説明

食塩の量を減らした風味調味料を生成するための組成物および方法

本発明は、食品の風味付けに使用される食塩の量を減少させる減塩代替物を含有する風味調味組成物を提供する。より具体的には、本組成物は、(a)香味料、流動化剤、増量剤、結合剤及び/又は保存剤を含む風味調味混合物、並びに(b)塩化カリウム、及び苦味阻害剤であるタウリン及び5’−アデノシン酸、5’−イノシン酸及び/又は5’−グアニル酸を含有する塩代替物を含有する。更に、本発明は、これらの組成物を含有する食品、これらの組成物を使用する方法、及びこれらの組成物を調製する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ポテトチップス及びその他のフライド若しくはベイクドスナック、ポップコーン、又は風味調味料が使用されるその他の食品の減塩風味調味組成物に関する。より具体的には、本発明は、(a)調味混合物、及び(b)塩代替物を含む風味調味料及び食品組成物に関する。調味混合物は、香味料及びその他の成分を含む。塩代替物は、塩化カリウム、及び塩化ナトリウムの代替物として食品で使用される塩化カリウムの苦味を抑えて塩味を増す苦味阻害剤を含む。更に、本発明は、これらの風味調味料及び食品組成物を使用する方法、並びにこれらを調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
味覚は、人々に心地よい食事経験を与えることの他に、様々な副次的影響を伴った重大な生物学的意義を有する。味覚は人間やその他の動物に多くの手がかりを与える。例えば、味覚能力により我々は、傷んだ又は腐った食品を判別し、カロリー面又は栄養面の価値に釣り合うとされる満足感をもたらす。
【0003】
一般的に、味覚には、甘味、酸味、苦味、塩味及び旨みからなる5種類があると考えられている(非特許文献1)。これらは、食欲をそそる味覚としての塩味、甘味及び旨みと、嫌悪を感じる味覚としての苦味及び酸味に更に分類することができる。食欲をそそる味覚は心地よく、栄養分を含有する食品に起因する。嫌悪を感じる味覚は、毒性の化合物から誘発される場合があり、そのため不健康又は危険な食品の摂取を思い留まらせることによって動物を保護する。これらの味覚はそれぞれ、「味物質」と呼ばれる場合がある物質によって生じる。
【0004】
塩味物質として周知のものは、塩化ナトリウム(即ち、一般的な食卓塩であるNaCl)である。塩化ナトリウムは、数多くの種類の食品、香辛料及び飲料に含まれる。塩化ナトリウムは又、食品、香辛料及び飲料を更に美味にするために、これらに添加される。残念ながら、ナトリウムを過剰摂取すると、高血圧及び心疾患のリスクを高める可能性がある。ナトリウムは1日当たり2400mgを超えて摂取すべきではないと国立衛生研究所が推奨しているにもかかわらず、調査によると米国人はこの量をはるかに超えて摂取していることが明らかになっている。事実、米国人はこの1日当たりの推奨摂取量の2倍以上を摂取している。この事実により、ナトリウム量の少ない塩代替物を開発する取組みが推進されてきた。
【0005】
一つの手法には、塩化ナトリウムを塩味付与剤として塩化カリウムに部分的又は完全に代える手法がある(非特許文献2)。市販される塩化カリウム製品には、Cardia Salt(登録商標)、No Salt(登録商標)、Morton Salt Substitute(登録商標)(特許文献1)、及びAlsoSalt(登録商標)(特許文献2)がある。このような製品の多くは、L−リジンのような、塩化カリウムの不快な味を変化させるか隠蔽する物質を含む。
【0006】
近年の栄養学における指針では、食事中のナトリウム量(主に塩化ナトリウムとして摂取)を減らすだけでなく、食事中のカリウム量を増やす必要があることが示唆されている(Colorado State University Cooperative Extension−Nutrition Resources: Fact Sheet No. 9.355 “Potassium and Health” by J. Andersonら、 (accessed May 15, 2005))。カリウムは、神経機能、筋肉制御及び血圧に関与する。体内のカリウム量が不足すると、例えば運動中の筋痙攣又は不整脈を引き起こす場合がある(同上)。
【0007】
従って、食事中の塩化カリウムを塩化ナトリウムに代えることによって、少なくとも2つの健康上の利益がもたらされる。第一の利点は、ナトリウムの摂取量を抑えて、高血圧及びそれに伴う心疾患のリスクを低下させるという点であり、第二の利点は、現代の大半の食事では推奨量以下となっているカリウムの摂取量を増加させるという点である。このような利益が考えられるにもかかわらず、カリウムは強い苦味を有することから、塩化カリウムを塩化ナトリウムに代える手法には、大きな障害が立ちはだかる。
【0008】
食用の塩化カリウム塩代替物の開発を妨げるもう一つの障害とは、食品又は飲料に添加する香味料が、FEMA GRAS(FEMAによって「一般的に安全と認められる物質」)の指針を満足するか、米国食品医薬局の承認を得なければならないという要件である。カリウムの苦味を阻害するのに使用される場合がある物質は、これらの指針を満足しなければならない。FEMA GRASの認可を得ていない苦味阻害剤を使用すれば、よりよい塩代替物及びそれらを含む風味調味組成物を開発しようとする飲食品メーカーには、開発費の増大と、市場投入の遅れを招くことになる。
【0009】
塩化カリウムの苦味を消そうとする試みでは、これまでに2種類の手法が採られてきた。一つは、苦味を隠蔽する「隠蔽剤」を使用する手法である。このような隠蔽剤とは、オニオン、ガーリック、パプリカ、赤唐辛子、チリパウダー及びその他のスパイス等の風味が強い成分である。これらの混合物の中で幅広く受け入れられているものはなく、それはおそらく、カリウムの苦味が依然として検知できるためであると思われる。第二の手法は、別の不快な味を加えることなくカリウムの苦味を抑える化合物を使用する手法である。特許文献3(Kurtzら、)では、タウリンを適性量使用すれば、別の不快な味を加えることなく塩化カリウムの苦味を抑えることができることが開示されている(全文が参考として援用されている特許文献3を参照)。
【0010】
苦味を抑える(例えば、味受容器の活性化を阻害する)化合物を同定する方法は、全文が参考として援用されているMargolskee等の特許文献4に記載されている。このような方法により、「苦味阻害剤」の候補として、5’−アデノシン酸(AMP)及び5’−イノシン酸(IMP)といった化合物が同定されている。
【0011】
塩化カリウムの苦味を抑えるか隠蔽するために塩代替物での使用が提案されたその他の化合物の例には、フマル酸(特許文献1)、ラクトース、及び/又はデキストロース及び酒石英(特許文献5)、リン酸カリウム(特許文献6)、自己分解酵母(特許文献7)、リジン一塩酸塩(特許文献2)、並びに硫酸塩含有塩及び塩化物含有塩の特定の組み合わせ(特許文献8)が含まれる。
【0012】
塩代替物中のカリウムの苦味を阻害するこれまでの手法は、消費者を満足させるレベルにまで苦味を低減させていないことから、現在のところ成功に至っていない。そのため、塩化カリウムの望ましくない苦味が依然として問題となっている。現に、幾つかの大手飲食品メーカーは、健康的な食品と識別する食品中で許容される最大ナトリウム量を低減しようとする規制に反対しており、それはなぜならこのような食品は消費者の口に合わず、塩化ナトリウムの望みある代替物が存在しないためであるとしている(ナトリウムレベルをより制限しようとするFDAの規制案に関して、2004年11月30日にConAgra FoodsがFDAに宛てた見解、及び2003年7月10日にQuaker Foods & BeveragesがFDAに宛てた見解を参照)。
【特許文献1】米国特許第3,505,082号明細書
