説明

電磁ポンプ

【課題】電磁ポンプの吐出性能をより向上させる。
【解決手段】電磁ポンプの吸入用逆止弁の弁本体62を、円筒形状の台座部63aと、台座部63aの座面から突出した円錐台形状の突出部63bとからなる段付き構造により形成し、台座部63aを座面の周縁部の環状面でスプリングを支持し、突出部63bをポンプ室内に突き出るように形成する。これにより、台座部63aの座面の高さを調整することによりスプリング間隔を調整することができ、突出部63bの突出高さや径を調整することによりポンプ室内の容積を調整することができる。この結果、簡易な構成により、スプリングの付勢力やポンプ室の容積を最適化することができ、吐出性能をより向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダと、該シリンダ内を往復動可能なピストンと、該ピストンを往動させる電磁部と、前記ピストンを復動させる付勢部材と、前記付勢部材を支持し前記シリンダと前記ピストンと共にポンプ室を区画する支持部材と、前記支持部材に組み込まれ吸入口から前記ポンプ室への作動流体の移動を許可し逆方向の移動を禁止する吸入用開閉弁と、前記ポンプ室から吐出口への作動流体の移動を許可し逆方向の移動を禁止する吐出用開閉弁と、を備える電磁ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電磁ポンプとしては、シリンダと、シリンダ内を往復動してポンプ室内の容積を変化させるピストンと、ピストンを往動させるソレノイド部と、ピストンを復動させるスプリングと、吸入口からポンプ室への作動油の流れを許可し逆方向の流れを禁止する吸入用逆止弁と、ポンプ室から吐出口への作動油の流れを許可し逆方向の流れを禁止する吐出用逆止弁とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電磁ポンプでは、吸入用逆止弁と吐出用逆止弁とがシリンダ内に収容されており、吸入用逆止弁は、ボールと、ボールを内部に収容しボールの外径よりも小さな内径で吸入口の開口部を形成すると共に軸中心に吸入口とポンプ室と連通させる中心孔が形成された中空円筒状の本体と、ボールを吸入口の開口部に対して吸入口から作動油が流れる方向とは逆方向に付勢するスプリングと、このスプリングを受けるスプリング受けとにより構成されている。また、吸入用逆止弁は、スプリング受けがポンプ室に面しており、スプリング受けのポンプ室側の面でピストンを復動させるスプリングも支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−21593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したタイプの電磁ポンプは、ピストンと吸入用逆止弁とが対向するようシリンダ内に収容され、シリンダとピストンと吸入用逆止弁とによりポンプ室を区画するため、吸入用逆止弁を如何なる構成とするかはポンプ室の容積を決定したりポンプ室内に収容されるスプリングの付勢力を決定する上で極めて重要な課題として考えられる。
【0005】
本発明の電磁ポンプは、吐出性能をより向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電磁ポンプは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の電磁ポンプは、
シリンダと、該シリンダ内を往復動可能なピストンと、該ピストンを往動させる電磁部と、前記ピストンを復動させる付勢部材と、前記付勢部材を支持し前記シリンダと前記ピストンと共にポンプ室を区画する支持部材と、前記支持部材に組み込まれ吸入口から前記ポンプ室への作動流体の移動を許可し逆方向の移動を禁止する吸入用開閉弁と、前記ポンプ室から吐出口への作動流体の移動を許可し逆方向の移動を禁止する吐出用開閉弁と、を備える電磁ポンプであって、
前記支持部材の内部は、前記吸入用逆止弁の少なくとも一部を前記吸入口側から収容する底付き中空部と、該中空部の前記ポンプ室側底部と前記ポンプ室とを連通する連通孔とを有し、
前記支持部材は、前記付勢部材を支持する支持部と、前記連通孔が連通すると共に前記支持部よりも前記ピストン側に突出した突出部とが形成されてなる
