説明

電気採暖具のコントローラ

【課題】操作つまみをスムーズに摺動することが可能となり、使い勝手の良いコントローラを提供することを目的とする。
【解決手段】立面に操作開口206を備えたケース300と、電気採暖具100を操作する複数の操作機器203と、操作機器203をケースの外部から操作する操作つまみ210とを含み、操作つまみ210は少なくとも操作開口206より幅の広い摺動部214を両側に延出して一体に備え、操作つまみ210が相互に近接した操作位置においては、摺動部214の一部が相互に重なり合った状態で配置されることにより、操作つまみは傾きの発生を抑制することができるので、操作つまみをスムーズに摺動させることができる。しかも複数の操作機器と操作つまみを近接して配置することが可能となり、コントローラを小型化することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作つまみの操作を安定させる機構を備えた電気採暖具のコントローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気採暖具のコントローラは、コントローラのケースの側面にスリット状の操作開口を設け、操作開口を介して操作つまみをケース内部に挿入し、ケース内部に設置したスイッチやスライド抵抗等の操作機材を操作つまみで操作する構成とし、操作開口の内側にリブ状の支持台が設けられている。操作つまみは開口上辺の下端と支持台の上端を跨ぐように蛇行した断面形状に形成されており、コントローラの内部に配置されたスイッチやスライド抵抗等の操作機材と連接されている。このような構成とすることにより、操作つまみ5はケース2の開口上辺2aと支持台4をガイドとして摺動する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13(a)は特許文献1に記載された従来の電気採暖具のコントローラの断面を示すものであり、(b)操作つまみの外観の斜視図を示すものである。
【0004】
図に示すように、コントローラ1はケース2の開口上辺2aの下方に操作開口3が開口しており、操作開口3の内部に支持台4が設置されている。支持台4の上端は開口上辺2aの下端より高い位置に配置されている。操作つまみ5は開口上辺2aの下端と支持台4の上端を跨ぐように蛇行した断面形状に形成されており、操作つまみ5のケース2の内側は連接部5a一体にされた形成されており、連接部5aにはスライド抵抗6のレバー6aと契合する係合孔5bとスイッチ7の操作レバー7aと当接する操作片5cが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−274186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、操作つまみの幅は、摺動範囲を確保するために狭い幅に形成されており、しかも操作片の後端部にスイッチやスライド抵抗の操作力が作用するため、操作つまみがスムーズの摺動できないことが発生し、この点において改良の余地があった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、操作つまみのスムーズな摺動が可能な電気採暖具のコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気採暖具のコントローラは、立面に操作開口を備えたケースと、ケース内に内蔵され、電気採暖具を操作する複数の操作機器と、複数の操作機器を、操作開口を介してケースの外部から操作する操作つまみと、を含み、操作つまみは、操作開口に沿って所定範囲の操作位置に摺動可能とし、操作つまみは、少なくとも操作開口より幅の広い摺動部を両側に延出して一体に備え、摺動部はケースの一部に当接して摺動する構成とし、操作つまみが相互に近接した操作位置においては、摺動部の一部が相互に重なり合った状態で配置される構成の、電気採暖具のコントローラであ
る。
【0009】
これにより、操作つまみは操作開口より幅の広い摺動部をケースに当接させながら摺動させることにより傾きの発生を抑制することができるので、操作つまみをスムーズに摺動させることができる。しかも操作つまみ同士が近接した場合には摺動部が相互に重なり合うため、複数の操作機器と操作つまみを近接して配置することが可能となり、コントローラを小型化することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電気採暖具のコントローラは、操作つまみをスムーズに摺動することが可能となり、使い勝手の良いコントローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における電気採暖具の外観を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるコントローラの外観を示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態1におけるコントローラの上ケースの下面図
