説明

養禽システム、養禽方法および養禽用発光器

【課題】産肉、産卵の増量。経済性、安全性の向上。
【解決手段】養禽システムは、禽舎および禽舎の付帯設備から構成されるシステムであって、付帯設備は、家禽に光を照射する照明設備を含み、照明設備は、半導体光源を含み、該半導体光源から発せられる550〜650nmの範囲にピーク波長を有する光を照射する。この範囲の光は、性成熟、食欲、睡眠欲、内臓の調整に好影響する。これより短いピーク波長だと紫外線が含まれ、家禽にストレスを与え、害虫などを誘引する。長いと赤外線が含まれ、禽舎内や家禽の温度を上昇させる。特定範囲にピーク波長を有する肥育に有効な波長の光を照射できる。電気から光への変換効率が高いので、経済性に優れ、CO2放出量の削減に繋がる。グローブの急冷による破損の危険性を減少でき、禽舎内の温度上昇を抑制できる。寿命が長くなるので、交換の際の危険性、手間およびコストを減少できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養禽システム、養禽方法および養禽用発光器に関し、特に、養禽に適した養禽システム、養禽方法および養禽用発光器に関する。
【背景技術】
【0002】
家畜には、豚などに加えて、鶏などの家禽が含まれる。家畜は、開放畜舎、セミウインドレス畜舎、ウインドレス畜舎によって、1年を通して孵化、出産および飼育が行われている。人工飼育の生産性を高効率化するためには、飼育個体数は多数にならざるを得ない。このため、飼育場所は寒冷地や山間地となる傾向がある。また、大面積の飼育設備と家畜の糞尿臭気対策が必須となるため、飼育設備は完全閉鎖型の構造を採用する傾向がある。
【0003】
ところで、光照射は動物の生産機能に影響を及ぼし、その影響の程度は家畜の種類によって異なることが知られている。そして、その影響の程度の相違は、動物の進化過程における光受容器の発達と生理特性に起因すると考えられている。
【0004】
図6は、電球を用いた家禽のひなの従来の飼育方法の例を示す模式図である。図6を参照して、この飼育方法においては、家禽のひなを広い飼育舎100にて飼育するに際し、飼育舎内を暗くするとともに光源にて床面を照らして前記ひなの数に応じた所定径の明部を保持して所定日数飼育し、前記ひなの生長とともに明部の径を順次大きく保持して飼育することを特徴としている。
【0005】
具体的には、飼育舎100内の天井には、ほぼ所定間隔に、電球200(ここでは100Wの白熱電球)と補助電球400とが、スライダック(図示せず)を介して点灯可能に配設されている。各電球200には、開閉可能な円錐状の傘体300が被せられていて、傘体300の開き具合いによって、床面500に照射される明部700の径が変更可能にされている。
【特許文献1】特開平5−199823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
家畜へ照射される光量の適切な制御は、家畜の成長に影響を与える重要な要素の1つであり、人工飼育装置が、完全人工光型であること、太陽光併用型であることを問わず、光源は人工飼育装置に欠かすことができない。特に家禽に対しては、性成熟は日長の影響を受け、光放射により増体および排卵の制御が産業規模で実施され、産肉および採卵の安定供給に貢献している。
【0007】
しかしながら、従来の人工飼育装置では、光源として、白熱電球、蛍光灯またはハロゲンランプ等を用いるため、多量のエネルギーを必要とするため、電力コストが増大する。また、白熱電球は、特に、寿命が短いため、電球の取替えの手間およびコストが多い。
【0008】
さらに、これらの光源から発せられる光は赤外線を含むため、不必要に畜舎内の温度を上昇させる。また、畜舎内の洗浄のための水が熱くなった電球に掛かると割れてガラスが飛び散る。寿命が短いため取替え回数が多いので、交換の際に、割れてガラスが飛散する危険性が増加する。
【0009】
このため、人工飼育の分野において、経済性及び安全性を確保することが要求されている。
【0010】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、産肉および産卵を増量させることが可能な養禽システム、養禽方法および養禽用発光器を提供することである。
【0011】
この発明の他の目的は、経済性および安全性を向上させることが可能な養禽システム、養禽方法および養禽用発光器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、電球形照明用LED(Light Emitting Diode)ランプなどの半導体光源を含む発光器で特定波長の光を鶏などの家禽に照射すると、産肉、産卵の増量に効果があるとの知見を得た。また、電球形照明用LEDランプは養禽において経済性及び安全性にも優れるとの知見を得た。この発明は係る知見に基づくものである。
【0013】
上述の目的を達成するために、この発明のある局面によれば、養禽システムは、禽舎および前記禽舎の付帯設備から構成されるシステムであって、付帯設備は、家禽に光を照射する照明設備を含み、照明設備は、半導体光源を含み、該半導体光源から発せられる550〜650nmの範囲にピーク波長を有する光を照射することを特徴とする。
【0014】
