説明

電気的又は電子的な機器のためのケーシング

【課題】1つの閉鎖部材もしくは複数の閉鎖部材と、1つの収容部材もしくは複数の収容部材との機械的な結合を、特に簡単且つ良好に再現可能に行うことができるような電気的又は電子的なケーシングを提供する。
【解決手段】閉鎖部材4及び収容部材2の間、もしくは閉鎖部材4,5及び収容部材2,3の間、もしくは閉鎖部材4,5,6及び収容部材2,3の間にそれぞれバヨネット式のロック部13が実現されている電気的又は電子的なケーシング1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的又は電子的な機器のためのケーシングであって、少なくとも1つの収容部材と、該収容部材を閉鎖する少なくとも1つの閉鎖部材とを備えており、前記収容部材は該収容部材の内室に電気的及び/又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群を収容する、電気的又は電子的な機器のためのケーシングに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の枠内では「電気的又は電子的な機器」とは全く一般的なものと理解されたい。電気的な機器又は電子的な機器であるかどうかは、往々にして一義的に規定することはできない。この種の機器が(一般的に慣用の)電気的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群だけしか有していない場合、一般的には電気的な機器と呼ばれる。これに対して、電子的な機器が、専ら、殆ど専ら又は主として、電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群を有している場合には、一般的に電子的な機器と呼ばれる。電気的な機器と電子的な機器とはよく機能に関しても分けられる。電気的な機器は、機能的にむしろ保守的(konservativ)であることがよくある。これに対して、機器が機能的に近代的(modern)である場合、特に機器内で広義の意味で半導体テクノロジが使用されている場合には電子的な機器と呼ばれる。
【0003】
本発明の枠内では、電気的又は電子的な機器は、複数の部材において実現されている機能性を有する機器とも理解されたい。つまり電気的又は電子的な機器では、いわば機能的に互いに補完する2つ又はそれより多い機器が存在している。所望の機能性はつまり個々の機器の協働においてのみ望まれることであり、且つ達成される。
【0004】
本発明が対象とするケーシングは、ケーシングの内室において対応する電気的及び/又は電子的な機器の機能性に必要な全電気的又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材を収容する。本発明が対象とするケーシングは、つまりケーシングの内室に設けられている電気的及び/又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材を備えた、機能に関して電気的又は電子的な機器である。しかし本発明が対象とするケーシングは、電気的又は電子的な機器の前記多数の部材から成る構造の意味においては、ケーシングの内室内には機能性に必要な電気的及び/又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材の単に一部材だけを収容するので、機能性に関して必要不可欠な他の電気的又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材は別に、可能な場合には適切なケーシング内に収納されており、また可能な場合には全く別の個所において空間的に多かれ少なかれはっきりと分離されて収納されている。
【0005】
本発明によれば、少なくとの1つの収容部材と少なくとも1つの閉鎖部材とを備えた、電気的又は電子的な機器のためのケーシングを対象とする、ことが冒頭で述べられた。「備えた」との記載は、「から成る」という記載とは異なり、列挙して並べ立てることを問題としていない、ということを明らかにする。本発明が対象とするケーシングは、つまり一方では複数の収容部材、他方では複数の閉鎖部材を有していてよい。また1つの収容部材又は複数の収容部材の他に、及び1つの閉鎖部材又は複数の閉鎖部材の他に、更に別の機能部材が設けられていることも可能である。
【0006】
