシートの巻き取りを行いシートを連続して搬送する方式)で送られるセパレータシート上に、直接、正極及び負極の電極を交互に載置し、その載置位置より下流側の位置において、セパレータシートにおける正極を含む領域と負極を含む領域とを交互に切り出し、その切り出し位置の下方に設けられた積層トレイに落下させる。そうすると、正極、負極、セパレータを一枚ずつ吸着搬送することなく、正極とセパレータ、負極とセパレータとが交互に積層された構造体が、積層トレイ上に形成される。
【0009】
また、本発明においては、上記電極載置装置は、上記電極シートの搬送経路の少なくとも一部が上記セパレータシートの搬送経路の上で重なるように、上記電極シートをロールツーロール方式で搬送する電極シート搬送装置と、上記重なる位置において、上記電極シートの一部を切り出して落下させる電極切出装置と、を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、ロールツーロール方式で電極シートを搬送し、セパレータシートの搬送経路と重なる位置で切り出しを行うことで、電極をマガジン等に収めることなく、直接、セパレータシート上に落下させて載置することができる。このため、電池の生産速度が向上する。
【0010】
また、本発明においては、上記電極シート搬送装置は、上記電極シートの上記セパレータシートに対向する面の少なくとも一部に、粘着剤を供給する粘着剤供給装置を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、電極シートのセパレータシートに対向する面の少なくとも一部に粘着剤を供給することによって、該電極シートが切り出されてセパレータシート上に落下した際に、粘着剤が滑り止めとして機能し、電極とセパレータシートとの相対位置ズレを抑制することができる。また、電極がセパレータシート上に載置されて搬送されている際の振動等による、電極とセパレータシートとの相対位置ズレを抑制することができる。
【0011】
また、本発明においては、上記粘着剤供給装置は、上記電極シートを送る側のロール体の外周面に上記粘着剤を滴下するディスペンサを有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、電極シートを送る側のロール体の外周面に粘着剤を滴下すると、電極シートの送りによって、粘着剤を滴下した面がロール体を巻回してセパレータシートと対向する。したがって、電極シートのセパレータシートに対向する面に粘着剤を供給するために、粘着剤を重力方向に逆らう方向に噴射等する必要がなくなるため、粘着剤の飛散、垂れ等を抑制することができる。
【0012】
また、本発明においては、上記電極シートの両面には活物質が付着しており、上記電極切出装置は、上記切り出し時における上記活物質の飛散物を吸引する吸引装置を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、ロールツーロール方式で搬送する電極シートを直接切り出してセパレータシート上に載置するので、切り出し時の衝撃等で、電極シートに付着している活物質が微小に欠けたり、飛散したりして、電極やセパレータを汚染すると電池の性能にバラツキが生じてしまう可能性がある。そこで、切り出し時における活物質の飛散物を吸引して、該飛散物による汚染を防止する。
【0013】
また、本発明においては、上記電極切出装置は、上記電極シートの下面側に配置され、矩形状に開口する開口部を有するテーブル板と、上記電極シートの上面側に配置され、上記開口部に挿入可能な矩形枠形状のカッターと、を有しており、上記吸引装置は、上記テーブル板の下面側であって上記開口部の縁部に沿って上記吸引を行う第1吸引部と、上記カッターの上記矩形枠形状の内側に沿って上記吸引を行う第2吸引部と、を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、テーブル板の下面側でその開口部の縁部に沿って吸引を行うことで、電極シートの下面側に付された活物質の飛散物を吸引することができる。また、カッターの矩形枠形状の内側に沿って吸引を行うことで、電極シートの上面側に付された活物質の飛散物を吸引することができる。
【0014】
また、本発明においては、上記電極シート搬送装置は、上記セパレータシートの搬送方向と同一の方向に、上記電極シートを搬送するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、セパレータシートの搬送方向と電極シートの搬送方向が一致するので両者の相対速度差を低減でき、電極シートが切り出されてセパレータシート上に落下した際の、電極とセパレータシートとの相対位置のズレを抑制することができる。
【0015】
