説明

電解処理装置及び電解処理方法

【課題】特に大面積で、表面に薄く電気抵抗が大きな導電層が形成された基板であっても、この表面に、膜厚の面内均一性の高いめっき膜を形成できるようにする。
【解決手段】基板Wを保持する基板保持部と、基板Wと接触して基板の表面に通電させる第1の電極88と、基板保持部で保持した基板Wの表面に対面する位置に配置される第2の電極98と、基板保持部で保持した基板Wと第2の電極98との間に配置される圧力損失が500kPa以上または見掛気孔率が19%以下の多孔質構造体110と、基板保持部で保持した基板Wと第2の電極98との間に電解液を注入する電解液注入部104と、第1の電極88と第2の電極98との間に電圧を印加する電源114を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハ等の基板の表面(被処理面)に形成された微細配線パターンに銅等の金属を埋込んで埋込み配線を形成する電解めっき装置に使用される電解処理装置及び電解処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体基板上に配線回路を形成するための金属材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅を用いる動きが顕著になっている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた配線用凹部の内部に銅を埋込むことによって一般に形成される。この銅配線を形成する方法としては、CVD、スパッタリング及びめっきといった手法があるが、いずれにしても、基板のほぼ全表面に銅を成膜し、化学的機械的研磨(CMP)により不要の銅を除去するようにしている。
【0003】
図24は、この種の銅配線基板Wの製造例を工程順に示す。先ず、図24(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材1上の導電層1aの上にSiOやLow−K材からなる絶縁膜(層間絶縁膜)2を堆積し、絶縁膜2の内部に、リソグラフィ・エッチング技術により、配線用凹部としてのコンタクトホール3とトレンチ4を形成する。そして、その上にTaN等からなるバリア層5、更にその上に電解めっきの給電層としてシード層7を形成する。
【0004】
そして、図24(b)に示すように、基板Wの表面に銅めっきを施すことで、コンタクトホール3及びトレンチ4内に銅を充填するとともに、絶縁膜2上に銅膜6を堆積する。その後、化学的機械的研磨(CMP)により、絶縁膜2上の銅膜6、シード層7及びバリア層5を除去して、コンタクトホール3及びトレンチ4内に充填させた銅膜6の表面と絶縁膜2の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図24(c)に示すように、絶縁膜2の内部に銅膜6からなる配線を形成する。
【0005】
基板の表面に電解めっきを施すには、図25に示すように、基板Wの表面に形成したシード層7等の導電層の外周部にカソード200を接触させ、基板Wと該基板Wに対向する位置に配置したアノード202との間にめっき液204を満たす。そして、カソード200とアノード202との間に電源206によりめっき電流を流すことで、基板Wの導電層上にめっき膜を成膜する。
【0006】
LSI用の半導体ウエハや液晶基板は、年々大面積となる傾向にあり、それに伴う弊害も生じてきた。つまり、大面積の基板Wの場合、基板Wの外周近傍のカソード200から基板Wの中央までのシード層7等の導電層の電気抵抗(シート抵抗)が大きくなり、基板Wの面内で電位差が生じて、各部のめっき速度に差が生じてしまう。図25は、代表的な電解めっきの等価回路を示しており、回路中には、以下のような抵抗成分が存在する。
R1:電源206とアノード202との間の電源線抵抗及び各種接触抵抗
R2:アノード202における分極抵抗
R3:めっき液204の抵抗
R4:カソード200における分極抵抗
R5:導電層の抵抗(シート抵抗)
R6:カソード200と電源206との間の電源線抵抗及び各種接触抵抗
【0007】
図25から明らかなように、導電層の抵抗R5が他の電気抵抗R1〜R4及びR6に比して大きくなると、この抵抗R5の両端に生じる電位差が大きくなり、それに伴ってめっき電流に差が生じる。このため、カソード200から遠い位置ではめっき膜の成長速度が低下する。導電層の膜厚が薄いと抵抗R5が更に大きくなって、この現象が顕著に表れてしまう。この事実は、基板Wの面内で電流密度が異なることを意味し、めっき膜の特性自体(めっき膜の抵抗率、純度、埋込特性など)が面内で均一とならない。
【0008】
なお基板Wが陽極になる電解エッチングにおいても、電流方向が反対となるだけで同様の問題が生じる。例えば大口径のウエハプロセスではウエハ中央部のエッチング速度が周縁部に比して遅くなる。
【0009】
以上の問題を回避する方法として、導電層の厚さを厚くしたり、導電層の電気導電率を大きくしたりすることが考えられる。しかしながら、基板は、めっき以外の製造工程でも様々な制約を受けるばかりでなく、例えば微細パターン上にスパッタ法で厚い導電層を形成すると、パターン内部にボイドが発生し易くなってしまう。このため、容易に導電層の厚みを厚くしたり、導電層の膜種を変更したりすることはできない。
【0010】
この欠点を防止するため、発明者は、図26に示すように、アノード202と基板Wの間に、めっき液204の電気伝導率よりも小さい電気伝導率の高抵抗構造体208を配置することを提案した。このように構成すると、図26に示すような等価回路となり、図25に示す等価回路に比べて、高抵抗構造体208による抵抗Rpが追加される。このため、高抵抗構造体208による抵抗Rpが大きな値になると、(R2+R3+Rp+R4)/(R2+R3+Rp+R4+R5)は1に近づき、抵抗R5、即ち導電層の抵抗成分(シート抵抗)の影響を受けにくくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、近年の半導体装置の更なる微細化に伴って、半導体ウエハ等の基板の表面に形成されるシード層等の導電層の膜厚が益々薄くなってきており、それとともに、導電層の電気抵抗(シート抵抗)も益々増加する傾向にある。このため、基板の表面に、全面に亘って膜厚が均一なめっき膜を形成することが困難になってきている。例えば、図26に示す高抵抗構造体208として、見掛気孔率(JIS R 2205の規定による)が20%の多孔質構造体を使用することで、図27に示すように、65nmノードの現世代にあっては、十分な膜厚の面内均一性を有するめっき膜を形成できたとしても、45nmノードの次世代、更には32nmノードの次々世代と進むにつれて、基板の表面に形成されるめっき膜の膜厚のばらつきが大きくなって、十分な膜厚の面内均一性を有するめっき膜を形成することが困難となると考えられる。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、特に大面積で、表面に薄く電気抵抗が大きな導電層が形成された基板であっても、例えば電解めっき装置に適用した場合に、表面に、膜厚の面内均一性のより高いめっき膜を形成できるようにした電解処理装置及び電解処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、基板を保持する基板保持部と、基板と接触して基板の表面に通電させる第1の電極と、前記基板保持部で保持した基板の表面に対面する位置に配置される第2の電極と、前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に配置される圧力損失が500kPa以上の多孔質構造体と、前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に電解液を注入する電解液注入部と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電源を有することを特徴とする電解処理装置である。