この発明に従えば、養禽システムによって、550〜650nmの範囲にピーク波長を有する光が家禽に照射される。
【0015】
波長550〜650nmの範囲は、家禽の性成熟に好影響を与えるため好適である。この波長範囲の光は、視覚を通じて視床下部に刺激を与え、餌を食べる食欲および睡眠欲などの本能、ならびに、ホルモン分泌による内臓の調整に好影響するため、照射する光は、この波長範囲が好ましい。
【0016】
半導体光源から発せられる光の波長が550nmより短いピーク波長であると、この光に紫外線が含まれることになるため、家禽がストレスを受け産肉および産卵に悪影響を与える。また、家禽に有害な害虫などを誘引することになる。さらに、半導体光源から発せられる光のピーク波長が650nmより長いと、赤外線が含まれることになるため、不必要に禽舎内の温度を上昇させ、家禽が体温上昇を避けるために家禽にヒートストレスがかかる。
【0017】
このため、半導体光源から発せられる光のピーク波長の範囲は、550〜650nmであることが好ましく、580〜620nmであることがより好ましい。さらに好ましくは590〜610nmである。これらの範囲の光は電球色を呈しているため、家禽の肥育を促進できる。
【0018】
半導体光源を用いることにより、上記特定範囲にピーク波長を有する光のみを発することが可能となる。このため、家禽の肥育に有効な波長の光を家禽に照射することができ、産肉および産卵の増産が可能となる。また、半導体光源は、電気から光への変換効率が高い。このため、光源として半導体光源を用いることにより、電力コストを抑制できるため、経済性に優れる。さらに、電力量が減少するので、CO2放出量の削減に繋がる。
【0019】
また、半導体光源を用いるため、熱の発生がほとんどない。このため、半導体光源を覆うグローブのガラスが急冷されて破損する危険性を減少させることができる。また、光源からの光による禽舎内の温度上昇を抑制することができる。さらに、半導体光源を用いるため、寿命が長くなる。このため、光源の交換回数を減少させることができるので、交換の際の危険性、手間およびコストを減少させることができる。さらにまた、半導体光源は、通常の駆動回路および電流導入線を用いても、高湿度下において絶縁破壊を生じる電界以下で使用でき、漏電が生じ難い。
【0020】
その結果、産肉および産卵を増量させることが可能な養禽システムを提供することができる。また、経済性および安全性を向上させることが可能な養禽システムを提供することができる。
【0021】
好ましくは、照明設備から照射される光は、さらに、家禽の目の高さで1〜30lxの照度となるような光であることを特徴とする。
【0022】
この発明に従えば、養禽システムによって、家禽の目の高さで1〜30lxの照度の光が家禽に照射される。
【0023】
家禽の目の高さで照度が1lxより小さいと、暗いため、家禽の活動が減少する。このため、餌採りが少なくなり増体への影響が出てくる。また、作業者が作業しづらいという問題が発生する。家禽の目の高さで照度が30lxより大きいと、家禽が活発に活動しすぎるという問題が発生する。また、餌は採取するが、増体が顕著にならないため、飼料要求率も悪くなるという問題が生じる。
【0024】
このため、1〜30lxの光を家禽に照射することによって、家禽の活動を適度にすることができ、飼料要求率を良くすることができ、増体を顕著にすることができる。
【0025】
好ましくは、照明設備は、照射される光が家禽の目の高さで1〜30lxの範囲の最高照度から消灯時の照度まで段階的または連続的に調光可能な調光機構をさらに含むことを特徴とする。
【0026】
この発明に従えば、最高照度から消灯時の照度まで段階的または連続的に調光されて家禽に光が照射される。このため、瞬間的に照度が切換えられる場合と比較して、給餌器および給水器に家禽が密集するのを抑制することができる。また、暗くなる前に餌を多く採取しようとするため、家禽に食い貯めを促すことができる。さらに、1〜30lxの光を家禽に照射することによって、家禽の活動を適度にすることができ、飼料要求率を良くすることができ、増体を顕著にすることができる。
【0027】
好ましくは、照明設備は、照射される光が家禽の目の高さで1〜30lxの照度となるように半導体光源の高さを調整可能な高さ調整機構をさらに含むことを特徴とする。
【0028】
この発明に従えば、家禽の目の高さで1〜30lxの照度となるように半導体光源の高さが調整可能とされる。このため、種類または出力の異なる半導体光源に替えたときであっても、家禽の目の高さで1〜30lxの照度となるように調整することができる。また、1〜30lxの光を家禽に照射することによって、家禽の活動を適度にすることができ、飼料要求率を良くすることができ、増体を顕著にすることができる。
【0029】
さらに好ましくは、照明設備は、半導体光源の揺れを抑制する揺れ抑制機構をさらに含むことを特徴とする。
【0030】
この発明に従えば、半導体光源の揺れが抑制される。このため、家禽の目の高さでの照度が変動することを抑制することができる。
【0031】
さらに好ましくは、高さ調整機構は、半導体光源の禽舎への取付部から該半導体光源を吊下げるとともに半導体光源から取付部までの長さを調整可能な固定ロープであり、揺れ抑制機構は、取付部から吊下げられた半導体光源の振子運動の振幅を制限可能な補助ロープであることを特徴とする。