【図4】本発明の実施の形態1におけるコントローラの下ケースの平面図
【図5】本発明の実施の形態1におけるコントローラの操作部の内部示す斜視図
【図6】本発明の実施の形態1におけるコントローラの操作部の内部示す下面図
【図7】本発明の実施の形態1におけるスイッチ操作つまみの斜視図
【図8】図6に示すAA断面図
【図9】本発明の実施の形態1における抵抗操作つまみの斜視図
【図10】図6に示すBB断面図
【図11】本発明の実施の形態1におけるコントローラのスイッチ操作つまみが左端の操作位置にあり、抵抗操作つまみが右端の操作位置にある状態を示す下面図
【図12】本発明の実施の形態1におけるコントローラのスイッチ操作つまみが右端の操作位置にあり、抵抗操作つまみが左端の操作位置にある状態を示す下面図
【図13】(a)は従来の電気採暖具のコントローラの断面図、(b)は操作つまみの外観を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、立面に操作開口を備えたケースと、前記ケース内に内蔵され、電気採暖具を操作する複数の操作機器と、複数の前記操作機器を、前記操作開口を介して前記ケースの外部から操作する操作つまみと、を含み、前記操作つまみは、前記操作開口に沿って所定範囲の操作位置に摺動可能とし、前記操作つまみは、少なくとも前記操作開口より幅の広い摺動部を両側に延出して一体に備え、前記摺動部は前記ケースの一部に当接して摺動する構成とし、前記操作つまみが相互に近接した前記操作位置においては、前記摺動部の一部が相互に重なり合った状態で配置される構成の、電気採暖具のコントローラである。
【0013】
これにより、操作つまみは操作開口より幅の広い摺動部をケースに当接させながら摺動させることにより傾きの発生を抑制することができるので、操作つまみをスムーズに摺動させることができる。しかも操作つまみ同士が近接した場合には摺動部が相互に重なり合うため、複数の操作機器と操作つまみを近接して配置することが可能となり、コントローラを小型化することが可能となる。
【0014】
第2の発明は、特に第1の発明において、前記操作つまみは、前後に異なる位置に2個の摺動部を備えたものである。
【0015】
これにより、幅の狭い摺動部でも当接面積を増やすことができるため、より安定して傾
きの発生を抑制することができ、操作つまみをよりスムーズに摺動させることができる。
【0016】
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記摺動部は、いずれの前記操作位置においても、前記操作開口の略全面を閉塞する構成としたものである。
【0017】
これにより、操作開口は常時閉塞された状態となるため、操作開口から水や埃が侵入することを抑制することができ、コントローラ内部での漏電や操作機器の損傷を抑制することができ安全性を向上することができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電気採暖具の外観を示す斜視図である。図2は電気採暖具のコントローラの外観を示す斜視図である。
【0020】
<1>電気採暖具の構成
図1に示すように、電気採暖具100は複数のシート状の部材で構成した略長方形の本体110の角部にコントローラ200が配設されており、コントローラの右側面には電気採暖具100に電源を供給する電源コード120がコネクタを介して着脱自在に接続されている。コントローラ200に接続した電源コード120で電力を供給することにより本体110を加熱し、住宅の床面に設置して使用する採暖具である。
【0021】
電気採暖具100の本体110は、表面材111とヒータユニット(図示せず)と断熱シート(図示せず)と裏面材(図示せず)等を主な構成部材とする積層体で構成されている。
【0022】
ヒータユニットは、電気採暖具の発熱源であり、アルミニュームを主成分とする均熱シート(図示せず)の片面にヒータ線を(図示せず)蛇行形状に配設して接着固定したものである。
【0023】
均熱シートは、ヒータ線で発熱した熱を本体110全面に均一に拡散する目的の部材であり、熱伝導率が高い金属シートであるアルミニュームを主成分とする厚さ約0.01mmのアルミシートである。
【0024】
ヒータ線は、中心のガラス繊維(図示せず)の周囲に温度を検知する検知線(図示せず)を螺旋状に巻回し、その外周にナイロン樹脂で絶縁層(図示せず)を形成し、絶縁層の外周に発熱線(図示せず)を螺旋状に巻回し、その外周にPVCの絶縁層(図示せず)を形成し、絶縁層の外周にポリエチレン樹脂による接着層(図示せず)を形成したものである。
【0025】
本体110の角部に設置したコントローラ200には電源コードとヒータユニットの発熱線と検知線が接続されており、ヒータユニットへの電源の「入」、「切」の操作機能と、温度設定機能と、電源の「入」、「切」の状態を表示する表示機能を備えている。
【0026】
<2>コントローラの構成