【特許文献2】米国特許第5,897,908号明細書
【特許文献3】米国特許第5,631,299号明細書
【特許文献4】米国特許第6,540,978号明細書
【特許文献5】米国特許第3,860,732号明細書
【特許文献6】米国特許第4,243,691号明細書
【特許文献7】米国特許第4,297,375号明細書
【特許文献8】米国特許第6,541,050号明細書
【非特許文献1】McGregor,R., Food Technol.(2004)58(5):24−30
【非特許文献2】Kuramitsu,R. Advances in Exp. Med. Biol.(2004)542:227−238
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、食品用の減塩風味調味組成物を提供する。これらの風味調味組成物又はそれらを含有する食品組成物は、a)香味料及びその他の成分を含む調味混合物、並びにb)塩化カリウム(KCl)及び苦味阻害剤を含む塩代替物を含む。これらの阻害剤は、タウリン又はその生理学的に許容される塩と、5’−アデノシン酸(AMP)、5’−イノシン酸(IMP)、AMPとIMPの組み合わせ、AMP、IMP及び5’−グアニル酸(GMP)の組み合わせ、又はそれらの生理学的に許容される塩を含む5’−ヌクレオチド一リン酸との混合物を含む。本発明は又、風味調味組成物及び食品を使用する方法、並びにこれらの組成物及び食品を製造する方法を含む。
【0014】
塩化ナトリウムを含有する既存の調味料の代替物として美味の減塩風味調味組成物を提供することにより、本発明は、個体のナトリウムの摂取量を減少させ、カリウムの摂取量を増加させることで、より健康的な食事にすることができる。
【0015】
本発明は、既存の風味調味料及びそれらを含有する食品の欠点を解決する。なぜなら、本発明の組成物は、同程度の塩味を維持しながらこのような組成物中のナトリウム量を有意に減少させるためである。
【0016】
本発明の別の利益は、苦味を抑えるために専らAMPを使用した、KClで塩味を付けた風味調味組成物の安価な代替物を提供するという点である。特に、本発明は、AMPが唯一の苦味阻害剤である組成物ほどAMPを必要としない。なぜなら、本発明は、タウリン及びその他の5’−ヌクレオチド一リン酸でAMPを補うか、これを交換するためである。AMPはタウリン、並びにIMP及びGMPといったその他の5’−ヌクレオチド一リン酸に比べて著明に高価であることから、本発明は、口に合うだけではなくコスト面でも優れた、風味調味組成物又はこれで調味した食品を提供する。
【0017】
更に、KCl、タウリン、AMP、IMP及びGMPは、既にFEMA GRASの指針を満足するものとして許容されている。
【0018】
本発明は、(a)香味料、流動化剤(flow agent)、結合剤を含む調味混合物、並びに(b)塩代替物が塩化カリウム、タウリン又はそれらの生理学的に許容される塩、及び5’−アデノシン酸(AMP)若しくは5’−イノシン酸(IMP)又はそれらの生理学的に許容される塩を含む塩代替物、を含む風味調味組成物を提供する。この調味混合物は又、結合剤、担体、増量剤、賦形剤及び保存剤を含有する場合もある。この塩代替物は又、AMPとIMPの組み合わせ、又はAMP、IMP及びGMPの組み合わせを含有する場合もある。
【0019】
本発明は又、香味料が、チーズ香味料、肉(meaty)香味料、にんにく(alliaceous)香味料、タンギー(tangy)香味料、スパイス(spicy)香味料、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される組成物も提供する。
【0020】
本発明は又、チーズ香味料がナッチョ、チェダー、ホワイトチェダー、ブルー、モツァレラ、アジアーゴ(asiago)、アメリカン、ブリック、ブリー、フェタ、イタリアン、モンテレー、ジャック、ムンスター、プロヴォローネ、リコッタ、ロマノ、スイス、タコ又はパルメザンからなる群から選択される組成物も提供する。
【0021】
本発明は又、組成物がスナック(プレッツェル、ポップコーン、ピザ、クラッカー、カール(curl)、パフ、ドードル(doodle)、ポテトチップス、トルティーヤチップス、コーンチップス)、ソース、コーン、パスタ又は犬用ビスケットである、風味調味料を含む組成物も提供する。
【0022】
本発明は更に、組成物の重量比として香味料を約60%〜約99%、流動化剤を約2%以下、結合剤を約30%以下、及び塩代替物を約1%〜約5%含む組成物も提供する。
【0023】
又、本発明は、塩代替物の重量比として、タウリンを約2%〜約15%、AMPを約1%〜約8%、IMPを約4%以下、及びGMPを約4%以下含む組成物も提供する。
【0024】
更に、本発明は、(a)チーズ香味料、タンギー香味料、にんにく香味料、流動化剤及び結合剤を含む調味混合物、並びに(b)塩化カリウム、タウリン、並びにAMP、IMP及びGMPを含む5’−ヌクレオチド一リン酸を含む塩代替物を含む組成物も提供する。
【0025】
本発明は又、組成物の重量比として、チーズ香味料を約60%〜約90%、タンギー香味料を約1%〜約10%、及びにんにく香味料を約10%以下含む組成物も提供する。
【0026】
本発明は又、個体の食事中のナトリウム摂取量を減少させ、カリウム摂取量を増加させる方法であって、本発明の風味調味組成物又は食品を個体に投与することを含む方法を提供する。
【0027】
本発明の別の態様は、本発明の風味調味組成物を調製する方法であって、塩代替物と調味混合物を混合することを含む方法である。
【0028】
本発明の別の態様は、本発明の組成物を調製する方法であって、調味混合物、又は調味混合物の個々の成分、及び塩代替物を特定の順序を定めずに食品に添加することを含む方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(発明の詳細な説明)
本発明は、食品に使用する風味調味組成物であって、香味料、流動化剤及び結合剤を含む調味混合物;KCl、タウリン又はそれらの生理学的に許容される塩含む塩代替物;並びにAMP、IMP、AMPとIMPの組み合わせ、及びそれらの生理学的に許容される塩からなる群から選択される5’−ヌクレオチド一リン酸塩を含む組成物を提供する。本組成物は又、GMP又はその生理学的に許容される塩を含有する場合もある。本発明は又、このような組成物を使用する方法、並びに本発明の組成物を製造する方法も含む。
【0030】
本発明は又、調味混合物及び塩代替物を含有する食品も含む。風味調味混合物は、既存の組成物として食品に添加される場合もあれば、調味混合物の個々の成分及び塩代替物が別々に添加される場合もある。
【0031】
本明細書では、調味料業界の用語を幾つか使用している。このような用語に適用される範囲を含め、本明細書及び特許請求の範囲の理解を明確にし、一貫させるため、以下に定義を記載する。
【0032】
本明細書で使用される「風味調味組成物」という用語は、所望の風味を生成するために食品に添加される組成物である。この組成物は、調味混合物及び塩代替物を含有する。
【0033】
本明細書で使用される「調味混合物」という用語は、風味調味組成物を調製するために使用される塩代替物を除いた、その他全ての成分及び構成要素を含む組成物である。このような成分には香味料が含まれる他、増量剤、流動化剤、担体、結合剤及び保存剤も含まれる場合がある。例えば、調味混合物は具体的に「チーズ風味調味混合物」である場合がある。
【0034】
本明細書で使用される「香味料」という用語は、食品に特定の味又は匂いを付ける添加剤であり、天然成分に由来するか、人工的に生成される。これには、チーズ香味料(例えば、ナッチョ、イエローチェダー、ホワイトチェダー、ブルー、モツァレラ又はパルメザン)、肉香味料(例えば、ビーフ、ステーキ、チキン、熏製、メスキート、バーベキュー、シーフード)、にんにく香味料、及びタンギー香味料(例えば、クエン酸、ビネガー、レモン及び香草)が含まれるが、これらに限定されない。例えば、香味料は「チーズ香味料」である場合もあれば、「肉香味料」である場合もあり、或いは香味料の組み合わせである場合もある。
【0035】
本明細書で使用される「塩代替物」という用語は、KCl、タウリン又はそれらの生理学的に許容される塩、並びにAMP、IMP及び/又はGMP、それらの混合物、及びその生理学的に許容される塩からなる群から選択される5’−ヌクレオチド一リン酸塩の組成物である。
【0036】
本明細書で使用される「タウリン」という用語は、2−アミノエタンスルホン酸又はその生理学的に許容される塩である。この塩はナトリウムであってもよければ、非ナトリウム塩であってもよい。
【0037】
本明細書で使用される「5−ヌクレオチド一リン酸塩」という用語は、5’−イノシン酸(IMP)、5’−グアニル酸(GMP)及び5’−アデニル酸(AMP)、それらの生理学的に許容される塩、或いは酸及び/又は塩の混合物である。これらの塩はナトリウムであってもよければ、非ナトリウム塩であってもよい。
【0038】
本明細書で使用される「食品」という用語は、食品のナトリウム量を減少させるが塩味は維持するために、塩代替物を含有する風味調味組成物が添加される場合がある組成物である。このような食品には、例えば、ベイクド又はフライドスナック(例えば、プレッツェル、ポップコーン、ピザ、クラッカー、カール、パフ、ドードル、ポテトチップス、トルティーヤチップス、コーンチップス)、ソース、コーン、パスタ、犬用ビスケット等が含まれる。
【0039】
本明細書で使用される「味物質」という用語は、対象において味覚を引き起こす化合物又は分子複合体である。例えば、本明細書で使用される「苦味物質」は、対象において苦味の知覚を引き起こす化合物又は分子複合体と定義される。苦味物質の例には、KCl、安息香酸デナトニウム、塩酸キニーネ、塩酸ストリキニーネ、ヘミ硫酸ニコチン、塩酸アトロピン、スパルテイン、ナリンギン、カフェイン酸(カフェイン)、キナクリン、及びエピカテキンが含まれるが、これらに限定されない(参考として本明細書で援用される、Mingら、, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96:9903−9908 (1999)を参照)。
【0040】
本明細書で使用される「風味調節剤(tastand)」という用語は、不快な味を有する味物質と共に適切な濃度で摂取された場合に、その使用量においてそれ自体の味を引き出すことなくその不快な味を消去するか実質的に減少させる化合物である。苦味物質の苦味の知覚を低下させるか排除する風味調節剤の例は、具体的に「苦味阻害剤」と呼ばれる。このような苦味阻害剤の例には、タウリン、AMP、IMP及びGMPが含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書で使用される「旨み」という用語は、食肉、チキンコンソメ、並びにグルタミン酸一ナトリウムを含有する調味料に伴うような、美味として知覚される風味として定義される。
【0042】
本明細書で使用される「有効量」という用語は、以下の実施例に記載する感覚分析実験で評価される通り、味の知覚に主観的且つ有意に影響を及ぼす量である。所望の作用には、苦味の知覚の減少、塩味の知覚の増加、及び旨み又は美味の知覚の増加が含まれるが、これらに限定されない。組成物の有効性は、例えば、2つの試料(例えば、KCl+タウリン+AMPを含有する減塩のナッチョチーズ風味チップス、及びNaClを含有するナッチョチーズ風味チップス)において、苦味、塩味及び旨み等の味属性の審査員一団が付けるスコアを比較することによって判定される。
【0043】
本明細書で使用される「個体」という用語は、ヒト、又は猫若しくは犬等のその他の哺乳動物として定義される。
【0044】
本明細書で使用される「投与」という用語は、本発明の組成物を個体が単独で、又は別のものと一緒に摂取することとして定義される。
【0045】
本発明は、風味食品に使用する調味混合物及び塩代替物を含む風味調味組成物を含む。本組成物は、調味混合物、並びにタウリン、5’−ヌクレオチド一リン酸塩及びKClを含む塩代替物を含む場合がある。
【0046】
本発明は、KClの苦味を減少又は排除して、KClの塩味を増加させることによって、KClを含有する塩代替物又は風味食品の味を改良するために使用される場合がある。
【0047】
苦味物質が保存剤である場合は、本発明の苦味阻害剤が風味食品への組入みを可能にするか、容易にし、それによって食品の安全性を向上させる場合がある。栄養補助食品として投与される風味食品の場合、風味調味組成物及び塩代替物に苦味阻害剤を組み込むで、摂取が促進され、それによってこれらの組成物が対象に栄養又はカロリーを提供する有効性が向上する。
【0048】
本組成物を調製するには、何れの許容される方法を使用してもよい。本発明の組成物は、香味料、流動化剤、増量剤、担体、結合剤及び保存剤を含む調味混合物と、KCl、タウリン又はその生理学的に許容される塩、及び5’−ヌクレオチド一リン酸塩又はその生理学的に許容される塩を含む塩代替物とを組み合わせることによって、調製される場合がある。これらの成分は一緒に混合される場合もあれば、食品に添加する前に風味調味混合物のその他の成分と混合される場合もあり、或いはそれぞれが個別に食品に添加される場合もある。これらの成分は粉末の形態で添加される場合もあれば、液体の形態で添加される場合もある。
【0049】
調味混合物と塩代替物の混合比は、調味混合物及び塩代替物の使用目的に合わせて適応させることができる。例えば、塩代替物には、特定の用途並びに最終製品で所望のNaCl削減量に応じた任意の比率の通常の食卓塩(NaCl)が含まれる場合がある。このため、減塩及び減塩代替物という用語には、ナトリウムを少量含有するか、全く含有しない組成物の両方が含まれる。
【0050】
スープ及びソース等の液体食品においては、正確な量及び比率の固形物が液体のスープ、ソース又はその他の調理済み食品に添加される。チップス、パフ及びドードルといった塩味のベイクド又はフライドスナックでは、風味調味組成物の成分が、個別に又は混合された風味調味組成物として、塩味スナックを含むその他の成分に調理前に添加される場合がある。或いは、風味調味組成物の成分は、予め調理したチップス、パフ及びドードルに、水、油、又は塩味スナック表面への風味調味組成物の沈着を支援するのに当業者に既知のその他幾つかの組成物を使用して、噴霧される場合がある。風味調味組成物の成分は又、スナックに乾燥した顆粒又は粉末の風味調味組成物を振り掛けるか、撒き散らすことにより、予め調理したチップス、パフ及びドードルに塗布される場合もある。卓上調味料を調製するには、成分を、食品業界で一般的に使用され、食品配合物の当業者に既知の非粘性物質又はその他の物質と共に、正確な比率で液体に混合した後、乾燥させて挽く場合がある。或いは、液体混合物を噴霧乾燥させ、卓上調味料として好適な粉末状の固形物を形成し、固形の塩代替物として包装することができる。
【0051】
本発明の組成物は、調味混合物、並びにKCl、タウリン及び5’−ヌクレオチド一リン酸塩を含む塩代替物を含む風味調味組成物として、或いはこれらの成分を含む食品として包装される場合がある。本組成物は、包装が一皿又は一食用として通常使用するよりも多くの量の組成物を含有する、大口で包装される場合がある。このような大口包装は、紙、プラスチック又は布袋又は段ボール箱又はドラム缶の形態であってもよい。このような大口包装には、組成物の分配を容易にするために、プラスチック又は金属製の注ぎ口を付ける場合がある。
【0052】
或いは、本発明の組成物は、一皿又は一食分に使用するのに好適な量で包装される場合がある。このような個別包装に好適な材料には、紙又はホイルパケット又はパウチが含まれる。
【0053】