また、本発明においては、上記電極シート搬送装置は、上記セパレータシートの搬送方向と交差する方向に、上記電極シートを搬送するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、セパレータシートの搬送方向と電極シートの搬送方向が交差するので、セパレータシートのロール間距離を短くすることができ、セパレータシートの歩留まりの向上、装置の小型化に寄与できる。
【0016】
また、本発明においては、上記搬送されている上記セパレータシートの下面をスライド自在に支持するスライドテーブルを有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、ロールツーロール方式で送られるセパレータシート上に、直接、正極及び負極の電極を交互に載置していくと、セパレータシートのロール間距離が長く必要となるので、シートの垂れ及び振動が生じやすくなる。そこで、セパレータシートの下面を滑りのよいスライドテーブルで支持することで、シートの垂れ及び振動を抑制し、併せて載置された電極の相対位置ズレを防止する。
【0017】
また、本発明においては、上記載置された上記正極及び上記負極のうち少なくともいずれか一方の上記セパレータシートに対する相対位置を計測する計測装置と、上記計測装置の計測結果に基づいて、上記セパレータ切出装置の上記切り出し位置を調整する切り出し位置調整装置と、を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、正負の電極のセパレータシートに対する相対位置を計測し、その計測結果からセパレータ切出装置の切り出し位置を調整することで、セパレータシートにおける電極が載置された領域を含む領域を適切に切り出すことができる。これにより、歩留まりの向上、電池の性能のバラツキの抑制、併せて電池の生産速度の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、セパレータシートをロールツーロール方式で搬送するセパレータシート搬送装置と、上記セパレータシートの搬送経路の上に、電極シートから切り出した正極と負極とを交互に載置する電極載置装置と、上記電極載置装置よりも上記搬送経路の下流側の位置において、上記セパレータシートにおける上記正極が載置された領域を含む第1領域と上記負極が載置された領域を含む第2領域とを交互に切り出すセパレータ切出装置と、上記セパレータ切出装置の上記切り出し位置の下方に設けられて、上記切り出され上記正極が載置された上記第1領域と、上記切り出され上記負極が載置された上記第2領域とを、交互に積層する積層トレイと、を有するという電極積層装置を採用することによって、ロールツーロール方式で送られるセパレータシート上に、直接、正極及び負極の電極を交互に載置し、その載置位置より下流側の位置において、セパレータシートにおける正極を含む領域と負極を含む領域とを交互に切り出し、その切り出し位置の下方に設けられた積層トレイに落下させる。そうすると、正極、負極、セパレータを一枚ずつ吸着搬送することなく、正極とセパレータ、負極とセパレータが交互に積層された構造体が、積層トレイ上に形成される。
したがって、本発明では、電池の生産速度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態における電極積層装置の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における電極積層装置の構成を示す正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における電極切出装置の構成を示す部分拡大断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における電極切出装置の構成を示す底面図である。
【図5】本発明の第2実施形態における電極積層装置の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態における電極積層装置の構成を示す正面図である。
【図7】本発明の第2実施形態における計測装置が取得した画像データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における電極積層装置1の構成を示す平面図である。図2は、本発明の第1実施形態における電極積層装置1の構成を示す正面図である。
図2に示すように、電極積層装置1は、積層トレイ50上に、正極Pと負極NとをセパレータSを間に挟んで積層した構造体を形成するものである。
【0022】