【0032】
この発明に従えば、低コストかつ簡単な構造で、半導体光源の高さを調整可能としたり、半導体光源の揺れを抑制したりすることができる。
【0033】
好ましくは、照明設備から照射される光は、電球色の色温度の範囲であることを特徴とする。
【0034】
この発明に従えば、養禽システムによって、電球色の色温度の範囲の光が家禽に照射される。具体的には、電球色の色温度の範囲は、2500〜4000Kである。このため、家禽の肥育を促進することができる。
【0035】
好ましくは、照明設備から照射される光は、電球色の色度座標の範囲であることを特徴とする。
【0036】
この発明に従えば、養禽システムによって、電球色の色度座標の範囲の光が家禽に照射される。具体的には、電球色の色度座標の範囲は、(x,y)=(0.421,0.377),(0.457,0.386),(0.490,0.442),(0.447,0.431)の4つの点を頂点とする4角形で囲まれる範囲である。この範囲で、家禽の肥育を促進することができる。
【0037】
好ましくは、禽舎は、ウインドレス禽舎であることを特徴とする。ウィンドレス禽舎は、窓のない禽舎である。
【0038】
この発明に従えば、禽舎の外部光が遮蔽される。このため、半導体光源からの光の影響のみを家禽に与えることができる。その結果、外部光による悪影響を排除することができる。
【0039】
好ましくは、半導体光源は、発光ダイオードまたはレーザダイオードを含むことを特徴とする。
【0040】
好ましくは、半導体光源は、電球形照明用LEDランプであることを特徴とする。電球形照明用LEDランプとすることによって、広い範囲を明るさのムラが少なく照明可能なように設計し易くすることができる。
【0041】
この発明の他の局面によれば、養禽方法は、禽舎および禽舎の付帯設備から構成される養禽システムにおいて行なわれる方法であって、付帯設備に含まれ家禽に光を照射する照明設備が、該照明設備に含まれる半導体光源によって、550〜650nmの範囲にピーク波長を有する光を照射することを特徴とする。
【0042】
この発明に従えば、産肉および産卵を増量させることが可能な養禽方法を提供することができる。また、経済性および安全性を向上させることが可能な養禽方法を提供することができる。
【0043】
この発明のさらに他の局面によれば、養禽用発光器は、550〜650nmの範囲にピーク波長を有する光を発する半導体光源を含む。
【0044】
この発明に従えば、産肉および産卵を増量させることが可能な養禽用発光器を提供することができる。また、経済性および安全性を向上させることが可能な養禽用発光器を提供することができる。
【発明の効果】
【0045】
以上説明したように、この発明に従えば、産肉および産卵を増量させることが可能な養禽システム、養禽方法および養禽用発光器を提供することができる。また、経済性および安全性を向上させることが可能な養禽システム、養禽方法および養禽用発光器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一のまたは相当する部品には同一の符号を付しており、それらの名称および機能は同様であるので、それらの詳細な説明は繰返さない。
【0047】
また、本実施の形態においては、家禽のうち、鶏について説明する。しかし、これに限定されず、本発明の特徴点の1つである家禽への特定の光の照射に関して、鶏と同様の光周性の中枢である視床下部内側基底部(MBH、mediobasal hypothalamus)を有するという点において、他の家禽、たとえば、鶉、家鴨、鵞鳥、七面鳥、合鴨、または、だちょうなどに対しても本発明を適用することが可能である。
【0048】
図1は、本発明の実施の形態における鶏舎10の概略を示す模式図である。図1を参照して、鶏舎10は、鶏舎の建屋および付帯設備から構成される。鶏舎の建屋の構造は、ここでは、外部光が入る窓が全くないウィンドレス型である。ウィンドレス型の鶏舎10は、電球形照明用LEDランプ1が消灯されているときに鶏舎10の内部が0.4lx未満であることが好ましい。
【0049】
なお、鶏舎の建屋の構造は、太陽光線を遮断するための屋根と壁とに覆われた構造であれば、ウィンドレス型に限定されず、外部光が入る窓がある開放型であってもよいし、窓を暗幕で覆い外部光が入らないようにしたセミウィンドレス型であってもよい。
【0050】
また、鶏舎の付帯設備としては、鶏への光の照射および作業のための照明設備、ならびに、鶏舎内の温度および湿度を調整するための空調設備、ならびに、鶏を育成するためのスペースであるケージ・平飼設備、ならびに、鶏に餌および水を与えるための給餌・給水設備、ならびに、鶏が産卵した卵を収集するための集卵設備、ならびに、鶏の糞を処理するための糞処理設備などが含まれる。
【0051】
本実施の形態においては、ケージ・平飼設備としては、平飼いスタイルを用いる。しかし、これに限定されず、低・中・高床式で雛壇型、直立多段方、2段フロア−型など他のケージシステムまたは平飼いシステムであってもよい。
【0052】
