説明

電気掃除機

【課題】信頼性が高く、高効率な電動送風機および電気掃除機を提供すること。
【解決手段】吸引力を発生し、得られた風量によって電動機を冷却する自冷型の電動送風機5と、電動送風機5を収納する電動送風機室4と、塵埃を捕集する集塵室3とを備え、電動送風機5が発生する熱を吸収するための受熱部10と、受熱部10で蓄えた熱を放熱する放熱部14と、受熱部10と放熱部14とを接続する配管15と、配管15内の液体を循環させるポンプ11と、液体を蓄えるタンク12を具備し、電動送風機5は、吸引力による空冷に加え、循環する液体による液冷によっても冷却される構成としたことにより、電動送風機5の冷却効率を向上し、信頼性が高く、送風効率も高い電動送風機5および電気掃除機を提供することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機等に使用される電動送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に電気掃除機用電動送風機の冷却については、吸引力を発生するファンの排気を利用して電動機を冷却する構成がとられ、気流の通路の複雑さが原因となって圧力損失が増大し、送風効率が低下しているという問題があった。それを解決したものに例えば、下記特許文献1のようなものがある。
【特許文献1】特開平5−84169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記文献の構成では、吸気風量が絞り込まれた状態、たとえば、集塵室に塵埃がある程度捕集された状態等においては、電動送風機の冷却を充分に行うことができず、その状態で連続使用されると、電動送風機の温度が高いため、異常スパークや、ブラシ寿命の低下などを引き起こす原因となるものであった。また、結局は気流によって電動機を冷却する構成であり、多少の圧力損失は回避されるものの、その効果としては、不十分であった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決し、電動送風機の発熱を抑え、より信頼性の高い電動送風機あるいは電気掃除機を提供するとともに、送風効率の高い、電動送風機および電気掃除機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気掃除機は、吸引力を発生し、得られた風量によって電動機を冷却する自冷型の電動送風機と、前記電動送風機を収納する電動送風機室と、塵埃を捕集する集塵室とを備え、前記電動送風機が発生する熱を吸収するための受熱部と、受熱部で蓄えた熱を放熱する放熱部と、受熱部と放熱部とを接続する配管と、配管内の液体を循環させるポンプと、液体を蓄えるタンクを具備し、前記電動送風機は、吸引力による空冷に加え、循環する液体による液冷によっても冷却されることを特徴とするものである。
【0006】
これによって、電動送風機は効率よく冷却されるため、風量が絞られた状態であっても、電動送風機の信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電気掃除機は、電動送風機の冷却を効率よく行い、信頼性を向上、ならびに送風効率の高い電動送風機および電気掃除機を実現させるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、吸引力を発生し、得られた風量によって電動機を冷却する自冷型の電動送風機と、前記電動送風機を収納する電動送風機室と、塵埃を捕集する集塵室とを備え、前記電動送風機が発生する熱を吸収するための受熱部と、受熱部で蓄えた熱を放熱する放熱部と、受熱部と放熱部とを接続する配管と、配管内の液体を循環させるポンプと、液体を蓄えるタンクを具備し、前記電動送風機は、吸引力による空冷に加え、循環する液体による液冷によっても冷却されることを特徴とすることにより、電動送風機の冷却が非常に効率よく行われ、信頼性が高く、電動機の効率も向上するため、送風効率も高い電動送風機となる。また、送風効率アップにより、電気掃除機としての吸い込み性能も向上するものである。
【0009】
第2の発明は、電動送風機が発生する風量が大きいときには、空冷によって冷却し、前記風量が絞られたときには、液冷による冷却をスタートすることを特徴とすることにより、充分な風量が得られるときは、従来どおり空冷にて冷却し、風量が絞られたときだけ、液体循環用ポンプを駆動し液冷を行うことで、ポンプでの消費電力をできるだけ抑えることができるので、冷却に関して全体の最適化を図ることができる。
【0010】
第3の発明は、受熱部を電動送風機のブラケットの外周に配置したことにより、電動送風機の電動機部分の熱を効率よく熱交換することができる。
【0011】
第4の発明は、受熱部を電動送風機のブラシ部に配置したことにより、電動機の中で最も温度が上昇し、ブラシ寿命に最も影響するブラシ部を効率よく冷却することができるものである。
【0012】