対象となるケーシングが複数の収容部材を有していると、これらの収容部材は複数の内室を形成することができるか、又は(2つ又はそれより多い収容部材から形成されている)単に1つの内室だけを形成することができる。種々異なる形式において互いに分離されていてよいか、もしくは仕切られていてもよいか、又は完全に分離される必要があるか、もしくは仕切られる必要がある複数の内室の形成は、特に対応する電気的又は電子的な機器に基づき、またどのような電気的又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群を収容することができるか、どの程度の電圧及び電流が発生するか、ケーシング内部で著しく電気的なエネルギが熱に変換される、及び/又は対応する電気的又は電子的な機器において爆発からの防護部を設ける必要があるかにも基づくことがよくある。
【0007】
電気的又は電子的な機器のケーシングは、当然に電気的なケーブル及び/又は線路をケーシング内に導入できる、且つ/又はケーシングから導出できるように構成する必要がある。この手段は収容部材に実現することができ、この手段はまた頻繁に起こることであるが、閉鎖部材に実現することもできる。
【0008】
対象となるケーシングが2つ又はそれより多い閉鎖部材を有していると、閉鎖部材は機能的に異なって構成されていてよい。2つの閉鎖部材が設けられていると、2つの閉鎖部材は収容部材の内室の閉鎖という専属の機能を有することになる。この構成では収容部材の領域において、電気的なケーブル及び/又は線路の導入及び導出を実現する必要がある。2つの閉鎖部材が設けられていると、一方の閉鎖部材が収容部材の内室の閉鎖という機能だけを有することになり、第2の閉鎖部材が、一方では収容部材の内室の閉鎖という機能、他方では電気的なケーブル及び/又は線路の導入及び導出という機能の二重機能を有している。2つの閉鎖部材を有する構成では、両閉鎖部材が前記二重機能を有することもできる。2つの閉鎖部材に関して実施されたことは、2つ以上の閉鎖部材が実現されている場合には対応して当てはまる。
【0009】
以下、閉鎖部材という概念は、閉鎖部材によって少なくとも、1つの収容部材の1つの収容部材の内室、2つの収容部材の1つの内室、又は少なくとも1つの収容部材の複数の内室が、完全に又は部分的に閉鎖されるかもしくは閉じられる場合には、常に使用したい。
【0010】
幾何学的空間もしくは形状に関して、本発明の対象となるケーシングにおいては、収容部材と閉鎖部材とは完全に異なって構成されていてよい。幾何学的空間に関する1つの閉鎖部材もしくは複数の閉鎖部材の構成は、当然幾何学的空間に関する収容部材の構成を考慮して構成する必要がある。
【0011】
有利には、1つの収容部材もしくは複数の収容部材は柱状に構成されている、特に円柱状に構成されている。このことは、1つの収容部材が一方側又は両側で先細りしているか、又は複数の収容部材が少なくとも一方側で先細りしている、ということを排除しない。
【0012】
本発明の対象となるケーシングの有利な構成では、2つの収容部材が設けられている。第2の収容部材は第1の収容部材にドーム状に配置されている。
【0013】
既述の形式の電気的又は電子的な機器のためのケーシングは、種々異なる構成において、特にDE10126654及びPCTに基づくWO2004/017025において公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】DE10126654
【特許文献2】WO2004/017025
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】ウィキペディア
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
対象となる形式のケーシングにおいては、1つの閉鎖部材もしくは複数の閉鎖部材と収容部材との機械的な結合がもたらされるか、もしくは複数の収容部材が設けられている場合には、複数の収容部材の相互間の機械的な結合がもたらされ、1つの閉鎖部材と1つの収容部材との結合、又は複数の閉鎖部材と複数の収容部材との結合は螺合によりもたらされる。このことは螺合には比較的時間がかかり、またネジ回しを規定されたトルクで使用しない場合には、機械的な結合はその効果においては、手動により結合を形成する者の慎重さに左右されるので、幾つかの欠点からは免れない。
【0017】
従って本発明の目的は、電気的又は電子的な機器のためのケーシングを改良して、1つの閉鎖部材もしくは複数の閉鎖部材と、1つの収容部材もしくは複数の収容部材との機械的な結合を、特に簡単且つ良好に再現可能に行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明に係る電気的又は電子的な機器のためのケーシングは、少なくとも1つの収容部材と、該収容部材を閉鎖する少なくとも1つの閉鎖部材とを備えており、前記収容部材が該収容部材の内室に電気的及び/又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群を収容する、電気的又は電子的な機器のためのケーシングにおいて、閉鎖部材及び収容部材の間、もしくは閉鎖部材及び収容部材の間、もしくは閉鎖部材及び収容部材の間にそれぞれバヨネット式のロック部が設けられているようにした。