調味混合物は、風味調味組成物の約95%〜約99%、好ましくは約96%〜約98%、更に好ましくは約97%の濃度(組成物の総重量に占める成分の重量(w/w))で存在する場合がある。
【0054】
本発明の調味混合物は香味料を含有する。香味料は、食品に特定の味又は匂いを付ける添加剤であり、天然成分に由来するか、人工的に生成される。香味料又はこれらの組み合わせは、風味調味組成物の重量比にして約60%〜約99%、好ましくは約80%〜約90%、更に好ましくは約86%の濃度で存在する場合がある。
【0055】
これらの香味料には、チーズ香味料、肉香味料、にんにく香味料、タンギー香味料及びスパイス香味料が含まれる。
【0056】
チーズ香味料は、食品にチーズの味又は匂いを付ける添加剤である。チーズ風味は、チーズ又は乳製品を酵素修飾することによって生成される。酵素修飾によって極めて強い風味のペーストが得られ、これをマルトデキストリンといった担体と共に乾燥させる。この技術は、チェダー、マイルドチェダー、エイジドチェダー、ブルー、ロマノ及びパルメザンを含むがこれらに限定されないチーズに適用される。市販のチーズ香味料には、Sequoia IITM、BluzingTM、RomanotangTM及びホエイ(例えば、農場のチーズホエイ)が含まれるが、これらに限定されない。1種以上のチーズ香味料が、風味調味混合物の一部として組み込まれる場合がある。チーズ香味料は、風味調味組成物の重量比にして約60%〜約90%、好ましくは約75%〜約85%、更に好ましくは約79.5%の濃度で存在する場合がある。個々のチーズ香味料は、風味調味組成物の重量比にして約1%〜約50%の濃度で存在する場合がある。例えば、Sequoia IITM等のチーズを主成分としたチーズ香味料は、風味調味組成物の重量比にして約30%〜約50%、好ましくは約35%〜約45%、更に好ましくは約40%の濃度で存在する場合がある。BluzingTM等のブルーチーズを主成分としたチーズ香味料は、風味調味組成物の重量比にして約1%〜約10%、好ましくは約3%〜約7%、更に好ましくは約5%の濃度で存在する場合がある。RomanotangTM等のロマノチーズを主成分としたチーズ香味料は、風味調味組成物の重量比にして約5%〜約15%、好ましくは約8%〜約12%、更に好ましくは約10%の濃度で存在する場合がある。ホエイは、風味調味組成物の重量比にして約20%〜約30%、好ましくは約23%〜約27%、更に好ましくは約25%の濃度で存在する場合がある。
【0057】
肉又は美味の香味料は、食品に肉の味又は匂いを付ける添加剤である。これらの香味料には、ビーフ、チキン、ラム、魚、バーベキュー又は熏製肉、グルタミン酸一ナトリウム(MSG)、グルタミン酸、しょうゆ、加水分解大豆、並びに美味の風味を再現するために高温でタンパク質を炭水化物と反応させた反応風味が含まれるが、これらに限定されない。1種以上の肉香味料が、風味調味混合物の一部として組み込まれる場合がある。個々の肉香味料は、風味調味組成物の重量比にして約1%〜約50%の濃度で存在する場合がある。
【0058】
タンギー香味料は、食品にピリッとした、又は酸っぱい、又は「刺激の強い」味又は匂いを付ける酸味料等の添加剤である。これらの酸味料には、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸、並びにリン酸等の無機酸が含まれるが、これらに限定されない。1種以上のタンギー香味料が、風味調味混合物の一部として組み込まれる場合がある。タンギー香味料(例えば、クエン酸)は、風味調味組成物の重量比にして約1%〜約10%、好ましくは約3%〜約7%、更に好ましくは約3.5%の濃度で存在する場合がある。上述の酸のようなタンギー香味料は、保存剤及び抗酸化剤の役割を果たす場合もある。
【0059】
にんにく香味料は、食品にオニオン又はガーリックの味又は匂いを付ける添加剤である。これらの香味料には、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、チャイブ、リーク、ワケギ、及びエシャロットが含まれるが、これらに限定されない。1種以上のにんにく香味料が、風味調味混合物の一部として組み込まれる場合がある。にんにく香味料は、風味調味組成物の重量比にして約10%以下、好ましくは約5%以下、更に好ましくは約3%以下の濃度で存在する場合がある。例えば、オニオンパウダーは、風味調味組成物の重量比にして約5%以下、好ましくは約1%〜約3%、更に好ましくは約2%の濃度で存在する場合がある。ガーリックパウダーは、風味調味組成物の重量比にして約5%以下、好ましくは約1%の濃度で存在する場合がある。
【0060】
スパイス香味料は、食品に刺激的な味と匂いを付ける添加剤である。これらの香味料には、こしょう、シナモン、ナツメグ、ジンジャー、オールスパイス、メース、クローブ、ペッパー(例えば、カイエン、ハラペニョ、チポトレ、チリ)、粒こしょう、マスタード、オレガノ、チャイブ、アニス、バジル、黒こしょう及びコリアンダーが含まれるが、これらに限定されない。1種以上のスパイス香味料が、風味調味混合物の一部として組み込まれる場合がある。例えば、チリペッパーパウダーは、風味調味組成物の重量比にして約5%以下、好ましくは約1%〜約3%、更に好ましくは約2%の濃度で存在する場合がある。
【0061】
本発明の調味混合物で使用される別の成分には、増量剤がある。増量剤は、組成物の容積を増加させるために使用される添加剤である。1種以上の増量剤が、調味混合物の一部として使用される場合がある。この増量剤の例には、ホエイ、セルロース、デキストロース、ラクトース、マルトデキストリン、メチルセルロース、キサンタンガム、糖アルコール(例えば、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、キシルトール)及びポリビニルピロリドンが含まれるが、これらに限定されない。増量剤(例えば、ホエイ)は、風味調味組成物の重量比にして約20%〜約30%、好ましくは約23%〜約27%、更に好ましくは約24.5%の濃度で存在する場合がある。本発明の組成物で使用される成分は、本発明の適用範囲内に含まれる複数の目的に役立つ場合がある。例えば、ホエイは増量剤であり、且つチーズ香味料である。
【0062】
本発明の調味混合物は又、流動化剤を含有する場合もある。流動化剤は製造中に成分がある場所から別の場所へ円滑に移動するのを助ける。更に、流動化剤は、混合物の吸湿性を低下させ、湿度の高い環境への曝露に対する粉末の耐性を高める抗固化剤の役割を果たす。1種以上の流動化剤が、調味混合物の一部として使用される場合がある。流動化剤には、二酸化シリコン(例えば、Sylox 15TM)、ステアリン酸カルシウム、一ステアリン酸グリセリル、及び三酢酸グリセリルが含まれるが、これらに限定されない。流動化剤(例えば、二酸化シリコン)は、風味調味組成物の重量比にして約2%以下、好ましくは約1%の濃度で存在する場合がある。
【0063】
更に、本発明の調味混合物は、結合剤を含有する場合もある。結合剤は、ばらばらな混合物を一緒に固着させる物質である。1種以上の結合剤が、調味混合物の一部として使用される場合がある。結合剤の例には、デキストロース、デンプン、セルロース、デキストリン及びグリセリンが含まれるが、これらに限定されない。結合剤(例えば、デキストロース)は、風味調味組成物の重量比にして約30%以下、好ましくは約5%〜約15%、更に好ましくは約10%の濃度で存在する場合がある。
【0064】
調味混合物の別の成分は担体である場合がある。担体は、他の成分の均一な分布、混合及び取扱いを助ける物質である。担体は、他の成分の均一な分布、混合及び取扱いを助ける以外の他の機能を有する成分を含むことが多い。例えば、デキストロース等の増量剤も又、担体と見なされる場合がある。1種以上の担体が、調味混合物の一部として使用される場合がある。担体には、セルロース(例えば、粉末、微小結晶、エチル)、クエン酸、デキストロース、フルクトース、炭酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ポリデキストロース、ポリオキシエチレンソルビタン、ポリビニルピロリドン、及び二酸化シリコンが含まれるが、これらに限定されない。担体は、風味調味組成物の重量比にして約30%以下、好ましくは約5%〜約15%、更に好ましくは約10%の濃度で存在する場合がある。
【0065】
本発明の調味混合物は又、保存剤を含有する場合もある。保存剤は、真菌、細菌及びその他の微生物に起因する食品の腐敗を予防又は阻害する。1種以上の保存剤が、調味混合物の一部として使用される場合がある。保存剤には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸及びその塩、並びにラウリルアルギニン酸等の保存剤が含まれるが、これらに限定されない。1種以上の保存剤が、調味混合物の一部に含まれ、風味調味組成物の重量比にして約2%以下の濃度で存在する場合がある。
【0066】
調味混合物は又、食品に添加される調味料に一般的に見られるその他の成分を含有する場合もある。
【0067】
本発明の風味調味組成物中の塩代替物は、KCl、タウリン又はその生理学的に許容される塩、及び5’−ヌクレオチド一リン酸塩又はその生理学的に許容される塩を含む。塩代替物は、風味調味組成物の重量比にして約1%〜約5、好ましくは約2%〜約4%、更に好ましくは約3%の濃度で存在する場合がある。
【0068】
通常、本発明の塩代替物は、食品又は調味混合物に添加されて、置換されるNaClとほぼ同じ重量のKClの量を提供する。例えば、塩代替物を添加した後の食品中のKCl量は、用途にもよるが、置換されるNaClの量の約0.5倍〜約1.5倍の範囲となる場合がある。即ち、約0.5mgのNaClが除去されると、約0.25mg〜約0.75mgのKClが添加される。種々の食品の風味付けに従来から使用されるNaClの量は、当業者に周知であり、言及するには及ばない。
【0069】
組成物に添加されるKClの量は、所望の塩辛さの程度、及び組成物中に存在するその他の化合物により異なる。例えば、KClは、食品の重量比にして約0.5%〜約1.5%、好ましくは約0.9%(約9,000ppm)の濃度で存在する場合がある。
【0070】
本発明の塩代替物で使用される別の成分は、タウリン又はその生理学的に許容される塩である。苦味物質を含む組成物に添加されるタウリン又はその生理学的に許容される塩の量は、存在する苦味物質の量、及び組成物中に存在するその他の化合物により異なる。例えば、タウリンは、KClの重量比にして約1%〜約15%の濃度で存在する場合がある。好ましくは、食品組成物は、約400〜約1,200ppmのタウリン、更に好ましくは約750ppmのタウリンを含む。
【0071】
本発明の塩代替物で使用される更なる成分は、5’−ヌクレオチド一リン酸塩、AMP、IMP、GMP、これらの組み合わせ、又はそれらの生理学的に許容される塩である。苦味物質を含む組成物に添加される5’−ヌクレオチド一リン酸塩又はその生理学的に許容される塩の量は、存在する苦味物質の量、及び組成物中に存在するその他の化合物により異なる。例えば、5’−ヌクレオチド一リン酸塩のAMPは、KClの重量比にして約1%〜約9%の濃度で存在する場合がある。好ましくは、食品中の濃度は、約100〜約800ppmのAMP、より好ましくは約400〜約600ppmのAMPであるのがよい。5’−ヌクレオチド一リン酸塩のIMP及び/又はGMPは、KClの重量比にして約8%以下の濃度で存在する場合がある。好ましくは、食品中の濃度は、約600ppm以下のIMP、より好ましくは約100〜約200ppmのIMP、及び/又は約600ppmのGMP、より好ましくは約100〜約200ppmのGMPである。
【0072】
本発明の好ましい実施形態において、風味調味組成物は、組成物の重量比にして約95%〜約99%の調味混合物、及び約1%〜約5%の塩代替物を含む。
【0073】
本発明の更に好ましい実施形態は、組成物の重量比にして約96%〜約98%の調味混合物及び約2%〜約4%の塩代替物を含む風味調味組成物である。
【0074】
その上、本発明の尚更に好ましい実施形態は、組成物の重量比にして約97%の調味混合物、及び約3%の塩代替物を含む風味調味組成物である。
【0075】
本発明の好ましい実施形態において、本組成物は、チーズ風味調味混合物及び塩代替物を含み、チーズ風味調味混合物は、組成物の重量比にして約30%〜約50%のSequoia IITM、約1%〜約10%のBluzingTM、約5%〜約15%のRomanotangTM、約30%以下のデキストロース、約5%以下のオニオンパウダー、約5%以下のガーリックパウダー、約10%以下のクエン酸、約2%以下の二酸化シリコン、及び約20%〜約30%のホエイを含む。
【0076】
本発明の更なる好ましい実施形態は、組成物の重量比にして約35%〜約45%のSequoia IITM、約3%〜約7%のBluzingTM、約8%〜約12%のRomanotangTM、約5%〜約15%のデキストロース、約1%〜約3%のオニオンパウダー、約1%のガーリックパウダー、約3%〜約7%のクエン酸、約1%の二酸化シリコン、及び約23%〜約27%のホエイからなる、チーズ風味調味混合物を含む。
【0077】
その上、本発明の更に好ましい実施形態は、組成物の重量比にして約40%のSequoia IITM、約5%のBluzingTM、約10%のRomanotangTM、約10%のデキストロース、約2%のオニオンパウダー、約1%のガーリックパウダー、約3.5%のクエン酸、約1%の二酸化シリコン、及び約24.5%のホエイからなる、チーズ風味調味混合物を含む。
【0078】
本発明の好ましい実施形態は、調味混合物及び塩代替物を含む組成物であって、塩代替物が、塩代替物の重量比にして約80%〜約98%のKCl、約2%〜約15%のタウリン、約1%〜約8%のAMP、約4%以下のIMP、及び約4%以下のGMPからなる組成物である。これらの割合は、これらの全成分の総重量に対する各成分の重量に基づくものである。
【0079】
本発明の別の好ましい実施形態において、組成物は、調味混合物及び塩代替物からなり、塩代替物は、塩代替物の重量比にして約83%〜約87%のKCl、約6%〜約8%のタウリン、約3%〜約6%のAMP、約3%以下のIMP、及び約3%以下のGMPからなる。これらの割合は、これらの全成分の総重量に対する各成分の重量に基づくものである。
【0080】
本発明の好ましい実施形態において、組成物は、調味混合物及び塩代替物からなり、塩代替物は、塩代替物の重量比にして約86.95%のKCl、約3.86%のAMP(アデノシン酸の一ナトリウム塩)、約7.25%のタウリン、約0.97%のIMP(イノシン酸の二ナトリウム塩)、及び約0.97%のGMP(グアニル酸の二ナトリウム塩)からなる。
【実施例】
【0081】
以下の実施例は、本発明の組成物及び方法を例示するものであって、制限するものではない。一般的に味覚の生物学及び化学で見られる条件及びパラメータに基づく、本開示内容に照らして当業者には明らかな、これらの実施例の改変は、本発明の趣旨及び適用範囲内に含まれる。
【0082】
実施例1 チーズ風味のポテトチップス
材料及び方法
減塩又は非減塩のチーズ風味調味料をそれぞれ含有するナッチョチーズ風味のポテトチップスを用意して味見をし、これらのポテトチップスの味属性を比較した。
【0083】
無塩のポテトチップス(Herr’s(登録商標) No Salt)は現地のスーパーマーケットから;Sequoia IITM、BluzingTM及びRomanotangTMはKraft Foodsから;デキストロース2001はCorn Products Internationalから;オニオン及びガーリックパウダーはNewly Wed Foodsから;クエン酸FG(food grade)はPentaから;Sylox 15はGrace(Davison Division)から;農場のチーズホエイはDairy Farmers of Americaから入手した。
【0084】
米国ニュージャージー州フェアフィールドにある感覚評価の受託研究グループであるABIC International Consultantsで、粉末塩(食品等級の塩化ナトリウム)又は塩代替物をそれぞれ含有するナッチョチーズ風味調味料配合物A及びBを調製した。何れの配合物についても、チーズ混合物の成分とSyloxを、KitchenAid(登録商標)混合器及びパドルを使用してよく混ざるまで混合した。次に、残りの成分を添加し、よく混合した。各成分の量については、組成物の重量比(%)として以下の表1に記載する。
【0085】
2枚のビニール袋それぞれに無塩のポテトチップスを約40g入れ、約8.6gの配合物Aを一方のビニール袋に、約8.6gの配合物Bをもう一方のビニール袋に添加した。これらのチップスを入れた2つのビニール袋を振って、調味混合物がチップスの表面に均一に分布するようにした。その後、それぞれのチップスを取り出して、味の検査を行った。
【0086】
それぞれの配合物が付いたチップスの混合物は何れも、Linguagen Corpに勤める7名の社員により、盲検の味検査として味見が行われた。これらの社員を消費者の代表としての審査員とした。審査員は各配合物の味見をする間に必ず水を飲んだ。各混合物を、風味の許容度、並びに苦味及び塩味の知覚について定性的に評価した。
【0087】
(表1 ナッチョチーズ風味調味料配合物A及びB)
【0088】
【表1】

* チーズ風味調味料配合物A及びBの唯一の違いは、配合物中に存在する塩の種類である。配合物Aは3.0%の粉末塩(食品等級塩化ナトリウム)を含有し、配合物Bは、塩代替物に対して約86.95%のKCl、約7.25%のタウリン、約3.86%のAMP、約0.97%のIMP、及び約0.97%のGMPを含む、3.0%の塩代替物を含有する。このため、各調味料の一部に含有されるナトリウムの量は異なる。
【0089】
結果
配合物A及びBの定性的な味の比較
粉末塩を含有する約8.6gの配合物Aで風味付けした無塩のチップス40gにおけるナトリウム合計量は、約266mgであった。このナトリウム量は、主に粉末塩(約102mg)、チーズ香味料、及びチーズホエイ(約150mg)に由来し、チップスに由来するナトリウム量は少なかった(約14mg)。
【0090】
これに対し、約8.6gの配合物Bで風味付けした同量(40g)のチップスにおけるナトリウム合計量は、わずかに約165mgであった。これは、配合物Aで添加されていた粉末塩(102mg)が全て、配合物Bでは塩代替物に代えられていたためである。塩代替物におけるAMPの一ナトリウム塩、並びにIMP及びGMPの二ナトリウム塩から構成されるナトリウム量は、ごく少量であった(約1mg)。このため、配合物Aで風味付けしたチップスに比べて、配合物Bで風味付けしたチップス中のナトリウム量は、約38%減少している。
【0091】
両配合物の味見をした審査員は全て、風味の許容度はほぼ同等であるとした。特に、審査員等は、通常KClに伴う苦味を全くと言っていいほど知覚しておらず、殆どの知覚が塩味であった。このため、KCl塩代替物を含有するチーズ風味調味料配合物は、KClの苦味を抑えつつ、KClを含まないNaClを全量含有するチーズ風味調味料配合物と同程度に心地よい塩味を提供していた。
【0092】
(実施例2 塩代替物の投与試験)
はじめに
塩代替物として使用するKCl、タウリン及び5’−ヌクレオチド一リン酸塩の種々の組み合わせによる味を分析するため、審査員等により投与試験が実施された。塩代替物の組み合わせはチキンコンソメの一部の成分として試験したが、試験結果は風味調味組成物に適用することができる。
【0093】
感覚分析のための材料及び方法
減塩チキンコンソメ(50%減塩、College Inn(登録商標))は現地のスーパーマーケットから;タウリンは市販の食品成分としてAjinomotoから(Gallard−Schlesingerからも入手する場合がある);AMPは、市販の食品成分としてXinxiang Tuoxin Biochemical Technology & Science Co., Ltd.から;IMP及びGMPは、Ribotide(登録商標)と呼ばれる50/50の混合物としてAjinomotoから;KCl及びNaClは市販の食品成分としてMorton Salt Co.から入手した。缶詰スープ製品のCollege Inn(登録商標) Reduced Sodium Chicken Broth(スーパーマーケットから入手)に、乾燥粉末として正確な量及び比率の諸成分を添加し、表2に記載するコンソメ中の所望の最終濃度(重量%又はppm)を達成した。
【0094】
College Inn(登録商標) Reduced Sodium Chicken Brothは、非減塩のチキンコンソメ製品に通常存在するNaClの約50%を含有する。全てのチキンコンソメ試料は、0.9%のKClで強化した。表2に記載の通り、タウリン(750ppm)、AMP(600ppm)及びIMP(200ppm)の種々の組み合わせを、この強化チキンコンソメに添加した。
【0095】
ABIC(米国ニュージャージー州フェアフィールド)は、特に苦味に関する味覚の鋭さから厳選された18名の専門審査員を召集した。タウリン、AMP、IMP及びGMPの種々の組み合わせを添加したチキンコンソメ試料を、これらの18名の専門審査員が摂取した。
【0096】
種々の味の試料組成物を定性化及び定量化する方法は、既に文献に記載されている。このような方法は、感覚検査又は感覚分析と呼ばれることが多い。通常の場合、経験豊富な審査員が、味の種類及び強さの知覚に基づき、試料組成物を評価し、各組成物に点数を付ける。
【0097】
試料はABICの調製室で調製し、3桁のランダムな数字コードのラベルのみを添付した状態で審査員に提供した。スープは160°F(約70℃)の温度で審査員に与えられた。各試料の間には少なくとも15分の休憩を挟んで、試料を順番に審査員に提供した。バイアスを避けるため、試料を提供する順序は無作為化した。審査員には、塩味の付いていないクラッカーと水を各試料の間に提供した。
【0098】
審査員は、知覚した塩味、チキン(旨み)の風味、及び苦さの属性に関して、各試料の強さを評価した。これらの属性の評価幅は、それぞれ0(塩味なし)〜8(極めて塩辛い)、0(風味なし)〜8(極めて強い)、及び0(苦さなし)〜8(極めて苦い)とした。各属性に対する全18名の審査員のスコアを、試料毎に平均化した。コンソメ試料の組成物及びそれぞれの平均スコアを表2に示す。
【0099】
(表2 投与試験)
【0100】
【表2】

結果
0.9%KCl+AMP(600ppm)+タウリン(750ppm)(試料4)
表2に示す通り、試料4の苦味スコア(1.61、KCl+タウリン+AMP)は、対照2のスコア(2.83、減塩チキンコンソメ+KCl)に比べて有意に低かった。このことは、KClにタウリン及びAMPを添加した組み合わせが、苦味を低下させるのに極めて有効であることを示している。試料4と同量のKCl及びAMPと共に使用するタウリンの量がこれ以上多くても(試料6:1,200ppm)少なくても(試料5:400ppm)、得られた苦味スコアは対照2よりも低かった。
【0101】
0.9%KCl+タウリン(750ppm)+AMP(400ppm)+GMP(100ppm)+IMP(100ppm)(試料2)
試料2(KCl+タウリン+AMP+IMP+GMP)の苦味スコア(1.64)は、対照2のスコア(2.83)に比べてはるかに低かった。苦味スコアのこの差は、試料4で認められた差(対照2:試料4=2.83:1.61)と類似しており、IMP及びGMPの組み合わせをほぼ同量のAMPの代わりに使用しても、同様の苦味の減少が得られることを示唆している。
【0102】
以上において、本発明に対する理解を明確にするために、説明及び実施例を使用してある程度詳しく本発明を説明してきたが、本発明は開示した特定の実施形態に限定されることはなく、添付の特許請求の範囲で定義するような本発明の趣旨及び適用範囲内に含まれるあらゆる変更及び改変を含むものとして意図される。
【0103】
本明細書で言及する全ての文献及び特許は、本発明が属する業界の当業者の技能レベルを示すものである。全ての文献及び特許は、個々の文献又は特許出願が参考として援用されることが具体的且つ個別に示される場合と同じように、参考として本明細書で援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)香味料を含む調味混合物、及び(b)塩代替物を含む組成物であって、該塩代替物が、塩化カリウム、タウリン又はそれらの生理学的に許容される塩、及び5’−アデノシン酸(AMP)若しくは5’−イノシン酸(IMP)又はそれらの生理学的に許容される塩を含む5’−ヌクレオチド一リン酸塩を含む、組成物。
【請求項2】
前記5’−ヌクレオチド一リン酸塩が、AMP又はその生理学的に許容される塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記5’−ヌクレオチド一リン酸塩が、IMP又はその生理学的に許容される塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記5’−ヌクレオチド一リン酸塩が、AMP及びIMPの組み合わせ又はその生理学的に許容される塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記5’−ヌクレオチド一リン酸塩が、AMP、IMP及び5’−グアニル酸(GMP)の組み合わせ、又はそれらの生理学的に許容される塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記5’−ヌクレオチド一リン酸塩が、本質的にAMP、IMP、GMP、これらの組み合わせ、又はそれらの生理学的に許容される塩からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記調味混合物が流動化剤、結合剤又は保存剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記香味料が、チーズ香味料、肉香味料、にんにく香味料、タンギー香味料、スパイス香味料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記香味料が、ナッチョ、チェダー、ホワイトチェダー、ブルー、モツァレラ、アジアーゴ、アメリカン、ブリック、ブリー、フェタ、イタリアン、モンテレー、ジャック、ムンスター、プロヴォローネ、リコッタ、ロマノ、スイス、タコおよびパルメザンからなる群から選択されるチーズ香味料である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、スナック、ソース、コーン、パスタ又は犬用ビスケットを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、プレッツェル、ポップコーン、ピザ、クラッカー、カール、パフ、ドードル、チップスを含み、該チップスが、ポテト、コーン及びトルティーヤからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記塩代替物が、前記組成物の重量比にして約1%〜約5%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記塩代替物が、前記組成物の重量比にして約3%である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記香味料が、前記組成物の重量比にして約80%〜約90%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記香味料が、前記組成物の重量比にして約86%である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物の重量比にして、前記香味料が約60%〜約99%であり、前記流動化剤が約2%以下であり、前記結合剤が約30%以下であり、前記塩代替物が約1%〜約5%である、請求項7に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物の重量比にして、前記香味料が約86%であり、前記流動化剤が約1%であり、前記結合剤が約10%であり、前記塩代替物が約3%である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記塩化カリウムの量が、前記塩代替物の重量比にして約80%〜約98%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記タウリン又はその生理学的に許容される塩の量が、前記塩代替物の重量比にして約2%〜約15%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記AMP又はその生理学的に許容される塩の量が、前記塩代替物の重量比にして約1%〜約8%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記IMP又はその生理学的に許容される塩の量が、前記塩代替物の重量比にして約4%以下である、請求項5に記載の組成物。
【請求項22】
前記GMP又はその生理学的に許容される塩の量が、前記塩代替物の重量比にして約4%以下である、請求項5に記載の組成物。
【請求項23】
前記塩代替物の重量比にして、前記タウリン又はその生理学的に許容される塩の量が約2%〜約15%であり、前記AMP又はその生理学的に許容される塩の量が約1%〜約8%であり、前記IMP又はその生理学的に許容される塩の量が約4%以下であり、前記GMP又はその生理学的に許容される塩の量が約4%以下である、請求項5に記載の組成物。
【請求項24】
前記塩代替物の重量比にして、前記タウリン又はその生理学的に許容される塩の量が約6%〜約8%であり、前記AMP又はその生理学的に許容される塩の量が約3%〜約6%であり、前記IMP又はその生理学的に許容される塩の量が約3%以下であり、前記GMP又はその生理学的に許容される塩の量が約3%以下である、請求項5に記載の組成物。
【請求項25】
前記塩代替物の重量比にして、前記塩化カリウムの量が約86.95%であり、前記タウリン又はその生理学的に許容される塩の量が約7.25%であり、前記AMP又はその生理学的に許容される塩の量が約3.86%であり、前記IMP又はその生理学的に許容される塩の量が約0.97%であり、前記GMP又はその生理学的に許容される塩の量が約0.97%である、請求項5に記載の組成物。
【請求項26】
個体の食事中のナトリウム摂取量を減少させ、カリウム摂取量を増加させる方法であって、該個体に請求項1に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項27】
個体の食事中のナトリウム摂取量を減少させ、カリウム摂取量を増加させる方法であって、該個体に請求項25に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項28】
塩代替物を調味混合物と混合することによって、請求項1に記載の組成物を調製する方法。
【請求項29】
請求項1の組成物を調製する方法であって、調味混合物又はその個々の成分、及び塩代替物又はその個々の成分を食品に添加することを含む、方法。
【請求項30】
(a)チーズ香味料、タンギー香味料、にんにく香味料、流動化剤及び結合剤を含む調味混合物、並びに(b)塩化カリウム、タウリン、並びにAMP、IMP、GMP、これらの組み合わせ又はそれらの生理学的に許容される塩を含む5’−ヌクレオチド一リン酸塩を含む塩代替物を含む、組成物。
【請求項31】
前記チーズ香味料が、チーズの酵素修飾による強力な香味料を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記強力な香味料がロマノ又はブルーチーズに由来する、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記チーズ香味料が、前記組成物の重量比にして約60%〜約90%である、請求項30に記載の組成物。
【請求項34】
前記チーズ香味料が、前記組成物の重量比にして約75%〜約85%である、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記タンギー香味料がクエン酸を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項36】
前記タンギー香味料が、前記組成物の重量比にして約1%〜約10%である、請求項30に記載の組成物。
【請求項37】
前記タンギー香味料が、前記組成物の重量比にして約3%〜約7%である、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記にんにく香味料がオニオンパウダー又はガーリックパウダーを含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項39】
前記オニオンパウダーが、前記組成物の重量比にして約5%以下である、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記ガーリックパウダーが、前記組成物の重量比にして約5%以下である、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
前記組成物の重量比にして、前記チーズ香味料が約60%〜約90%であり、前記タンギー香味料が約1%〜約10%であり、前記にんにく香味料が約10%以下である、請求項30に記載の組成物。
【請求項42】
前記組成物の重量比にして、前記チーズ香味料が約75%〜約85%であり、前記タンギー香味料が約3%〜約7%であり、前記にんにく香味料が約10%以下である、請求項30に記載の組成物。
【請求項43】
前記組成物の重量比にして、前記チーズ香味料が約79.5%であり、前記タンギー香味料が約3.5%であり、前記にんにく香味料が約3%である、請求項30に記載の組成物。
【請求項44】
前記流動化剤が、前記組成物の重量比にして約2%以下である、請求項30に記載の組成物。
【請求項45】
前記結合剤が、前記組成物の重量比にして約30%以下である、請求項30に記載の組成物。
【請求項46】
前記組成物の重量比にして、前記流動化剤が約1%であり、前記結合剤が約10%である、請求項42に記載の組成物。
【請求項47】
更に増量剤を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項48】
更に保存剤を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項49】
前記塩代替物が、前記組成物の重量比にして約1%〜約5%である、請求項30に記載の組成物。
【請求項50】
前記塩代替物が、前記組成物の重量比にして約3%である、請求項30に記載の組成物。
【請求項51】
前記塩化カリウムの量が、前記塩代替物の重量比にして約80%〜約98%である、請求項30に記載の組成物。
【請求項52】
前記タウリン又はその生理学的に許容される塩の量が、前記塩代替物の重量比にして約2%〜約15%である、請求項30に記載の組成物。
【請求項53】
前記AMP又はその生理学的に許容される塩の量が、前記塩代替物の重量比にして約1%〜約8%である、請求項30に記載の組成物。
【請求項54】
前記IMP又はその生理学的に許容される塩の量が、前記塩代替物の重量比にして約4%以下である、請求項30に記載の組成物。
【請求項55】
前記GMP又はその生理学的に許容される塩が、前記塩代替物の重量比にして約4%以下である、請求項30に記載の組成物。
【請求項56】
前記塩代替物の重量比にして、前記タウリン又はその生理学的に許容される塩の量が約2%〜約15%であり、前記AMP又はその生理学的に許容される塩の量が約1%〜約8%であり、前記IMP又はその生理学的に許容される塩の量が約4%以下であり、前記GMP又はその生理学的に許容される塩の量が約4%以下である、請求項30に記載の組成物。
【請求項57】
前記塩代替物の重量比にして、前記タウリン又はその生理学的に許容される塩の量が約6%〜約8%であり、前記AMP又はその生理学的に許容される塩の量が約3%〜約6%であり、前記IMP又はその生理学的に許容される塩の量が約3%以下であり、前記GMP又はその生理学的に許容される塩の量が約3%以下である、請求項30に記載の組成物。
【請求項58】
前記塩代替物の重量比にして、前記塩化カリウムの量が約86.95%であり、前記タウリン又はその生理学的に許容される塩の量が約7.25%であり、前記AMP又はその生理学的に許容される塩の量が約3.86%であり、前記IMP又はその生理学的に許容される塩の量が約0.97%であり、前記GMP又はその生理学的に許容される塩の量が約0.97%である、請求項30に記載の組成物。
【請求項59】
前記組成物の重量比にして、前記チーズ香味料の量が約79.5%であり、前記タンギー香味料の量が約3.5%であり、前記オニオンパウダーの量が約2%であり、前記ガーリックパウダーの量が約1%であり、前記流動化剤の量が約1%であり、前記結合剤の量が約10%であり、塩代替物の量が約3%であり、該塩代替物の重量比にして、前記塩化カリウムが約86.95%であり、前記タウリン又はその生理学的に許容される塩が約7.25%であり、前記AMP又はその生理学的に許容される塩が約3.86%であり、前記IMP又はその生理学的に許容される塩が約0.97%であり、前記GMP又はその生理学的に許容される塩が約0.97%である、請求項38に記載の組成物。
【請求項60】
個体の食事中のナトリウム摂取量を減少させ、カリウム摂取量を増加させる方法であって、該個体に請求項30に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項61】
個体の食事中のナトリウム摂取量を減少させ、カリウム摂取量を増加させる方法であって、該個体に請求項59に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項62】
塩代替物を調味混合物と混合することによって、請求項30に記載の組成物を調製する方法。
【請求項63】
塩代替物を調味混合物と混合することによって、請求項59に記載の組成物を調製する方法。
【請求項64】
請求項30に記載の組成物を調製する方法であって、調味混合物又はその個々の成分、及び塩代替物又はその個々の成分を食品に添加することを含む、方法。

【公表番号】特表2008−543333(P2008−543333A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518290(P2008−518290)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/023875
【国際公開番号】WO2007/002015
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507414557)レッドポイント バイオ コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】