【0014】
圧力損失が500kPa以上の多孔質構造体を基板(第1の電極)と第2の電極との間に配置することで、基板(第1の電極)と第2の電極との間の電気抵抗をより大きくすることができる。これによって、基板の表面に形成された導電層の電気抵抗の影響をより小さくし、基板の表面における電場の状態を全面に亘ってより均一にして、例えば電解めっき装置に適用した場合に、基板の表面に、膜厚のばらつきが2%程度以上の、実用上利用可能な面内均一性の高い膜厚のめっき膜を形成することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記多孔質構造体は、圧力損失が1000kPa以上であることを特徴とする請求項1記載の電解処理装置である。
これにより、基板の表面に、膜厚のばらつきが1.2%程度以上の、より面内均一性の高い膜厚のめっき膜を形成することができる。多孔質構造体の圧力損失は、1500kPa以上であることが更に好ましい。
【0016】
請求項3に記載の発明は、基板を保持する基板保持部と、基板と接触して基板の表面に通電させる第1の電極と、前記基板保持部で保持した基板の表面に対面する位置に配置される第2の電極と、前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に配置される見掛気孔率が19%以下の多孔質構造体と、前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に電解液を注入する電解液注入部と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電源を有することを特徴とする電解処理装置である。
【0017】
見掛気孔率が19%以下の多孔質構造体を基板(第1の電極)と第2の電極との間に配置することで、基板(第1の電極)と第2の電極との間の電気抵抗をより大きくすることができる。これによって、基板の表面に形成された導電層の電気抵抗の影響をより小さくし、基板の表面における電場の状態を全面に亘ってより均一にして、例えば電解めっき装置に適用した場合に、基板の表面に、膜厚の面内均一性のより高いめっき膜を形成することができる。めっき膜の膜厚のばらつきを抑えるためには、多孔質構造体の見掛気孔率を15%以下とすることが好ましく、10%以下とすることが更に好ましい。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記多孔質構造体の見掛気孔率は、15%以下であることを特徴とする請求項3記載の電解処理装置である。
【0019】
請求項5に記載の発明は、基板を保持する基板保持部と、基板と接触して基板の表面に通電させる第1の電極と、前記基板保持部で保持した基板の表面に対面する位置に配置される第2の電極と、前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に配置され、内部を電解液で満たした状態での上下両面間における全体の電気抵抗値が基板表面の導電層のシート抵抗値に対して0.02倍以上の多孔質構造体と、前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に電解液を注入する電解液注入部と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電源を有することを特徴とする電解処理装置である。
【0020】
これにより、内部を電解液で満たした状態での上下両面間における多孔質抵抗体の全体の電気抵抗値を、基板表面に形成された導電層のシート抵抗(電気抵抗)値に対して充分に大きくし、基板表面における電場の状態を基板の全面に亘ってより均一にして、例えば電解めっき装置に適用した場合に、基板の表面に、膜厚の面内均一性のより高いめっき膜を形成することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、前記多孔質構造体は、抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電解処理装置である。
このように、多孔質構造体自体の抵抗率を高めることで、めっき電流に対して常に再現性のある安定した電圧の下でめっきを行うことができる。多孔質構造体の抵抗率は、1.0×10Ω・cm以上であることが好ましい。
【0022】
請求項7に記載の発明は、前記多孔質構造体は、炭化ケイ素、表面を酸化処理した炭化ケイ素、アルミナまたはプラスチックのいずれか一つ、またはそれらの組合せからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電解処理装置である。
請求項8に記載の発明は、電解処理が、Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Tl,PbまたはBi、またはこれらの合金の電解めっき、または電解エッチングであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電解処理装置である。
【0023】
請求項9に記載の発明は、第1の電極に接触させた基板の表面と該基板の表面に対面する位置に配置させた第2の電極との間に電解液を満たし、前記電解液中に、見掛気孔率を19%以下に調整するか、または圧力損出を500kPa以上に調整するか、または比重及び吸水率の少なくとも一方を調整した多孔質構造体を配置し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することを特徴とする電解処理方法である。
【0024】
これにより、基板の表面における電場の状態が所望の状態になるようにして電解処理を行って、基板の表面の電解処理による処理状態を目的とする処理状態とすることができる。特に、多孔質構造体の見掛気孔率を19%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下、または多孔質構造体の圧力損失を500kPa以上、好ましくは1000kPa以上、更に好ましくは1500kPa以上に調整することで、基板の表面における電場の状態を全面に亘ってより均一にして、電解処理がめっき処理の場合は、基板の表面に形成されるめっき膜の膜厚の面内均一性を高めることができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、前記多孔質構造体の見掛気孔率を19%以下に調整するに際し、該見掛気孔率を15%以下に調整することを特徴とする請求項9記載の電解処理方法である。
請求項11に記載の発明は、前記多孔質構造体の圧力損失を500kPa以上に調整するに際し、該圧力損失を1000kPa以上に調整することを特徴とする請求項9記載の電解処理方法である。
【0026】
請求項12に記載の発明は、第1の電極に接触させた基板の表面と該基板の表面に対面する位置に配置させた第2の電極との間に電解液を満たし、前記電解液中に、見掛気孔率を19%以下に調整するか、または内部を電解液で満たした状態での上下両面間における全体の電気抵抗値が基板表面の導電層のシート抵抗値に対して0.02倍以上となるように調整するか、または比重及び吸水率の少なくとも一方を調整した多孔質構造体を配置し、 前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することを特徴とする電解処理方法である。
【0027】
このように、内部を電解液で満たした状態での上下両面間における全体の電気抵抗値が基板表面の導電層のシート抵抗値に対して0.02倍以上となるように調整することによっても、基板の表面における電場の状態を全面に亘ってより均一にして、電解処理がめっき処理の場合は、基板の表面に形成されるめっき膜の膜厚の面内均一性を高めることができる。