【0019】
好ましくは、「特別な」バヨネット式のロック部、すなわち結合位置において常に同じギャップが設けられている、有利には常にギャップ幅ゼロのギャップが実現されているバヨネット式のロック部が実現されている。
【0020】
好ましくは、バヨネット式のロック部は、第1のバヨネット部材において周にわたって交番的に分配された、差込み方向に対して垂直方向で平面において垂直に延在する底面と、該底面に接続する斜面と、該斜面の上側の端部に接続している、前記差込み方向に対して垂直方向で延在するヘッド面とを有している。
【0021】
好ましくは、前記差込み方向に対して垂直方向で延在する、第1のバヨネット部材に設けられているヘッド面に対して、第2のバヨネット部材に前記差込み方向に対して垂直方向で延在する対応面が配置されている。
【0022】
好ましくは、斜面及び接続しているヘッド面の間に係止切欠きが設けられている。
【0023】
好ましくは、第2のバヨネット部材に、結合位置において第1のバヨネット部材の係止切欠き内に係入している係止ノーズが設けられている。
【0024】
好ましくは、係止ノーズは係止ばねにより負荷されている。
【0025】
好ましくは、バヨネット式のロック部の解除は、係止ばねの力に抗してもたらされる、係止切欠きからの係止ノーズの持上げによってのみ可能である。
【0026】
好ましくは、バヨネット式のロック部の解除は、請求項8記載のケーシングを備えた機器の使用者には提供されていない特別な工具によってのみ可能である。
【0027】
好ましくは、係止ノーズ及び/又は係止ばねに対して、少なくとも1つの電気的なコンタクト、常開接点、常閉接点又は切換え接点が配置されている。
【0028】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る電気的又は電子的な機器は、少なくとも2つの収容部材と該収容部材を閉鎖する少なくとも1つの閉鎖部材とを備えたケーシングを備えており、前記収容部材は該収容部材の内室において電気的又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群を収容する、電気的又は電子的な機器において、モジュール式の構成、すなわち各収容部材において独特の機能効果を有する機能ユニットが設けられているモジュール式の構成を特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
差し当たり本発明に係るケーシングは、1つの閉鎖部材と1つの収容部材、もしくは複数の閉鎖部材と1つの収容部材、もしくは複数の閉鎖部材と複数の収容部材との間に、少なくとも1つのバヨネット式のロック部が実現されることを特徴とする(バヨネット式のロック部についての理解のために、種々異なる文献を参照することができ、特に「ウィキペディア フリー百科事典」を参照することもできる)。
【0030】
一般的なバヨネット式のロック部の場合、一方の部材を他方の部材に被せる。他方の部材に被せられる一方の部材は長手方向スリットを有している。長手方向スリットの端部には、短い横方向スリットが直角に付けられる。これに対して他方の部材は、横方向スリット内に導入され、次いで不動の結合をもたらす突起部(Knopf)を有している。つまり結合は差込み回動運動を介して行われる。結合したい2つの部材は互いに差し込まれる、つまり差込み方向に対してほぼ垂直に、2つの部材の結合個所には長手方向の凸部が設けられている。しかし凸部は周囲に延びてはおらず、中断されている(そうでなければ互いに差込み不可能である)。凸部は差込み方向に対して垂直な平面において軽く傾斜しているので、回動運動により2つの部材は互いに押し付けられる。つまりバヨネット式のロック部はネジのように作用する。
【0031】
通常のバヨネット式のロック部に関する前記構成は、本発明に係るケーシングに関しては、すなわち2つの部材の間、有利にはつまり1つの閉鎖部材と1つの収容部材との間、もしくは複数の閉鎖部材と複数の収容部材との間に、周面にわたって均一ではないギャップが残されている、という欠点を有している。
【0032】
