電気車制御装置
【課題】電気車制御装置の定速制御は、速度域により走行抵抗の大きさが異なるため、定速目標速度との差速度に応じたトルクの均衡点が変化し、定速目標速度の精度が悪化する欠点があった。
【解決手段】本発明は以上の点を解決する為、速度域に応じた走行抵抗を加味した複数個の定速制御トルクパターンを予め用意し、定速制御開始時の速度に応じ最適な定速制御トルクパターンを選択する。定速目標速度に対する定速制御速度の精度向上効果がある。
【解決手段】本発明は以上の点を解決する為、速度域に応じた走行抵抗を加味した複数個の定速制御トルクパターンを予め用意し、定速制御開始時の速度に応じ最適な定速制御トルクパターンを選択する。定速目標速度に対する定速制御速度の精度向上効果がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は鉄道車両用の電気車制御装置に関するものであり、特に定速制御運転中の速度精度向上に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
図２は一般的な電気車制御装置の定速制御のブロック図である。
電気車制御装置は、通常運転中は速度情報２１と主幹制御器２２により選ばれたトルク指令値パターン２３により決定されたトルク指令値２４を制御トルク指令値２９として電気車制御装置を運転する。
【０００３】
乗務員により定速制御スイッチ２５が扱われた場合は、定速制御スイッチ２５が扱われた時の速度を定速目標速度２６としてラッチし、その後は定速目標速度２６と速度情報２１との差分に応じた定速制御トルクパターン２７により決定されるトルク指令値２８を制御トルク指令値２９として電気車制御装置を運転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開昭５９−１２３４０５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
以上のような電気車制御装置の定速制御は、速度域による走行抵抗の大きさが異なるため、定速目標速度との差速度に応じたトルクの均衡点が変化し、定速目標速度の精度が悪化する。特に低速域と高速域の両速度域にて定速制御を行うような場合は、精度の悪化が顕著となる。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１の発明によれば、乗務員の主幹制御器の操作により電気車の加減速を行う電気車制御装置で、かつ、乗務員の扱いにより任意の一定速度で電気車を運転させる定速制御機能を有する電気車制御装置において、速度域に応じた走行抵抗を加味した定速制御パターンを複数用意し、定速制御を開始する速度に応じて使用するパターンを切り換えて定速制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
本発明には、定速目標速度に対する定速制御速度の精度向上効果がある。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明を適用した場合の定速制御ブロック図（実施例１）
【図２】従来制御の定速制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【０００９】
図１に本発明を適用した定速制御ブロック図を示す。図１は図２に対して速度域毎に走行抵抗を加味した定速制御トルクパターンを用意し、また、速度域判別用の速度コンパレータ１１を用意することで、定速制御の目標速度に対する制御の精度向上を図ることが出来る。なお、ここでは定速制御トルクパターンを低速、高速の二つ実例で説明するが、速度が大きいときは随時定速制御パターンの数の増加に応じて同様に実施可能である。
【実施例１】
【００１０】
通常運転中は従来の制御ブロックと同一の制御にて電気車制御装置は運転されるが、速度情報１の情報を基に速度コンパレータ１１にて速度域を常に監視し、定速制御トルクパターンを選択する。
【００１１】
乗務員により定速制御スイッチ５が扱われた場合は、定速制御トルクパターン（低速）７または定速制御トルクパターン（高速）１０が速度コンパレータ１１により選択され、定速目標速度６と速度情報１との差分に応じたトルク指令値８を制御トルク指令値９として電気車制御装置運転する。
【産業上の利用可能性】
【００１２】
本発明は電気車制御装置に関するものであり、定速制御機能を有する電気車制御装置の場合に、定速目標速度に対する定速制御速度の精度向上を図れる。
【符号の説明】
【００１３】
１ 速度情報
２ 主幹制御器
３ トルク指令値パターン
４ トルク指令値
５ 定速スイッチ
６ 定速目標速度
７ 定速制御トルクパターン（低速）
８ トルク指令値
９ 制御トルク指令値
１０ 定速制御トルクパターン（高速）
１１ 速度コンパレータ
２１ 速度情報
２２ 主幹制御器
２３ トルク指令値パターン
２４ トルク指令値
２５ 定速スイッチ
２６ 定速目標速度
２７ 定速制御トルクパターン
２８ トルク指令値
２９ 制御トルク指令値
【技術分野】
【０００１】
本発明は鉄道車両用の電気車制御装置に関するものであり、特に定速制御運転中の速度精度向上に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
図２は一般的な電気車制御装置の定速制御のブロック図である。