第5の発明は、受熱部を電動送風機のブラケットと界磁コアとの間の空間に配置したことにより、電動機の熱をコアから直接吸収することができ、さらに熱交換効率を向上することができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態を図1、図2を用いて説明する。図1は本実施の形態の電気掃除機の断面図である。電気掃除機本体1(以下本体と記す)は、前方に塵埃を捕集する集塵袋2が集塵室3に内蔵され、後方の電動送風機室4には自冷式の電動送風機5が内蔵されている。その上方には家庭電源から電力を供給するための電源コード6を巻き取るためのコードリール7と、電動送風機5の回転を制御する制御基板37を備えている。本体1前方には吸込具(図示せず)へと連なるホース接続部8が挿入されている。電動送風機5の反負荷側ブラケット9の外周は、電動送風機5の発熱を吸収する受熱部10によって覆われている。16は排気口である。また、電動送風機室4の下方には、ポンプ11、タンク12が配されている。集塵室3内部下方には、複数の冷却フィン13が備えられた放熱部14が配されている。そして、これら受熱部10、ポンプ11、タンク12、放熱部14は配管15によって連結され、その内部は液体によって満たされ、液体がそれぞれの部品内部を循環するようになっている。図2は、本電気掃除機の風量対入力(消費電力)の関係を示している。
【0015】
次に、上記構成における動作、作用について説明する。
【0016】
電気掃除機を駆動させると、電源コード6から電力が供給され、コードリール7を経て、電動送風機5が回転駆動する。このとき電動送風機5は制御基板37によって制御を受けて駆動している。電動送風機5が駆動すると、吸引力が発生し、集塵室3内部が外気に対して負圧となり、吸込具(図示せず)が塵埃とともに外気が流入する。塵埃は集塵袋2に捕集されるが、気流は電動送風機5内部を流れ、本体1の排気口16より排出される。このとき、電動送風機5は供給される電力のいくらかを吸込みのエネルギーへと変換するが、余剰エネルギーはロスとして主に熱として放出される。従来は、電動送風機5で発生した熱は、電動送風機5自らが発する吸気によって冷やされ、電動送風機5の温度上昇を抑制していた。また、図2で、風量がQ2より絞られたときには、電動送風機5の温度が上昇し、信頼性に悪い影響を及ぼすため、制御基板37の働きにより、入力を急激に下げるよう制御していた。本来なら、集塵袋2に塵埃がたまって風量が絞られても、集塵容積に余裕があれば、できるだけ長い期間入力を維持し、掃除を継続できることが望ましい。
【0017】
本発明では、風量が大きいとき、すなわち、図2でQ0〜Q1〜Q2の間では、従来どおり、電動送風機5は自ら発生する気流によって、冷却を行う。逆にいえば、電動送風機5の冷却の限界がQ2である。そして、風量がQ2より絞られると、空冷のみでは電動送風機5の温度上昇が上昇しすぎるため、ポンプ11を駆動し、液冷によって電動送風機を冷却する。すなわち、電動送風機5で発生した熱は、その外周に配された受熱部10に奪われ、その中を循環する液体に熱交換される。液体は、ポンプ11の作用によって、配管15の中を移動し、集塵室3内に配された放熱部14に達するが、放熱部14は吸気にさらされていて、しかも複数の冷却フィン13の放熱効果も手伝って、吸気と同等の温度まで冷却される。冷却された液体は、タンク12をとおり、ポンプ11を通過して、再び受熱部10に達し、電動送風機5の熱を吸収する。この冷却作用によって、電動送風機5の信頼性は低い風量でも維持される。よって、電動送風機5の信頼性を維持するために必要な、入力を急激に落とすポイントはQ2→Q3にまで広げることができ、使用者が掃除できる風量範囲を増大し、使用性が向上する。
【0018】
このように、電動送風機5は、従来の空冷よりも冷却効率の高い、液体の熱交換によって、充分冷却が行われ、その温度が低減される。また、従来の空冷方式では、風量が絞り込まれた状態、すなわち、集塵袋2が塵埃で満たされ、充分な風量が流れない場合や、集塵袋2が目詰まりした場合、あるいは、本体1のフィルター(図示せず)類が目詰まりした場合では、電動送風機5を冷却するのに充分な風量が得られず、電動送風機5の温度が上昇しやすくなる状況があったのに対し、本発明では、吸気風量が減った場合でも、冷却効率が高い分、電動送風機5の温度上昇を抑制することができる。
【0019】
また、例えば受熱部10を電動送風機5ばかりでなく、電源コード6の近傍へ配置し、配管することにより、電源コード6の冷却も可能である。
【0020】
また、電動送風機5の反負荷側ブラケット9は鉄で構成される場合が多いが、鉄より熱導電率の高い材料で構成すると、受熱部10への伝達効率が高まり、より冷却効率がアップする。
【0021】
なお、本実施の形態は、集塵袋タイプの電気掃除機を例にしたが、サイクロン方式の電気掃除機においても、放熱部14さえ外気と同等の温度の位置に配置すれば、同様の効果は得られる。
【0022】
(実施の形態2)