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明の電磁ポンプでは、シリンダと、シリンダ内を往復動可能なピストンと、ピストンを往動させる電磁部と、ピストンを復動させる付勢部材と、付勢部材を支持しシリンダとピストンと共にポンプ室を区画する支持部材と、支持部材に組み込まれ吸入口からポンプ室への作動流体の移動を許可し逆方向の移動を禁止する吸入用開閉弁と、ポンプ室から吐出口への作動流体の移動を許可し逆方向の移動を禁止する吐出用開閉弁と、を備えるものにおいて、支持部材の内部に、吸入用逆止弁の少なくとも一部を吸入口側から収容する底付き中空部と、中空部のポンプ室側底部とポンプ室とを連通する連通孔とを有し、支持部材に、付勢部材を支持する支持部と、連通孔が連通すると共に支持部よりもピストン側に突出した突出部とを形成する。これにより、支持部により付勢部材を支持する間隔を設定し、突出部によりポンプ室内の容積を管理することができるから、吐出性能をより向上させることができる。
【0009】
こうした本発明の電磁ポンプにおいて、前記突出部は、前記ピストン側の径が前記支持部側の径よりも小さく形成されてなるものとすることもできる。この態様の本発明の電磁ポンプにおいて、前記突出部は、円錐台形状に形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、支持部材の加工をより容易なものとすることができる。
【0010】
本発明の電磁ポンプにおいて、前記付勢部材による前記ピストンの復動により作動流体を吐出するものとすることもできる。電磁力よりも付勢部材の付勢力の方が温度によるばらつきが少ないため、付勢力により作動流体を吐出することで電磁ポンプの軸長をより短縮することができ、本発明を適用することで更に軸長を短縮することができる。
【0011】
さらに、本発明の電磁ポンプにおいて、前記支持部材の中空部は、底部が前記支持部の支持面よりも前記ピストン側に深くなるよう形成されてなるものとすることもできる。こうすれば、支持部材の軸方向の長さを短くすることができ、ポンプ全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例としての電磁ポンプ20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】シリンダ42内に挿入された吸入用逆止弁60とピストン50の斜視図である。
【図3】弁本体62の外観を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の一実施例としての電磁ポンプ20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電磁ポンプ20は、図示するように、ピストン50を往復動させて作動油を圧送するピストンポンプとして構成されており、電磁力を発生させるソレノイド部30と、ソレノイド部30の電磁力により作動するポンプ部40と、を備える。この電磁ポンプ20は、例えば、自動車に搭載されるオートマチックトランスミッションが備えるクラッチやブレーキをオンオフするための油圧回路の一部としてバルブボディに組み込まれている。
【0015】
ソレノイド部30は、底付き円筒部材としてのケース31に、電磁コイル32,可動子としてのプランジャ34,固定子としてのコア36が配置されており、電磁コイル32に電流を印加することにより磁束がケース31,プランジャ34,コア36を周回する磁気回路が形成されてプランジャ34が吸引され、プランジャ34の先端に当接するシャフト38を押し出す。
【0016】
ポンプ部40は、ソレノイド部30に接合された中空円筒状のシリンダ42と、シリンダ42内を摺動可能に配置され基端面がソレノイド部30のシャフト38の先端に同軸上で当接するピストン50と、ピストン50に先端面に当接しソレノイド部30からの電磁力が作用する方向とは逆向きに付勢力を付与するスプリング46と、スプリング46をピストン50の先端面とは反対側から支持しポンプ室41への吸入する方向の作動油の流れを許可し逆方向の流れを禁止する吸入用逆止弁60と、ピストン50に内蔵されポンプ室41から吐出する方向の作動油の流れを許可し逆方向の流れを禁止する吐出用逆止弁70と、吸入用逆止弁60の上流側に配置されポンプ室41へ吸入される作動油に含まれる異物を捕捉するためのストレーナ47と、シリンダ42内にソレノイド部30とは反対側の開口部42aからピストン50と吐出用逆止弁70とスプリング46と吸入用逆止弁60とストレーナ47とがこの順に組み込まれた状態で開口部42aを覆うシリンダカバー48と、を備える。シリンダカバー48の内周面とシリンダ42の開口部42aの外周面には周方向に螺旋状の溝が形成されており、シリンダカバー48をシリンダ42の開口部42aに被せて締め付けることにより、シリンダカバー48がシリンダ42の開口部42aに取り付けられている。なお、ポンプ部40は、シリンダカバー48の軸中心に作動油を吸入するための吸入ポート49が形成され、シリンダ42の側面に吸入した作動油を吐出するための吐出ポート43が形成されている。