電極積層装置1は、セパレータシートSSをロールツーロール方式で搬送するセパレータシート搬送装置10と、セパレータシートSSの搬送経路の上に、電極シートPS,NSから切り出した正極Pと負極Nとを交互に載置する電極載置装置20と、電極載置装置20よりも上記搬送経路の下流側の位置において、セパレータシートSSにおける正極Pが載置された領域を含む第1領域と負極Nが載置された領域を含む第2領域とを交互に切り出すセパレータ切出装置40と、セパレータ切出装置40の上記切り出し位置の下方に設けられて、上記切り出され正極Pが載置された上記第1領域(セパレータS)と、上記切り出され負極Nが載置された上記第2領域(セパレータS)とを、交互に積層する積層トレイ50と、を有する。また、電極積層装置1は、上記の各種構成機器の動作を統括的に制御する不図示の制御装置を備えている。
【0023】
セパレータシート搬送装置10は、巻き取りロール11と送り出しロール12とを備えて、ロールツーロール方式でセパレータシートSSを水平方向に搬送する構成となっている。
セパレータシートSSは、例えば厚さ8〜25μm程度の絶縁性の樹脂材のシートであある。このセパレータシートSSは、例えば多孔質のポリエチレンやポリエステルからなる。セパレータシート搬送装置10は、不図示の制御装置の制御の下、セパレータシートSSを所定速度で搬送する構成となっている。
【0024】
セパレータシートSSの下面側には、図2に示すように、スライドテーブル13が設けられている。スライドテーブル13は、搬送されているセパレータシートSSの下面をスライド自在に支持する構成となっている。このスライドテーブル13は、滑りの良いテフロン(登録商標)台や、セパレータシートSSを空気圧で非接触支持する空気浮上台等から構成される。本実施形態のスライドテーブル13は、送り出しロール12が設けられた位置から積層トレイ50が設けられた位置まで水平方向に延在して設けられている。この構成によれば、ロール間距離が長いセパレータシートSSの下面を支持することで、セパレータシートSSの垂れ及び振動を抑制することができる。
【0025】
電極載置装置20は、正極PをセパレータシートSSの搬送経路の上に載置する正極載置装置21と、負極NをセパレータシートSSの搬送経路の上に載置する負極載置装置31と、を有する。
正極載置装置21は、電極シートPSの搬送経路の少なくとも一部が、セパレータシートSSの搬送経路の上で重なるように、電極シートPSをロールツーロール方式で搬送する電極シート搬送装置22と、上記重なる位置において、電極シートPSの一部を切り出して、正極PをセパレータシートSSの搬送経路の上に落下させる電極切出装置26と、を有する。
【0026】
電極シート搬送装置22は、巻き取りロール23と送り出しロール24とを備えて、ロールツーロール方式で電極シートPSを水平方向に搬送する構成となっている。本実施形態の電極シート搬送装置22は、セパレータシートSSの搬送方向と同一の方向に、電極シートPSを搬送する構成となっている。
電極シートPSは、例えば活物質としてリチウム含有金属酸化物が両面に印刷された(付着した)、厚さ8〜20μm程度の金属箔のシートである。この電極シートPSは、例えばアルミニウム箔を基材に用い、粉末状のリチウム含有金属酸化物を基材の面上に配置する等して形成することができる。電極シート搬送装置22は、不図示の制御装置の制御の下、電極シートPSを所定速度で搬送する構成となっている。
【0027】
電極シート搬送装置22は、電極シートPSのセパレータシートSSと対向する面の少なくとも一部に、粘着剤を供給する粘着剤供給装置25を有する。本実施形態の粘着剤供給装置25は、送り出しロール24の外周面に粘着剤を滴下させるディスペンサ25a,25bを有する。ディスペンサ25a,25bは、図1に示すように、所定間隔をあけて配置される。この間隔は、例えば、電極シートPSに付着した活物質を避ける位置であって、切り出されるべき正極Pの隅部に対向できる間隔に設定されている。本実施形態のディスペンサ25a,25bは、粘着剤を、時間間隔をあけて滴下することで、切り出した正極Pに滑り止め機能を付与する構成となっている。粘着剤としては、電気特性に影響しないものを用いるのが好ましい。本実施形態では、例えばシリコン系の粘着剤を用いる。
【0028】
電極切出装置26は、巻き取りロール23と送り出しロール24との間に渡された電極シートPSの下側に配置されたテーブル板27(図1において図示省略、図2参照)と、上記電極シートPSの上側に配置されたカッター28(図2において図示省略、図1参照)と、を有する。
テーブル板27は、平面視矩形状に開口する開口部27aを有する。開口部27aは、例えばJIS規格のA4サイズ程度の大きさ(200mm×300mm程度の大きさ)を有する。カッター28は、開口部27aの大きさに応じた大きさ(開口部27aよりも若干小さい大きさ)を有し、該開口部27aに挿入可能な矩形枠形状を有する。カッター28は、不図示の制御装置の制御の下、昇降駆動して、テーブル板27の開口部27aとの間で電極シートPSにせん断力を与えて、矩形状の正極Pを切り出す構成となっている。
【0029】