従って本発明に係るケーシングの有利な構成では、「特別な」バヨネット式のロック部が実現されている。すなわち結合位置では常に同じギャップが実現されている、有利には常にギャップ幅ゼロを有するギャップが実現されている。このことは、有利には詳しくは、第1のバヨネット部材と第2のバヨネット部材とから成るバヨネット式のロック部は、第1のバヨネット部材において周面にわたって交番的に分配されて、平面で差込み方向に対して垂直方向で垂直に延在している底面と、底面に接続している斜面と、斜面の上側端部に接続し、差込み方向に対して垂直に延在しているヘッド面とを有していることにより実現されていてよい。差込み方向に対して垂直に延在している、第1のバヨネット部材におけるヘッド面に対して、第2のバヨネット部材には差込み方向に対して同様に垂直に延在している対応面が配置されている。結合位置において、第2のバヨネット部材の対応面は第1のバヨネット部材のヘッド面に当接している。つまり差込み方向に対して垂直に延在している2つの面、すなわち第2のバヨネット部材における対応面と、第1のバヨネット部材におけるヘッド面とは対応している。このことから、全周面にわたって見て、常に同じギャップ、有利にはギャップ幅ゼロを有するギャップがもたらされる。
【0033】
上述したように、一般的なバヨネット式のロック部の場合には凸部は差込み方向に対して垂直方向の平面において軽く傾斜しているので、回動運動により2つの部材は互いに押圧される。つまりバヨネット式のロック部はネジのように機能する。この観点に基づき、ケーシングに実現されているバヨネット式のロック部が差し当たりネジのように機能するということは、本発明に係るケーシングにも当てはまる。ネジのように機能した後であって、結合位置への到達前、また遅くとも結合位置への到達時にはネジに基づく作用はもはやもたらされていない。なぜならば、すなわち第1のバヨネット部材においてもたらされているヘッド面も、第2のバヨネット部材にもたらされている対応面も、差込み方向に対して垂直方向で延在している、つまり差込み方向に対して傾斜して延在していないからである。
【0034】
冒頭では以下のように記載した;
本発明の範囲内では、電気的又は電子的なケーシングとは、複数の部材にて機能が実現されているケーシングと理解されることが望まれ、つまり、いわば2つ又はそれより多い機能的に互いに補完し合う機器が存在し、所望の機能効率は、つまりは個々の機器との関係においてのみ望まれていることであり且つ達成され、
本発明に係るケーシングは、一方で複数の収容部材を、他方で複数の閉鎖部材を有していてもよく、
対象となるケーシングが複数の収容部材を有しており、複数の収容部材が複数の内室をもたらすことができるか、又は(2つ又はそれより多い収容部材から形成されている)単に1つの内室をもたらすこともでき、複数の内室が種々異なる形式で互いに分離もしくは仕切られていてよいか、又は分離もしくは仕切られている必要がある。
【0035】
本発明の対象は、特に本発明により実現されるバヨネット式のロック部に関連した前記記載から独立して、電気的及び/又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群を内室に収容する少なくとも2つの収容部材と、モジュール式の構造を特徴とする、収容部材を閉鎖する少なくとも1つの閉鎖部材とを備えた電気的又は電子的な機器であり、本発明に係る電気的又は電子的な機器においては、すなわち各収容部材において独特の機能効果(Funktionstuechtigkeit)を有する機能ユニットが設けられている。例えば機能ユニットはエネルギ供給ユニットであってよく、別の機能ユニットは測定ユニットであってよく、また更に別の機のユニットは評価ユニットであってよい。
【0036】
詳しく言えば、本発明に係るケーシングを構成し且つ改良する種々異なる可能性がある。そのために、請求項1に従属する請求項、及び図面に基づく実施の形態の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】電気的又は電子的な機器のための本発明に係るケーシングの有利な実施の形態を示した図である。
【図2】図1記載のケーシングの分解図である。
【図3】図2記載のケーシングの上側の領域を、図2に対して拡大した図である。
【図4】本発明に係るケーシングに設けられている閉鎖部材の側面図である。
【図5】線A−Aに沿った図4記載の閉鎖部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1及び図2に記載されたケーシング1は、電気的又は電子的な機器又は電気的又は電子的な機器の構成要素のために用いられる。本実施の形態において記載のケーシング1には、記載されていない電気的及び/又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群を内室に収容する2つの収容部材2,3と、収容部材2,3を閉鎖する閉鎖部材4,5,6とが設けられている。
【0039】
本発明に係るケーシング1の図1,2に記載の実施の形態では、収容部材2,3は柱状に構成されている。収容部材2,3は主軸線7,8を有している。第2の収容部材3はその主軸線8で、第1の収容部材2の主軸線7に対して垂直に配置されている。第2の収容部材3は、いわば第1の収容部材2にドーム状に設けられている。