本実施の形態においては、建屋の梁5から電球形照明用LEDランプ1を吊下げるので、電球形照明用LEDランプ1からの光を遮るものが少ないという点で、特に、平飼いシステムが本発明の特徴を最も生かすことができる。
【0053】
なお、上方からの光を遮るものが多い他のケージシステムまたは平飼いシステムであっても、横から照明するなど照明方法を工夫して、電球形照明用LEDランプ1からの光に鶏が直接的に照らされるようにすれば、同様の効果を得ることができると考えられる。
【0054】
照明設備としては、半導体光源である電球形照明用LEDランプ1、固定ロープ3、補助ロープ2、電球形照明用LEDランプ1の点灯および消灯をタイマーで制御する制御装置、および、電球形照明用LEDランプ1と制御装置とを接続するための電力線などが含まれる。
【0055】
固定ロープ3は、建屋の梁5への取付部から電球形照明用LEDランプ1を吊下げるとともに、電球形照明用LEDランプ1から取付部までの長さを調整可能であることによって、電球形照明用LEDランプ1の鶏の目の高さでの照度を所定値に調整可能なロープである。電球形照明用LEDランプ1は、たとえば、床面7から鉛直上方へ170cmの高さに調整される。
【0056】
ここで、鶏の目の高さの照度の所定値は、1〜30lxの範囲のいずれかの値である。鶏の目の高さで照度が1lxより小さいと、暗いため、鶏の活動が減少する。このため、餌採りが少なくなり増体への影響が出てくる。また、作業者が作業しづらいという問題が発生する。鶏の目の高さで照度が30lxより大きいと、鶏が活発に活動しすぎるという問題が発生する。また、餌は採取するが、増体が顕著にならないため、飼料要求率も悪くなるという問題が生じる。
【0057】
このため、1〜30lxの光を鶏に照射することによって、鶏の活動を適度にすることができ、飼料要求率を良くすることができ、増体を顕著にすることができる。
【0058】
また、鶏の目の高さで1〜30lxの照度となるように電球形照明用LEDランプ1の高さが調整可能とされる。このため、種類または出力の異なるランプに替えたときであっても、鶏の目の高さで1〜30lxの照度となるように調整することができる。
【0059】
なお、鶏の目の高さでの照度を所定値に調整可能なように電球形照明用LEDランプ1の位置を調整可能な機構であれば、固定ロープ3に限定されず、他のものであってもよく、たとえば、被覆された電力線、ワイヤ、チェーン、リンク機構、または、伸縮機構であってもよい。
【0060】
補助ロープ2は、取付部から吊下げられた電球形照明用LEDランプ1の振子運動の振幅を制限可能であることによって、電球形照明用LEDランプ1の揺れを抑制するロープである。2本の補助ロープ2の一端が、それぞれ、固定ロープ3と電球のソケットとの接続部付近に接続され、他端が、それぞれ、固定ロープ3の梁5への取付部をはさんで相対する位置の梁5に、補助ロープ2が少し弛むようにして接続される。
【0061】
このように補助ロープ2が取付けられることによって、電球形照明用LEDランプ1がある方向に揺れたときには、揺れの方向と反対側の補助ロープ2が伸びきるまでの振幅に制限される。つまり、弛み量を制限することによって、電球形照明用LEDランプ1の揺れを抑制することができる。
【0062】
なお、ここでは、1本の固定ロープ3に対して補助ロープ2が2本であることとしたが、3本以上であってもよい。
【0063】
また、電球形照明用LEDランプ1の揺れを抑制するものであれば、補助ロープ2に限定されず、他のものであってもよい。たとえば、前述したリンク機構および伸縮機構であれば、位置を調整可能とすることができるとともに揺れを抑制することもできる。
【0064】
また、固定ロープ3を用いないで、2本の補助ロープ2のみで、電球形照明用LEDランプ1を吊下げ、補助ロープ2で電球形照明用LEDランプ1の高さを調整可能なようにしてもよい。
【0065】
また、固定ロープ3および補助ロープ2を梁5に取付けるようにしたが、これに限定されず、電球形照明用LEDランプ1の高さ調整機構および揺れ抑制機構を取付可能な場所であれば、天井、柱、および、その他の建屋の構造材であってもよい。
【0066】
また、本実施の形態においては、半導体光源である電球形照明用LEDランプ1を固定ロープ3のような高さ調整機構および補助ロープ2のような揺れ抑制機構を介して建屋に取付けるようにした。しかし、これに限定されず、建屋の梁、天井、柱、および、その他の建屋の構造材に、直接、半導体光源を取付けるようにしてもよい。このようにしても、高さ調整機構または揺れ抑制機構を用いる場合と同様の効果が得られる。
【0067】
図2は、本発明の実施の形態において鶏舎に取付けられる電球形照明用LEDランプ1およびフラット形の電球形照明用LEDランプ11の形状を示す外観図である。図2(A)を参照して、電球形照明用LEDランプ1は、外観上は、通常の白熱電球と同様のE26口金と、通常のボール形の白熱電球のグローブの先端部と同様の形状の半球状のガラス製グローブと、該カバーと口金との間に設けられた放熱フィンとを含む。放熱フィンの部分の断面の直径は、ここでは5cmである。
【0068】
なお、半導体光源である電球形照明用LEDランプ1の形状は、これに限定されず、フラット形であってもよいし、スポットライト形であってもよいし、レフ形であってもよい。半導体光源の形状が電球形でなくても同様の効果が得られる。
