説明

電気こたつ制御装置

【課題】 遠隔操作による制御をより確実にするとともに、使用者の有無による制御およびその表示機能を付加してより快適に電気こたつを利用することを可能にした電気こたつ制御装置を提供する。
【解決手段】 電源3とこたつ1とを接続するコード5の途中に運転状態の制御およびその表示が可能な制御器10を備えるとともに、前記制御器10を無線にて操作できる遠隔操作器30を備えた電気こたつ制御装置において、前記制御器10における受波部19を制御器10本体から突出形成したことにより、遠隔操作器30からの送波信号を受ける制御器10が障害物により隠蔽されることがあっても、制御器10本体から突出形成された受波部19において広角域で遠隔操作器30からの送波信号を受波でき、制御器10による運転制御等を確実に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源とこたつとを接続するコードの途中に運転状態の制御およびその表示が可能な制御器を備えるとともに、前記制御器を無線にて操作できる遠隔操作器を備えた電気こたつ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
こたつは足周りのみを温熱するという健康的で典型的な省エネ暖房器具として古くから我が国において用いられてきた。こたつは大別して、囲炉裏から発展した熱源を掘り下げた床面に設置した古来の堀こたつと、近年の住宅事情からこたつやぐらに熱源を設置した置こたつとに分けられる。いずれの場合も、こたつやぐら内あるいはこたつやぐらの下方に設置された熱源にて発生した熱の放散は、通常、こたつやぐらとこたつ板との間に介在されるこたつふとんやこたつ用内カバーによって包囲されて抑制される。これらのこたつふとんやこたつ用内カバーにより、熱源で発生した熱をやぐら内に蓄熱して使用者の足周りを効果的に温めることができる。
【0003】
そして、近年では、タイマーによる時間制御を含めたオン・オフ制御、温度調節制御、速暖制御、省エネ制御等の多彩な制御がなされるようになっている。さらには、このような制御をリモコン等の無線制御により遠隔操作することも行われるようになった。本件発明者はそのような制御装置を備えた電気こたつ装置として下記特許文献1に開示されたものを提案した。
【特許文献1】特開平2001−12750号公報(請求項1参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示された電気こたつ装置を図6により簡単に説明する。この電気こたつ装置100は、電熱動作の制御を無線遠隔操作によって行うようにした電気こたつ装置であって、前記制御のための制御部分113と前記無線遠隔のための受波部分51とを一体にして、前記電熱動作のための電気こたつ本体部分116から導き出した電気導線60の途中部分または端部に配置する制御器50と、手持ち可能な操作器70に配置した送波部分71から前記受波部分51に無線信号を与えて前記無線遠隔を行う無線遠隔操作手段を具備するものである。このような制御装置を備えた電気こたつにより、電熱動作の制御操作を使用者が座った位置に無関係にどこからでも容易に行い得るようになった。
【0005】
本発明は、前記本発明者の提案になる電気こたつ装置をさらに改良して、遠隔操作による制御をより確実にするとともに、使用者の有無による制御およびその表示機能を付加してより快適に電気こたつを利用することを可能にした電気こたつ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため本発明は、電源とこたつとを接続するコードの途中に運転状態の制御およびその表示が可能な制御器を備えるとともに、前記制御器を無線にて操作できる遠隔操作器を備えた電気こたつ制御装置において、前記制御器における受波部を制御器本体から突出形成したことを特徴とする。また本発明は、前記こたつ内に係止可能で使用者の存在を検出できる人感センサを、前記制御器とこたつとの間のコードの途中に設置したことを特徴とする。また本発明は、前記制御器に、人感センサ表示部、ヒータ通電時表示部およびヒータ通電・遮断時信号音発生器を設置したことを特徴とする。また本発明は、前記制御器を電源コンセントに直接挿入可能に構成するとともに、補助電源コードを介設可能に構成したことを特徴とする。