説明

電球

【課題】 発光状態で発熱する半導体発光素子の温度上昇を、十分に抑制することを期待できる電球を提供する。
【解決手段】 電球1は、本体2と、光源7と、グローブ11を具備する。本体2は金属製でかつ光源取付け部4を有する。光源7は、発光状態で発熱するLED(半導体発光素子)9aを含んだ発光部9及びこの発光部9が装着された光源基板8を有する。光源基板8を光源取付け部4に接触させて光源7を光源取付け部4に装着する。グローブ11を、いずれも透光性で高熱伝導性の材料からなるグローブ本体12と導光部13とで形成する。導光部13をグローブ本体12 の中央部に熱的に結合してグローブ本体12内に突設する。グローブ本体12を、光源7及び光源取付け部4を覆って配設する。導光部13の突出先端部13bに発光部9を収容するとともに、この突出先端部13bを光源基板8に熱的に結合させたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、グローブを備えた電球に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDが実装された光源基板を金属製外郭部材であるカバーが有した光源取付け部の表面に装着するとともに、略球状に成形された透明ガラス等からなり光源基板を覆う透光性グローブを光源取付け部に取付け、LEDを覆う導光体を光源基板上に配置し、この導光体の先端面をグローブの中央部内面に対向させた構成を備える電球が、従来技術として知られている。
【0003】
発光状態のLEDが発する熱の大部分は、光源基板を経由して外郭部材に伝えられ、この外郭部材の周部から大気中に放出される。これにより、LEDの温度上昇が抑制されるので、LEDの発光効率及び発光色の維持等が図られる。
【0004】
近年では、LEDの高出力化が進んでおり、LEDの発熱量は増大している。このため、LEDの温度上昇を十分に抑制することが難しくなる場合が考えられている。更に、電球形状が小形である場合、電球が備えた外郭部材の表面積、つまり、放熱面積が小さいので、なお更、LEDの温度上昇を十分に抑制することが難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−289697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態は、発光状態で発熱する半導体発光素子の温度上昇を、十分に抑制することを期待できる電球を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、実施形態の電球は、本体と、光源と、グローブを具備する。本体は金属製で光源取付け部を有する。光源は、発光状態で発熱する半導体発光素子を含んだ発光部及びこの発光部が装着された光源基板を有する。光源基板を光源取付け部に接触させて光源を光源取付け部に装着する。グローブを、いずれも透光性で高熱伝導性材料からなるグローブ本体と導光部とで形成する。導光部をグローブ本体の中央部に熱的に結合してグローブ本体内に突設する。グローブ本体を光源及び光源取付け部を覆って配設する。導光部の突出先端部に発光部を収容するとともに、この突出先端部を光源基板に熱的に結合させたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の電球によれば、発光状態で発熱する半導体発光素子の温度上昇を、十分に抑制できる、という効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係るLED電球を示す断面図である。
【図2】実施例2に係るLED電球を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態1の電球は、光源取付け部を有する金属製の本体と;発光状態で発熱する半導体発光素子を含む発光部及びこの発光部が装着された光源基板を有し、この光源基板を前記光源取付け部に接触させてこの光源取付け部に装着された光源と;透光性で高熱伝導性の材料からなり前記光源及び前記光源取付け部を覆って配設されたグローブ本体、及び透光性で高熱伝導性の材料からなり前記グローブ本体の中央部に熱的に結合して前記グローブ本体の内部に突設されているとともに突出先端部が前記発光部を収容して前記光源基板に熱的に結合された導光部を有したグローブと;を具備することを特徴としている。
【0011】
実施形態1で、本体をなす金属は、アルミニウム及びその合金等を好適に使用可能であるが、他の金属を用いることも可能である。これと共に、本体は、その光源取付け部が一体に形成された構成であっても、或いは光源取付け部を本体主部とは別に成形して、この光源取付け部と本体主部を連結してなる構成の本体であっても差し支えない。
【0012】
実施形態1で、半導体発光素子にはLED(発光ダイオード)又は半導体レーザ等を用いることができる。実施形態1で、光源基板は、この基板の裏面をなす金属製のベース板を有した金属ベース基板を好適に用いることができるが、これに代えて、一枚の絶縁板、又は積層された絶縁板等を用いることも可能である。
【0013】
実施形態1で、グローブ本体及び導光部をなす材料には、透光性で高熱伝導性を有した材料であれば、セラミックス、合成樹脂、又はガラス等を用いることが可能である。実施形態1で、グローブ本体は略半球状ないしは略球状であることが、表面積を大きく確保する上で好ましいが、これには制約されない。
【0014】
実施形態1で、導光部がグローブ本体の中央部に熱的に結合されているとは、これら両者が熱伝導可能な状態に接続されていることを指しており、例えば導光部がグローブ本体と一体に成形されている態様と、導光部がグローブ本体に密着されている態様とを挙げることができる。後者の態様の場合、導光部とグローブ本体との間に空気が残留し難くするために、両者間に接着剤や伝熱層を介在してもよい。この構成において使用する接着剤としては、シリコーン系接着剤のような良熱伝導性を有する接着剤であることが好ましい。又、伝熱層をなす材料としてはシリコーン樹脂やグリース等を挙げることができる。
【0015】
同様に、実施形態1で、導光部の突出先端部が光源基板に熱的に結合されているとは、これら両者が熱伝導可能な状態に接続されていることを指しており、例えば突出先端部が光源基板に密着されている態様を挙げることができる。この場合、突出先端部と光源基板との間に空気が残留し難くするために、両者間に接着剤や伝熱層を介在してもよい。この構成において使用する接着剤としては、シリコーン系接着剤のような良熱伝導性を有する接着剤であることが好ましい。又、伝熱層をなす材料としてはシリコーン樹脂やグリース等を挙げることができる。
【0016】
実施形態1では、透光性のグローブは高熱伝導性の材料からなり、このグローブは光源基板に熱的に結合された導光部を有しているとともに、この導光部はグローブ本体に熱的に結合されている。このため、電球の点灯状態で光源の半導体発光素子が発した熱は、光源基板から導光部を経由してグローブ本体に伝えられ、このグローブ本体の表面から大気中に放出される。この他に、電球の点灯状態で光源の半導体発光素子が発した熱は、光源基板から本体の光源取付け部に伝えられて、本体の表面から大気中に放出される。
【0017】
このように本体とグローブの双方から放熱ができる実施形態1の電球は、その外部への放熱面積が大であるので、発熱量が大きい半導体発光素子が用いられた場合でも、電球の形状が小形である場合でも、半導体発光素子の温度上昇を、十分に抑制することを期待できる。
【0018】
実施形態2の電球は、実施形態1において、前記グローブ本体と前記導光部が一体に形成されていることを特徴としている。
【0019】
実施形態2では、実施形態1において、更に、グローブ本体と導光部との間の熱抵抗が小さく、導光部からグローブ本体への熱移動が容易であるので、グローブ本体の表面から大気中への放出性能を向上することが可能である。
【0020】
実施形態3の電球は、実施形態1において、前記導光部が前記グローブ本体と別体であることを特徴としている。
【0021】
この実施形態3では、実施形態1において、更に、グローブ本体と導光部とが別々に形成されるため、以下の利点を期待できる。例えばレンズ機能を担う部位や導光部周囲への光拡散機能を担う部位を導光部に形成して、導光部に所望の機能を付加する場合、導光部がグローブ本体と一体である構成に比較して、グローブ本体と導光部とを成形する上でアンダーカットとなる部位がないので、成形性が良い。
【0022】
実施形態4の電球は、実施形態1から3のいずれかにおいて、前記グローブ本体に熱的に結合された前記導光部の基端部に、前記導光部を透過する光を制御するレンズ部が設けられていることを特徴としている。
【0023】
この実施形態4では、実施形態1から3において、発光部が発した光をグローブ本体に導く導光部のレンズ部によって、グローブ本体の中央部から光の利用方向に出射される光を集光又は拡散させて、所定の配光とすることが可能である。
【0024】
実施形態5の電球は、実施形態1から4のいずれかにおいて、前記グローブ本体及び前記導光部がセラミックス製であることを特徴としている。
【0025】
この実施形態5では、実施形態1から4のいずれかにおいて、更に、グローブの熱伝導性が高いので、このグローブの表面から大気中への放熱により、半導体発光素子の温度上昇を十分に抑制することが可能である。
【実施例1】
【0026】
以下、実施例1の電球について、図1を参照して詳細に説明する。
【0027】
電球1は、金属製の本体2と、光源7と、グローブ11と、絶縁部材21と、点灯回路25と、口金31を具備している。
【0028】