【0017】
ピストン50は、円筒形状のピストン本体52と、ピストン本体52よりも外径が小さく端面がソレノイド部30のシャフト38の先端に当接された円筒形状のシャフト部54bとにより形成されており、ソレノイド部30のシャフト38に連動してシリンダ42内を往復動する。ピストン50は、軸中心に、吐出用逆止弁70を収容可能に円筒形状の底付き中空部52aが形成されている。ピストン50の中空部52aは、ピストン50の先端面からピストン本体52内部を貫通し、シャフト部54内部の途中まで延伸されている。また、シャフト部54には、径方向に、互いに90度の角度で交差する2本の貫通孔54a,54bが形成されている。シャフト部54の周囲には吐出ポート43が形成されており、ピストン50の中空部52aは2本の貫通孔54a,54bを介して吐出ポート43と連通している。
【0018】
吸入用逆止弁60は、シリンダ42の開口部42aの内周面に嵌挿され内部に底付きの中空部62aが形成されると共にこの中空部62aの底に軸中心で中空部62aとポンプ室41とを連通させる中心孔62bが形成された弁本体62と、ボール64と、ボール64に付勢力を付与するスプリング66と、ボール64とスプリング66とが弁本体62の中空部62aに組み込まれた状態で中空部62aの内周面に嵌挿されるプラグ68と、を備える。
【0019】
図2はシリンダ42内に挿入された吸入用逆止弁60とピストン50の斜視図であり、図3は弁本体62の外観を示す外観図である。弁本体62は、図示するように、円筒形状の台座部63aと、台座部63aの座面から突出した円錐台形状の突出部63bとからなる段付き構造により形成されている。台座部63aは、座面の周縁部の環状面でスプリング46を支持しており、座面の高さは必要な付勢力を実現するためのスプリング間隔となるよう調整されている。また、突出部63bは、ポンプ室41内に突き出るように形成されており、ポンプ室41内の容積が必要な吐出圧を実現するための容積となるよう突出高さや径が調整されている。即ち、弁本体62は、台座部63aと突出部63bとにより、スプリング46の付勢力とポンプ室41の容積とを調整しているのである。
【0020】
また、弁本体62の内部に形成された中空部62aは、軸中心に、台座部63aの裏面から台座部63a内部を貫通し、突出部63b内部の先端付近まで延伸されており、ボール64とスプリング66とプラグ68とがこの順に組み込まれている。したがって、弁本体62の軸長は、ボール64とスプリング66とプラグ68とを組み込むために必要な長さの分だけ確保すればよいから、吸入用逆止弁60をコンパクトにすることができる。
【0021】
この吸入用逆止弁60は、吸入ポート49側の圧力P1とポンプ室41側の圧力P2との差圧(P1−P2)がスプリング66の付勢力に打ち勝つ所定圧力以上のときには、スプリング66の収縮を伴ってボール64がプラグ68の中心孔69から離されることにより開弁し、上述した差圧(P1−P2)が所定圧力未満のときには、スプリング66の伸張を伴ってボール64がプラグ68の中心孔69に押し付けられて中心孔69を塞ぐことにより閉弁する。
【0022】
吐出用逆止弁70は、ボール74と、ボール74に対して付勢力を付与するスプリング76と、ボール74の外径よりも小さな内径の中心孔79を有する環状部材としてのプラグ78とを備え、これらはピストン50の中空部52aに開口部52bからスプリング76,ボール74,プラグ78の順に組み込まれ、スナップリング79により固定されている。
【0023】
この吐出用逆止弁70は、ポンプ室41側の圧力P2と吐出ポート側43の圧力P3との差圧(P2−P3)がスプリング76の付勢力に打ち勝つ所定圧力以上のときには、スプリング76の収縮を伴ってボール74がプラグ78の中心孔79から離されることにより開弁し、上述した差圧(P2−P3)が所定圧力未満のときには、スプリング76の伸張を伴ってボール74がプラグ78の中心孔79に押し付けられて中心孔79を塞ぐことにより閉弁する。
【0024】