図2は電気採暖具のコントローラの外観を示す斜視図であり、図3はコントローラの上ケースの下面図を示すものであり、図4はコントローラの下ケースの平面図を示すものであり、図5はコントローラの操作部の内部を示す斜視図であり、図6はコントローラの操作部の内部示す下面図であり、図7はスイッチ操作つまみの斜視図を示すものであり、図
8は図6のAA断面図を示すものであり、図9は抵抗操作つまみの斜視図を示すものであり図10は図6のBB断面図である。
【0027】
図2に示すように、コントローラ200の前面と上面との角部には操作部201が設置されており、操作部201には電気採暖具100の電源の「入」、「切」を操作するスイッチ操作つまみ210と、温度設定を行う抵抗操作つまみ220が横方向に摺動可能に配置されている。また、コントローラ200の上面には電気採暖具100の電源の状態を表示する表示部202が配置されている。
【0028】
コントローラ200は樹脂材料で成型されたケース300の内部に、電気採暖具100の電源を「入」、「切」する操作機器であるプッシュタイプの電源スイッチ203と、本体110の発熱温度の設定を調節する操作機器であるスライド抵抗204と、検知線の検知データに基づき発熱線の通電を制御する制御部(図示せず)等が配置された制御基板205等が内蔵されている。電源スイッチ203は上面に突出した操作片203aを下方に押し下げることにより接点が接続され電源が「入」状態となるプッシュタイプのマイクロスイッチを採用している。
【0029】
なお、本実施の形態においては図2に示すように表示部202を配置した上面の側を上方とし、スイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220を配置した前面の側を前方とし、反対方向を後方し、前方から後方に向かって右側を右側、後方に向かって左側を左側として各構成要素の配置を説明する。
【0030】
ケース300は略箱形状の上ケース310と略平板状の下ケース320をねじにより結合させて内部に空洞部が形成される構成となっている。
【0031】
上ケース310は下面が開口の箱形状であり、略鉛直な立面をなす前面と略水平な上面との角部に形成された操作部201は、上面と前面が他の部分より凹陥して形成されている。操作部201の上面の後端部には摺動溝311が形成されており、スイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220の後端部に形成された係止部211、221を挿入することにより、スイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220の上ケース310からの脱落防止とスムーズな摺動が可能な構成となっている。また、操作部201の前面壁の下端には略長方形の切り欠き部312が形成されており、上ケース310と下ケース320の接合部に略長方形の操作開口が開口する構成となっている。
【0032】
図3に示すように、上ケース310の内部には、操作部201の後方に前面壁から所定の間隔で前面壁と平行な2個のリブが形成されている。リブは抵抗操作つまみ220の摺動範囲に設けられた抵抗リブ313と、操作部201の全体に亘って設けられた摺動リブ314であり、抵抗リブ313は上ケース310の前面壁と摺動リブ314の間に設けられている。抵抗リブ313の下端は上ケース310の切り欠き部312の下端と同じ高さであり、摺動リブ314の下端はそれより高い位置となっている。
【0033】
摺動リブ314の後面には、スイッチ操作つまみ210の摺動範囲に対応する部分に2個の突起315が設けられており、スイッチ操作つまみ210の摺動時にクリック感を発生させるために使用される。
【0034】
上ケース310の上面には、透明材料で成型された表示部202が配置されており、制御基板205に配置されたLEDの光が外部から視認できる構成となっている。
【0035】
図4に示すように、下ケース320は略長方形の平板状であり、周縁には上ケースと接合する外周壁が形成されるとともに、操作部201に対応する部分には上面が平坦な摺動
面322が形成されており、摺動面322に沿ってスイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220がスムーズに摺動可能な構成となっている。
【0036】
摺動面322の中間部分にはスイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみの220の摺動範囲を区分けする分割リブ323が設けられている。上ケース310と下ケース320を結合した状態においては、分割リブ323は上ケース310の切り欠き部312の一部を閉塞することにより、スイッチ操作開口206と抵抗操作開口207の2つの操作開口を形成する。
【0037】
また摺動面322の後方には所定の間隔で前面と平行に上方に突起した防水リブ324が一体に成型されており、スイッチ操作開口206および抵抗操作開口207から進入した水がコントローラ200内部に流入することを防止する構成となっている。
