説明

靴のスタッドとレセプタクルとの組合わせ構造

【課題】靴のスタッドとレセプタクルの接続・ロック手段で、全ての用途において、十分な固定的接続、又は緩みに対する適切な抵抗を提供する。
【解決手段】靴のスタッドは、地面係合部を含んでおり、回転によって、2つの構成要素の他方に設けられたスクリューねじ付きソケット7に挿入されるようになっているスクリューねじ付きスピゴットと、相互係合してアッセンブリの緩みに抵抗するように配置されている両構成要素のロック手段と、を備えている多条ねじ式接続によって、一体に固定されるようになっており、ロック手段は、一次ロック手段14と、少なくとも1つの二次ロック部材32と、を備えており、一次ロック手段は、両構成要素の一方から軸方向に伸張するポストの輪と、他方の構成要素上の歯15の輪と、を備えており、ポストは歯の間に係合し、前記又は各二次ロック部材は、ポストと係合して、一次ロック手段の相互係合を維持するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フットボールブーツやゴルフシューズ等のスポーツシューズや、芝生の上で競技又は実施する他のスポーツ又は活動用のシューズの様な、スタッド付きの履き物に関している。「フットボール」という用語は、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボール及びオーストラリアンフットボールの様な、フットボールとして知られている全てのスポーツを包含するものである。
【背景技術】
【0002】
スタッドは、牽引力を提供するものであって、対象のスポーツに適した型式の地面係合部を有している。スタッドは、スタッドのスクリューねじが切られたスピゴットを、靴底に成形又は固定されているレセプタクルの対応するねじが切られているソケットに係合させることによって、履き物の靴底に取り外し可能に締結される。
【0003】
スクリューねじ式の接続は、スタッドが、強い力が掛かっても所定の位置に留まり、特に偶然に緩まないことを保証できるように設計しなければならない。既知のスタッドは、一条ねじ又は多条ねじの何れかを有している。一条ねじは、最も簡単なねじの形態で、緩める際の抵抗が多条ねじよりも大きい。また、一条ねじは、スピゴットとソケットのねじを何回か回すことで、強い接続を提供する。しかしながら、スタッドの取り付け及び取り外しに必要な回転数のために、取り外して取替えるのは、時間の掛かる作業になる。多条ねじは螺旋角度が急なので、どの様な所与の長さのスピゴットでも、少ない回転数でソケットに挿入することができる。更に、多条ねじは、一条ねじよりも深くカットされているため、ねじ山のせん断強度が大きくなるので、短いスピゴットを使用することができる。
【0004】
一条ねじ又は多条ねじの何れが用いられているかに関わらず、スタッドとソケットには、スタッドの偶然の緩みを防ぐためにロックラチェットが組み込まれている。通常、スタッドとソケットは、それぞれ一組の歯を有しており、スタッドがソケットに挿入されると相互係合する。歯の配列によって、スタッドは、完全に挿入されたときには、ソケットに対する数多くの位置の内の何れか1つの位置に納まることになる。ここに述べるスクリューねじとロックラチェットは、靴底に対するスタッドの回転の向きが重要でない場合には極めて妥当なものである。
【0005】
しかしながら、スタッドに掛かる力が、比較的高く、横方向の力又は靴の装着者の急激な前方加速による力の様な特定の型式の力であるようなスポーツでは、特定の方向に向いたスタッドが、より効果的である。(「特定の方向に向いたスタッド」という用語は、非回転対称のスタッド、又は回転対称であるが、靴底に対する向きがかなり大きいスタッドを含めて用いる。)特定の方向に向いたスタッドは、所望の様式で確実に作動するようにするため、靴底に対して極めて正確に(即ち、1つの固有の方向に)向けなければならない。
【0006】
スクリューねじとロックラチェットは、この正確な向きを提供するために開発された。WO02/39840号では、レセプタクル上の導入傾斜路、凹部、及び停止手段と係合するスタッド上の半径方向の突起を備えたロック手段が開示されている。このロック手段は、スタッドをレセプタクルに締め付けたときに、スタッドがレセプタクルに対し確実に特定の向きとなるようになっている。
【特許文献1】国際公開第02/39840号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このロック手段は、全ての用途において、十分な固定的接続、又は緩みに対する適切な抵抗を提供できていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、靴のスタッドとレセプタクルの組み合わせにおいて、靴のスタッドは、地面係合部を含んでおり、これら2つの構成要素は、2つの構成要素の一方に設けられたスクリューねじ付きスピゴットであって、回転によって、2つの構成要素の他方に設けられたスクリューねじ付きソケットに挿入されるようになっているスクリューねじ付きスピゴットと、相互係合してアッセンブリの緩みに抵抗するように配置されている両構成要素のロック手段と、を備えている多条ねじ式接続によって、一体に固定されるようになっており、ロック手段は、一次ロック手段と、少なくとも1つの二次ロック部材と、を備えており、一次ロック手段は、両構成要素の一方から軸方向に伸張するポストの輪と、他方の構成要素上の歯の輪と、を備えており、ポストは歯の間に係合し、前記又は各二次ロック部材は、ポストと係合して、一次ロック手段の相互係合を維持するようになっている。
【0009】
二次ロック部材の、一次ロック手段のポストとの係合は、確実に一次ロック手段が固定されるようにする。従って、ロック手段は、両構成要素の緩みに抵抗し、スタッドの、レセプタクルに対する最終的な向きが確実に決定されるようにする。従って、スタッドは、レセプタクルに対して、ひいては靴底に対して、特定の向きに向けられる。
【0010】
ポストの半径方向内側の表面は、通常、ポストの間と係合するようになっている。前記又は各二次ロック部材は、少なくとも1つのポストの半径方向外側の表面と係合するようになっているのが望ましい。これは、ポストと歯の間の相互係合を促進する。
【0011】
少なくとも1つの二次ロック部材は、レセプタクルに設けられており、ポストは、スタッドに設けられているのが望ましい。
二次ロック部材は、1つのポスト、又は輪状に配置された複数の円周方向に間隔を空けて配置されているポストを備えている。前記又は各二次ロック部材は、対応するポストの半径方向外側の表面と係合するのが望ましい。
【0012】
二次ロック部材は、少なくとも1つの鉤形の部材を備え、配置は、スピゴットが所定の軸方向位置までソケットにねじ込まれると、少なくとも1つの鉤形の部材が、ポストの少なくとも1つと係合し、それを部分的に取り囲むようになっているのが望ましい。鉤形の部材は、従って、半径方向に伸張する部分と、円周方向に伸張する部分とを備えている。鉤形の部材は、更に、一旦単数又は複数のポストが鉤形の部材と係合すると、両構成要素は、それ以上互いにねじ込むことはできないので、ロックしていることを表示するという利点を有している。
【0013】
鉤形の部材の半径方向及び円周方向に伸張する部分は、両方共、対応するポストと係合するようになっている。代わりに、スタッドがレセプタクルと完全に係合しているときは、円周方向に伸張する部分だけが、対応するポストに接触するようになっていてもよい。半径方向に伸張する部分は、例えば、螺合接続の過剰な締付を防ぐために、所定の回転量の後にのみポストと係合するストッパとなっていてもよい。従って、スタッドがレセプタクルと完全に係合しているときは、鉤形の部材の円周方向に伸張する部分だけが、一次ロック手段の相互係合を維持する。
【0014】
ポストは、鉤形の部材の半径方向内側の表面の切り込みに係合するようになっている突起を含んでいるのが望ましい。突起は、ポストが二次ロック部材と相互係合するのを支援し、固定接続を確かなものにする。
【0015】
3つの二次ロック部材が設けられているのが望ましい。二次ロック部材は、円周方向に等間隔に配置されているのが望ましい。
6つのポストが輪状に配置されて備えられているのが望ましい。従って、3つの二次ロック部材が設けられている場合は、1つ置きのポストと係合するようになっている。
【0016】
螺合接続は、二次ロック部材が同じポストと確実に係合するようになっているのが望ましい。従って、二次ロック部材が係合するようになっているポストだけが、突起を有している。
【0017】
多条ねじは、スタッドの取り付け取り外しに必要な回転数を少なくするため、二条、三条、又はそれ以上の多条でもよい。或る好適な実施形態では、ねじは三条ねじで、スタッドを半分の回転で取り付けることができ、取り外しと取り付けが容易になっている。
【0018】
螺合接続は、ねじ山と溝の1つを他と異なるものにして、鍵と、相補形の鍵穴となるようにすることによって、スタッドのレセプタクルに対する最初の位置を決める手段を提供するのが望ましい。。
【0019】
鍵は、一方の構成要素上の拡大ねじ山と、他方の構成要素上の対応する拡大溝と、を備えている。拡大ねじ山は、拡大溝にしか嵌合せず、従って最初の位置が決まる。或いは、鍵は、一方の構成要素上の架橋ねじ山と、他方の構成要素上の取り除かれたねじ山と、を備えている。この場合、一方の構成要素では、2つの隣接するねじ山の頂の間の間隔は充填されており、他方の構成要素では、2つの隣接する根元の間のねじ山が取り除かれている。これは、スタッドのソケットに対する必然的な最初の向きを作り出す。
【0020】
従来は、鍵はレセプタクルに、鍵穴はスタッドに設けられている。代わりに、鍵をスタッドに設け、鍵穴をレセプタクルに設けてもよい。
本発明の第2の態様は、特に靴のスタッドに関する。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、多条スクリューねじ付きソケットを備えたレセプタクルを有するスタッド付きの履き物と共に使用するスタッドは、ソケットのスクリューねじと相補形の多条スクリューねじを備えたスピゴットを有しているので、スピゴットをソケットに回転挿入すると、スタッドがソケットに固定され、スピゴットは、螺旋形の鍵と相補形の鍵穴の内の一方の構成要素を有しており、他方の構成要素はレセプタクルに設けられ、スタッドは、ロック手段の一部を有し、ロック手段は、構成要素の一方から軸方向に伸張するポストの輪及び歯の輪と、他方の構成要素上の少なくとも1つの二次ロック部材を備えており、配置は、ポストが歯の間に係合するようになっており、前記又は各二次ロック部材は、一次ロック手段の相互係合を維持するため、ポストと係合するようになっている。
【0022】
二次ロック部材は、スピゴットが所定の軸方向位置までソケットにねじ込まれると、ポストの少なくとも1つと係合してこれを部分的に取り囲む鉤形の部材を備えているのが望ましい。鉤形の部材は、半径方向に伸張する部分と円周方向に伸張する部分を備えているのが望ましい。
【0023】
本発明の第3の態様は、スタッド付きの履き物に組み込むためのレセプタクルに関しており、レセプタクルは、スタッドを受け入れるようになっている。
本発明の第3の態様によれば、スタッド付きの履き物に組み込むためのレセプタクルは、靴のスタッドのスピゴットを受け入れるようになっている多条スクリューねじ付きソケットを有しており、スピゴットは、ソケットのスクリューねじと相補形の多条スクリューねじを有しているので、スピゴットをソケットに回転挿入すると、スタッドがソケットに固定され、レセプタクルは、螺旋形の鍵と、相補形の鍵穴の内の一方の構成要素を有しており、他方の構成要素はスピゴットに設けられ、レセプタクルは、ロック手段の一部を有し、ロック手段は、構成要素の一方から軸方向に伸張するポストの輪及び歯の輪と、他方の構成要素上の少なくとも1つの二次ロック部材を備えており、配置は、ポストが歯の間に係合するようになっており、前記又は各二次ロック部材は、一次ロック手段の相互係合を維持するため、ポストと係合するようになっている。
【0024】
本発明の第4の態様によれば、靴のスタッドとレセプタクルの組み合わせにおいて、靴のスタッドは、地面係合部を含んでおり、2つの構成要素は、2つの構成要素の一方に設けられたスクリューねじ付のスピゴットであって、回転によって、他方の構成要素に設けられたスクリューねじ付ソケットに挿入されるようになっているスクリューねじ付のスピゴットと、相互係合してアッセンブリの緩みに抵抗するように配置されている両構成要素のロック手段と、を備えている多条ねじ付の接続によって一体に固定されるようになっており、ロック手段は、構成要素の一方から軸方向に伸張するポストの輪と、他方の構成要素上の歯の輪と、を備えており、ポストの輪は歯の間に係合し、少なくとも1つの半径方向に伸張する停止部材は、アッセンブリが完全に相互係合しているときには、対応するポストのストッパを形成するようになっている。
【0025】
半径方向に伸張する停止部材は、スタッドとレセプタクルが確実に十分に係合しているようにする明確なストッパを提供するので、アッセンブリが頑丈であることを保証する。停止部材は、例えば、ねじに過剰な応力を掛けることになりかねない過剰な締め付けに対して追加的な弾性を提供する。
【0026】
ポストの輪は、そこに、少なくとも1つの半径方向に伸張する停止部材を受け入れるための少なくとも1つの間隙を有しており、停止部材は、少なくともアッセンブリが完全に相互係合しているときは、少なくとも部分的には間隙を通って伸張するようになっているのが望ましい。
【0027】
停止部材は、歯の輪から半径方向に外向きに伸張しているのが望ましい。停止部材は、歯と歯の間に形成されている凹部に隣接して伸張しているのが望ましい。
停止部材は、スタッドとレセプタクルが完全に相互係合しているときには、対応するポストに当接しているのが望ましい。
【0028】
3つの停止部材を設けてもよい。停止部材は、円周上に等間隔で配置されるのが望ましい。ポストの輪は、停止部材を受け入れるため適切な位置に間隙を有しているのが望ましい。
【0029】
6つのポストは、輪状に配置されているのが望ましい。従って、3つの停止部材が設けられている場合は、1つ置きのポストと係合するようになる。
螺合接続は、停止部材が確実に同じポストと係合するようになっているのが望ましい。
【0030】
スタッドの取り付け取り外しに必要な回転数を少なくするため、多条ねじは、二条、三条、又はそれ以上の多条でもよい。或る好適な実施形態では、ねじは三条ねじで、スタッドを半分の回転で取り付けることができ、取り外しと取り付けが容易になっている。
【0031】
螺合接続は、ねじ山と溝の1つを他と異なるものにして、鍵と、相補形の鍵穴となるようにすることによって、スタッドのレセプタクルに対する最初の位置を決める手段を提供する。
【0032】
鍵は、一方の構成要素上の拡大ねじ山と、他方の構成要素上の対応する拡大溝と、を備えている。拡大ねじ山は、拡大溝にしか嵌合せず、従って最初の位置が決まる。或いは、鍵は、一方の構成要素上の架橋ねじ山と、他方の構成要素上の取り除かれたねじ山と、を備えている。この場合、一方の構成要素では、2つの隣接するねじ山の頂の間の間隔は充填されており、他方の構成要素では、2つの隣接する根元の間のねじ山が取り除かれている。これは、スタッドのソケットに対する必然的な最初の向きを作り出す
従来は、鍵はレセプタクルに、鍵穴はスタッドに設けられている。代わりに、鍵をスタッドに設け、鍵穴をレセプタクルに設けてもよい。
【0033】
半径方向に伸張する停止部材は、ロック手段の相互係合を維持するために対応するポストと係合する円周方向に伸張する部分を含んでいる。停止部材と円周部分は、鉤形の部材の形態をしている。鉤形の部材は、対応するポスト上の突起と係合するようになっている切り込みを含んでいる。切り込みと突起の係合は、スタッドとレセプタクルの緩みに対する抵抗を増大させる。
【0034】
本発明の第5の態様は、特に靴のスタッドに関する。
本発明の第5の態様によれば、多条スクリューねじ付きソケットを備えたレセプタクルを有するスタッド付きの履き物と共に使用するスタッドは、ソケットのスクリューねじと相補形の多条スクリューねじを備えたスピゴットを有しているので、スピゴットをソケットに回転挿入すると、スタッドがソケットに固定され、スピゴットは、螺旋形の鍵と相補形の鍵穴の内の一方の構成要素を有しており、他方の構成要素はレセプタクルに設けられ、スタッドは、スタッドがレセプタクルから緩むのに抵抗するため相互係合するよう配置されているロック手段の一部を有しており、ロック手段は、構成要素の一方から軸方向に伸張するポストの輪と、他方の構成要素上の歯の輪と、を備えており、ポストの輪は、歯の間に係合し、少なくとも1つの半径方向に伸張する停止部材は、アッセンブリが完全に相互係合しているときには、対応するポストのストッパを形成するようになっている。
【0035】
二次ロック部材は、スピゴットが所定の軸方向位置までソケットにねじ込まれると、ポストの少なくとも1つと係合してこれを部分的に取り囲む鉤形の部材を備えているのが望ましい。
【0036】
本発明の第6の態様は、スタッド付きの履き物に組み込むための、スタッドを受け入れるようになっているレセプタクルに関している。
本発明の第6の態様によれば、スタッド付きの履き物に組み込むためのレセプタクルは、靴のスタッドのスピゴットを受け入れるようになっている多条スクリューねじ付きソケットを有し、スピゴットは、ソケットのスクリューねじと相補形の多条スクリューねじを有しているので、スピゴットをソケットに回転挿入すると、スタッドがレセプタクルに固定され、レセプタクルは、螺旋形の鍵と相補形の鍵穴の内の一方の構成要素を有しており、他方の構成要素はスピゴットに設けられ、レセプタクルは、スタッドがレセプタクルから緩むのに抵抗するため相互係合するように配置されているロック手段の一部を有しており、ロック手段は、構成要素の一方から軸方向に伸張するポストの輪と、他方の構成要素上の歯の輪と、を備えており、ポストの輪は、歯の間に係合し、少なくとも1つの半径方向に伸張する停止部材は、アッセンブリが完全に相互係合しているときには、対応するポストのストッパを形成するようになっている。
【0037】
本発明の第7の態様によれば、多条スクリューねじ付きソケットを備えたレセプタクルを有しているスタッド付きの履き物と共に使用するスタッドは、ソケットのスクリューねじと相補形の多条スクリューねじを備えたスピゴットを有しているので、スピゴットをソケットに回転挿入すると、スタッドがソケットに固定され、スピゴットは、螺旋形の鍵と相補形の鍵穴の内の一方の構成要素を有しており、他方の構成要素はレセプタクル上に設けられ、スタッドは、ロック手段の一部を有しており、ロック手段は、構成要素の一方から軸方向に伸張するポストの輪と、他方の構成要素上の歯の輪と、を備えており、ポストは、歯の間に係合するようになっており、ポストの輪は、スタッドに固定されるようになっている別体の部材に取り付けられている。
【0038】
本発明の第8の態様によれば、我々は、多条スクリューねじを有するスピゴットを含んでいるスタッドを提供しており、スピゴットは、螺旋形の鍵又は相補形の鍵穴の何れか1つを有しており、スタッドは、そこから軸方向に伸張するポストの輪を有しており、ポストの輪は、スピゴットから半径方向に間隔を空けて配置されており、ポストは、半径方向外側の面を有しており、ポストの少なくとも1つは、その半径方向外側の面上に突起を有している。
【0039】
本発明の第9の態様によれば、我々は、多条スクリューねじを有するスピゴットを含んでいるスタッドを提供しており、スピゴットは、螺旋形の鍵又は相補形の鍵穴の何れか1つの構成要素を有しており、スタッドは、そこから軸方向に伸張するポストの輪を有しており、ポストの輪は、第1ポストと第2ポストを備えており、第1ポストは、第2ポストより実質的に小さい軸方向の高さを有している。
【0040】
これは、スタッドの製造を容易にし、頑丈なロック手段を提供する。
ポストの少なくとも1つは、軸方向高さが傾斜しているのが望ましい。これは、以下に述べるように、スタッドとレセプタクルを連結し易くする。
【実施例】
【0041】
図1と図2は、ゴルフシューズ(図示せず)の様なスポーツ靴の靴底又はかかとに成形されているか又は取り付けられているレセプタクル1を示している。スタッド2は、図3に示されており、図4に示しているように、回転させてレセプタクル1に挿入するようになっている。レセプタクル1とスタッド2は、それらを一体に固定する一次ロック手段14と二次ロック部材32の対応する部品を有している。
【0042】
図1と図2のレセプタクルは、プラスチック材料を一体成形したものである。レセプタクルは、円形の上部プレート3を有しており、そこから中央のボス4が垂下している。レセプタクル1は、通常はモールド成形によって、ゴルフ又は他のスポーツシューズの靴底又はかかとに組み込まれるようになっている。レセプタクル1は、上部プレート3によって靴底又はかかとに錨着され、上部プレート3は、これを支援する孔5を含んでいる。
【0043】
ボス4は、頑丈な円筒形の壁6を有しており、その内側は、スタッド2のスピゴット8を受け入れるようになっている雌ねじのスクリューねじ付ソケット7を形成している。ソケット7は、三条ねじを有しており、ねじ山の1つ9は、他の2つ10に比べて半径方向に大きくなっている。壁6の半径方向外側の表面13は、一次ロック手段14の一部で、軸方向に伸張し、表面13から半径方向外向きに突き出ている歯15の輪として形成されている。歯15は、ソケット7の軸に平行な方向に伸張するリブの形をしている。歯15は、丸みを帯びた縁部16、16’を有しており、ソケット軸の回りに一様に配置されており、図示の実施形態では6つの歯がある。従って、凹部33は歯15の間に画定され、壁6が凹部33の基底を形成している。
【0044】
レセプタクル1は、更に、鉤形の部材32の形をした二次ロック部材を含んでいる。3つの鉤形の部材32は、図では、一つ置きに歯15からボス4の回りに突き出ている。鉤形の部材32は、先ず歯15の縁部16から半径方向に伸張し、その後、円周方向に、反対側の縁部16’によって画定される凹部33の端部と実質的に円周方向に整列するように伸張している実質的にL字型の突起で構成されている。従って、鉤形の部材32は、半径方向部39と円周方向部40とを含んでおり、それらは、凹部33でロック凹部34を画定している。鉤形の部材32は、更に、凹部33に面する切り込み35を有している。切り込み35は、円周方向部40の内側に向いた表面に、軸方向の溝を形成している。円周方向部40の自由端は、ロック凹部34に向けて傾斜している湾曲した導入面36を有している。鉤形の部材32は、更に、半径方向部39と円周方向部40との間の接合部から円周方向に、円周方向部40が伸張している方向とは反対に伸張している伸張部38を含んでいる。伸張部38は、鉤形の部材32に弾性を加え、半径方向と円周方向の両方に更なる安定性を提供する。
【0045】
図3に示しているスタッド2は、回転させて、図1と図2に示しているレセプタクル1内に装着するようになっている。スタッド2は、円形のフランジ17を備えたプラスチック材料の一体成形品である。フランジ17の下側には、地面係合形成物(見えない)が設けられている。
【0046】
スピゴット8は、フランジ17の上側から突き出ており、雄ねじのスクリューねじを有している。スピゴット8の雄ねじのスクリューねじは、比較的急ならせん角度を有する三条ねじなので、スタッド2は、半回転でレセプタクル1に挿入することができる。スタッド2の雄ねじは、拡大溝12を含んでいる。溝12は、他の2つの溝18よりも半径方向に深くなっており、レセプタクル1のスクリューねじの拡大ねじ山9と相補形となっている。ねじ山9と溝12は、鍵と鍵穴を形成して、スタッド2とレセプタクル1が特定の向きでしかねじ込めないようにして、スタッド2のレセプタクル1に対する最初の位置を確実に画定できるようにしている。
【0047】
スタッド2は、スタッド2をレセプタクル1内に固定し、且つレセプタクルに対するその最終的な位置を画定する、ロック手段14の他方の部分を有している。スタッド2上のロック手段14は、レセプタクル1の歯15の輪の間に嵌るようになっている、弾性ポスト19の輪を備えている。
【0048】
弾性ポスト19は、フランジ17の上側から軸方向に伸張している。ポスト19は、スピゴット8を取り囲んでおり、スピゴット8と同心の輪を形成している。ポスト19は、2つの種類、即ち3つの第1ポスト20と3つの第2ポスト21を備えている。第1と第2ポスト20、21は、スピゴット8の回りに交互に配置されており、全て半径方向に弾性をがある。
【0049】
各ポスト19の軸方向の長さは、スピゴット8の軸方向高さの約半分であるが、第1ポスト20は、軸方向高さに傾斜が付いている。従って、第1ポスト20は、スタッドをレセプタクルに挿入する方向に関して前縁部22と後縁部23を有しており、後縁部23は、前縁部22より軸方向高さが低い。第1ポスト20の半径方向外側の表面24は弓形であり、第2ポスト21の外側表面25は、これも弓形であるが、半径方向に伸張する丸みを帯びた突起26を有している。突起26は、第2ポスト21の全高に亘って軸方向に伸張している。全ポスト19の上面27は、スピゴット8に向かって上向きに角度が付いているので、各ポスト19の半径方向内側の表面28は、外側表面24より軸方向高さが高い。各ポスト19の半径方向内側の表面28は、全体としてはスピゴット8に向かって凸であり、中央の凸状領域29と、スピゴット8に向かって実質的に真っ直ぐな輪郭を有する第1円周方向端部30と、スピゴット8に向かって急な凹状の輪郭を有する第2円周方向端部31と、を備えている。端部30は、図では真っ直ぐな輪郭を有しているが、凹状でもよいものと理解されたい。スタッド2の挿入時には、第1端部30は前端で、第2端部31は後端であり、取り外すときには逆になる。第1端部30の凹状の輪郭は、スタッド2を挿入する際の抵抗が小さく、第2端部31の輪郭は、取り外す際の抵抗が大きい。
【0050】
歯15の半径方向突起の、ソケット軸からの距離は、ポスト19の半径方向内側表面の、第1円周方向端部30での対応する距離と実質的に等しい。従って、歯15とポスト19の間には半径方向の干渉があり、スタッド2とレセプタクル1の相対回転に摩擦抵抗を引き起こす。
【0051】
スタッド2は、スピゴット8をソケット4へ挿入することによって装着される。拡大ねじ山9と拡大溝12があるため、スピゴット8とソケット4のねじが係合を開始できる位置は1つしか無い。スタッド2を回転させると、スピゴット8がソケット4内に引き込まれ、スピゴット8をねじ込むにつれて、歯15はポスト19と係合し始める。回転は、歯15の一連のポスト19との係合によって抵抗を受ける。歯15は実質的に圧縮できないので、ポスト19が弾性的に半径方向に撓んで、歯15がポスト19を通過して動けるようにする。ポスト19の半径方向内側の表面は、歯15が、比較的容易にポスト19を通過できるような輪郭になっているが、スピゴット8が更にソケット4の中に進むにつれ、ポスト19は撓みにくくなる。
【0052】
ポスト19と鉤形の部材32の軸方向の高さは、スピゴット8をソケット4へ挿入開始する時には、第1ポスト20が鉤形の部材32の上を通過する関係にある。しかしながら、スピゴット8とソケット4が完全な係合に向けて互いに引き付けられるにつれて、ポスト19と鉤形の部材32の間の軸方向の離間距離は小さくなる。第1ポスト20は、上面27が傾斜しているため、この相互係合の最終段階では、鉤形の部材32と接触せずに通過することができる。この様に、前縁部22と後縁部23の間の軸方向高さの差は、スピゴット8がソケット4と係合してその中にねじ込まれることにより発生する、ポスト20と鉤形の部材32の間の軸方向の離間距離の変化に相当する。
【0053】
スピゴット8をソケット4に対して更に回転させると、軸方向に離間状態にあった第2ポスト21と鉤形の部材32は、係合を開始する。第2ポスト21の前縁部20が、先ず鉤形の部材32の端部36に当接する。鉤形の部材32は、半径方向外向きに弾性的に撓んで、第2ポスト21をロック凹部34に入れることができるようになっている。ポスト21は、ロック凹部34に入ると、鉤形の部材32の半径方向部39のストッパ37に当接する(図4に最も明白に示している)。従って、鉤形の部材32が、第2ポスト21を部分的に取り囲むことになる。更に、係合位置では、突起26が相補形の切り込み35内に入り込み、第2ポスト21と鉤形の部材32の間の係合を更に強化する。第2ポスト21が鉤形の部材32と係合しているときは、第1ポスト20の中央の凸領域29は、歯15の間の凹部33と係合している。従って、スタッド2は、レセプタクル1に完全に挿入され、歯15の第1と第2ポスト20、21の間の相互係合と、鉤形の部材32の第2ポスト21との相互係合とによって、固定されている。従って、鉤形の部材32は、ポスト21の動きに半径方向及び円周方向の抵抗を付与して、スタッド2とレセプタクル1が確実にしっかりと係合されるようにする。
【0054】
この様に、スタッド2のレセプタクル1に対する初期位置は、ねじ山9と溝12によって決まる。この実施形態では、最終的な位置は、ねじ山とロック手段14の長さによって決まり、この位置では、第2ポスト21が鉤形の部材32のストッパ37に当接して、最終な位置では、スタッド2がレセプタクル1に対して確実に正確に向くようにしている。
【0055】
図5と図6は、レセプタクル1の二次ロック部材32とスタッド2のポスト19の第1の修正例を示している。レセプタクル1とスタッド2の残りの機構は、先の実施形態と同じなので、同じ参照番号を用いている。図5では、半径方向部39と円周方向部40を備えているL字型の鉤形の部材32の形をした、第1の実施形態と実質的に同じ、3つの二次ロック部材がある。半径方向部39は、歯15の1つから縁部16に隣接して半径方向外向きに伸張している。円周方向部40は、半径方向部39から円周方向に伸張して、自身と凹部33の間に、半径方向部39とも協同で、ロック凹部34を形成している。円周方向部40の自由端は、ロック凹部34に向いて傾斜している湾曲した導入面36を有している。しかしながら、第1の修正例には、切り込み35が無く、従って、円周方向部40の内向きの表面41は中断されていない。図1と図2に示している伸張部38も、この実施形態には無い。伸張部38は、在るのが望ましいが、鉤形の部材32の弾性に不利益な影響が無しに省けることが分かっている。
【0056】
図6は、図4と同様に、レセプタクル1がスタッド2と相互係合しているときの断面を示している。この図は、ポスト19が、修正された二次ロック部材32と係合させるために修正された、その形態を示している。ポスト19は、第1ポスト20と第2ポスト21を備えており、両者は、断面では形状が同じである。従って、図3に示している実施形態と比べると、第2ポスト21は、半径方向に伸張する丸みを帯びた突起26を有しておらず、その様な突起が係合するための切り込みも無い。代わりに、第2ポスト21の弓形の外側表面25は、各部が相互係合しているときは、鉤形の部材32の内向きの表面41に当接しているだけである。しかしながら、第1及び第2ポスト20、21の上面27の高さと傾斜については、第1実施形態に関連して説明した通りである。
【0057】
スタッドとレセプタクルが係合しているとき、鉤形の部材の表面41は第2ポスト21の表面25と接触しているように示されているが、二次ロック手段の円周方向部40は、そこから間隔を空けて配置されていてもよいものと理解されたい。アッセンブリが係合解除されるとき、スタッド2はレセプタクル1に対して回され、その際、ポスト19は、歯15に乗り上げるにつれ半径方向外向きに撓む。この様に、円周方向部40の間隔は、係合解除の際に、ポストが半径方向外向きに撓むと、ポスト21に接触するようになっている。鉤形の部材32は、従って、ポスト21を歯15の間に保持する支援をするので、アッセンブリが緩むのに抵抗する手段となる。鉤形の部材32は、切り込み35が無いために、半径方向の抵抗は図4の実施形態より小さいが、一次ロック手段の分離に対する円周及び半径方向の抵抗を提供する。
【0058】
図7と図8は、二次ロック部材32の第2の修正例を示している。先の2つの実施形態と同様に、レセプタクル1は実質的に同一で、対応する部分には対応する参照番号を用いている。しかしながら、この実施形態では、二次ロック部材は、円周方向のロック部材42を備えている。円周方向のロック部材42は、図1に示している鉤形のロック部材の円周方向部40の形をしている。この様に、第1の実施形態と比べると、鉤形の部材32の半径方向部39は省略されている。
【0059】
3つの円周方向のロック部材42は、図示の様に、円周方向に互いに等間隔に配置され、それぞれ凹部33から半径方向に間隔を空けて配置されている。各円周方向のロック部材42の自由端36、43は、凹部33のそれぞれの縁部16、16’と実質的に円周方向に整列している。この様に、円周方向のロック部材42と凹部33は、ロックチャネル44を画定している。円周方向のロック部材42も、凹部33の反対側に切り込み35を有している。切り込み35は、円周方向のロック部材42の内向きの表面に軸方向の溝を構成している。円周方向のロック部材42の端部36は、ロックチャネル44に向かって傾斜している湾曲した導入面を有している。なお、図7に示している実施形態は、伸張部38を有していない。しかしながら、円周方向ロック部材42の端部43から円周方向に伸張する伸張部38を、含んでいてもよい。
【0060】
図8は、図7の実施形態がスタッド2と係合している状態を示している。図8に示しているポスト19は、第1の実施形態に関連して述べたものと同じである。レセプタクル1とスタッド2が一体にねじ込まれるとき、第2ポスト21の先端30が、先ず円周方向のロック部材42の端部36に当接する。円周方向のロック部材42は、弾性的に半径方向外向きに撓んで、第2ポスト21をロックチャネル44に入れることができるようになっている。スタッド2とレセプタクル1とが完全に係合したことを、ねじ9、12が保証するタイミングは、ポスト21がロックチャネル44内にあるときである。係合解除の際にポストが半径方向外向きに撓むときには、円周方向のロック部材42は、ポスト21の動きに抵抗するようになっている。円周方向のロック部材42は、従って、ポスト21を歯15の間に保持する支援をするので、アッセンブリが緩むのに抵抗する手段となる。ロック部材42は、ポスト21の動きに対する半径方向の抵抗と、突起26と切り込み35の間の係合による幾らかの円周方向の抵抗とを提供する。
【0061】
図9と図10は、図7と図8に示している円周方向のロック部材42の修正例を示している。この実施形態では、円周方向のロック部材42は、切り込み35を有していない。従って、スタッド2の第2ポスト21は、対応する突起26を有していない。レセプタクル1とスタッド2の残りの部分は、先の実施形態と同じである。
【0062】
円周方向部40に関連して先に述べたように、スタッド2とレセプタクル1が一体に組み合わされたとき、円周方向のロック部材42がポスト21に接触している必要はない。ロック部材42は、ポスト21の動きに対する半径方向の抵抗を作り出し、ロック部材42とポスト21の間の摩擦は、円周方向の抵抗を作り出す。
【0063】
図11と図12は、二次ロック部材が停止部材50に取り替えられた第4の修正例を示している。3つの停止部材50が、図示の様に互いに等角度に間隔を置いて配置されている。各停止部材50は、歯15の1つから縁部16に隣接して半径方向に伸張している。従って、第1の実施形態と比べて、鉤形の部材32の円周方向部40が省略されている。
【0064】
スタッド2がレセプタクル1にねじ込まれると、第2ポスト21が停止部材50に当接するので、停止部材50は、最終的な端部位置となる。停止部材50は、ねじ山9、12に過度の応力を加えることになりかねない過度の締付に対し追加的弾性も提供する。
【0065】
図12に示しているように、第1及び第2ポスト20、21は、第2ポスト21が丸みを帯びた突起26を含んでいるように示されている。理解頂けるように、丸みを帯びた突起26は省略することができ、第2ポスト21は、図6に関連して述べた形を有していてもよい。更に、ポスト19の輪は、ポスト19の間に、停止部材50を受け入れる間隙51を有している。ねじ山9、12は、タイミング調整されており、ポスト19は、スタッド2とレセプタクル1の相互係合の最終段階で停止部材50が間隙51内に入り込むような軸方向高さを有している。従って、第1ポスト20は、その上面27が傾斜しているため、この相互係合の最終段階で、停止部材50を接触せずに通過することができる。その後、更に回転させると、停止部材50が間隙51内に引き込まれ、第2ポスト21に当接して、スタッド2のレセプタクル1との完全係合が画定される。
【0066】
図13と図14は、スタッド2の代替実施形態を示しており、ポスト19の輪は、別体の輪状部材60に取り付けられている。輪状部材60は、軸方向に貫通する6つの孔62を有する基部61を備えている。孔62は、輪状基部61の回りに等間隔に配置されており、輪60をスタッド1の残りの部分に固定する役目を果たすのに用いられる。基部61は、更に、ポストを形成する直立突起63を有している。突起63は、基部61から軸方向に突き出ていてV字型をしており、V字型のポストは、輪60の中心を「指している」。輪60の外縁部64は、V字型ポスト63が周縁を形成しているV字型の切り込みを有している。輪の中心の穴65は、輪状部材60をレセプタクル1に取り付けるときに、スピゴット8が貫通するようになっている。輪状部材60は、その目的の用途に適していれば、金属でもプラスチックでもよい。
【0067】
スタッド2の円形のフランジ17も、輪状部材60を受け入れるため修正されている。円形のフランジ17は、輪状部材60に対応する輪郭と、基部61の厚さに実質的に一致する深さと、を有する凹部66有している。凹部は、更に、そこから突き出ていて、リング60をレセプタクルに取り付けるときに孔62を貫通する、取り付けラグ67を有している。ラグ67の、孔62との相互係合によって、各部品が一体に保持される。
【0068】
図15と図16のスタッド2は、図13と図14に示したのと実質的に同様であり、従って、同様の機構に同じ参照番号を当ている。しかしながら、図15と図16では、ポスト63は、先に述べたのと同様に、第1ポスト68と第2ポスト69を備えているように示されている。第1ポスト68は、軸方向高さに傾斜が付いており、従って、傾斜の付いた上面70を有している。従って、第1ポスト68は、スタッド2のレセプタクル1への挿入方向に対して、前縁部71と後縁部72を有しており、後縁部72は、前縁部71より軸方向高さが低い。
【0069】
第1ポスト68は、上面70に傾斜が付いているので、相互係合の最終段階で、鉤形の部材32に接触せずに通過することができる。この様に、前縁部71と後縁部72の間の軸方向高さの差は、スピゴット8がソケット4と係合してその中にねじ込まれることによって作り出される、ポスト63と鉤形の部材32の間の軸方向の離隔距離の変化と一致する。
【0070】
ポスト63を、スタッドに取り付けられる別体の部材の上に示してきたが、別体の部材を、レセプタクル1の円形上部プレート3の上に受け入れられるようにしてもよいものと理解されたい。
【0071】
本発明の様々な態様は、単なる例示として、以下の添付図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】レセプタクルの第1の実施形態の平面図である。
【図2】図1のレセプタクルの断面斜視図である。
【図3】スタッドの第1の実施形態の斜視図である。
【図4】図3のスタッドと図1のレセプタクルが一体に係合したときの断面を示している。
【図5】レセプタクル上の二次ロック部材の修正例を示している。
【図6】図5の修正済みレセプタクルがスタッドと係合したときの断面を示している。
【図7】レセプタクル上の二次ロック部材の第2修正例を示している。
【図8】図7の修正済みレセプタクルがスタッドと係合したときの断面を示している。
【図9】レセプタクル上の二次ロック部材の第3修正例を示している。
【図10】図9の修正済みレセプタクルがスタッドと係合したときの断面を示している。
【図11】レセプタクル上の二次ロック部材の第4修正例を示している。
【図12】図11の修正済みレセプタクルがスタッドと係合したときの断面を示している。
【図13】スタッド上のポストの輪が別体の構成要素に取り付けられている修正例の分解図を示している。
【図14】図13の修正例の組み立て図を示している。
【図15】図13と図14に示したポストの輪の、更なる修正例の分解図を示している。
【図16】図15の修正例の組み立て図を示している。
【符号の説明】
【0073】
1 レセプタクル
2 スタッド
7 ソケット
8 スピゴット
14 一次ロック手段
15 歯
19、20、21 ポスト
32 二次ロック部材、鉤形の部材
37 止め
39 半径方向に伸張する部分
40 円周方向に伸張する部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴のスタッドとレセプタクルとの組合わせ構造において、前記靴のスタッドは、地面係合部を含んでおり、前記2つの構成要素は、前記2つの構成要素の一方に設けられたスクリューねじ付きスピゴットであって、回転によって、前記構成要素の他方に設けられたスクリューねじ付きソケットに挿入されるようになっているスクリューねじ付きスピゴットと、相互係合してアッセンブリの緩みに抵抗するように配置されている前記構成要素のロック手段と、を備えている多条ねじ式接続によって、一体に固定されるようになっており、前記ロック手段は、一次ロック手段と、少なくとも1つの二次ロック部材と、を備えており、前記一次ロック手段は、前記構成要素の一方から軸方向に伸張するポストの輪と、他方の前記構成要素上の歯の輪と、を備えており、前記ポストは前記歯の間に係合し、前記又は各二次ロック部材は、ポストと係合して、前記一次ロック手段の相互係合を維持するようになっている、組合わせ構造。
【請求項2】
前記1つの二次ロック部材又は各二次ロック部材は、少なくとも1つの前記ポストの半径方向外側の表面と係合するようになっている、請求項1に記載の組合わせ構造。
【請求項3】
前記少なくとも1つの二次ロック部材は前記レセプタクル上に設けられており、前記ポストは前記スタッド上に設けられている、請求項1又は2に記載の組合わせ構造。
【請求項4】
前記二次ロック部材は、1つのポスト、又は、複数の円周方向に間隔を空けて輪状に配置されているポストを備えている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の組合わせ構造。
【請求項5】
前記二次ロック部材は、少なくとも1つの鉤形の部材を備えており、その配置は、前記スピゴットが前記ソケットに所定の軸方向位置までねじ込まれると、前記少なくとも1つの鉤形の部材が、前記ポストの少なくとも1つと係合してこれを部分的に取り囲むようになっている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の組合わせ構造。
【請求項6】
前記鉤形の部材は、半径方向に伸張する部分と、円周方向に伸張する部分と、を備えている、請求項5に記載の組合わせ構造。
【請求項7】
前記スタッドが前記レセプタクルと完全に係合しているときには、前記円周方向に伸張する部分だけが、対応するポストと接触するようになっている、請求項6に記載の組合わせ構造。
【請求項8】
前記半径方向に伸張する部分は、所定の回転量の後でポストと係合するストッパを提供している、請求項6に記載の組合わせ構造。
【請求項9】
前記螺合接続は、前記二次ロック部材を確実に同じポストと係合させるようになっている、請求項1乃至8の何れか1項に記載の組合わせ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−160113(P2007−160113A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−337057(P2006−337057)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(505175065)プライド マニュファクチャリング カンパニー エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】Pride Manufacturing Company, LLC
【住所又は居所原語表記】10 North Main Street, Burnham, Maine 04922, U.S.A.
【Fターム(参考)】