本体2は例えばアルミニウムやその合金の一体成形品からなる。この本体2は周壁3と光源取付け部4を有している。周壁3は円筒状をなしていて、その外周面は放熱面として利用される。周壁3は光源取付け部4から離れるに従って次第に縮径されている。尚、本体2の周部をなした周壁3は、その放熱面積を増やすために外方に突出する放熱フィンを複数有していてもよい。光源取付け部4は、周壁3の軸方向一端部を閉じるように周壁3と一体に形成されている。この光源取付け部4の表面4aは平坦面からなる。本体2は、周壁3と光源取付け部4とで囲まれて形成された凹部5を有している。凹部5は周壁3の軸方向他端に開放されている。
【0029】
光源7は、例えば略円形又は矩形をなす光源基板8の中央部に発光部9を装着して形成された発光モジュールからなる。
【0030】
光源基板8は、図示しないが例えば金属製ベース板の一面に絶縁層を積層し、この絶縁層上に配線パターンを形成するとともに、この配線パターンの所定部位を除いて絶縁層及び配線パターン上に被着された絶縁性の薄いレジスト層を有したプリント配線基板等からなる。光源基板8の裏面をなすベース板は、アルミニウムやその合金又は鉄或いは銅等からなる。絶縁層は、合成樹脂又はセラミックス等からなる。又、ベース板及び絶縁層に代えて、一枚のセラミックス製の絶縁板を用いることも可能である。
【0031】
更に、配線パターンは例えば銅箔からなる。この配線パターンは後述するLED9aの熱を光源基板8の略全域に渡って広げるためのヒートスプレッダ部を一体に有している。ヒートスプレッダ部は光源基板8の周縁部近傍に達していて、レジスト層で覆われている。
【0032】
発光部9は例えばCOB(chip on board)型の発光モジュールからなる。つまり、発光部9は、複数のLED9aと、枠9bと、封止部材9cとを有して形成されている。
【0033】
各LED9aは、ベアチップからなり、配線パターンと電気的に接続して光源基板8に実装されている。各LED9aには例えば青色発光をするLED9aが用いられている。枠9bは、光源基板8に接着されていて、LED9a群を囲んでいる。封止部材9cは、電気絶縁性でかつ透光性を有していて、LED9a等を埋めて枠9b内に充填されている。
【0034】
封止部材9cには蛍光体(図示しない)が混入されている。蛍光体には、LED9aが発する光で励起されて黄色の光を放射する黄色蛍光体が用いられている。したがって、発光部9は、蛍光体から放射された黄色光とLED9aが発した青色光とが混じった白色の光を発光する。尚、発光部9にはSMD型等の発光モジュールを使用することも可能である。
【0035】
光源7が備える発光部9はLED9aを有しているので、この光源7はLED光源であると共に、この光源7を備えた電球1はLED電球である。LED9aの発光は、半導体のp−n接合に順方向電流を流すことで実現されるので、LEDは電気エネルギーを直接光に変換する。こうした発光原理で発光するLED等の半導体発光素子は、通電によりフィラメントを高温に白熱させて、その熱放射により可視光を放射させる白熱電球と比較して、省エネルギー効果を有するものである。
【0036】
発光部9はその光源基板8の裏面を光源取付け部4の表面4aに密接させて光源取付け部4の中央部領域に装着されている。
【0037】
グローブ11はグローブ本体12と導光部13とからなる。
【0038】
グローブ本体12は、中空でかつ略半球状、好ましくは中空の球体を1/2とした形状に相当する半球形状であり、その円形の端面の直径は光源取付け部4の直径に略等しい。このグローブ本体12は、透光性で高熱伝導性を有した材料、例えば透光性セラミックスで形成されている。ここにグローブ11は、透明であっても差し支えないが、拡散透光性であることが好ましい。更に、グローブ11が高熱伝導性であるとは、一般的な合成樹脂製グローブの構成材料であるアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂の熱伝導性よりも高い熱伝導性を有していることを指している。
【0039】
導光部13は、グローブ本体12と同様に透光性で高熱伝導性を有した材料、例えばグローブ本体12と同一の透光性セラミックスで形成されている。導光部13は、グローブ本体12の中央部からグローブ本体12の内部に突設されている。導光部13とグローブ本体12とは、互いの間に介在された図示しない良熱伝導性の接着剤例えばシリコーン系接着剤で接着されており、この接着部で導光部13とグローブ本体12とが熱的に結合されている。
【0040】
導光部13は、中実でかつ外周が円形の柱状であり、グローブ本体12の中央部内面に連続された基端部13aに、グローブ11の中央を通って出射される光の配光を制御するレンズ部14が形成されている。レンズ部14は、導光部13の中心軸線上に設けられていて基端部13aに対して凹んでいるが、その開口はグローブ本体12の中央部で閉じられている。このため、凹みからなるレンズ部14に塵が付着することがない。
【0041】