【0038】
図7に示すように、スイッチ操作つまみ210は樹脂材料により一体で成型されたものである。スイッチ操作つまみ210は、上ケース310の外面に配置される本体部212と、本体部212の下端から後方に向かって屈曲させながら延設され電源スイッチ203に連接される連接部213と、連接部213の途中に配置され左右に延設された平面で上ケース310の内面に当接して摺動するとともにスイッチ操作開口206を閉塞する第1摺動部214と、連接部213の途中に配置され左右に延設した平面で上ケース310の摺動リブ314に当接して摺動する第2摺動部215と、連接部213の途中に配置され左右に延設して設けられ両端部に略半円柱状に形成された突起を有し樹脂材料の弾性を利用して摺動リブ314に設けられた突起315に対応してクリック感を発生させる押圧部216が一体で形成されている。
【0039】
連接部213の後端部には下面の一部が傾斜面を備えた連動部218が形成されており、スイッチ操作つまみ210が横方向に摺動することにより電源スイッチ203の操作片203aを傾斜面に沿って押し下げることにより電源スイッチ203の「入」、「切」の操作が行われる構成となっている。
【0040】
本体部212の中央部には操作時に指を掛ける操作突起217と本体部212の後端部には上ケース310に形成された摺動溝311に挿入する係止部211が一体で形成されている。また第1摺動部214と第2摺動部215はスイッチ操作つまみ210の両側方向に上ケース310の前面壁と平行な平板を延出するように設けられており、第1摺動部214および第2摺動部215の幅寸法はスイッチ操作つまみ210が摺動する距離の2倍と本体部212の幅を加えた寸法以上を備えている。
【0041】
図8に示すように、上記構成のスイッチ操作つまみ210は、本体部212は上ケース310に形成された操作部201の外面の曲面に沿うように配置され、本体部212の後端部に形成された係止部211が摺動溝311に挿入されている。スイッチ操作つまみ210は上ケース310の前面壁を包み込むようにスイッチ操作開口206から上方に回り込み、前方には上部が上ケース310の前面壁の内面に当接し、下部がスイッチ操作開口206を閉塞する第1摺動部214が配置されており、後方には上ケース310の摺動リブ314に当接して第2摺動部215が配置されている。
【0042】
上ケースの摺動リブ314の後方には押圧部216が配置されており第2摺動部215と押圧部216で摺動リブ324を狭持している。押圧部216の後方に延伸した連接部213の後端部に設けられた傾斜面には、制御基板205に固定された電源スイッチ203の操作片203aが当設しており、スイッチ操作つまみ210を左右に移動させることにより、電源スイッチを「入」、「切」することができる。
【0043】
図9に示すように、抵抗操作つまみ220は樹脂材料により一体で成型されたものである。抵抗操作つまみ220は、上ケース310の外面に配置される本体部222と、本体部222の下端から後方に向かって屈曲させながら延設されスライド抵抗204に連接される連接部223と、連接部223の途中に配置され左右に延設された平面で抵抗リブ313に当接して摺動するとともに抵抗操作開口207を閉塞する摺動部224と、連接部223の途中に配置され左右に延設して設けられ樹脂材料の弾性を利用して抵抗操作つまみ220を上ケース310の操作部201に適度な圧力で密接させる押圧部226とが一体で形成されている。
【0044】
本体部222の中央部には操作時に指を掛ける操作突起227と本体部222の後端部には上ケース310に形成された摺動溝311に挿入する係止部221が一体で形成されている。また摺動部224は抵抗操作つまみ220の両側方向に上ケース310の前面壁と平行な平板を延出するように設けられており、摺動部224の全幅寸法はスライド抵抗204の操作片204aが摺動する距離の2倍と本体部222の幅を加えた寸法以上を備えている。また連接部223の後端部にはスライド抵抗204の操作片204aを嵌入する嵌合孔225が設けられており抵抗操作つまみ220とスライド抵抗204が連接可能な構成となっている。
【0045】
図10に示すように、上記構成の抵抗操作つまみ220は、本体部222は上ケース310に形成された操作部201の外面の曲面に沿うように配置され、本体部222の後端部に形成された係止部221が摺動溝311に挿入されている。抵抗操作つまみ220は上ケース310の前面壁と抵抗リブ313を包み込むように抵抗操作開口207から抵抗リブ313に沿って上方に回り込み、摺動部224の上部が抵抗リブ313に当接するとともに下部は抵抗操作開口207を閉塞するように配置されている。
【0046】
上ケース310の摺動リブ314の後方には押圧部226が配置されており抵抗操作つまみ220を上ケース310の前面壁と摺動リブ314間で狭持している。押圧部226の後方に延伸した連接部223の後端部に設けられた嵌合孔225には、制御基板205上に固定されたスライド抵抗204の操作片204aが嵌入されており、抵抗操作つまみ220を左右に移動させることにより、スライド抵抗204の抵抗値を変化させることで、電気採暖具100の温度設定を調節することができる。
【0047】
<3>コントローラの動作および作用
図11は、スイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220を上ケース310に設置した状態でスイッチ操作つまみ210は電源が「切」の状態である左端の操作位置にあり、抵抗操作つまみ220は設定温度が最高の設定である右端の操作位置にある状態を示す上ケース310の下面図を示すものでありある。
【0048】
図12は、スイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220を上ケース310に設置した状態でスイッチ操作つまみ210は電源が「入」の状態である右端の操作位置にあり、抵抗操作つまみ220は設定温度が最低の設定である左端の操作位置にある状態を示す上ケース310の下面図を示すものである。
【0049】
図11に示す操作位置は、スイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220が最も近接した状態を示すものであり、図に示すように、スイッチ操作つまみ210の第1摺動部214は全幅に亘って上ケース310の前面壁の内面に当接し、第2摺動部は全幅に亘って摺動リブ314に当接している、また、第1摺動部214は主に右側半分でスイッチ操作開口206の全面を閉塞している。
【0050】
抵抗操作つまみ220の摺動部224は主に左側半分は抵抗リブに当接するとともに抵
抗操作開口207の全面を閉塞している。また、スイッチ操作つまみ210の第1摺動部214と抵抗操作つまみ220の摺動部224は分割リブ323の後方で重なり合った状態である。
【0051】
図12に示す操作位置は、スイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220が最も離れた状態を示すものであり、図に示すように、スイッチ操作つまみ210の第1摺動部214は全幅に亘って上ケース310の内面に当接し、第2摺動部は全幅に亘って摺動リブ314に当接している。また、第1摺動部214の主に左側半分でスイッチ操作開口206の全面を閉塞している。
【0052】
抵抗操作つまみ220の摺動部224の主に右側半分は抵抗リブに当接するとともに抵抗操作開口207の全面を閉塞している。また、スイッチ操作つまみ210の第1摺動部214と抵抗操作つまみ220の摺動部224が配置されていない部分は分割リブ323の後方に位置しており、この部分は分割リブ323により閉塞されている。
【0053】
このように、スイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220がいずれの操作位置にある場合も、スイッチ操作つまみの第1摺動部と第2摺動部は全幅に亘って上ケース301の内面あるいは摺動リブと当接し、抵抗操作つまみの摺動部の略半分は抵抗リブと当接している。また、スイッチ操作開口206と抵抗操作開口207は閉塞された状態となっていることが示されている。
【0054】
また、図8および図10で示すように、スイッチ操作つまみ210の第1摺動部214と抵抗操作つまみ220の摺動部224の下端は下ケース320の摺動面322に当接しており、上端は操作開口206の上端より高い位置に配置されるようになっている。このような構成とすることにより、操作開口206はスイッチ操作つまみ210の第1摺動部214と抵抗操作つまみ220の摺動部224で操作開口206の全面が閉塞された状態となっていることが示されている。
【0055】
また、図11に示すスイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220とが最も近接した状態でのそれぞれの中心間の距離W1は24mmである。また図12に示すスイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220とが最も離れた状態でのそれぞれの中心間の距離W2は60mmである。
【0056】
スイッチ操作つまみ210の摺動距離をD1とし、抵抗操作つまみの摺動距離をD2とした場合、D1+D2=W2−W1の関係となり、D1+D2は36mmとなる。
【0057】
通常の構成でスイッチ操作つまみ210の第1摺動部214と抵抗操作つまみ220の摺動部224が相互に重なり合わない構成の場合、スイッチ操作つまみと抵抗操作つまみが最も近接した場合の中心間の距離はD1+D2であり、本実施の形態に使用した電源スイッチ203とスライド抵抗204を使用した場合36mm以上となる。
【0058】
それに対して本実施の形態の摺動部が相互に重なり合う構成とすることにより、スイッチ操作つまみと抵抗操作つまみが最も近接する距離W1は24mmであり、摺動部が重なり合う構成とすることが、コントローラ200を小型化するために有効な構成となっている。
【0059】
上記のように、本実施例の構成においては、スイッチ操作つまみ210を操作した場合、スイッチ操作つまみ210の第1摺動部214は上ケース310の前面壁の内面に当接しながら摺動し、第2摺動部215は上ケース310に設けられた摺動リブ314に沿って摺動する構成である。第1摺動部214と第2摺動部215は本体部212より大きい
幅を有しており、スイッチ操作つまみ210の操作時の傾きを抑制することができるため、スイッチ操作つまみ210をスムーズに操作できる。
【0060】
また、抵抗操作つまみ220を操作した場合、抵抗操作つまみ220の摺動部224は上ケース310に設けられた抵抗リブ313に当接しながら摺動する構成である。摺動部224は抵抗操作開口207の幅以上の寸法で抵抗リブと当接しており、抵抗操作つまみ220の操作時の傾きを抑制することができるため、スイッチ操作つまみ210をスムーズに操作できる。
【0061】
また、スイッチ操作つまみ210と抵抗操作つまみ220がいずれの操作位置にある場合でも、スイッチ操作つまみ210の第1摺動部214と抵抗操作つまみ220の摺動部224で操作開口206の全面を閉塞することが可能であり、コントローラ200の前面から飛び跳ねるように掛けられた水が、操作開口206からコントローラ200内部に浸入することを防止することができ、防水機能を備えたコントローラを小型で実施することができ、安全性の高いコントローラを提供することができる。
【0062】
また、図8および図10に示すように、操作開口206の後方には下ケース320と一体に形成された防水リブ324が配置されており、スイッチ操作つまみ210の第1摺動部214と抵抗操作つまみ220の摺動部224と下ケース320の摺動面322との間からしみ込んだ水がコントローラ200の内部に進入することを防止することができる。
【0063】
また、図11に示す電源スイッチが「切」の状態から、図12に示す電源スイッチが「入」の状態になるようにスイッチ操作つまみ210を操作した場合、スイッチ操作つまみ210の押圧部216に設けられた突起が摺動リブ314の突起315を乗り越えることにより操作中にクリック感を得ることができスイッチの「入」、「切」を感覚的に認知することができるとともに、不用意にスイッチが「入」または「切」なることを防止することができ安全性を向上することができる。
【0064】
なお、本実施の形態においては、コントローラ内に設置する操作機器としては電源スイッチとスライド抵抗の2個を設置したが、これに限るものではなく、例えば、本体の加熱範囲を切り替える切り替えスイッチや加熱範囲毎の温度調整を行なう複数のスライド抵抗等を配置した場合にも同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように、本発明にかかる電気採暖具のコントローラは、操作つまみの摺動操作をスムーズにすることが可能となるので、電気採暖具以外の電気機器のコントローラ等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0066】
100 電気採暖具
200 コントローラ
203 電源スイッチ(操作機器)
204 スライド抵抗(操作機器)
206 スイッチ操作開口(操作開口)
207 抵抗操作開口(操作開口)
210 スイッチ操作つまみ(操作つまみ)
214 第1摺動部(摺動部)
215 第2摺動部(摺動部)
220 抵抗操作つまみ(操作つまみ)
224 摺動部
300 ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立面に操作開口を備えたケースと、
前記ケース内に内蔵され、電気採暖具を操作する複数の操作機器と、
複数の前記操作機器を、前記操作開口を介して前記ケースの外部から操作する操作つまみと、を含み、
前記操作つまみは、前記操作開口に沿って所定範囲の操作位置に摺動可能とし、
前記操作つまみは、少なくとも前記操作開口より幅の広い摺動部を両側に延出して一体に備え、前記摺動部は前記ケースの一部に当接して摺動する構成とし、
前記操作つまみが相互に近接した前記操作位置においては、前記摺動部の一部が相互に重なり合った状態で配置される構成の、
電気採暖具のコントローラ。
【請求項2】
前記操作つまみは、前後に異なる位置に2個の摺動部を備えた、
請求項1に記載の電気採暖具のコントローラ。
【請求項3】
前記操作の摺動部とは、いずれの前記操作位置においても、前記操作開口の略全面を閉塞する構成の、
請求項1または2に記載の電気採暖具のコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−177528(P2012−177528A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41349(P2011−41349)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】