シリンダ42は、ピストン本体52が摺動する内壁42aとピストン本体52のスプリング46側の面と吸入用逆止弁50の弁本体62のスプリング46側の面とにより囲まれる空間によりポンプ室41を形成する。ポンプ室41は、スプリング46の付勢力によりピストン50が移動すると、ポンプ室41内の容積の拡大に伴って吸入用逆止弁60が開弁すると共に吐出用逆止弁70が閉弁して吸入ポート49を介して作動油を吸入し、ソレノイド部30の電磁力によりピストン50が移動すると、ポンプ室41内の容積の縮小に伴って吸入用逆止弁60が閉弁すると共に吐出用逆止弁70が開弁して吸入した作動油を吐出ポート43を介して吐出する。
【0025】
また、シリンダ42は、ピストン本体52が摺動する内壁42aと、シャフト部54が摺動する内壁42bとが段差をもって形成されており、段差部分に吐出ポート43が形成されている。この段差部分は、ピストン本体52とシャフト部54との段差部分の環状の面とシャフト部54の外周面とにより囲まれる空間を形成する。この空間は、ピストン本体52を隔ててポンプ室41とは反対側に形成されるから、ポンプ室41の容積が拡大する際に容積が縮小し、ポンプ室41の容積が縮小する際に容積が拡大する。このとき、この空間の容積変化は、ピストン本体52のポンプ室41側からの圧力を受ける面積(受圧面積)が吐出ポート43側から圧力を受ける面積(受圧面積)よりも大きいため、ポンプ室41の容積変化よりも小さくなる。このため、この空間は第2のポンプ室56として機能する。即ち、ソレノイド部30の電磁力によりピストン50が移動すると、ポンプ室41の容積の縮小分と第2のポンプ室56の容積の拡大分との差分に相当する量の作動油がポンプ室41から吐出用逆止弁70を介して第2のポンプ室56に送り出されて吐出ポート43を介して吐出され、スプリング46の付勢力によりピストン50が移動すると、ポンプ室41の容積の拡大分に相当する量の作動油が吸入ポート49から吸入用逆止弁60を介してポンプ室41に吸入される一方で第2のポンプ室56の容積の縮小分に相当する量の作動油が第2のポンプ室56から吐出ポート43を介して吐出されることになる。したがって、ピストン50の一回の往復動で作動油が吐出ポート43から2回吐出されるから、吐出ムラを少なくし吐出性能を向上させることができる。
【0026】
以上説明した実施例の電磁ポンプ20によれば、吸入用逆止弁60の弁本体62を、円筒形状の台座部63aと、台座部63aの座面から突出した円錐台形状の突出部63bとからなる段付き構造により形成し、台座部63aを座面の周縁部の環状面でスプリング46を支持し、突出部63bをポンプ室41内に突き出るように形成するから、台座部63aの座面の高さを調整することによりスプリング間隔を調整することができ、突出部63bの突出高さや径を調整することによりポンプ室41内の容積を調整することができる。この結果、簡易な構成により、スプリング46の付勢力やポンプ室41の容積を最適化することができ、吐出性能をより向上させることができる。しかも、弁本体62の内部に形成された中空部62aを、軸中心に台座部63aの裏面から台座部63a内部を貫通して突出部63b内部の先端付近まで延伸し、この中空部62aにボール64とスプリング66とプラグ68とを組み込むから、弁本体62の軸長をボール64とスプリング66とプラグ68とを組み込むために必要な長さの分だけ確保すればよく、吸入用逆止弁60をよりコンパクトにすることができる。
【0027】
実施例の電磁ポンプ20では、吐出用逆止弁70をピストン50に内蔵するものとしたが、例えば、シリンダ42外のバルブボディに組み込むなど、ピストン50に内蔵しないものとしてもよい。
【0028】
実施例の電磁ポンプ20では、弁本体62の突出部63bを円錐台形状とするものとしたが、これに限られず、例えば、円柱形状とするなど、ポンプ室41内に突き出るように突出するものであれば、如何なる形状とするものとしてもよい。
【0029】
実施例の電磁ポンプ20では、弁本体62の中空部62aを、台座部63bの裏面から台座部63a内部を貫通して突出部63b内部の先端付近まで延伸するものとしたが、突出部63b内部まで延伸させないものとしてもよい。この場合、中空部にボール64やスプリング66、プラグ68を組み込むために台座部63aの高さが高くなる場合がある。
【0030】
実施例の電磁ポンプ20では、ピストン50の一回の往復動で作動油を吐出ポート43から2回吐出するタイプの電磁ポンプとして構成するものとしたが、これに限定されるものではなく、ソレノイド部からの電磁力によりピストンを往動させる際に吸入ポートから作動油をポンプ室に吸入しスプリングの付勢力によりピストンを復動させる際にポンプ室内の作動油を吐出ポートから吐出するものとしたり、スプリングの付勢力によりピストンを復動させる際に吸入ポートから作動油をポンプ室に吸入しソレノイド部からの電磁力によりピストンを往動させる際にポンプ室内の作動油を吐出ポートから吐出するものとするなど、ピストンの往復動に伴って作動流体を吐出することができるものであれば、如何なるタイプの電磁ポンプとしても構わない。