基端部13aと反対側の導光部13の端部、つまり、突出先端部13bに、受光凹部15が形成されている。受光凹部15は発光部9を収容できる大きさであり、この受光凹部15の底面は光入射面となっている。
【0042】
更に、導光部13はその軸方向中央部に括れ部13cを有している。この括れ部13cによって、導光部13内を導かれる光の一部が導光部13の周りに出射させるようになっている。なお、導光部13の透明度が透明ガラスと比較して低い場合、導光部13に括れ部13cがなくても導光部13での光拡散性能によって、その周りに光を出射することが可能である。
【0043】
既述のようにグローブ11がその導光部13に括れ部13cを有しているにも拘らず、グローブ本体12と導光部13が別々に成形されるので、括れ部13cを有した導光部13がグローブ本体12と一体成形された構成と比較して、グローブ本体12と導光部13を、型を用いて成形する際に、括れ部13cがアンダーカットとなることがない。このため、グローブ本体12と導光部13を容易に成形することが可能である。
【0044】
グローブ11は光源取付け部4及び光源7を覆って配設されている。そのために、グローブ本体12の開口縁が光源取付け部4の周部に接着されて本体2に支持されている。加えて、導光部13の突出先端部13bが、その受光凹部15に発光部9を収容し、かつ、発光部9の周囲で光源基板8に接着されて、この光源基板8を介して本体2に支持されている。これらの接着を担う図示しない接着剤には良熱伝導性の接着剤例えばシリコーン系接着剤を使用することが好ましい。光源基板8と突出先端部13bとの接着部で導光部13とグローブ本体12とが熱的に結合されている。尚、この熱的結合の面積をより大きく確保するために、突出先端部13bは光源基板8の周部8aの略全体に重なってこの周部8aに接着されていることが望ましい。
【0045】
以上のようにグローブ11を本体2に支持させるための部品を要することなく、簡単な構成で、グローブ11を本体2に支持できる。更に、グローブ本体12の開口縁を本体2に接着して支持することに加えて、導光部13を光源基板8にも接着したので、グローブ11の支持性能が向上される。このため、万が一、グローブ本体12の開口縁と本体2との接着に不良箇所が生じることがあっても、それを原因としてグローブ11の支持が不安定になる恐れがない。
【0046】
絶縁部材21は、カップ形状に成形されていて、本体2と後述の点灯回路25との間を電気的に絶縁するために、凹部5の内面に沿って配設されている。
【0047】
光源7が有した各LED9aを発光させる点灯回路25は、回路基板26に各種の回路部品27を取付けてユニット化されている。この点灯回路25は本体2の凹部5内でかつ絶縁部材21の内側に収容されている。回路基板26は、絶縁部材21及び光源取付け部4を貫通した図示しない絶縁被覆電線を経由して光源基板8に電気的に接続されている。
【0048】
点灯回路25に電源を供給する口金31は、口金本体32と連結部材33を有している。口金本体32は図示しない給電ソケットに着脱可能にねじ込まれる。連結部材33は合成樹脂等の電気絶縁材で形成され、口金本体32に固定されている。この連結部材33は本体2の凹部5の開口端部に連結されている。口金本体32の内面には、点灯回路25に電気的に接続された図示しない絶縁被覆電線が接続されている。
【0049】
前記構成の電球1は、その口金31が図示しない給電ソケットに接続された状態で、点灯回路25に通電されることにより、光源7の発光部9が有した各LED9aが発光する。これにより、発光部9から出射される白色光が、グローブ11を透過して照明に供される。この場合、発光部9から出射された光は、グローブ本体12の中央部に導光部13で導かれる他、導光部13の周りから放出されてグローブ本体12の内面に達するので、グローブ本体12全体が明るくなる。
【0050】
こうした電球1の点灯状態で各LED9aは熱を発し、この熱は光源基板8に伝わり、ここから本体2及び高熱伝導性有した透光性材料製のグローブ本体12と導光部13とからなるグローブ11に夫々伝えられて、これら本体2の表面及びグローブ11の表面から大気中に放出される。
【0051】
即ち、各LED9aが発した熱は、光源基板8から光源取付け部4に伝えられて本体2の周部から大気中に放出される。
【0052】
これとともに、グローブ11が有した導光部13は、光源基板8に接着されることにより熱的に結合されていて、この光源基板8を光源取付け部4との間に挟んでいる。このため、各LED9aが発した熱は、光源基板8から導光部13に伝えられ、この導光部13を経由してグローブ本体12の中央部に伝導される。これに伴い、前記熱が、グローブ本体12の全域に伝導されるとともに、このグローブ本体12の表面から大気中に放出される。
【0053】