【0069】
図2(B)を参照して、変形例の1つであるフラット形の電球形照明用LEDランプ11においては、口金部および放熱フィン部は、電球形照明用LEDランプ1と同様の形状である。フラット形の電球形照明用LEDランプ11においては、電球形照明用LEDランプ1と異なり、グローブの形状が、半球状ではなく、平らな形状である。
【0070】
電球形照明用LEDランプ1の内部には、36個の電球色LEDチップと、電源回路とが含まれる。ここでは、電球形照明用LEDランプ1は、40W形の白熱電球と同等の直下照度である。入力電圧は、AC100Vに対応する。また、前述したように、E26口金を採用している。このため、白熱電球との置換えが容易である。このため、電球形照明用LEDランプ1を用いるために、鶏舎の照明設備を特別に改造する必要がなく、導入コストの削減に効果がある。
【0071】
なお、1個の電球形照明用LEDランプ1に含まれる電球色LEDチップの個数は、36個に限定されず、1個または複数個であってもよい。
【0072】
この電球色LEDチップは、550〜650nmの範囲にピーク波長を有する光を発する。また、電球形照明用LEDランプ1から発せられる光は、紫外線および赤外線をほとんど含まない。
【0073】
波長550〜650nmの範囲は、鶏の性成熟に好影響を与える。この波長範囲の光は、視覚を通じて視床下部に刺激を与え、餌を食べる食欲および睡眠欲などの本能、ならびに、ホルモン分泌による内臓の調整に好影響する。
【0074】
半導体光源から発せられる光の波長が550nmより短いピーク波長であると、この光に紫外線が含まれることになるため、鶏がストレスを受け産肉および産卵に悪影響を与える。また、鶏に有害な害虫などを誘引することになる。さらに、半導体光源から発せられる光のピーク波長が650nmより長いと、赤外線が含まれることになるため、不必要に鶏舎内の温度を上昇させ、鶏が体温上昇を避けるために鶏にヒートストレスがかかる。
【0075】
電球形照明用LEDランプ1から発せられる光は、害虫誘引を引起こす範囲である430nm以下の波長の光をほとんど含まない。例えば、ロイコチトゾーン症は、ロイコチトゾーン・カウレリーという原虫によっておこり、ニワトリヌカカという非常に小さな吸血性昆虫(害虫)によって媒介される。
【0076】
本実施の形態における電球形照明用LEDランプ1は、害虫誘引を引起こす範囲の波長の光をほとんど含まない。このため、害虫などの忌避効果があるので、害虫によって媒介される家禽の病気を抑制することができる。
【0077】
なお、害虫誘引を引起こす範囲の430nm以下の波長の光の量がどれぐらいの量未満であれば害虫の忌避効果があるかを実験で確認して、電球形照明用LEDランプ1から発せられる光のうち430nm以下の波長の光が実験で確認された量未満となるように設計した電球形照明用LEDランプ1を用いるようにしてもよい。
【0078】
また、本実施の形態における電球形照明用LEDランプ1は、赤外線をほとんど含まない。このため、不必要な鶏舎内および鶏の温度上昇を防止することができ、赤外線による鶏の皮膚の炎症および夏期の鶏舎内の温度上昇および家禽へのヒートストレスの問題も抑制することができる。
【0079】
また、電球形照明用LEDランプ1から発せられる光のピーク波長の範囲は、580〜620nmであることがより好ましい。さらに好ましくは590〜610nmである。これらの範囲の光はより電球色を呈しているため、鶏の肥育を促進できる。
【0080】
半導体光源を用いることにより、前述の特定範囲にピーク波長を有する光のみを発することが可能となる。このため、鶏の肥育に有効な波長の光を鶏に照射することができ、産肉および産卵の増産が可能となる。また、半導体光源は、電気から光への変換効率が高い。具体的には、電球形照明用LEDランプ1の消費電力は、白熱電球の1/10で済む。このため、光源として半導体光源を用いることにより、電力コストを抑制できるため、経済性に優れる。さらに、電力量が減少するので、CO2放出量の削減に繋がる。
【0081】
また、半導体光源を用いるため、熱の発生がほとんどない。このため、半導体光源を覆うグローブのガラスが急冷されて破損する危険性を減少させることができる。また、光源からの光による鶏舎内の温度上昇を抑制することができる。さらに、電球形照明用LEDランプ1は、白熱電球に比較して40倍の長寿命であるため、交換に掛かる費用および電球の費用などが経済的により有利である。また、寿命が長くなるので、光源の交換回数を減少させることができるので、交換の際にガラスが割れて飛び散ることおよび交換作業自体による危険性を減少させることができる。さらにまた、半導体光源は、通常の駆動回路および電流導入線を用いても、高湿度下において電源系統の絶縁破壊を生じる電界以下で使用でき、漏電が生じ難く、これによる火災も生じ難い。
【0082】
その結果、産肉および産卵を増量させることができる。また、経済性および安全性を向上させることができる。
【0083】
また、電球形照明用LEDランプ1から発せられる光は、電球色の色温度および色度座標の範囲の光である。電球色の色温度の範囲は、2500〜4000Kである。
【0084】
図3は、電球色の色度座標の範囲を示す色度図である。図3を参照して、電球色の色度座標の範囲は、(x,y)=(0.421,0.377),(0.457,0.386),(0.490,0.442),(0.447,0.431)の4つの点を頂点とする4角形で囲まれるAの範囲である。
【0085】
このように、電球色を呈した光を鶏に照射することによって、鶏の肥育を促進することができる。
【0086】
また、本実施の形態においては、半導体光源は、電球色LEDチップを含む電球形照明用LEDランプ1であることとした。しかし、これに限定されず、半導体光源であれば他のもの、たとえば、レーザダイオードを含むランプであってもよい。
【0087】
また、本実施の形態においては、電球形照明用LEDランプ1を用いることとしたので、広い範囲を明るさのムラが少なく照明可能なように設計し易くすることができる。
【0088】
電球形照明用LEDランプ1は、鶏舎において用いるため、ほこりおよび水などが入りにくい防滴構造のものを用いる。また、夏場に鶏舎内の温度を下げるために霧状の水を噴霧することがあり、また、鶏舎内を水洗消毒する際に高圧で多量の水を使用するため、電球形照明用LEDランプ1は、水が入りにくい防滴構造が好ましい。さらに好ましくは防滴構造で防爆構造のものを用いる。
【0089】
また、電球形照明用LEDランプ1は、梁5の長手方向に、たとえば150cmの等間隔で設置される。これにより、鶏舎10の床面7全体を電球形照明用LEDランプ1で照射できるようになる。
【実施例1】
【0090】
以下、本発明の好適な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0091】
本実施例では、図1で説明したような鶏舎10に、鶏6としてブロイラーを1m2当り15羽入れた。また、鶏舎10には、電球形照明用LEDランプ1を1m2当り0.33台設置した。また、電球形照明用LEDランプ1は、色温度が2800Kで、CIE(Commission Internationale de I'Eclairage、国際照明委員会)色度座標がx=0.45,y=0.41であるものを用いた。
【0092】
なお、ブロイラーの羽数は、1m2当り15羽に限定されず、ブロイラーの成長過程におけるブロイラーの大きさによって変動する。また、電球形照明用LEDランプ1の設置数は、1m2当り0.33台に限定されず、電球形照明用LEDランプ1の設置位置(高さなど)および電球形照明用LEDランプ1の出力などによって変動する。
【0093】
また、照度が、鶏6の目の高さである床面から10〜40cmの位置での照度が20lxとなるように、電球形照明用LEDランプ1の高さHは、床面7から鉛直上方に200cmとした。また、鶏6の飼育方式は、平飼い方式とした。使用したプログラムは、表1のとおりである。
【0094】
【表1】

【0095】
0日令から7日令の間は、鶏6を鶏舎に慣れさせるために明るくした。具体的には、鶏6の目の高さで20lxとして、23時間点灯して、1時間消灯するようにした。
【0096】
7日令からアウトにおいては、調光器を用いて、点灯時の鶏6の目の高さの照度を20lxから3lxに徐々に下げた。また、23時間点灯して、1時間消灯するようにした。
【0097】
出荷時には、鶏6を暴れさせないため、調光器で、鶏6の目の高さの照度を2〜3lxと暗くした。
【0098】
そして、すべての鶏6が平等に餌を食べられるように給餌設備を設置した。また、点灯開始と同時に、飼料と水とを鶏6に与えることができるように、給餌・給水設備のタイマを設定した。また、良質な鶏用飼料を不断給餌するようにした。
【実施例2】
【0099】
図4は、本発明の実施例2における鶏舎10の概略を示す模式図である。実施例2における鶏舎10は、図1で説明した鶏舎10と照明設備が異なる。照明設備以外の内容は、図1で説明した鶏舎10と同様であるので重複する説明は繰返さない。
【0100】
図4を参照して、実施例2においては、照明設備には、図2で説明した電球形照明用LEDランプ1に替えてフラット形(タイプ)の電球形照明用LEDランプ11を用いる。
【0101】
図5は、実施例2において鶏舎10に取付けられる半導体光源であるフラット形の電球形照明用LEDランプ11の形状を示す外観図である。フラット形の電球形照明用LEDランプ11については、図2(B)で外観図を示した。図5を参照して、電球形照明用LEDランプ11においては、グローブの内側に反射膜12が形成される。フラット形(タイプ)であれば、下方向への明るさをアップさせることができる。また、広い範囲を明るさのムラが少なく照明できるようになる。
【0102】
反射膜12は、ここでは、銀を蒸着形成したものである。しかし、反射膜12は、LEDから発せられた光を電球の先端方向に反射可能なものであればよく、アルミニウムを蒸着形成したものであってもよい。
【0103】
図4に戻って、実施例2においては、照明設備には、さらに、調光フィルタ4が含まれる。調光フィルタ4は、電球形照明用LEDランプ11から照射される光の照度を連続的に調光するためのフィルタである。ここでは、調光フィルタ4として、0%〜100%で連続的に照度調節が可能なものを用いる。
【0104】
そして、照明設備には、調光フィルタ4の照度調節を時間的に制御するためのタイマ制御装置が含まれる。タイマ制御装置によって、照明設備によって照射される光の照度と時間周期を制御することができる。
【0105】
なお、ここでは、半導体光源である電球形照明用LEDランプ11のから照射される光の照度を連続的に調光するためのフィルタを用いたが、これに限定されず、半導体光源から照射される光の照度を段階的に調光可能なフィルタを用いるようにしてもよい。たとえば、10%減衰、30%減衰および50%減衰の3段階の調光フィルタが切換可能に構成された調光フィルタを用いるようにしてもよい。
【0106】
本実施例では、鶏舎10に、鶏6としてブロイラーを1m2当り15羽入れた。また、鶏舎10には、フラット形の電球形照明用LEDランプ11を1m2当り0.33台設置した。また、フラット形の電球形照明用LEDランプ11は、色温度が2950Kで、CIE色度座標がx=0.44,y=0.41であるものを用いた。
【0107】
また、照度が、鶏6の目の高さの位置での照度が20lxとなるように、電球形照明用LEDランプ11の高さHは、床面7から鉛直上方に150cmとした。また、鶏6の飼育方式は、平飼い方式とした。使用したプログラムは、表2のとおりである。
【0108】
【表2】

【0109】
0日令から7日令の間は、鶏6を鶏舎に慣れさせるために明るくした。具体的には、鶏6の目の高さで20lxとして、24時間点灯するようにした。
【0110】
7日令からアウトにおいては、調光フィルタを用いて、点灯時の鶏6の目の高さの照度を10〜3lxになるようにした。また、2時間点灯して、2時間消灯するようにした。
【0111】
なお、明期(点灯時)と暗期(消灯時)とを24時間周期で繰返す方法は、2時間点灯して、2時間消灯する方法に限定されず、1時間点灯して、3時間消灯するようにしてもよい。
【0112】
また、点灯から消灯に切換えるときには、擬似的に夕暮れを作るために、調光フィルタを用いて、10.0lx→6.4lx→4.8lx→3.2lx→1.6lx→消灯(0.4lx未満)と、照度を5段階で段階的に40〜50分掛けて減少させるようにする。
【0113】
そして、1時間消灯した後に、消灯から点灯に切換えるときには、擬似的に夜明けを作るために、調光フィルタを用いて、逆に、消灯→1.6lx→3.2lx→4.8lx→6.4lx→10lxと、照度を5段階で段階的に40〜50分掛けて増加させるようにする。
【0114】
出荷時には、鶏6を暴れさせないため、調光フィルタで、鶏6の目の高さの照度を2〜3lxと暗くした。
【0115】
そして、すべての鶏6が平等に餌を食べられるように給餌設備を設置した。また、点灯開始と同時に、飼料と水とを鶏6に与えることができるように、給餌・給水設備のタイマを設定した。また、良質な鶏用飼料を不断給餌するようにした。
【0116】
このように、間欠点灯法と発熱の少ない電球形照明用LEDランプ11を併用したために、鶏6のヒートストレスを減らすのに大いに効果があった。
【0117】
また、鶏6に対して、育成初期は明期を長くとり、育成中期以降は暗期をしだいに長くする断続照明を採用することにより、24時間照明かつ白熱電球を用いる場合と比較して発育、飼料要求率および育成率が改善された。
【0118】
さらに、照度を段階的に増加するように調光したので、鶏6が給餌器や給水器に一度に密集することを防ぐことができ、早食いを防止することができる。また、照度を段階的に減少するようにしたので、暗くなる前に餌を多く採取しようとするため、鶏6に食い貯めを促す効果があり、鶏6を徐々に満腹にさせることができる。
【0119】
また、暗くて人の作業がしづらい場合は、作業中のみ照度を上げてもよい。この場合の照度は、20〜30lxが望ましい。
【0120】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の実施の形態における鶏舎の概略を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態において鶏舎に取付けられる電球形照明用LEDランプおよびフラット形の電球形照明用LEDランプの形状を示す外観図である。
【図3】電球色の色度座標の範囲を示す色度図である。
【図4】本発明の実施例2における鶏舎の概略を示す模式図である。
【図5】実施例2において鶏舎に取付けられる半導体光源であるフラット形の電球形照明用LEDランプの形状を示す外観図である。
【図6】電球を用いた家禽のひなの従来の飼育方法の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0122】
1 電球形照明用LEDランプ、2 補助ロープ、3 固定ロープ、4 調光フィルタ、5 梁、6 鶏、7 床面、10 鶏舎、11 フラット形の電球形照明用LEDランプ、12 反射膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
禽舎および前記禽舎の付帯設備から構成される養禽システムであって、
前記付帯設備は、家禽に光を照射する照明設備を含み、
前記照明設備は、半導体光源を含み、該半導体光源から発せられる550〜650nmの範囲にピーク波長を有する光を照射することを特徴とする、養禽システム。
【請求項2】