電気車制御装置は、通常運転中は速度情報２１と主幹制御器２２により選ばれたトルク指令値パターン２３により決定されたトルク指令値２４を制御トルク指令値２９として電気車制御装置を運転する。
【０００３】
乗務員により定速制御スイッチ２５が扱われた場合は、定速制御スイッチ２５が扱われた時の速度を定速目標速度２６としてラッチし、その後は定速目標速度２６と速度情報２１との差分に応じた定速制御トルクパターン２７により決定されるトルク指令値２８を制御トルク指令値２９として電気車制御装置を運転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開昭５９−１２３４０５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
以上のような電気車制御装置の定速制御は、速度域による走行抵抗の大きさが異なるため、定速目標速度との差速度に応じたトルクの均衡点が変化し、定速目標速度の精度が悪化する。特に低速域と高速域の両速度域にて定速制御を行うような場合は、精度の悪化が顕著となる。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１の発明によれば、乗務員の主幹制御器の操作により電気車の加減速を行う電気車制御装置で、かつ、乗務員の扱いにより任意の一定速度で電気車を運転させる定速制御機能を有する電気車制御装置において、速度域に応じた走行抵抗を加味した定速制御パターンを複数用意し、定速制御を開始する速度に応じて使用するパターンを切り換えて定速制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
本発明には、定速目標速度に対する定速制御速度の精度向上効果がある。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明を適用した場合の定速制御ブロック図（実施例１）
【図２】従来制御の定速制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【０００９】
図１に本発明を適用した定速制御ブロック図を示す。図１は図２に対して速度域毎に走行抵抗を加味した定速制御トルクパターンを用意し、また、速度域判別用の速度コンパレータ１１を用意することで、定速制御の目標速度に対する制御の精度向上を図ることが出来る。なお、ここでは定速制御トルクパターンを低速、高速の二つ実例で説明するが、速度が大きいときは随時定速制御パターンの数の増加に応じて同様に実施可能である。
【実施例１】
【００１０】
通常運転中は従来の制御ブロックと同一の制御にて電気車制御装置は運転されるが、速度情報１の情報を基に速度コンパレータ１１にて速度域を常に監視し、定速制御トルクパターンを選択する。
【００１１】
乗務員により定速制御スイッチ５が扱われた場合は、定速制御トルクパターン（低速）７または定速制御トルクパターン（高速）１０が速度コンパレータ１１により選択され、定速目標速度６と速度情報１との差分に応じたトルク指令値８を制御トルク指令値９として電気車制御装置運転する。
【産業上の利用可能性】
【００１２】
本発明は電気車制御装置に関するものであり、定速制御機能を有する電気車制御装置の場合に、定速目標速度に対する定速制御速度の精度向上を図れる。
【符号の説明】
【００１３】
１ 速度情報
２ 主幹制御器
３ トルク指令値パターン
４ トルク指令値
５ 定速スイッチ
６ 定速目標速度
７ 定速制御トルクパターン（低速）
８ トルク指令値
９ 制御トルク指令値
１０ 定速制御トルクパターン（高速）
１１ 速度コンパレータ
２１ 速度情報
２２ 主幹制御器
２３ トルク指令値パターン
２４ トルク指令値
２５ 定速スイッチ
２６ 定速目標速度
２７ 定速制御トルクパターン
２８ トルク指令値
２９ 制御トルク指令値
【特許請求の範囲】
【請求項１】
乗務員の主幹制御器の操作により電気車の加減速を行う電気車制御装置で、かつ、乗務員の扱いにより任意の一定速度で電気車を運転させる定速制御機能を有する電気車制御装置において、速度域に応じた走行抵抗を加味した定速制御パターンを複数用意し、定速制御を開始する速度に応じて使用する該定速制御パターンを切り換えて定速制御することを特徴とする電気車制御装置。
【請求項１】
乗務員の主幹制御器の操作により電気車の加減速を行う電気車制御装置で、かつ、乗務員の扱いにより任意の一定速度で電気車を運転させる定速制御機能を有する電気車制御装置において、速度域に応じた走行抵抗を加味した定速制御パターンを複数用意し、定速制御を開始する速度に応じて使用する該定速制御パターンを切り換えて定速制御することを特徴とする電気車制御装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１２−１６１３５（Ｐ２０１２−１６１３５Ａ）
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１４８９６４（Ｐ２０１０−１４８９６４）
【出願日】平成２２年６月３０日（２０１０．６．３０）
【出願人】（０００００３１１５）東洋電機製造株式会社 (380)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年６月３０日（２０１０．６．３０）
【出願人】（０００００３１１５）東洋電機製造株式会社 (380)
【Ｆターム（参考）】
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