【0031】
実施例の電磁ポンプ20では、自動車に搭載されるオートマチックトランスミッションのクラッチやブレーキのオンオフするための油圧の供給に用いるものとしたが、これに限られず、例えば、燃料を移送したり、潤滑用の液体を移送するなど、如何なるシステムに適用するものとしてもよい。
【0032】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、シリンダ42が「シリンダ」に相当し、ピストン50が「ピストン」に相当し、ソレノイド部30が「電磁部」に相当し、スプリング46が「付勢部材」に相当し、弁本体62が「支持部材」に相当し、吸入用逆止弁60を構成するボール64とスプリング66とプラグ68とが「吸入用開閉弁」に相当し、吐出用逆止弁70が「吐出用開閉弁」に相当し、弁本体62の台座部63aが「支持部」に相当し、突出部63bが「突出部」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0033】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、電磁ポンプの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0035】
20 電磁ポンプ、30 ソレノイド部、31 ケース、32 電磁コイル、34 プランジャ、36 コア、38 シャフト、40 ポンプ部、41 ポンプ室、42 シリンダ、42a 開口部、42b,42c 内壁、43 吐出ポート、44 ピン溝、46 スプリング、47 ストレーナ、48 シリンダカバー、49 吸入ポート、50 ピストン、52 ピストン本体、52a 中空部、52b 開口部、54 シャフト部、54a,54b 貫通孔、56 第2のポンプ室、60 吸入用逆止弁、62 弁本体、62a 中空部、62b 中心孔、63a 突出部、63b 台座部、64 ボール、66 スプリング、68 プラグ、69 中心孔、70 吐出用逆止弁、74 ボール、76 スプリング、78 プラグ、79 中心孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダと、該シリンダ内を往復動可能なピストンと、該ピストンを往動させる電磁部と、前記ピストンを復動させる付勢部材と、前記付勢部材を支持し前記シリンダと前記ピストンと共にポンプ室を区画する支持部材と、前記支持部材に組み込まれ吸入口から前記ポンプ室への作動流体の移動を許可し逆方向の移動を禁止する吸入用開閉弁と、前記ポンプ室から吐出口への作動流体の移動を許可し逆方向の移動を禁止する吐出用開閉弁と、を備える電磁ポンプであって、
前記支持部材の内部は、前記吸入用逆止弁の少なくとも一部を前記吸入口側から収容する底付き中空部と、該中空部の前記ポンプ室側底部と前記ポンプ室とを連通する連通孔とを有し、
前記支持部材は、前記付勢部材を支持する支持部と、前記連通孔が連通すると共に前記支持部よりも前記ピストン側に突出した突出部とが形成されてなる
ことを特徴とする電磁ポンプ。
【請求項2】
前記突出部は、前記ピストン側の径が前記支持部側の径よりも小さく形成されてなることを特徴とする請求項1記載の電磁ポンプ。
【請求項3】
前記突出部は、円錐台形状に形成されてなることを特徴とする請求項2記載の電磁ポンプ。
【請求項4】
前記付勢部材による前記ピストンの復動により作動流体を吐出することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の電磁ポンプ。
【請求項5】
前記支持部材の中空部は、底部が前記支持部の支持面よりも前記ピストン側に深くなるよう形成されてなることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載の電磁ポンプ。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−202340(P2012−202340A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68808(P2011−68808)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】