電極切出装置26は、図3及び図4に示すように、正極Pの切り出し時における活物質の飛散物を吸引する吸引装置29を有する。
図3は、本発明の第1実施形態における電極切出装置26の構成を示す部分拡大断面図である。図4は、本発明の第1実施形態における電極切出装置26の構成を示す底面図である。
吸引装置29は、図に示すように、第1吸引部29aと第2吸引部29bとを有する。
【0030】
第1吸引部29aは、図3に示すように、テーブル板27の下面側であって、開口部27aの縁部に沿って吸引を行う吸引ポート30aを有する。吸引ポート30aの一端部は、開口部27aに向けて開口し、吸引ポート30aの他端部は、不図示の吸引ポンプに接続される構成となっている。この構成によれば、正極Pの切り出し時に電極シートPSの下面側に付された活物質(図3において符号P1を付す)から飛散物が生じても、周りに飛散させることなく吸引することができる。
【0031】
一方、第2吸引部29bは、カッター28の矩形枠形状の内側に沿って吸引を行う吸引ポート30bを有する。吸引ポート30bの一端部は、カッター28の矩形枠形状の内側に沿って枠形状に、鉛直下方に向けて開口し(図4参照)、吸引ポート30bの他端部は、不図示の吸引ポンプに接続される構成となっている。この構成によれば、正極Pの切り出し時に電極シートPSの上面側に付された活物質(図3において符号P2を付す)から飛散物が生じても、周りに飛散させることなく吸引することができる。
【0032】
図1及び図2に戻り、正極載置装置21よりもセパレータシートSSの搬送方向下流側の位置には、負極載置装置31が設けられている。
負極載置装置31は、電極シートNSの搬送経路の少なくとも一部が、セパレータシートSSの搬送経路の上で重なるように、電極シートNSをロールツーロール方式で搬送する電極シート搬送装置32と、上記重なる位置において、電極シートNSの一部を切り出して、負極NをセパレータシートSSの搬送経路の上に落下させる電極切出装置36と、を有する。
【0033】
電極シート搬送装置32は、巻き取りロール33と送り出しロール34とを備えて、ロールツーロール方式で電極シートNSを水平方向に搬送する構成となっている。本実施形態の電極シート搬送装置32は、セパレータシートSSの搬送方向と同一の方向に、電極シートNSを搬送する構成となっている。
電極シートNSは、例えば活物質として炭素材料が両面に印刷された(付着した)、厚さ8〜20μm程度の金属箔のシートである。この電極シートNSは、例えば銅箔を基材に用い、粉末状の炭素を基材の面上に配置する等して形成することができる。電極シート搬送装置32は、不図示の制御装置の制御の下、電極シートNSを所定速度で搬送する構成となっている。
【0034】
電極シート搬送装置32は、電極シートNSのセパレータシートSSと対向する面の少なくとも一部に、粘着剤を供給する粘着剤供給装置35を有する。本実施形態の粘着剤供給装置35は、送り出しロール34の外周面に粘着剤を滴下させるディスペンサ35a,35bを有する。ディスペンサ35a,35bは、図1に示すように、所定間隔をあけて配置される。この間隔は、例えば、電極シートNSに付着した活物質を避ける位置であって、切り出されるべき負極Nの隅部に対向できる間隔に設定されている。本実施形態のディスペンサ35a,35bは、粘着剤を、時間間隔をあけて滴下することで、切り出した負極Nに滑り止め機能を付与する構成となっている。粘着剤としては、電気特性に影響しないものを用いるのが好ましい。本実施形態では、例えばシリコン系の粘着剤を用いる。
【0035】
電極切出装置36は、巻き取りロール33と送り出しロール34との間に渡された電極シートNSの下側に配置されたテーブル板37(図1において図示省略、図2参照)と、上記電極シートNSの上側に配置されたカッター38(図2において図示省略、図1参照)と、を有する。
テーブル板37は、平面視矩形状に開口する開口部37aを有する。開口部37aは、例えばJIS規格のA4サイズ程度の大きさ(200mm×300mm程度の大きさ)を有する。カッター38は、開口部37aの大きさに応じた大きさ(開口部37aよりも若干小さい大きさ)を有し、該開口部37aに挿入可能な矩形枠形状を有する。カッター38は、不図示の制御装置の制御の下、昇降駆動して、テーブル板37の開口部37aとの間で電極シートNSにせん断力を与えて、矩形状の負極Nを切り出す構成となっている。
なお、電極切出装置36においても、図3及び図4に示すような、負極Nの切り出し時における活物質の飛散物を吸引する吸引装置29と同じ構成を有する不図示の吸引装置を有するが、説明の重複をさけるため、その説明は割愛する。
【0036】
セパレータ切出装置40は、上記電極載置装置20よりもセパレータシートSSの搬送方向下流側の位置に設けられている。