【0028】
請求項13に記載の発明は、前記多孔質構造体は、抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の電解処理方法である。
請求項14に記載の発明は、前記多孔質構造体は、炭化ケイ素、表面を酸化処理した炭化ケイ素、アルミナまたはプラスチック、またはそれらの組合せからなることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の電解処理方法である。
【0029】
請求項15に記載の発明は、電解処理が、Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Tl,PbまたはBi、またはこれらの合金の電解めっき、または電解エッチングであることを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の電解処理方法である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、基板の表面に形成された導電層の電気抵抗(シート抵抗)の影響をより小さくし、基板の表面における電場の状態を全面に亘ってより均一にして、例えば電解めっき装置に適用した場合には、大面積で、表面に薄く電気抵抗が大きな導電層が形成された基板であっても、基板(導電層)の表面に、膜厚の面内均一性の高いめっき膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態の電解処理装置について説明する。この実施の形態は、電解液としてめっき液を使用し、半導体ウエハ等の基板の表面に電解銅めっきを施して、基板表面に設けた微細な配線用凹部に銅を埋込んで銅からなる配線を形成するようにした電解めっき装置に適用した例を示している。電解エッチング装置等、他の電解処理装置にも適用できることは勿論である。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態の電解めっき装置(電解処理装置)を備えた基板処理装置の全体配置図を示す。図1に示すように、この基板処理装置には、同一設備内に位置して、内部に複数の基板Wを収納する2基のロード・アンロード部10と、電解めっき処理及びその付帯処理を行う2基の電解めっき装置(電解処理装置)12と、ロード・アンロード部10と電解めっき装置12との間で基板Wの受渡しを行う搬送ロボット14と、めっき液タンク16を有するめっき液供給設備18が備えられている。
【0033】
電解めっき装置12には、図2に示すように、めっき処理及びその付帯処理を行う基板処理部20が備えられ、この基板処理部20に隣接して、めっき液(電解液)を溜めるめっき液トレー22が配置されている。また、回転軸24を中心に揺動する揺動アーム26の先端に保持されて基板処理部20とめっき液トレー22との間を移動する電極ヘッド28を有する電極アーム部30が備えられている。更に、基板処理部20の側方に位置して、プレコート・回収アーム32と、純水やイオン水等の薬液、または気体等を基板に向けて噴射する固定ノズル34が配置されている。この実施の形態にあっては、3個の固定ノズル34が備えられ、その内の1個を純水の供給用に用いている。
【0034】
基板処理部20には、図3に示すように、表面(被めっき面)を上向きにして基板Wを保持する基板保持部36と、この基板保持部36の上方に該基板保持部36の周縁部を囲繞するように配置された電極部38が備えられている。更に、基板保持部36の周囲を囲繞して処理中に用いる各種薬液の飛散を防止する有底略円筒状の飛散防止カップ40が、エアシリンダ(図示せず)を介して上下動自在に配置されている。
【0035】
ここで、基板保持部36は、エアシリンダ44によって、下方の基板受渡し位置Aと、上方のめっき位置Bと、これらの中間の前処理・洗浄位置Cとの間を昇降し、図示しない回転モータ及びベルトを介して、任意の加速度及び速度で電極部38と一体に回転するように構成されている。この基板受渡し位置Aに対向して、電解めっき装置12のフレーム側面の搬送ロボット14側には、基板搬出入口(図示せず)が設けられ、また基板保持部36がめっき位置Bまで上昇した時に、基板保持部36で保持された基板Wの周縁部に下記の電極部38のシール材90とカソード(第1の電極)88が当接する。飛散防止カップ40は、その上端が基板搬出入口下方に位置し、図3に仮想線で示すように、上昇した時に基板搬出入口を塞いで電極部38の上方に達する。
【0036】
めっき液トレー22は、めっき処理を実施していない時に、電極アーム部30の下記の多孔質構造体110及びアノード(第2の電極)98をめっき液で湿潤させるためのもので、この多孔質構造体110が収容できる大きさに設定され、図示しないめっき液供給口とめっき液排水口を有している。また、フォトセンサがめっき液トレー22に取付けられており、めっき液トレー22内のめっき液の満水、即ちオーバーフローと排水の検出が可能になっている。
電極アーム部30は、図示しないサーボモータからなる上下動モータとボールねじを介して上下動し、旋回モータを介して、めっき液トレー22と基板処理部20との間を電極ヘッド28が移動するように旋回(揺動)する。
【0037】
また、プレコート・回収アーム32は、図4に示すように、上下方向に延びる支持軸58の上端に連結されて、ロータリアクチュエータ60を介して旋回(揺動)し、エアシリンダ(図示せず)を介して上下動するよう構成されている。このプレコート・回収アーム32には、その自由端側にプレコート液吐出用のプレコートノズル64が、基端側にめっき液回収用のめっき液回収ノズル66がそれぞれ保持されている。そして、プレコートノズル64は、例えばエアシリンダによって駆動するシリンジに接続されて、プレコート液がプレコートノズル64から間欠的に吐出される。また、めっき液回収ノズル66は、例えばシリンダポンプまたはアスピレータに接続されて、基板上のめっき液がめっき液回収ノズル66から吸引される。
【0038】
基板保持部36は、図5乃至図7に示すように、円板状の基板ステージ68を備え、この基板ステージ68の周縁部の円周方向に沿った6カ所に、上面に基板Wを水平に載置して保持する支持腕70が立設されている。この支持腕70の1つの上端には、基板Wの端面に当接して位置決めする位置決め板72が固着され、この位置決め板72を固着した支持腕70に対向する支持腕70の上端には、基板Wの端面に当接し回動して基板Wを位置決め板72側に押付ける押付け片74が回動自在に支承されている。また、他の4個の支持腕70の上端には、回動して基板Wをこの上方から下方に押付けるチャック爪76が回動自在に支承されている。
【0039】
ここで、押付け片74及びチャック爪76の下端は、コイルばね78を介して下方に付勢した押圧棒80の上端に連結されて、この押圧棒80の下動に伴って押付け片74及びチャック爪76が内方に回動して閉じるようになっており、基板ステージ68の下方には、押圧棒80に下面に当接してこれを上方に押上げる支持板82が配置されている。
【0040】
これにより、基板保持部36が図3に示す基板受渡し位置Aに位置する時、押圧棒80は支持板82に当接し上方に押上げられて、押付け片74及びチャック爪76が外方に回動して開き、基板ステージ68を上昇させると、押圧棒80がコイルばね78の弾性力で下降して、押付け片74及びチャック爪76が内方に回転して閉じる。
【0041】
電極部38は、図8及び図9に示すように、支持板82(図7等参照)の周縁部に立設した支柱84の上端に固着した環状の枠体86と、この枠体86の下面に内方に突出させて取付けた、この例では6分割されたカソード(第1の電極)88と、このカソード88の上方を覆うように枠体86の上面に取付けた環状のシール材90とを有している。このカソード(第1の電極)88は、電解エッチングを行うときにはアノードとなる。シール材90は、その内周縁部が内方に向け下方に傾斜し、かつ徐々に薄肉となって、内周端部が下方に垂下するように構成されている。
【0042】
これにより、図3に示すように、基板保持部36がめっき位置Bまで上昇した時に、この基板保持部36で保持した基板Wの周縁部にカソード88が押付けられて通電し、同時にシール材90の内周端部が基板Wの周縁部上面に圧接し、ここを水密的にシールして、基板Wの上面(被めっき面)に供給されためっき液が基板Wの端部から染み出すのを防止するとともに、めっき液がカソード88を汚染することを防止する。
なお、この実施の形態において、電極部38は、上下動不能で基板保持部36と一体に回転するようになっているが、上下動自在で、下降した時にシール材90が基板Wの被めっき面に圧接するように構成してもよい。
【0043】
前記電極アーム部30の電極ヘッド28は、図10及び図11に示すように、揺動アーム26の自由端にボールベアリング92を介して連結した電極ホルダ94と、この電極ホルダ94の下端開口部を塞ぐように配置された多孔質構造体110とを有している。すなわち、電極ホルダ94は、下方に開口した有底カップ状に形成され、この下部内周面には、凹状部94aが、多孔質構造体110の上部には、この凹状部94aに嵌合するフランジ部110aがそれぞれ設けられ、このフランジ部110aを凹状部94aに嵌入することで、電極ホルダ94に多孔質構造体110が保持されている。これによって、電極ホルダ94の内部に中空のめっき液室100が区画形成されている。
【0044】
この多孔質構造体110は、圧力損失(室温下、厚さ14mmの多孔質構造体に対して、窒素ガスを線速度0.01m/secで通気した場合)が500kPa以上、好ましくは1000kPa以上、更に好ましくは1500kPa以上、または見掛気孔率(JIS R 2205の規定による)が19%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下で、抵抗率が1.0×10Ω・cm以上の炭化ケイ素、表面を酸化処理した炭化ケイ素、アルミナまたはポリプロピレンやポリエチレンの焼結体等のプラスチック、またはそれらの組合せから構成されている。多孔質構造体110の厚みは、一般的には1〜20mm程度で、5〜20mm程度であることが好ましく、8〜15mm程度であることが更に好ましい。この例では、多孔質構造体110として、圧力損失が1500kPa、または見掛気孔率が10%で、抵抗率が1.0×10Ω・cmの炭化ケイ素(SiC)製のものが使用されている。そして、この多孔質構造体110の内部にめっき液を含有させることで、つまり多孔質構造体110自体は絶縁体であるが、この内部にめっき液を複雑に入り込ませ、厚さ方向にかなり長い経路を辿らせることで、めっき液の電気伝導率より小さい電気伝導率を有するように構成されている。
【0045】
このように、圧力損失が500kPa以上、好ましくは1000kPa以上、更に好ましくは1500kPa以上、または見掛気孔率が19%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下で、抵抗率が1.0×10Ω・cm以上の炭化ケイ素製等の多孔質構造体110をめっき液室100内に配置し、この多孔質構造体110によって大きな抵抗を発生させることで、例え大面積で、表面に薄く電気抵抗が大きなシード層7(図24参照)が形成された基板であっても、シード層7の抵抗の影響を無視できる程度となし、基板Wの表面の電気抵抗による電流密度の面内差を小さくして、めっき膜の面内均一性を向上させることができる。
【0046】
前記めっき液室100内には、多孔質構造体110の上方に位置して、内部に上下に貫通する多数の通孔98aを有するアノード(第2の電極)98が配置されている。このアノード(第2の電極)98は、電解エッチングの時はカソードとなる。そして、電極ホルダ94には、めっき液室100の内部のめっき液を吸引して排出するめっき液排出口103が設けられ、このめっき液排出口103は、めっき液供給設備18(図1参照)から延びるめっき液排出管106に接続されている。更に、電極ホルダ94の周壁内部には、アノード98及び多孔質構造体110の側方に位置して上下に貫通するめっき液注入部104が設けられている。このめっき液注入部104は、この例では、下端をノズル形状としたチューブで構成され、めっき液供給設備18(図1参照)から延びるめっき液供給管102に接続されている。
【0047】
このめっき液注入部104は、基板保持部36がめっき位置B(図3参照)にある時に、基板保持部36で保持した基板Wと多孔質構造体110の隙間が、例えば0.5〜3mm程度となるまで電極ヘッド28を下降させ、この状態で、アノード98及び多孔質構造体110の側方から、基板Wと多孔質構造体110との間の領域にめっき液を注入するためのもので、シール材90と多孔質構造体110に挟まれた領域で下端のノズル部が開口するようになっている。また、多孔質構造体110の外周部には、ここを電気的にシールドするゴム製のシールドリング112が装着されている。
【0048】
このめっき液注入時には、めっき液注入部104から注入されためっき液は、図12に示すように、基板Wの表面に沿って一方向に流れ、このめっき液の流れによって、基板Wと多孔質構造体110との間の領域の空気が外方に押し出されて外部に排出され、この領域がめっき液注入部104から注入された新鮮で組成が調整されためっき液で満たされて、基板Wとシール材90で区画された領域に溜められる。
【0049】
このように、アノード98及び多孔質構造体110の側方から、基板Wと多孔質構造体110との間の領域にめっき液を注入することにより、多孔質構造体110の内部に、絶縁体からなる電解液供給チューブ等の電界分布を乱す要因となるものを設けることなく、めっき液の液張りを行うことができる。これによって、特に大面積の基板であっても、基板の表面全面に亘る電界分布をより均一にするとともに、めっき液を注入する際に、多孔質構造体110で保持しためっき液が多孔質構造体110から漏れてしまうことを防止して、基板保持部36で保持した基板Wと多孔質構造体110が対向する領域内に新鮮で組成が調整されためっき液を供給することができる。
【0050】
ここで、この電解めっき装置12にあっては、液張り時に反応が起こり、この反応による影響によって、例えばめっき膜の埋込みが不能となったり、めっき膜の特性が部分的に変化したりすることがあり、これを防止するためには、めっき液を0.1〜10m/secの線速度で注入し、例えば300mmのウエハにあっては、5秒以内に液張り完了することが望ましい。めっき液注入部104として、このような要求に満たすような任意の形状のものを使用することが好ましい。
ここで、アノード98は、スライムの生成を抑制するため、含有量が0.03〜0.05%のリンを含む銅(含リン銅)で構成されているが、不溶解の不溶性アノードを使用するようにしてもよい。
【0051】
また、この例では、カソード(第1の電極)88はめっき電源114の陰極に、アノード(第2の電極)98はめっき電源114の陽極にそれぞれ電気的に接続されるが、電解エッチング装置として使用する場合には、第1の電極88は電源の陽極に、第2の電極98は電源の陰極にそれぞれ接続される。
【0052】
そして、前述のように、めっき電源114を介して、第1の電極88をカソード、第2の電極98をアノードとなし、基板保持部36がめっき位置B(図3参照)にある時に、基板保持部36で保持した基板Wと多孔質構造体110との隙間が、例えば0.5〜3mm程度となるまで電極ヘッド28を下降させる。この状態で、基板Wと多孔質構造体110との領域にめっき液注入部104からめっき液を注入してめっき液で満たし、このめっき液を基板Wとシール材90で区画された領域に溜めてめっき処理を行う。
【0053】
ここで、この状態で、めっき液の代わりに電解エッチング液を使用し、電源114を介して、第1の電極88をアノード、第2の電極98をカソードとなすことで電解エッチングを行うことができる。
【0054】
この例によれば、カソード(第1の電極)88とアノード(第2の電極)98との間に配置される多孔質構造体110として、圧力損失が500kPa以上、好ましくは1000kPa以上、更に好ましくは1500kPa以上、または見掛気孔率が19%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下のものを使用することで、カソード(第1の電極)88と接触する基板Wとアノード(第2の電極)98との間の電気抵抗をより大きくすることができる。これによって、特に大面積で、表面に薄く電気抵抗が大きなシード層7が形成された基板であっても、シード層7の電気抵抗の影響をより小さくし、基板Wの表面における電場の状態を全面に亘ってより均一にして、基板Wの表面に、膜厚の面内均一性の高いめっき膜を形成することができる。
【0055】
これは、以下の理由による。すなわち、図13は、多孔質構造体110として、圧力損失が100〜2800kPaの炭化ケイ素製のものを使用し、カソード(第1の電極)88とアノード(第2の電極)98との間に所定の電流を流した時のカソード(第1の電極)88とアノード(第2の電極)98との間の電圧を測定し、得られた電圧と電流との関係から多孔質構造体110の電気抵抗率を算出した時の圧力損失(kPa)と電気抵抗率(Ω・cm)の関係を示す。ここで、電気抵抗率は、内部がめっき液で満たされた状態での多孔質構造体の電気抵抗率で、下記の式1によって与えられる値である。
電気抵抗率=(A−A)×S/L (Ω・cm) (式1)
ここに、A:めっき液のみの時の電流・電圧力線の傾き(Ω)
:多孔質構造体を設置した時の電流・電圧曲線の傾き(Ω)
S :シールドリングの開口部面積(cm
L :多孔質構造体の厚さ(cm)
【0056】
一方、多孔質構造体110の電気抵抗率と基板(ウエハ)面内(半径方向)のめっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)についてシミュレーションにより計算を行った時の電気抵抗率(Ω・cm)とめっき膜厚のばらつき(%)の関係を図14に示す。この図13と図14から得られた、多孔質構造体110の圧力損失とめっき膜厚のばらつきとの関係を図15に示す。
【0057】
このシミュレーションは、直径300mmのシリコン基板を、いわゆるフェイスアップ方式で保持して、基板表面(上面)に銅めっきを施すようにしたものである。基板として、その上面(めっき面)に導電層(シード層)としてルテニウム(Ru)の薄膜が形成されたものを想定し、めっき液は、銅イオン、硫酸、塩素イオンおよび添加剤(抑制剤・促進剤・平滑化剤)から調製され電気伝導度が23S/mであるものを想定している。このことは、以下の例においても同様である。
【0058】
めっき膜厚には、めっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)が2%以下の面内均一性が要求される。図15から、多孔質構造体110として、圧力損失が500kPa以上のものを使用することで、めっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)を2.0%以下に抑えて、めっき膜厚に要求される面内均一性を満足できることが判る。特に、圧力損失が1000kPa以上のものを使用することで、めっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)を1.2%以下に抑えて、膜厚の面内均一性を更に向上させることができる。めっき膜厚のばらつきを更に抑えるためには、多孔質構造体110として、圧力損失が1500kPa以上のものを使用することが好ましい。
【0059】
図16は、多孔質構造体110として、見掛気孔率が1〜30%のアルミナ製のものを使用し、カソード(第1の電極)88とアノード(第2の電極)98との間に所定の電流を流した時のカソード(第1の電極)88とアノード(第2の電極)98との間の電圧を測定し、前述と同様にして、得られた電圧と電流との関係から多孔質構造体110の電気抵抗率を算出した時の見掛気孔率(%)と電気抵抗率(Ω・cm)の関係を示す。この図16と、前述の図14から得られた、多孔質構造体110の見掛気孔率とめっき膜厚の関係を図17に示す。
【0060】
めっき膜厚には、めっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)が2%以下の面内均一性が要求される。図17から、多孔質構造体110として、見掛気孔率が19%以下のものを使用することで、めっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)を2%以下に抑えて、めっき膜厚に要求される面内均一性を満足できることが判る。更に、めっき膜厚のばらつきを更に抑えるためには、多孔質構造体110として、見掛気孔率が15%以下のものを使用することが好ましく、見掛気孔率が10%以下のものを使用することが更に好ましい。
【0061】
また、多孔質構造体110を構成する物質の抵抗率を1.0×10Ω・cm以上としたのは以下の理由による。すなわち、図18は、多孔質構造体110として、見掛気孔率が15%で、抵抗率が1.0×10〜1.0×10Ω・cmの炭化ケイ素製のものを使用し、カソード(第1の電極)88とアノード(第2の電極)98との間に所定の電流を流して、基板に銅めっきを行った時の電流と電圧の関係を示す。図18より、多孔質構造体110を形成している物質の抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であれば、電流と電圧が比例関係にあることが判る。また、その比例関係は、再現性があることが確かめられている。一方、多孔質構造体110を形成している物質の抵抗率が1.0×10以下の場合、ある電流以上で電圧が急激に上昇しており、更に電流と電圧の関係に再現性がなかった。
【0062】
従って、多孔質構造体110として、抵抗率が1.0×10以上のものを使用することで、めっき電流に対して常に再現性のある安定した電圧の下でめっきを行うことができる。更に、高電流でのめっきを考慮すると、多孔質構造体110として、抵抗率が1.0×10以上のものを使用することが好ましい。
【0063】
なお、多孔質構造体110として、内部をめっき液(電解液)で満たした状態での上下両面間における多孔質構造体110の全体の電気抵抗値A(Ω)が基板Wの表面のシード層(導電層)7のシート抵抗(電気抵抗)値B(Ω/□)に対して0.02倍以上(A/B≧0.02)に調整したものを使用してもよい。
これによっても、内部をめっき液(電解液)で満たした状態での上下両面間における多孔質抵抗体110の全体の電気抵抗値A(Ω)を、基板Wの表面に形成されたシード層7のシート抵抗値B(Ω/□)を無視できるよう、該シート抵抗値Bに対して充分に大きくし、基板表面における電場の状態を基板の全面に亘ってより均一にして、基板の表面に、膜厚の面内均一性のより高いめっき膜を形成することができる。これは、以下の理由による。
【0064】
図19は、シミュレーションにより、直径300mmのシリコン基板の表面に形成したルテニウムからなるシード層(導電層)のシート抵抗値B(Ω/□)に対する、内部をめっき液で満たした状態での上下両面間における多孔質抵抗体の全体の電気抵抗値A(Ω)の倍率R(=A/B)を0.002〜1倍(R<R<R<R)とした時の基板面内(半径方向)のめっき膜厚を解析した結果を示す。図20は、この解析結果から算出した、各電気抵抗の倍率Rにおけるめっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)を示す。
【0065】
めっき膜厚には、めっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)が2%以下の面内均一性が要求される。図20から、内部をめっき液で満たした多孔質構造体の上下面間における全体の電気抵抗値Aをシード層のシート抵抗(電気抵抗)値Bに対して0.02倍以上(A/B≧0.02)に調整することで、めっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)を2%以下に抑えて、めっき膜厚に要求される面内均一性を満足できることが判る。めっき膜厚のばらつきを更に抑えるためには、内部をめっき液で満たした多孔質構造体の上下面間における全体の電気抵抗値Aをシード層のシート抵抗(電気抵抗)値Bに対して0.04倍以上に調整することが望ましい。
【0066】
次に、前記実施の形態の電解めっき装置12を備えた基板処理装置の操作について説明する。
先ず、ロード・アンロード部10からめっき処理前の基板Wを搬送ロボット14で取出し、表面(被めっき面)を上向きにした状態で、フレームの側面に設けられた基板搬出入口から一方の電解めっき装置12の内部に搬送する。この時、基板保持部36は、下方の基板受渡し位置Aにあり、搬送ロボット14は、そのハンドが基板ステージ68の真上に到達した後に、ハンドを下降させることで、基板Wを支持腕70上に載置する。そして、搬送ロボット14のハンドを、前記基板搬出入口を通って退去させる。
【0067】
搬送ロボット14のハンドの退去が完了した後、飛散防止カップ40を上昇させ、同時に基板受渡し位置Aにあった基板保持部36を前処理・洗浄位置Cに上昇させる。この時、この上昇に伴って、支持腕70上に載置された基板は、位置決め板72と押付け片74で位置決めされ、チャック爪76で確実に把持される。
【0068】
一方、電極アーム部30の電極ヘッド28は、この時点ではめっき液トレー22上の通常位置にあって、多孔質構造体110あるいはアノード(第2の電極)98がめっき液トレー22内に位置しており、この状態で飛散防止カップ40の上昇と同時に、めっき液トレー22及び電極ヘッド28にめっき液の供給を開始する。そして、基板のめっき工程に移るまで、新しいめっき液を供給し、併せてめっき液排出管106を通じた吸引を行って、多孔質構造体110に含まれるめっき液の交換と泡抜きを行う。なお、飛散防止カップ40の上昇が完了すると、フレーム側面の基板搬出入口は飛散防止カップ40で塞がれて閉じ、フレーム内外の雰囲気が遮断状態となる。
【0069】
飛散防止カップ40が上昇するとプレコート処理に移る。即ち、基板Wを受取った基板保持部36を回転させ、待避位置にあったプレコート・回収アーム32を基板と対峙する位置へ移動させる。そして、基板保持部36の回転速度が設定値に到達したところで、プレコート・回収アーム32の先端に設けられたプレコートノズル64から、例えば界面活性剤からなるプレコート液を基板の表面(被めっき面)に間欠的に吐出する。この時、基板保持部36が回転しているため、プレコート液は基板Wの表面の全面に行き渡る。次に、プレコート・回収アーム32を待避位置へ戻し、基板保持部36の回転速度を増して、遠心力により基板Wの被めっき面のプレコート液を振り切って乾燥させる。
【0070】
プレコート完了後にめっき処理に移る。先ず、基板保持部36を、この回転を停止、若しくは回転速度をめっき時速度まで低下させた状態で、めっきを施すめっき位置Bまで上昇させる。すると、基板Wの周縁部は、カソード(第1の電極)88に接触して通電可能な状態となり、同時に基板Wの周縁部上面にシール材90が圧接して、基板Wの周縁部が水密的にシールされる。
【0071】
一方、搬入された基板Wのプレコート処理が完了したという信号に基づいて、電極アーム部30をめっき液トレー22上方からめっき処理を施す位置の上方に電極ヘッド28が位置するように水平方向に旋回させ、しかる後、電極ヘッド28を電極部38に向かって下降させる。この時、多孔質構造体110を基板Wの表面に接触することなく、0.5mm〜3mm程度に近接した位置とする。電極ヘッド28の下降が完了した時点で、 カソード88とアノード98との間にめっき電源114を投入し、めっき液注入部104から基板Wと多孔質構造体110との間の領域にめっき液を注入して該領域をめっき液で満たし、これによって、基板Wの表面(被めっき面)にめっき処理を施す。
【0072】
めっき処理が完了すると、電極アーム部30を上昇させ旋回させてめっき液トレー22上方へ戻し、通常位置へ下降させる。次に、プレコート・回収アーム32を待避位置から基板Wに対峙する位置へ移動させて下降させ、めっき液回収ノズル66から基板W上のめっき液の残液を回収する。この残液の回収が終了した後、プレコート・回収アーム32を待避位置へ戻し、基板めっき面のリンスのために、純水用の固定ノズル34から基板Wの中央部に純水を吐出し、同時に基板保持部36をスピードを増して回転させて基板Wの表面のめっき液を純水に置換する。このように、基板Wのリンスを行うことで、基板保持部36をめっき位置Bから下降させる際に、めっき液が跳ねて、電極部38のカソード88が汚染されることが防止される。
【0073】
リンス終了後に水洗工程に入る。即ち、基板保持部36をめっき位置Bから前処理・洗浄位置Cへ下降させ、純水用の固定ノズル34から純水を供給しつつ基板保持部36及び電極部38を回転させて水洗を実施する。この時、電極部38に直接供給した純水、又は基板Wの面から飛散した純水によってシール材90及びカソード(第1の電極)88も基板Wと同時に洗浄することができる。
【0074】
水洗完了後にドライ工程に入る。即ち、固定ノズル34からの純水の供給を停止し、更に基板保持部36及び電極部38の回転スピードを増して、遠心力により基板表面の純水を振り切って乾燥させる。併せて、シール材90及びカソード88も乾燥される。ドライ工程が完了すると基板保持部36及び電極部38の回転を停止させ、基板保持部36を基板受渡し位置Aまで下降させる。すると、チャック爪76による基板Wの把持が解かれ、基板Wは、支持腕70の上面に載置された状態となる。これと同時に、飛散防止カップ40も下降させる。
【0075】
以上でめっき処理及びそれに付帯する前処理や洗浄・乾燥工程の全て工程を終了し、搬送ロボット14は、そのハンドを基板搬出入口から基板Wの下方に挿入し、そのまま上昇させることで、基板保持部36から処理後の基板Wを受取る。そして、搬送ロボット14は、この基板保持部36から受取った処理後の基板Wをロード・アンロード部10に戻す。
【0076】
この実施の形態では、電解めっきについて説明したが、電流方向を逆転させれば、つまり、この装置をそのまま用い、電源の極性を反転させることで電解エッチングが可能であり、この場合、エッチングの均一性を向上させることができる。LSIにおける銅配線用のめっきプロセスでは、めっきプロセスの前後に逆電解をかけて電解エッチングを行うことが知られており、例えば、この装置を使用し、20mA/cmの電流密度で7.5秒めっきを施して50nmの銅めっき膜を形成し、電源の極性を反転させ、5mA/cmの電流密度で20秒エッチングを施して、33nmの銅めっき膜をエッチングし、しかる後、最終めっきを施すことで、均一にエッチングが行われて埋込み特性が向上することが確かめられている。
【0077】
なお、上記の例では、多孔質構造体110として、圧力損失が1500kPa、または見掛気孔率が10%で、抵抗率が1.0×10Ω・cmの炭化ケイ素製のものを使用した例を示しているが、圧力損失が500kPa以上、好ましくは1000kPa以上、更に好ましくは1500kPa以上、または見掛気孔率が19%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下で、抵抗率が、好ましくは1.0×10Ω・cm以上に調整した炭化ケイ素等の任意のもの、または、かさ比重及び吸水率の少なくとも一つを調整した任意のものを使用し、カソード(第1の電極)88とアノード(第2の電極)98との間に電圧を印加して、めっきを行うようにしてもよい。これにより、基板の表面における電場の状態が所望の状態になるようにして、電解めっき等の電解処理を行って、基板の表面の電解処理による処理状態を目的とする処理状態とすることができる。
【0078】
また、多孔質構造体110として、内部をめっき液(電解液)で満たした状態での上下両面間における多孔質構造体110の全体の電気抵抗値A(Ω)が基板Wの表面のシード層(導電層)7のシート抵抗(電気抵抗)値B(Ω/□)に対して0.02倍以上(A/B≧0.02)に調整したものを使用してもよい。
【0079】
図21は、それぞれ異なる電極ヘッドの変形例を示す。すなわち、図21(a)は、前述のめっき液供給管102(図10参照)に接続されて、めっき位置にある基板Wと多孔質構造体110で挟まれた領域にめっき液を注入するめっき液注入部104として、下部が矩形状に内方に屈曲したものを使用して、めっき液を基板Wの直径方向の内方に向けて噴出させて、多孔質構造体110の外周面に衝突させるようにした例を示す。また、図21(b)は、めっき液注入部104を、多孔質構造体110の側方に、内方に向け下方に傾斜させて配置し、このめっき液注入部104から噴出されるめっき液で該めっき液の一方向に向けた流れを積極的に作り出すようにした例を示す。
【0080】
図22は、本発明の他の実施の形態の電解めっき装置に適用した電解処理装置を示す。この電解めっき装置は、前記の図1乃至図12(主に図11)に示す実施の形態の電解めっき装置に下記の構成を付加したものである。
【0081】
即ち、電極ホルダ94には、基板Wを挟んで対向する位置に位置して、基板Wと多孔質構造体110との間に注入されためっき液を吸引するめっき液吸引部130がアノード98及び多孔質構造体110の側方に位置して設けられている。そして、めっき液タンク16(図1参照)には、内部に吐出側ポンプ132とフィルタ134を設置しためっき液供給ライン136の一端が接続され、このめっき液供給ライン136の他端はめっき液注入部104に接続されている。更に、めっき液タンク16には、内部に吸引側ポンプ138を設置しためっき液排出ライン140の一端が接続され、このめっき液排出ライン140の他端はめっき液吸引部130に接続されている。これによって、ポンプ132,138の駆動に伴って、めっき液タンク16内のめっき液が基板Wと多孔質構造体110とが対面する領域に供給され、この基板Wと多孔質構造体110とが対面する領域に供給されて基板Wとシール材90で区画された領域に溜められためっき液が再びめっき液タンク16に戻されるめっき液循環系142が構成されている。
【0082】
この例によれば、前述の実施の形態とほぼ同様に、基板保持部36がめっき位置B(図3参照)にある時に、基板保持部36で保持した基板Wと多孔質構造体110との隙間が、例えば0.5〜3mm程度となるまで電極ヘッド28を下降させ、この状態で、基板Wと多孔質構造体110との領域にめっき液注入部104からめっき液を注入して該領域をめっき液で満たしつつ基板Wとシール材90で区画された領域にめっき液を溜め、このめっき液をめっき液吸引部130から吸引して、つまり図23に示すように、基板Wと多孔質構造体110との間の領域を一方向に流れるめっき液で満たしながら、基板Wの表面(下面)にめっきを施す。
【0083】
このように、この例によれば、多孔質構造体110の内部に、絶縁体からなる電解液供給チューブ等の電界分布を乱す要因となるものを設ける必要をなくして、基板Wの全表面に亘る電界分布をより均一にするとともに、めっき液を注入する際に、多孔質構造体110で保持しためっき液が多孔質構造体110から漏れてしまうことを防止することができる。更に、基板保持部36で保持した基板Wと多孔質構造体110で挟まれた領域内に該多孔質構造体110の側方からめっき液を注入して循環させ、基板Wと多孔質構造体110との間を常にめっき液が流れるようにすることで、例えば電解めっきを行うときに、めっき液流れが止まってめっき膜が成膜されないめっき欠陥の発生を防止し、しかも基板を必要に応じて回転させることで、基板Wの中心部と周縁部をめっき液がより均一な速度で流れるようにすることができる。
【0084】
更に、この例では、前述のようにして循環させて使用されるめっき液中の溶存気体を除去する脱気装置が備えられている。すなわち、めっき液タンク16には、循環ポンプ141の駆動に伴ってめっき液タンク16内のめっき液を循環させる補助循環系路144が付設され、この補助循環系路144内に脱気装置146が設置されている。このように、脱気装置146で脱気した後のめっき液を循環させてめっき処理に使用することで、めっき液中の溶存気体がめっき液の注入に伴って気泡となってめっき液中に混入し、めっき液中に残ってしまうことを防止することができる。
【0085】
なお、このことは、前述の各実施の形態における基板と多孔質構造体の間に注入されてめっき処理に使用されるめっき液においても同様である。
上記の例では、銅めっきを行う電解銅めっき装置に適用した例を示しているが、銅の他に、Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Zn,Ga,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Tl,PbまたはBi、またはこれらの合金の電解めっきに適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施の形態の電解めっき装置(電解処理装置)を備えた基板処理装置の全体を示す平面図である。
【図2】図1に示す電解めっき装置の平面図である。
【図3】図1に示す電解めっき装置の基板保持部及び電極部の拡大断面図である。
【図4】図1に示す電解めっき装置のプレコート・回収アームを示す正面図である。
【図5】図1に示す電解めっき装置の基板保持部の平面図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】図5のC−C線断面図である。
【図8】図1に示す電解めっき装置の電極部の平面図である。
【図9】図8のD−D線断面図である。
【図10】図1に示す電解めっき装置の電極アーム部の平面図である。
【図11】図1に示す電解めっき装置の電極ヘッド及び基板保持部を概略的に示す電解めっき時における断面図である。
【図12】図1に示す電解めっき装置におけるめっき処理時の基板とシール材と電解液注入部との位置関係を示す図である。
【図13】圧力損失が100〜2800kPaの炭化ケイ素製の多孔質構造体を使用し、第1の電極と第2の電極との間に所定の電流を流した時の両電極間の電圧を測定し、得られた電圧と電流との関係から多孔質構造体の電気抵抗率を算出した時の圧力損失と電気抵抗率の関係を示すグラフである。
【図14】多孔質構造体の電気抵抗率と基板面内(半径方向)のめっき膜厚のばらつき(相対標準偏差)についてシミュレーションにより計算を行った時の電気抵抗率とめっき膜厚のばらつきの関係を示すグラフである。
【図15】図13と図14から得られた、多孔質構造体の圧力損失とめっき膜厚の関係を示すグラフである。
【図16】見掛気孔率が1〜30%のアルミナ製の多孔質構造体を使用し、第1の電極と第2の電極との間に所定の電流を流した時の両電極間の電圧を測定し、得られた電圧と電流との関係から多孔質構造体の電気抵抗率を算出した時の見掛気孔率と電気抵抗率の関係を示すグラフである。
【図17】図14と図16から得られた、多孔質構造体の見掛気孔率とめっき膜厚の関係を示すグラフである。
【図18】見掛気孔率が15%で、抵抗率が1.0×10〜1.0×10Ω・cmの炭化ケイ素製の多孔質構造体を使用し、第1の電極と第2の電極との間に所定の電流を流して、基板に銅めっきを行った時の電流と電圧の関係を示すグラフである。
【図19】シリコン基板の表面に形成したルテニウムからなるシード層(導電層)のシート抵抗値に対する、内部をめっき液で満たした状態での上下両面間における多孔質抵抗体の全体の電気抵抗値の倍率Rを0.002〜1倍(R<R<R<R)とした時の基板面内(半径方向)のめっき膜厚を解析した結果を示すグラフである。
【図20】図19の解析結果から算出した、各電気抵抗の倍率Rとめっき膜厚のばらつきの関係を示すグラフである。
【図21】電極ヘッドのそれぞれ異なる変形例を示す図である。
【図22】本発明の他の実施の形態の電解めっき装置(電解処理装置)の要部をめっき液(電解液)循環系とともに示す図である。
【図23】図22に示す電解めっき装置におけるめっき処理時の基板、シール材、電解液注入部及び電解液吸引部の位置関係を示す図である。
【図24】めっき処理によって銅配線を形成する例を工程順に示す図である。
【図25】従来の電解めっき装置を示す図である。
【図26】本発明に用いられる電解めっき装置の基本構成を示す図である。
【図27】図26に示す電解めっき装置の高抵抗構造体として、見掛気孔率が20%の多孔質構造体を使用して、現世代、次世代及び次々世代の半導体装置おける基板にめっきを行った時に予想されるめっき膜の膜厚分布を示すグラフである。
【符号の説明】
【0087】
7 シード層(導電層)
10 ロード・アンロード部
12 電解めっき装置(電解処理装置)
16 めっき液タンク
18 めっき液供給設備
20 基板処理部
28 電極ヘッド
30 電極アーム部
36 基板保持部
38 電極部
68 基板ステージ
70 支持腕
76 チャック爪
80 押圧棒
88 カソード(第1の電極)
90 シール材
94 電極ホルダ
98 アノード(第2の電極)
102 めっき液供給管
104 めっき液注入部
106 めっき液排出管
110 多孔質構造体
112 シールドリング
114 電源
130 めっき液吸引部
136 めっき液供給ライン
140 めっき液排出ライン
142 めっき液循環系
144 補助循環系路
146 脱気装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持部と、
基板と接触して基板の表面に通電させる第1の電極と、
前記基板保持部で保持した基板の表面に対面する位置に配置される第2の電極と、
前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に配置される圧力損失が500kPa以上の多孔質構造体と、
前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に電解液を注入する電解液注入部と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電源を有することを特徴とする電解処理装置。
【請求項2】
前記多孔質構造体は、圧力損失が1000kPa以上であることを特徴とする請求項1記載の電解処理装置。
【請求項3】
基板を保持する基板保持部と、
基板と接触して基板の表面に通電させる第1の電極と、
前記基板保持部で保持した基板の表面に対面する位置に配置される第2の電極と、
前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に配置される見掛気孔率が19%以下の多孔質構造体と、
前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に電解液を注入する電解液注入部と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電源を有することを特徴とする電解処理装置。
【請求項4】
前記多孔質構造体の見掛気孔率は、15%以下であることを特徴とする請求項3記載の電解処理装置。
【請求項5】
基板を保持する基板保持部と、
基板と接触して基板の表面に通電させる第1の電極と、
前記基板保持部で保持した基板の表面に対面する位置に配置される第2の電極と、
前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に配置され、内部を電解液で満たした状態での上下両面間における全体の電気抵抗値が基板表面の導電層のシート抵抗値に対して0.02倍以上の多孔質構造体と、
前記基板保持部で保持した基板と前記第2の電極との間に電解液を注入する電解液注入部と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電源を有することを特徴とする電解処理装置。
【請求項6】
前記多孔質構造体は、抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電解処理装置。
【請求項7】
前記多孔質構造体は、炭化ケイ素、表面を酸化処理した炭化ケイ素、アルミナまたはプラスチックのいずれか一つ、またはそれらの組合せからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電解処理装置。
【請求項8】
電解処理が、Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Tl,PbまたはBi、またはこれらの合金の電解めっき、または電解エッチングであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電解処理装置。
【請求項9】
第1の電極に接触させた基板の表面と該基板の表面に対面する位置に配置させた第2の電極との間に電解液を満たし、
前記電解液中に、見掛気孔率を19%以下に調整するか、圧力損出を500kPa以上に調整するか、または比重及び吸水率の少なくとも一方を調整した多孔質構造体を配置し、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することを特徴とする電解処理方法。
【請求項10】
前記多孔質構造体の見掛気孔率を19%以下に調整するに際し、該見掛気孔率を15%以下に調整することを特徴とする請求項9記載の電解処理方法。
【請求項11】
前記多孔質構造体の圧力損失を500kPa以上に調整するに際し、該圧力損失を1000kPa以上に調整することを特徴とする請求項9記載の電解処理方法。
【請求項12】
第1の電極に接触させた基板の表面と該基板の表面に対面する位置に配置させた第2の電極との間に電解液を満たし、
前記電解液中に、見掛気孔率を19%以下に調整するか、または内部を電解液で満たした状態での上下両面間における全体の電気抵抗値が基板表面の導電層のシート抵抗値に対して0.02倍以上となるように調整するか、または比重及び吸水率の少なくとも一方を調整した多孔質構造体を配置し、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することを特徴とする電解処理方法。
【請求項13】
前記多孔質構造体は、抵抗率が1.0×10Ω・cm以上であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の電解処理方法。
【請求項14】
前記多孔質構造体は、炭化ケイ素、表面を酸化処理した炭化ケイ素、アルミナまたはプラスチック、またはそれらの組合せからなることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の電解処理方法。
【請求項15】
電解処理が、Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Tl,PbまたはBi、またはこれらの合金の電解めっき、または電解エッチングであることを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の電解処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate