説明

飲料冷却装置

【課題】ビールディスペンサを小型化するにあたって冷却水槽の容量を小さくして、電装部品収容箱の底壁下面が冷却水槽の冷却水の水面に近くなっても、電装部品収容箱内が冷却水により低温となって結露することのないようにする。
【解決手段】ビールディスペンサ10は、冷却水槽20の周縁部上端に支持されて電装部品14を収容する収容部30aを有する電装部品収容箱30を備え、電装部品収容箱30には冷却水槽20の中央部に延出して撹拌モータ40を支持する支持板部31を一体的に設け、支持板部31の上面には撹拌モータ40を乗載するとともに収容部30aの外周壁と一体的となる突条31cを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を冷却するための飲料冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷却水を貯える冷却水槽と、冷却水槽内の中央部で撹拌モータにより回転して冷却水を撹拌するための撹拌羽根と、冷却水槽内に螺旋状に巻回して設けられた冷凍装置の蒸発管と、冷却水槽内に設けられた飲料を冷却するための飲料冷却管と、冷却水槽の後部上端に支持された電装部品を収容する電装部品収容箱とを備えた飲料ディスペンサが開示されている。冷却水槽の中央部上端には支持板が設けられており、この支持板は電装部品収容箱の前側で撹拌モータを支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−261200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の飲料ディスペンサにおいては、装置を小型化するにあたって冷却水槽の容量を小さくすると、電装部品収容箱の底壁下面が冷却水槽の水面に近くなり、電装部品収容箱内は冷却水の冷熱により冷やされて結露しやすかった。また、冷却水槽の上側に、電装部品収容箱と支持板とを取り付けているが、これらの組み立て工数が多くて作業性が良くないという問題があった。本発明は、このような問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、冷却水を貯える冷却水槽と、冷却水槽内の中央部で撹拌モータにより回転して冷却水を撹拌するための撹拌羽根と、冷却水槽内に設けられた冷凍装置の蒸発管と、冷却水槽内に設けられた飲料を冷却するための飲料冷却管と、冷却水槽の周縁部上端に支持されて電装部品を収容する収容部を有する電装部品収容箱とを備えた飲料冷却装置であって、電装部品収容箱には冷却水槽の中央部に延出して撹拌モータを支持する支持板部を一体的に設け、支持板部の上面には撹拌モータを乗載するとともに収容部の外周壁と一体的となる突条を設けたことを特徴とする飲料冷却装置を提供するものである。
【0006】
上記のように構成した飲料冷却装置においては、電装部品収容箱には冷却水槽の中央部に延出して撹拌モータを支持する支持板部を一体的に設け、支持板部の上面には撹拌モータを乗載するとともに収容部の外周壁と一体的となる突条を設けたので、部品点数及び組立て工数を減らすことができ、撹拌モータから発生する熱を支持板部に拡散させることなく突条により収容部内に伝達して、電装部品収容箱内が冷却水の冷熱により冷やされて結露するのを防ぐことができる。
【0007】
上記のように構成した飲料冷却装置においては、突条は撹拌モータの収容部側となる一部を乗載するようにするのが好ましく、このようにしたときには、撹拌モータから発生する熱が収容部と反対側に伝達されるのを防ぐことができ、撹拌モータから発生する熱の伝達効率を上げることができる。
【0008】
上記のように構成した飲料冷却装置においては、電装部品収容箱の収容部の底壁下面には隙間を設けて冷却水遮蔽板を取り付けるようにするのが好ましく、このようにしたときには、冷却水槽内の冷却水が冷却水遮蔽板によって電装部品収容箱の収容部の底壁下面に付着するのを防ぐことができ、また、電装部品収容箱の収容部の底壁下面と冷却水遮蔽板との間の空気により冷却水槽内の冷却水の冷熱が伝わりにくくなり、電装部品収容箱内が冷やされて結露するのをさらに防ぐことができる。
【0009】
上記のように構成した飲料冷却装置においては、電装部品収容箱には撹拌モータの周囲の空気を電装部品収容箱の収容部の底壁下面側に送るための送風通路を設けるようにするのが好ましく、このようにしたときには、撹拌モータの周囲の熱を持った空気が電装部品収容箱の収容部の底壁下面側に送られて、電装部品収容箱の収容部内が低温となって結露するのをさらに防ぐことができる。この飲料冷却装置においては、支持板部は電装部品収容箱の収容部の外周壁より下方に延びる接続壁部から冷却水槽の中央部に延出するようにして電装部品収容箱の収容部の底壁より下側に設けられるようにし、接続壁部に送風通路を設けるようにすれば、撹拌モータの周囲の熱を持った空気が送風通路を通過して電装部品収容箱の収容部の底壁下面に送出されるようになり、収容部内が冷やされて結露するのをさらに防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による飲料冷却装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図1のB−B線における断面図(ハウジングの上側のみを示す)である。
【図4】電装部品収容箱の支持板部に撹拌モータと網状筒部材とを固定した状態の斜め上方からみた斜視図である。
【図5】電装部品収容箱を斜め上方からみた斜視図である。
【図6】電装部品収容箱を斜め下方からみた斜視図である。
【図7】蓋及び電装部品収容箱を取り外したときの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明による飲料冷却装置の一実施形態であるビールディスペンサを図面を参照して説明する。本発明に係るビールディスペンサ10は、冷却水を貯える冷却水槽20と、冷却水槽20内の中央部で撹拌モータ40により回転して冷却水を撹拌するための撹拌羽根42と、冷却水槽20内に設けられた冷凍装置50の蒸発管51と、冷却水槽20内に設けられた飲料を冷却するための飲料冷却管60と、冷却水槽20の周縁部上端として後部上端に支持されて電装部品14を収容する収容部30aを有する電装部品収容箱30とを備えている。而して、このビールディスペンサ10は、電装部品収容箱30には冷却水槽20の中央部に延出して撹拌モータ40を支持する支持板部31を一体的に設け、支持板部31の上面には撹拌モータ40を乗載するとともに電装部品収容箱30の収容部30aの外周壁と一体的となる突条31cを設けた。以下に、このビールディスペンサ10について詳述する。
【0012】
図1及び図2に示すように、ビールディスペンサ10は、ハウジング11の上側に冷却水を貯える冷却水槽20と、ハウジング11内の下側の機械室に蒸発管51を除く冷凍装置50とを備え、ハウジング11の上面開口が蓋12により覆われている。また、ビールディスペンサ10は、ハウジング11の前壁上部に飲料を注出するための2つの注出コック13を備えている。
【0013】
図2、図3及び図7に示すように、冷却水槽20はビール等の飲料を冷却するための冷却水を貯えるためのものであり、上面が開口して前後方向の幅が左右方向の幅より長い略直方体形状をしている。冷却水槽20内の冷却水は、図示しないオーバーフローパイプにより所定の水位Lを超えないようになっている。図2に示すように、冷却水槽20の上面開口の後部には、電装部品収容箱30が設けられている。
【0014】
電装部品収容箱30は、冷凍装置50等の作動を制御する制御基板等の電装部品14を収容する上面が開口した箱形状をした収容部30aと、撹拌モータ40を支持する支持板部31とを樹脂部材により一体的に形成したものである。図2〜図4に示すように、収容部30aの上側からみた形状は、前側部の中央が凹んだ略コ字形をしており、冷却水槽20の後壁上端と左右両側壁の後部上端に支持されている。図2、図4及び図5に示すように、支持板部31は、収容部30aの凹んだ部分の前壁と両側壁の各下端部から下方に延びる接続壁部30bの下端部から冷却水槽20の上側中央部に向けて水平方向に延出して、収容部30aの底壁より低い位置に設けられている。
【0015】
図2及び図6に示すように、支持板部31の下面には、後述する網状筒部材43が傾いたり水平方向に移動しないようにするための係止突起31aが設けられている。また、支持板部31の下面の周部と両側部とには、支持板部31を補強するために下方に突出して形成された補強用リブ31bが形成されている。
【0016】
図2〜図4に示すように、支持板部31の上面には、撹拌モータ40がボルトにより固定されている。撹拌モータ40の外周には、支持板部31にボルトで固定するための4つの固定部40aが設けられている。撹拌モータ40の回転軸41は、支持板部31を貫通して冷却水槽20の下部位置まで延びている。回転軸41の下端には、冷却水槽20内の冷却水を撹拌する撹拌羽根42が取り付けられている。図5に示すように、支持板部31の上面の撹拌モータ40を固定した位置には、突条31cが一体的に形成されている。突条31cは、撹拌モータ40を作動させたときに発生する熱を収容部30a内に伝達するためのものである。突条31cは、撹拌モータ40の収容部30a側となる一部として収容部30a側の略半部の周縁部を支持しており、電装部品収容箱30の収容部30aの外周壁として前壁に一体的になるように接続されている。図4及び図5に示すように、支持板部31の上面の撹拌モータ40の固定部40aが設けられている位置には、固定用突部31dが一体的に設けられている。固定用突部31dは、突条31cとともに撹拌モータ40を支持板部31の上面から少し上側で支持するものである。
【0017】
また、図2及び図6に示すように、電装部品収容箱30の収容部30aの底壁下面には、隙間を設けて冷却水遮蔽板32が取り付けられている。冷却水遮蔽板32は、収容部30aの底壁下面の下側に隙間を設けて配置された遮蔽板部32aと、遮蔽板部32aの左右両端部と後端部で上側に折り曲げられた垂直部32bと、垂直部32bの上端で水平方向外側に折り曲げられたフランジ部32cとからなり、板金部材を折り曲げて形成したものである。冷却水遮蔽板32は、フランジ部32cを電装部品収容箱30の収容部30aの底壁下面と、冷却水槽20の左右両側壁の後部上端及び後壁上端とで挟んで支持されている。冷却水遮蔽板32は、冷却水槽20内の冷却水が収容部30aの底壁下面に直接付着するのを防ぐものである。また、冷却水遮蔽板32は、収容部30aとの間の空気により収容部30aの底壁下面に冷却水槽20内の冷却水による冷熱が伝達されるのを抑制するものである。
【0018】
図2に示すように、電装部品収容箱30の上側には、カバー33が設けられている。カバー33は、電装部品収容箱30の収容部30aの上面開口を覆うとともに、支持板部31に固定した撹拌モータ40の上側及び前側を覆っている。カバー33は、収容部30a内に冷却水や埃が流入するのを防ぎ、撹拌モータ40に冷却水や埃が付着するのを防ぐためのものである。
【0019】
また、図2及び図5に示すように、収容部30aと支持板部31とを接続する接続壁部30bには、撹拌モータ40の周囲の空気を収容部30aの底壁下面側に送出するための貫通孔よりなる送風通路30cが形成されている。撹拌モータ40を作動させたときに熱を持った周囲の空気は、送風通路30cを通過して収容部30aの底壁下面と冷却水遮蔽板32との間に送出される。これにより、収容部30a内は、冷却水槽20内の冷却水による冷熱が伝達されるのをさらに抑制されている。
【0020】
図2、図3及び図7に示すように、冷却水槽20内には、撹拌羽根42を囲うように円筒形の網状筒部材43が設けられている。網状筒部材43は、撹拌羽根42の回転により発生する渦を小さくすることで渦へのエアの巻き込み音を抑制するとともに、撹拌羽根42が蒸発管51から剥離した氷に接触して破損したり、撹拌羽根42が氷を噛んでロックするのを防ぐためのものである。網状筒部材43の下端部は冷却水槽20の底面に一体的に形成された4つの支持突部20aに支持されている。また、網状筒部材43は、上端が支持板部31の下面に当接しており、上端部の内周面が支持板部31の係止突起31aに係止している。網状筒部材43は、上下方向及び水平方向に移動しないように冷却水槽20内に取り付けられている。
【0021】
図2、図3及び図7に示すように、冷却水槽20には、網状筒部材43の外周側に冷凍装置50の蒸発管51が螺旋状に巻回されている。冷凍装置50は、圧縮機52により圧縮した冷媒ガスを凝縮器により冷却して液化させ、この液化冷媒を膨張弁を通して冷却水槽20内の蒸発管51に導き、蒸発管51で気化させ冷却水槽20内の冷却水を冷却する。このとき、冷却水槽20内の冷却水の一部は蒸発管51の周囲で凍結して氷となる。螺旋状の蒸発管51は、図7に示すように、前後方向の幅が左右方向の幅より長く上側から見たときの形状が小判形に巻回されている。蒸発管51の下端部は、冷却水槽20の底面に設けられた6つの蒸発管支持脚部20bにより支持されている。各蒸発管支持脚部20bは、螺旋状に巻回された蒸発管51の下端の高さに応じた高さで蒸発管51を支持している。また、蒸発管51の外周側には、蒸発管51の周囲の氷の厚さを検知し、氷を所定の厚さに維持するための氷センサ53が取り付けられている。
【0022】
蒸発管51には、巻き線方向の間隔を所定間隔に保つように保持して冷却水槽20内に取り付けるための2本のホルダ54が取り付けられている。各ホルダ54は、上側から見た形状が略十字形をした樹脂製の柱状部材よりなる。各ホルダ54は、小判形をした螺旋状に巻回された蒸発管51の前後方向の中央より少し後側の内周の両側位置で冷却水槽20内に立設している。各ホルダ54には、螺旋状の蒸発管51の巻き線方向の間隔を所定間隔に保つように保持する略C字形をした8つの保持部54aが上下方向に所定間隔を設けて形成されている。各ホルダ54の下端は、冷却水槽20の底面に一体的に形成された一対の円柱状の位置決め突部20cに係止して前後及び左右方向にずれないように位置決めされている。各ホルダ54の上端は、支持板部31の下面に一体的に形成された補強用リブ31bに係止して左右方向にずれないように位置決めされている。このように、蒸発管51は、冷却水槽20の底部と支持板部31の下面とでホルダ54を挟持して取り付けられている。
【0023】
図2、図3及び図7に示すように、冷却水槽20内には、螺旋状の蒸発管51の外周側で冷却水槽20の内周壁に沿ってビール等の飲料を冷却するための飲料冷却管60が螺旋状に巻回されている。この実施形態においては、2つの注出コック13に対応するように、2つの飲料冷却管60が同心的に2重の螺旋状に配置されている。飲料冷却管60の流入端部はハウジング11の右側壁上部に設けられた継手部によりビール樽から導出されるビールホースと接続可能となっており、飲料冷却管60の流出端部はハウジング11の前壁上部の注出コック13に接続されている。
【0024】
上記のように構成したビールディスペンサ10の作動について説明する。ビールディスペンサ10の電源をオンにすると、撹拌羽根42が撹拌モータ40により回転して、冷却水槽20内の冷却水が撹拌される。また、冷凍装置50が作動して、圧縮機52により圧縮された冷媒ガスが凝縮器により冷却されて液化し、この液化冷媒が膨張弁を通って冷却水槽20内の蒸発管51に導かれ、冷却水槽20内の冷却水が蒸発管51で気化する液化冷媒により冷却される。このとき、冷却水槽20内の冷却水の一部は蒸発管51の周囲で徐々に冷却されて凍結して氷Iとなる。冷却水槽20内の冷却水が十分に冷却された状態で、注出コック13のレバーを傾動させると、図示しないビール樽から圧送されるビールが飲料冷却管60を通過するときに冷却水と熱交換により冷却されて注出コック13から注ぎ出される。
【0025】
上記のように構成したビールディスペンサ10においては、部品点数及び取付けのための作業工数を減らしてコストダウンを図ることを目的として、電装部品収容箱30は電装部品を収容する収容部30aと撹拌モータ40を支持する支持板部31とを樹脂部材により一体成形したものである。また、このビールディスペンサ10は、装置を小型化するにあたって冷却水槽20の容量を小さくしている。冷却水槽20の容量を小さくすると、電装部品収容箱30の収容部30aの底壁下面が冷却水槽20の冷却水の水面に近くなり、電装部品収容箱30の収容部30a内は、冷却水槽20内の冷却水の冷熱により低温となって結露しやすくなっていた。また、電装部品収容箱30の収容部30a内は、その底壁下面に撹拌羽根42の撹拌によって波立つ冷却水が付着して低温となって結露しやすくなっていた。
【0026】
そこで、上記のように構成したビールディスペンサ10においては、支持板部31の上面には撹拌モータ40を乗載するとともに電装部品収容箱30の収容部30aの外周壁として前壁と一体的となる突条31cを設けたので、撹拌モータ40から発生する熱を支持板部31で拡散させることなく突条31cにより電装部品収容箱30の収容部30a内に伝達して、収容部30a内が冷却水の冷熱により低温となって結露するのを防ぐことができる。また、突条31cは撹拌モータ40の電装部品収容箱30の収容部30a側の略半部を乗載するようにしているので、撹拌モータ40から発生する熱が電装部品収容箱30の収容部30aと反対側に伝達されるのを防ぐことができ、撹拌モータ40から発生する熱の伝達効率を上げることができる。
【0027】
また、上記のように構成したビールディスペンサ10においては、電装部品収容箱30の収容部30aの底壁下面には隙間を設けて冷却水遮蔽板32を取り付けているので、冷却水槽20内の冷却水が冷却水遮蔽板32により電装部品収容箱30の収容部30aの底壁下面に付着するのを防ぐことができる。また、電装部品収容箱30の収容部30aの底壁下面は、冷却水遮蔽板32との間の空気により冷却水槽20内の冷却水の冷熱が伝わりにくくなっている。このように、冷却水遮蔽板32は、電装部品収容箱30の収容部30a内が低温となって結露するのをさらに防ぐことができる。
【0028】
また、上記のように構成したビールディスペンサ10においては、支持板部31は、電装部品収容箱30の収容部30aの凹部の前壁と側壁とから下方に延びる接続壁部30bの下端から冷却水槽20の中央部に延出して、電装部品収容箱30の収容部30aの底壁より下側に設けられており、この接続壁部30bには、撹拌モータ40の周囲の熱を持った空気を収容部30aの底壁下面と冷却水遮蔽板32との間に送るための貫通孔よりなる送風通路30cを設けたので、撹拌モータ40の周囲の熱を持った空気が送風通路30cを通過して収容部30aの底壁下面と冷却水遮蔽板32との間に送られるようになり、収容部30a内が低温となって結露するのをさらに防ぐことができる。
【0029】
また、上記のように構成したビールディスペンサ10においては、電装部品収容箱30の上側にはカバー33を設けており、このカバー33は収容部30aの上面開口を覆うとともに、支持板部31に固定した撹拌モータ40の上側及び前側を覆っている。撹拌モータ40は、カバー33に覆われていることで高温となりやすいが、突条31cと固定用突部31dとにより支持板部31の上面より少し上側で隙間を設けて支持されているので、回転軸41を挿通する開口から流入する冷却水の冷熱により高温となりにくくなっている。
【0030】
上記の実施形態においては、冷却水遮蔽板32の遮蔽板部32aは、収容部30aの底壁下面の下側で水平となっているが、本発明はこれに限られるものでなく、遮蔽板部32aの前側部が上側となるように傾斜させれば、冷却水槽20内で撹拌羽根42による撹拌によって波立つ冷却水が遮蔽板部32aの上面に侵入しにくくすることができる。なお、このようにしたときには、冷却水遮蔽板32の後端部に遮蔽板部32aの上面に侵入した冷却水を排出する排水孔を形成すれば、遮蔽板部32aの上面に侵入した冷却水が貯まることなく排出することができる。
【符号の説明】
【0031】
10…飲料冷却装置(ビールディスペンサ)、20…冷却水槽、30…電装部品収容箱、30a…収容部、30b…接続壁部、30c…送風通路、31…支持板部、31c…突条、32…冷却水遮蔽板、40…撹拌モータ、42…撹拌羽根、50…冷凍装置、51…蒸発管、60…飲料冷却管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却水を貯える冷却水槽と、
前記冷却水槽内の中央部で撹拌モータにより回転して冷却水を撹拌するための撹拌羽根と、
前記冷却水槽内に設けられた冷凍装置の蒸発管と、
前記冷却水槽内に設けられた飲料を冷却するための飲料冷却管と、
前記冷却水槽の周縁部上端に支持されて電装部品を収容する収容部を有する電装部品収容箱とを備えた飲料冷却装置であって、
前記電装部品収容箱には前記冷却水槽の中央部に延出して前記撹拌モータを支持する支持板部を一体的に設け、
前記支持板部の上面には前記撹拌モータを乗載するとともに前記収容部の外周壁と一体的となる突条を設けたことを特徴とする飲料冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料冷却装置において、
前記突条は前記撹拌モータの前記収容部側となる一部を乗載するようにしたことを特徴とする飲料冷却装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の飲料冷却装置において、
前記電装部品収容箱の収容部の底壁下面には隙間を設けて冷却水遮蔽板を取り付けたことを特徴とする飲料冷却装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の飲料冷却装置において、
前記電装部品収容箱には前記撹拌モータの周囲の空気を前記収容部の底壁下面側に送るための送風通路を設けたことを特徴とする飲料冷却装置。
【請求項5】
請求項4に記載の飲料冷却装置において、
前記支持板部は前記電装部品収容箱の収容部の外周壁より下方に延びる接続壁部から前記冷却水槽の中央部に延出するようにして前記収容部の底壁より下側に設けられるようにし、前記接続壁部に前記送風通路を設けたことを特徴とする飲料冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−169568(P2011−169568A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36528(P2010−36528)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【Fターム(参考)】