次に本発明の第2の実施の形態を図3を用いて説明する。なお第1の実施の形態と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。図3は電気掃除機本体1の断面図で、集塵室3の側壁は2重構造となっている。放熱部14は、この2重の側壁間に納められ、冷却フィン13の先端のみ、集塵室3内に突出している。
【0023】
上記構成において、動作、作用について説明する。
【0024】
電気掃除機を駆動させると、電源コード6から電力が供給され、コードリール7を経て、電動送風機5が回転駆動する。電動送風機5が駆動すると、吸引力が発生し、集塵室3内部が外気に対して負圧となり、吸込具(図示せず)が塵埃とともに外気が流入する。塵埃は集塵袋2に捕集されるが、気流は電動送風機5内部を流れ、本体1の排気口16より排出される。このとき、電動送風機5は供給される電力のいくらかを吸込みのエネルギーへと変換するが、余剰エネルギーはロスとして主に熱として放出される。従来は、電動送風機5で発生した熱は、電動送風機5自らが発する吸気によって冷やされ、電動送風機5の温度上昇を抑制していた。本発明では、電動送風機5で発生した熱は、その外周に配された受熱部10に奪われ、その中を循環する液体に熱交換される。液体は、ポンプ11の作用によって、配管15の中を移動し、集塵室側壁間内に配された放熱部14に達するが、放熱部14の冷却フィン13の先端は吸気にさらされていて、吸気と同等の温度まで冷却される。冷却された液体は、タンク12をとおり、ポンプ11を通過して、再び受熱部10に達し、電動送風機5の熱を吸収する。
【0025】
このように、電動送風機5は、従来の空冷よりも冷却効率の高い、液体の熱交換によって、充分冷却が行われ、その温度が低減される。また、放熱部14が集塵室側壁間のデッドスペース内に配されているので、スペースの有効活用ができるとともに、集塵室3の内部には、最小限の凹凸しか残らないため、集塵袋2満杯時の袋破れを極力防止することができる。
【0026】
なお、実施の形態1のように、放熱部14を集塵室3底部に配する場合でも、底壁を2重構造にして同様に構成しても同等の効果は得られることはいうまでもない。
【0027】
(実施の形態3)
次に本発明の第3の実施の形態を図4を用いて説明する。なお上記の実施の形態と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。図4は電気掃除機本体1の断面図で、17は集塵室蓋、18は蓋裏部の補強リブであり、放熱部14がそのリブ18の高さ内に納められている。
【0028】
上記構成において、動作、作用について説明する。
【0029】
電気掃除機を駆動させると、電源コード6から電力が供給され、コードリール7を経て、電動送風機5が回転駆動する。電動送風機5が駆動すると、吸引力が発生し、集塵室3内部が外気に対して負圧となり、吸込具(図示せず)が塵埃とともに外気が流入する。塵埃は集塵袋2に捕集されるが、気流は電動送風機5内部を流れ、本体1の排気口16より排出される。このとき、電動送風機5は供給される電力のいくらかを吸込みのエネルギーへと変換するが、余剰エネルギーはロスとして主に熱として放出される。従来は、電動送風機5で発生した熱は、電動送風機5自らが発する吸気によって冷やされ、電動送風機5の温度上昇を抑制していた。本発明では、電動送風機5で発生した熱は、その外周に配された受熱部10に奪われ、その中を循環する液体に熱交換される。液体は、ポンプ11の作用によって、配管15の中を移動し、集塵室蓋17内に配された放熱部14に達するが、放熱部14は吸気にさらされていて、しかも複数の冷却フィン13の放熱効果も手伝って、吸気と同等の温度まで冷却される。冷却された液体は、タンク12をとおり、ポンプ11を通過して、再び受熱部10に達し、電動送風機5の熱を吸収する。
【0030】
このように、電動送風機5は、従来の空冷よりも冷却効率の高い、液体の熱交換によって、充分冷却が行われ、その温度が低減される。また、放熱部14が集塵室蓋17の補強リブ18の高さ内に配されているので、もともと存在したデッドスペース内であり、集塵室3の容積に影響を与えることがなく、集塵袋2の集塵容積は確保することができる。
【0031】
(実施の形態4)
次に本発明の第4の実施の形態を図5を用いて説明する。なお上記の実施の形態と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。図5は電気掃除機本体1の部分断面図で、19は集塵室3と電動送風機室4とを隔てる連通孔であり、受熱部10はブラシホルダー20の周囲にも取り付けられている。また、冷却フィン13をもつ放熱部14は、連通孔19と電動送風機5の間のスペースに配されている。
【0032】
上記構成において、動作、作用について説明する。
【0033】