こうした熱伝導において、光源基板8の周部8aには、既述のように配線パターンの一部からなる図示しないヒートスプレッダ部が設けられていて、この周部8aに発光部9を囲んだ導光部13の突出先端部13bが接している。このため、各LED9aが発した熱のうちでヒートスプレッダ部に拡散された熱を、効率よく導光部13に伝えることが可能である。
【0054】
尚、グローブ本体12の開口縁も光源取付け部4に接着されることより熱的に結合されている。このため、光源取付け部4に光源7から放出されて本体2の周部に伝わろうとする熱の一部は、グローブ本体12と光源取付け部4との接着部を経由してグローブ本体12に伝導されて、グローブ本体12の表面から大気中に放出される。
【0055】
以上のように本体2とグローブ11の双方から放熱ができる電球1は、グローブ本体12の表面積に応じて大気中への放熱面積を大きく確保できる。しかも、グローブ本体12が略半球状でその表面積がより大きく確保されていることに伴い、グローブ本体12の表面ら大気中への放熱性がより向上される。
【0056】
したがって、光源7が有したLED9aの発熱量が大きい場合でも、電球1の形状が小形である場合でも、若しくはこれらの双方を満たした場合でも、各LED9aの温度上昇を十分に抑制することを期待できる。
【実施例2】
【0057】
図2は実施例2を示している。実施例2は以下説明する構成が実施例1とは相違しており、それ以外の構成は実施例1と同じであるため、実施例1と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、実施例1と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0058】
この実施例2の電球1は、グローブ本体12の内側に突出された導光部13を、グローブ本体12の中央部に一体成形するとともに、導光部13の基端部13aに形成されたレンズ部14をグローブ11の中央部表面に開放させた点が、実施例1とは異なり、実施例2の電球1のその他の構成は実施例1と同じである。
【0059】
したがって、この実施例2においても、実施例1で説明した理由により前記課題が解決されて、発光状態で発熱するLED9aの温度上昇を、十分に抑制することを期待できる電球1を提供することが可能である。
【0060】
尚、実施例2で、導光部13をその括れ部13cにより最小径となった箇所で分割することにより、導光部13を、グローブ本体12と一体の基端部側導光部材と、これに接着剤により接着された突出端部側導光部材との二部材で形成してもよい。このようにすれば、グローブ11を成形する上で括れ部13cがアンダーカット部となることがないので、グローブの成形性を向上することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…電球、2…本体、4…光源取付け部、4a…光源取付け部の表面、7…光源、8…光源基板、9…発光部、9a…LED(半導体発光素子)、11…グローブ、12…グローブ本体、13…導光部、13a…基端部、13b…突出先端部、15…凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源取付け部を有する金属製の本体と;
発光状態で発熱する半導体発光素子を含む発光部及びこの発光部が装着された光源基板を有し、この光源基板を前記光源取付け部に接触させてこの光源取付け部に装着された光源と;
透光性で高熱伝導性の材料からなり前記光源及び前記光源取付け部を覆って配設されたグローブ本体、及び透光性で高熱伝導性の材料からなり前記グローブ本体の中央部に熱的に結合して前記グローブ本体の内部に突設されているとともに突出先端部が前記発光部を収容して前記光源基板に熱的に結合された導光部を有したグローブと;
を具備することを特徴とする電球。
【請求項2】
前記グローブ本体と前記導光部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電球。
【請求項3】
前記導光部が前記グローブ本体と別体であることを特徴とする請求項1に記載の電球。
【請求項4】
前記グローブ本体に熱的に結合された前記導光部の基端部に、前記導光部を透過する光を制御するレンズ部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の電球。
【請求項5】
前記グローブ本体及び前記導光部がセラミックス製であることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の電球。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−20813(P2013−20813A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153194(P2011−153194)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】