前記照明設備から照射される光は、さらに、前記家禽の目の高さで1〜30lxの照度となるような光であることを特徴とする、請求項1に記載の養禽システム。
【請求項3】
前記照明設備は、照射される光が前記家禽の目の高さで1〜30lxの範囲の最高照度から消灯時の照度まで段階的または連続的に調光可能な調光機構をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の養禽システム。
【請求項4】
前記照明設備は、照射される光が前記家禽の目の高さで1〜30lxの照度となるように前記半導体光源の高さを調整可能な高さ調整機構をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の養禽システム。
【請求項5】
前記照明設備は、前記半導体光源の揺れを抑制する揺れ抑制機構をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の養禽システム。
【請求項6】
前記高さ調整機構は、前記半導体光源の前記禽舎への取付部から該半導体光源を吊下げるとともに前記半導体光源から前記取付部までの長さを調整可能な固定ロープであり、
前記揺れ抑制機構は、前記取付部から吊下げられた前記半導体光源の振子運動の振幅を制限可能な補助ロープであることを特徴とする、請求項5に記載の養禽システム。
【請求項7】
前記照明設備から照射される光は、電球色の色温度の範囲であることを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の養禽システム。
【請求項8】
前記照明設備から照射される光は、電球色の色度座標の範囲であることを特徴とする、請求項1から請求項7までのいずれかに記載の養禽システム。
【請求項9】
前記禽舎は、ウインドレス禽舎であることを特徴とする、請求項1から請求項8までのいずれかに記載の養禽システム。
【請求項10】
前記半導体光源は、発光ダイオードまたはレーザダイオードを含むことを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれかに記載の養禽システム。
【請求項11】
前記半導体光源は、電球形照明用LEDランプであることを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれかに記載の養禽システム。
【請求項12】
前記家禽は、鶏であることを特徴とする、請求項1から請求項11までのいずれかに記載の養禽システム。
【請求項13】
禽舎および前記禽舎の付帯設備から構成される養禽システムにおいて行なわれる養禽方法であって、
前記付帯設備に含まれ家禽に光を照射する照明設備が、該照明設備に含まれる半導体光源によって、550〜650nmの範囲にピーク波長を有する光を照射することを特徴とする、養禽方法。
【請求項14】
前記照明設備から照射される光は、さらに、前記家禽の目の高さで1〜30lxの照度となるような光であることを特徴とする、請求項13に記載の養禽方法。
【請求項15】
前記照明設備は、照射される光が前記家禽の目の高さで1〜30lxの照度となるように前記半導体光源の高さが調整されることを特徴とする、請求項13に記載の養禽方法。
【請求項16】
前記照明設備は、照射される光が該家禽の目の高さで1〜30lxの範囲の最高照度から消灯時の照度まで段階的または連続的に調光することを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の養禽方法。
【請求項17】
前記半導体光源は、発光ダイオードまたはレーザダイオードを含むことを特徴とする、請求項13から請求項16までのいずれかに記載の養禽方法。
【請求項18】
前記半導体光源は、電球形照明用LEDランプであることを特徴とする、請求項13から請求項16までのいずれかに記載の養禽方法。
【請求項19】
前記家禽は、鶏であることを特徴とする、請求項13から請求項18までのいずれかに記載の養禽方法。
【請求項20】
550〜650nmの範囲にピーク波長を有する光を発する半導体光源を含む養禽用発光器。
【請求項21】
前記半導体光源から発せられる光は、電球色の色温度の範囲であることを特徴とする、請求項20に記載の養禽用発光器。
【請求項22】
前記半導体光源から発せられる光は、電球色の色度座標の範囲であることを特徴とする、請求項20または請求項21に記載の養禽用発光器。
【請求項23】
前記半導体光源は、発光ダイオードまたはレーザダイオードを含むことを特徴とする、請求項20から請求項22までのいずれかに記載の養禽用発光器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−171866(P2009−171866A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11502(P2008−11502)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(506394739)全農畜産サービス株式会社 (3)
【出願人】(508022182)株式会社マステクノ (1)
【出願人】(592239095)ローヤルライティング株式会社 (10)
【Fターム(参考)】