電気掃除機を駆動させると、電動送風機5が回転駆動する。電動送風機5が駆動すると、吸引力が発生し、集塵室3内部が外気に対して負圧となり、吸込具(図示せず)が塵埃とともに外気が流入する。気流は電動送風機5内部を流れ、本体1の排気口16より排出される。このとき、電動送風機5は供給される電力のいくらかを吸込みのエネルギーへと変換するが、余剰エネルギーはロスとして主に熱として放出される。従来は、電動送風機5で発生した熱は、電動送風機5自らが発する吸気によって冷やされ、電動送風機5の温度上昇を抑制していた。本発明では、電動送風機5で発生した熱は、その外周と、ブラシホルダー周囲に配された受熱部10に奪われ、その中を循環する液体に熱交換される。液体は、ポンプ11の作用によって、配管15の中を移動し、放熱部14に達するが、放熱部14と冷却フィン13は吸気にさらされていて、吸気と同等の温度まで冷却される。冷却された液体は、タンク12をとおり、ポンプ11を通過して、再び受熱部10に達し、電動送風機5の熱を吸収する。
【0034】
このように、電動送風機5は、従来の空冷よりも冷却効率の高い、液体の熱交換によって、充分冷却が行われ、その温度が低減される。また、放熱部14が連通孔19と電動送風機5の間のデッドスペース内に配されているので、スペースの有効活用ができるとともに、この位置は吸気が電動送風機5に流入する直前であり、吸気の流速が徐々に速くなるため、放熱作用がより活発に行われので、冷却効率が特によい。
【0035】
(実施の形態5)
次に本発明の第5の実施の形態を図6を用いて説明する。なお上記の実施の形態と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。図6は電気掃除機本体1の部分断面図で、19は集塵室3と電動送風機室4とを隔てる連通孔であり、受熱部10はブラシホルダー20の周囲にも取り付けられている。また、連通孔19は、その内部が空洞で、それそのものが、放熱部14となり、格子状に張り巡らされている。
【0036】
上記構成において、動作、作用について説明する。
【0037】
電気掃除機を駆動させると、電動送風機5が回転駆動する。電動送風機5が駆動すると、吸引力が発生し、集塵室3内部が外気に対して負圧となり、吸込具(図示せず)が塵埃とともに外気が流入する。気流は電動送風機5内部を流れ、本体1の排気口16より排出される。このとき、電動送風機5は供給される電力のいくらかを吸込みのエネルギーへと変換するが、余剰エネルギーはロスとして主に熱として放出される。従来は、電動送風機5で発生した熱は、電動送風機5自らが発する吸気によって冷やされ、電動送風機5の温度上昇を抑制していた。本発明では、電動送風機5で発生した熱は、その外周と、ブラシホルダー周囲に配された受熱部10に奪われ、その中を循環する液体に熱交換される。液体は、ポンプ11の作用によって、配管15の中を移動し、放熱部14に達するが、連通孔19そのものが放熱部14となっており、常に吸気にさらされていて、吸気と同等の温度まで冷却される。冷却された液体は、タンク12をとおり、ポンプ11を通過して、再び受熱部10に達し、電動送風機5の熱を吸収する。
【0038】
このように、電動送風機5は、従来の空冷よりも冷却効率の高い、液体の熱交換によって、充分冷却が行われ、その温度が低減される。また、連通孔19そのものが放熱部14で構成されているため、スペースの有効活用ができるとともに、この位置は吸気が電動送風機5に流入する直前であり、吸気の流速が徐々に速くなるため、放熱作用がより活発に行われので、冷却効率が特によい。
【0039】
なお、連通孔19を放熱性のよい金属で構成するとその放熱効果はさらに向上する。
【0040】
(実施の形態6)
次に本発明の第6の実施の形態を図7、8を用いて説明する。なお上記の実施の形態と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。図7は電動送風機5の部分断面図であり、図8は、電動送風機5のファン部を取り去り、負荷側ブラケットも取り去って、負荷側から見た矢視図である。
【0041】
21は界磁コア22に界磁巻線(省略)を施してなるステータ、23はシャフト24に通された電機子コア25に電機子巻線(略図)を施し、整流子26を同軸上に配置してシャフト24の両端に設けられた軸受27によって回転自在に固定されたロータである。ステータ21及びロータ23は負荷側ブラケット28、反負荷側ブラケット9に固定され、前記反負荷側ブラケット9に一対のカーボンブラシ(図示せず)をブラシホルダー20を介して挿入することで電動機30を形成している。31は排気口A、32は排気口Bである。また、出力軸のシャフト24にはインペラ33が備えられ、インペラ33の外周部に通風路を形成するエアーガイド34が配されている。そして、ケーシング35がこれらを覆うように取り付けられ電動送風機5となる。36は吸気口を示している。界磁コア22の4つの側面には、受熱部10が取り付けられ、それぞれが連結され、配管15によって、放熱部14、ポンプ11へと連なっている。
【0042】
また、この電動送風機5は、上記実施の形態のような電動送風機室4に収納されている。
【0043】
上記構成において、電力が供給されると界磁巻線を伝導した電流がカーボンブラシ(図示せず)を通って整流子26に伝わり、界磁コア22で発生した磁束と電機子巻線(図示せず)を通る電流との間で力が発生し、ロータ23が回転する。次にロータ23が回転することにより、ロータ23のシャフト24に固定されたインペラ33が回転し、インペラ33内の空気を増速し、増速された空気はエアーガイド34を通り、一部の気流は排気口A31から排出され、残りの気流は、電動機30へと導かれる。そして、ロータ23、ステータ21、カーボンブラシ(図示せず)を空冷しながら、反負荷側ブラケット9の排気口B32より排出されるのであるが、本実施の形態では、受熱部10を界磁コア22の側面に配しているので、上記実施の形態で示してきたように、受熱部10を反負荷側ブラケット9外周に配するよりも受熱性に優れ、効率よく電動送風機5を冷却できるものである。
【0044】
なお、近年、送風効率向上の目的で、排気口A31をケーシング35に備える電動送風機5が多く見られるようになったが、この場合には、空冷するための風量が減少し、電動機30の冷却効率が低下する傾向が見られた。しかし、本実施の形態を用いると、従来同等以上の冷却性能は確保できる。仮に、排気口A31からすべての吸気を排出し、電動機30の冷却はすべて液冷によって行うとすると、さらに送風効率の高い電動送風機5が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる電気掃除機は、電動送風機の信頼性の向上、ならびに電動送風機の効率の向上、電気掃除機の吸込性能の向上が図れるので、電動送風機を用いる家庭用電化機器、産業機器等の用途にも幅広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す電気掃除機の断面図
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す電気掃除機の風量と入力(消費電力)の相関図
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す電気掃除機の断面図
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す電気掃除機の断面図
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す電気掃除機の部分断面図
【図6】本発明の第5の実施の形態を示す電気掃除機の部分断面図
【図7】本発明の第6の実施の形態を示す電動送風機の部分断面図
【図8】本発明の第6の実施の形態を示す電動送風機の矢視図
【符号の説明】
【0047】
1 掃除機本体
2 集塵袋
3 集塵室
4 電動送風機室
5 電動送風機
6 電源コード
7 コードリール
8 ホース接続部
9 反負荷側ブラケット
10 受熱部
11 ポンプ
12 タンク
13 冷却フィン
14 放熱部
15 配管
16 排気口
17 集塵室蓋
18 補強リブ
19 連通孔
20 ブラシホルダー
21 ステータ
22 界磁コア
23 ロータ
24 シャフト
25 電機子コア
26 整流子
27 軸受
28 負荷側ブラケット
30 電動機
31 排気口A
32 排気口B
33 インペラ
34 エアーガイド
35 ケーシング
36 吸気口
37 制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引力を発生し、得られた風量によって電動機を冷却する自冷型の電動送風機と、前記電動送風機を収納する電動送風機室と、塵埃を捕集する集塵室とを備え、前記電動送風機が発生する熱を吸収するための受熱部と、受熱部で蓄えた熱を放熱する放熱部と、受熱部と放熱部とを接続する配管と、配管内の液体を循環させるポンプと、液体を蓄えるタンクを具備し、前記電動送風機は、吸引力による空冷に加え、循環する液体による液冷によっても冷却されることを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
電動送風機が発生する風量が大きいときには、空冷によって冷却し、前記風量が絞られたときには、液冷による冷却をスタートすることを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
受熱部を電動送風機のブラケットの外周に配置した請求項1または2記載の電気掃除機。
【請求項4】
受熱部を電動送風機のブラシ部に配置した請求項1〜3のいずれか1項記載の電気掃除機。
【請求項5】
受熱部を電動送風機のブラケットと界磁コアとの間の空間に配置した請求項1〜4のいずれか1項記載の電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−340825(P2006−340825A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167958(P2005−167958)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】