セパレータ切出装置40は、巻き取りロール11と送り出しロール12との間に渡されたセパレータシートSSの下側に配置されたテーブル板41(図1において図示省略、図2参照)と、上記セパレータシートSSの上側に配置されたカッター42(図2において図示省略、図1参照)と、を有する。
テーブル板41は、平面視矩形状に開口する開口部41aを有する。開口部41aは、上記切り出した正極P及び負極Nよりも一回り大きい大きさを有する。カッター42は、開口部41aの大きさに応じた大きさ(開口部41aよりも若干小さい大きさであって、上記切り出した正極P及び負極Nよりも一回り大きい大きさ)を有し、該開口部41aに挿入可能な矩形枠形状を有する。カッター42は、不図示の制御装置の制御の下、昇降駆動して、テーブル板41の開口部41aとの間でセパレータシートSSにせん断力を与えて、矩形状のセパレータSを切り出す構成となっている。
【0037】
積層トレイ50は、図2にセパレータ切出装置40の切り出し位置の下方に設けられている。積層トレイ50は、枡形状を有し、頂部51が矩形に開口している。本実施形態の積層トレイ50は、中腹部から頂部51に向かってテーブル板41の開口部41aよりも大きく開口する末広がり形状を有する。この構成によれば、セパレータ切出装置40の切り出し位置から落下してくるセパレータSをこぼすことなく回収することができる。また、積層トレイ50の底部52を、セパレータSの大きさに応じた大きさ(セパレータSよりも若干大きい大きさ)にすることで、積層トレイ50の底部52の側壁でセパレータSの姿勢を規制できるため、積層の精度を高めることができる。
【0038】
続いて、上記構成の電極積層装置1の動作について説明する。
【0039】
先ず、セパレータシート搬送装置10が、セパレータシートSSを送り出しロール12から巻き取りロール11に向けて水平方向に搬送する。搬送中、セパレータシートSSの下面は、スライドテーブル13にスライド自在に支持される。本実施形態では、セパレータシートSSのロール間距離が長くなるので、垂れ及び振動による電極(正極P及び負極N)の相対位置ズレ防止のため、セパレータ切出装置40でセパレータSを切り出すまでの間、スライドテーブル13で支持する。
【0040】
電極載置装置20は、正極PをセパレータシートSSの搬送経路の上に載置する正極載置装置21と、負極NをセパレータシートSSの搬送経路の上に載置する負極載置装置31と、を用いて、セパレータシートSSの搬送経路の上に、正極Pと負極Nとを交互に載置する。本実施形態の正極載置装置21と負極載置装置31とは、セパレータシートSSの搬送経路において上流側と下流側の位置関係を有するので、載置タイミング(切り出しタイミング)を同時に設定し、同時に載置された電極のうちの上流側の正極PがセパレータシートSSの搬送により負極載置装置31を通過した時点で、また同時に正極Pと負極Nとを載置することで、セパレータシートSSの搬送経路の上に、正極Pと負極Nとを交互に載置することができる。
【0041】
正極載置装置21においては、電極シートPSの搬送経路が、セパレータシートSSの搬送経路の上で重なるように、電極シートPSをロールツーロール方式で搬送し、上記重なる位置において、電極シートPSの一部を切り出して、正極PをセパレータシートSSの搬送経路の上に落下させる。このように、本実施形態では、正極Pをマガジン等に収めることなく、直接、セパレータシートSS上に落下させて載置することができるため、電池の生産速度が向上する。また、本実施形態においては、電極シート搬送装置22は、セパレータシートSSの搬送方向と同一の方向に、電極シートPSを搬送するという構成を採用しているから、両者の相対速度差を低減でき、電極シートPSが切り出されてセパレータシートSS上に落下した際の、正極PとセパレータシートSSとの相対位置のズレを抑制することができる。
【0042】
電極シート搬送装置22は、電極シートPSのセパレータシートSSと対向する面の少なくとも一部に、粘着剤を供給する粘着剤供給装置25を有する。本実施形態の粘着剤供給装置25は、ディスペンサ25a,25bを用いて送り出しロール24の外周面に粘着剤を滴下させる。電極シートPSを送る側のロール体(送り出しロール24)の外周面に粘着剤を滴下すると、電極シートPSの送りによって、粘着剤を滴下した面がロール体を巻回してセパレータシートSSと対向する。したがって、電極シートPSのセパレータシートSSに対向する面に粘着剤を供給するために、粘着剤を重力方向に逆らう方向に噴射等する必要がなくなるため、粘着剤の飛散、垂れ等を抑制することができる。電極シートPSのセパレータシートSSに対向する面に粘着剤を供給することによって、該電極シートPSが切り出されてセパレータシートSS上に落下した際に、粘着剤が滑り止めとして機能し、正極PとセパレータシートSSとの相対位置ズレを抑制することができる。また、正極PがセパレータシートSS上に載置されて搬送されている際の振動等による、正極PとセパレータシートSSとの相対位置ズレを抑制することができる。
【0043】
電極切出装置26は、カッター28を昇降駆動させ、カッター28をテーブル板27の開口部27aに挿入させて、電極シートPSから矩形状の正極Pを切り出す。当該切り出し時の衝撃等で、電極シートPSに付着している活物質P1,P2(図3参照)が微小に欠けたり、飛散したりしたものは、吸引装置29により吸引除去される。具体的に、第1吸引部29aは、テーブル板27の下面側であって、開口部27aの縁部に沿って設けられた吸引ポート30aから吸引を行うことによって、電極シートPSの下面側に付された活物質P1からの飛散物の周辺への飛散を防止する。また、第2吸引部29bは、カッター28の矩形枠形状の内側に沿って設けられた吸引ポート30bから吸引を行うことによって、電極シートPSの上面側に付された活物質P2からの飛散物の周辺への飛散を防止する。したがって、正極P及びセパレータシートSSの活物質による汚染を抑制でき、電池の性能のバラツキを低減させることができる。
なお、上述した作用効果は、負極載置装置31においても同様に得られるが、説明の重複をさけるため、その説明は割愛する。
【0044】
セパレータ切出装置40は、積層トレイ50上の位置において、セパレータシートSSにおける正極Pが載置された領域を含む第1領域と負極Nが載置された領域を含む第2領域とを交互に切り出す。具体的に、セパレータ切出装置40は、カッター42を昇降駆動させ、カッター42をテーブル板41の開口部41aに挿入させて、セパレータシートSSから正極P及び負極Nより大きく矩形状のセパレータSを切り出す。当該切り出しタイミングは、セパレータシートSSの搬送速度と、正極P及び負極Nの載置タイミング、正極P及び負極Nの載置位置からセパレータ切出装置40の切り出し位置までの距離に基づいて、設定することができる。また、切り出しタイミングを、カメラ、光学センサ等の計測結果に基づいて決定するフィードバック構成にしてもよい。
【0045】
セパレータ切出装置40により切り出されたセパレータSは、正極Pあるいは負極Nを伴って積層トレイ50に向けて落下する。積層トレイ50は、矩形状に開口した頂部51から上記セパレータSを導入し、底部52の側壁でセパレータSの姿勢を規制する。積層トレイ50には、正極Pが載置されたセパレータSと、負極Nが載置されたセパレータSとが、交互に落下してくるので、底部52から正極Pと負極NとをセパレータSを間に挟んで積層することができる。
【0046】
そして、セパレータS、正極P、セパレータS、負極Nを1セットとして、このセットを複数(例えば100セット程度)積層することにより、積層トレイ50上に、正極Pと負極NとをセパレータSを間に挟んで積層した構造体を形成することができる。
そして、この構造体を載置した積層トレイ50を他の場所に移動させ、所定の処理をする。具体的には、正極P及び負極Nの不図示のタブをそれぞれ溶接し、この構造体を例えばアルミニウムからなるラミネートフィルムに入れ、電解液を注液し、構造体を含浸させる。この後、構造体をシールして密閉することにより、ラミネート型電池セルが得られる。
【0047】
したがって、上述の本実施形態によれば、セパレータシートSSをロールツーロール方式で搬送するセパレータシート搬送装置10と、セパレータシートSSの搬送経路の上に、電極シートPS,NSから切り出した正極Pと負極Nとを交互に載置する電極載置装置20と、電極載置装置20よりも上記搬送経路の下流側の位置において、セパレータシートSSにおける正極Pが載置された領域を含む第1領域と負極Nが載置された領域を含む第2領域とを交互に切り出すセパレータ切出装置40と、セパレータ切出装置40の上記切り出し位置の下方に設けられて、上記切り出され正極Pが載置された上記第1領域(セパレータS)と、上記切り出され負極Nが載置された上記第2領域(セパレータS)とを、交互に積層する積層トレイ50と、を有するという電極積層装置1を採用することによって、ロールツーロール方式で送られるセパレータシートSS上に、直接、正極P及び負極Nの電極を交互に載置し、その載置位置より下流側の位置において、セパレータシートSSにおける正極Pを含む領域と負極Nを含む領域とを交互に切り出し、その切り出し位置の下方に設けられた積層トレイ50に落下させる。そうすると、正極P、負極N、セパレータSを一枚ずつ吸着搬送することなく、正極PとセパレータS、負極NとセパレータSが交互に積層された構造体が、積層トレイ50上に形成される。
したがって、本実施形態によれば、電池の生産速度の向上を図ることができる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図5は、本発明の第2実施形態における電極積層装置1の構成を示す平面図である。図6は、本発明の第2実施形態における電極積層装置1の構成を示す正面図である。なお、以下の説明では、図に示すようにXYZ直交座標系を設定して、説明することがある。
【0049】
図5に示すように、第2実施形態の電極シート搬送装置22,32は、セパレータシートSSの搬送方向(X軸方向)と交差する方向(本実施形態ではY軸方向)に、電極シートPS,NSを搬送する構成となっている。この構成によれば、上述の第1実施形態よりも、セパレータシートSSのロール間距離を短くすることができるので、垂れ及び振動の抑制、セパレータシートSSの歩留まりの向上、装置全体の小型化に寄与できる。
但し、第1実施形態のように、セパレータシートSSの搬送方向と電極シートPS,NSの搬送方向とを一致させてないので、正極Pあるいは負極NとセパレータシートSSとの相対位置のズレを抑制する作用は弱まる。そこで、第2実施形態の電極積層装置1は、以下の構成を備える。
【0050】
第2実施形態の電極積層装置1は、セパレータシートSSに載置された正極P及び負極Nのうち少なくともいずれか一方(本実施形態では両方)のセパレータシートSSに対する相対位置を計測する計測装置60と、計測装置60の計測結果に基づいて、セパレータ切出装置40の切り出し位置を調整する切り出し位置調整装置61(図6において不図示、図5参照)と、を有する。
【0051】
計測装置60は、セパレータシートSSの搬送方向において、電極載置装置20とセパレータ切出装置40との間に設けられている。本実施形態の計測装置60は、上記設けられた位置において、セパレータシートSS上に載置された電極(正極P及び負極N)を定点観測する撮像カメラから構成される。計測装置60は、図6に示すように、撮像により取得した画像データを、制御装置70に伝送する構成となっている。制御装置70は、当該画像データに基づいて、切り出し位置調整装置61の駆動を制御する構成となっている。
【0052】
切り出し位置調整装置61は、図5に示すように、セパレータ切出装置40に設けられている。本実施形態の切り出し位置調整装置61は、3つのアクチュエータ62a,62b,62cを備えて、カッター42の位置を調整するアライメント(XYθ)ステージ機構を有する。この構成によれば、任意のアクチュエータを駆動させることによって、カッター42を、X−Y平面上で位置変更することができ、また、X−Y平面と直交するZ軸周り(θ軸)で位置変更することができる。
なお、カッター42の位置調整と同期して、テーブル板41の開口部41aの位置調整できるように、テーブル板41にもアライメントステージ機構を設けることが好ましい。但し、コストアップにつながるので、開口部41aの大きさを予め大きくしておくことで、カッター42の位置調整に対応できるようにしてもよい。また、カッター42をヒートカッターに変更し、薄いセパレータシートSSを焼き切る構成とすれば、テーブル板41自体を削除できるので、必ずしもテーブル板41にアライメントステージ機構を設ける必要はない。
【0053】
図7は、計測装置60が取得した画像データの一例を示す図である。図に示すように、正極Pが基準位置Aからズレて搬送されている場合、当該正極Pがセパレータ切出装置40によりセパレータシートSSと共に裁断されてしまう場合がある。そこで、制御装置70は、当該画像データから、基準位置Aからのズレを検出し、カッター42の位置を、切り出し位置調整装置61を用いて補正する。具体的には、制御装置70は、図7に示す画像データから、正極Pの重心Pの位置と、基準位置Aの重心Aの位置とのXY座標における差を求める。次に、制御装置70は、図7に示す画像データから、正極Pの重心Pにおける傾きと、基準位置Aの重心Aの傾きの差(θ:X軸及びY軸と直交するZ軸周りの角度)を求める。そして、制御装置70は、当該(X、Y、θ)の値に基づいて、アライメントステージを駆動させることで、カッター42の位置を調整する。
この構成を採用することによって、第2実施形態では、正極Pあるいは負極NのセパレータシートSSに対する相対位置を計測し、その計測結果からセパレータ切出装置40の切り出し位置を調整することで、セパレータシートSSにおける電極が載置された領域を含む領域を適切に切り出すことができる。これにより、歩留まりの向上、電池の性能のバラツキの抑制、併せて電池の生産速度の向上を図ることができる。
【0054】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0055】
例えば、上記実施形態では、吸引装置29が負圧吸引して、飛散した活物質を吸引すると説明したが、静電気力を用いて静電吸引する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…電極積層装置、10…セパレータシート搬送装置、13…スライドテーブル、20…電極載置装置、22…電極シート搬送装置、24…送り出しロール(ロール体)、25…粘着剤供給装置、25a,25b…ディスペンサ、26…電極切出装置、27…テーブル板、27a…開口部、28…カッター、29…吸引装置、29a…第1吸引部、29b…第2吸引部、32…電極シート搬送装置、34…送り出しロール(ロール体)、35…粘着剤供給装置、35a,35b…ディスペンサ、36…電極切出装置、37…テーブル板、37a…開口部、38…カッター、40…セパレータ切出装置、50…積層トレイ、60…計測装置、61…切り出し位置調整装置、N…負極、NS…電極シート、P…正極、P1,P2…活物質、PS…電極シート、S…セパレータ、SS…セパレータシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータシートをロールツーロール方式で搬送するセパレータシート搬送装置と、
前記セパレータシートの搬送経路の上に、電極シートから切り出した正極と負極とを交互に載置する電極載置装置と、
前記電極載置装置よりも前記搬送経路の下流側の位置において、前記セパレータシートにおける前記正極が載置された領域を含む第1領域と前記負極が載置された領域を含む第2領域とを交互に切り出すセパレータ切出装置と、
前記セパレータ切出装置の前記切り出し位置の下方に設けられて、前記切り出され前記正極が載置された前記第1領域と、前記切り出され前記負極が載置された前記第2領域とを、交互に積層する積層トレイと、を有することを特徴とする電極積層装置。
【請求項2】
前記電極載置装置は、前記電極シートの搬送経路の少なくとも一部が前記セパレータシートの搬送経路の上で重なるように、前記電極シートをロールツーロール方式で搬送する電極シート搬送装置と、
前記重なる位置において、前記電極シートの一部を切り出して落下させる電極切出装置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の電極積層装置。
【請求項3】
前記電極シート搬送装置は、前記電極シートの前記セパレータシートに対向する面の少なくとも一部に、粘着剤を供給する粘着剤供給装置を有することを特徴とする請求項2に記載の電極積層装置。
【請求項4】
前記粘着剤供給装置は、前記電極シートを送る側のロール体の外周面に前記粘着剤を滴下するディスペンサを有することを特徴とする請求項3に記載の電極積層装置。
【請求項5】
前記電極シートの両面には活物質が付着しており、
前記電極切出装置は、前記切り出し時における前記活物質の飛散物を吸引する吸引装置を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電極積層装置。
【請求項6】
前記電極切出装置は、前記電極シートの下面側に配置され、矩形状に開口する開口部を有するテーブル板と、前記電極シートの上面側に配置され、前記開口部に挿入可能な矩形枠形状のカッターと、を有しており、
前記吸引装置は、前記テーブル板の下面側であって前記開口部の縁部に沿って前記吸引を行う第1吸引部と、前記カッターの前記矩形枠形状の内側に沿って前記吸引を行う第2吸引部と、を有することを特徴とする請求項5に記載の電極積層装置。
【請求項7】
前記電極シート搬送装置は、前記セパレータシートの搬送方向と同一の方向に、前記電極シートを搬送することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の電極積層装置。
【請求項8】
前記電極シート搬送装置は、前記セパレータシートの搬送方向と交差する方向に、前記電極シートを搬送することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の電極積層装置。
【請求項9】
前記搬送されている前記セパレータシートの下面をスライド自在に支持するスライドテーブルを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電極積層装置。
【請求項10】
前記載置された前記正極及び前記負極のうち少なくともいずれか一方の前記セパレータシートに対する相対位置を計測する計測装置と、
前記計測装置の計測結果に基づいて、前記セパレータ切出装置の前記切り出し位置を調整する切り出し位置調整装置と、を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電極積層装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−33282(P2012−33282A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169314(P2010−169314)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】