【0040】
図1、2に記載の本発明に係るケーシング1の実施の形態では、全部で4つの結合個所9,10,11,12が収容部材2,3と閉鎖部材4,5,6との間に実現されている、すなわち結合個所9が収容部材2と閉鎖部材4との間にもたらされており、結合個所10が収容部材2と閉鎖部材5との間にもたらされており、結合個所11が収容部材2,3の間にもたらされており、結合個所12が収容部材3と閉鎖部材6との間にもたらさている。このことは特に図2から明確に見て取ることができる。
【0041】
本発明によれば、各閉鎖部材4,5,6と各収容部材2,3との間、及び収容部材2,3の間にバヨネット式のロック部13がもたらされている。各バヨネット式のロック部13は第1のバヨネット部材14と第2のバヨネット部材15とを有している。更に、通常バヨネット式のロック部がどのような形式で且つどのように実現されているかは、上記対応する構成が参照される。
【0042】
図1,2に記載の本発明に係るケーシング1の有利な実施の形態には、「特別な」バヨネット式のロック部13がもたらされている。すなわち、結合位置において常に同じギャップが達成されている、有利にはギャップ幅ゼロを有するギャップが達成されている。
【0043】
記載の実施の形態においては、各バヨネット式のロック部13は第1のバヨネット部材14において周面にわたって交番的に分配されて、差込み方向に対して垂直方向で平面にて垂直に延在している底面16と、底面16に接続している斜面17と、斜面17の上側の端部に接続していて、差込み方向に対して垂直に延在しているヘッド面18とを有している。差込み方向に対して垂直方向に延在している、第1のバヨネット部材14に設けられているヘッド面18に対して、第2のバヨネット部材15には差込み方向に対して垂直に延在している対応面19が配置されている。結合位置において各第2のバヨネット部材15の各対応面19は、第1のバヨネット部材14の対応するヘッド面18に当接している。つまりこの場合、差込み方向に対して垂直に延在する2つの面、すなわち第2のバヨネット部材における対応面19と、第1のバヨネット部材におけるヘッド面18とは対応している。このことから、全周面にわたって見て、常に同じギャップ、有利にはギャップ幅ゼロのギャップがもたらされる。
【0044】
図面には本発明に係るケーシング1の有利な実施の形態が記載されており、各バヨネット式のロック部13の各第1のバヨネット部材14においては、斜面17及び接続するヘッド面18の間に係止切欠き20が設けられている。係止切欠き20に対して、各バヨネット式のロック部13の第2のバヨネット部材15には、結合位置で第1のバヨネット部材14の係止切欠き20に係合する係止ノーズ21が配置されている。係止ノーズ21はこの実施の形態では係止ばね22により負荷されている。
【0045】
図面には記載されていないが、本発明に係るケーシング1の有利な実施の形態では、1つのバヨネット式のロック部13もしくは複数のバヨネット式のロック部13の解除は、本発明に係るケーシング1を備えた電気的又は電子的な機器の使用者には提供されていない特別な工具によってのみ可能である。例えば本発明に係るケーシング1を備えた電気的又は電子的な機器の使用者に提供されていないこの種の工具は、係止ばね22の力に抗して係止ノーズ21を係止切欠き20から持ち上げることができるような工具であってよい。
【0046】
別の有利な実施の形態では係止ノーズ21及び/又は係止ばね22に対して、少なくとも1つの電気的なコンタクトが配置されていてよい、ということも最終的に記載されていない。電気的なコンタクト、常閉接点(Oeffner)、常開接点(Schliesser)又は切換え接点(Wechsler)は、全結合個所、つまり記載の実施の形態では結合個所9,10,11,12に、複数のバヨネット式のロック部13による結合が実際に完全に実現されているかどうか、報知することができる。
【0047】
既述したように、図1,2に記載の本発明に係るケーシング1の実施の形態は、2つの収容部材2,3を有している。従って前記ケーシング1は電気的又は電子的な機器のために使用することができる。電気的又は電子的な機器はモジュラー式の構成を特徴としている。モジュラー式の構成では、すなわち2つの収容部材2,3内に各々、独特の機能効果を有する機能ユニットが設けられていてもよい。例えば1つにはエネルギ供給ユニット、もう1つには測定ユニット又は測定・評価ユニットが設けられていてよい。
【符号の説明】
【0048】