また本発明は、前記制御器および人感センサ、または制御器および人感センサのいずれか一方にマイナスイオン発生器を設置したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、電源とこたつとを接続するコードの途中に運転状態の制御およびその表示が可能な制御器を備えるとともに、前記制御器を無線にて操作できる遠隔操作器を備えた電気こたつ制御装置において、前記制御器における受波部を制御器本体から突出形成したことにより、遠隔操作器からの送波信号を受ける制御器が障害物により隠蔽されることがあっても、制御器本体から突出形成された受波部において広角域で遠隔操作器からの送波信号を受波でき、制御器による運転制御等を確実に行えることとなった。
【0008】
また、前記こたつ内に係止可能で使用者の存在を検出できる人感センサを、前記制御器とこたつとの間のコードの途中に設置した場合は、コード装置に制御機器を組み込んだ簡素な構造にて、使用者がいない状態での無駄な電熱動作を続行することが防止でき、有効な省エネ対策が可能となる。さらに、前記制御器に、人感センサ表示部、ヒータ通電時表示部およびヒータ通電・遮断時信号音発生器を設置した場合は、こたつ外において制御器の表示部を視認することで、人感センサの正常動作および電源投入ならびにヒータの通電状態および故障の確認が可能となる。さらに、人感センサが使用者の着席または退席を検出してヒータが通電または遮断されると、信号音にてヒータが通電または遮断されたことが確認できるので、ヒータの切り忘れを防止すべく聴覚により注意が喚起される。
【0009】
さらにまた、前記制御器を電源コンセントに直接挿入可能に構成するとともに、補助電源コードを介設可能に構成した場合は、余分なコードに煩わされることなく電源コンセントに制御器を直接挿入して使用する場合に、制御器が障害物により隠蔽されることがあっても、制御器本体から突出形成された受波部において広角域で遠隔操作器からの送波信号を受波できて、制御器による運転制御等を確実に行えることはもとより、必要に応じて、補助電源コードを用いて物陰にある電源コンセントから制御器を開放して、確実な無線遠隔制御を行うことが可能となる。
【0010】
また、前記制御器および人感センサ、または制御器および人感センサのいずれか一方にマイナスイオン発生器を設置した場合は、適宜の自動スイッチや手動スイッチの操作により、こたつ内および室内またはそれらのいずれか一方において、コロナ放電方式や電子放射方式等によりマイナスイオンを発生させて、部屋の空気を活性化させて、人体に対して、精神の安定化、疲労回復を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の電気こたつ制御装置の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の電気こたつ制御装置の第1実施例を示す全体斜視図、図2は本発明の電気こたつ制御装置の第2実施例を示す全体斜視図、図3は図1の第1実施例にて使用される制御装置一式が組み込まれたコード装置および遠隔操作器の全体図、図4は図1の第1実施例にて使用される制御器の使用状態の側面図、図5は本発明の電気こたつ制御装置の第3実施例を示すもので制御器の正面図である。本発明の電気こたつ制御装置の基本的な構成は、図1に示すように、電源(コンセント)3とこたつ1とを接続するコード5の途中に運転状態の制御およびその表示が可能な制御器10を備えるとともに、前記制御器10を無線にて操作できる遠隔操作器30を備えた電気こたつ制御装置において、前記制御器10における受波部19を制御器本体10から突出形成したことを特徴とする。
【実施例1】
【0012】
以下、詳細に説明する。図1は本発明の電気こたつ制御装置の第1実施例を示す全体斜視図である。本実施例のものは、電源(コンセント)3とこたつ1とを接続するコード5の途中に配設される制御器10に、コンセント3に直接に挿入される電源プラグ4が設置される。したがって、制御器10とコンセント3との間にコードはないので、余分なコードに煩わされることなく電源コンセント3に制御器10を直接挿入して使用できる。制御器10とこたつ1との間には、電源コード5を介して人感センサ20が設置される。人感センサ20は、使用者の存在を検出するものでこたつ内の脚等に係止される。場合によっては、こたつ外の床上に置いておくこともできる。制御器10には、タイマーによる時間制御を含めたオン・オフ制御、温度調節制御、速暖制御、省エネ制御等の制御手段およびその制御内容の表示手段が内蔵されている。これらの制御は、リモコン等の遠隔操作器30からの送波信号(太一点鎖線)を受ける受波部19からの信号を受けてなされる。