1 ケーシング、 2 第1の収容部材, 3 第2の収容部材、 4,5,6 閉鎖部材、 7 第1の収容部材の主軸線、 8 第2の収容部材の主軸線、 9,10,11,12 結合個所、 13 バヨネット式のロック部、 14,15 バヨネット部材、 16 底面、 17 斜面、 18 ヘッド面、 19 対応面、 20 係止切欠き、 21 係止ノーズ、 22 係止ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的又は電子的な機器のためのケーシングであって、少なくとも1つの収容部材と、該収容部材を閉鎖する少なくとも1つの閉鎖部材とを備えており、前記収容部材が該収容部材の内室において電気的及び/又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群を収容する、電気的又は電子的な機器のためのケーシングにおいて、
1つの閉鎖部材(4)及び1つの収容部材(2)の間、もしくは複数の閉鎖部材(4,5)及び1つの収容部材(2)の間、もしくは複数の閉鎖部材(4,5,6)及び複数の収容部材(2,3)の間にそれぞれバヨネット式のロック部(13)が実現されていることを特徴とする、電気的又は電子的な機器のためのケーシング。
【請求項2】
「特別な」バヨネット式のロック部(13)、すなわち結合位置において常に同じギャップが形成されている、有利には常にギャップ幅ゼロのギャップが実現されているバヨネット式のロック部(13)が実現されていることを特徴とする、請求項1記載のケーシング。
【請求項3】
バヨネット式のロック部(13)は、第1のバヨネット部材(14)において周にわたって交番的に分配された、差込み方向に対して垂直方向で平面において垂直に延在する底面(16)と、該底面(16)に接続する斜面(17)と、該斜面(17)の上側の端部に接続している、前記差込み方向に対して垂直方向で延在するヘッド面(18)とを有していることを特徴とする、請求項1又は2記載のケーシング。
【請求項4】
前記差込み方向に対して垂直方向で延在する、第1のバヨネット部材(14)に設けられているヘッド面(18)に対して、第2のバヨネット部材(15)に前記差込み方向に対して垂直方向で延在する対応面(19)が配置されていることを特徴とする、請求項3記載のケーシング。
【請求項5】
斜面(17)及び接続しているヘッド面(18)の間に係止切欠き(20)が設けられていることを特徴とする、請求項3又は4記載のケーシング。
【請求項6】
第2のバヨネット部材(15)に、結合位置において第1のバヨネット部材(14)の係止切欠き(20)内に係入している係止ノーズ(21)が設けられていることを特徴とする、請求項5記載のケーシング。
【請求項7】
係止ノーズ(21)は係止ばね(22)により負荷されていることを特徴とする、請求項6記載のケーシング。
【請求項8】
バヨネット式のロック部(13)の解除は、係止ばね(22)の力に抗してもたらされる、係止切欠き(20)からの係止ノーズ(21)の持上げによってのみ可能であることを特徴とする、請求項7記載のケーシング。
【請求項9】
バヨネット式のロック部(13)の解除は、請求項8記載のケーシングを備えた機器の使用者には提供されていない特別な工具によってのみ可能であることを特徴とする、請求項6から8までのいずれか一項記載のケーシング。
【請求項10】
係止ノーズ(21)及び/又は係止ばね(22)に対して、少なくとも1つの電気的なコンタクト、常開接点、常閉接点又は切換え接点が配置されていることを特徴とする、請求項6から9までのいずれか一項記載のケーシング。
【請求項11】
電気的又は電子的な機器であって、少なくとも2つの収容部材と該収容部材を閉鎖する少なくとも1つの閉鎖部材とを備えたケーシングを有しており、前記収容部材は該収容部材の内室において電気的又は電子的な構成素子、構成部材、構成素子群及び/又は構成部材群を収容する、電気的又は電子的な機器において、
モジュール式の構成、すなわち各収容部材(2,3)において独特の機能効果を有する機能ユニットが設けられているモジュール式の構成を特徴とする、電気的又は電子的な機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−93267(P2010−93267A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234983(P2009−234983)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(390009494)クローネ メステヒニーク ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (18)
【氏名又は名称原語表記】Krohne Messtechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Ludwig−Krohne−Strasse 5,D−47058 Duisburg, Germany
【Fターム(参考)】