【0013】
本発明の最も特徴的な構成は、前記制御器10における受波部19を制御器10本体から突出形成したことを特徴とする。つまり、制御器10の使用状態を示す図4にて理解されるように、制御器10の最も厚みのある部分よりも受波部19が突出形成されている。これにより、電源コンセント3に電源プラグ4が挿入された使用状態で、タンス等の障害物29が制御器10の前面を塞いでいる場合でも、壁等に反射した遠隔操作器30からの送波信号が障害物29に邪魔されることなく、制御器10本体から突出形成された受波部19にて広角域で受波できるので、制御器10による運転制御等が確実に行える。
【0014】
図3は図1の第1実施例にて使用される制御装置一式が組み込まれたコード装置および遠隔操作器の全体図である。コード装置は、電源コンセント3に挿入されて電源を得るところの電源プラグ4が設置された制御器10を一端部に備え、他端部にこたつのヒータ部分のソケットに挿入されるヒータプラグ7を備える。これらの制御器10とヒータプラグ7との間のコード部分には、こたつ内の脚等に係止され使用者の存在を検出してこたつ電源スイッチをオン・オフする人感センサ20が設置される。したがって、人感センサ20とヒータプラグ7とはヒータコード6にて接続され、人感センサ2と制御器10とは電源コード5にて接続される。電源コード5の一部には、人感センサ2をこたつやぐらや脚部等に係止するための掛け金具9が係止される。
【0015】
これらの制御装置一式が組み込まれたコード装置に対して組み合わされるのが、リモコン等の無線による遠隔操作器30である。遠隔操作器30は、前端部の送波部38、正面上部の表示窓31および各種操作スイッチを備える。表示窓31には、ロータリ型の運転切換スイッチ32により切り換えられた運転状態、例えば、通常運転・速暖運転・省エネ運転のいずれかの表示、切りタイマスイッチ34による電源オフまでの時間表示、入りタイマスイッチ35による電源オンまでの時間表示、調節温度上昇スイッチ36および調節温度下降スイッチ37による設定温度表示、運転スイッチ33による運転表示等が液晶表示等によりなされる。
【0016】
制御器10は、前述したように、背面に電源プラグ4を備えるとともに、前面下部に膨出して突出形成された受波部19を備える。制御器10の前面上部には手動による電源スイッチ12およびその表示ランプ11を備える。そして、順次、上段の通常運転表示ランプ13、速暖運転表示ランプ14、省エネ運転表示ランプ15、下段の切りタイマスイッチランプ16、入りタイマスイッチランプ17および人感センサランプ18が設置される。前記通常運転表示ランプ13は、ヒータに通電されると点灯するヒータ通電時表示部を構成する。該ヒータ通電時表示部13の直下には、ヒータ通電・遮断時信号音発生器13A(スピーカ等)が設置され、人感センサ20が使用者の着席または退席を検出してヒータが通電または遮断されると、電子音等の信号音(好適には、通電磁と遮断時の音色を異ならせる)が発生し、ヒータの切り忘れを防止すべく聴覚により注意が喚起される。これらの運転状態表示ランプにて、遠隔操作器30により制御され設定された運転状態が表示される。また、前記表示ランプ13〜17については、操作スイッチを兼用しており、それらを押圧することで、リモコン30がなくても、制御器10自体のみにてもこたつの運転制御が可能である。
【0017】
人感センサ20の前面には、サーモスタット21の他に、集電型赤外線センサIC24が設けられ使用者の体温を感知してヒータへの通電を行うように構成される。また、符号22は人感センサ24の動作を行うオン・オフスイッチ、符号23は該スイッチ22による動作表示灯(LED)である。スイッチ22をオフすることによって、通常のこたつ制御器10を備える電源コード5として機能する。また、図示は省略するが、人感センサ20の前面あるいは側面等にマイナスイオン発生器が設置される。これにより、コロナ放電方式や電子放射方式等によりマイナスイオンを発生させて、こたつ内の空気を活性化させて、人体に対して、精神の安定化、疲労回復を図ることができる。
【実施例2】
【0018】
図2は本発明の電気こたつ制御装置の第2実施例を示す全体斜視図である。本実施例では、どうしても電源プラグ4を設置した制御器10を直接に電源コンセント3に挿入しての電源入手が困難な場合に、必要に応じて、補助電源コード8を用いて物陰にある電源コンセント3から制御器10を開放して、床や畳上に置かれた制御器10に電源を得ると同時に、確実に遠隔操作器30からの送波信号(太一点鎖線)を送れるようにしたものである。
【実施例3】
【0019】
図5は本発明の電気こたつ制御装置の第3実施例を示すもので制御器の正面図である。本実施例のものは、図3に示した制御器10に、マイナスイオン発生器28を設置したものである。これにより、適宜にスイッチを投入して、コロナ放電方式や電子放射方式等によりマイナスイオンを発生させて、部屋の空気を活性化させて、人体に対して、精神の安定化、疲労回復を図ることができる。
【0020】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内にて、こたつのヒータの形状、形式(電熱ヒータ、ハロゲンランプ等)、受波部の形状(突出形態、例えば球形、楕円球形、多角球形等)やマイナスイオン発生器の形状およびそれらの配設部位(前面の下部、中央部、上部等)を含む制御器の形状(各種ボタン、ランプ等の配置形態)、形式および各運転状態等の制御形態、遠隔操作器の形状(各種ボタン、ランプ、表示窓、マイナスイオン発生器等の配置形態)、形式、遠隔操作のための送波信号の種類(電波、光波等)、制御器における電源コンセントの設置部位(背面、上部、側部等)および設置形態(制御器本体に対して固定しても、揺動自在としてもよい)ならびに補助電源コードの接続形態、サーモスタットの形状、形式、こたつの形状、形式(置きこたつ、堀こたつ等)、人感センサー手段の形状、形式(赤外線センサー等)およびそのこたつ内における配置部位(脚部を好適とするがやぐら天板の隅部等でもよい)ならびにコードにおける設置形態(通常はこたつ内に設置されるが、場合によっては、こたつ外の床や畳上に置いてもよい)、マイナスイオン発生手段の形状、形式(コロナ放電方式や電子放射方式等)等については適宜選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の電気こたつ制御装置の第1実施例を示す全体斜視図である。
【図2】本発明の電気こたつ制御装置の第2実施例を示す全体斜視図である。
【図3】図1の第1実施例にて使用される制御装置一式が組み込まれたコード装置および遠隔操作器の全体図である。
【図4】図1の第1実施例にて使用される制御器の使用状態の側面図である。
【図5】本発明の電気こたつ制御装置の第3実施例を示すもので制御器の正面図である。
【図6】従来の電気こたつ装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
1 こたつ
3 電源コンセント
4 電源プラグ
5 電源コード
10 制御器
19 受波部
20 人感センサ
30 遠隔操作器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源とこたつとを接続するコードの途中に運転状態の制御およびその表示が可能な制御器を備えるとともに、前記制御器を無線にて操作できる遠隔操作器を備えた電気こたつ制御装置において、前記制御器における受波部を制御器本体から突出形成したことを特徴とする電気こたつ制御装置。
【請求項2】
前記こたつ内に係止可能で使用者の存在を検出できる人感センサを、前記制御器とこたつとの間のコードの途中に設置したことを特徴とする請求項1に記載の電気こたつ制御装置。
【請求項3】
前記制御器に、人感センサ表示部、ヒータ通電時表示部およびヒータ通電・遮断時信号音発生器を設置したことを特徴とする請求項1または2に記載の電気こたつ制御装置。
【請求項4】
前記制御器を電源コンセントに直接挿入可能に構成するとともに、補助電源コードを介設可能に構成したことを特徴とする請求項1から3に記載の電気こたつ制御装置。
【請求項5】
前記制御器および人感センサ、または制御器および人感センサのいずれか一方にマイナスイオン発生器を設置したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電気こたつ制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate